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1er juin 2019

オヴニー・パ リの 新聞

LE JOURNAL FRANCO-JAPONAIS BI-MENSUEL GRATUIT w w w. o v n i n a v i . c o m m o n o v n i @ o v n i n a v i . c o m tél:+33(0)1 4700 1133 OVNINAVI OVNI_NAVI

Labo

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Expo

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持続可能な漁の魚介類「パニエ」開始。 オルセー美術館「黒人モデル」展。 欧州議会選挙 2019。 Petites Annonces

暮らしに便利・掲示板。

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毎月 1 日・15 日発行

09-11

Gratuit / 無料

旅しながら、職能をみがく

コンパニョナージュ。

©Tours, musée du Compagnonnage

Actualités

「コ

ンパニョン」という言葉を始めて 聞いたのは、パリの手作りブーツ 屋Clairvoyを取材したときだ。 「う ちはコンパニョンから人材を採用している。 優秀だから」と言われ、 「えっ、コンパニョンっ て何ですか?」と尋ねると、教育機関のよう なものだとの答えだった。  調べてみると、各地の企業やアトリエを巡っ て修業する「Compagnonnage」という職業 訓練制度があり、コンパニョンとは修業を終

コンパニョン大工の旅立ち。ディジョン、16世紀。

えて一人前の職人になった人のことだった。  その起源は中世にさかのぼる。シャルトル 大聖堂のステンドグラスには草花柄の鉢巻き をつけた石工が働く姿が描かれており、この 鉢巻きは後に石工コンパニョンが身につけた ものに似ていることから、すでに13世紀に存 在していた可能性がある。15世紀頃には石工、 大工、靴職人、刃物職人などのコンパニョン 結社が古文書に現れる。自らの利益を守る 組合的なものに発展し、歴史の波にもまれて

変遷しながら現代まで生き延び、今では国か ら職業訓練組織として認可されている。最近 では、パリ・ノートルダム大聖堂の再建にあ たって、 「コンパニョンの数が足りない!」と メディアでも取り上げられた。  集団生活のなかで技能だけでなく規律や 礼儀作法を身につけながら、それらを後輩に 伝えていく。中世の親方のもとでの修業の精 神が、形を変えて現代に生きている。コンパ ニョンたちに会いに行った。 (し)


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