スペイン式ボールポゼッションの原理原則

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個人戦術

フアン・ソリべジャス・ビダル

スペイン式ボールポゼッ ションの原理原則

「考えるプレーヤー」 を育成するため に必要な54個のトレーニング

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調査、 研究、 比較。 これがYouCoachの基本です。  YouCoachとは、 サッカーコーチたちの手によって作られた、 チームを指 導する全てのサッカーコーチのためのオンラインガイドです。サイトでは、 数多くのトレーニングメニューを見ることができます。 その中には、 シンプル なシチュエーション・トレーニングからゲーム感覚で行えるトレーニング、 条件付きトレーニングやテーマを設けたミニゲームなど多岐にわたります。   このE-BOOKでは、 経験豊富なエキスパートであるコーチたちが全面協力し ています。 継続的な発展やアイディアの共有などに役立てることができるでし ょう。 また、 YouCoachには、 いつでもどこでも様々なデバイスから直接アクセ スでき、、 これら全てのトピックスが閲覧可能です。 さらに、YouCoachのトピ ックスは、 FaceBook、 Twitter、 Google+、 YouTube、 LinkedInなど、 多くの SNS上でシェアやコメントできるのも魅力の一つです。 You read, You share, YouCoach!


著者

フアン・ソリべジャス・ビダル UEFA B級ライセンス

UEFA Bライセンス取得 (1983年) 。 マヨルカ島出身。 現在、 ヴィゴンティーナ・サン パウロFCの下部組織で指導者として活躍。 3部リーグのコーチをしていた父から サッカーの基礎を教わる。 スペインC2のサッカークラブ・CDフェリオレンセでキャリ アをスタート。3部リーグで元プロ選手であったアレックス・カレロに指導を受けた。 その後、2011年からイタリアに活躍の場を移す。 バッサネッロ・グイッツァ、 アルビニ ャーゼゴ、 チッタデッラなど複数のクラブで経験を積み、最終的には、 カルチョ・パド ヴァにも所属した。 さらには、 マッド・フットボール・キャンプでプロのコーチたちと共 に子供達のためのサマーキャンプを企画・開催した。 YouCoachとは、 スペインのサッカースクールを専門としたE-bookシリーズを出版 した。

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はじめに

小学生チームの若い監督が試合の後に質問した。 「なんで悲しいんだい?勝った じゃないか、楽しくなかったのかい?」子供は答えた。 「全然楽しくなかったよ。勝っ たかもしれないけどボールにはほぼ触ってないし、相手がずっと攻めてたから。。。」 誰も子供達がどの様に質問を応えるかは、 わからないが私達のちびっ子はこう私た ちに印象づけた。 :サッカーではどんな年代でもゲームの中心にいたほうが楽しい。 つまりチームがボールをコントロールし、試合の中で様々なシチュエーションに向 かっていくことだ。  このことを指導している子どもやサッカー関係者に伝えている。 :幸運にもこのフ ィロソフィーを長年用いているスペインに生まれることが出来た。 そのフィロソフィ ーはボールをキープし相手を支配すること。 この様にプレーすることは高い技術が要求されるが、生まれ持ったタレントがある 選手だけではなく、 どの選手も、研究された練習メニューを通して必要なレベルまで たどり着くことが出来る。  この本にはポゼッションのコンセプトが練習メニューに含まれているだろう。:  ボールを持つことで選手が主役になる可能性は上がる。 もし選手が主役になること が出来れば必ず選手は楽しいだろう! マッシミリアーノ ルッキーニ AS チッタデッラ U-15監督

アンドレア パガン AC エステ監督

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フアン・ソリべジャス・ビダル

スペイン式ボールポゼッシ ョンの原理原則

「考えるプレーヤー」 を育成するために 必要な54個のトレーニング


イントロダクション 最良の結果は勝利ではなく学習 勝つためにトレーニング?教えるためにトレーニング?育成年代でこの質問に対す る答えは 「選手の未来 ということが鍵になる。 言うまでもなく誰もが勝ちたい。 負けるために監督をやっている監督を私は知らな い。 しかしながら、勝つ為にはきちんとした道を通って行かなければならなく、 サッ カー選手としてこの時期しか身に付けられない大事な基礎を抜かしてはいけない。 サッカーの目的が相手のゴールに得点すること、 自分たちのゴールに得点させない ということに関しては認識しているだろう。 :このシンプルな考えを元に、 ボールをキ ープするために、適切な個人技術を身に付けるように、子供達とトレーニングしなけ ればいけない。 ボールと触れる時間がより長ければ、 それは容易になるだろう。 私達はトップチームを指導するのではなく、子供達を指導しているということを考え なければならない。 つまり彼らは学びに、 スポーツをしに、 とにかく楽しみに来てい るのだ。何かに限定することは出来ない。 私達は彼らの為にいて、彼らが正しく成長するための手助けをするためにいる。監 督として名声を得る為に、 グループを利用してはいけない。 監督にとって最高の結果 とは、 シーズン最後に、子供達全員が成長している所を見ることだ。 スペインでは近年、 「ティキタカ」 という言葉が加えられた。 そしてそれは、 ボールポ ゼッションのことである。 スペインやバルセロナが栄光を掴んだ後に、多くの監督が 彼らのようにプレーしたがっている。 しかし、 どのチームも彼らのようにプレーできるのか?答えはノーだ。 あのレベルま では、 そうそう辿りつけない。 ただ、同じスタイルでプレーすることは出来る。 ボール をキープし、 ボールを浮かさないことが勝利に繋がるのか?勝利は約束されること はない。 しかしながら、 ボールをキープすることによって、選手はボールに触れ続け、 テクニックの向上に繋がる。 私達が提案するメニューでは、 チームがボールをキープし、 ゲームを作っていくこと が目的になっている。 この考えを浸透させるには時間がかかる。 しかし、1度この考 えが浸透すれば、 チームはボールを保持する時間が相手より増え、勝利に近づくだ ろう。 サッカーはミスのスポーツであり、 ミスの少ないチームが勝つ。 この本にあるメニュ スペイン式ボールポゼッションの原理原則 / 13


4対1のロンド トレーニングタイプ

シンプルなシチュエーション

01 プレイ時間 10分

目標 • ボールポゼッシ ョン • コントロールオ リエンタード • ショートパス • インターセプト

マテリアル • マーカー4個 • ボール

オーガナイズ

準備 プレーエリア: 5 5m プレーヤー: 5 人 所要時間: 1回10分

マーカーを使って5 5mのグリッドを作る。四角の外にそれぞれ選手は配置する。 1人 四角の中に入る。

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概要

• コーチの合図で普通に4対1を開始する。外の選手達は中のディフェンスに触られな いようにボールを回さなければいけない。 • ボールを奪われた人はディフェンスと交代。

バリエーション

1. ワンタッチのみ

コーチのポイント

• 高いリズムで行うことが重要。 • パスコースを作るために選手達にボールを受ける前に考えるように伝える。現代サッ カーでは考えることが、 プレーの成功のカギとなる。 • 体の向きに取り組む。 • 少しずつ選手がワンタッチでプレーするように試みていく。

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