神の島、火照る海原
TheRubySeaandHingashi

釣り場レベル
Fishingspotlevel
海水エリア
Areasofoceanwater
穴場
Gulleye
水槽で飼育できます
Aquariumfish
収集品採取可能
Collect
ミニオン
Minion
オオヌシ
Bigfish
※
淡水エリア
Areasoffreshwater
地図が釣れます
Timewornmap
魚のサイズ
Fishsize
調理できます
Cookable
お得意様取引対象
Customdeliveries
伝承録が必要です
TomeofIchthyologicalFolklore
たくさん獲ると魚影を発見できます
Ifyoucatchalotofthem, youcandiscovertheshadowsoffish
特定の貝類を釣るためにはひっかけ釣りが必要な場合があります
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紅玉海に生きる者たちの間に伝わる、とある漁師の御伽噺。今や知る者の方が少なくなった その物語の舞台こそ、ここ「螺旋海峡」の海底らしい。ちょうどいい機会だ。海底探検のつい でに、クガネで見つけたこのボロボロの御伽草子も読み進めてみるとしよう。
今は昔、オノコロ島の浜に魔物がいた。
魔物が碧甲羅を襲い、とある漁師がそれを助けた。
広く、青く、冷たい海。うねり、逆巻き、打ち寄せる白波。
最近噂の“冒険者様”の手によって、帝国の圧政は退けられた。 もって「解放」された者もいれば、自由という「開放」に今日 を明日を見失った者もいる。きっとひとつの変化を是非で問う
ことはむずかしいだろう。「今、目の前にあるもの」を自分で 感じ、自分で選ぶ…。そんな当然かつ極めて困難な現実を前に すると、たまらず誰しもが打ちひしがれてしまいそうになる。
紅玉海は、変わらず今日も満ち引きを繰り返す。我々の行く末 を黙して見守るように。結論を急かすこともせず、「今はそれ でいい」と告げてくれているかのように。水面に映った自分の 姿は、微笑みながら手招きしているようだった。
私は知りたいんだ、この海のことを。海底には、どんな世界 が広がっていると思う?
古の時代から「海賊衆」によって支配されてきた歴史をもつ 紅玉海は、オサード小大陸とひんがしの国を隔てる内海であり ながらも「いずれの国の力も及ばぬ海」として知られてきた。 そして螺旋海峡は大陸と島々を分かつ、まさにその水域という わけだ。
驚くべきことに、紅玉海の底には人の住まう集落が存在して いた。古来よりこの地に住むという、コウジン族が創り出す 「タマミズ」という巨大水泡を海底に定着させてあるようだ。 人知れずひっそりと暮らしている彼らは、やはり警戒心も高い のだろうか…。こちらにその意図はなくとも、穏やかな生活を 脅かすわけにはいかない。探索には慎重を期すことにした。 海底の人々の暮らしを支えていたのもまた、紅玉海の豊かな 恵みである。食料としての海藻や魚、装飾品としての珊瑚や 貝…。陸の漁師たちが「漁」で生計を成すイサリ村よろしく、 海底ではアジム・ステップから移住してきたというアウラ族の 他、コウジン族の「碧甲羅」がそれぞれ集落を築き、その恵み とともに独自の文化を成していた。
助けた碧甲羅に、海の底へと案内された漁師。
螺旋海峡に生きる様々な部族、様々な文化を見聞きした。
海中にも独自の文化をもつ「暮らし」があるなど と、自分の目で見ることなしに誰が信じただろうか。 コウジン族はともかく、本来陸上で暮らすアウラ族は 海中の生活に適した種族とはおよそ呼べないだろう。 現に「タマミズ」なる水泡まで作って暮らしているの だから。彼ら一族がここに行きつくまでにどんな経験 をし、味わってきたのか私は知らない。ただ、この地 に辿り着いた時、彼らもきっと「長らく凝り固まって いた自分自身のなにか」が削ぎ落ちるような、そんな 感覚に惹かれたのではないだろうか。先ほどまで頭の 片隅に沈殿していた悩みを置き去り、この景色に魅せ られていた私には、そう思えてならなかった。
しかし、コウジン族という海洋民の生態は、知れば 知るほどにおもしろい。道中、話を聞くことができた 親切な碧甲羅によれば、彼らはこの世に生まれてくる 前、その魂がまず「物」に宿るらしい。そうして世界 に慣れた後、卵に入り直し、生まれてくる…のだと。 ゆえにかつて自身が宿っていた「物」には愛着がある ままに生を受けるというのだから、万「物」に宿ると いう彼らの八百万の神々への信仰は、いわば「友愛」 に近しいのかもしれない。
鮮やかな藍青色の大型のサメ。 外洋から海遊してきて湾の奥地まで泳 いでくる。
クエを食ったら、ほかの魚は食えんといわ れるほど美味しいと評判の魚。塩焼きにし ようか、煮付けにしようか。
螺旋階段のようにきれい に渦巻いた姿をしてい る。壊れやすい殻のた め、完全な形を保ってい るものは珍重されている らしい。
海を気持ちよさそうに泳いでいる巨 大なエイ。コウジン族の操るシマエ イはこのトビエイを長年かけて家畜 化したものらしい。
アクアリウムでしっかり観察したことはない が、きっとかわいいに違いない。名前の由来 はひんがしの国の犬種「狆(ちん)」に似て いるから。しかし実際は大して似ていないら しい。
碧甲羅が集落を成す「タマミズ」は、ベッコウ島の地下洞窟 を通じて地上にもつながっていた。これも彼らが創り出したの だろうか。極めて自然と調和した形でつながっていたが。今回 の探索でとても親切に私を案内してくれたコウジン族の彼に、 また訪ねてみるとしよう。次は、古くいわくのつきそうな珍品 をいくつか手土産に持って…。
青天の紅玉海。海底にも陽の光が差し込み、赤に青に、海中を彩る。
海底には別世界が広がっていた。地上の喧騒から離れて暮らす ことを選んだ種族に、何に怯えるでもなく大海原を優雅に泳いで みせる魚たち。そんなあらゆる小さな命たちを時に力強く守り、 時に優しく抱きかかえる。きっと、紅玉海は「母」のような存在 なのだろう。この包容力をこそ思えば、珊瑚や海藻もどことなく のびのびと、そして無邪気に笑っているようにも見えてくる。
しばらく海中の澄んだ景色を見ていると、不思議なことに余所 者である私自身も、どこか少々のわがままを認めてもらえている ような、そんな懐かしさを感じられる。そして刹那、自身のこの 小さな命にどうしようもなく感謝したくなった。その道に明るく はないが、八百万の神々への信仰とはどうも、この"感謝"に由来 しているような気がする。「日常」を成すありとあらゆるもの、 そのひとつひとつに「ありがとう」と。……そうか、かの地は別 世界なんかじゃない。同じ世界に生き、彼らに見えていて、私に 見えていないものが多いだけだ。「別」だと割り切って、距離を 取ろうとしていたのは私自身だ。
いつの時代も、歴史は人々の「伝承」によって、後世に伝え られる。時に虚勢や脚色を帯びながら、時に都合の悪い事実を 闇に葬りながら。この紅玉海に多く残る「神話」や「伝説」も そのひとつだ。
深い海の底に、「伝承」とはまた異なる形で、歴史を幽寂と 現世に伝える存在がある。いつの日からか人々には忘れられ、 誰の手に染まることもないまま、当時をそのままに残す遺物。
それが「沈没船」だ。紅玉海の海底でも、沈没したままその時 を止めた“歴史”を見ることができた。かつて人を乗せて水平線
を悠々と泳いだその勇姿は、今や一線を退き、魚たちの憩いの 場としてある。ひっそりと、海底で夢と浪漫を演出していた。 碧のタマミズから北東方面、海底には「小林丸」という帆船
が沈んでいた。付近から「武将の脇差し」が発見されたという 情報こそあれど、この船が誰のものなのか、いつからこの海底 に眠っているのか…その真実を知る者はいない。ひらけた一帯 にぽつんと沈む船の周辺には、様々な魚が棲み付いているよう だった。素潜り漁師たちの中には、穴場として目をつけている 者もいるようだ。
沈没船「小林丸」周辺の探索中、後をつけてくるよう になったタツノコの子、「タツマゴ」。つぶらな瞳が愛 くるしい。
紅玉海に沈む『小林丸』
海の底の宮殿には、たいそう美しい姫君がいた。 だが姫君は何年間も眠ったまま、目を覚ますことはなかった。
「スイの里」の南西、海流の影響で物が堆積しやすい一帯が ある。ここには、紅甲羅の襲撃によって沈没したとされている 「アドヴェンチャー号」が眠る。「ひんがしの国」の国主が、 所有していた宝具をガレマール帝国に献上するために輸送せん としていたところ、それを阻止する形で紅甲羅の一団に襲われ てしまったらしい。宝具はもともと「三種ひとそろいの神器」 のひとつであり、神器には「豪神」の魂が宿る。「物」に宿る 八百万の神を信仰するコウジン族にとり、それほどの代物が 「ゴマすり」で帝国の手に渡るのは許せなかったのだろう。 現在「三種の神器」はすべて、件の"冒険者様"の手によって あるべき宝物殿へと奉納された。しかし、その届かずの思いを 載せたままの船は今もなお、海底で夢を見続けている。皮肉な ことに、現在の佇まいをもって、強烈に我々を浪漫に駆り立て ながら。そこにあるというだけで、こんなにもワクワクするの だから…。私は誓う。『この船の「冒険」は終わった』などと は、決して誰にも言わせない。
ズワイとは、細く真っ直ぐな枝を示す語 「すわえ」が変化したもの。ズワイガニ は鍋の具として人気がある。きっと間違 いなく美味いだろう。
幼体は白と黒の縞模様で、成長すると姿を 変える。そのため近年までは幼体は別種と 考えられていた。
コウジン族にとっては見慣れた存在らし いが、最近新種として学会に発表され注 目された。他の地域でも定期的に新種が 発見されており、1番に釣り上げた冒険 者には賞賛の声が寄せられる。