
研究開発拠点の立地戦略: 賃貸型R&D不動産の可能性
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性

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研究開発拠点に求められる不動産のスペック
不動産の設備スペックに関する項目:面積、天井高・階高、床の耐荷重
実験のインフラに関する項目:給排水、換気、電気
22 安全と生産性に関する項目:危険物、搬出入経路、共用設備 22 プロジェクト成功のために:一気通貫型のサービスを提供する専門業者の価値 23

研究開発拠点の立地戦略: 賃貸型R&D不動産の可能性
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研究開発拠点に求められる不動産のスペック
不動産の設備スペックに関する項目:面積、天井高・階高、床の耐荷重
実験のインフラに関する項目:給排水、換気、電気
22 安全と生産性に関する項目:危険物、搬出入経路、共用設備 22 プロジェクト成功のために:一気通貫型のサービスを提供する専門業者の価値 23
現代経済では無形資産への投資が重要であり、研究開発への投 資も無形資産投資に含まれる。研究開発の舞台となる拠点の立 地には不動産市況、企業の既存拠点の立地、研究者や関係機関 と知識へのアクセスなどの、複数の要因が影響する。その立地分 布には、過去から現在に至るまで製造業とそれを取り巻く政治・ 経済の変遷が影響を与えてきた。その製造業と、研究開発におけ る新たな潮流は都市の集積や都市機能から得られる利益を重視 しているため、今後も大都市都心部への立地が重要視されている。
不動産市場では研究開発活動に特化した賃貸型の物件の供給が 近年になって増加しており、特に東京都を中心とする関東圏(賃 貸供給面積:318,000㎡)と、大阪府を中心とする近畿圏(同:約 124,000㎡)で多く供給される傾向にある。これらの賃貸型物件は、 オフィスビルとは異なるスペック要件や実験器具などの什器を求 める研究開発活動に対応できる設備を備えている。ただし、研究 開発活動は企業の個別性が高いことから、拠点候補の物件にお いて、確認すべき事項や項目が多い。組織内の関係者や知識と経 験が豊富な専門業者との、綿密なコミュニケーションの実践がプ ロジェクトの成功のために重要となる。
研究開発拠点の3つの要件:
不動産、既存拠点、人と知識
近年、「無形資産」への投資が経済活動の中で注目 を集めている。現代経済では、知識やブランド、デザ インといった目には見えない資産が企業に大きな利益 をもたらす。研究開発活動(R&D: Research and Development)も無形資産の一つとされる。研究開 発活動の生産性を高めることは、これからの企業に おける重要な課題となる。
研究開発とは、新しい知識の獲得や、既存知識の活用 のための創造的な努力と探求を指す(文部科学省HP)。
この定義には学術知の探究活動に加えて、企業の製品開 発や生産工程に関する改良といった活動も含まれる。こ の研究開発活動に取り組む場所として、「研究所」や「R&D センター」などの拠点を個別に設ける企業も少なくない。 研究開発拠点にふさわしい不動産とは、どのような要件 を満たすものなのだろうか。大阪産業経済リサーチセンター (2007)は既往研究などを整理したうえで、次の3つの要 因を提示した。
1. 必要な規模の用地の有無という「土地要因」。
2. 企業の既存拠点との近接性という「社内要因」。
3. 情報収集、関連産業の集積、人材の確保という 「環境要因」。
現代の不動産市場や研究開発の動向も踏まえて、本稿で は1の要因を土地に限定せず、企業の求める研究開発拠 点の候補となる不動産の有無を「不動産要因」とする。 本稿ではこの要因に含まれる、研究開発の用途に特化し た不動産市場の可能性を探る。
都道府県
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研究開発拠点の立地における変遷: 1960年代から2010年代まで
研究開発拠点の立地分布は、歴史的にはどのような傾 向を示してきたのだろうか。図1では、2005年までの6つ の年代で設置された研究開発機関の数を、都道府県別 に計上して積み上げた。東京都、神奈川県の立地件数 が特に多く、そのほかの地域についても東京都周辺の関 東の地域と大阪周辺の近畿地方の地域、それ以外の地 方の政令指定都市を有する都道府県が並ぶ。
東京都
神奈川県
大阪府
茨城県
埼玉県
兵庫県
千葉県
愛知県
静岡県
京都府
栃木県
滋賀県
福岡県
広島県
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拠点開設数
図1:研究開発機関の年代別立地件数。大阪産業経済リサーチセンター(2007)を基にJLLが作成。 47都道府県のうち、全年代における立地件数の総数が30件を上回った地域のみを抽出した。
■ ����年代以前 ■ ����年代 ■ ����年代 ■ ����年代 ■ ����-����年 全体の傾向として、1970年代の設置数は少なく、2000 年以後の東京での設置数が多い。この傾向については、 民間企業における研究開発の中枢を担ってきた、製造業 の立地動向が影響を与えたと考えられる。
人口の集中や工場汚染による公害の抑制を目的として、 1959年に首都圏を対象に「工業(場)等制限法」が制定 され、1964年に近畿圏も同法の対象となった(国土審 議会 2001)。同法によって工場や大学の新設が都市部で
制限され、大学の地方移転は研究者と研究者候補であ る学生の空間分布に変化をもたらし、工場の移転は生産 拠点との連携が必要な研究開発の拠点の移転を促したと 考えられる。1980年代はテクノポリス法(1983年に制定) による地方部への研究機能の移転が政策として試みられた。 例えば、次世代素材やバイオテクノロジー関連の研究所 の開設が、筑波研究学園都市のある茨城県で増加した(鎌 倉 2016:56)。好景気に加えて、国内外の製造業における、
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自前主義でのイノベーションの先進事例が開花した時代で もあり(新エネルギー・産業技術総合開発機構 2016:6)、 このことが同時期の立地増加を促したと考えられる。
1990年ごろからは、円高の進行やグローバル化の進展に よる産業の空洞化やバブル崩壊後の景気後退の影響を受 け、製造拠点の集約が進んだ。1990年以降の東京都と 神奈川県では、鉄道駅からのアクセスの良い大規模工場 跡を中心に、商業施設や集合住宅、研究開発拠点への 機能転換が行われた(近藤 2017)。2000年以降は首都 圏での増加が顕著にみられた。2002年に工業等制限法 が廃止されたことも、この要因の一つと考えられる。鎌倉 (2012)は複数の製造業企業の事例を踏まえて、2000年 代以降の研究開発機能の特徴として3点を示している。
・工場等立地制限法 (����、����)、工業再配 置促進法(����)
・都心部から地方への製造 拠点の転出
図2:研究開発拠点の立地の傾向の変遷
・通称「テクノポリス法」の 制定(����年)
・「自前主義」の基礎研究 の成果を活かした企業の 躍進
・研究所の全国的な増加
1. 製造機能と研究開発機能との近接性を重視した研究 開発機能の強化。
2. 顧客志向の研究開発拠点の増設。
3. シナジー効果の創出を目的とした集約型研究開発拠 点の新設。
1の特性は従来型の機能と言えるが、製造業の都心回帰 に伴い、都心の立地が促進された。2は「製造業のサー ビス化」と呼ばれ、顧客研究の重要化による大都市圏へ の立地の動機となったと考えられる。3は企業における部 署横断型の人材交流や都市の多様性を活かすため、本 社や園周辺での立地を促し、オープンイノベーションにお ける外部との交流促進という傾向を含むと考えられる。
・産業の空洞化、バブル 崩壊、地価の下落、IT化の 進展
・製造業の拠点集約・不動 産の有効活用としての研 究開発拠点の立地
・工業等制限法の廃止 (����):製造拠点と大学 の都心回帰 ・オープンイノベーション への注目
・首都圏への企業、研究開 発拠点の集中
研究開発活動の内容による
拠点の最適解の相違
企業が行う研究開発の内容には個別性があり、このこと が各企業における戦略の最適解を異なるものとしている。
例えば、情報通信産業の拠点と製造業の拠点では、研 究開発に必要な不動産の特性や、人材の集積地も異な ることが予想される。さらに、同一の産業分類の中でも、 研究の性質は異なる。製造業は日本における研究開発 費支出の大部分を占めている(図3、4)。この製造業の
中でも、電気機械工業では中央研究所という組織が幅広 い事業領域と製品群のために知識の生産を進めてきたが、 自動車製造業ではほとんど単一事業のために特化した研 究開発が求められてきた(安田・前川 2010)。産業的な 特質ではなく、研究開発機関の組織としての立ち位置も、 立地戦略に影響を及ぼすとされる。例えば、全社横断型 の研究開発機能を持つ場合と、企業の部署ごとに研究開 発機能を有するのかでは、知識ネットワークの構造や立 地戦略が異なる(鎌倉 2016:78)。
産業分類
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企業の内部使用研究費の金額推移
(��億円)
図3:金融業、保険業を除く全産業の内部使用研究費の推移。総務省統計局「科学技術研究調査」を用いてJLLが作成
2022年の製造業における研究費支出の内訳(上位10分類)
輸送用機械器具製造業
自動車・同附属品製造業
医薬品製造業
電子部品・デバイス・電子回路製造業
情報通信機械器具製造業
化学工業
電気機械器具製造業
業務用機械器具製造業
その他の電気機械器具製造業
生産用機械器具製造業
(��億円)
内部使用研究費
図4:製造業における内部使用研究費の内訳の一部。2022年の支出上位10分類を抜粋した。
総務省統計局「科学技術研究調査」を用いてJLLが作成
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性
企業がどのような研究に注力するのかによって、研究開 発拠点の戦略も異なる。研究開発活動は、大きく分けて 3つに分類することができる(総務省統計局 2023)。
1. 応用可能性や用途を考慮しない「基礎研究」。
2. 基礎研究の成果について実用の可能性を探る 「応用研究」。
3. 商品開発を念頭に置く「開発研究」。
基礎研究では、学術機関との近接性が価値を持つことが 考えられる一方、開発研究では顧客や工場との近接性が 重視されるだろう。こうした研究の違いとは、企業の製 品開発における目的の差異にも起因するものだと考えら れる。新時代のニーズに応える先進的な製品を市場に供 給するのか、競合企業の新商品を追随・改善するのか、 新たな技術を用いて独創性のある製品を供給して需要を 喚起するのかといった違いである(PwC 2016)。
この項では研究開発拠点の立地戦略に重要な環境要因、 すなわち知識とそれを生み出す人材への近接性について 検討する。クローズドイノベーションの時代には、研究 開発によって生産された知識の保護が重要であるとされた。
この場合、研究開発拠点は利便性が低く、独立した地域 での立地が好ましい。しかし、近年の研究開発拠点は、 知識の保護よりもむしろ、知識の共有に価値を置くこと から、都市部の立地、特に研究者や同業他社、関連企 業との集積が重視されると考えられる。
知識は共有と複製が可能である。対価を払わずに知識を 入手する経路を排除できないため、知識にはスピルオーバー (染み出し)が存在するという特性がある。ただし、知識 には社会ネットワークを通じた対面のコミュニケーション でしか伝播し得ないものも多く、スピルオーバーは距離 の制約を受ける(水野 2020:30-31)。このことが、研 究開発を集積地で行うことの動機となる。集積は研究者 や企業が、相互に外部効果を享受させることを可能とす るからだ。都市部は企業の研究者や研究機関、大学の 立地が多い集積地であるとともに、多様な人材や関連産 業も集積している。こうした多様性がイノベーションを促 す要素であることも、都市圏での立地に対する重要性を 高めている。
• 土地要因:事業用不動産における市場動向の他に、 政策や法律も関連
• 社内要因:企業における既存の不動産、取引先の 立地が関連
• 環境要因:研究機関や関連産業などの知識の供 給源や、研究者たちの分布が関連
• 製造機能と研究開発機能との近接性(社内要因)
• 顧客志向(環境要因)
• シナジー効果の創出(環境要因)
図5: 1章の要点 出所:大阪産業経済リサーチセンター(2007)、鎌倉(2012)を 参照してJLLが作成
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性
2020年代の研究開発拠点の立地動向の分析:
地域、業種、動機
前章では、これまでの企業における研究開発拠点の立地 の変遷や立地戦略に関わる要素について、既往研究をも とに概観した。それでは、近年の企業の立地動向からは どのような傾向がみられるのだろうか。JLLでは企業の 開示情報などをもとに、2020年1月1日から2023年8月31 日までに日本国内で開設、または開設予定の計画が公
1 施設の老朽化に伴うリニューアルや隣接地への新棟建設の事例なども含む。
表された、214件の企業による研究開発拠点の開設事例 を収集した1。
立地:事例の開設数を都道府県別にみると、立地件数 の多い地域から順に、神奈川県が45件(21%)、東京都 が34件(16%)、大阪府が18件(8%)、千葉県が10件 (5%)、宮城県が8件(4%)となった(図6)。宮城県に ついては、東北大学が民間企業との共同研究を盛んに実 施していることや、仙台市におけるIT企業の誘致政策か らの関連企業や人材の集積が影響を及ぼしたと考えられる。
拠点立地数別、上位5県(N=214)
神奈川県 45件(21%)
東京都 34件(16%)
大阪府 18件(8%)
千葉県 10件(5%)
宮城県 9件(4%)
図6: 近年に開設された研究開発拠点(計画を含む)の立地分布。 企業の適時開示やHP、各種報道をもとにJLLが作成
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性
業種分類では「製造業」が132件(62%)、「卸売業、小 売業」が24件(11%)、「学術研究、専門・技術サービ ス業」及び「情報通信業」が各17件(各8%)と続く(図7)。
製造業が多くみられる傾向は前章で示した研究開発費の 支出額の傾向とも一致した。
次に、拠点開設のプレスリリースなどに記載された拠点 設置の理由に関連する記述をもとに、各事例の不動産要 因を分類してその傾向をみた。①既存の研究拠点の移転 を伴わない拠点開設である「新規」②規模拡大に伴う 移転を行う「拡張」③既存の複数拠点を統合する「集約」 ④老朽化した拠点の新設「リニューアル」の実施―と定 義づけて4つの要因で集計した2。その結果、「新規」は 91件(42%)、「拡張」は64件(21%)、「集約」は64件 (21%)、リニューアルは9件(4%)であった(図7)。既
存拠点を活用せず、新たな地域で開設する事例が多くみ られた。
さらに、拠点開設の要因における、研究開発上の動機が 記載された事例について、以下3つの要因が関与してい るものを集計した3。
1. オープンイノベーションなど多様な人材が交流するこ とを促す「知識交流」。
2. 交通機関からの至近性や利便性の良さを特徴づける 「交通アクセスの改善」。
3. 地域人材の雇用や学生のインターン受け入れに言及 した「人材採用」。
このうち、知識交流は115件(54%)、交通アクセスの改 善は21件(10%)、人材採用は19件(9%)となった(図7)。 知識交流の拡大を目指した拠点開設事例が過半数となっ た。
業種別の拠点開設数、産業別大分類
製造業 図7:集計数値の分布。開設動機は重複計上があり、企業のリリースや報道などに記載がある場合のみカウントしているため、事例の総数 とは一致しない。出所:JLL
学術研究、専門・技術サービス業 卸売業、小売業
建設業 情報通信業
サービス業(他に分類されないもの)
研究開発活動に着目した拠点開設の動機
不動産に着目した拠点開設の動機
2 複数の動機を含む事例(例:「集約」をするが、面積規模としては「拡張」とみられるなど)は該当するカテゴリごとに計上したため、重複計上がある。 3 単一拠点が複数の動機を持つ事例は該当するカテゴリごとに計上したため、重複計上がある。記載のない拠点開設は計上しなかったため、計上した拠点は214件より少ない。
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性 Contents
不動産の利用形態からの比較: 「マルチテナント型」と「自社型」
この項では、不動産の利用形態を①一棟の不動産内に 複数のテナントと同居するとみられる「マルチテナント型」
②一社単独で賃貸ビルまたは自社で開発・保有する物件 に入居する「自社型」―の2つに分類し、その傾向の差 を検討する(図8)4 。
利用形態の内訳をみると、自社型とみられる事例は146件 (68%)マルチテナント型とみられる事例は54件(25%)、
であった。分類不可または利用形態が不明であった事例 が14件(7%)であった。
次に、拠点の地理的な分布の傾向をみる。東京23区内 における開設事例の割合が、マルチテナント型では22%(12 件)に達した一方で、自社型では8%(12件)となった。
企業の本社と研究開発拠点の2地点間の直線距離を算出 すると、マルチテナント型の拠点は自社型の拠点と比較
して、本社との距離が大きくなる傾向がみられた。平均 値では、マルチテナント型が351km、自社型は133kmで あった。中央値では、マルチテナント型が124km、自社 型が27kmであった。
さらに、利用形態の別から各事例の不動産要因をみる。 マルチテナント型では、自社型よりも「新規」を動機と する開設が多くみられた(マルチテナント:自社= 76%:25%)。一方、自社型は、マルチテナント型よりも 「拡張」(マルチテナント:自社=42%:13%)と「集約」 (同前=27%:9%)を動機とする拠点開設が多くみられた。
最後に利用形態の別から研究開発上の拠点開設動機の 傾向をみる。「知識交流」を目的とする事例は、不動産 の利用形態を問わず多くみられた。ただし、マルチテナ ント型は自社型と比較して「知識交流」と「人材採用」 の動機を有する拠点開設の比率が高い傾向がみられた。
不動産に着目した拠点開設の動機、不動産の利用形態別
「マルチテナント型」のみ(N=��) 「自社型」のみ(N=���) 総数(N=���)
人材採用
研究開発活動に着目した拠点開設の動機、不動産の利用形態別
「マルチテナント型」のみ(N=��) 「自社型」のみ(N=���) 総数(N=���) 図8:不動産の利用形態別、拠点開設の動機の分布。利用形態の判定が困難な14件の事例については分析対象から除外した。割合の値は 各用途における事例数(総数は214、自社型は146、マルチテナント型は54)を分母としている。出所:JLL
人材採用 交通アクセス
人材採用 交通アクセス
4 この項でのパーセンテージについて、利用形態の内訳の分母はN=214である。それ以外の数値については、各用途における事例数(総数は214、自社型は146、マルチテナント型は54)を分母とした。
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性
近年の研究開発拠点の立地の傾向: 利用形態の差からみる戦略の差
以上の分布傾向から、企業の目的によって不動産の利用形態も異なるものが 選ばれていると考えられる。
マルチテナント型の研究開発拠点については、首都圏の都心部と企業本社か ら距離の離れた地域が多く選ばれていた。新規開設と人材採用を動機とした 事例も多い傾向が示された。新しい場所で新たな人材とネットワークを構築し て人的交流を促す企業が多いとみられる。マルチテナント型の物件では複数 の研究機関や研究者が同一の建物で活動を行うことになるため、集積のメリッ トを得ることが容易だ。マルチテナント型ではその多くが賃貸物件となり、利 便性が高く用地や物件の確保が困難な地域における拠点開設の際に選ばれや すいのだろう。賃貸借の物件は拠点の開設や閉鎖に関する柔軟性も高い。実 際に、いくつかの事例では共同研究プロジェクトのために数年のみ開設すると いった事例もみられた。
一方、自社型の研究開発拠点は、拡張や集約を動機とする事例や、知識交 流を目的とする事例が多くみられた。既存拠点の規模や分布を変化させて、 人的交流を促す企業が多いとみられる。自社単独で不動産を利用するばあい、 自社の希望する研究開発の構築が容易である。次章で検討するように、賃貸 型の研究開発用の不動産は増加傾向にあるものの、オフィスマーケットと比較 すると物件数が少なく、必要とする面積帯によっては選択肢がかなり少ない可 能性がある。特に大規模な研究開発機能を持つ企業では、集約や拡張のた めの面積需要を満たせる物件が賃貸市場にないことが影響したと考えられる。
事例においては、既存拠点の隣接地や敷地内での開発の事例も複数みられた ことから、企業不動産の有効活用という動機も依然として有効であると考えら れる。
• 同居テナントが存在するため、集積 のメリットを享受しやすい
• 拠点の規模や開設期間における柔 軟性があり、新規拠点の開設に向く
• 自社の実験内容に特化した設備や レイアウトを構築しやすい
• 既存拠点の有効活用や連携強化を 目的とする、拡張や集約などに向く
図9:本節のまとめ:「マルチテナント型」と「自社ビル型」の研究開発拠点の利点
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性
これまでに示したような背景から、研究開発拠点は大都 市圏内での立地の需要があると見込まれる。研究開発の 手法の動向から、その中でも特にマルチテナント型の施 設における研究開発拠点にも需要があると考えられる。
本章では研究開発拠点の候補となる賃貸型物件の市場 について概観する。
製造業の研究開発では、科学実験を実施し、特殊な分 析機器を用いることが多い。このことから、実験を伴う 研究開発活動はリモートワークの実施が比較的難しいと される。さらに、給排水をはじめとして、一般的なオフィ スビルよりも複雑な施設の要件が求められる可能性が高い。
研究者の交通利便性と機能性を実現させる必要性もあり、 研究開発における需要の受け皿となる賃貸型の物件5は、 東京都を中心とした関東圏と、大阪府を中心とする近畿 圏に多く分布する傾向にある(図10、図11)6。従来の 賃貸型物件の供給は産学連携やベンチャー支援などを主 目的としたインキュベーション施設であり、区画の面積が 小さく契約期間や受け入れ企業の規模、活動内容などへ の制約も少なくなかった。2010年代から賃貸物件の竣工 が増加傾向にあるが、近年の物件については入居に関す る制約は従来型の物件よりも少ない傾向にある。さらに、
1,000㎡以上の大規模な面積をワンフロアで供給できる大 型物件の供給もみられており、規模の面でも多様な選択 肢が市場にみられるようになっている。
滋賀県(�) 千葉県(�) 大阪府(��) 京都府(��) 兵庫県(��) 東京都(��)
茨城県(�)
埼玉県(�)
各県内に立地する物件の賃貸可能面積の合計(㎡) 都道府県別総供給面積
神奈川県(��) �,��� �,��� �,��� ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� ��,��� ���,���
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■ 関東圏 ■ 近畿圏
図10: 都道府県別の賃貸可能面積の比較図。 都道府県名に続くカッコ内の数字は県内の集計対象物件数を示す。 出所:JLL
5 科学実験を専有部で行うテナントを募集する賃貸区画があり、物件の用途としても研究開発活動が示される物件を対象とする。例えば、大学が運営するインキュベーション施設などは集計対象に含 まれる。一方、募集資料には研究所用途も対応可と記載されているが、あくまで事務所用途のテナントを主たるリーシング対象としている物件などは含まれない。 6 本章で記載した賃料や賃貸可能面積には推計値を含む。また、本章で提示する2023年の数値とはすべて、「2023年11月末日時点」の数値を意味している。なお、金額は全て税抜きで記載した。
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性
川崎市(��)
横浜市(��)
神戸市(��)
藤沢市(�)
大田区(�)
京都市(�)
江東区(�)
相良郡精華町(�)
柏市(�)
茨木市(�)
相模原市(�)
尼崎市(�)
摂津市(�)
つくば市(�)
池田市(�)
東京都港区(�)
江戸川区(�)
堺市(�)
千葉市(�)
和光市(�)
宇治市(�)
京田辺市(�)
船橋市(�)
草津市(�)
吹田市(�)
大津市(�)
川口市(�)
長浜市(�)
東大阪市(�)
小金井市(�)
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市区町村内に立地する物件の賃貸可能面積の合計(㎡)
図11: 市区町村別の賃貸可能面積の比較図。地域内の賃貸可能面積の総和が1,000㎡以上の地域のみ描画した。 地域名に続くカッコ内の数字は市区町村内の集計対象となった物件数を示す。
出所:JLL
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性 Contents
関東圏の研究開発向け不動産の賃貸市場 関東圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県) における2023年11月時点での賃貸供給面積は318,000㎡ (対象物件数は56)となった。東京湾岸部に多く立地す る傾向がある(図12)。2000年から2023年までの期間に 関東圏における供給面積は約3倍に増加した(図13)。
今後の供給予定としては、2024年末までに川崎市、つく ば市、江東区(東京23区)の3都市で各1件、計3物件 の研究開発向け施設が竣工予定となる。これら3物件の 研究開発用の賃貸供給面積の合計は19,000㎡と予測さ れる。
図12:関東圏の賃貸型研究開発施設(n=56)の分布。色の濃い地域ほど、施設が多く集まる。 ArcGIS Onlineを用いてJLLが作成
賃貸可能面積
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性
賃貸型研究開発向け不動産の供給面積の推移(関東圏)
図13:関東圏における、2000年以降の賃貸型研究開発向け不動産の供給面積の推移。 各物件の竣工年に研究開発用の賃貸面積が供給されたという仮定に基づく。出所:JLL
関東の主要サブマーケット
川崎市:企業の工場立地が多く、京浜工業地帯の中核 をなす。「キングスカイフロント」構想による企業の研究 開発拠点の集積が官民連携で進行する。東京都心部や 羽田空港への交通利便性の高さも強みである。調査時点 (2023年11月末時点、以下同)における平米あたりの月 額賃料単価(募集賃料)は3,500-6,655円である。
横浜市:行政による企業誘致制度が充実しており、誘致 制度の補助金などを活用した本社移転や新規拠点開設 事例も複数みられる。新横浜駅には新幹線が発着するこ とから、他都市との交通利便性にも優れており、横浜駅 を中心に広がる繁華街へのアクセスも良い。調査時点で の平米あたりの月額賃料単価(募集賃料)は1,500-4,991 円である。
東京23区:製造業が集積し羽田空港へのアクセスの良 い大田区と、生命医療産業に特化した施設の整備が進 む江東区における供給が多くみられる。調査時点での平 米あたりの月額賃料単価(募集賃料)は2,410-7,260円 である。
近畿圏の研究開発向け不動産の賃貸市場 近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県)における 2023年11月時点での賃貸供給面積は124,000㎡(対象 物件数は43)となった。神戸市と京都市の一部の地域 に集積する傾向が見られる(図14)。京都市については 1989年にオープンした「京都リサーチパーク」における 供給がその大部分を占めている。また、神戸市における 供給については、1995年の阪神・淡路大震災後の復興
を目的とする「神戸医療産業都市」構想の一環として、 ポートアイランドを中心とする湾岸部に供給が集まる。ま た、近畿圏では2000年から2023年までの期間に、供給 面積は約2倍に増加した(図15)。
新規供給予定では、2024年に大阪市内で医療産業に特 化した賃貸施設が1件竣工予定である。同物件の研究開 発向けの賃貸区画の供給面積は約2,000㎡となる見込み である。
図14:近畿圏の賃貸型研究開発施設(n=43)の分布。色の濃い地域には施設が多く集まる。 ArcGIS Onlineを用いてJLLが作成
賃貸可能面積
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性
(㎡)
賃貸型研究開発向け不動産の供給面積の推移(近畿圏)
図15:近畿圏における、2000年以降の賃貸型研究開発向け不動産の供給面積の推移。 各物件の竣工年に研究開発用の賃貸面積が供給されたという仮定に基づく。
出所:JLL
近畿圏の主要なサブマーケット
京都市:学術研究機関の立地が多く、大学の街として知 られる。大学によるインキュベーション施設や産学連携 拠点の供給にくわえて、大阪ガス京都工場跡地を整備し て開発された、「京都リサーチパーク」における賃貸物 件の供給が1980年代から進められてきた。JR京都駅南 部地域については、オフィスとラボを対象とした建築規制 の緩和が自治体から公表されたこともあり、更なる開発 の進展も期待される。執筆時点における平米あたりの月 額賃料単価(募集賃料)は2,800-6,050円である。
神戸市:ポートアイランドを中心として、医療関連企業 の集積を図る「神戸医療産業都市」構想が1998年から 進行する。新幹線の発着する新神戸駅や神戸国際空港、 神戸港など様々な交通機関からのアクセスにも優れた地 域である。執筆時点における平米あたりの月額賃料単価 (募集賃料)は2,667-4,600円である。
研究開発拠点の立地戦略:賃貸型R&D不動産の可能性
研究開発活動の内容は企業や組織によって大きく異なる とはいえ、不動産に対して求める要件がオフィスビルと は異なるということについては一致している。図16は科 学実験をおこなう拠点開設を賃貸物件で行うと仮定して、 既存の賃貸型の研究開発向け物件のスペックを参照しつつ、 物件選定において留意するべき事項の一例を示した。
• 面積:実験室と執務室の作業を効率的に行うために必要な面積を定める必要がある。例えば研究プロジェ クトの規模や内容の変化によって、実験機材やレイアウトの変更が将来的に予定されているばあいは、部 分解約や増床が可能な物件であれば、拠点運用の柔軟性は高まる。
• 天井高、階高:天井高で2,700mm以上、階高で4,400mm以上の物件が多い。実験機材の導入可否や執 務環境の快適性、換気設備の効率性や配置計画にも関わる項目であり、自社に必要な階高、天井高を把 握することが必要になる。
• 床の耐荷重:500kg/㎡以上の耐荷重の物件が多い。実験装置の導入可否に関連する。物件のスペックに よっては荷重分散板を利用する場合もある。
• その他:候補物件の耐震性能の確認は、安全性の観点から重要となる。また、床の水平度や振動の有無 について、検証が必要になる場合もある。
• 給排水設備:専有部への給排水の引き込みが可能な物件が多い。試液や廃液の中に有害な化学薬品等 が含まれる場合、排水の処理方法が生活排水とは異なる処理が必要となるため、その手順について物件 側の規定を確認する必要がある。
• 換気設備:局所排気設備(ドラフトチャンバー等)を設置可能な物件が多い。局所排気の効率性に加えて、 専有部全体の空気清浄度を確保するための、全体換気量の確保なども同時に求められる。
• 電気設備:三相電源を利用できる物件が多い。実験機器等に必要な電気容量が不足している場合の設備 増設の可否や、BCPの観点から非常用電源の有無やその容量も検討することが望ましい。
• その他:空調設備の有無と、空調が設置されている場合の台数やゾーニングの細かさは一般的なオフィス 同様に確認が必要となる。換気や電気の設備のために屋上スペースなどを利用する場合、そのバッファも 必要になる
• 危険物:対応可能なBSL(バイオセーフティレベル)を貸主側が提示する物件も存在する。高圧ガスのよ うに保管量や実験内容に関する法的規制のある物品を扱う場合、運搬、保管、廃棄などの各段階におけ る厳密な安全管理やそれを実現するための設備設計が求められる。
• 搬入用経路:資材搬入用のエレベーターを有する物件が多い。実験機材や什器の入れ替えにおける利便 性に加えて、有害性のある廃棄物や危険物の運搬における安全性に関わる。
• 共用設備:貸し会議室やコミュニケーションスペースを有する物件であれば、社外の研究者との交流を育 みやすくなる。ネットワーキングイベントの開催を運営者等が積極的に行う物件も存在する。
• その他:オフィスビルと同様に、従業員の居住地や飲食店、取引先等への交通利便性が高く、築年数の 浅い物件は従業員の働きやすさを高める。
図16:科学実験を伴う研究開発拠点で留意すべきスペックや事項。 文部科学省(2010)、JLL社員へのヒアリング等を参考にJLLが作成。
不動産の設備スペックに関する項目: 面積、天井高・階高、床の耐荷重
研究開発拠点では、主に実験用のスペースと執務用のス ペースという、作業の内容が異なる二つのゾーンが必要 となる。これらのスペースにおける作業の効率性はもち ろんのこと、安全性に配慮したゾーニングや動線の設定 が必要となる。
山本(2014:144-145)によると、日本の大学における研 究者一人当たりの研究スペースは20㎡であり、アメリカ の大学では1人当たり50㎡や70㎡といった数値と比較して、 日本の研究室の面積は小さいとされる。ただし、日本学
術会議(1999)では、大学における化学系の研究にお いて、25-30人で構成される1講座に対して約1,000㎡の 面積(一人あたり換算で30-40㎡)が必要であると指摘 されている。大学の研究環境の数値とはなるが、研究者 一人当たり20-40㎡という数値は一つの目安となるだろう。
この数値はオフィスワーカー一人当たりの床面積が11.5 ㎡という先行研究の数値と比較して、やや大きい(日本 ビルヂング協会連合会・東京ビルヂング協会 2020: 87)。
また、実験器具は背が高く重量の大きいものも多いので、 設置のために必要な天井高・階高および耐荷重などの 物件スペックの把握が重要となる。
実験のインフラに関する項目:
給排水、換気、電気
給排水や換気、電気といった実験設備の稼働に関わるイ ンフラも重要になる。給排水管の容量や位置、換気設備 用のダクトスペース、電気容量などが、物件の区画やフロ アによって異なる場合もある。設備機器の更新や追加の 可能性があるならば、前項の要件に加えて、これらインフ ラ設備からみた拡張の可能性も事前に検証することが望 ましい。
安全と生産性に関する項目:
危険物、搬出入経路、共用設備
実験において危険物の保管や取り扱いを要するばあい、 候補物件でそれらを利用することが可能であるかを確認 しなければならない。可能な物件であっても、実験中だ けではなく、運搬時や保管時の安全対策の実施も同時に 求められる。搬出入用の通路やエレベーターが用意され ていることは、安全の観点からも望ましい。生産性の点 では、共用部の充実する物件は付加価値が高い。大型 の会議室やコミュニケーションスペース、食堂などが用意 されている物件では、社内外のコミュニケーションの活 性化が期待できるだろう。
プロジェクト成功のために:
一気通貫型のサービスを提供する専門業者の価値
前述の項目も一例にすぎず、実際には個別の研究開発 活動の内容や企業の事情に即した検討事項が追加される。
例えば、予算や拠点開設までのタイムスケジュールの制 約は代表的であり、多くの研究開発拠点にとって魅力の ある不動産は賃料(あるいは価格)が高額となる。物件 が決定してからも工事や引っ越しも特殊性があるため、 時間や費用がオフィスビルにおける事務所移転よりも高 額になる可能性が高い。
難易度の高いプロジェクトを成功させるためには、研究 者をはじめとする企業内の関係者にとどまらず、実験器 具・什器メーカー、内装施工業者、運送業者、不動産 業者といった、計画の各時点で関わる企業外の関係者と のコミュニケ―ションを円滑に行うことが求められる。留 意事項や関係者が増えるほど担当者の負担も増加する。 そのため、特に規模の大きいプロジェクトでは、複数のサー ビスを一括して提供できる外部の専門業者と連携するこ とが、プロジェクト効率化の一助となるだろう。
• 一般社団法人日本ビルヂング協会連合会・一般社団法人 東京ビルヂング協会(2020)『ビル実態調査のまとめ 令和2年度』、
一般社団法人日本ビルヂング協会連合会・一般社団法人東京ビルヂング協会、CD-ROM版
• 大阪府立産業開発研究所(2007)「平成18年度調査研究 企業における研究機関の設置状況に関する調査」、
大阪府、2007年3月 https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/1949/00051733/06-labo_all.pdf ※2023年9月26日閲覧
• 鎌倉夏来(2012)「首都圏近郊における大規模工場の機能変化——東海道線沿線の事例——」、 『地理学評論』85巻2号、138-156、日本地理学会 https://doi.org/10.4157/grj.85.138
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東京大学大学院総合文化研究科博士論文、2015年度 https://doi.org/10.15083/00073258 ※2023年9月25日閲覧
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• 文部科学省HP「民間企業の研究活動に関する調査-用語の解説:文部科学省」、 https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa06/minkan/yougo/1267199.htm ※2023年9月26日閲覧
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• 山本仁(2014)「安全で快適な実験室のデザイン ─ フレキシビリティ、室内気流そして耐震性を統合して考える─」、 『環境と安全』5巻3号、143-147 https://doi.org/10.11162/daikankyo.14C0902
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