インベストメント マーケット ダイナミクス 2025年第1四半期

Page 1


日本: インベストメントマーケットダイナミクス

Keytrends

1

2

世界の不動産投資は拡大続く 世界の不動産投資額は、借入コストの低 下を背景に機関投資家による大型取引が 増加し、拡大が続いている。セクター別 では賃貸住宅の投資額の拡大が続いてお り、オフィスの投資額もテナント需要の 安定化等により拡大している。

3

投資機会が増加

物価上昇や金利上昇といった投資環境の 変化を背景に物件を売却する投資家は増 えつつある。欧米と比較して低金利が続 く日本では、国内生保やアジア系投資家 といった多様な投資家の投資需要も堅調 で不動産投資市場の活況が続いている。

日本の投資額は四半期で2兆円超え

投資家の堅調な需要が続くなか大型物件 の売却が増えたことで、1四半期間の投資 額が初めて2兆円を超えた。オフィスやリ テールの大型取引が見られた東京都心5区 の投資額は国内投資総額の61%を占め、 高い割合を示した。世界都市別ランキン グでも東京は第1位となった。

4

見通し

米国を中心とした経済の不確実性が高 まっているが、不動産投資市場で大きな 変化は見られず、特に日本の不動産市場 への影響は軽微と予想される。投資機会 の増加と堅調な需要により、2025年の不 動産投資額は2024年を上回り6兆円近く にのぼると予想される。

(2025年第1四半期) +34%

世界の投資額の前年同期比 +23%

日本の投資額の前年同期比 32%

国内投資額における海外投資家の投資額割合 1位

東京の世界都市別投資額ランキング 58%

国内投資額におけるオフィスの投資額割合

日本: インベストメントマーケットダイナミクス

世界の投資額推移

(10億ドル)

世界の投資額

• 2025年第1四半期の世界の不動産投資額は米ド ル建てで前年同期比34%増の1,850億ドルとなっ た。

• アメリカ大陸の取引は前年同期と比べて37%増 加、EMEA(欧州、アフリカ、中東)は41%増加、 アジア太平洋も20%増加となった。借入コスト の低下、機関投資家による入札の増加、大規模 取引の緩やかな増加、クロスボーダー取引の増 加などが相まって成長が続いた。

• アジア太平洋地域では日本、韓国、オーストラ リア、シンガポールが好調だった一方、中国は 前年同期比33%減と落ち込んだ。欧米とは異な り、アジア太平洋地域では日本や韓国を中心に オフィスの取引が活発だった。

出所:JLL

日本: インベストメントマーケットダイナミクス

日本の投資額推移

(10億円)

日本の投資額

• 2025年第1四半期の日本の不動産投資額は前期 比28%増、前年同期比23%増の2兆952億円(米 ドル建てで前年同期比20%増の137億ドル)と なった。

• 東京ガーデンテラス紀尾井町などの大型オフィ スや東急プラザ銀座などの大型商業施設の取引 があり、1四半期間の投資額はJLLが観測を開始 した2007年以降初の2兆円超えとなった。

出所:JLL

世界の都市別投資額ランキング

• 世界の都市別ランキングでは、2025年第1四半 期の投資額が110億ドルの東京は、前年同期に引 き続き第1位となった。

• 大阪は2025年第1四半期の投資額が9億ドルで39 位となり、1年を通じて20位圏内を維持し続けた 前年と比べて大きく順位を下げた。

都市別投資額

海外投資家の投資額

• 海外投資家による不動産の購入額を表すインバ ウンド投資額は、 2025年第1四半期は6,331億円 となり、前年同期の1,773億円と比べて3.7倍に 増加した。東京ガーデンテラス紀尾井町や東急 プラザ銀座など大型取引の影響もあり、第1四半 期の投資額としてはJLLが観測を開始した2007 年以降で最高額を記録した。

• 2025年第1四半期の国内不動産投資額に占める インバウンド投資額の割合は32%となり、第1四 半期としては2020年以来の30%超となった。

海外投資家の投資額推移

セクター別投資額割合

• セクター別投資額割合では、2025年第1四半期 の投資額が1兆2,100億円のオフィスは58%とな り、前年同期の51%から拡大した。1四半期間の 投資額が1兆円を超えるのは2015年第1四半期以 来である。

• リテールの投資額も2015年第1四半期以来の3千 億円超えで16%となった。

• 一方、物流施設とホテルの取引は大幅に減少し、 それぞれ6%、11%となった。

• 賃貸住宅は前年同期と同じ9%となった。

セクター別投資額割合の推移

地域別投資額割合

• 地域別投資額割合では、 2025年第1四半期に大 型オフィス・商業施設の取引が複数見られた東 京都心5区が61%となり、2018年第1四半期以来 の60%超えとなった。都心5区の1四半期間の投 資額が1兆円を超えるのは2007年第4四半期以来 である。

• 一方、物流施設等の取引減少が影響した千葉・ 埼玉・神奈川(東京都を除く東京圏)は8%となり、 前年同期の9%より縮小した。

• 大阪圏も最大を記録した前年から大幅に縮小し 6%となった。

地域別投資額割合の推移

出所:JLL 注釈:東京都心5区は千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区を、東京圏は東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県を、名古屋圏は愛知県、岐阜県、三重県を、大阪圏は大阪府、兵庫県、京都府、奈良県を、福岡圏は福岡県、佐賀県、長 崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県を指す。

ジョーンズラングラサール株式会社

東京本社

〒102-0094

東京都千代田区紀尾井町1-3

東京ガーデンテラス紀尾井町

紀尾井タワー

03 4361 1800

関西支社

〒541-0041

大阪府大阪市中央区

北浜3-5-29

日本生命淀屋橋ビル

06 7662 8400

2025年第1四半期

福岡支社

〒810-0041

福岡県福岡市中央区

大名2-6-50

福岡大名ガーデンシティ

092 233 6801

名古屋オフィス

〒450-6321

愛知県名古屋市中村区

名駅1-1-1

JPタワー名古屋

052 856 3357

お問合せ先

⾚城 威志

リサーチ事業部 事業部長 takeshi.akagi@jll.com

COPYRIGHT ©JONESLANGLASALLEIP,INC.2025

谷口 学 リサーチ事業部 シニアディレクター manabu.taniguchi@jll.com

剣持 智美

リサーチ事業部 シニアマネージャー tomomi.kemmochi@jll.com

内藤 康二 キャピタルマーケット事業部 リサーチディレクター koji.naito@jll.com

Thisreporthasbeenpreparedsolelyforinformationpurposesanddoesnotnecessarilypurporttobeacompleteanalysisofthetopicsdiscussed,whichareinherentlyunpredictable. It has been based on sources we believe to be reliable, but we have not independently verified those sources and we do not guarantee that the information in the report is accurate or complete. Any views expressed in the report reflect our judgment at this date and are subject to change without notice. Statements that are forward-looking involve known and unknown risks and uncertainties that may cause future realities to be materially different from those implied by such forward-looking statements Advice we give to clients in particularsituationsmaydifferfromtheviewsexpressed inthisreport. Noinvestment orotherbusinessdecisions shouldbemade basedsolelyontheviewsexpressed inthisreport.

Turn static files into dynamic content formats.

Create a flipbook
Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.