N°
797
15 nov. 2015
オヴニー・パリの新聞
LE JOURNAL FRANCO-JAPONAIS BI-MENSUEL GRATUIT w w w. o v n i n a v i . c o m o v n i @ i l y f u n e t . c o m tél:+33(0)1 4700 1133 OVNINAVI
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暴動から 10 年、郊外の今。 Opinion
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ルーアン 文学散歩
ミッテランのブギー・ワンダーランド。
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パ
リから特急電車にゆられて 約1時間10分ほど西に進む と、ノルマンディーの中心
都市であるルーアンに到着する。駅か らまっすぐ伸びるジャンヌ・ダルク通り を行けば、歴史的建築物が立ちなら ぶ美しい旧市街はすぐそこ。手をこら した緻密な装飾に彩られた後期ゴ シック建築はどれもこれも圧巻で、ルー アン市民が「石のレース」と自慢する のもよく分かる。 今回の旅の一番の目的は、19世紀 の文豪フロベールとモーパッサンの足 跡を追うこと。ともにノルマンディー出 身のふたりの作家の交流は、フロベー ルが亡くなる1880年まで7年間続いた。 モーパッサンは、 この7年間のおかげで
「40年の経験をもっても知りえなかった 文学の知識を得た」と師に感謝してい る。フロベールも、幼なじみであるモー パッサンの母親に「僕は、君の息子に 偽りない友愛の情を抱いている。彼は 知性があり、気が良くて、分別もあっ てスピリチュアル。つまり、 サンパティッ ク(感じがいい)なんだ!」という手 紙を書き、30歳年下の弟子に対する 愛情をつづっている。 モーパッサンが「中世の都市、異常 なゴシック建造物で充満している、こ の驚くべき博物館」と書いたルーアン。 この町には、フロベールの代表作『ボ ヴァリー夫人』に登場する大聖堂のみ ならず、この師弟が眼にし、描いた風 景が今もなお残っている。 (さ)