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[ いろいろ発見 ]
e c n a r F n i e d a M
ス フラン
19 ) の 逸 品(
左 : ラデュレのおなじみの緑の日よけ。 下 : カフェ・リップ。店名ロゴは手間のかかるアップリケ。
Dupont Kine の日よけ
冬
でも天気のいい日には、パリ
迷し、オーナーが手離そうとした会社を
LEDをテント地には
のカフェのテラスは人でいっ
中小企業再建で定評のあるジャック・ブ
さみ入れてロゴや文
ぱいになる。パリのカフェと
ド氏が2 011年に買い取った。デュポン・
字が光るようにする
いえば、すぐに布製の日よけ(store)が
キン社は、顧客の要望に柔軟に対応す
注文も多い。こうし
張り出したテラスが思い浮かぶほど、そ
る戦略が奏功し、年商3 8 0万ユーロの
た布地部分と同様に
れはパリの風景の一部になっている。そ
安定した企業に立ち直った。首都圏の
重要なのは、布を支
こで、イル・ド・フランス一の日よけ製造・
カフェ・レストラン、ホテル、商店を中心
える部分や稼動部分
施工のデュポン・キン社をパリ南郊の
に、年間2 0 0 0 ヵ所に日よけを設置する。
だ。一つ一つが仕様
バニューに訪れた。
事務所も入れて2 0 0 0m 2のアトリエを
の違う注文製造だから、日よけ布を支え
で、地方にはあまりない」 。
同社は馬車の幌などを作るデュポン
案内してくれたのは、0 9年に自動車関連
るフレームやアーム、パイプ、可動式な
こうした特注製造で取付け・メンテも
さんと、金属構造物製造のキンさんが
分野から転職してきたジミー・モネスティ
ら日よけを巻き取るシステムなどすべて自
するために、顧客の9 5%はイル・ド・フ
1877年にパリで設立したもの。創業140
エ社長だ。リールから仕入れるアクリル
社で製造し、トラック10台をフル稼動さ
ランスだが、海外で展開するフランスの
年だ。当初は荷車や馬車、トラックなど
繊維のカラフルな布(1. 2m幅) が、ミシ
せて取り付けに出向き、メンテも行う。
企業や店舗からの注文も希にはある (そ
ンで注文の形状とサイズに縫い上
同社のノウハウの要を尋ねると、 「顧
の場合の取付けは現地業者) 。店舗の
げられた後、ロゴや店名、その他の
客の要望と設置場所に応じて、布部分
日よけは平均4 5年で取り替えられる
やサポートシステム全体を提案できるこ
(高級店では平均2年)ため、布の張替
の幌を製造していたが、パリの商店 が日よけを付けるようになった1930 年代にメイン製品を日よけに転
文字がプレス機で熱圧着(9 0℃)
換。その後、オーナーが何度か
される。大きなロゴや文字は
とと、手縫いです」という答えが返ってき
え注文が多いそうだ。従業員3 6人の小
替わって創業者の家系を離れ、
手書きのペイントやアップリ
た。日よけの傾斜した部分と垂れ下がる
さな企業だが、パリの風物詩であるお
1996年にポルト・ドルレアンか
ケにすることも。例えば有名
部分は、手で縫い合わせると格段にきれ
しゃれな日よけを、いつまでも作り続け
らバニューに移転した。2 0 0 8
カフェ「フーケッツ」のロゴ
いに仕上がるのだそうだ。社長によると、
てほしい。 (し)
年の金融経済危機で社業は低
は本物の金箔だ。最近では ジミー・モネスティエ社長
「日よけの手縫いの美しさはパリの伝統
www.stores-dupont-kine.com/