ソイソース2013年3月25日号

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© 馬とニャンコと男と女

暮らしに豊かさをもたらしてくれるペット。「助けてあげたい」と飼い始めたペットだけど、 一緒に暮らし始めると「癒された」という声も。ペットセラピー効果、読者のペット写真、 プロが教えるペット写真の撮り方、ワン友会、アニマルシェルター情報等、盛り沢山! 取材・文:越宮照代、中野悠乃 病院が実際に治療効果を認めているというもの で、まだアニマルセラピーを行っていない病院で も40%が動物を治療に取り入れることに関心を 抱いています。これらの数字はまだ成長の余地 たらウケて夫婦仲が良くなった」等々。どうやら がありますが、アニマルセラピーへの関心の高さ ペットには、私たちが想像する以上の癒し効果 が十分に伺えます。 があるようです。実際、ペットセラピー(Animal ただ、セラピーが効果を発揮するにはペットと Assisted Therapy) として、 医師、 看護師、 ソーシャ どれだけ密接な関係を築いているかが重要にな ルワーカー等の専門職の人たちによって、治療の ります。実際に、医療関係者がアニマルセラピー 補完に動物を参加させる試みがなされています。 を導入する際には、単に患者がペットを飼うだけ ペットが健康促進に繋がるという直接的な医学 ではなく、一緒に過ごしたり話しかけたりする頻 データはまだ多くはありませんが、 その相関を示す 度が高いかどうかを指標化し重要視します。ペッ 研究はこれまでにも行われています。例をあげる トに対する愛情や責任の度合いが高ければ高い と、ペットとの交流は血圧や心拍数を下げる、唾液 ほど、患者の心理や行動、社会活動に変化を及ぼ 中の免疫グロブリンIgAの濃度を高める、ストレス すと考えられているからです。 緩和に導く等のデータがあります。また犬を飼う 僕はしおちゃんに 「癒されたい」 と意識したこと ことで、散歩による健康促進や人と交流する機会 は一度もありません。迷い猫だったしおを「癒し が増える等、 ライフスタイルの変化もあります。 てあげたい」と思って引き取りました。今思えば、 すでに欧米では、動物との触れ合いによる生理 「癒してあげよう」 と積極的に動物に関わることを 的・社会的変化が小児の自閉症、ダウン症、 または 通じて、結果的に癒され、自分の健康維持ができ 高齢者のうつ病、ストレス障害、アルツハイマー ていたのかもしれません。 症の軽減に効果を発揮するという仮説に基づい これからペットを飼おうかと考えている方々も て、積極的にペットセラピーが取り入れられてい ぜひ、 「守ってあげよう」という気持ちで接してみ ます。2010年にストックホルムで行われた国際 てください。きっとペットとの素敵な関係が築け、 会議(People & Animals – For Life)では、 ミュン 自分自身も深く癒されるのではないでしょうか。 ヘン工科大学のグループが興味深い発表をしま しんコロさんのブログ:www.okyn.jp した。調査した 229の小児科病院のうち38が アニマルセラピーを行っておりそのうち60%の (「ペットと暮らそう!」10 ページに続く)

ペットが人に与えるセラピー効果 さまざまな医療の現場でペットセラピーが取 り入れられ始めています。そこで、ブログで 大人気の「しゃべるねこ、しおちゃん」の飼 い主であり、免疫学研究者、医学博士でもあ るしんコロさんに、ペットセラピーについて 寄稿していただきました。 僕は「しゃべるねこ、 しおちゃん」の動画をブロ グ等で紹介していますが、読者の方々からしばし ば嬉しいお便りをいただくことがあります。 「し おちゃんの動画のおかげで、自閉症の子どもが 明るくなった」 「多動症の子どもが落ち着きを取 り戻すようになった」 「しおちゃんのモノマネをし © Yarita Fumiko Photography

しおちゃんとしんコロさん


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