ソイソース2013年3月10日号

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東日本大震災の被害はあまりにも大きく、復興までの道のりはまだまだ遠い。その事実を風 化させないために、被災地の現状を伝え続ける支援団体や個人の報告、被災地から発信する 新聞、関連書籍、日本のボランティア団体などを紹介します。 取材・文:越宮照代、大橋司、中尾悠乃、小野詩歩、田中雄一郎、タイニー 写真:タイニー

被災地で地元の声を聞きながら支援活動をする

次に必要なものは何かと考え、たとえば食料に 関してはカップラーメンではなく、健康管理の ために、ビタミンが豊富で水分も補給できる果 物等を支援しました。それから簡易シャワー 写真提供:Peace Winds America が用意されたのですが、高齢の方が多いので 東日本大震災が発生したのは 2011 年 3 月 部を置く非営利の災害地復興支援団体です。 やっぱりお風呂がいいということで、大きめの 11 日。ピースウインズ・アメリカのプロジェ ピースウインズ・ジャパンは、被害が甚大で、 お風呂を作ったらすごく喜ばれました。湯船 クトオフィサー、ポーマン・真理子さんは、2 カ かつ被災地の中でも支援の手が届きにくい北 につかるというだけで「頑張ろうかな」という 月後の 5 月から支援活動のために現地入りし、 部に位置する大船渡、陸前高田、気仙沼と南三 気持ちになれるんですよね。その後、生計支 日本で1年半にわたる支援活動を続ける。ポー 陸で緊急支援活動を始めていたため、当団体 援、子ども支援、仮設住宅への支援が必要だと マンさんに被災地の現状と、今後の支援の仕 も協働して緊急支援プロジェクトを行いまし いうことが見えてきました。政府は仮設住宅 方について聞いた。 た。現在は、気仙沼と南三陸で復興支援プロ は提供しますが、中は空っぽなんです。仮設に ジェクトを提供してます。 入っている方は家も仕事もなくしているケー 主にどの地域を支援されたのですか? スがほとんどで、たとえ貯金があったにしても 震災直後はどんな状況でしたか? ピースウインズ・アメリカはピースウイン 初めて南三陸や気仙沼に行った時には、山 これから生活を立て直していかなければなら ズ・ジャパンの姉妹団体であり、シアトルに本 の中のとんでもないところに船がぶらさがっ ないわけです。そんな時に、家電や生活必需品 ていたりして、それは凄まじい状態でした。 を購入するのは大変な負担になりますよね。 今はガレキは撤去されてきれいになりました そこで、資金が豊富な赤十字が冷蔵庫、電子レ が、でも、何もなくなったというだけです。野 ンジ、炊飯器、洗濯機、掃除機、コンロ等の必要 原のようなところに、何十、何百世帯の家が なものを支援する。それだけではすぐに生活 あったんだなとわかるような痕跡だけが残っ できないので、私たちはタオル、食器、キッチン 用品、ごみ箱等、とりあえずその日から生活で ているんです。 きる必需品を提供しました。

ピースウインズ・アメリカ

震災直後と 1 年後の支援内容は異なるの では? 南三陸ではあわび漁器具の支援を行った。あわび漁をしている漁 師さんたち

(「東日本大震災から 2 年 復興への道のり

直後は政府等から緊急物資が送られるので、 〜私たちができること〜」10 ページに続く)

月 - 金:9AM - 6PM 土:10AM-2PM


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