Park(ing)day2019Shibuya-miyamasuzaka Project Report

Page 1

ソトノバ・スタジオ|タクティカル・アーバニズム・クラス

P a r k ( in g )D a y2 0 1 9 渋谷宮益坂 プロジェクト・レポート

o

studi

#ソトノバスタジオ sotonoba.studio


本レポートについて  本レポートは、 ソトノバ・スタジオ|タクティカル・アーバニズム・クラスのもと、2019年9 月20日に実施した「Park( ing)Day2019渋谷宮益坂」についてまとめたものである。 Park( ing )Dayとは?

日本のストリート活用のムーブメントづくりに向けて  ソトノバでは、日本でP a r k( i n g )D a y の 普 及を進めていくため、P a r k( i n g )D a y Japanを立ち上げ、2017年に大宮(さいたま市)、2018年に沼津(静岡県沼津市) で Park( ing)Dayを実施してきた。3年目となる2019年は、より多くの実践者を増やすた め、 これまでの2年間の実績と経験を踏まえ、Park( ing)Dayのノウハウを学ぶ「ソトノバ・ スタジオ|タクティカル・アーバニズム・クラス」 を開設し、実際に宮益坂(東京都渋谷区) で実践した。

路上駐車スペースを1日限定で小さな公園に変える取組み。毎年9月第3金曜 日に世界中の都市で有志たちによって実践されている。  2005年にアーティストグループであるRebarが、サンフランシスコ市のある路 上駐車スペースにおいて、パーキングメーターにコインを入れ、車を停めるのでは なく、人工芝、 プランター、ベンチを持ち込んで、小さな公園に変えたPark( ing) が その源流である。この都市的な介入を表した写真がネット上で瞬く間に広がり、翌 年からは世 界 中の都 市で有 志が 実 践するPark( ing)D a yが 設 定された。今で は、SNSで#parkingdayと検索すると、世界中のPark( ing)dayの実施内容が 公開されている。  なお、サンフランシスコ市ではPark( ing)Dayの恒久版となるParkletが2010 年から始められている。両者とも路上駐車スペースを敷地とすることは共通してい るが、Park( ing)Dayは1日限定のイベントであるのに対し、Parkletは設置者(沿 道前面のレストラン・カフェ等)が市に常設設置を申請し、年間単位でその更新を

Park(ing)Day2017大宮

Park(ing)Day2018沼津

行なう、公募型の市のプログラムである。

宮 益 坂での実 施 背景 ●

路上駐車が非常に多い宮益坂では、 その問題の解決を図るため、2017年から 「 路上

駐車削減社会実験 」で荷捌きの集約化を、2018年から 「 歩行者中心の道路空間の実 現に向けた社会実験」による歩行者空間の拡幅を実施しており、元々路上駐車スペース だった場所が、車止めやガードレールで囲まれた安全な歩行者空間となっていた。 ● これまでは地方都市で実施してきたが、 都心部での開催を実現できるかチャレンジをし

たいと考えていた。 ●

2019年5月、NACTO*議長であるジャネット・サディク=カーン氏が来日した際に、渋

谷区が日本で初めて「Global Street Design Guide」の推奨自治体になることが決ま り、歩行者中心の街路を整備していくという区の方針がより強固になった。

2005年にサンフランシスコ市で行なわれたPark(ing)

SNSにアップされた2019年のPark(ing)Dayの様子

*NACTO|National Association of City Transportation Officials、米国自治体交通局職員協会

1


タクティカル・アーバニズム・クラスの実 践  タクティカル・アーバニズム・クラス「 P a r k ( i n g ) D a yのノウハウを学び 、実 践する!」 (TUクラス) では、全6回の講座を通して、短期的なアクションから長期的変化を促す思 想とアプローチであるタクティカル・アーバニズムについてや、Park(ing)Dayを道路上で

渋谷区が日本初となる Global Street Design Guide 推奨自治体に

6/19

許可を得て実施するノウハウを学びながら、実際に都市の中で実践を行なった。

渋 谷 宮 益 商 店 街 振 興 組 合と の協議により、実施を前向きに 検討することに

渋谷警察署との協議❶

#1 2019/8/6( Tue) 「Park(ing)Dayの概要を学ぶ」

企画概要書を持参し、開催に 向けた事前相談開始

● レクチャ ・ ・ ・ 「タクティカル・アーバニズムとは」 ● レクチャ ・ ・ ・ 「Park( ing)Dayマニュアルとソトノバによる実践」

ワーク・ ・ ・ ・ ・Park( ing)Dayの事例収集 ● ウェルカムパーティ

7/3

TUクラス受講生の公募

#2 2019/8/20( Tue) 「ストリートの活用事例と概念を学ぶ」

#3 2019/8/27( Tue) 「Park(ing)Dayを計画する①」

TUクラス#2

8/20

受講生11名、全6回のTUクラス開始!

8/27

ワーク・ ・ ・ ・ ・Park( ing)Dayのプランニング

9/3

実施に向けた注意点等を確認

#5 2019/9/20( Fri) 「Park(ing)DayをPark(ing)Dayを実践する|           Park(ing)Day2019渋谷宮益坂」

地元商店街との協議❸

● レクチャ ・ ・ ・ 「タクティカル・アーバニズム・クラスのプロセス」 ● レクチャ ・ ・ ・ 「Park( ing)Day2019渋谷宮益坂実践者によるプレゼンテーション」

プレスリリース

パネルディスカッション ● クローズドパーティ ●

9/12

協力|シブヤ大学

サポーター

Aチーム

Bチーム

石田 祐也

青木 優莉

西野 一希

猪飼 洋平

伊藤 夏樹

泉山 塁威

赤坂 駿介

友納 史夏

木村 希

嵩地 逹

佐藤 まどか

佐川 夏紀

ゲスト講師

協力|ロフトワーク

撮影

関根 章好

前田 旭陽

笠置 秀紀/ミリメーター

飯澤 絹子

山下 貴久

野尻 明里

柳沢 明日香

TUクラス#5

「Park(ing)Dayを実践する| Park(ing)Day2019渋谷宮益坂」

道路使用許可 申請

9/17 9/18

プロデューサー

TUクラス#4

「Park(ing)Dayを計画する②」

9/3

渋 谷 宮 益 商 店 街 振 興 組 合の 会合にて意見交換

#6 2019/10/1( Tue) 「Park(ing)Day2019渋谷宮益坂 実施発表会」

TUクラス#3

「Park(ing)Dayを計画する①」

渋谷警察署との協議❷

● レクチャ ・ ・ ・ 「交通管理者・地元商店街からのフィードバック」

メンバー

TUクラス#1

「Park(ing)Dayの概要を学ぶ」

ワーク・ ・ ・ ・ ・Park( ing)Dayのプランニング

#4 2019/9/3( Tue) 「Park(ing)Dayを計画する②」 ●

8/6

「ストリートの活用事例と概念を学ぶ」

● レクチャ ・ ・ ・ 「道路使用許可申請書の書き方」 ●

地元商店街との協議❷ 渋谷宮益商店街振興組合とソ トノバの協議を経て、実施を決 定

7/8

Park(ing)Dayのノウハウを 学びながら、その実践までを行 う講座を開設

現地視察 ● レクチャ ・ ・ ・ 「ミリメーターの実践」 (ゲスト:笠置 秀紀/ミリメーター) ● ワーク・ ・ ・ ・ ・Park( ing)Day実施に向けたアイディアスケッチ ●

地元商店街との協議❶

道路使用許可 取得

9/20 10/1

TUクラス#6

「Park(ing)Day2019渋谷宮益坂 実施発表会」

柳川 雄飛

2


Park(ing)Day2019渋谷宮益 坂 実 施 概 要 日時| 2019年9月20日 (金)13:00∼17:00

至 青山

場所| 東京都渋谷区宮益坂(渋谷郵便局前 拡幅された歩行者空間2箇所) 主催| 渋谷宮益商店街振興組合+一般社団法人ソトノバ 目的| 渋谷宮益坂における道路活用の一例となるPark(ing)Dayを開催することで、歩 行者が立ち止まって休息できるような快適な滞在空間を形成するとともに、将来 2.0m

的な整備に向けた道路空間の新しい使い方を提示する。また、Park(ing)dayに おいては、地域住民・就業者のみならず来街者の利用も見込まれており、交流の 拠点として期待され、宮益商店街のPRや新たなイメージの発信に寄与する。

20.0m

Bチーム サイト

渋谷郵便局 20.0m

Aチーム サイト

2.0m

至 渋谷駅 普段の宮益坂の様子

全体配置図

3


作業を分担して素早く設営中

Aチーム|ゆらゆらと揺れる風船で今までにない風景をつくった

Park(ing)Dayは普段とは違う見方で街を見る良い機会

Bチーム|思い思いの過ごし方を楽しむことができる空間を設えた

4


019 2 y a n g ) D 渋 谷 宮 益 坂 功! i ( ! k r   成 Pa   大

5


反響  Park( ing)Day当日には約100名ほどの視察があり、JR渋谷駅から徒歩3分ほどの 渋谷宮益坂という都心部での開催に多くの注目が集まったことが窺える。開催後も、専 門誌、新聞、 ウェブメディアに多数掲載されるなど、多方面で反響があった。 掲載メディア一覧(2019.12.31現在) 『 渋谷・宮益坂で「Park(ing)Day」都内初、駐車スペースを小さな公園に』 シブヤ経済新聞/2019.09.24

『ソトノバ Park(ing)day2019 渋谷宮益坂で’ まったり’ とパブリック・ライフ』 中央社協の「まちひとサイト」/2019.09.25

『 渋谷・宮益坂で道路活用イベント「Park(ing)day」』 日経BP新公民連携最前線/2019.10.07

『 社会実験に見る“にぎわい創出”の可能性 』 パーキングプレス11月号/201911.1

『改めて道路空間活用の意義を考える-Park(ing)Day渋谷宮益坂の実践を通して』 都市計画341号/2019.11.15

『トレンドー青渋でchillしよ∼人混み離れてまったり』 日経MJ/2019.11.29

『「広場」が都市を変える?イベントで賑わう街・渋谷で始まる新たな試み』 BLOGOS/2019.12.26

6


Park(ing)Day2019渋谷宮益 坂 実 践 者の声

A チーム| 渋 谷の風を五感で楽しむ   宮 益 坂に突 然 現れた不 思 議な空 間 。行き交う人たちの不 思 議そうに見つめる視線を受けながらも、 それに興味を持ち、楽しめる人がこ

B チーム|宮益 坂 3r d PLAC E   Park(ing)Dayの企画運営を通して、一市民からでも、 まちづくりに 関わることができ、 まちを変えるきっかけを作ることができることがわかった。

れだけいるならば、まちを変えるきっかけのひとつになったのではないか。と、

今回、スタジオに参加した時点では、既にPark(ing)Dayを渋谷で実施すること

P a r k ( i n g ) D a yへの参 加はそんな実 感を得ることができた。ただやはり、 まちの

が決定しており、商店街の方々や、警察署にも事前に開催目的等を理解いただいてい

方々に自分ごと、 として捉えてもらうためにはPark(ing)Dayがどのような取り組みな

る。実 際には、地 域の関 係 者の方々に理 解いただくことが最も難しく、初めての開 催 場

のか知ってもらうことが大事。開催は年に1度、 1日限りのため、準備段階から当日ま

所であれば更にハードルが高いのではないかと感じた。

で盛り上げていく仕掛けと仕組みづくりも非常に重要なポイントだと感じている。

一方で、今回のPark(ing)Dayが宮益坂という非常に交通量の多いエリアで実施さ

今回の実施を機に来年以降、各地で同時多発的に開催することで、人々の目に

れ、何の事故もなく無事に終わったという成果を出している。今後、別の場所で開催する

触れる機会が増えること、 そしてPark(ing)Dayから、道路空間、公共空間の活用

際には、今回の成果が一つの指標として機能することを期待する。Park(ing)Dayが

が進む社会になることを願い、今後も活動に賛同したい。各地で「その場所らし

日本にもっと浸 透し、来 年はさらにより多くの拠 点で開 催され、将 来は外でくつろ

い」Park(ing)Dayの風景をつくることが次の課題になってくるだろう。

げ、 まちに人の活動が滲み出るような空間がもっと増えていって欲しい。

7


日本におけるPark(ing)Dayのこれから  Park( ing)Day2019渋谷宮益坂では、 これまでソトノバが実践してきた過去2年間

車から歩行者に取り戻すことをPark( ing)Dayの本質だとするなら、新しい道路空間の

のPark( ing)Dayと比べて、次の3点にチャレンジすることができた。1点目は「空間の作

使い方を示したという点では非常に有意義ではあったが、 その意義については冷静に振

り込み」である。過去のPark( ing)Dayでは、手持ちのファニチャーを持ち込むに留まっ

り返っておかなければならない。 (ちなみに、ボラード等既存の交通安全対策がない場所

ていたが、今回は、受講生各チームが敷地条件からテーマを設定し、手持ちの予算で空

では許可を得ることができなかった。)

間を演 出する創 意 工 夫を施すことができた。これは、スタジオ形 式を採 用した最 大のメ

とはいえ、Park( ing)Day2019渋谷宮益坂を目にした人には、 「 都市は自分の手で

リットだったかもしれない。2 点目は「自動 車 交 通 量の多い都 心での開 催 」。過 去 2 年 間

変えられるもの」だということが伝わったのではないか。Park( ing)Dayはある種アートイ

の前例があったからこそ、交通管理者の許可を得ることができ、自動車交通量が多く厳し

ンスタレーションとして、街行く人に都市に対するものの捉え方を問う性質を持っている。

い条件でも実現することができた。3点目は「 地域団体との協働 」である。日本の道路に

実際、今回のPark( ing)Day2019渋谷宮益坂に来た人からは「来年はウチの商店街、

おいては、P a r k( i n g )D a yのようなイベントは地 元 商 店 街や地 域 組 織の理 解 、協力が

街でやりたい」 という声を聞いた。

あって初めて許可を得ることができる。今回は、宮益商店街振興組合や渋谷区がこうした

今後は、国内の他地域に水平展開するため、これまでソトノバが培ってきたノウハウ

取り組みに前向きだったことで、実現まで漕ぎ着けることができた。

を共有していきたい。そして、ソトノバだけでなく様々な主体が、日本各地でPark( ing )

もちろん、改良の余地も残されている。サンフランシスコ市を初めとする海外諸都市に

Dayを実践できる未来を目指したい。

おけるPark(ing)Dayの敷地は、パーキングメーターが置かれている駐車スペースであ

次のPark( ing)Dayは2020年9月18日。みなさん、路上で会いましょう!

ることが多いが、今回のPark(ing)Day2019渋谷宮益坂の敷地は、元々駐車スペー スではあるものの既に歩行者空間へと変わっている場所であった。パブリックスペースを

8


A チーム|渋 谷の風を五 感で楽しむ

9


敷 地リサーチ

コンセプト

通り過ぎる人

五感で風を感じられる遊びの場

現地調査では佇むことなく通り過ぎる歩行者の多さが印象的だった。Park(ing)Day

宮益坂の数ある自然のポテンシャルの中から 「風」 というキーワードを選んだ。普段は目

利用者のターゲットは平日の日中に通行の多い会社員や学生と考えた。一方、車両交通

に見えない風という要素を見える化したり、五感すべてで風を感じ楽しめる場所をつくる。

に関しては坂道であるため通過速度が速いように見受けられたので、安全確保が最重要

そうすることで、普段は通り過ぎるだけの会社員や学生も足を止め、自然を感じる気づき

と捉えた。

になればと考えた。遊びの要素を組み込むことで、人を呼び込み、 コミュニケーションが生

自然を感じられる坂

まれ、 さらに楽しみの共感が増えていくような場を目指すことにした。

渋谷宮益坂は両側に立派なケヤキの街路樹が並び、路上に木漏れ陽が降りそそぐ。

世界観を表現する

ゆるやかな坂道の勾配や、通りに沿って流れるそよ風など、渋谷宮益坂は都会の中心で ありながらも自然を感じられるポテンシャルの高い場所と捉えた。

触 覚に訴えるP a r k(in g )Dayの事例

まとまりのある場をつくり世界観を表現することで、宮益坂の歩行者だけでなく、SNSな どのメディアを介して広く関心を集めることを意識した。風船を多用することで印象的な風 景をつくることとした。

過去のPark(ing)Dayの事例を収集した際、特に印象的だったのは、子供たちが落ち 葉に触って遊ぶバルセロナの事例だった。触覚に訴える遊び場のイメージがチーム内で 共感を呼んだ。

Park(ing)Dayの事例

リサーチからコンセプトを考えるブレインストーミング

(バルセロナ、2014年) バルセロナ市HPより引用 「風」 を表現するコンセプトスケッチ

10


にくいビニル素材の風船を使用することにした。  風船を固定するための重りについては、強風で風船があおられおもりが移動しないよう

警 察 署との協 議に向けて

歩道

▽風船(高)おもり

風船:3(個)

ボラード(既設)

の事例写真も添付することで理解を深めてもらえるよう心がけた。

▽風船(中)おもり

1セットあたり:  ヒモの長さ

おもり:1(個)

風船(低)

2000

安全上問題のないことを具体的に説明した。加えて風船を用いたPark(ing)Dayの過去

車道

風船(中)

1200

警察署との事前協議では、寸法入りの断面図とおもりの計算式を資料としてまとめ、

600

かざぐるま

大きいタイプ:計6セット

低いタイプ:計35セット

風船(高) 600

ない防災用ウォーターバッグを採用した。

750

2000

▽ボラード端部

ボラード(既設)

風船(高)

1セットあたり:  風船:1(個)  ヒモの長さ 重り

0

おもり:1(個)

高いタイプ:計4セット

600

車道

1

2

5m

歩道

[風船の安全性の確保について]

モックアップの製 作と実験

p.2/3

2250 Park(ing) day 渋谷宮益坂 風船(中) 1800 風船の数量について

かざぐるま

計算し、安全率を見た重さ設定とした。撤収の際に水を排水溝に捨てるだけで負担が少

750

1200

ないことを断面図にて確認した。光が風船で反射し運転者の支障にならないよう、反射し

1800

断面図 S=1:50(A4)

1200

風船が車道や歩道の障害にならないために、強風時でも風船が車道や歩道にはみ出

2250 ▽風船(中)おもり中心

▽ボラード端部

風 船の使用についての懸 念の払 拭

▽風船(低)おもり中心

Park(ing) day 渋谷宮益坂

▽風船(高)おもり中心

▽風船(低)おもり

実現に向けて

上図の赤の点線は風船の可動域を示す 。

・強風時でも車道に風船がはみ出ないよう 、高さ・配置を設定している

風船にヘリウムガスを注入し重りにくくりつける作業を現地にて1時間以内に済ませる

た。破裂するリスクを減らすため、ヘリウムガスを入れすぎないよう注意する必要性も感じ た。また、現 地での作 業をできるだけ減らすために風ぐるまのパーツ組 立てやウォーター バッグの注水作業も前日までに済ませた。

1500

風船(低)

テープで留める

重り

0

1

2

5m

[風船の安全性の確保について] 風船の数量について

[風船の重りの仕様について] 上図の赤の点線は風船の可動域を示す 。 ・ウォーターバッグを路面に置くことで風船の重りとする 。 大きいタイプ:計6セット ・強風時でも車道に風船がはみ出ないよう 、高さ・配置を設定している 低いタイプ:計35セット ・強風時の下記風圧に対して重りが動かないよう 、重量は3kgとする。 1セットあたり: ・ゴム風船とし、破裂しにくい強力ゴム風船の使用も検討する  高風船6つを固定する重りについて:  風船:6(個) ・風船は破裂しにくいよう 、空気の入れすぎに十分留意する .426(㎡)   風を受ける面積は 、3  ヒモの長さ  おもり:1(個) 1200

おられ、風船どうしが絡まるリスクも発覚したため、風船の高さを低めに設定することにし

←適当な高さのところで ・ゴム風船とし、破裂しにくい強力ゴム風船の使用も検討する

、空気の入れすぎに十分留意する Park(ing) day ・風船は破裂しにくいよう 渋谷宮益坂

600

必要があるため、事前にモックアップを製作し実験を行った。想定以上に風船が風にあ

10m/sの強風時にかかる風圧力は 、公式より、0 [風船の重りの仕様について]   風圧は .426(㎡)=2.13kgf 。 ・ウォーターバッグを路面に置くことで風船の重りとする

1セットあたり:  風船:3(個)  ヒモの長さ

おもり:1(個)

1セットあたり:  中風船1つを固定する重りについて: ・強風時の下記風圧に対して重りが動かないよう 、重量は3kgとする。  風船:1(個) 以上の数量をまとめると・・・ .502(㎡)   風を受ける面積は 、3  ヒモの長さ  高風船6つを固定する重りについて:

風船の口をしばるものも135個分必要

おもり:1(個)

10m/sの強風時にかかる風圧力は 、公式より、0 Park(ing) day 渋谷宮益坂 .426(㎡)   風を受ける面積は 、3 高いタイプ:計4セット

,340cm

→余裕をみて Park(ing) day85m分 渋谷宮益坂   風圧は .502(㎡)=2.51kgf     10m/sの強風時にかかる風圧力は 、公式より、0 風船の数量について おもり:35+6+4= 45(個) ・風船と重りを十分強度のあるヒモで結ぶ   風圧は .426(㎡)=2.13kgf 風船の数量について

風圧に耐えうることを確認。

風船:1(個)

1セットあたり:

ヒモの長さ

風船:6(個)

おもり:1(個)

[かざぐるまの固定方法について]

ヒモの長さ 高いタイプ:計4セット  おもり:1(個)

1200

社会実験でのかざぐるまの実例。 園芸用ポールを用いた

ヒモの長さ

おもり:1(個)

園芸用ポールを用いて、既存のボラードに針金もしくは 風船の設置に関する仕様検討書 高いタイプ:計4セット ビニール紐にて2箇所で固定する ←適当な高さのところで

大きいタイプ:計6セット

600

め、風船の高さを低めに変更。 ウォーターバッグは想 定 水 量で十 分

.502(㎡)

低いタイプ:計35セット

10m/sの強風時にかかる風圧力は 、公式より、0 [かざぐるまの固定方法について] 1セットあたり:   風圧は .502(㎡)=2.51kgf    風船:3(個)園芸用ポールを用いて、既存のボラードに針金もしくは ・風船と重りを十分強度のあるヒモで結ぶ  ヒモの長さ ビニール紐にて2箇所で固定する  おもり:1(個) 1セットあたり: 1セットあたり: ・取手の部分に風船の紐を固結びとし車道にはみ出ないようにする  風船:3(個) 1200

まい 、通 行 に 影 響が 生じてしまうた

600 1500

想定以上に風船が横倒しになってし

←適当な高さのところで

風を受ける面積は テープで留める 、3

0

モックアップの 製 作と実 験 の 様 子 。

大きいタイプ:計6セット 低いタイプ:計35セット  中風船1つを固定する重りについて: ・取手の部分に風船の紐を固結びとし車道にはみ出ないようにする

1セットあたり:  風船:1(個)  ヒモの長さ

おもり:1(個)

社会実験でのかざぐるまの実例。

11


Park(ing) day 渋谷宮益坂

配置図 S=1:150(A4)

N

→余裕をみて 85m分

p.1/3

おもり:35+6+4= 45(個)

デザイン 風 船と風ぐるま  五感で楽しめるよう、風船を3つの異なる高さに浮かべる。高さ2mに浮かぶ風船は樹 木のようなシルエットで、 その姿は道路反対側からも目立つ。高さ1.2mの高さに浮かぶ大 きな風船は触って楽しむことができる。地面近くに設ける風船は座った人が触ることがで き、車が通るたびにも揺れる。  大きなボリュームのモノは運搬が大変でコストもかかり、1時間の設営時間内で設置も 難しい。この課題の解決手段として、安価で軽量でスピーディーに大きなボリュームをつく る風船は有効と考えた。  既存のボラードに風ぐるまを取り付け、車が通るたびに風ぐるまが回り人々の目を楽し ませることを意識した。

← 渋谷郵便局

既存の花壇の上に 人工芝敷き ヒモ

既存ボラード

人工芝を一面に敷き車座に座る

風船とおもり

(樹木と信号機の間、

2m程度の高さに架ける)

既存樹木

ボラードに取り付けた風ぐるま

[凡例]

:風船(低) 直径30cm 床からの高さ60cm以下

:風船(中) 直径80cm 床からの高さ120cm以下 :風船(高) 直径30cm 床からの高さ200cm以下 :かざぐるま ホラードに取付

:風鈴 床からの高さ200cm程度のヒモから吊るす :アウトドアテーブル :アウトドアチェア :人工芝

:たて看板(A看板) 0

道路反対側からの風景  平面図

1

2

5m

N

↓ 至 渋谷駅

12

,340c


当日のタイムライン C heck

● 現 場 近くで当日準 備ができ る場 所 がなかったため 、前日 にできる限りの準 備をし、車に 積み込んでおくこととした ● 現 地 近くに 作 業 拠 点を確 保できるとベスト

什器運搬

前日まで: かざぐるまの制 作 仕 込みなど

前日

什器搬入

手 配していた 荷 物を一 箇 所 に集める&水 汲み ↓ 車へ積み込み

9:00

芝 生・チェア・テーブル 等 、レ ンタルする什 器を保 管 場 所ま で取りに行く ↓ 運び込み

11:00

C heck

設営終了・スタート

12:00

搬出・運搬

17:00 17:30

● レンタル 備 品 の 返 却 方 法・ ルートは要確認

撤収 撤 収・片 付け開 始 。風 船の空 気を抜くのが寂しい. . .

レンタルした什 器を保 管 場 所 まで戻す

C heck

設営開始 全 員 集 合し設 営 開 始 。什 器 を設 営した後 に 、風 船を膨ら ませセッティング 。設 営 時 間 が1時 間と限られた 中 、チー ムメンバー以 外の方にもお手 伝いいただき完了 お手 伝いいただいた皆 様 、あ りがとうございました!

13:00

Par k( in g) Da yスタート! 思い思いにくつろぎ、楽しむ

搬入 前日積 み 込 んだ車 で 現 地 搬 入 に す ると 共 に 、他 の メン バーも現 地に集 合・荷 物の受 け取りを行う ↓ 近 隣の立 体 駐 車 場に駐 車

11:30

● イメージ 以 上 の 風 船 の ボ リューム感とセッティングに時 間を要したこともあり、ヘリウ ムガス・風 船・重りは予 定 数 量 全ては使用しなかった ● 設 置 可 能 時 間( 道 路 使 用 許 可と併せて要 確 認 )に対す る必要人員を予め確保する

積み込み

19:00

ヘリウムガスボンベは 、近 隣 に宅 急 便 集 荷 場 所があり、そ のまま持ち込みができた

Party 搬 出メンバーは渋 滞でなかな か戻れず. . . 1 9 時 半に全員集 合。お疲れさまでした!

13


使用什器と実施コスト 風船以外の什器は基本的にレンタルを行った。 ( 椅子・テーブル、人工芝はソトノバの手持ち) さらに、空間の演出は風船で行うこととしたため、コストは抑えられる ヘリウムガス|

バルーン用ひも|

想定でいたが、ヘリウムガスの高騰で費用が高額に。

ボンベ3000L

3,000円

材料の選択肢を複数ピックアップできる計画を練ることができるとベター。

29,000円 別途4 0 0 L 使い捨てボンベも用意 していたが使用せず

風船小| 風船大| 最大約90cm 10個 2,580円

30cm 60個 1,158円 ひもには一部ツタ植物を絡ませた (12本1,079円)

人工芝| ソトノバ からレンタル かざぐるま|

フェルモブチェア・

2,400円 養 生テープ・マスキング テープ・クリアホルダー/ ワイヤー・ストロー にて制作

フェルモブテーブル| ウォーターバッグ|

ソトノバ からレンタル

45個 6,210円 予 備で2Lペットボトル12本を用意

14


B チーム| 宮 益 坂 3 r d P L AC E

15


敷 地リサーチ

コンセプト

歩行者交通量調査

敷地リサーチの結 果

敷地周辺を通行する歩行者の数、属性を把握すべく、以下の条件、場所で歩行者交

通量調査を実施した。

低そう。

道路に面してしっかりとしたガードレールが設置されており、安全面の問題ハードルは

条件:2019年8月9日 (金)晴れ 16:00∼16:35

敷地内にベンチが設置されているが使用している人がおらず、歩行者は通過するのみ。

場所:宮益坂沿道の2地点

反対車線側からの見栄えを良くする工夫が必要である。

歩行者交通量調査の結果から、宮益坂は20∼30代の私服女性が最も多く、子ども

は少ないことがわかった。 観測点1

い物など)で訪れている人もいることが考えられる。

渋谷郵便局

至 渋 谷 駅

私服女性もオフィスカジュアルよりもラフな格好の人が多いため、仕事以外の目的(買

Bチーム サイト

至 青 山

宮益坂

宮益坂3rd PLACE  渋谷は目的の多い場所。買い物もできるし、映画も観れるし、おしゃれなレストランもた

観測点2

くさんある。でも、気 軽に座っておしゃべりできる場 所や、木 陰で休めて疲れを癒せる場 所がない。そんな渋谷の中に、誰かにとって「サードプレイス」といえる場所を作りたい。

〈 観測点1〉 上り (青山方面)

*5分間で観測した歩行者数を12倍し、1時間当たりの数に換算している

渋谷の中でも落ち着きがあり、活気もある宮益坂には、 そのポテンシャルがある。

1,176人/1h

(観測時間:16:00∼16:05) (うち子ども24人、外国人72人) 下り (渋谷駅方面)

1,044人/1h

(観測時間:16:10∼16:15) (うち子ども12人、外国人36人) 〈 観測点2〉 上り (青山方面)

サードプレイスとは、家庭でも職場でもない、第3の居心地の いい場所のこと。サードプレイスの原点に立ち返り、心地良い 場所を作るだけでなく、交流が生まれる仕掛けも作っていく。

744人/1h

(観測時間:16:25∼16:30) (うち子ども0人、外国人0人) 下り (渋谷駅方面)

372人/1h

(観測時間:16:30∼16:35) (うち子ども0人、外国人0人) 16


実現に向けて 許 可 申 請用図 面の入念な準備  安全面で問題ないことを道路管理者および交通管理者に理解してもらうため、設置し たい什器や装飾の固定方法は詳細に記載することを心掛けた。 ●

P字オブジェクト固定方法

ガードレールに巻くツタの固定方法

不織布屋根の固定方法

17


デザイン  敷地のゾーニングは、坂上から❶景色を楽しむゾーン、❷くつろぎゾーン、❸アクティビ

木製パレット

ティゾーンの3つに分けた。

❶景色を楽しむゾーン  宮益坂には立派なケヤキ並木があり、坂の上から見下ろした景色が綺麗であることに

不織布

着目した。目線を上にあげるために不織布を木とガードレールにくくりつけ、 コスト面を考

❶景色を楽しむゾーン

慮してビールケースとパレットでベンチを制作した。

❷くつろぎゾーン   敷 地の真ん中は、人の出入りが 少ないため、ゆっくりくつろげるゾーンにすることとし

テーブル

❷くつろぎゾーン

た。敷地には既存のベンチがあるが、汚れていることもあり、ほとんど使用されていなかっ た。既存のベンチを活用できるように掃除をし、前にテーブルを置いてゆっくりくつろげる ような設えを目指した。

クッション

❸アクティビティゾーン  年に1回のPark(ing)Dayなので、通行する人が参加して楽しめるように、ポストイッ

❸アクティビティゾーン

トアートという参加型アートをボードに作成することにした。複数の色のポストイットを貼っ

付箋アート

て、 「PARKINGDAY SHIBUYA」の文字を完成させることとし、完成後は看板として活 用できるようにもした。

ツタ

P字のオブジェクト  対象の敷地が横断歩道を挟んで2つに分かれており、敷地の中で坂の一番下に当た る狭い敷地には、P字のオブジェクトを設置して、歩行者の目につくようにし、フォトスポッ トになることも想定した。

P字オブジェクト

平面図

18


当日のタイムライン

集合・組立て作業

9:00

レンタカーを借り、手 配していた 荷 物を積み込み。 各メンバーの自宅を周り、必 要 備 品を運搬。

什器搬入

前日まで: 必 要 備 品・什 器の購 入 。 付 箋 アートの 下 地 作 成 、プロッ ターでA 1に印 刷 。

11:00

搬入 荷 物を敷 地 に 搬 入し、近 隣 の 駐 車 場にレンタカーを駐 車 。

11:30

Check

● P a r k( i n g )D a y に 使 用し ない 備 品 や 個 人 の 持ち物 の 置き場を、サイト外に確 保して おくと良し

設営終了・スタート ● ● ● ●

12:00

搬出・運搬 レンタルした什 器を保 管 場 所に 戻す。 道 路 の 渋 滞が ひどく、思った以 上に時間がかかる。

最 初に敷 地の掃 除を行う。既 存 のベンチを雑 巾で拭き、落 ち葉を掃いて掃 除した。 人 工 芝を敷いてから、各 什 器 や備 品を設 置した。 付 箋 アートは 歩 行 者 の 参 加 を促 すため に 、メンバーで 作 成を開 始した。

13:00

付箋アートの作成 通りがかりの人へP ark(ing)D ayの説 明 写真撮影 一緒にPar k( in g) D ayを楽しむ

設営開始

17:00

17:30

撤収 道 路を占用できる時 間が 決まっ ているため 、申 請した時 間 内 に 素早く片付け。

19:00

Party 参 加メンバーで打ち上げ! お疲れ様でした!

19


実 施コスト ・当初 予 定から必 要 点 数の削 減 、安 価な代 用 品への変 更 、ソトノバ既 存 品 運搬関連|

シェード|

38,785円

3,132円

(レンタカー・駐車場 )

の利用等でコスト削減を図った。 ・パレット、ツタ、ラック等 再 利 用 可 能なものも多く、回 数を重ねれば 1 回 当 たりのコストを下げられる ( 一方で保管の問題も生じる)。

( 不織布+固定具 )

・物 品の搬 送コストがかなり高くついた( 参 加チームが増えて分 担できれば 圧縮可能か)。

フェルモブチェア・ フェルモブテーブル|

付箋紙アート|

ソトノバ からレンタル

6,025円 (ボード・ラック・付箋 +固定具 )

ベンチ| 16,868円 ( パレット・布・ ビールケース・クッション)

ガード緑化| 人工芝| ソトノバ からレンタル

8,600円 ( 造花ツタ)

Pオブジェクト| 4,355円 ( パレット・ビールケース +固定具 ) *オブジェクトは ソトノバからレンタル

20


ソトノバ・スタジオ|タクティカル・アーバニズム・クラス メンバー

プロデューサー

協力|シブヤ大学

サポーター

Aチーム

Bチーム

石田 祐也

青木 優莉

西野 一希

猪飼 洋平

伊藤 夏樹

泉山 塁威

赤坂 駿介

友納 史夏

木村 希

嵩地 逹

佐藤 まどか

佐川 夏紀

ゲスト講師

協力|ロフトワーク

撮影

関根 章好

前田 旭陽

笠置 秀紀/ミリメーター

飯澤 絹子

山下 貴久

野尻 明里

柳沢 明日香

柳川 雄飛

Park(ing)Day2019 渋谷宮益坂 プロジェクト・レポート 発行日

発行者

2019年12月 一般社団法人ソトノバ

構成

デザイン

写真

猪飼 洋平

石田 祐也

山下 貴久

佐藤 まどか 佐川 夏紀 泉山 塁威

o

studi

#ソトノバスタジオ sotonoba.studio