
マーケットストリート 社会実験2024 in 秋葉原ジャンク通り

調査報告書

2025年3月発行 発行
• 秋葉原タウンマネジメント 株式会社
• 日本大学理工学部建築学科 都市計画研究室(泉山ゼミ) • 一般社団法人ソトノバ







2025年3月発行 発行
• 秋葉原タウンマネジメント 株式会社
• 日本大学理工学部建築学科 都市計画研究室(泉山ゼミ) • 一般社団法人ソトノバ
イントロダクション
社会実験の概要
社会実験の位置付け・体制・プロセス
社会実験の実施内容と効果検証の関係性
分析結果
利活用・調査実施場所
調査概要
視点1:
秋葉原におけるウォーカブルな
まちづくりの展開
視点2:
歩行者優先の道路空間の創出
視点3:
来街者による新たな店舗発見や空間体験の 機会創出
視点4:
来街者や店舗主の新たな交流機会促進
視点5:
秋葉原ジャンク通りのイメージ向上
社会実験まとめ
検証の視点ごとの結果と考察
提言
社会実験のデータ資料編
社会実験の目的
ク 通り」は秋葉原における ウォーカブルなまちづく
りの実現 に向けた 道路空間活用の新たな可能性 を探 ることを目的とする。
社会実験の開催概要
○責任者:秋葉原タウンマネジメント株式会社
○企画、運営、調査:
日本大学理工学部都市計画研究室(泉山ゼミ)
一般社団法人ソトノバ
実施場所・期間
○実施場所
・秋葉原ジャンク通り(区道 669 号線)
・住友不動産秋葉原ビル公開空地(外神田 3- 12- 8)
○実施日(※10 月 18 日(金)は雨天中止)
10 月 17 日(木)
10 月 19 日(土)
10 月 20 日(日)
○実施時間
10:00-17:00
社会実験実施場所 「マーケットストリート社会実験2024 in秋葉原ジャン
歩行者空間 化( 一般 車の交通規 制 )を行い、 沿道店 舗と協 力し、道路空 間の 活用(くつろぎ空間の創出、体験空間創出)を実施した。
②住友不動産秋葉原ビルの公開空地
くつろぎ空 間の創出、秋葉 原ウォーカブルビジョンの展 示・屋外ワークショップ
(秋葉原ウォーカブルデイズ)を実施した。
社会実験実施場所
交通規制区間
出店店舗
協力店舗・企業
活用区間
野郎ラーメン 秋葉原店
千代田電子機器株式会社
おたちゅう。
市民アルバ 秋葉原1号店
秋葉原1号店 Can ★Do
まんだらけコンプレックス GENO QCPASS
住友不動産秋葉原ビル
公開空地
図.社会実験実施内容と活用区間の分布
社会実験の位置付け
「マーケットストリート社会実験2024 in秋葉原ジャンク通り」
は 秋葉原における ウォーカブルなまちづくりの実現 に向けた 道
路空間活用の新たな可能性 を探ることを目的 として10/17・
10/19・10/20に行った社会実験である。
社会実験までのプロセス
2022 11月~2023年 5月
・基礎調査(パブリックスペースの現状把握)
・「秋葉原ウォーカブル基礎調査報告書」制作
2023 6月~2024年 3月
・Link & Place理論を用いた調査・分析
社会実験の体制
本社会実験は、秋葉原タウンマネジメント株式会社、日本大学理 工学部建築学科都市計画研究室(泉山ゼミ)、一般社団法人ソトノ
バの三者の連携のもと実施した。
実施に当たり、パブリックスペースや交通ネットワーク等の現況
調査、ワークショップによるステークホルダーの意見収集等の結果
を踏まえ、実施場所・内容の検討、行政や警察との協議を経て実施 した。
社会実験実施主体
秋葉原タウンマネジメント株式会社
社会実験企画、調査 当日の運営管理等の協力
・日本大学理工学部建築学科 都市計画研究室(泉山ゼミ)
・一般社団法人ソトノバ
実施場所等協力
・プレイス・ワークショップによるプレイス
の評価・分析
・「プレイス・ワークショップ秋葉原報告書」
制作
2024 3~10月
・企画会議(コンセプト・将来像等の検討)
・協議(沿道店舗・千代田区・警察)
2024 10/17,19,20(18は雨天につき中止)
マーケットストリート社会実験
2024 in秋葉原ジャンク通り
・千代田区
・万世橋警察
・沿道店舗
関係者
・住友不動産
2024 10/24,26,27
・平常時調査
2024 11月~2025 3月
・調査集計
・結果分析
社会実験の実施内容と効果検証の関係
時間帯一般車規制による歩行者優先の道路空間創出
社会実験の目的
各場所の魅力が活動を通 じて可視化されたパブ リックスペース(道路・
公開空地・広場等)の「ア キバラエティスポット」
創出に向けた効果検証
くつろぎ空間(滞留空間)の 3つの実施内容 実施概要
秋葉原ジャンク通りの将来像
店舗前の道路空間に
各店舗の個性が表れた マーケットストリート
将来像実現に向けた手法
・ ・
「時間帯一般車規制」 を用いた歩行者天国
「歩行者利便増進道路 制度」の活用
道路 公開空地
7つの効果検証の内容 5つの効果検証の視点
視点1
秋葉原におけるウォーカ ブルなまちづくりの展開
将来の秋葉原に対する 意見収集
一般車規制による周辺交通 の変化
視点2
歩行者優先の道路空間の創出
の普及啓発
視点3
来街者による新たな店舗発 見や空間体験の機会創出
秋葉原ジャンク通りの
滞留行動・時間の把握 社会実験による店舗利用の 変化
視点4
店舗主と来街者間の 新たな交流機会の促進
周辺の滞留行動の実態把握
利用者から見た社会実験の 印象
視点5
秋葉原ジャンク通りの イメージ向上
沿道関係者から見た
社会実験の印象
02 Analysis / 分析結果
ワークショップを実施
秋葉原ジャンク通りに集積する個性 豊かな沿道店舗の店先で、 個性あふれ るワークショップ を開催し、通りの賑 わいを感じる空間を創出する。
凡例
一方通行
取組み場所
沿道店舗の道路を活用した
ワークショップの実施
秋葉原ウォーカブル ビジョンの普及啓発 沿道店鋪の道路を活用した
買った商品を分解し、楽しむ様子
くつろぎ空間(滞留空間)
の創出
くつろぎの場(滞留空間)創出
秋葉原ジャンク通りおよび住友不動 産秋葉原ビル公開空地に小休憩できる ベンチを設置し、秋葉原に くつろぎ空 間を創出する。
秋葉原ウォーカブルビジョン の普及啓発
住友不動産秋葉原ビル公開空地にお いて「秋葉原ウォーカブルビジョン」 の屋外ワークショップ(ポップアップ エンゲージメント)を実施し、 利用者 の意見を収集する。
パソコンを使いながら休憩する様子
秋葉原ジャンク通り
住友不動産 公開空地
沿道店舗の道路を活用した
ワークショップ空間の様子
秋葉原ウォーカブルビジョン の普及啓発
秋葉原の利用者から意見を頂く様子
20m 0 N
5つの効果検証の視点に基づいた7つの調査
本調査の目的は、秋葉原ジャンク通りの車両通行規制及びくつろぎ空間創出を通じた歩行者優先の道路空間の創出時に期待される5つの効 果を検証することである。
インスピレーションボード調査
視点1:秋葉原におけるウォーカブルな
まちづくりの展開
秋葉原ウォーカブルビジョン(案) に対する利用者からの意見を収集、反 映することを目的として今後の秋葉原 のウォーカブルなまちづくり実現に求 められる取り組みに関して調査した。
時間帯方向別自動車交通量調査
視点2:歩行者優先の道路空間の創出
路上駐車車両調査
視点2:歩行者優先の道路空間の創出
図.インスピレーションボード調査の様子
Ⅰ.地域交流の促進
2.みどりを通じた地域の人との交流 ー教育施設等との連携による緑地管理・整備ー 1.みんなで楽しむ地域交流イベント
ー地域交流を促進するイベントの実施ー
図.インスピレーションボードの施策例
図.時間帯方向別自動車交通量調査の様子
アクティビティマッピング調査
視点3:
来街者による新たな店舗発見や 空間体験の機会創出
秋葉原ジャンク通りでの滞留空間創出時 の歩行者の「滞留行動」、「滞留場所」、「滞
アクティビティスキャン・アクティビティマッピングにおける活動の種類 ①必要活動: ②任意活動:
③社会活動: 働くや飲食等の義務的な意味合いを含む活動
一休みする、写真撮影等の自由な意志に基づき外部の要求に 影響されることなく行われる活動 人を眺める、会話、子供の遊び等のグループを前提とした活動
秋葉原ジャンク通り及び周辺の駐停車に 着目し、車両交通規制による周辺交通への 影響を調査した。
アクティビティスキャン調査
視点3:
来街者による新たな店舗発見や 空間体験の機会創出
歩行者交通量調査
視点2:歩行者優先の道路空間の創出
秋葉原ジャンク通り及び周辺の歩行者交 通に着目し、車両交通規制による周辺交通 への影響を調査した。
アンケート調査
視点4: 視点5:
図.アクティビティスキャン調査の様子
来街者や店舗主の新たな交流機会促進 秋葉原ジャンク通りのイメージ向上
秋葉原ジャンク通り及び秋葉原に求めら れる空間を調査した。
アクティビティスキャンとアクティビティマッピングの調査手法と目的の違い
調査員が活用箇所ごとに常駐し、活用箇所ごとの滞在者の属性や 行動、滞在時間などを把握する。
アクティビティマッピング:
調査員が一定時間ごとに活用箇所とその周辺を巡回し、特定の時 間における滞在者の属性やアクティビティを把握する。
視点1.秋葉原におけるウォーカブルなまちづくりの展開
○快適な歩行空間に向けた
滞留空間の充実・治安向上
買い物や仕事等で多くの歩行者が利 用する秋葉原では、天気や気温に影響 されずに歩くことのできる空間や、気 軽に休憩できる空間が求められている と考えられる。
外国人観光客等の来街者に向けた情
報発信として、秋葉原の旧来の文化を 活用した大型ビジョンの整備が求めら れる。
図.路上滞留スポットの整備 出典:岡山市ホームページ
図.大型ビジョンの整備 出典:大型ビジョン総合ポータル
積極的に推進 ある程度推進 どちらとも言えない あまり推進を望まない 全く推進を望まない
図.道路空間活用に関する意見
増やす 減らす 5 4 3 2 1
図.滞留空間創出に関する意見
地域交流を促進するイベントの実施
教育機関等との連携による緑地管理・整備
店舗の魅力が溢れ出す道路
商店間連携による路上イベント等の実施
既存施設を活用したコモンズ形成
大型ビジョンの整備
官民連携による都市基盤マネジメント
エリアマネジメント広告の推進
再開発事業と併せた一体的な滞留・交流空間創出
親水空間の整備
○路上空間活用の推進
テラス席の設置や商品の陳列・販売 により「店舗の 魅力が溢れ出す道路」
や「商店間連携による路上イベント 等の実施」などの路上空間活用の推 進が 求められる。また、「店舗の魅力 が溢れ出す道路」については、地元と の連携の必要性も意見として挙げられ た。
1階店舗等の透明化・高質化整備
オープンテラスの実施・協定整備
公開空地での滞留活動の創出
日陰を創出する屋根空間の整備
路上滞留スポットの整備
植栽の再整備再計画による滞留空間・木陰の創出
デジタルサイネージの整備
街の案内所・インフォメーション拠点の整備
屋外照明の設置
回遊を促すサイン計画
路上・公園等の安全・公衆衛生上の管理運営
歩きやすさに配慮した道路舗装・工作物の再整備
時間帯一般車規制
シームレスデザインによる歩行空間の拡張
歩行者専用区間(歩行者天国等)の実現
駐輪場の適正配置計画
駐車場地域ルールの検討 インナー・フリンジパーキングの検討
飲食店によるテラス席の設置 商品の陳列・販売 商品の体験ができる空間 1階店舗のガラス張り化
図.道路空間活用で求められる空間
食事のできる空間 くつろげる空間 植栽等による日陰空間 コミュニケーションができる空間 ゲーム等でゆっくり遊べる空間
図.滞留空間創出で求められる空間
40
秋葉原ジャンク通り周辺の自動車交通量
社会実験・平常時ともに木曜日、土曜日、
日曜日の順に自動車交通量が多い。
車両交通規制による自動車交通への影響 周辺の自動車交通量は平日のみ増加、休日
は大きな差は見られない。
進行方向に着目すると、秋葉原ジャンク通 りを横断する道路への進路変更 (方向①、
方向③)が増加。
進路変更の増加が顕著に現れるのは自動車
であった。
各曜日における交通負担の増加が顕著に見 られた時間帯は、木曜日は貨物車を中心に 13時、土曜日は車種問わずに 16時、日曜
日は普通車を中心に 15時であった。
凡例 調査対象範囲
一方通行
交差点へ流入する車両
図.時間帯方向別自動車交通量調査の調査範囲
視点2:歩行者優先の道路空間の創出 ( 路上駐車車両調査 )
周辺交通への影響|駐停車
秋葉原ジャンク通り周辺の駐停車台数
社会実験・平常時ともに木曜日、土曜日、
日曜日の順に駐停車台数が多い。
車種に着目すると、社会実験・平常時と もに荷捌きを目的とした貨物車(普通・ 小型含む)の割合が高く、荷捌き空間と しての一定の需要が見られる。
車両交通規制による駐停車への影響
周辺の駐停車台数は 木曜日は減少、土曜
日はあまり差が見られず、日曜日は増加。
駐停車台数の分布に着目すると 秋葉原
ジャンク通り周辺を東西に横断する通り (区間1~区間7) を中心に増加。
交通負担は11時を中心に増加が見られ、
特に 木曜日 は 区間2、土曜日 は 区間13、
日曜日は区間4 が顕著に増加した。
区間4
一方通行
区間5
社会実験時に駐停車が増加した区間
社会実験時に駐停車が減少した区間 変化が見られなかった区間
変化が見られなかった区間
社会実験時に駐停車が増加した区間
社会実験時と平常時の地点別歩行者交通量の比較 木曜日、日曜日は秋葉原ジャンク通り付近の地点が増加率が高い。
秋葉原ジャンク通り内の地点10は全曜日歩行者交通量が増加した。
社会実験に伴う車両交通規制により秋葉原ジャンク通りに接続す る地点2、6、12、18の東西の通りも歩行者の増加が見られる。
地点5
地点6
地点4
地点7
地点9
地点8
地点10
地点3
地点16
地点18
地点17
地点15
地点13
住友不動産 秋葉原ビル
地点2
地点1
中央通り
地点14
地点11
歩行者交通量が増加した地点
歩行者交通量が減少した地点
50m 0 N
地点12
社会実験による歩行者交通量の時間帯別増減率(木曜日)
社会実験時と平常時の時間帯別歩行者交通量の比較
土曜日、日曜日は昼時の11:00、13:00、14:00の時間帯別増加率が 多い傾向にある。
木曜日は全時間帯を通して、歩行者交通量が少なく増減率が100% を下回る結果となった。
地点5
地点6
地点4
地点7
地点9
地点8
地点10
地点3
地点16
地点15 地点17
地点13
住友不動産 秋葉原ビル
歩行者交通量が増加した地点
歩行者交通量が減少した地点
50m 0 N
地点11
地点2
地点1
中央通り
地点14
地点12
社会実験による歩行者交通量の時間帯別増減率(土曜日) 社会実験による歩行者交通量の時間帯別増減率(日曜日)
空間体験の機会創出
秋葉原ジャンク通りにおける滞留空間の創出により、秋葉原ジャ ンク通り(区間①)において社会活動が多く見られた。
▷沿道店舗における空間体験の創出等ジャンク通りで アクティビ
ティの種類が増加したことが考えられる。
新たな店舗発見
社会活動の中でも「商業」活動の割合が多い。
▷滞留空間創出によって陳列する商品を見る、買い物を行う等の活
動が増加したためだと考えられる。
休日(土曜日・日曜日)は必要活動である「食べる」活動が増加。
▷滞留空間創出によって飲食店のテイクアウトを飲食することに繋 がった。
図.各地点における活動の種類 図.アクティビティスキャン調査の様子 図.アクティビティスキャン調査の範囲
視点4.来街者や店舗主の新たな交流機会促進 (アクティビティスキャン調査・アンケート調査) (アンケート調査)
秋葉原ジャンク通り(区間①)において「会話」や「商業」を中 心とした社会活動が多く発生した。また、交流機会(会話のしやすさ) に対する利用者の印象は、社会実験の実施により評価が向上し、滞 留空間や沿道店舗の体験空間の創出により来街者と店舗主の新たな 交流の機会が創出されたと考える。
視点5.秋葉原ジャンク通りのイメージ向上
○長時間の滞在に関する評価が向上
「快適である」「長く滞在したい」「また利用したい」の評価が向上し、 ベンチ等の滞留空間創出により長時間快適に過ごせる空間となった と考えられる。
図.秋葉原ジャンク通り周辺における社会活動の種類 図.区間1でのアクティビティの種類
<必要活動>
<社会活動> 会話 名刺交換 子供の遊び 人を眺める 商業 働く
<任意活動> 通話 スマホ 荷物整理 待つ 食べる 飲む 一休みする 本などを読む 写真を撮る 音楽を聴く 寝る 絵を描く パソコン
図.秋葉原及び秋葉原ジャンク通りの交流機会( 会話のしやすさ) に対する利用者の印象
検証の視点ごとの結果と考察
視点1.秋葉原におけるウォーカブルなまちづくりの展開 (インスピレーションボード調査)
買い物や仕事等で多くの歩行者が利用する秋葉原では、天気や気温に影 響されずに歩くことのできる空間 や、気軽に 休憩できる空間 が求められ ていると考えられる。
外国人観光客等の来街者に向けた情報発信として、大型ビジョンの整備 が求められる。
テラス席の設置や商品の陳列・販売により「店舗の魅力が溢れ出す道路」 や「商店間連携による路上イベント等の実施」などの 路上空間活用の推 進 が求められる。また、「店舗の魅力が溢れ出す道路」については、地元 連携の必要性を挙げる意見もあった。
視点2.歩行者優先の道路空間
(時間帯方向別自動車交通量調査、路上駐車車両調査、歩行者交通量調査)
車両交通規制による周辺交通への影響として、自動車交通量は平日のみ 増加。周辺の交通負担の増加は、木曜日は貨物車を中心に 13時、土曜日 は車種問わずに 16時、日曜日は普通車を中心に 15時がピークであった。
車両交通規制による周辺交通への影響として、駐停車数は平日のみ増加。
周辺の交通負担の増加は、平休日ともに 11時がピークであり、東西に横 断する道路に増加する傾向が見られた。
車両交通規制による周辺交通への影響として、歩行者数は 木曜日・土曜 日に増加。特に土曜日は多くの地点で歩行者交通の増加が見られた。また、
他の地点と比べ秋葉原ジャンク通りに接続する地点の増加率が高い傾向が 見られた。
車両交通規制により、秋葉原ジャンク通りが来街者にとって安全で楽しい 歩行空間となったことが考えられる。
秋葉原ジャンク通り周辺の 東西道路 では自動車が増加したため、秋葉原 ジャンク通りに接続する交差点での車と歩行者の錯綜が懸念される。
視点3.来街者による新たな店舗発見や空間体験の機会創出 (アクティビティスキャン調査・アクティビティマッピング調査)
秋葉原ジャンク通りにおける滞留空間創出により、秋葉原ジャンク通り
において社会活動が多く見られた。
▷沿道店舗における空間体験の創出 等ジャンク通りでアクティビティの 種類が増加したことが要因として考えられる。
社会活動の中でも「商業」活動の割合が多い。
▷滞留空間創出によって 陳列する商品を見る、買い物を行う 等の活動が 増加したためだと考えられる。
また、休日(土曜日・日曜日)は平日(木曜日)に比べて、
必要活動である「食 べる」活動が増加。
▷滞留空間創出によって 飲食店のテイクアウトを飲食する活動 につな がった。
視点4.来街者や店舗主の新たな交流機会促進 (アクティビティスキャン調査・アンケート調査)
秋葉原ジャンク通りにおいて「会話」や「商業」を中心とした社会活動 が多く発生
交流機会(会話のしやすさ)に対する利用者の印象が社会実験により向上 ▷滞留空間や沿道店舗の体験空間の創出により来街者と店舗主の新たな 交流の機会が創出されたと考える。
視点5.秋葉原ジャンク通りのイメージ向上
(アンケート調査)
「快適である」「長く滞在したい」「また利用したい」の評価が向上し、ベ
ンチ等の滞留空間創出により 長時間快適に過ごせる空間 となった と考え られる。
秋葉原に求められる空間
・秋葉原に不足する休憩できる空間の創出
・店舗の魅力が溢れ出す路上空間活用の推進 ・全天候に対応した歩きやすい空間の形成
・来街者へ情報提供が可能な大型ビジョンの整備 ◯秋葉原におけるウォーカブルなまちづくりの 展開
◯歩行者優先の道路空間
南北方向の道路での歩行者空間の展開(休日)
東西道路での自動車交通・駐停車、南北方向の道路での歩行 者空間展開などの道路の役割分担の検討
周辺の自動車交通が少なく、車両交通規制の効果が大きい休 日での歩行者空間の展開
◯来街者による新たな店舗発見や空間体験の 機会創出
◯来街者や店舗主の新たな交流機会促進 店舗と道路空間が連動した活用の展開
飲食店 と 連動 したくつろぎの場創出による テイクアウト 利用
の可能性
物販店 と 連動 したワークショップの実施による 来街者の需要 にあった商品とのスムーズな出会いの実現
店舗主と来街者をつなぐ空間の創出
「会話」・「商業」活動の促進 による 歩行速度の低下、交流機会 の創出
長時間快適に過ごせる空間へ
・ワークショップの実施とくつろぎの場創出による、「快適さ」 や「また利用したい」等の利用者の印象の向上 ◯秋葉原ジャンク通りのイメージ向上
調査の目的
秋葉原ジャンク通り周辺における歩行 者の「滞留行動」「滞留場所」を調査 し、秋葉原で求められる滞留空間の需要 及び求められる空間の種類を明らかにす る。
調査概要 方法
• 調査員がビデオカメラ(Go Pro)を用い て街路の様子を撮影
• 後日、「滞留者の属性」「滞留行動」 「滞留場所」等を調査用紙に記録 実施日
• 2024 年10月17日(木)19日(土)
20日(日)11:00ー17:00
(1時間に1回撮影)
実施場所
• 秋葉原ジャンク通り周辺(右図参照)
図.アクティビティスキャン調査の調査範囲・ルート アクティビティマッピング調査の概要
調査の目的
滞留空間創出時における歩行者の「滞 留行動」「滞留場所」「滞留時間」を調 査し、秋葉原で求められる滞留空間の需 要及び求められる空間の種類を明らかに する。
調査概要
方法
• 調査員が歩行者の「滞留行動」「滞留場 所」「滞在時間」等を調査用紙に記録
実施日
• 2024 年10月17日(木)19日(土)
20日(日)11:00ー17:00
実施場所
• 秋葉原ジャンク通り(地点1,2,3)
• 住友不動産秋葉原ビル 公開空地
図.アクティビティマッピング調査の様子
調査の目的
歩行者交通量を性別及び歩行者交通方向 に着目し、秋葉原ジャンク通りの車両交通 規制における歩行者交通量への影響を調査 した。
調査概要 方法
• 調査員による、18地点における歩行者交 通量の記録
実施日
社会実験時
• 2024 年10月17日(木)19日(土)20日(日)
• 11:00ー17:00
平常時
• 2024 年10月24日(木)26日(土)27日(日)
• 10:00ー17:00
図.歩行者交通量調査の様子
調査の目的
時間帯別方向自動車交通量調査 秋葉原ジャンク通りの自動車交通に着目 し、秋葉原ジャンク通りの車両交通規制時 における周辺交通への影響を分析する。
調査概要
方法
• 調査員(1名)による交差点に侵入する車 両台数と車種の記録
実施日
社会実験時
• 2024 年10月17日(木)19日(土)
20日(日)11:00ー17:00
平常時
• 2024 年10月24日(木)26日(土)
27日(日)10:00ー17:00
調査範囲
図.アクティビティスキャン調査の調査範囲・ルート
図.時間帯別方向自動車交通量調査の様子
• 社会実験実施区間に侵入可能な交差点
図.時間帯別方向自動車交通量調査の調査範囲
調査の目的
秋葉原ジャンク通りの路上駐車車両に着 目し、秋葉原ジャンク通りの車両交通規制 時における周辺交通への影響を分析した。
調査概要
方法
• 調査員(2名)による路上駐車している車
両の車種、停車時間の記録
実施日
社会実験時
• 2024 年10月17日(木)19日(土)
20日(日)11:00ー17:00
平常時
• 2024 年10月24日(木)26日(土)
27日(日)10:00ー17:00
調査範囲
• 社会実験実施区間周辺(右図参照)
沿道店舗対象アンケート調査の概要
調査の目的
秋葉原ジャンク通りで求められる空間及
び社会実験による効果を明らかにするため、 アンケート調査を実施した。
調査概要
方法
• 沿道関係者に対するGoogle formの配布
実施日
• 2024年10月20日(日)-10月31日(木) 対象者
• 秋葉原ジャンク通り沿道の施設管理者・店舗主 回答数
7件(千代田電子機器株式会社・カレー食堂心・
駿河屋秋葉原本館・100 円ショップCan Do・ GENO QCPASS・住友不動産株式会社・トレ カ秘密基地)順不同
調査の目的
秋葉原ジャンク通り及び秋葉原で求め られる空間を明らかにするため、アンケー ト調査を実施した。
調査概要
方法
• 調査員による声掛け・聞き取り
• Google formのQRコード設置・配布
実施日
• 2024 年10月17日(木)19日(土)
20日(日)11:00ー17:00
実施場所
• 秋葉原ジャンク通り
• 住友不動産秋葉原ビル 公開空地
対象者
• 秋葉原ジャンク通りにおける歩行者・ 滞留行動者
• 住友不動産秋葉原ビル 公開空地に
おける滞留行動者
回答数
• 2024年10月17日(木):36件
• 2024年10月19日(土):96件
• 2024年10月20日(日):112件
調査項目
・秋葉原及びジャンク通りの空間評価
・公共空間活用の需要
・滞留空間の需要
図.アンケート調査用紙
回答者属性 性別
男性(193 件,80.4%)、女性(46件, 19.2%)、その他(1件,0.4%)と男性の 回答数が女性を大きく上回った。
年代
20代(89件,36.5%)が最も多く、次 いで30代(66件,27.0%)と若い世代の 回答が多い。
同伴者
一人(142件,58.2%)が最も多く、次 いで友人・知人が(60件,24.6%)である。
居住エリア
東京都外(96件,39.5%)が最も多く、
次いで23区内が(60件,32.5%)であり、 遠方からの来訪者が多く見られた。
東京都外(88件,36.2%)が最も多く、 次いで23区内が(86件,36.4%)であった。
図.回答者の性別 図.回答者の年代
図.同伴者 図.回答者の居住地
図.回答者の勤務エリア
調査の目的
現在、秋葉原のまちづくりにおけ る今後の方針を検討するため、秋葉 原タウンマネジメント株式会社、日 本大学理工学部都市計画研究室(泉 山ゼミ)、一般社団法人ソトノバの3 者で秋葉原ウォーカブルビジョンを 作成している。
本調査では、当該ビジョンに対す る利用者からの意見を収集し、利用 者の意見を反映することを目的とし て調査を行なった。
表.本調査で提案した秋葉原ウォーカブルビジョンの施策一覧
図.インスピレーションボード調査の様子
施策1
施策2
施策3
施策4
施策9
施策10
施策11
施策12
施策13
施策14
施策15
施策16
施策17
施策18
施策19
実施概要
方法
• 秋葉原ウォーカブルビジョン(案)の説明パネル及びインスピレーションボードを設 置し、意見収集を行う。
• 調査員はウォーカブルビジョン及び回答方法(シール貼り付け)の説明、回答理由の 聞き取りを行う。
実施日
• 2024年10月17日(金)19日(土)20日(日)10:00-17:00
実施場所
• 住友不動産秋葉原ビル 公開空地
回答者属性
属性
観光客・来街者(496票,63.8%)が最 も多く、次いでオフィスワーカー(165 票,
21.1%)周辺住民(117票,15.0%)であり、 観光客・来街者からの回答が多く得られた。
性別
男性(618票,79.4%)、女性(160票,20.6%) と男性の回答数が女性を大きく上回った。
【調査範囲】
秋葉原ジャンク通りの車両通行規制及 びくつろぎ空間創出を通じた歩行者優先
の道路空間の創出時における滞留空間創 出の需要及び効果の検証を行うめ、社会 実験対象地付近の主要な7区間の道路を 調査した。
社会実験時のアクティビティ 秋葉原ジャンク通り(区間①)において、 滞留行動の種類に着目すると、社会活動 が498人と最も多く、続いて必要活動が 198人、続いて任意活動が7人と最も少 ない結果となった。
【秋葉原ジャンク通りにおけるアクティビティの種類】 図.アクティビティの種類(区間1・全日合計)
【社会実験時の各区間におけるアクティビティの種類】
滞留行動の結果を区間別に着目すると、
秋葉原ジャンク通り(区間①)は、滞留 行動の総数が大幅に多い(703人)。
また、他区間に比べ、社会活動の割合 が多い(498人/703人)。
図.各地点における活動の種類 50m 0 N
図.アクティビティスキャン調査の調査範囲
各区間における社会活動の種類 社会活動の滞留行動の種類に着目する と、「会話」が202人と最も多く、続いて「商 業」が198人、「人話眺める」が98人と いう結果となった。
区間①と他区間の社会活動の内訳を比 較すると、「会話」及び「人を眺める」活 動の割合が多い結果となった。
図.各地点における社会活動の種類
10月17日(木)におけるアクティビティ 17日の秋葉原ジャンク通り(区間①)に おいて、滞留行動の種類に着目すると、
社会活動が91人と最も多く、続いて必要 活動が31人、続いて任意活動が5人と最 も少ない結果となった。
10月19日(土)におけるアクティビティ 19日の秋葉原ジャンク通り(区間①)に おいて、滞留行動の種類に着目すると、 社会活動が141人と最も多く、続いて必 要活動が97人、続いて任意活動が1人と 最も少ない結果となった。
10月20日(日)におけるアクティビティ 20日の秋葉原ジャンク通り(区間①)の 滞留行動の種類に着目すると、社会活動 が266人と最も多く、続いて必要活動が 70人、続いて任意活動が1人と最も少な い結果となった。
【社会実験当日の秋葉原ジャンク通りのアクティビティ】
地点1
ローチェア 1)、ローテーブル 1) が、二人がけのイス・テーブル 2) と比べ、利用頻度が高く、 滞留時間も長いことが分かった。また、ローチェア、ローテーブルでは必要活動と任意 活動が多く、二人がけのイス・テーブルでは、それらに加えて社会活動が多くみられる。
イス・テーブルでは、必要活動と社会活動が多く見られたのに対し、店前は社会活動 が多くみられる。また、イス・テーブルでは30分~1時間の滞留行動(長時間滞留) が見られ、店前では1~5分の滞留行動(短時間滞留)が多く見られた。
CUCU
千代田電子機器(株)
図.10月19日(土)のアクティビティ分布
図.10月17日(木)のアクティビティ分布 図.地点1の様子
図.10月20日(土)のアクティビティ分布
Do える。
LILIAN CUCU
千代田電子機器(株)
千代田電子機器(株)
千代田電子機器(株)
①can do
図.10月17日(木)のアクティビティ分布 図.地点2の様子
図.10月19日(土)のアクティビティ分布
②カレーの市民 アルバ
⑤APA HOTEL カレ 食堂心 LILIAN CUCU
⑥駿河屋
秋葉原1号店
図.10月20日(土)のアクティビティ分布
⑦GENO QCPASS 滲みだす。
千代田電子機器(株)
【社会実験当日の秋葉原ジャンク通りのアクティビティ】
地点3
2人がけのイス・テーブル 1) の利用者で 10 分以上の滞留行動(長時間滞留)が多く見 られる。このことから、複数人で利用することが可能なベンチ等の座れる空間を設ける ことにより長時間の滞留が生まれ、通り全体の滞在時間増加に寄与すると考えられる。
図.地点3の様子
①can do
①Can Do える。
秋葉原1号店
千代田電子機器(株)
住友不動産秋葉原ビル(公開空地)
図.10月 20 日(土)のアクティビティ分布 アクティビティマッピング調査の結果
図.10月 19 日(土)のアクティビティ分布
千代田電子機器(株) LILIAN CUCU
Do
図.10月17日(木)のアクティビティ分布
図6.活用イメージ
⑦GENO QCPASS
②カレ の市民 アルバ ③おたちゅう。 秋葉原1号店
おたちゅう。
秋葉原1号店
ビジョンボードやインスピレーションボードの前では社会活動が見られ、アコーディ オンベンチ 2) では必要活動が多く見られた。ベンチなどの設置物がない場所においても、 公開空地の北側に多く滞留行動が見られた。
LILIAN CUCU ①can do
滲みだす。
⑦GENO QCPASS
図6.活用イメージ
図.10月 20 日(土)のアクティビティ分布
図.住友不動産秋葉原ビル(公開空地)の様子
⑦GENO QCPASS 滲みだす。
図.10月 19 日(土)のアクティビティ分布
図.10月17日(木)のアクティビティ分布
歩行者交通量調査の結果
【社会実験による歩行者交通量の変化(木曜日)】
歩行者交通量は地点6、9、10、12、17の5地点で増加 し、地点1、2、3、4、5、7、8、11、13、14、15、16の13 地点で減少した。
地点5
地点6
地点4
地点7
地点9
地点8
地点10
地点3
地点16
地点18
地点17
地点15
地点13
秋葉原ビル
地点2
地点1
【社会実験による歩行者交通量の変化(土曜日)】
歩行者交通量は地点6、9、10、12、17の5地点で増加 し、地点1、2、3、4、5、7、8、11、13、14、15、16の 13地点で減少した。
地点5
地点6
地点4
地点7
地点9
地点8
地点10
地点3
地点16
地点18
地点17
地点15
地点2
地点1
中央通り
【社会実験による歩行者交通量の変化(日曜日)】
歩行者交通量は地点2、4、5、6、8、9、10、11、12、 15、16、18の12地点で増加し、地点1、3、7、13、14、17 の6地点で減少した。
地点5
地点6
地点4
地点7
地点3
地点16
地点18
地点9
地点8
地点10
地点2
地点1
中央通り
地点17
地点15
地点14
地点11
歩行者交通量が増加した地点
歩行者交通量が減少した地点
地点12
歩行者交通量が増加した地点
歩行者交通量が減少した地点
50m 0 N
地点13
住友不動産 秋葉原ビル
地点11
地点12
地点14
地点13
住友不動産 秋葉原ビル
歩行者交通量が増加した地点
歩行者交通量が減少した地点
50m 0 N
地点11
地点12
地点14
社会実験による歩行者交通量の時間帯別増減率(木曜日) 社会実験による歩行者交通量の時間帯別増減率(土曜日)
社会実験による歩行者交通量の時間帯別増減率(日曜日)
社会実験時・平常時の地点別歩行者交通量 多い地点(社会実験時)
木曜日:地点14、地点9、地点1
土曜日:地点14、地点1、地点9
日曜日:地点14、地点9、地点10
多い地点(平常時)
木曜日:地点14、地点9、地点1
土曜日:地点1、地点14、地点9
日曜日:地点14、地点9、地点1
地点別歩行者交通量は中央通りに接続する地点1や地点14が最も多く、次いで秋葉原 ジャンク通りに接続する地点9や地点10が多い。また、歩行者交通量が多い区間は社会 実験時と平常時で変化し、土曜日は最も多い地点が地点1から地点14へ、日曜日は3番目 に多い区間が地点1から地点10へと変化した。
社会実験の実施に伴い、JR秋葉原駅から秋葉原ジャンク通りへ侵入する地点10及び地 点14の歩行者交通量が増加したと考えられる。
時間帯別方向交通量調査の結果
【調査範囲】
秋葉原ジャンク通りの車両交通規制時における周辺自動車交通への影響分析するた め、交通規制区間に侵入可能な交差点を調査対象とする。
図.時間帯別方向交通量調査の調査範囲
【方向別自動車交通量】
曜日別の自動車交通量
【平常時における自動車交通量と秋葉原ジャンク通りへの流入台数】
• 平常時の交差点流入台数に着目すると、10/24(木)が437台と最も多く、次いで 10/26(土)が223台であり、最も少ない日は10/27(日)の158台であった。
• 交差点に流入した自動車の進行方向に着目すると、交差点流入台数の約40~50%が秋 葉原ジャンク通りへ流入した。秋葉原ジャンク通りへ流入した自動車の割合が最も高 い日は、10/27(日)であり48.7%、次いで、10/26(土)が43.9%であり、最も少ない 日は10/24(木)の39.1%であった。
• 交差点に侵入する自動車は、木曜日が最も多く(社会実験時:388台 平常時:437台)、 次いで土曜日(社会実験時:229台 平常時:223台) 、日曜日(社会実験時:167台 平常時: 158台)である。
▷休日に来街者が増加することから、秋葉原ジャンク通り周辺は自動車が通りにくい空 間となるためであると考える。日曜日はこれに加え、13時から17時に中央通りで実 施される歩行者天国も自動車交通量に影響すると考える。
社会実験時と平常時の自動車交通量の比較
• 木曜日は平常時の方が自動車交通量が 多く、その差は49台であった。
• 土曜日、日曜日は社会実験時の方が多 いが、その差は土曜日が6台、日曜日 が9台と大きな差は見られない。
以上より、車両交通規制を通じた社会 実験による周辺の自動車交通量の変化は 平日に特に見られる。
秋葉原ジャンク通りへ
秋葉原ジャンク通りへ
図.平常時における秋葉原ジャンク通りに流入する自動車台数と割合
時間帯別方向交通量調査の結果
【方向①、③の交通負担の増加量】
車両交通規制による秋葉原ジャンク通 り周辺の自動車交通量の変化を分析する ため、方向①、③に着目する。
• 社会実験時は、日曜日の方向③を除き、 交通規制により交差点から秋葉原ジャ ンク通りへと侵入しない方向①,③の交 通量が増加した。
• 曜日に着目すると、平日の増加率が高い。
これは休日と比べ平日は秋葉原ジャン ク通り周辺に来街者が少なく、自動車が
比較的通りやすいためであると考える。
【社会実験実施による自動車交通量の増減率と車種】 木曜日における自動車交通量の変化
• 自動車交通量の増加率は13:00が最も 高く、平常時と比べ自動車交通量が 169.2%増加した。
• 車種に着目すると、13:00では貨物車が 特に増加した。
以上より、車両交通規制により木曜日 に生じる自動車交通量への影響は13:00に 特に表れ、貨物車の増加を中心として、 交通負担が増加する。
土曜日における自動車交通量の変化
• 自動車交通量の増加率は、16:00が最 も高く、平常時と比べ、137.5%増加し た。また、13:00から16:00の増加率は 平常時と比べ100%以上である。
• 車種に着目すると、13:00から16:00で 4種類(普通車、貨物、バスタクシー、 その他)の交通量が増加した。
以上より、車両交通規制により土曜日
に生じる自動車交通量への影響は13:00 から16:00を中心に表れ、4つの車種全 ての増加により、交通負担が増加する。
日曜日における自動車交通量の変化
• 自動車交通量の増加率は、15:00が最 も高く、平常時と比べ233.3%増加した。
• 車種に着目すると、15:00普通車が特 に増加した。
以上より、車両交通規制により日曜日
に生じる自動車交通量への影響は15:00 に特に表れ、普通車の増加を中心として、 道路への交通負担が増加する。
図.土曜日における自動車交通量の変化
秋葉原ジャンク通りの車両交通規制を 通じた社会実験の実施による周辺交通へ
の影響を把握するため、秋葉原ジャンク
通り及び周辺の駐停車台数に着目する。
各区間は交差点間で1区間となるよう
に設定する。また、各区間を比較する際 には、1mあたりの駐停車台数を算出し (駐停車密度)、比較分析を行う。
【駐停車台数と車種】
駐停車台数
• 木曜日が最も多く(社会実験時:171台 平常時:226台)、次いで土曜日(社会実験時 114台 平常時:114台) 、日曜日(社会実験時:107路上駐車台 平常時:75台)である。 車種
• 木曜日は社会実験時、平常時ともに小型貨物が最も多い。
• 土曜日は社会実験時は乗用車が最も多く、平常時は小型貨物が最も多い。
• 日曜日は社会実験時、平常時ともに乗用車が最も多い。
以上より、秋葉原ジャンク通り周辺は平日は荷捌きとしての駐停車が多く見られ、休日 が荷捌き車の割合が減少し、乗用車の駐停車が増加する。
【時間帯別駐停車台数】
社会実験時の駐停車台数が多い時間帯
11:00-12:00 :乗用車、普通貨物、小型貨物、自転車
12:00-13:00 :タクシー
14:00-15:00 :乗用車
社会実験時の駐停車台数が多い時間帯
11:00-12:00 :乗用車、普通貨物、小型貨物、バイク
12:00-13:00 :普通貨物、自転車
以上より、駐停車台数は社会実験時、平常時ともに11:00-12:00に多いことがわかる。
【平常時と社会実験時の駐停車台数の総計】
平常時における路上駐停車台数は小型貨物が148台(35.7%)と最も多く、次いで多 い路上駐停車台数は乗用車で111台(26.7%)である。社会実験時における路上駐停車 台数は乗用車が121台(30.9%)と最も多く、次いで多い路上駐停車台数は小型貨物で 116台(29.6%)である。以上より、路上駐停車台数は平常時、社会実験時ともに小型貨物・ 乗用車が多いことがわかる。
【駐停車の増減率と駐停車台数の増加が最も大きい区間(木曜日)】
駐停車台数は区間1,3,4,4,6,13で増加し、区間5,7,8,9,10,11,12で減少した。
駐停車台数の増加が最も大きい区間は区間2で11時台に最も多く増加した。
一方通行
社会実験時に駐停車が増加した区間 社会実験時に駐停車が減少した区間 変化が見られなかった区間
【駐停車の増減率と駐停車台数の増加が最も大きい区間(土曜日)】
駐停車台数は区間1,4,7,12、13,14で増加し、区間2,3,5,8,9,10,11で減少した。
駐停車台数の増加が最も大きい区間は区間13で11時台に最も多く増加した。
【駐停車の増減率と駐停車台数の増加が最も大きい区間(日曜日)】
駐停車台数は区間1,2,3,4,5,7,13で増加し、区間8,10,11,12で減少した。
駐停車台数の増加が最も大きい区間は区間4で、11時台に最も多く増加した。
一方通行
社会実験時に駐停車が増加した区間
社会実験時に駐停車が減少した区間
変化が見られなかった区間
一方通行
社会実験時に駐停車が増加した区間
社会実験時に駐停車が減少した区間
変化が見られなかった区間
【秋葉原・秋葉原ジャンク通りの印象】
社会実験時の秋葉原ジャンク通りと平常時の秋葉原ジャンク通りを比較すると、全て の項目で社会実験時の方が評価が高い。
社会実験時の秋葉原ジャンク通りと平常時の秋葉原ジャンク通りを比較すると、全て の項目で社会実験時の方が評価が高い。ただし、「魅力的である」「居心地が良い」「会 話しやすい」ではあまり差が見られなかった。
社会実験実施時の 秋葉原ジャンク通り 凡 例
平常時の 秋葉原ジャンク通り 平常時の秋葉原
【社会実験の実施による沿道店舗への影響】
平日では、「変化なし」と回答した沿道関係者が最も多く(4件,66.7%)、次いで 「やや増加」「やや減少」が(1件,16.7%)であった。
休日では、「やや増加」が(3件,50.0%)と最も多く、次いで「やや減少」が(2件, 33.3%)、「変化なし」が(2件,16.7%)であった。
店先活用により店内に入らずに商品を見ることが出来ることにより、普段店舗を利用 しない歩行者が店舗に興味を持つきっかけとなったと考えられる。
1 0 魅力的である 快適である居心地が良い 歩いて 利用しやすい座る場所が多い長く滞在したい 賑やか 会話しやすい 清潔である また利用したい
図.利用者の印象
魅力的である 快適である 居心地が良い 賑やか 会話しやすい
図.沿道関係者の印象
図.社会実験時の来店者数の変化(平日)
図. 社会実験時の来店者数の変化(休日)
平日・休日ともに「特に影響がなかった」が最も多い。一方で、「来街者との会話・ 交流の増加」「近隣店舗との連携・交流が増加」等の意見も得られた。
店先活用や滞留空間の創出により通りや店内での滞在時間が増加したことで、来街者 との交流が増加したと考えられる。
近隣店舗との連携・交流が増加 来店者との会話・交流の増加
特に影響はなかった
図.商売への影響(平日)
歩行者の安全性や快適性に関する意識が高まった 意識の変化は無かった
環境への配慮(例:騒音、ゴミ)に対する意識が低下した 環境への配慮(例:騒音、ゴミ)に対する意識が高まった
図.商売への影響(休日)
図.社会実験の実施による沿道関係者の意識の変化
来店者との会話・交流の増加
【今後のパブリックスペース(道路・広場)のあり方】
【公共空間の活用に関する評価】
評価5(125件,53.2%)、評価4(73件,31.1%)であり、滞留空間の創出を望む意見が 多い。また、求める空間として「ベンチ等の座る場所」が(41件,61.2%)と最も多い。
ベンチ等の座る場所 食事のできる空間
植栽等による日陰空間
くつろげる空間
N=235 125件 (53.2%)
73件 (31.1%)
図.滞留空間創出の需要
【道路空間活用に関する意見】
コミュニケーションが できる空間 ゲーム等で ゆっくり遊べる空間
図.滞留空間の種類
積極的に推進(108件,45%)、ある程度推進(84件,35%)であり、道路空間活用の推 進を望む意見が多い。また、活用内容は「飲食店によるテラス席の設置」(52件, 48.1%)や、「商品の陳列・販売」(35件,32.4%)が多い。
7件 (2.9%)
35件 (14.6%)
N=240 108件 (45.0%)
84件 (35.0%)
図.道路空間活用の需要
積極的に推進
どちらとも言えない
全く推進を望まない
ある程度推進
あまり推進を望まない
1件(0.9%)
(32.4%) 20件 (18.5%)
N=108 52件 (48.1%)
飲食店によるテラス席の設置
商品の体験ができる空間
商品の陳列・販売
1階店舗のガラス張り化
図.道路空間活用の種類
【道路空間活用に関する意見(沿道関係者対象)】
店舗前の道路空間活用を実現・継続させたいかに対する回答が「非常にそう思う」 (4件,57.1%)、「そう思う」(2件,28.6%)であり絵割合が多い。また、取組内容は 「商品の陳列・販売」(4件)や、「近隣住民等理解と協力」(3件)が多い。
近隣住民等の 理解と協力 商品の陳列・販売
くつろぎ空間 (ベンチ・机等)の設置 テラス席の設置
【広場活用に関する意見】
積極的に推進(101件,44.9% )、ある程度推進(70件,31.1% )であり、広場空間活用 の推進を望む意見が多い。また活用内容は「飲食店によるテラス席の設置」(64件, 57.7%)や、「商品の陳列・販売」(28件,25.2%)が多い。
3件(1.3%)
9件 (4.0%)
42件 (18.7%)
3件(2.7%)
全く推進を望まない N=225 101件 (44.9%) N=111 64件 (57.7%) 28件 (25.2%) 16件 (14.4%)
70件 (31.1%)
図.広場空間活用の需要
1階店舗のガラス張り化 積極的に推進 ある程度推進 どちらとも言えない あまり推進を望まない
飲食店によるテラス席の設置
商品の陳列・販売 商品の体験ができる空間
図.広場空間活用の種類
【今後のパブリックスペース(道路・広場)の課題】
【道路空間活用に関する課題(沿道関係者対象)】
「店舗間協力と運営のための体制」(6件)、「近隣住民等の理解と協力」、「行政 等の近隣住民等の理解と協力」(5件)であり、公共空間活用をする際、関係者の協力 を得ながら運営体制を構築をすることが求められている。
店舗間協力と運営のための体制
【秋葉原の利用状況】
【秋葉原利用者の来訪目的】
秋葉原全体と秋葉原ジャンク通りのいずれも平日休日問わず「買い物・店舗を利用す る」目的で来訪する人数が多い。
来訪目的
平日(10/17)の回答
休日(10/19,20)の回答
秋葉原全体
【秋葉原利用者の滞在時間及び利用する時間帯】
秋葉原利用者の滞在時間は平日は「1~2時間」(11件)が一番多く、休日は「2~6 時間」(65 件)が一番多い。また、利用する時間帯は「午後のみ」(63件)が一番多く 昼時に来訪する人が多い。
滞在時間
平日(10/17)の回答 休日(10/19,20)の回答
職場・学校がある
【秋葉原利用者の来訪頻度】
秋葉原全体と秋葉原ジャンク通りどちらも平日の来訪頻度は、「週3日以上」が最も 多く、休日は「週1 ~2日程度」が最も多い。平日は週3日以上の利用者が多いことか ら近隣関係者等の来訪が多いことが考えられる。休日は週1 ~2日程度利用者が多いこ とから、週末に秋葉原に訪れることが考えられる。
利用する時間帯
平日(10/17)の回答 休日(10/19,20)の回答
初めて
年に数回程度
週1~2日
週3日以上
毎日
初めて
年に数回程度
週1~2日
週3日以上
毎日
初めて
年に数回程度
週1~2日
週3日以上
毎日
初めて
年に数回程度
週1~2日
週3日以上
毎日
【今後の秋葉原のまちづくりで望む取組み】
全体結果
全体結果としては、「路上滞留スポットの整備」が58件と最も多く、次いで「店舗の 魅力が溢れ出す道路」が50件、「日陰を創出する屋根空間の整備」が49件であった。
一方で、「教育機関等との連携による緑地管理・整備」が8件と最も少なく、次いで「1 階店舗等の透明化・高質化整備」が10件であった。
施策1:地域交流を促進するイベントの実施
施策2:教育機関等との連携による緑地管理・整備
施策3:店舗の魅力が溢れ出す道路
施策4:商店間連携による路上イベント等の実施
施策5:既存施設を活用したコモンズ形成
施策6:大型ビジョンの整備
施策7:官民連携による都市基盤マネジメント
施策8:エリアマネジメント広告の推進
施策9:再開発事業と併せた一体的な滞留・交流空間創出
施策10:親水空間の整備
施策11:1階店舗等の透明化・高質化整備
施策12:オープンテラスの実施・協定整備
施策13:公開空地での滞留活動の創出
施策14:日陰を創出する屋根空間の整備
施策15:路上滞留スポットの整備
施策16:植栽の再整備再計画による滞留空間・木陰の創出
施策17:デジタルサイネージの整備
施策18:街の案内所・インフォメーション拠点の整備
施策19:屋外照明の設置
施策20:回遊を促すサイン計画
施策21:路上・公園等の安全・公衆衛生上の管理運営
施策22:歩きやすさに配慮した道路舗装・工作物の再整備
施策23:時間帯一般車規制
施策24:シームレスデザインによる歩行空間の拡張
施策25:歩行者専用区間(歩行者天国等)の実現
施策26:駐輪場の適正配置計画
施策27:インナー・フリンジパーキングの検討
施策28:駐車場地域ルールの検討
図.各施策で得られた票数(全体結果)
観光客・来街者では、「路上滞留スポットの整備」が43件と最も多く、次いで「店舗 の魅力が溢れ出す道路」が33件、「商店間連携による路上イベント等の実施」が32件 であった。
施策15 :路上滞留スポットの整備
施策3 :店舗の魅力が溢れ出す道路
施策4 :商店間連携による路上イベント等の実施
施策14 :日陰を創出する屋根空間の整備
施策25 :歩行者専用区間(歩行者天国等)の実現
図.観光客・来街者からの票数が多い施策
周辺住民では、「日陰を創出する屋根空間の整備」が13件と最も多く、次いで「店舗 の魅力が溢れ出す道路」が8件、「大型ビジョンの設置」が8件であった。
施策14 :日陰を創出する屋根空間の整備
施策3 :店舗の魅力が溢れ出す道路
施策6 :大型ビジョンの整備
施策13 :公開空地での滞留活動の創出
施策15 :路上滞留スポットの整備
施策16 :植栽の再整備際計画による滞留空間・木陰の創出
施策21 :路上・公園等の安全・公衆衛生上の管理運営
図.周辺住民からの票数が多い施策
オフィスワーカー
オフィスワーカーでは、「大型ビジョンの整備」が12件と最も多く、次いで「親水空 間の整備」が11件、「店舗の魅力が溢れ出す道路」が9件、「路上・公園等の安全・公 衆衛生上の管理運営」が9件であった。
施策6 :大型ビジョンの整備
施策10 :親水空間の整備
施策3 :店舗の魅力が溢れ出す道路
施策21 :路上・公園等の安全・公衆衛生上の管理運営
施策15 :路上滞留スポットの整備
施策19 :屋外照明の設置
視察者人数・社会実験に関する支出・実施体制
【視察者】
一般財団法人日本みち研究所、NTT都市開発株式会社
ルタンツ、株式会社Saluton、さいたま市都市整備課
株式会社、松竹株式会社不動産本部エリアマ 議員、千代田区区長、千代田区政策経営部、千
工営都市空間株式会社 、野村不動産株式会社
S&E総合研究所(五十音順、敬称略)
【社会実験実施に関する支出】
諸経費
A.備品関係費
B.広報関係費
C.人件費
総計
経費概要
印刷費、備品購入費、備品運搬費 チラシ印刷費、PRtimes掲載費
社会実験人件費、平常時調査人件費
【社会実験の推進体制】
社会実験実施主体
秋葉原タウンマネジメント株式会社
社会実験企画、調査
当日の運営管理等の協力
・日本大学理工学部建築学科
都市計画研究室( 泉山ゼミ )
・一般社団法人ソトノバ
実施場所等協力
ウォーカブルな
まちづくりの 推進体制 03 01
・千代田区 ・万世橋警察
・沿道店舗
関係者
・住友不動産 申請 許可 提案 協力
秋葉原タウンマネジメント株式会社
秋葉原をより魅力的にするために、美観推進事業、交通・ 治安維持事業、施設・地区整備事業、地域活性化・産業 創出支援事業を行っている。
一般社団法人 ソトノバ
パブリックスペースに関するウェブマガジンの運営、社 会実験の企画・運営、コンサルティング等を行っている。 02
日本大学理工学部建築学科都市計画研究室 ( 泉山ゼミ )
都市にまつわる研究テーマに対し、実践の現場と研究・ 理論を往復しながら、調査・研究・実践・発信を行っている。