ソトノバジャーナル2018

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JOURNAL 2018 ソトノバ TABLE#26 パブリックスペース・プロジェクト・論文発表会

2018/03/10



プログラム|Program 【ソトの最新海外事例ーオーストラリア編】 14:30-14:40 「シドニー・メルボルン視察報告」 泉山塁威(東京大学助教/ソトノバ編集長)、山崎嵩拓、原万琳(ソトノバ・ラボ) 【ソトを概念から考える】 14:40-14:50 「4か国の比較からみる日本におけるタクティカル・アーバニズムの概念導入の意義と有効性」 荒井詩穂那、泉山塁威、山崎嵩拓、原万琳、小泉瑛一、西田司、矢野拓、大西春樹、豊間友佳子(タクティカル アーバニズム・ラボ) 14:50-15:00 「プレイスマネジメントについて」 三谷繭子、遠藤友里恵、角間裕、佐渡綾華、高橋凛、日置大輔、三谷繭子、森悠太郎、矢野拓洋(プレイス・マネ ジメント・ラボ) 15:00-15:20 発表者クロストーク・質疑回答 【ソトを仕組みから考える】 15:30-15:40 「米国における水上住居の法制度整備の動向に関する調査研究」 土橋大輔(日本大学理工学部海洋建築工学科)、畔柳昭雄、菅原遼(日本大学理工学部海洋建築工学科教員) 15:40-15:50 「日本版オープンカフェガイドラインを通じた、デザインとマネジメント手法の提案」 佐藤春樹、泉山塁威、木村陽一、森悠太郎(オープンカフェ・ラボ) 15:50-16:10 発表者クロストーク・質疑回答 【ソトを道路空間から考える】 16:20-16:30 「おおみやストリートテラス- 道路予定区域利活用社会実験 -」 新津瞬、石黒卓(アーバンデザインセンター大宮) 16:30-16:40 「国内外におけるパークレット事例の評価総覧」 石田祐也、荒井詩穂那、泉山塁威、氏川拓郎、桑迫修平、中埜智親、三浦詩乃(パークレット・ラボ) 16:40-17:00 発表者クロストーク・質疑回答 【ソトをデザインとリサーチから考える】 17:10-17:20 「セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入」 荒木幸一郎、新井隆史(慶應義塾大学) 17:20-17:30 「パブリックスペースにおけるツール研究 -家具・什器・デザインの担う役割について-」 小切山孝治、小澤亮太、今野聖平、楠木堅曹、佐藤春樹、佐渡綾華、三宅眞(パブリックスペース・ツール・ラボ) 17:30-17:40 「パブリックライフ研究レビューと調査実践報告」 三浦詩乃、泉山塁威、三浦魁斗、三谷繭子、山田広明(アクティビティデザイン・リサーチラボ) 17:40-18:00 発表者クロストーク・質疑回答


ソトノバ・オーストラリア視察ツアー

CODESIGN Studio Lunch@MELBOURNE

GOODS LINE@SYDNEY

GOODS LINE@SYDNEY

ONE CENTRAL PARK@SYDNEY

ONE CENTRAL PARK@SYDNEY

日程:2018年2月23日ー3月1日 参加者:泉山塁威/原万琳/山崎嵩拓 訪問都市:シドニー、メルボルン 目的:オーストラリアのパブリックスペーストレンドの把握 オーストラリアのタクティカル・アーバニズムの把握 インタビュー先:CoDesign Studio,ASPECT STUDIO


Wentworth Park@SYDNEY

Sydney Fish Market@SYDNEY

Darling Harbour@SYDNEY

Darling Harbour Children's Playground@SYDNEY

Darling Harbour@SYDNEY


Oxford Street Reserve@MELBOURNE

PARK STREET AVENUE@MELBOURNE

PARK STREET AVENUE@MELBOURNE

Centre Place@MELBOURNE

Alexandra Gardens@MELBOURNE

Federation Square@MELBOURNE


Docklands Outdoor Gym @MELBOURNE

University of Melbourne@MELBOURNE

Welcome To Thornbury@MELBOURNE

Elizabeth St POP UP PARK@MELBOURNE

point cook pop up park pilot@MELBOURNE

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日本におけるタクティカル・アーバニズムの概念導入へ向けた検討 —4 つの国・地域における概念規定と日本事例の整理を通じてー * * **** ***** *******

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4 5 What is Japanese original Tactical Urbanism?

Takahiro YAMAZAKI, Shihona ARAI, Rui IZUMIYAMA, Haruki ONISHI, Yoichi KOIZUMI, Osamu NISHIDA, Marin HARA, Takumi YANO, Yukako TOYOMA


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分類

チェック項目

空間

座る場所の選択肢はあるか?

⃝​⃝な人が⃝​⃝な場所で⃝​⃝な座り方をしている。

ゾーニングと空間の大きさは適切か?

歩行空間と滞留空間が分けられている。

日向と日陰のバランスは適切か?

冬は日向ぼっこをしている人がいて、夏は日陰で涼んでいる人がいる。

主な利用者のニーズを満たす機能があるか?

Wi-Fiがあってビジネス利用がしやすい、遊具があって子供が遊べる。

グループ利用しやすい空間や設えになっているか?

グループで話しやすい、L字型のベンチがある。

安心な場になっているか?

ボール遊びをする場所と小さな子が遊ぶ場所の領域が別れている。

利用者にストレスのない出入口になっているか?

出入口が喫煙所や溜まり場などで塞がれていない。

自転車や車が適した場所で利用されているか?

駐輪場があり、駐輪場以外の場所に自転車が停まっていない。

周囲環境との境界は適切ですか?

隣がゴミ処理場のとなりの公園の場合、境界にバフッファーがある。

立地特性を活かしているか?

駅前の広場なので、物販がある。

障害のある人もアクセスできるか?

車椅子でも容易にアクセスできる。

日常的な利用者ニーズを把握しているか?

定期的な観察、声かけをしている。

利用者を観察し、データを取っているか?

アクティビティリサーチをしてその度にデータをアーカイブをしている。

利用者の行動・活動データを運営に活用しているか?

アーカイブされたデータを分析し改善につなげている。

具体的な利用者像を想像できているか?

マジョリティが女性であり、特に20代、30代が多い。

地域のアイデアを実現できる仕組みがあるか?

定期的に地域の声を吸い上げる場が設けられている。

近くに協力者がいるか?

ボランティアで清掃してくれる人がいる。イベント運営してくれる人がいる。

ボランティアが活動しやすい環境を提供しているか?

ボランティア団体の提案を柔軟に受け入れる。

日常的な手入れの仕組みがあるか?

手入れのワークフローがマニュアル化されており、定期的に報告し合うルールが確立されている。

場のデザインコントロールをしているか?

サイン計画を統一している。

自己財源確保の仕組みがあるか?

カフェの収益を維持管理費に回している。

収支管理を適切に行なっているか?

収入と支出を記録し、持続的な資金運営ができているかを定期的に確認している。

予算が適切な用途で使われているか?

修繕対応が必要な箇所に優先的にまわしている。イベントの予算や執行を適切に行なっている。

場のあり方を一言で表せるビジョンをもっているか?

「⃝​⃝が⃝​⃝して過ごせる⃝​⃝な公園」

取り組みに対する目的が明確に設定されているか?

個々の取り組みの目的がきちんとある。

メンバーにビジョンが浸透しているか?

利用者にプレイスについて聞かれた時に、明確にビジョンを答えることができる。

組織の決定内容と背景をメンバーと共有する機会を設けているか?

定期的に組織全体で意見交換をしている

現場のメンバーの声を運営や組織に反映しているか?

聴覚障害者のお客さんがいるという声を反映して筆記を導入する。

関係者の意見を踏まえて計画を立てているか?

地域住民や事業者、地権者を巻き込んだワークショップによって計画を策定している。

意思決定方法が明確か?

協議会での多数決によって決める。

計画を立てたものをきちんと実行しているか?

計画だおれにならず、実行する。

現在の状態や取り組みの振り返り、評価をしているか?

管理者が報告会を開き、評価を公開している。

状況に合わせて柔軟に変更できる状態にあるか?

時と場合によって、適切な対応をする。

報告書や評価の内容を関係者と共有しているか?

評価マニュアルが作成されており、誰でもわかるようなフローになっている。

広報をしているか?

HPやSNSで定期的に発信している

利用者が場所への行き方を把握する手段があるか?

行き方が明示されている看板がある。

運営

利用状況 一定時間滞留している人がいるか?

YES/NO

どういうシーンがありますか?(例)

コーヒーを飲みながら会話をしているひとがいる。

地域の人が利用しているか?

⃝​⃝ぐらいの頻度で利用している。

偏りなくその場所が全体的に利用されているか?

広場が使われておらず人がいない、古いベンチに誰も座らない。

定期的に利用する人はいるか?

親子連れがボール遊びをしている、高齢者が散歩している。

グループでの利用はあるか?

親子連れが多い。カップルが多い。

多様な使われ方がされているか?

⃝​⃝個のアクティビティがある。

その場所を楽しんでいる人がいるか?

ピクニックをしている。

人に紹介したい場所になっているか?

友達と過ごす場所になっている。

自由記入欄



米国における水上住居の法制度整備の動向に関する調査研究 —シアトル市とサウサリート市を対象としてー ○𡈽橋 大輔 1* 畔柳 昭雄 2** 菅原 遼 3** 水上住居

海岸線

水域利用

1.はじめに 近年,わが国では水辺空間に対する価値の再認識に 伴い,海洋建築物の新規利活用計画が展開され始めてい る。特に,海洋建築物を用いた水辺空間利用は,大規模• 埋立•非日常•空間拡張から小規模•浮体•日常•環境対応へ と変化してきている 1)。しかし現状では,海洋建築物の建 設に関する具体的な設計指針や法制度等の整備は不十分 な状況であり,それらの検討は喫緊の課題といえる。 こうした中で,米国では 19 世紀末より,自然条件が比 較的穏やかな水域において水上住居が建設され,各種法 制度を制定し,規制・管理を図ることで,地域特有の水 辺空間利用を生み出している。 そこで本研究では,米国における水上住居に着目し, その成立経緯や法制度整備の動向を捉えることで,わが 国において,今後,海洋建築物を計画・建設する上での 法制度に関する示唆を得ることを目的とする。 2.調査概要 本研究 では, まず, イン ターネ ットに よる 電子調査 (2017/6/16〜10/31)を実施し,米国における水上住居の立 地場所及び各州の水上住居に関する法制度の有無を把握 した。次いで,多くの水上住居に関する詳細な法制度が 定められているワシントン州シアトル市とカリフォルニ ア州サウサリート市を調査対象地として選定し,文献調 査から法制度の内容を把握した。加えて,シアトル市に おいては現地調査(2017/11/01〜11/10)を実施し,面接調査 により,水上住居の成立経緯と法制度の詳細を捉えた。 3.調査結果 3—1.米国における水上住居の位置付け 図 1 に米国における各州の水上住居に関する法制度の 有無を示す。まず,米国における水上住居は,18 州で 法制度が制定され,一般的に Floating Residence と呼称 されている。これらは Floating Home と Houseboat(以下, Floating Residence を FR , Floating Home を FH , Houseboat を HB と示す)に大別される。一般的な FH と HB の定義として,FH はバージやログを利用した下部 構造上に住居を建設したものを指し,HB は居住機能を 有した船や船舶を指す。さらに,上下水道システムにも

Survey research on legal system improvement of Floating Residence in the United States.

図1

各州の水上住居に関する法制度の有無

違いがみられ,FH は常時陸上の上下水道に接続してお り,HB の場合,下水は船舶内に下水タンクを設け,上 水はバキュームによる汲み上げ方式または陸上からの上 水道の接続を行なっている。 次に関連法制度をみると,FH は,陸上に建設される 住居と同様に扱われ,州や郡,市などの地方条例に準拠 している。HB は船舶の一種として扱われ,米国連邦法や 米国船舶安全法,その他の法律に準拠している。しかし, HB を賃貸等の商業目的で利用する際には,FH と同様に 地方条例に準拠する例もみられた。 3−2. 水上住居の立地分布 図 2 にシアトル市における FH の分布,図 3 にサウサリ ート市における FH の分布を示す。まず,シアトル市にお ける FH は,その大半がユニオン湖東岸のイーストレイク 及びポーテージベイに立地しており,2017 年時点で約 511 軒確認できた。 次に,サウサリート市における FH は,リチャードソン 湾に立地しており,2017 年時点で約 425 軒確認できた。 Daisuke Dobashi1, Akio Kuroyanagi 2,Ryo Sugahara 3


3−3. 水上住居の成立経緯 1853 年にセントラルウォーターフロントにおいて製材 工場が建設されたシアトル市では,労働者や伐採業者が 水上に木材を浮かせ,その上に粗末な小屋を建設して作 業場や住居として利用し始めたことが FR の起源とされて いる。 次いで,サウサリート市では,1880 年頃より,ベルベ ディア・ラグーンやコルテ・マデラの小川において,集 会場や別荘として平底船(Ark)が利用し始めたことが FR の起源とされている。 3−4. 水上住居に関する法制度

図2

シアトル市における水上住居の分布

図 4 にシアトル市における FH の規制内容,図 5 にサウ サリート市における FH の規制内容を示す。ワシントン州 では, 1971 年「海岸線管理法」を制定し,海岸線地区の 管理を行なっている。その中で,海岸線から 200 feet を 「Shore land」として水域に区域を定め,水域の開発を許 可している。海岸線地区は,土地のゾーニング計画と同 様に住居地域や商業地域,産業地域等に区分されている。 また,シアトル市では,海岸線地区のより詳細な土地利 用や基準を定めるため,「シアトル海岸線基本計画」を制 定し,この中で,FH の空間基準や高さ制限,住居間距離, 設備等を規定している。シアトル市では 1968 年以降,新

図3

サウサリート市における水上住居の分布

規の FH 建設は許可されておらず,改築や既存の停泊水域 への移転のみに限定されている。 次に,サウサリート市の海岸線地区では,マリン郡法 とサウサリート市法によって,ゾーニング計画が定めら れており,水域は,ウォーターフロント地域や臨海住居 地域,商業地域等に区分されている。FH の建設を臨海住 居地域に限定することで水域管理を図っている。また, FH の法制度に関しては,州法によって「FH 居住法」が 制定され,FH と FH マリーナの定義や賃貸契約の形式, 賃貸契約の解約に関する規則を定めている。このように, FH マリーナと呼称される FH 専用のマリーナを設け,FH

シアトル市における FH の規制内容

図4

の係留水域を限定することで,FH の無秩序な拡大の抑制 を図っている。さらに,マリン郡法によって「FH の建設 と維持に関する規則」を制定し, FH の空間基準や高さ 制限,住居間距離,設備等の規則を定めている。 4. おわりに 本研究では,米国における FR に着目し,その位置付け や成立経緯,法制度を捉えた。その結果,シアトル市と サウサリート市では,FH 特有の区域を定め,その中にお いて,建築基準や維持に関する規定が詳細に定められて いることを捉えた。以上を踏まえ,今後わが国において 海洋建築物の利用を推進していくためには,建設及び水 域に関する法制度の整備を行うことが重要である。

*日本大学理工学部海洋建築工学科 **日本大学理工学部海洋建築工学科教員

図5

サウサリート市における FH の規制内容


参考文献・補注 1) 畔柳昭雄・増田光一・小林昭男・他 3 名:浮体式構造 物を活用した水面空間利用の動向-海洋空間の有効利 用のための超大型浮体式構造物に関する調査研究 そ の 1-,第 25 回海洋工学シンポジウム,2015.8

Survey research on legal system improvement of Floating Residence in the United States.

Daisuke Dobashi1, Akio Kuroyanagi 2,Ryo Sugahara 3



「道路上でのオープンカフェ」 × 道路占⽤の許可の特例 道路使⽤の許可 国家戦略特区

当lab.では取り扱う

⽇本版オープンカフェガイドラインを通じた デザインとマネジメント⼿法の提案

テーブル、イス、パラソル、柵、照明など は⾷事施設等として道路に設置する際に、許 可が必要となる。 × 道路という公共の場で、特定の事業者が利 活⽤するには、市⺠の合意形成が必要となる。

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2018.03.10 佐藤春樹・泉⼭塁威・⽊村陽⼀・森悠太郎

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ガイドラインの背景

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⽇本版オープンカフェガイドライン

1. 質の⾼い空間誘導の必要性

誰にとって︖

⽇本には、⽶国のデザインガイドラインのような、空間の質を担保する 仕組がない。

オープンカフェの運営主体 (⾏政、エリマネ団体)に、

2. 「導⼊」から「運営」への問題意識のシフト 規制緩和によって導⼊のハードルは下がり、道路上のオープンカフェを 実施する地域も増えてきた。

どんな価値︖

持続可能な運営が求められる時代に。

⽇本の道路上のオープンカフェの状況に 合った、アイテム選択とマネジメント⼿ 法を整理し、提案する。

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⽇本版オープンカフェガイドライン

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国内の道路上オープンカフェの空間類型

①地先型

■⽇本版オープンカフェガイドラインの構成 Chapter1.オープンカフェを取り巻く社会状況 Chapter2.ガイドラインにおけるオープンカフェの定義

Chapter3.オープンカフェの事例 Chapter4. 空間構成の類型化

Chapter5. アイテムの類型化

Chapter6. マネジメントの類型化

Chapter7.オープンカフェの評価

Chapter8.提⾔(おすすめオープンカフェetc) open café lab.

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アイテムの類型化

アイテムの類型化

空間類型をベースにし、3ステップでアイテムを整理

①地先型

① 空間類型の特徴(運営者アンケート)

①空間類型の特徴(運営者アンケートより)

② 必要な機能

・店内、店外の⼀体感がある。 ・運営店舗が明確で、店舗の宣伝になり、売上増加に繋がる。

③ 機能を提供するアイテム

②必要な機能 ・店内、店外の⼀体感を⽣み出すもの ・運営店舗が認知され、宣伝効果が期待できるもの ③アイテム ・店舗の外観、内観に合わせたデザインのアイテム (⾊を合わせる、素材を合わせる、ロゴなどを⽣かし形を合わせる) open café lab.

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アイテムの類型化

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⽇本におけるマネジメントの類型化

グランフロント⼤阪(梅⽥)

パターン① インテリアとエクステリア の⾊合いが統⼀

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⽇本におけるマネジメントの類型化

ガイドラインの普及によって、、、

パターン① メリット カフェ事業者もエリマネ団体の会員であるため、エリアの将来像やルール

これを標準に︕

づくりに⾃ら関わることができる。 エリマネ団体とカフェ事業者の⽬指す⽅向性は⼀致する。 デメリット オープンカフェ事業者は、エリマネ団体に加⼊しないといけないので、社 会貢献事業も会員として関わるなど、負担が増える。

パブリックマインドの⾼い、地域貢献活動に積極的な カフェ事業者がいる場合に有効 open café lab.

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おおみやストリートテラス 2017年9⽉15⽇ ‒ 24⽇ 主催:UDCO 協⼒:さいたま市東⼝まちづくり事務所

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BEFORE

AFTER


⼤宮らしい都市街路⽂化の創出

1. 道路拡幅予定地・沿道建物を⼀体的に利活⽤するモデル作り ・既存市街地の道路空間・歩⾞共存の新しいあり⽅ ・建物ファサード・⾜元空間のあり⽅ ・都市計画道路の事業期間中暫定利活⽤(制度的チャレンジ)

2.

沿道型の商業ポテンシャルの開発 ・新しい世代の商業事業者の意欲喚起、インキュベーション ・他都市にはない独⾃のコンテンツ創出のきっかけ

3.

街路空間の利活⽤イメージ・体験



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国内外におけるパークレット事例の評価総覧

発表者:石田祐也 共同発表者:荒井詩穂那、泉山塁威、氏川拓郎、桑迫修平、中埜智親、三浦詩乃

パークレットとは ピープルスポット ● サンフランシスコ市発、世界中に展開

● 駐車スペースに人間のための空間をつくる パークレット・ラボ研究発表

● 前面の飲食店等が申請

国内外におけるパークレット事例の評価総覧

● 管理も申請者が行なう ● 申請者は、行政発行のマニュアルに従う ● 行政による許認可制度 ● 営業活動・広告は禁止

パークレット・ラボ 発表者:石田祐也 共同発表者:荒井詩穂那、泉山塁威、氏川拓郎、桑迫修平、中埜智親、三浦詩乃 ソトノバTABLE#26 パブリックスペース・プロジェクト・論文発表会 2018.3.10

パークレット・ラボ今年度の取り組み

●仮設ではなく常設の空間である (パークレット実験の場合は仮設OK)

パークレットは世界中で増えている

● ワークショップ開催  ソトノバTABLE#16 アイデアソンで「日本らしいパークレット」を考えよう!

パークレットがあるから 人が来るのではなく、 人がいるところで

パークレットは機能する。 パークレット

= にぎわい創出の 手段ではない!

パークレットは世界中で増えている

http://pavementtoparks.org/resources/map-of-projects-around-the-world/

パーキングデーとパークレットはこう違う パーキングデー

・実施期間は都市によって異なる

→パーキングデー・ネットワーク

*駐車スペース、縁石沿いならOK

・誰でも実践できる

実践者同士のつながり RebarによるPark(ing) サンフランシスコでパークレット事業開始 サンフランシスコで社会実験実施

初めてのパーキングデー 以降、毎年9月第3金曜日に実施

パークレット・プログラム開始へ

パークレット

・毎年9月第3金曜日に世界中の都市で開催 ・基本、コインパーキングスペースで実施

*SFの場合、一年更新

・実施場所も都市によって異なる

・行政による許認可or行政主導がほとんど


パーキングデーとパークレットはこう違う パーキングデー

〈目的〉

パーキングデーとパークレットはこう違う

パークレット

・さらなるオープンスペースの必要性を  アピールすること

・ 都市の街路のポテンシャルを、

れ配分されているのかなどについて批判

・ 歩行者の安全を改善し、

パークレット

もう一度、想像しよう

・パブリックスペースがどのように創ら

・ 自家用車以外の交通手段を促進しよう

的な討論を生むこと

活動を活性化しよう

・都市の住生活環境の質を高めること

・ 地域の人々の交流を育もう

(少なくともメーターがあがるまでは)

・ 地元の生業をサポートしよう

パークレットの波は日本にも 池袋

パーキングデー

SF版パークレットを手本にあらゆる都市が実践中

錦二丁目

神戸

御堂筋

新宿

credit: 錦二丁目:http://ercscd.env.nagoya-u.ac.jp/consulting-firm/jpn/project/project1.html 栄:http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2017110202000245.html

国内で良質なパークレット事例をつくるために

パークレット・ラボは日本版パークレットの可能性を考えています

● なぜ日本でパークレットなのか

〈ビジョン〉

そもそもパークレットとはどのようなものなのか  今一度考えよう  日本におけるストリートの課題を解決するためには、  サンフランシスコ型ではない方策の可能性も検討する必要  =「パークレット」の定義の明確化

● パークレットガイドラインの必要性  米国ほか海外事例のような都市単位ではなく、  現段階では、国単位でのガイドラインの作成を目指す  =「パークレットガイドジャパン」の作成

● 質保証制度の必要性  名ばかりパークレットを増やさないために  良質なパークレットに対しパークレット公式サインを掲げてもらうなど  =良質な「パークレット」の条件の整理

日本版パークレットが、国内のストリートにおける課題を解決する 手段のひとつになる 〈ミッション〉

①パークレットに関する知見の共有と普及

サンフランシスコ市など米国都市での取組みや日本国内での実践に関する 情報の発信、国内外のパークレットにまつわる制度や概念の普及啓発を目 指します。

②日本版パークレットの探究

ご清 関連する政策や制度、国内における道路空間の問題などについて協議でき 聴

あ ざい う ラボ ました メ 募集 ンバー ! 中で も す! !

りが る場をつくりながら、日本ならではのパークレット的空間のあり方を確立 と ご することを目指します。 〈今後の活動〉

日本版パークレットマニュアルの作成


セルフビルド仮設建築を用いた都市空間への戦術的介入 - 熊本まちのたねプロジェクトを通して Self-built tactical intervention for town planning using temporary construction -Through Kumamoto Machinotane Project -

U

M A M O T

K

O

まちのたね

熊本マチノタネプロジェクト 荒木幸一郎 /新井隆史

プロジェクト

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

□研究の背景

1/26

□研究の目的 / 意義

2/26

【研究の目的】

【時代と共に変化する災害復興の在り方】 ・特に阪神・淡路大震災以降、自然災害の増加にともない政府はそれに対応すべき法整備を実行してきた  →経済や産業の振興、都市開発などマクロな視点から包括的に復興を捉えている

マクロな復興

乖 離

ミクロな復興

ミクロな復興の実現に向けた支援手法の開発

の乖離

・災害復興のカタチは多種多様に変化してきおり、復興に参加するアクターも変化してきている

→復興に対する住民参加へと繋がり、地域コミュニティに向けたミクロな視点の復興が求められている

被災地での実践を通して支援手法の有効性を示す 災害復興の先を見据えた、まちづくりの指針を示す

【開かれるデザインと建築の変化】 ・21 世紀に入り急速に消費者へと開かれたものがものづくり  →Fab Lab と Digital Fabrication 機器の普及が示す通り、

【研究の意義】

ユーザーのデザイン行為への積極的参画を実現しつつある

地域の住民に向けたミクロな視点で地域にフォーカスした新たな災害復興の手法が提示される

・近年、建築領域への応用が試みが数多く見られる

→平時にとどまらず災害などの有事においての適用が散見される

→年々増加を続ける自然災害に対する復興への新たな知見となる  →復興のその後を見据えたまちづくりの新たな可能性の探求

1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論

1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論


セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

□支援手法の開発

8/26

【ソフトウェア】: 新たな住民参加の形式を提案

□ソフトウェアの提案

9/26

【建築や都市に関する分野における住民参加の分類】

・過去の 3 つの災害とその復興の際の、建築物の建設や都市計画における住民参加を分類し、

行政 /専門家

問題点を踏まえ、地域の住民が自らプロセスに参加することが可能な新たな形式を提案する

b.〈抽出型〉

行政 /専門家 a

b

c

ワークショップ

ワークショップ

政策 / 計画

政策 / 計画

c

b

a.〈トップダウン型〉

a

ワークショップ

ワークショップ

政策 / 計画

政策 / 計画

政策 /計画 「復興」

c.〈協働型〉

政策 /計画

復興活動

地域活動

地域住民 /地域団体

「復興」

3つの自然災害において地域の住民の主体的な参加をより重視した方法がとられている 復興活動

地域活動

c.〈協働型〉

地域住民 /地域団体

切り口

a.〈トップダウン型〉:行政機関や専門家によって都市計画や建築計画が決定される

ソフト面

b.〈抽出型〉:行政機関や専門家が、都市計画や建築計画を決定する過程において、 ワークショップや意見交換会等を設け、地域住民の意見の抽出を行うことでそれらを反映させる

ハード面

c.〈協働型〉:地域の住民や団体が主体となり活動する上で、 外部からの専門家が素人では扱えない領域を補助するため意見の抽出や建築物の設計を行う 1章

2章

3章

4章

5章

6章

フェーズ

計画前

計画段階

完成後

能動的

プロジェクトの発足

ワークショップの開催 意見の主張/提案

プロジェクトの運営・継続

受動的

ヒアリングへの協力

イベント等への参加

能動的

施工への参加

建物の管理・運営/建物の利用

受動的

(建物の利用)

専門家の復興プロセスに参加しているが、ハードウェアによる自発的な復興は見られない 結 論

1章

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

2章

3章

4章

5章

6章

結 論

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

□ソフトウェアの提案

10/26

【新たな住民参加の形式を提案】

□ハードウェアの提案

11/26 事例名

【セルフビルド仮設建築物の提起】

紙のログハウス

事例名

坂茂建築設計 ウェブページ http://www.shigerubanarchitects.com/index.html より引用

d .《 自 律 展 開 型 》:ソフト面とハード面双方からのアプローチを可能にするための新たな形式

: 《自律展開型》の住民参加に伴う仮設系の一例

地域活動

・建築物の設計や製作方法など  プロセスそのものを専門家と共有 フィードバック

3章

4章

5章

6章

新潟中越地震 /2005 年 9 月 家具(テント・椅子) 仮設 新潟大学岩佐研究室 仮設のトリセツ

坂茂建築設計 ウェブページ http://www.shigerubanarchitects.com/index.html より引用

東日本大震災 /2011 年 3 月 地震 /竣工年 家具(避難所間仕切り) 用途 仮設 / 本設 仮設 設計者 ボランタリー・アーキテクト・ネットワーク 事例名 陸前高田みんなの家

滋賀県立大学 志津川番屋プロジェクト紹介ウェブページ http://www.usp.ac.jp/shinsai/activity02/ より引用

仮設 de 仮設カフェ ウェブページ https://kasetsukaizou.jimdo.com/ より引用

地震 /竣工年 用途 仮設 / 本設 設計者

4.「利用サイクル」

事例名

外部支援者

東日本大震災 /2011 年 4 月 家具(仮設住宅用ツール) 仮設 新潟大学岩佐研究室 志津川番屋プロジェクト

地震 /竣工年 用途 仮設 / 本設 設計者 事例名

地震 /竣工年 用途 仮設 / 本設 設計者

関係する項目同士を合わせ、指標とする

事例名

東日本大震災 /2012 年 11 月 集会所 / 事務所 本設 帰心の会 橋通り COMMON

地震 /竣工年 用途 仮設 / 本設 設計者 事例名

株式会社オンデザインパートナーズ ウェブページ http://www.ondesign.co.jp/ より引用

地震 /竣工年 用途 仮設 / 本設 設計者

結 論

1 章 序 論

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

2章

3章 支援手法の開発

4章

5章 実践と分析

東日本大震災 /2015 年 4 月 商業店舗 仮設 オンデザインパートナーズ

6章

東日本大震災 /2012 年 5 月 番屋 仮設 宮城大学竹内研究室 コアハウス -牡鹿半島のための地域再生最小限住宅 板倉の家 -

GOOD DESIGN AWARD ウェブページ http://www.g-mark.org/award/describe/40280 より引用

NPO Home For ALL ウェブページ http://www.home-for-all.org/soma-city-1-16/ より引用

活動の企画から建築の設計、実践、フィードバックまでのプロセスが循環し、 が自発的に様々な実践を繰り返すことで定着を図る 2章

事例名

3.「主材料」×「生産方法」×「コスト」

企画 設計

地域住民 /地域団体

1章

地震 /竣工年 用途 仮設 / 本設 設計者

2.「施行方法」×「自律性」

建築

+地域住民

・フィードバックをもとにその後の自律  的な展開を期待

仮設 de 仮設カフェ ウェブページ https://kasetsukaizou.jimdo.com/ より引用

1.「スケール」×「利用方法」×「空間構成力」

d

坂茂建築設計 ウェブページ http://www.shigerubanarchitects.com/index.html より引用

新潟中越地震 /2004 年 11 月 阪神淡路大震災 /1995 年 6 月 地震 /竣工年 地震 /竣工年 家具(避難所間仕切り) 応急仮設住宅 用途 用途 仮設 / 本設 仮設 / 本設 仮設 仮設 設計者 ボランタリー・アーキテクト・ネットワーク 設計者 ボランタリー・アーキテクト・ネットワーク 事例名 事例名 仮設 de 仮設カフェ 避難所用 紙の簡易間仕切りシステム 4

「セルフビルド仮設建築物」

復興

・外部支援者は住民と並列な関係で  住民自らプロセスに参加可能

紙の家 ( 避難所用間仕切りシステム 1)

東日本大震災 /2012 年 12 月 復興住宅 本設 一般社団法人アーキエイド 高見の宿 蛤浜の民家

水野大二郎提供

地震 /竣工年 用途 仮設 / 本設 設計者

東日本大震災 /2015 年 4 月 カフェ / 宿泊施設 本設 一般社団法人アーキエイド

まとめ結 論

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

□ハードウェアの提案

12/26

【セルフビルド仮設建築物の設計】

□ハードウェアの提案

13/26

【モックアップの製作】

−アクソメ図

・ベニアハウスプロジェクトを参照  →指標と照らし合わせると妥当性が高い

ベニアで作られた集会所

CNC ルーター −部材パーツ

・利用サイクルを短くする試みとしてスケールについて  材料に用いる合板の規格から考える

×2

×2

2424mm 1700mm

×2

2424mm

1212mm

909mm

1章

2424mm

1818mm

2章

3章

2424mm

4章

×3

5章

6章

結 論

1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論


セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

□支援手法を適用した実践に向けた被災地での活動

14/26

【熊本まちのたねプロジェクト】

□地域コミュニティによるセルフビルド仮設建築物の利用

15/26

【参加利用型アプローチ】 ・『アースデイ・マーケットくまもと』にて出店者  を被験者として、それぞれの目的に応じて「セ  ルフビルド仮設建築物」を利用してもらう

オモキビル跡地

熊本城

紅蘭亭

フェーズ 1. 地域への介入

下通商店街 古町エリア

・外部の支援者として地域コミュニティへ介入し、

早川倉庫

実践者の捜索を行う

【企画参加型アプローチ】

熊本駅

フェーズ 2. セルフビルド仮設建築物の利用

・『マルシェ・ノワール』にて筆者自身が被験者と   なり、用途 / 目的を設定し、 「セルフビルド仮設   建築」を利用する

1.地域への介入 M O M A T

U

A

M O

T

マチノタネ

O

K

プロジェクト

U

M O M A

T

K

O

マチノタネ

私達が暮らすまちは、日々その姿を変えてい く。

まちのたね

大規模開発や旧市街地の保存、河川整備など 、ど

プロジェクト

れも私達の手の届かぬところで始まり、知ら ぬ間 に終わっていく。私達はその変化に気づいて いる ものの、ただ見守ることしかできない 。

同様に、昨年の地震も一瞬にしてまちの姿を 変え、 私達から多くを奪っていった。しかし、大き な違

プロジェクト

いは、誰でもまちを支えられること、誰もが まち の主役になれることに、気付くきっかけを与 えて くれたことだ。これからの熊本を考えた時、 今こ

そ当時の、自らの手で、自らの環境を、自ら 獲得

際どのように使われるのか、また建築物を利用す  ることでどのような効果があるかを検証する

M

K

U

O

・セルフビルド仮設建築物を地域の住民が利用した

し て い く 、市 民 の 主 体 性 が 必 要 で は な い だ ろ う か ? 誰 も が 持 つ 、「 自 分 の ま ち へ の 想 い = ま ち の 種 」

その種をカタチにし、まちへ植え、芽を育み 、花 を咲かせることが、より良いまちを作ること へと 繋がる。

SNS

□お問い合わせ -personal

慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科 荒木幸一郎 Tel: 090-4839-4843 Mail: don1051chiro@gmail.com 研究室 HP: http://hirotolab.sfc.keio.ac.jp/

-company

ることが、私たちの目的です 。

矢橋徹建築設計事務所 http://www.yabashi-aa.com/

リーフレット

広報活動 熊本まちのたねプロジェクト

ローカルアーキテクト

地域コミュニティ

主体者の決定

フェーズ 3. 自律的な復興の支援 ・支援手法を適用した上で、地域住民により自律的  な復興を実践する

1

2

3

4

5

6

7

セルフビルド仮設建築

地域主体

2.セルフビルド仮設建築物の利用

住民の地域拠点 『マルシェ・ノワール』 『アースデイ・マーケットくまもと』

分析・フィードバック

セルフビルド仮設建築

住民が利用した 6 事例と筆者が利用した 1 事例、計 7 つの異なる使われ方をした

3.自律的な復興の支援

1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

□地域住民による自律的な復興の実践

17/26

【 オモケンパークの実践】

□地域住民による自律的な復興の実践

18/26

【実践の評価】

企画名:オモケンパーク

インタビュー:自然な会話の中で行い、ぞれぞれの主観に基づいた様々な評価を得た

日 時: 2017/11/25(土),2017/11/26(日)

・20 代女性(主婦)/30 代女性(主婦)

資 金:クラウドファンディング

→住民のニーズを街のハードから変えることの必要性

主 旨:震災によって解体されたビルの跡地を利用し、       子連れが気軽に訪れることができる公園を地域

・20 代女性(大学生)/50 代男性(オモキビルオーナー)

住民の手で創る

→震災を影響に生まれた場の使い方やセルフビルド仮設建築物を使う意味 ・40 代男性(会社員) →震災復興の課題や地域住民が主体的に活動する重要性 閉じたコミュニティ内のイベントではなく、実際の街の中で多くの住民に体験してもらった

自律的な復興が重要であり、小さな活動と共にハードを伴ったまちづくりの必要性を確認できた 1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

□セルフビルド仮設建築物の有効性の検証

19/26

【ワークショップの実施】

□セルフビルド仮設建築物の有用性の検証

20/26

【 分 析 】 1. 部材毎の扱いやすさ

男性 2 人で持ち運び可能

4

→部材の大きさや形状、種類によって、扱いやすさに

女性 2 人で持ち運び可能

3

差はあるが、成人女性が2人いれば全ての部材を扱

2

うことができる

男性 1 人で持ち運び可能 1

2. 各作業工程における必要人数

女性 1 人で持ち運び可能

→組み立てにおける必要最低人員数は 4 人 7人

3. 作業行程の習得スピード

6人 5人

→適用した構法と材料は、初めて利用する住民らでも  仕組みや構造を理解でき短時間で組み立てが可能

work1

work2

work3 work10

4人 work7 3人

work5

work6

work9 work8 work11

2人

work4 work12

1人 工程進度

地域の住民でも自ら組み立てが可能であると共に、 工法の適性を明らかにした 噛み合わせ1

噛み合わせ2

差し込み

楔止め

1:26:30

1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論

1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論


セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

□結論

21/26

【 研究の総括 】

□地域住民による自律的な復興の実践

22/26

【自律展開型の住民参加の有効性】 支援手法の開発

ソフトウェア

外部支援者

実践主体

協働者

協力者 早川倉庫

ハードウェア

支援手法

熊本まちのたねプロジェクト

(※プロジェクトフェーズ 2 を実行中)

提案

主催者

オキビルオーナー

地域住民

Fab Lab 阿蘇南小国

And Coffee Roaster

実践 1- セルフビルド仮設建築物の利用

地域住民

4章

5章

結 論

23/26

【支援手法の有効性】

ハード面

2章

3章

完成後

プロジェクトの発足

プロジェクトの運営・継続

受動的

ヒアリングへの協力

イベント等への参加

能動的

施工への参加

建物の管理・運営/建物の利用

結 論

24/26

【ハードウェア】

・支援者が中心となって復興の主体として活動する ・仮設住宅や集会所などの機能や設備がともなっ  のではなく地域の住民が主体となって活動を行え  た建築物とは別に、住民が必要に応じて使うこと  るような体制を作り、そのサポートを行う

環境との関係性から様々な使い方ができる建築物

地域活動

建築

+地域住民

計画前

計画段階

完成後

地域住民 /地域団体

ソフト面

能動的

プロジェクトの発足

ハードウェアの伴った実践の提案

プロジェクトの運営・継続

ハード面

能動的

セルフビルド仮設建築物

設計/製作/施工への参加

セルフビルド仮設建築物の活用

3章

4章

5章

6章

企画 設計

外部支援者

建築物を建設することを目的化するのではなく、 地域の住民の復興の為のツールとして使えるような仕組みの建築物と その建築物を用いて住民自らが活動を展開していく為の体制を整える

地域の住民がハードウェアによる自発的な復興が可能であった 2章

ができ、建築物単体で完結するのではなく、外部

d

(建物の利用)

フィードバック

1章

6章

復興

受動的

切り口

5章

□結論

【ソフトウェア】

計画段階 ワークショップの開催 意見の主張/提案

フェーズ

4章

【外部支援者向けた災害復興の新たな指針の提示】 計画前

能動的 ソフト面

1章

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

□実践結果を踏まえた支援手法の有効性

フェーズ

オキビルオーナー

復興に向けた手段やプロセスを提示することで、住民自ら復興を展開することが可能 6章

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

切り口

早川倉庫 古書汽水社 (※プロジェクトフェーズ 2 を実行中) 三角エコビレッジサイハテ クラウドファンディング 古書汽水社 地域住民 熊本県林業振興課

主催者 Fab Lab 阿蘇南小国

災害復興の先を見据えた、まちづくりの指針を示す 3章

クラウドファンディング

オキビルオーナー And Coffee Roaster

被災地での実践を通して支援手法の有効性を示す

2章

早川倉庫

(※プロジェクトフェーズ 2 を実行中)

古書汽水社

結果を分析

実践 2- 自律的な復興の支援

1章

主催者

熊本まちのたねプロジェクト

進 期

ソフトとハードを一体とした支援手法を提示していくことが重要 結 論

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論

セルフビルド仮設建築を用いたまちづくりへの戦術的介入

□研究の展望と課題

25/26

【実践からみえた課題】

□結論

26/26

【今後の展望 】

1.「スケール」× 「利用方法」×「空間構成力」 2.「施行方法」× 「自律性」 3.「主材料」  ×「生産方法」×「コスト」    → 4.「利用サイクル」

・適用事例の多様化と手法のアップデートと共に、地域の住民へのプロセスの定着を行っていく

判断することができなかった

・平時のプロジェクトとしても様々な事例に手法を適用していく

復興 d

地域活動

セルフビルド仮設建築物

+地域住民 フィードバック

設計

製作

共同作業 技術伝達

外部支援者

地域住民 /地域団体

「共同作業による設計」

1章

企画

「製作に向けた技術伝達」

・住民の意見が直接的に反映されてい

・地域住民らへの技術の伝達、普及を

るが 0 から 1 への設計を行う際の工夫

継続していく必要性

2章

3章

4章

5章

6章

結 論

2018 年 10 月に新たな実践を行う 1章

2章

3章

4章

5章

6章

結 論


01

2018

PUBLIC SPACE TOOL LAB パブリックスペース利活用に対する注目度が 高まり、社会実験等が増えてきている。

その中でパブリックスペース有効なツールの 研究・デザイン・製作・開発に取り組む。

小切山 孝治/LAB代表/建築設計

小澤 亮太/ランドスケープアーキテクト 今野 聖平/都市コンサルタント 楠木 堅曹/ファニチャーメーカー

/ Public Space Tool LAB

佐藤 春樹/建築設計

発表者:小切山 孝治/ソトノバ・ラボ パブリックスペースのツールラボ 小澤亮太、今野聖平、楠木堅曹、佐渡綾華、佐藤春樹、三宅眞

佐渡 綾華/建材メーカー 三宅 眞/市議会議員

What are the components of creating quality public space in the right-of-way? You can by thinking on a larger scale and develop an understanding of the site considerations. Once you have taken these into account, you can begin to review how the site can be used. Propose activity programming that is adaptive, flexible and can respond to user needs and seasonality. Finally, look at the detail scale and the physical elements that provide a safe environment with invitations for human use and interaction.

02

現在7名で活動中

PUBLIC SPACE TOOL LAB

PPS

SITE CONSIDERATIONS

パブリックスペースの家具・什器・デザイン=ツールを研究

PS

QUALITY PUBLIC SPACE

PHYSICAL ELEMENTS

ACTIVITY PROGRAMMING

PPS ADAPTIVE STREETS, STRATEGIES FORTRANSFORMING THE URBAN RIGHT-OF-WAY

03

PUBLIC SPACE TOOL LAB

The Social Life of Small Urban Spaces ( (

03

PUBLIC SPACE TOOL LAB

) )

DIY

PS

PS

? (

Place making

)

/


03

What

PUBLIC SPACE TOOL LAB

Who

Where

How to

×

×

PS

×

When

What

× etc

How

Who

etc

×

&

&

B

A

Where

When

×

NG

OK

/

/

×

/


* G

,

,G

,

a,G

Title

‘Sotonoba’ Activity Research Projects and Review of

Public Life Studies Methodology

Shino MIURA, Rui IZUMIYAMA, Mayuko MITANI, Hiroaki YAMADA, Kaito MIURA


*

,

*Sotonoba Lab, Activity Research Lab


Gehl Studio San Francisco: Action oriented planning Tools,2016 Gehl Institute: Tools for measuring life.(https://gehlinstitute.org/public-life-tools/)

J

public

l h

e

2015 ,

n

,

81,730, pp.2763-2773, 2016-12

Title

‘Sotonoba’ Activity Research Projects and Review of

Public Life Studies Methodology

Shino MIURA, Rui IZUMIYAMA, Mayuko MITANI, Hiroaki YAMADA, Kaito MIURA


cover photo: Melbourne, Australia by Rui IZUMIYAMA


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