エレミヤ
第1章
1ベニヤミンの地アナトテにいた祭司たちのうち、ヒ ルキヤの子エレミヤの言葉。
2ユダの王アモンの子ヨシヤの治世の第十三年に、主 の言葉が彼に臨んだ。
3それはユダの王ヨシヤの子エホヤキムの時代にも起 こり、ユダの王ヨシヤの子ゼデキヤの治世の第十 年の終わり、すなわち第五の月にエルサレムが捕囚 されたときにも起こった。
4そのとき主の言葉がわたしに臨んだ。
5わたしは、あなたを母の胎内に形づくる前から、あ なたを知っていた。あなたが胎から出る前から、わ たしはあなたを聖別し、あなたを諸国民への預言者 として任命した。
6そこでわたしは言いました、「ああ、主なる神よ、 わたしは話すことができません。わたしは子供なの ですから。」
7しかし主は私に言われた、「『私は子供だ』と言っ てはならない。あなたは私があなたにつかわすすべ ての所へ行き、私があなたに命じるすべてのことを 語らなければならない。」
8彼らの顔を恐れてはならない。わたしがあなたと共 にいて、あなたを救うからだ、と主は言われる。
9主は手を伸ばしてわたしの口に触れ、わたしに言わ れた、「見よ、わたしはわたしの言葉をあなたの口 に授けた」。
10見よ、わたしはきょう、あなたを諸国民と諸王国 の上に立て、根こそぎにし、倒し、滅ぼし、打ち倒 し、建て、植えさせる。
11また主の言葉がわたしに臨んで言う、「エレミヤ よ、あなたは何を見るか」。わたしは答えた、「ア ーモンドの木の若枝が見えます」。
12すると主はわたしに言われた、「あなたはよく見 た。わたしは急いでわたしの言葉を成し遂げる。」
13主の言葉が再びわたしに臨んで言った、「あなた は何を見るか」。わたしは答えた、「煮え立つ鍋が 見えます。その面は北を向いています」。
14主は私に言われた、「北から災いが起って、この 地のすべての住民に臨むであろう。
15見よ、わたしは北の王国のすべての氏族を呼ぶ、 と主は言われる。彼らは来て、エルサレムの門の入 口と、その周囲のすべての城壁、およびユダのすべ ての町々に向かって、おのおのその王座を設ける。
16そして、わたしは、わたしを捨てて、他の神々に 香をたき、自分の手で造ったものを拝んだ彼らのす べての悪に関して、わたしの裁きを彼らに告げる。
17それゆえ、あなたは腰に帯を締め、立ち上がって、 わたしが命じるすべてのことを彼らに告げなさい。
彼らの顔を見て驚いてはならない。そうしないと、 わたしは彼らの前であなたを恥じ入らせることにな るだろう。
18見よ、わたしは今日、あなたを全土に対して、ユ ダの王たちに対して、その首長たちに対して、その 祭司たちに対して、またこの地の人々に対して、堅 固な町、鉄の柱、青銅の城壁とした。
19彼らはあなたと戦うであろうが、あなたに勝つこ とはできない。なぜなら、わたしがあなたと共にい て、あなたを救うからである、と主は言われる。
第2章
1また主の言葉が私に臨んだ、
2行って、エルサレムの耳に叫んで言え。主はこう言 われる。「わたしは、あなたの若い時の親切と、婚 約の時の愛情を覚えている。あなたが荒野、種も蒔 かれていない地をわたしに従って進んだとき、わた しはあなたを覚えている。」
3イスラエルは主に対して聖なる者であり、その収穫 の初穂であった。彼を食い尽くす者は皆罪を犯すで あろう。彼らに災いが臨むであろう、と主は言われ る。
4ヤコブの家よ、イスラエルの家のすべての氏族よ、 主の言葉を聞け。
5主はこう言われる、「あなたがたの先祖は、わたし のうちにどんな罪を見つけたのか。彼らはわたしか ら遠く離れて、むなしいことを追い求め、むなしい 者となった。
6彼らはまたこうも言いませんでした。「私たちをエ ジプトの国から連れ出し、荒野、砂漠と穴だらけの 地、干ばつと死の陰の地、人の通ったことのない地、 人の住んだことのない地を通らせた主はどこにいる のか。」
7わたしはあなたがたを豊かな国に導き、その果実と その良い物を食べさせた。しかし、あなたがたは入 って来て、わたしの国を汚し、わたしの相続地を忌 まわしいものとした。
8祭司たちは「主はどこにいるのか」と言わず、律法 を扱う者たちもわたしを知らず、牧者たちもわたし に背き、預言者たちはバアルによって預言し、無益 なことに従って歩んだ。
9それゆえ、わたしはなおもあなたたちと争う、また あなたたちの子孫とも争う、と主は言われる。
10キティムの島々を過ぎて見よ。またケダルに人を やって、よく調べ、そのようなことが起こるかどう か調べよ。
11ある国民が、神ではない神々を変えたことがある だろうか。しかし、わたしの民は、自分たちの栄光 を、何の役にも立たないものと変えたのだ。
12ああ、天よ、このことに驚き、ひどく恐れ、ひど く絶望せよ、と主は言われる。
13わたしの民は二つの悪事を犯した。彼らはわたし の命の水の源を捨て、自分たちのために水ためを掘 ったが、それは壊れた水ためで、水をためることの できないものである。
14イスラエルは奴隷なのか。故郷に生まれた奴隷な のか。なぜ彼は搾取されているのか。
エレミヤ
15若いライオンたちは彼に向かってほえ、叫び、彼 の国を荒廃させた。彼の町々は住む者もなく焼け落 ちた。
16また、ノフとタハパネスの子らもあなたの頭の頂 を砕いた。
17あなたは、あなたの神、主があなたを道に導いた とき、主を捨て去ったために、このことを自ら招い たのではないですか。
18それで今、あなたはエジプトの道でシホルの水を 飲むために何をするのか。また、アッシリアの道で 川の水を飲むために何をするのか。
19あなたの邪悪があなたを戒め、あなたの背信があ なたを責める。それゆえ、あなたがあなたの神、主 を捨て、わたしの恐れがあなたの中にないことは、 悪いことであり、苦いことであると知り、見なさい、 と万軍の主なる神は言われる。
20昔から、わたしはあなたのくびきを砕き、あなた の束縛を断ち切った。あなたは、「わたしは罪を犯 さない」と言ったが、そのときあなたは、すべての 高い丘の上、すべての緑の木の下をさまよい、淫行 を働いていた。
21しかし、わたしはあなたを、全く正しい種である 高貴なぶどうの木として植えたのに、どうしてあな たは、わたしにとって異国のぶどうの木の堕落した 木になってしまったのか。
22たといあなたは硝石で身を洗い、多くの石鹸を取 っても、あなたの罪はわたしの前に明らかである、 と主なる神は言われる。
23あなたはどうして、「私は汚れていない、バアル に従ってはいない」と言えるのか。谷であなたの道 を見て、あなたが何をしたかを知ってください。あ なたは、その道を行き交う、速いヒトコブラクダの ようです。
24荒野に慣れた野ろばは、思いのままに風を吸い込 む。その機会に、だれがそれを追い払うことができ ようか。それを捜す者は皆、疲れることがない。そ の月に、彼らはそれを見出すであろう。
25あなたの足が裸にならないようにし、あなたの喉 が渇かないようにせよ。しかし、あなたは言った、 「望みはない。いや、私は他国人を愛し、彼らの後 を追うのだ」。
26盗人が見つかったとき、恥じ入るのと同じように、 イスラエルの家も恥じ入る。彼らも、彼らの王たち も、彼らの首長たちも、彼らの祭司たちも、彼らの 預言者たちも、
27木に向かって、「あなたは私の父です」と言い、 石に向かって、「あなたは私を生みの親です」と言 う。彼らは私に背を向け、顔も向けない。しかし苦 難の時には、彼らは、「立ち上がって、私たちを救 ってください」と言うだろう。
28しかし、あなたが造ったあなたの神々はどこにい るのか。もしそれらがあなたの苦難のときにあなた を救うことができるなら、立ち上がらせなさい。ユ ダよ、あなたの神々はあなたの町の数だけあるのだ。
29なぜあなたたちはわたしと争うのか。あなたたち は皆、わたしに対して罪を犯したのだ、と主は言わ れる。
30わたしがあなたの子らを打ったのはむだだった。 彼らは懲らしめを受けなかった。あなたの剣が、滅 ぼす獅子のように、あなたの預言者たちを食い尽く した。
31世代よ、主の言葉を見よ。わたしはイスラエルに とって荒野、暗い地であったのか。なぜわたしの民 は、『わたしたちは主である。二度とあなたのとこ ろには来ない』と言うのか。
32侍女がその装飾品を忘れ、花嫁がその衣装を忘れ ることがあるだろうか。しかし、わたしの民は数え 切れないほどの日々わたしを忘れた。
33なぜあなたは愛を求めて自分の道を整えるのか。 それゆえ、あなたは悪者に自分の道を教えたのだ。
34また、あなたのすそに、あわれな罪のない者たち の血が見つかりました。私はそれをひそかに捜して 見つけたのではなく、これらすべてのものから見つ けたのです。
35しかし、あなたは言う。「わたしは潔白だから、 彼の怒りは必ずわたしから離れるだろう。」見よ、 わたしはあなたに弁護しよう。あなたは言う。「わ たしは罪を犯していない。」
36あなたはなぜ、自分の道を変えようとしてあちこ ちさまようのか。あなたはアッシリアに対して恥じ たように、エジプトに対しても恥じることになる。
37まことに、あなたは彼のもとから出て行き、両手 を頭に当てなければならない。主があなたの信頼を 拒絶し、あなたはそれによって繁栄することはない からである。
第3章
1彼らは言う、「人がその妻を離縁し、妻が彼のもと を去って他の男の所へ行く場合、彼は再び彼女の所 に帰るであろうか。その地は大いに汚されるではな いか。しかし、あなたは多くの愛人と姦淫を行った。 それでも、わたしの所に帰れ」と主は言われる。
2目を上げて高き所を見よ。あなたは、あなたが姦淫 をしていない所を見よ。あなたは荒野のアラビヤ人 のように、道に彼らのために座り、あなたの淫行と 悪行によって国を汚した。
3それゆえ、雨は止み、春の雨も降らなかった。あな たは娼婦の額を持っていたが、恥じることを拒んだ。
4あなたは今からわたしに呼びかけて、『父よ、あな たはわたしの若いころの導き手です』と言わないの ですか。
5主はいつまでも怒りを留めておられるだろうか。最 後までそれを保たれるだろうか。見よ、あなたはで きる限りの悪事を語り、悪事を行った。
6主はヨシヤ王の時代にもわたしに言われた、「あな たは、背教したイスラエルがしたことを見たか。彼 女はすべての高い山に登り、すべての青々とした木 の下に行き、そこで淫行を行った。
エレミヤ
7彼女がこれらすべてのことをした後、わたしは「わ たしのところへ来なさい」と言った。しかし彼女は 戻ってこなかった。彼女の裏切り者の妹ユダはそれ を見た。
8そして私は、背教したイスラエルが姦淫を犯したす べての理由のために、私が彼女を離縁し、離縁状を 渡したのに、彼女の不実な妹ユダは恐れることなく、 行って淫行を行ったのを見た。
9そして彼女は、その淫行が軽々しかったために国を 汚し、石や足かせと姦淫を犯した。
10それにもかかわらず、彼女の裏切り者の姉妹ユダ は、心からわたしに頼らず、偽りの態度をとった、 と主は言われる。
11主はわたしに言われた、「背信したイスラエルは、 裏切り者のユダよりも自らを正当化した。
12北に向かって行って、これらの言葉を宣べ伝えて 言いなさい。「背教したイスラエルよ、帰れ、と主 は言われる。わたしは怒りをあなたたちに下さない。 わたしは慈悲深いからである、わたしはいつまでも 怒りを留めない、と主は言われる。」
13ただあなたの罪を認めなさい。あなたはあなたの 神、主に背き、すべての青木の下で異邦人たちにあ なたの道を散らし、わたしの声に聞き従わなかった、 と主は言われる。
14主は言われる、「背教の子らよ、立ち返れ。わた しはあなたがたを妻としている。わたしは町からひ とり、氏族からふたりを取って、あなたがたをシオ ンに連れて行く。」
15そして、わたしはわたしの心にかなう牧者たちを あなたがたに与える。彼らは知識と理解力とをもっ てあなたがたを養うであろう。
16主は言われる、あなたがたがその地に増え、増加 するとき、その日には、人々はもはや「主の契約の 箱」とは言わず、それを心に留めず、思い出さず、 尋ねもせず、そのようなことはもはや行われない。
17そのとき、人々はエルサレムを主の王座と呼ぶで あろう。そしてすべての国々が主の名のもとに、エ ルサレムに集められるであろう。彼らはもはや悪い 心の思いに従って歩むことはないであろう。
18その日、ユダの家はイスラエルの家と共に歩み、 北の地から一緒に出て、わたしがあなたがたの先祖 に相続地として与えた地へ来るであろう。
19しかし、わたしは言った。「どのようにしてあな たを子どもたちの中に入れて、あなたに楽しい地、 万国の民の中の良い相続地を与えようか。」また、 わたしは言った。「あなたはわたしを『父』と呼び、 わたしから離れ去ることはないだろう。」
20まことに、イスラエルの家よ、妻が夫を裏切って 去るように、あなたたちはわたしを裏切ったのだ、 と主は言われる。
21高き所でイスラエルの子らの泣き叫びと嘆願の声 が聞こえた。彼らは道を曲げ、彼らの神、主を忘れ たからである。
22背教した子らよ、立ち返れ。わたしはあなたがた の背教を癒そう。見よ、わたしたちはあなたのもと
に参ります。あなたはわたしたちの神、主だからで す。
23まことに、丘々や多くの山々からの救いを期待す ることは、むなしい。まことに、イスラエルの救い は、私たちの神、主にある。
24恥は、わたしたちの先祖がわたしたちの若い時か ら勤めてきた労働、彼らの羊の群れ、牛の群れ、彼 らの息子、娘たちを食い尽くしたからです。
25私たちは恥の中に伏し、混乱が私たちを覆ってい ます。私たちも私たちの先祖も、幼いころから今日 に至るまで、私たちの神、主に対して罪を犯し、私 たちの神、主の声に聞き従わなかったからです。
第4章
1主は言われる。「イスラエルよ、もしあなたが立ち 返るならば、わたしのもとに立ち返れ。また、もし あなたが憎むべきものをわたしの前から取り去るな らば、あなたは移ってはならない。」
2あなたは誓わなければならない、「主は真実と公正 と正義とによって生きておられる。諸国の民は主に よって祝福を受け、主を誇るであろう。」
3主はユダとエルサレムの人々にこう言われる。「休 耕地を耕し、いばらの中に種を蒔いてはならない。
4ユダの人々とエルサレムの住民よ、主のために割礼 を受け、心の包皮を取り去れ。そうしないと、あな たがたの行いの悪のために、わたしの怒りが火のよ うに出て、それを消すことができないほど燃え上が るであろう。
5ユダで告げ示し、エルサレムで告げ知らせよ。国中 でラッパを吹き鳴らせ。叫んで集まり、そして言い なさい。「集まって、防備の固い町々へ進もう。」
6シオンの方に旗を立てよ。退いて留まってはならな い。わたしは北から災いと大いなる破壊をもたらす からだ。
7獅子は茂みから上って来た。異邦人を滅ぼす者はそ の道を進んで来た。彼はあなたの国を荒廃させるた めにその場所から出て行った。あなたの町々は荒廃 し、住む人もなくなる。
8このゆえに、あなたたちは荒布をまとい、嘆き、泣 き叫べ。主の激しい怒りは、われわれから退かない からだ。
9主は言われる、その日には、王の心と、首長たちの 心は滅び、祭司たちは驚き、預言者たちは不思議が るであろう。
10そこでわたしは言った。「ああ、主なる神よ。あ なたは確かにこの民とエルサレムとを大いに欺き、 『あなたたちは平和を得るだろう』と言っておられ ましたが、剣は魂にまで達しています。
11そのとき、この民とエルサレムにこう言われる。 「荒野の高き所の乾いた風が、わが民の娘に向かっ て吹く。それは、あおるためでもなく、清めるため でもない。
12これらの場所から激しい風がわたしのところに吹 きつける。今、わたしは彼らにも判決を下す。
エレミヤ
13見よ、彼は雲のように昇り、その戦車は旋風のよ うであり、その馬は鷲よりも速い。ああ、われらは 滅ぼされるのだ。
14エルサレムよ、あなたの心を悪から洗い清めよ。 そうすればあなたは救われる。いつまであなたのむ なしい思いはあなたの内に宿るのか。
15ダンからは声が告げ知らせ、エフライムの山から は苦難を告げ知らせる。
16諸国の民に告げよ。見よ、エルサレムに対して告 げよ。見張りの者たちが遠い国から来て、ユダの 町々に対して声を張り上げる。
17彼らは畑を守る者のように彼女を囲んで敵対して いる。彼女はわたしに反抗したからだ、と主は言わ れる。
18あなたの道とあなたの行いが、これらの事をあな たに招いた。これはあなたの悪であり、それは苦く、 あなたの心に達している。
19わが心よ、わが心よ。わたしの心は痛み、わたし の心はわたしのうちで騒ぎ立てる。わたしは黙って いられない。わが魂よ、あなたがラッパの音と戦い の警報を聞いたからだ。
20破壊の上に破壊が叫ばれ、全地は荒らされた。わ たしの天幕はたちまち荒らされ、わたしの幕も一瞬 のうちに破られた。
21いつまでわたしは旗を見、ラッパの音を聞くのだ ろうか。
22わたしの民は愚かで、わたしを知らず、愚かな子 らであって、悟りがない。彼らは悪を行うことには 賢いが、善を行うことには知識がない。
23わたしは地を見たが、見よ、それは形がなく、む なしく、天もあったが、光がなかった。
24わたしは山々を見た。見よ、山々は震え、すべて の丘は軽く動いた。
25わたしは見ていると、見よ、人はひとりもおらず、 空の鳥もみな逃げ去っていた。
26わたしは見た。見よ、肥沃な地は荒野と化し、そ こにあるすべての町は主の御前で、その激しい怒り によって破壊されていた。
27主はこう言われる。「全地は荒れ果て、しかし、 わたしはそれを完全には終わらせない。」
28このために、地は悲しみ、上なる天は黒くなる。 わたしがこれを語り、これを計画したからである。 わたしは悔い改めず、またこれを捨てようともしな い。
29騎兵と弓兵の叫び声のために、全町は逃げる。彼 らは茂みの中に入り、岩の上に登る。すべての町は 見捨てられ、そこに住む人はいない。
30そして、あなたが略奪されたら、どうするつもり ですか。紅を身にまとい、金の装飾品で身を飾り、 絵で顔を傷つけても、あなたが自分を美しくするこ とは無駄です。あなたの愛人たちはあなたを軽蔑し、 あなたの命を狙うでしょう。
第5章
1あなたがたはエルサレムの通りをあちこち走り回っ て見て知り、その広場で捜して、公正を行い、真実 を求める人がいれば見つけることができるか。そう すれば、わたしはその者を赦そう。
2彼らは「主は生きておられる」と言っているが、そ れは偽りの誓いである。
3主よ、あなたの目は真実に向けられているではあり ませんか。あなたが彼らを打たれても、彼らは悲し まず、あなたが彼らを滅ぼされても、彼らは懲らし めを拒み、その顔を岩のように固くして、立ち返る ことを拒みました。
4それゆえ、わたしは言った、「確かに彼らは貧しい、 愚かな者たちだ。彼らは主の道を知らず、その神の 裁きも知らないのだ。」
5わたしは偉人たちのもとへ行って、彼らに語ろう。 彼らは主の道と、彼らの神の裁きとを知っているか らである。しかし、彼らはことごとく軛を砕き、束 縛を断ち切ったのである。
6それゆえ、森からは獅子が彼らを殺し、夕べには狼 が彼らを略奪し、豹が彼らの町々を守る。そこから 出て行く者は皆引き裂かれる。彼らの罪は多く、彼 らの背信は増し加わっているからである。
7このことについて、どうしてあなたを赦せようか。 あなたの子らは私を捨て、神でもない者たちにかけ て誓った。私が彼らを十分に養った後、彼らは姦淫 を犯し、娼婦たちの家に群れ集まった。
8彼らは朝に餌を与えられた馬のようで、おのおの隣 の妻のあとをいななきながら追いかけていた。
9主は言われる。「わたしはこれらの事に対して罰を 与えないでいようか。わたしの魂はこのような国民 に対して復讐しないでいようか。」
10あなたがたはその城壁に登って破壊せよ。ただし、 完全には破壊してはならない。その城壁を取り除き なさい。それは主のものではないからだ。
11イスラエルの家とユダの家はわたしに対して非常 に不誠実な行為をした、と主は言われる。
12彼らは主を偽って言った、「それは彼ではない。 災いは我々に臨まないだろう。我々は剣も飢きんも 見ないだろう。」
13預言者たちは風となり、彼らのうちに言葉はなく、 彼らにはそのようになされるであろう。
14それゆえ、万軍の主なる神はこう言われる。「あ なたがたがこの言葉を語るので、見よ、わたしは、 わたしの言葉をあなたの口で火とし、この民を木と し、彼らを焼き滅ぼす。」
31わたしは、産みの苦しみを味わう女の声と、初子 を産む女の苦悶の声を聞いた。シオンの娘が嘆き、 手を広げて言う、「ああ、わたしは災いだ!わたし の魂は人殺しのゆえに疲れ果てている」。
15主は言われる、「イスラエルの家よ。見よ、わた しはつの国民を遠くからあなたたちのところに遣 わす。それは強い国民、古い国民、あなたたちがそ の言語を知らない国民、その言うことを理解しない 国民である。」
エレミヤ
16彼らの矢筒は開いた墓のようであり、彼らは皆勇 士である。
17彼らはあなたの収穫物と、あなたの息子、娘が食 べるパンを食い尽くし、あなたの羊の群れと牛の群 れを食い尽くし、あなたのぶどうの木といちじくの 木を食い尽くし、あなたが頼りにしていた堅固な 町々を剣で荒らすであろう。
18しかし、その日には、わたしはあなたたちを完全 に滅ぼさないと主は言われる。
19あなたがたが、『なぜ、私たちの神、主は、私た ちにこれらのことをすべてなさるのですか』と言う とき、あなたは彼らに答えなければならない。『あ なたがたが私を捨てて、自分の国で他国の神々に仕 えたように、あなたがたは自分のものではない国で 他国人に仕えることになるのだ。
20ヤコブの家にこれを告げ、ユダにこれを告げ知ら せよ。
21愚かで悟りのない民よ、これを聞きなさい。目が あっても見ず、耳があっても聞かない民よ。
22あなたがたはわたしを恐れないのか、と主は言わ れる。わたしが永遠の定めをもって海の境界を砂で 定め、それを超えることができないようにしたのに、 あなたがたはわたしの前で震えないのか。海の波が 激しく揺れても、勝つことができない。鳴り響いて も、越えることができない。
23しかし、この民は反逆的で、背信的な心を持って いるので、彼らは反抗して去って行った。
24彼らは心の中で、「さあ、私たちの神、主を畏れ よう。主は季節に応じて、初めの雨も後の雨も与え、 収穫の定められた週を私たちのために取っておかれ る」とも言わない。
25あなたがたの不義はこれらのものを遠ざけ、あな たがたの罪は良いものをあなたがたから遠ざけたの です。
26わたしの民の中には邪悪な者たちがいる。彼らは わなを仕掛ける者のように待ち伏せし、罠を仕掛け て人を捕らえる。
27かごが鳥で満ちているように、彼らの家は偽りで 満ちている。それゆえ、彼らは大きくなり、富むよ うになった。
28彼らは蝋のように太り、光り輝き、悪者の行いを 無視する。彼らは孤児の訴えを裁かず、なお繁栄し、 貧しい者の権利を裁かない。
29わたしはこれらの事に対して罰を与えないだろう かと主は言われる。わたしの魂はこのような国民に 対して復讐されないだろうか。
30驚くべき、恐ろしいことがこの国で起こっている。
31預言者たちは偽りの預言をし、祭司たちはその力 で支配する。わたしの民はそれを好む。それで、あ なたたちはその後どうするつもりなのか。
第6章
1ベニヤミンの人々よ、エルサレムの中から逃げるた めに集まり、テコアでラッパを吹き鳴らし、ベト・ハ
ケレムに火の合図を立てよ。北から災いと大いなる 破壊が現れるからだ。
2わたしはシオンの娘を美しくて優美な女にたとえた。
3羊飼いたちは羊の群れを連れて彼女のところにやっ て来て、彼女の周囲に天幕を張り、おのおの自分の 持ち場で羊を飼うであろう。
4彼女と戦う準備をせよ。立ち上がれ。真昼に進もう。 ああ、我々は災いを受ける。日は過ぎ去り、夕べの 影は伸びている。
5起きよ、夜のうちに出かけて、彼女の宮殿を破壊し よう。
6万軍の主はこう言われる。「木を切り倒し、エルサ レムに向かって砦を築け。これは攻めるべき町であ る。その内部には全く圧制がある。」
7泉がその水を吐き出すように、彼女はその悪を吐き 出す。暴虐と略奪がその中で聞かれる。私の前には 絶えず悲しみと傷がある。
8エルサレムよ、戒めを受けよ。わたしの魂があなた から離れないように。わたしがあなたを荒れ果てさ せ、人の住まない地としないように。
9万軍の主はこう言われる。「彼らはぶどうの木のよ うに、イスラエルの残りのものを徹底的に拾い集め る。ぶどうを集める者のように、あなたの手を籠の 中に戻せ。」
10わたしはだれに語って、だれに警告すれば、彼ら に聞かせることができるだろうか。見よ、彼らの耳 は割礼を受けていないので、彼らは聞くことができ ない。見よ、主の言葉は彼らにとって侮辱であり、 彼らはそれを喜ばない。
11それゆえ、わたしは主の怒りに満ち、抑えること に疲れた。わたしはそれを、外にいる子どもたちと、 集まっている若者たちに注ぎ出す。夫も妻とともに、 老いた者も満ちた者とともに捕らえられるからだ。
12彼らの家は畑も妻も共に他人の手に渡る。わたし がこの地の住民に手を伸ばすからだ、と主は言われ る。
13彼らのうちの最も小さい者から最も大きい者に至 るまで、みな貪欲に陥り、預言者から祭司に至るま で、みな偽りを行なっているからである。
14彼らはわたしの民の娘の傷を、平安ではないのに 「平安、平安」と言って、軽く癒した。
15彼らは忌まわしい行いをしたとき、恥じただろう か。いや、彼らは少しも恥じず、恥じることもでき なかった。それゆえ、彼らは倒れる者たちの中に倒 れる。わたしが彼らを罰するとき、彼らは打ち倒さ れる、と主は言われる。
16主はこう言われる。「道に立って、見よ、古き道 を求めよ。良い道はどこにあるのか。そこに歩め。 そうすれば、あなたたちの魂は安らぎを得る。」し かし彼らは言った。「私たちはそこを歩みませ ん。」
17また、わたしはあなたがたの上に番人を立てて、 『ラッパの音に聞き従いなさい』と言ったが、彼ら は『聞き従いません』と言った。
エレミヤ
18それゆえ、諸国の民よ、聞け。会衆よ、彼らの間 に何が起こっているかを知れ。
19地よ、聞け。見よ、わたしはこの民に災いを、彼 らの思いの結ぶものを下す。彼らがわたしの言葉に も、わたしの律法にも従わず、それを拒んだからで ある。
20シェバからの香と、遠い国からの甘い葦の香りは、 何のためにわたしのところに来るのか。あなたがた の燔祭はわたしに受け入れられず、あなたがたの犠 牲はわたしにとって甘いものではない。
21それゆえ、主はこう言われる。「見よ、わたしは この民の前につまずきの石を置く。父も子も共に彼 らに倒れ、隣人もその友も滅びる。」
22主はこう言われる、「見よ、つの民が北の国か ら来る、つの大国民が地の果てから立ち上が る。」
23彼らは弓と槍を手に取り、残忍で慈悲がなく、そ の声は海のように響き渡り、馬に乗って、戦う兵士 のように整列し、シオンの娘よ、あなたに向かって 戦う。
24わたしたちはその評判を聞いているが、わたした ちの手は衰え、産婆が産むときのような苦しみと痛 みがわたしたちを捕らえた。
25野原に出てはならない。また道を歩いてはならな い。敵の剣と恐怖が四方八方にあるからだ。
26わが民の娘よ、荒布をまとい、灰の中に身を転が せ。ひとり息子を失ったときのように、激しく嘆き 悲しめ。略奪者が突然、我々を襲うからだ。
27わたしはあなたをわたしの民の中に塔、要塞とし て立てた。それはあなたが彼らの道を知って、それ を試みるためである。
28彼らはみな、ひどい反逆者であり、中傷しながら 歩み、青銅と鉄であり、みな堕落者です。
29ふいごは燃え、鉛は火で消え去り、鋳物はむだに 溶ける。悪者は取り除かれないからだ。
30人々は彼らを、不合格の銀と呼ぶであろう。主が 彼らを拒絶されたからである。
第7章
1主からエレミヤに臨んだ言葉はこうである。
2主の家の門に立ち、そこでこの言葉を宣べ伝えて言 いなさい。主を礼拝するためにこれらの門から入る ユダのすべての人々よ、主の言葉を聞きなさい。
3万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「あな たがたの道と行いを改めなさい。そうすれば、わた しはあなたがたをこの場所に住まわせる。」
4あなたがたは、『これは主の宮だ、主の宮だ、主の 宮だ』と言って、偽りの言葉を信頼してはならない。
5あなたがたが自分の道と行いを完全に改め、人と隣 人との間に公正を徹底するならば、
6あなたがたは、寄留者や孤児や寡婦を虐げず、この 場所で罪のない者の血を流さず、他の神々に従って 害を加えないならば、
7そのとき、わたしはあなたたちを、わたしがあなた たちの先祖に与えたこの地に永遠に住まわせる。
8見よ、あなたたちは何の役にも立たない偽りの言葉 を信じている。
9あなたがたは盗み、殺人をし、姦淫を行い、偽って 誓い、バアルに香をたき、あなたがたの知らないほ かの神々に従って歩むのか。
10そして、わたしの名によって呼ばれるこの家に来 て、わたしの前に立ち、『わたしたちはこれらすべ ての忌まわしい行いをするように任されているの か』と言うのか。
11わたしの名によって呼ばれるこの家は、あなたが たの目には強盗の巣窟と映っているのか。見よ、わ たしもそれを見たと主は言われる。
12しかし、あなたがたは今、シロにあったわたしの 場所に行きなさい。わたしが最初にわたしの名を置 いた場所に行き、わたしの民イスラエルの邪悪さの ために、わたしがそこに何をしたかを見なさい。
13主は言われる、「あなたがたは今、これらすべて のわざを行った。わたしは朝早く起きてあなたがた に語ったが、あなたがたは聞かず、あなたがたを呼 んだが、あなたがたは答えなかった。
14それゆえ、わたしは、わたしの名によって呼ばれ、 あなたがたが頼りにしているこの家と、わたしがあ なたがたとあなたがたの先祖に与えた場所に対して、 シロに対して行ったのと同じことをする。
15わたしは、あなたのすべての兄弟、すなわちエフ ライムの全子孫を追い出したように、あなたをもわ たしの前から追い出す。
16それゆえ、あなたはこの民のために祈ってはなら ない。彼らのために叫びを上げたり、祈ったりして はならない。わたしにとりなしをしてはならない。 わたしはあなたの言うことを聞かないからだ。
17あなたは、ユダの町々やエルサレムの通りで彼ら が何をしているか見ていないのか。
18子供たちは薪を集め、父親たちは火をたき、女た ちはパン粉をこねて、天の女王にパン菓子を作り、 他の神々に酒の供え物を注ぎ、わたしを怒らせるの です。
19彼らはわたしを怒らせているのかと主は言われる。 彼らは自分の顔を怒らせて恥じ入らせているのでは ないのか。
20それゆえ、主なる神はこう言われる。「見よ、わ たしの怒りと憤りはこの場所に、人にも、家畜にも、 野の木にも、地の産物にも注がれる。それは燃えて 消えることはない。」
21万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「あ なたがたの燔祭をあなたがたの犠牲に加えて、肉を 食べなさい。
22わたしはあなたがたの先祖たちをエジプトの地か ら導き出した日に、全焼の供え物や犠牲について彼 らに語らず、また彼らに命じもしなかった。
23しかし、わたしは彼らにこう命じた。「わたしの 声に聞き従いなさい。そうすれば、わたしはあなた がたの神となり、あなたがたはわたしの民となる。
エレミヤ わたしがあなたがたに命じたすべての道を歩みなさ い。そうすれば、あなたがたは幸せになるであろ う。」
24しかし彼らは聞き従わず、耳を傾けず、その悪い 心の計りごとと計画に従って歩み、後退して前進し なかった。
25あなたがたの先祖がエジプトの地から出てきた日 から今日まで、わたしはわたしのしもべであるすべ ての預言者を、毎日朝早く起きてあなたがたのとこ ろに遣わしてきた。
26しかし彼らはわたしに聞き従わず、耳を傾けず、 かえって頑なになり、先祖たちよりも悪いことを行 った。
27それゆえ、あなたはこれらのすべての言葉を彼ら に語っても、彼らはあなたに耳を傾けず、また、あ なたは彼らを呼んでも、彼らはあなたに答えないで あろう。
28しかし、あなたは彼らにこう言いなさい。「これ は彼らの神、主の声に聞き従わず、戒めを受け入れ ない国民である。真実は滅び、彼らの口から断ち切 られている。」
29エルサレムよ、あなたの髪を切り、投げ捨て、高 き所で哀歌を歌え。主は怒りの世代を拒絶し、見捨 てられたからだ。
30ユダの人々はわたしの目に悪を行なった、と主は 言われる。彼らはわたしの名によって呼ばれる家に 忌まわしいものを置いて、これを汚した。
31彼らはヒンノムの子らの谷にあるトフェトの高き 所を築き、自分たちの息子、娘を火で焼いた。これ はわたしが彼らに命じたことではなく、わたしの心 に思い浮かんだことでもない。
32それゆえ、見よ、日が来る、と主は言われる。そ の谷はもはやトフェトとも、ヒンノムの子らの谷と も呼ばれず、虐殺の谷と呼ばれる。トフェトに埋葬 地がなくなり、もはや場所がなくなるからである。
33この民の死体は空の鳥や地の獣の餌となり、それ を追い払う者は誰もいないであろう。
34そのとき、わたしはユダの町々、エルサレムの街 路から喜びの声、楽しみの声、花婿の声、花嫁の声 を絶やす。その地は荒れ果ててしまうからである。
第8章
1主は言われる、そのとき、ユダの王たちの骨、その 首長たちの骨、祭司たちの骨、預言者たちの骨、エ ルサレムの住民の骨が墓から掘り出される。
2彼らは、それを、彼らが愛し、仕え、従い、尋ね、 拝んできた太陽と月と天の万象の前に並べる。それ は集められることも、葬られることもない。地の面 の糞となる。
3そして、わたしが追いやったすべての場所に残るこ の邪悪な族の残りの者たちは皆、命よりも死を選 ぶであろう、と万軍の主は言われる。
4またあなたは彼らに言いなさい、『主はこう言われ る。彼らは倒れて、起き上がらないであろうか。主 は退いて、帰って来ないであろうか。
5では、なぜエルサレムのこの民は、絶えず背教して 後退しているのでしょうか。彼らは偽りを固く守り、 立ち返ることを拒んでいるのです。
6わたしは耳を傾けて聞いたが、彼らは正しく語らな かった。自分の悪事を悔いて、「私は何をしたの か」と言う者はひとりもいなかった。馬が戦場に突 進するように、彼らはみな自分の進路に戻った。
7まことに、天のこうのとりはその定められた時を知 っている。亀、鶴、燕も、それぞれの来る時を守る。 しかし、わたしの民は主の裁きを知らない。
8あなたがたはどうして、『われわれは知恵があり、 主の律法はわれわれにある』と言っているのか。見 よ、彼は確かにそれをむだにした。律法学者のペン はむだである。
9賢者たちは恥じ、落胆し、捕らえられた。見よ、彼 らは主の言葉を拒んだ。彼らのうちにどんな知恵が あろうか。
10それゆえ、わたしは彼らの妻を他人に与え、彼ら の畑をそれを相続する者に与える。なぜなら、小さ い者から大きい者に至るまで皆貪欲に陥り、預言者 から祭司に至るまで皆が偽りを行っているからであ る。
11彼らは、平和がないのに、「平和、平和」と言っ て、わたしの民の娘の傷を軽く癒した。
12彼らは忌まわしい行いをしたとき、恥じただろう か。いや、彼らは少しも恥じず、恥じ入ることもな かった。それゆえ、彼らは倒れる者たちの中に倒れ、 罰の時に打ち倒される、と主は言われる。
13主は言われる、「わたしは必ず彼らを滅ぼす。ぶ どうの木にはぶどうがなく、いちじくの木にはいち じくの実がなく、葉はしおれる。わたしが彼らに与 えたものは、彼らから消え去る。」
14なぜ、私たちはじっと座っているのですか。集ま って、防備の固い町々に入り、そこで黙っていまし ょう。私たちの神、主は、私たちが主に対して罪を 犯したために、私たちを黙らせ、苦い水を飲ませて くださったのです。
15私たちは平和を待ち望んだが、良いことは起こら ず、健康を待ち望んだのに、見よ、災いが来た。
16ダンからその馬のいななきが聞こえた。その強い 馬のいななきの音に全地が震えた。馬が来て、その 地とその中にあるものすべて、町とそこに住む者を 食い尽くしたからである。
17見よ、わたしはあなたたちの中に、呪文を解くこ とのできない蛇やコカトリスを送る。彼らはあなた たちを噛むであろう、と主は言われる。
18悲しみから逃れるために自分を慰めようとすると き、わたしの心は弱り果ててしまいます。
19見よ、遠い国に住む者たちのゆえに、わたしの民 の娘の叫び声が聞こえる。「主はシオンにおられな いのか。その王はそこにおられないのか。なぜ彼ら
エレミヤ は彫像と異様な偽りの物とをもってわたしを怒らせ たのか。」
20収穫期は過ぎ、夏は終わった。しかし、わたした ちはまだ救われない。
21わが民の娘の傷のゆえに、わたしは傷つき、わた しは黒くなり、驚きがわたしを捕らえた。
22ギレアデには香油がないのか。そこには医者がい ないのか。それなのに、なぜわたしの民の娘の健康 は回復しないのか。
第9章
1ああ、わたしの頭が水となり、わたしの目が涙の泉 となり、わたしの民の娘の殺された者たちのために 昼も夜も泣くことができたらよいのに。
2ああ、わたしが荒野に旅人たちの宿り場を持つこと ができれば、わたしの民を離れて彼らから去ること ができたのに。彼らはみな姦淫をする者、裏切り者 の集まりだから。
3彼らは偽りを言うために、その舌を弓のように曲げ る。しかし彼らは地上で真実を守る勇気がない。彼 らは悪から悪へと進み、わたしを知らないからだ、 と主は言われる。
4あなたがたはそれぞれ隣人に気をつけなさい。兄弟 を信頼してはいけません。兄弟はみな互いに押し退 け合い、隣人はみなそしり合って歩むからです。
5彼らは互いに欺き合い、真実を語ろうとはせず、偽 りを語る舌を教え、不正を行うことに疲れ果ててい る。
6あなたの住まいは欺瞞の中にあり、彼らは欺瞞によ ってわたしを知ることを拒んでいる、と主は言われ る。
7それゆえ、万軍の主はこう言われる。「見よ、わた しは彼らを溶かして、彼らを試みる。わたしの民の 娘のために、わたしは何をすべきだろうか。
8彼らの舌は放たれた矢のようで、偽りを語る。人は 口では隣人に平和を語るが、心の中では待ち伏せし ている。
9これらの事のために、わたしは彼らを罰しないだろ うかと主は言われる。わたしの魂はこのような国民 に対して復讐しないだろうか。
10山々のために、わたしは泣き叫び、荒野の住まい のために哀歌をあげる。そこは焼けて、誰もそこを 通ることができず、家畜の声も聞こえず、空の鳥も 獣も逃げ去ったからである。
11わたしはエルサレムを石塚と竜の巣穴とし、ユダ の町々を荒廃させて住む者のない所とする。
12このことを悟ることができる知恵のある人はだれ か。主の口がそれを告げて、それを告げることがで きる人はだれか。この地が滅び、荒野のように焼け て、だれも通ることのない者となるのはなぜか。
13主は言われる、「彼らはわたしが彼らの前に立て た律法を捨て、わたしの声に聞き従わず、それに歩 まなかったからである。
14彼らは自分の心の思いのままに歩み、先祖から教 えられたバアルに従って歩んだ。
15それゆえ、万軍の主、イスラエルの神はこう言わ れる。見よ、わたしはこの民に苦よもぎを食べさせ、 胆汁の水を飲ませる。
16わたしは彼らを、彼らにも彼らの先祖にも知られ なかった異邦人の中に散らし、彼らを滅ぼすまで、 彼らの後に剣を送る。
17万軍の主はこう言われる。「よく考えて、嘆き悲 しむ女たちを呼び寄せ、狡猾な女たちを呼び寄せ、 彼女たちを来させよ。
18彼らは急いで私たちのために泣き叫ぶでしょう。 私たちの目から涙が流れ、まぶたから水があふれ出 るでしょう。
19シオンから嘆きの声が聞こえる。「なんと我々は 滅ぼされたのだ。我々はひどく恥じ入っている。 我々は国を捨て、住まいを追い出されたからだ。」
20しかし、女たちよ、主の言葉を聞き、主の口から 出る言葉を耳に受けよ。娘たちには泣き叫びを、隣 人たちには嘆き悲しむことを教えよ。
21死は我々の窓から上って来て、我々の宮殿に入り、 外の子供たちと街路の若者たちを絶ち滅ぼすからだ。
22言いなさい。「主はこう言われる。人の死体は、 野原の糞のように、刈り入れ人の手に負える量のよ うに倒れ、誰もそれを集めることはできない。」
23主はこう言われる、「知恵ある者はその知恵を誇 ってはならない。力ある者はその力を誇ってはなら ない。富める者はその富を誇ってはならない。
24しかし、誇る者は、わたしが主であって、地上に 慈しみと公平と正義を行う者であることを悟り、知 っていることを誇れ。わたしはこれらのことを喜ぶ と主は言われる。
25主は言われる、「見よ、わたしが割礼を受けた者 を、割礼を受けていない者とともに罰する日が来る。
26エジプト、ユダ、エドム、アンモン人、モアブ、 および荒野の隅々に住むすべての者たち。これらの 国民はすべて割礼を受けていない者であり、イスラ エルの全家も心に割礼を受けていない者である。
第10章
1イスラエルの家よ、主があなたがたに語られる言葉 を聞きなさい。
2主はこう言われる。「異邦人の道に倣ってはならな い。天のしるしに驚いてはならない。異邦人はそれ に驚いているからだ。
3人々の慣習はむなしいものである。人は斧をもって、 職人の手のわざである木を森から切り出す。
4彼らは銀や金でそれを飾り、釘や槌でそれを打ち付 けて、動かないようにする。
5彼らはなつめやしのようにまっすぐに立っているが、 話すことができない。歩くことができないので、運 ばれなければならない。彼らを恐れてはならない。 彼らは悪を行うことも、善を行うこともできないか らだ。
エレミヤ
6主よ、あなたに並ぶものはありません。あなたは偉 大であり、あなたの名は力において偉大です。
7万国の王よ、あなたを恐れない者があろうか。それ はあなたのことなのです。万国のすべての賢者の中 で、またそのすべての王国の中で、あなたに並ぶ者 は一人もいないのです。
8しかし、彼らはまったく愚かで、愚かである。その 教えは空虚なものである。
9銀の板はタルシシュから運ばれ、金はウファズから 運ばれ、職人と鋳物の職人の手によるものである。 彼らの衣服は青と紫で、すべて巧みな人の手による ものである。
10しかし、主はまことの神、生ける神、永遠の王で ある。主の怒りによって地は震え、諸国民はその憤 りに耐えることができない。
11あなたたちは彼らにこう言いなさい。『天地を造 らなかった神々は、地から、また天の下から滅び去 るであろう。
12神はその力によって地を造り、その知恵によって 世界を堅くし、その思慮によって天を広げられた。
13彼が声を発すると、天には水が満ち、地の果てか ら蒸気が立ち上る。彼は雨とともに稲妻を生じ、そ の宝庫から風を起こす。
14人は皆、その知識において愚かであり、鋳物師は 皆、彫像によって恥じ入る。その鋳像は偽りであり、 その中に息がないからである。
15それらはむなしいものであり、誤りの産物である。 彼らは審判の時に滅びるであろう。
16ヤコブの受ける分はそれらとは似ていない。彼は すべてのものの先駆者であり、イスラエルはその嗣 業の杖である。その名は万軍の主である。
17要塞に住む者よ、国からあなたの品物を集めなさ い。
18主はこう言われる。「見よ、わたしは今この地の 住民を投げ出し、彼らにそれを悟らせるために彼ら を苦しめる。」
19ああ、わたしは傷を受けた。わたしの傷はひどい。 しかし、わたしは言った。「まことに、これは悲し みだ。わたしはこれを負わなければならない。」
20わたしの幕屋は荒らされ、わたしの綱はことごと く切れ、わたしの子供たちはわたしのもとを去って、 もういない。もはやわたしの天幕を張り、わたしの 幕をかける者はいない。
21牧者たちは愚かになり、主を求めなかった。それ ゆえ、彼らは繁栄せず、彼らの群れはみな散らされ るであろう。
22見よ、騒々しいざわめきが聞こえ、北の国から大 騒ぎが起こり、ユダの町々は荒廃し、竜の巣窟とな る。
23主よ、わたしは人の道は人自身のうちにはなく、 歩く者は自分の歩みをまっすぐにすることはできな いことを知っています。
24主よ、私を戒めてください。しかし、怒りによっ てではなく、公正によって戒めてください。そうで ないと、あなたは私を無に帰してしまうでしょう。
25あなたを知らない異邦人、あなたの名を呼ばない 民族の上にあなたの怒りを注いでください。彼らは ヤコブを食い尽くし、これを食い尽くし、これを滅 ぼし、彼の住まいを荒廃させたからです。
第11章
1主からエレミヤに臨んだ言葉はこうである。
2あなたがたはこの契約の言葉を聞き、ユダの人々と エルサレムの住民に告げなさい。
3あなたは彼らに言いなさい。イスラエルの神、主は こう言われる。「この契約の言葉に従わない人は呪 われる。
4これはわたしがあなたがたの先祖をエジプトの地、 鉄の炉から導き出した日に彼らに命じた言葉である。 「わたしの声を聞き従い、わたしがあなたがたに命 じるすべてのことを彼らに行いなさい。そうすれば、 あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたが たの神となる。」
5わたしがあなたがたの先祖に誓った誓いを、今日の ように、彼らに乳と蜜の流れる地を与えるために、 わたしは果たそうと思う。」そこでわたしは答えて 言った。「主よ、そのとおりになりますように。」
6主は私に言われた、「ユダの町々、エルサレムの街 路に、これらの言葉をすべて宣べ伝えて言いなさい。 『この契約の言葉を聞き、これを行いなさい。
7わたしはあなたがたの先祖をエジプトの地から導き 上ったときから、今日に至るまで、朝早く起きて、 わたしの声に聞き従いなさいと熱心に彼らに命じて きた。
8しかし彼らは従わず、耳を傾けず、おのおの悪い心 の思いのままに歩んだ。それゆえ、わたしはこの契 約のすべての言葉を彼らに下す。わたしが彼らに命 じたのに、彼らはそれを行わなかったのだ。
9主は私に言われた、「ユダの人々とエルサレムの住 民の間に陰謀が見つかった。
10彼らは先祖たちの罪に戻り、わたしの言葉を聞く ことを拒み、他の神々に従って仕えた。イスラエル の家とユダの家は、わたしが彼らの先祖たちと結ん だ契約を破った。
11それゆえ、主はこう言われる。「見よ、わたしは 彼らに災いを下す。彼らはそれを逃れることはでき ない。たとい彼らがわたしに向かって叫んでも、わ たしは彼らの言うことを聞かない。」
12そのとき、ユダの町々とエルサレムの住民は行っ て、彼らが香を捧げている神々に呼び求める。しか し、苦難のときに、彼らは決して彼らを救うことは できない。
13ユダよ、あなたの町の数だけあなたの神々があり、 エルサレムの通りの数だけ、その恥ずべきもののた めに祭壇を築き、バアルに香をたくための祭壇を築 いたのだ。
14それゆえ、あなたはこの民のために祈ってはなら ない。彼らのために叫び声や祈りを上げてはならな
エレミヤ い。彼らが苦難のためにわたしに叫んでも、わたし は彼らの言うことを聞かないからだ。
15わたしの愛する者は、わたしの家で何をするので すか。彼女は多くの人と淫らな行為をし、聖なる肉 はあなたから去ってしまいました。あなたは悪を行 うと、喜ぶのです。
16主はあなたの名を「美しく、良い実を結ぶ青々と したオリブの木」と名づけられた。主は大騒ぎの 音とともに、その上に火を燃やし、その枝を折られ た。
17あなたを植えた万軍の主が、イスラエルの家とユ ダの家が自らに対して悪を行い、バアルに香をたき、 わたしを怒らせたために、あなたに災いを宣告され たからだ。
18主はわたしにそれを知らせて下さったので、わた しはそれを知っています。あなたは彼らの行いをわ たしに示されました。
19しかし、わたしは、ほふり場に引かれて行く小羊 や牛のようでした。彼らがわたしに対して陰謀をめ ぐらして、『木とその実を滅ぼし、生ける者の地か ら彼を断ち切って、その名を二度と思い出させない ようにしよう』と言っていたことを、わたしは知り ませんでした。
20しかし、正義をもって裁き、心と心とを試される 万軍の主よ、どうか彼らに対するあなたの復讐を私 に見せてください。私はあなたに私の訴えを明らか にしました。
21それゆえ、アナトテの人々、すなわちあなたの命 を狙う者たちについて主はこう言われる。「主の名 において預言してはならない。そうすれば、あなた は我々の手によって死ぬことはない。
22それゆえ、万軍の主はこう言われる。「見よ、わ たしは彼らを罰する。若者は剣で死に、彼らの息子、 娘は飢えで死ぬ。
23彼らのうちの残りの者は一人もいなくなるであろ う。わたしがアナトテの人々に災いを下すからであ る。それは彼らが罰を受ける年である。
第12章
1主よ。わたしがあなたに訴えるとき、あなたは正し い。しかし、あなたのさばきについて、わたしに語 らせてください。なぜ悪者の道は栄えるのか。なぜ 不実な行いをする者はみな幸福なのか。
2あなたが彼らを植えられたので、彼らは根を張り、 成長して実を結びます。あなたは彼らの口には近く、 彼らの心には遠くおられます。
3しかし、主よ、あなたはわたしを知っておられます。
あなたはわたしを見て、わたしの心をあなたに対し て試みられました。彼らを屠りに行く羊のように引 き出し、屠りの日のために備えてください。
4いつまで国は嘆き、すべての野の草は、そこに住む 者の悪のために枯れるのか。獣は絶滅し、鳥も絶滅 する。なぜなら、彼らは「神は私たちの終わりを見 ることはないだろう」と言ったからだ。
5あなたが歩兵と共に走り、彼らに疲れ果てたのなら、 どうして馬と戦うことができようか。また、あなた が頼りにしていた平和な地で彼らに疲れ果てたのな ら、ヨルダン川の満ち潮の中ではどうするつもりか。
6あなたの兄弟たち、あなたの父の家の人々さえも、 あなたに対して不誠実な行いをし、また群衆をあな たの後に呼び寄せた。彼らがあなたに良い言葉を語 っても、彼らを信じてはならない。
7わたしはわたしの家を捨て、わたしの相続地を捨て、 わたしの魂の愛する者を敵の手に渡しました。
8わたしの相続地は、わたしにとっては、森の中の獅 子のようであり、わたしに向かって叫んでいる。そ れゆえ、わたしはそれを憎んだ。
9わたしの相続地は、わたしにとってはぶち模様の鳥 のようで、周囲の鳥がこれに襲いかかっている。さ あ、野の獣たちよ、みな集まってきて、食べに来な さい。
10多くの牧者たちがわたしのぶどう園を荒らし、わ たしの受ける分を踏みつけ、わたしの喜ばしい分を 荒れ果てた荒野にした。
11彼らはそれを荒廃させた。そして、荒廃したその 地はわたしに向かって嘆いている。全地は荒廃して いる。誰もそれを心に留めないからだ。
12略奪者たちは荒野のすべての高き所にやって来た。 主の剣は地のこの果てから地のあの果てまでを滅ぼ すからだ。肉なる者は誰も平安を得ることはない。
13彼らは麦を蒔いたが、茨を刈り取り、苦労しても 利益は得られず、主の激しい怒りのゆえに、彼らは あなたの収入を恥じるであろう。
14わたしの民イスラエルに相続させた土地に手を出 すすべての悪い隣人に対して、主はこう言われる。 「見よ、わたしは彼らをその国から抜き取り、ユダ の家を彼らの中から抜き取る。」
15そして、わたしが彼らを抜き取った後、わたしは 戻って彼らを憐れみ、彼らをそれぞれその相続地、 それぞれその土地に帰らせるであろう。
16そして、もし彼らがわたしの民のやり方を熱心に 学び、わたしの名にかけて「主は生きておられる」 と誓うならば、彼らがわたしの民にバアルにかけて 誓うことを教えたように、彼らはわたしの民の中に 建てられるであろう。
17しかし、もし彼らが従わないなら、わたしはその 国民を徹底的に根こそぎにして滅ぼす、と主は言わ れる。
第13章
1主はわたしにこう言われる。「行って亜麻布の帯を 取って、腰に締めなさい。それを水に浸してはなら ない。
2そこで私は主の言葉のとおり帯を手に入れて、腰に 締めた。
3主の言葉が再び私に臨んで言った。
4あなたが腰に巻いている帯を取り、立ってユーフラ テス川に行き、それをそこの岩の穴に隠しておきな さい。
5そこで私は主が命じられたとおり、行ってそれをユ ーフラテス川のほとりに隠しました。
6多くの日が経ってから、主は私に言われた、「立っ て、ユフラテス川へ行き、私がそこに隠せと命じ た帯をそこから取ってきなさい」。
7そこで私はユーフラテス川に行き、穴を掘って、隠 しておいた帯を取り出したが、帯は傷んでいて、何 の役にも立たなかった。
8そのとき主の言葉がわたしに臨んだ。
9主はこう言われる。「このようにして、わたしはユ ダの誇りと、エルサレムの大いなる誇りとを砕 く。」
10わたしの言葉を聞くことを拒み、心の思いのまま に歩み、ほかの神々に従って歩み、それに仕え、そ れを拝むこの邪悪な民は、何の役にも立たないこの 帯のようになる。
11主は言われる、「帯が人の腰に密着するように、 わたしはイスラエルの全家とユダの全家をわたしに 密着させた。こうして彼らはわたしの民となり、名 声となり、誉れとなり、栄光となるためである。し かし彼らは聞こうとしなかった。」
12それゆえ、あなたは彼らにこの言葉を告げなけれ ばならない。イスラエルの神、主はこう言われる。 「すべての皮袋に、ぶどう酒が満たされる。」彼ら はあなたに言うであろう。「すべての皮袋に、ぶど う酒が満たされることを、私たちはまだ知らないの ですか。」
13そのとき、あなたは彼らに言いなさい、『主はこ う言われる。見よ、わたしはこの国に住むすべての 者、すなわちダビデの王座に座する王たち、祭司た ち、預言者たち、およびエルサレムに住むすべての 者を酔わせる。
14そして、わたしは彼らを父と子とを互いに打ち砕 く、と主は言われる。わたしはあわれまず、容赦せ ず、慈悲もかけず、彼らを滅ぼす。
15聞け、耳を傾けよ、高ぶってはならない。主が語 られたのだ。
16主が暗闇をもたらさないうちに、また、暗い山々 にあなたがたの足がつまずかないうちに、あなたが たの神、主に栄光を帰せよ。あなたがたが光を待ち 望んでいるのに、主はそれを死の陰に変え、暗い闇 となさる前に。
17しかし、もしあなたがたが聞き従わないなら、わ たしの魂はあなたがたの高ぶりのために隠れた所で 泣き、わたしの目は激しく泣き、涙を流すであろう。
主の群れが捕らわれて連れ去られたからである。
18王と王妃に告げよ。「謙虚になって座りなさい。 あなたがたの君主たちは、あなたがたの栄光の冠さ えも落ちるからです。」
19南の町々は閉ざされ、それを開ける者は誰もいな い。ユダはその全部が捕囚されて連れ去られ、完全 に捕囚されて連れ去られる。
20目を上げて、北から来る者たちを見よ。あなたに 与えられた群れ、あなたの美しい群れはどこにいる のか。
21主があなたを罰するとき、あなたは何と言うのか。 あなたは彼らを指揮官とし、あなたの上に君主とな るように教えたのに、あなたは産みの苦しみを味わ う女のように、苦しみに襲われないだろうか。
22もしあなたが心の中で、「なぜ、このような事が わたしに起こったのか」と言うならば、あなたの罪 が大きいために、あなたの衣の裾はあらわになり、 あなたのかかとは裸になっている。
23エチオピア人がその皮膚を変えられようか。豹が その斑点を変えられようか。それなら、悪を行うこ とに慣れているあなたたちも、善を行え。
24それゆえ、わたしは彼らを荒野の風に吹き飛ばさ れる刈り株のように散らす。
25「これがあなたの分、わたしからあなたが受ける 分である」と主は言われる。あなたはわたしを忘れ て、偽りを信頼したからだ。
26それゆえ、わたしはあなたのすそをあなたの顔の 上に現わし、あなたの恥を現わすであろう。
27わたしはあなたの姦淫と、あなたのいななきと、 あなたの淫行の淫らな行いと、野の丘の上でのあな たの忌まわしい行いを見た。ああ、エルサレムよ、 あなたは災いを受けるのだ。あなたは清められない のか。いつ清められるのか。
第14章
1飢饉に関してエレミヤに臨んだ主の言葉。
2ユダは嘆き、その門は衰え、地に黒く染まり、エル サレムの叫びは響き渡る。
3彼らの貴族たちは子供たちを水汲みに遣わした。彼 らは穴に来たが、水が見つからず、容器を空のまま に持ち帰った。彼らは恥ずかしく、落胆して、頭を 覆った。
4地が裂け、地に雨が降らなかったので、耕作者たち は恥じて頭を覆った。
5雌鹿も野で子を産んだが、草がないので野を捨てた。
6そして野ろばは高き所に立ち、竜のように風を吹き 飛ばした。草がないので、その目は衰えた。
7主よ、たといわたしたちの罪がわたしたちに不利な 証言をしていますが、どうかあなたの御名のために、 これを行ってください。わたしたちの背信は多く、 わたしたちはあなたに対して罪を犯しました。
8ああ、イスラエルの希望、苦難の時のその救い主よ、 なぜあなたはこの地で寄留者のように、また夜を過 ごすために立ち寄る旅人のようになっておられるの ですか。
9なぜ、あなたは驚く人のように、救うことのできな い勇士のようになられるのですか。主よ、あなたは 私たちの中におられ、私たちはあなたの名によって 呼ばれています。どうか私たちを見捨てないでくだ さい。
エレミヤ
10主はこの民にこう言われる。「彼らはさまようこ とを好み、その足をとどめなかった。それゆえ、主 は彼らを受け入れず、今、彼らの咎を覚え、彼らの 罪を罰する。」
11主はわたしに言われた、「この民の幸福のために 祈ってはならない。
12彼らが断食しても、わたしは彼らの叫びを聞かず、 彼らが燔祭や供え物をささげても、わたしは彼らを 受け入れず、剣と飢きんと疫病によって彼らを滅ぼ す。
13そこでわたしは言いました、「ああ、主なる神よ、 預言者たちはこう言っています。『あなたたちは剣 を見ることも、飢えに見舞われることもない。しか しわたしはこの場所であなたたちに確かな平和を与 える』」。
14主はわたしに言われた、「預言者たちはわたしの 名によって偽りを預言している。わたしは彼らを遣 わしたこともなく、彼らに命じたこともなく、彼ら に語ったこともない。彼らは偽りの幻と占いと、む なしい事と、自分たちの心の欺瞞とをあなたたちに 預言しているのだ。
15それゆえ、わたしの名によって預言する預言者た ちについて、主はこう言われる。わたしは彼らを遣 わしていないのに、彼らは言う。「剣と飢饉はこの 地に起こらないだろう。しかし、その預言者たちは 剣と飢饉によって滅ぼされる。」
16彼らが預言する民は、飢饉と剣のためにエルサレ ムの街路に追い出される。彼らを、その妻や息子、 娘を埋葬する者はいない。わたしが彼らの悪を彼ら の上に注ぐからである。
17それゆえ、あなたは彼らにこの言葉を告げなさい。 「わたしの目は夜も昼も涙で流れ落ち、やむことが ないように。わたしの民の処女である娘は、大きな 裂け目と、非常にひどい打撃によって打ち砕かれた からだ。」
18わたしが野に出て行けば、剣で殺された者たちが 見える。町に入って行けば、飢えに苦しむ者たちが 見える。預言者も祭司も知らない地を歩き回るのだ。
19あなたはユダを全く拒絶したのか。あなたの魂は シオンを忌み嫌ったのか。なぜ、わたしたちを打っ たのか。わたしたちには癒しがない。わたしたちは 平和を待ち望んだが、何の救いもない。癒しの時を 待ち望んだのに、見よ、災いが来たのだ。
20主よ、私たちは私たちの邪悪と私たちの先祖たち の咎を認めます。私たちはあなたに対して罪を犯し ました。
21あなたの御名のゆえに、わたしたちを忌み嫌わな いでください。あなたの栄光の王座を辱めないでく ださい。わたしたちと結んだ契約を忘れないでくだ さい。
22異邦人のむなしい事の中に、雨を降らせることの できる者がいるでしょうか。また、天が雨を降らせ ることのできる者がいるでしょうか。私たちの神、 主よ。あなたはそうではありませんか。それゆえ、
私たちはあなたを待ち望みます。あなたはこれらす べてのものを造られたからです。
第15章
1主はわたしに言われた、「たといモセとサムエル がわたしの前に立っていたとしても、わたしはこの 民に心を留めることができなかった。彼らをわたし の前から追い払って、去らせよう。」
2もし彼らがあなたに、『我々はどこへ出かけたらよ いのか』と尋ねるならば、あなたは彼らにこう言い なさい、『主はこう言われる。『死に至る者は死に、 剣に至る者は剣に、飢饉に至る者は飢饉に、捕囚に 至る者は捕囚に。』
3主は言われる、「わたしは彼らの上に四つのものを 置く。剣は殺すため、犬は引き裂くため、空の鳥と 地の獣は食い尽くし、滅ぼすためである。」
4わたしは、ユダの王ヒゼキヤの子マナセがエルサレ ムで行った事のゆえに、彼らを地のすべての王国に 移すであろう。
5エルサレムよ、だれがあなたをあわれむだろうか。 だれがあなたを嘆くだろうか。だれがあなたの様子 を尋ねに寄るだろうか。
6主は言われる、「あなたはわたしを捨て、退いた。 それゆえ、わたしはあなたに手を伸ばし、あなたを 滅ぼす。わたしは悔い改めることに疲れた。」
7そして、わたしは国の門で彼らを扇ぎ、彼らが自分 たちの道から立ち返らないので、彼らから子供を奪 い、わたしの民を滅ぼす。
8彼らのやもめたちはわたしの前で海の砂の上に増え た。わたしは真昼に、若者の母を襲う略奪者を彼ら の上に送り、突然彼を襲わせ、町に恐怖を与えた。
9七つの子を産んだ女は衰え、息絶え、まだ昼であっ たのに、日は沈み、恥じ入り、恥辱を受けた。そし て、わたしは彼らの残りの者を敵の前に剣に引き渡 す、と主は言われる。
10わが母よ、ああ、わたしは不幸だ。あなたはわた しを、全地に争いを起こす男、争いの種となる男と して産んだ。わたしは利子で金を貸したこともなく、 人からも利子で貸されたことがないのに、彼らはみ なわたしを呪う。
11主は言われた、「まことに、あなたの残りの者は 幸いである。まことに、わたしは災いの時、苦難の 時に、敵にあなたを助けさせる。」
12鉄は北の鉄と鋼鉄を砕くだろうか。
13わたしはあなたの財産と宝物を、あなたのすべて の罪のために、あなたの領土全体で、値なしに略奪 物として与える。
14わたしはあなたを敵と共に、あなたの知らない地 へ通らせる。わたしの怒りの火が燃え上がり、あな たを焼き尽くすからだ。
15主よ、あなたはご存じです。どうか私を覚えて、 私を訪れ、私を迫害する者たちに復讐してください。 あなたの寛容によって私を取り去らないでください。
エレミヤ 私はあなたのために懲罰を受けたことを知ってくだ さい。
16あなたの言葉が見つかり、私はそれを食べました。
あなたの言葉は私にとって、私の心の喜びと楽しみ でした。万軍の主なる神よ。私はあなたの名によっ て呼ばれているからです。
17わたしはあざける者たちの集まりの中に座らず、 喜ばずに、あなたの御手のゆえにひとり座っていま す。あなたはわたしを憤りで満たされたからです。
18なぜ、わたしの痛みは止まらず、わたしの傷は癒 えないのか。あなたはわたしに対して全く偽り者、 枯れる水のような者でいられるのか。
19それゆえ、主はこう言われる。「もしあなたが立 ち返るなら、わたしはあなたを連れ戻し、あなたは わたしの前に立つであろう。もしあなたが、卑しい ものから貴重なものを取り出すなら、あなたはわた しの口のようになるであろう。彼らはあなたのとこ ろへ立ち返るであろう。しかし、あなたは彼らのと ころへ立ち返ってはならない。」
20わたしは、あなたをこの民の防備の固い青銅の城 壁とする。彼らはあなたと戦うが、あなたに勝つこ とはできない。わたしはあなたを救い、あなたを救 うためにあなたと共にいるからだ、と主は言われる。
21わたしはあなたを悪者の手から救い出し、恐ろし い者の手からあなたを贖う。
第16章
1主の言葉がわたしにも臨んだ。
2あなたはこの所で妻をめとってはならず、また息子 や娘をもうけてはならない。
3主はこの所で生まれる息子、娘、これを産んだ母、 この地でこれを生んだ父について、こう言われる。
4彼らは悲惨な死を遂げ、哀悼されることもなく、葬 られることもなく、地の面の上で糞尿のようになり、 剣と飢饉で滅ぼされ、その死体は空の鳥と地の獣の 餌食となる。
5主はこう言われる。「悲しみの家にはいってはなら ない。嘆き悲しんで行ってはならない。わたしはこ の民からわたしの平和、慈しみと恵みを取り去った からだ。」
6この地では、大いなる者も小さき者も死ぬ。彼らは 埋葬されず、人々は彼らのために嘆き悲しまず、彼 らのために身を傷つけず、禿げ上がることもない。
7人々は彼らのために悲しみ、死んだ者を慰めるため に身を裂くこともない。また、彼らに父母のために 慰めの杯を与えることもない。
8あなたはまた、宴会の家に入って、彼らと緒に座 って食べたり飲んだりしてはならない。
9万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「見よ、 わたしはあなたの目の前から、あなたの時代に、喜 びの声と楽しみの声、花婿の声と花嫁の声をこの場 所から絶やす。
10あなたがこのすべての言葉をこの民に告げるとき、 彼らはあなたに言うであろう、『なぜ主はわれわれ
に対しこのすべての大きな災いを宣告されたのか。 われわれの不義とは何なのか。われわれがわれわれ の神、主に対して犯した罪とは何なのか。
11そのとき、あなたは彼らに言いなさい、『主は言 われる、あなたがたの先祖はわたしを捨てて、ほか の神々に従い、それに仕え、それを拝み、わたしを 捨てて、わたしの律法を守らなかった。
12あなたがたはあなたがたの先祖たちよりも悪いこ とをしてきました。見よ、あなたがたはそれぞれ自 分の悪い心の思いのままに歩み、わたしに聞き従お うとはしません。
13それゆえ、わたしはあなたたちをこの地から追い 出し、あなたたちも先祖たちも知らない地へ移す。 あなたたちはそこで昼も夜もほかの神々に仕えるこ とになる。わたしはそこであなたたちに恵みを与え ない。
14それゆえ、見よ、主は言われる、「イスラエルの 子らをエジプトの地から導き上った主は生きておら れる」とは、もはや言われない日が来る。
15しかし、「主は生きておられる。イスラエルの子 らを北の地と、追い払われたすべての国々から導き 上った方である。わたしは彼らを、わたしが彼らの 先祖に与えた地に連れ戻す。」
16主は言われる、「見よ、わたしは多くの漁師を遣 わして、彼らを漁らせる。またその後に、わたしは 多くの狩人を遣わして、あらゆる山、あらゆる丘、 岩の穴から彼らを狩らせる。」
17わたしの目は彼らのすべての道に注がれているか らである。彼らはわたしの顔から隠されておらず、 彼らの罪はわたしの目から隠されていない。
18まず、わたしは彼らの咎と罪を二倍にして報いる。 彼らはわたしの地を汚し、わたしの相続地を忌まわ しい忌まわしいものの死体で満たしたからである。
19主よ、わたしの力、わたしの要塞、苦難の日のわ たしの避難所よ、諸国の民は地の果てからあなたの もとに来て言うでしょう。「確かに、わたしたちの 先祖は偽りと、むなしいことと、何の益もないもの を相続したのです。」
20人は自分自身のために神々を造って、それが神々 ではなくなるだろうか。
21それゆえ、見よ、わたしは今一度彼らに知らせ、 わたしの手とわたしの力を彼らに知らせよう。そし て彼らはわたしの名が主であることを知るであろう。
第17章
1ユダの罪は鉄のペンと金剛石の尖端で書かれ、彼ら の心の板と、祭壇の角に刻まれている。
2彼らの子孫は、高い丘の上の緑の木々のそばにあっ た彼らの祭壇と森を思い出すでしょう。
3野にあるわたしの山よ、わたしはあなたの財産とす べての宝を略奪に渡し、あなたの領土全体にわたっ てあなたの高き所を罪の所とする。
4汝自身も、我が汝に与えた嗣業から離れ、汝の知ら ない地で汝の敵に仕えるであろう。汝らは我の怒り の火を燃やし、それは永遠に燃え続けるからである。
5主はこう言われる。「人に頼り、肉なる者を自分の 腕とし、その心が主から離れ去る人は呪われる。」
6彼は荒野のヒースのようになり、幸福が来るのを見 ることができない。荒野の乾いた場所、人の住まな い塩の地に住むであろう。
7主に信頼し、主を望みとする人は幸いである。
8彼は水のほとりに植えられた木のようになり、流れ のほとりに根を張り、暑さが来ても気づかず、その 葉は青々と茂り、干ばつの年にも心配せず、実を結 ぶことをやめない。
9心は何よりも偽りに満ち、ひどく邪悪である。だれ がそれを知ることができようか。
10主なるわたしは心を探り、心の働きを試み、各人 にその行いに応じて、その行いの実に応じて報いる。
11しゃこが卵を抱いても孵らないように、不正に富 を得た者は、生涯の途中でそれを捨て、最後には愚 か者となる。
12初めから輝く高い王座が、わたしたちの聖所の場 所である。
13主よ、イスラエルの希望よ、あなたを捨てる者は みな恥をかき、私から離れ去る者は地に名を刻まれ る。彼らは生ける水の源である主を捨てたからであ る。
14主よ、わたしを癒してください。そうすれば、わ たしは癒されます。わたしを救ってください。そう すれば、わたしは救われます。あなたはわたしの賛 美だからです。
15見よ、彼らはわたしに言う、「主の言葉はどこに あるか。今、それを起こせ」。
16わたしは牧師の職を捨ててあなたに従うことを急 がず、また災いの日を望まなかった。あなたはご存 じのとおり、わたしの口から出た言葉はあなたの前 にあったのです。
17わたしを怖がらせないでください。あなたは災い の日にわたしの希望です。
18わたしを迫害する者たちを恥じ入らせてください。
しかし、わたしを恥じ入らせないでください。彼ら をおののかせてください。しかし、わたしをおのの かせないでください。彼らに災いの日をもたらし、 彼らを二倍の滅ぼし滅ぼしてください。
19主はわたしにこう仰せられた。「行って、ユダの 王たちが出入りする民の門と、エルサレムのすべて の門に立ってください。
20彼らに言いなさい。「ユダの王たち、ユダのすべ ての人々、およびこれらの門を通って入るエルサレ ムのすべての住民よ、主の言葉を聞きなさい。
21主はこう言われる。「あなたたちは気をつけて、 安息日に荷を運んではならない。またエルサレムの 門から荷を持ち込んではならない。
22安息日には家から荷物を運び出したり、どんな仕 事もしてはならない。わたしが先祖に命じたとおり、 安息日を聖別しなさい。
23しかし彼らは従わず、耳を傾けず、かえって首を 硬くして、聞くことも、教えを受けることもしなか った。
24主は言われる、「もしあなたがたがわたしによく 聞き従い、安息日にこの町の門に荷物を携えて入ら ず、安息日を聖別して何の仕事もしてはならないな らば、
25そのとき、ダビデの王座に座する王たちや首長た ち、また彼らの首長たち、ユダの人々、エルサレム の住民が戦車や馬に乗ってこの町の門に入って来る。 そしてこの町は永遠に存続する。
26彼らはユダの町々、エルサレムの周囲の地方、ベ ニヤミンの地、平野、山地、南の地からやって来て、 全焼のいけにえ、犠牲、穀物のささげ物、香、また 賛美のいけにえを主の宮に携えて来る。
27しかし、もしあなたがたがわたしの言うことに聞 き従わず、安息日を聖別せず、安息日に荷を担いで エルサレムの門に入ることさえしないならば、わた しはその門に火を放ち、エルサレムの宮殿を焼き尽 くすであろう。それは消えることはないであろう。
第18章
1主からエレミヤに臨んだ言葉はこうである。
2立って、陶器師の家へ下って行きなさい。そこでわ たしはあなたにわたしの言葉を聞かせよう。
3そこでわたしは陶器師の家へ下って行きました。す ると、彼はろくろで仕事をしていました。
4陶器師が粘土で作った器は、陶器師の手の中で壊れ てしまったので、陶器師は自分の好きなように、ま た別の器を作った。
5そのとき主の言葉がわたしに臨んだ。
6イスラエルの家よ、わたしはこの陶器師のように、 あなたたちに対してもできないだろうかと主は言わ れる。見よ、粘土が陶器師の手にあるように、あな たたちはわたしの手にあるのだ、イスラエルの家よ。
7いつ、わたしがつの国民、つの王国について、 これを抜き取り、倒し、滅ぼそうと語るのか。
8もし私が宣告したその国民がその悪から離れるなら、 私は彼らに対して下そうとしていた悪を思い直すで あろう。
9そして、いつになったら私は国民について、また王 国について、それを建て、植えることを語るのでし ょうか。
10もしそれがわたしの目に悪と映り、わたしの声に 従わなかったなら、わたしは彼らに益を与えようと した善行を悔い改めるであろう。
11それゆえ、今、ユダの人々とエルサレムの住民に 告げて言いなさい。主はこう仰せられる。「見よ、 わたしはあなたがたに災いを企て、あなたがたに敵 して策謀を巡らす。あなたがたは今、おのおのその 悪い道から立ち返り、あなたがたの道と行いを正し なさい。」
エレミヤ
12彼らは言った。「望みはない。われわれは自分の 思いどおりに歩み、おのおのその悪い心の思いどお りに行動しよう。」
13それゆえ、主はこう言われる。「諸国の民に尋ね てみよ。だれがこのような事を聞いたか。イスラエ ルの処女は、非常に恐ろしいことをしたのだ。」
14人は野の岩から流れ出るレバノンの雪を捨てるだ ろうか。他の所から流れ出る冷たい水は捨てられる だろうか。
15わたしの民はわたしを忘れ、むなしい香をたき、 その道につまずき、古来の道から外れ、整えられて いない道を歩ませた。
16彼らの国は荒れ果て、絶えず嘲笑の的となる。そ こを通る者は皆驚いて、頭を振るであろう。
17わたしは彼らを東風のように敵の前に散らし、彼 らの災いの日に、彼らに顔ではなく、背中を見せる。
18そこで彼らは言った。「さあ、エレミヤに対して 計略をめぐらそう。祭司から律法は失われず、賢者 から計りごとは失われず、預言者から言葉は失われ ない。さあ、舌で彼を打ちのめそう。彼の言葉の つつに耳を貸さないでおこう。」
19主よ、わたしに心を留め、わたしと争う者たちの 声に耳を傾けてください。
20悪が善に報いられるでしょうか。彼らはわたしの 魂に穴を掘ったのです。わたしがあなたの前に立っ て、彼らのために善を語り、あなたの怒りを彼らか ら遠ざけたことを思い出してください。
21それゆえ、彼らの子どもたちを飢きんに引き渡し、 剣の力で彼らの血を流してください。彼らの妻は子 どもに先立たれ、寡婦となり、彼らの男たちは殺さ れ、彼らの若者は戦いで剣に殺されますように。
22あなたが突然軍隊を彼らに送るとき、彼らの家か ら叫び声が聞こえますように。彼らは私を捕らえる ために穴を掘り、私の足を捕らえるために罠を隠し たからです。
23しかし主よ、あなたは彼らが私を殺そうと企てて いることをことごとくご存じです。彼らの咎を赦さ ず、彼らの罪をあなたの前から消し去らず、彼らを あなたの前から打ち倒してください。あなたの怒り の時に、このように彼らを扱ってください。
第19章
1主はこう言われる。「行って、陶器師の土の器を取 り、民の長老たちと、祭司の長老たちから取って来 なさい。
2そして、東の門の入口にあるヒンノムの子らの谷へ 出て行き、私があなたに告げる言葉をそこで宣べ伝 えなさい。
3言いなさい。「ユダの王たちとエルサレムの住民た ちよ、主の言葉を聞きなさい。万軍の主、イスラエ ルの神はこう言われる。見よ、わたしはこの場所に 災いをもたらす。それを聞く者はみな、耳が鳴るで あろう。」
4彼らはわたしを捨てて、この場所を疎んじ、彼らも 彼らの先祖も、ユダの王たちも知らなかった他の 神々にここで香をたき、この場所を罪のない者の血 で満たしたからである。
5彼らはまたバアルの高き所を築き、その子らをバア ルへの燔祭として火で焼いた。これはわたしが命じ たことではなく、語ったこともなく、思いついたこ ともない。
6それゆえ、見よ、この場所はもはやトフェト、ある いはヒンノムの子らの谷と呼ばれず、虐殺の谷と呼 ばれる日が来ると主は言われる。
7わたしはこの場所でユダとエルサレムの計りごとを 無にし、彼らを敵の前に剣で倒し、命を狙う者の手 によって倒す。そして、彼らの死体を空の鳥や地の 獣の餌食にする。
8そして、わたしはこの町を荒廃させ、嘲笑の的とす る。そこを通る者は皆、そのすべての災害のために 驚いて嘲笑するであろう。
9そして、わたしは彼らにその息子の肉、娘の肉を食 べさせ、また彼らはそれぞれその敵と命を狙う者た ちが彼らを苦しめる包囲と窮地の中で、その友の肉 を食べるであろう。
10それから、あなたと共に行く人々の目の前でその 瓶を砕きなさい。
11そして彼らに言うであろう。「万軍の主はこう言 われる。陶器師の器を砕くように、わたしはこの民 とこの町を打ち砕く。それは二度と元には戻らない。 彼らはトフェトに彼らを葬り、葬る場所がなくなる であろう。」
12主は言われる、「わたしはこの場所とその住民に このようにする。この町をトフェトのようにな る。」
13そしてエルサレムの家々、ユダの王たちの家々は、 その屋根の上で天の万象に香をたき、他の神々に酒 の供え物を注いだすべての家のゆえに、トフェトの 場所のように汚されるであろう。
14そのとき、主が預言をさせるために遣わしたトフ ェトからエレミヤが帰って来て、主の宮の庭に立ち、 すべての民に言った。
15万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「見 よ、わたしはこの町とそのすべての町々に、わたし が宣言したすべての災いを下す。彼らがわたしの言 葉を聞こうとせず、かたくなになっているからであ る。
第20章
1さて、祭司イメルの子で、主の宮の総督でもあった パシュルは、エレミヤがこれらの事を預言している ことを聞いた。
2そこでパシュルは預言者エレミヤを打ち殺し、主の 宮のそばにあるベニヤミンの高い門の足かせに彼を かけた。
3翌日、パシュルはエレミヤを足かせから引きずり出 した。エレミヤは彼に言った。「主はあなたの名を
エレミヤ パシュルとは呼ばず、マゴル・ミサビブと呼んだので す。」
4主はこう言われる、「見よ、わたしは、あなたとあ なたのすべての友人に恐怖を与える。彼らは敵の剣 に倒れ、あなたはそれを目にするであろう。わたし はユダのすべてをバビロンの王の手に渡す。王は彼 らを捕虜としてバビロンに連れて行き、剣で殺すで あろう。」
5また、わたしはこの町のすべての力と、そのすべて の労働と、そのすべての貴重品と、ユダの王たちの すべての財宝を敵の手に渡し、彼らはそれを略奪し、 奪い取ってバビロンへ運ぶであろう。
6パシュルよ、あなたも、あなたの家に住む者も皆捕 囚されてバビロンに行き、そこで死んで葬られる。 あなたも、あなたが偽りの預言をしたすべての友も。
7主よ、あなたはわたしを欺き、わたしも欺かれまし た。あなたはわたしよりも強く、わたしに勝ってお られます。わたしは日々嘲笑され、すべての人がわ たしをあざ笑っています。
8わたしが語ったときから、わたしは叫び、暴虐と略 奪を叫んだ。主の言葉が日々わたしへの侮辱と嘲り ととなったからである。
9そこで私は、「もう彼のことを口にしたり、彼の名 で話したりはしない」と言いました。しかし、彼の 言葉は私の心の中に、骨に閉じ込められた燃える火 のようにありました。私は我慢に疲れ、留まること ができませんでした。
10多くの人々の悪口を耳にし、四方八方から恐れが 広がっている。「報告しろ、報告する」と彼らは言 う。私の親しい者たちは皆、私が立ち止まるのを待 ち構えていた。「きっと彼は誘惑されるだろう。そ うすれば我々は彼に打ち勝ち、復讐してやる」と。
11しかし、主は力ある恐ろしい者としてわたしとと もにおられる。それゆえ、わたしを迫害する者たち はつまずき、打ち勝つことができない。彼らは大い に恥じ入る。彼らは栄えることができないからであ る。彼らの永遠の恥辱は決して忘れられることはな い。
12しかし、万軍の主よ、あなたは義人を試み、心の 内と心とを見ます。どうか、彼らに対するあなたの 復讐を私に見せてください。私はあなたに私の訴え を明らかにしました。
13主にむかって歌い、主をほめたたえよ。主は貧し い者の魂を悪を行う者の手から救い出されたからだ。
14わたしの生まれた日は呪われよ。わたしの母がわ たしを産んだ日は祝福されぬように。
15私の父に男の子が生まれました、と知らせて父を 大いに喜ばせたその人は呪われよ。
16その人は主が滅ぼして悔い改めなかった町々のよ うになり、朝には叫び声を、真昼には叫び声を聞く であろう。
17なぜなら、彼はわたしを母の胎内に宿っていると きから殺さなかったからである。そうすれば、わた しの母はわたしの墓となり、彼女の胎はいつまでも わたしとともにあったであろうに。
18なぜわたしは母の胎から出て、苦労と悲しみを見 なければならないのか。わたしの日々は恥辱のうち に過ぎ去らなければならないのか。
第21章
1ゼデキヤ王がメルキヤの子パシュルと祭司マアセヤ の子ゼパニヤを彼のもとに遣わしたとき、主からエ レミヤに臨んだ言葉はこう言った。
2どうぞ、われわれのために主に尋ねてください。バ ビロンの王ネブカデレザルがわれわれと戦うのです から、主がそのすべての不思議なわざのように、わ れわれを罰して、われわれを離れて去られるならば。
3そこでエレミヤは彼らに言った、「ゼデキヤにこう 言いなさい。
4イスラエルの神、主はこう言われる。「見よ、わた しは、城壁の外であなたがたを包囲しているバビロ ンの王とカルデア人と戦うためにあなたがたが手に している武器を取り返し、それをこの町の中に集め る。
5そして、わたし自身も、伸ばした手と強い腕と、怒 りと激怒と激しい憤りをもって、あなたと戦う。
6そして、私はこの町の住民を、人も家畜も共に打つ。 彼らは大疫病で死ぬであろう。
7その後、主は言われる、「わたしはユダの王ゼデキ ヤとその家臣、および民と、この町に残っている者 を、疫病と剣と飢饉からバビロンの王ネブカデレザ ルの手と、彼らの敵の手と、彼らの命を狙う者の手 に渡す。彼は剣の刃で彼らを撃ち殺し、容赦せず、 あわれみもせず、慈悲もかけない。」
8あなたはこの民にこう言いなさい。『主はこう言わ れる。見よ、わたしはあなたがたの前に命の道と死 の道とを置く。
9この町に住む者は剣と飢饉と疫病で死ぬであろう。 しかし出て行って、あなたがたを包囲しているカル デア人に倒れる者は生き残り、その命は略奪物とな るであろう。
10主は言われる、「わたしがこの町に顔を向けたの は、幸いのためではなく、災いのためである。この 町はバビロンの王の手に渡され、王は火でこれを焼 き払うであろう。」
11ユダの王の家についてはこう言いなさい。「主の 言葉を聞きなさい。
12ダビデの家よ、主はこう言われる。「朝に裁きを 行い、略奪された者を抑圧者の手から救い出せ。そ うしないと、お前たちの行いの悪のゆえに、わたし の怒りが火のように燃え上がり、それを消すことが できないであろう。」
13主は言われる、「見よ、わたしは、谷に住む者、 平地の岩に住む者、あなたに敵対する。彼らは言う、 『だれが下って来てわれわれを攻めようか。だれが われわれの住まいに入ることができようか。』
14しかし、わたしはあなたがたの行いの結果に応じ てあなたがたを罰する、と主は言われる。わたしは
エレミヤ その森に火を燃やし、その周囲のものをことごとく 焼き尽くす。
第22章
1主はこう言われる。「ユダの王の家に下って行き、 そこでこの言葉を告げよ。
2言いなさい。「ダビデの王座に座するユダの王よ、 あなたとあなたの家来、およびこれらの門から入る あなたの民は主の言葉を聞きなさい。
3主はこう言われる。「公正と正義を実行し、略奪さ れた者を虐げる者の手から救い出せ。不正を行って はならない。寄留者、孤児、寡婦に暴力を振るって はならない。この場所で罪のない者の血を流しては ならない。」
4もしあなたがたがこの事を本当に行うならば、ダビ デの王座に座する王たちが、ダビデとその家来たち、 およびその民とともに、戦車や馬に乗って、この家 の門から入って来るであろう。
5しかし、もしあなたがたがこれらの言葉に耳を傾け ないならば、わたしは自分をさして誓う、この家は 荒れ果てることになると主は言われる。
6主はユダの王家にこう言われる。「わたしにとって、 あなたはギレアデであり、レバノンの頭である。し かし、わたしは必ずあなたを荒野とし、人の住まな い町々とする。」
7わたしはあなたに対して滅ぼす者たちを準備する。
彼らはそれぞれ自分の武器を持ち、あなたの良い杉 の木を切り倒して火に投げ込むであろう。
8多くの国民がこの町を通り過ぎ、人々は互いに言う であろう。「なぜ主はこの大いなる町にこのような ことをなさったのか。」
9そのとき、彼らは答えて言うであろう、『彼らは彼 らの神、主との契約を捨て、他の神々を拝み、それ に仕えたからだ。』
10死んだ者のために泣くな、嘆くな。むしろ、去っ ていく者のために激しく泣け。彼は二度と帰って来 ることも、自分の故郷を見ることもないからだ。
11主は、父ヨシヤに代わって王となったユダの王ヨ シヤの子シャルムについてこう言われる。シャルム はこの所から出て行った。彼は二度とそこへは戻ら ない。
12しかし、彼は捕囚として連行されたその場所で死 に、二度とこの地を見ることはないであろう。
13不義によって自分の家を建て、不正によって自分 の家を建て、隣人の労働を報酬なしで利用し、その 働きに報いない者は災いである。
14彼は言う、「わたしは広い家と大きな部屋を建て よう。窓を彫り、天井を杉板で張り、朱で塗ろ う。」
15あなたは、杉の板で囲まれているからといって、 王でいられるのですか。あなたの父は食べたり飲ん だり、公正と正義を行ったりして、安泰だったでは ありませんか。
16彼は貧しい者と乏しい者の訴えを裁き、それで彼 は幸せになった。これはわたしを知ることではなか ったかと主は言われる。
17しかし、あなたの目とあなたの心は、あなたの貪 欲と、罪のない者の血を流すことと、抑圧と暴力と のためにあるだけである。
18それゆえ、主はユダの王ヨシヤの子エホヤキムに ついてこう言われる。人々は彼のために嘆いて、 『ああ、兄弟よ』、『ああ、妹よ』とは言わない。 彼らは彼のために嘆いて、『ああ、主よ』、『ああ、 その栄光よ』とは言わない。
19彼はロバの埋葬のように葬られ、エルサレムの門 の外に引きずり出されて投げ出されるであろう。
20レバノンに上って行って叫べ。バシャンで声をあ げ、谷底から叫べ。あなたの愛する者たちは皆滅ぼ されたからだ。
21わたしはあなたが繁栄していたときに語ったが、 あなたは「聞かない」と言った。あなたは若い時か らわたしの声に従わなかった。
22あなたの牧者たちは皆風に食われ、あなたの愛人 たちは捕らわれの身となる。そのとき、あなたは必 ずあなたのすべての悪事のゆえに恥じ、恥辱を受け るであろう。
23レバノンの住民よ、杉の木に巣を作る者よ、産み の苦しみを味わう女のような苦しみがあなたに臨む とき、あなたはなんと恵み深いことか。
24主は言われる、「わたしは生きている。たとえユ ダの王エホヤキムの子コニヤがわたしの右の手に印 章を持っていたとしても、わたしはあなたをそこか ら引き剥がすであろう。
25わたしは、あなたの命を狙う者たちの手と、あな たが顔を恐れる者たちの手、すなわちバビロンの王 ネブカデレザルの手とカルデア人の手にあなたを渡 す。
26わたしは、あなたと、あなたを産んだあなたの母 とを、あなたがたの生まれた国以外の国に追い出す。 あなたがたはそこで死ぬであろう。
27しかし、彼らが帰ろうと望んだ土地には、彼らは 帰らないであろう。
28このコニヤという人は、軽蔑される壊れた偶像な のか。彼は喜びのない器なのか。なぜ彼とその子孫 は追い出され、知らない地に投げ込まれたのか。
29地よ、地よ、地よ、主の言葉を聞け。
30主はこう言われる。「この人は子孫を残さず、生 涯繁栄することのない人であると書き記せ。彼の子 孫のうちには、ダビデの王座に座して、ユダを治め る者は、二度といないからである。」
第23章
1わたしの牧場の羊を滅ぼし散らす牧者たちに災いが 臨む、と主は言われる。
2それゆえ、イスラエルの神、主は、わたしの民を養 う牧者たちに対してこう言われる。「あなたがたは わたしの群れを散らし、追い払って、顧みなかった。
エレミヤ 見よ、わたしはあなたがたの行いの悪をあなたがた に報いる。」と主は言われる。
3わたしはわたしの群れの残りの者を、わたしが追い やったすべての国々から集め、彼らを再びその囲い に連れ戻す。彼らは子孫を増やし、増えるであろう。
4わたしは彼らの上に牧者を立てて、彼らを養わせる。 彼らはもはや恐れることなく、おののくことも、乏 しい物に困ることもない、と主は言われる。
5主は言われる、「見よ、わたしがダビデに正しい若 枝を起こす日が来る。王が治めて繁栄し、地上に公 正と正義を行うであろう」。
6彼の時代にはユダは救われ、イスラエルは安全に住 むであろう。これが彼の名、『主はわれらの正義』 と呼ばれるであろう。
7それゆえ、見よ、主は言われる。「イスラエルの子 らをエジプトの地から導き上った主は生きておられ る」と人々が再び言わなくなる日が来る。
8しかし、「主は生きておられる。主はイスラエルの 家の子孫を北の国と、わたしが追い払ったすべての 国々から導き上った。彼らは自分の土地に住むであ ろう」。
9わたしの心は預言者たちのゆえに砕かれ、わたしの 骨はことごとく震え、主とその聖なる言葉のゆえに、 わたしは酔った人のようになり、酒に酔った人のよ うになる。
10この地は姦淫する者で満ち、誓いのゆえにこの地 は嘆き悲しんでいる。荒野の美しい所は干上がり、 彼らの道は邪悪で、彼らの力は正しくない。
11預言者も祭司も汚れた者である。まことに、わた しは彼らの邪悪をわたしの家の中に見つけた、と主 は言われる。
12それゆえ、彼らの道は暗闇の中の滑りやすい道の ようになり、彼らは追い立てられて、その中で倒れ る。わたしが彼らに災いをもたらすからだ。それは 彼らの罰の年である、と主は言われる。
13わたしはサマリアの預言者たちの愚かさを見た。 彼らはバアルによって預言し、わたしの民イスラエ ルを迷わせた。
14わたしはエルサレムの預言者たちのうちに恐ろし い事を見た。彼らは姦淫を行い、偽りの道を歩み、 また悪を行う者の手を強めて、だれもその悪から立 ち返らないようにしている。わたしにとって彼らは みなソドムのようであり、そこに住む者はゴモラの ようだ。
15それゆえ、万軍の主は預言者たちについてこう言 われる。「見よ、わたしは彼らに苦よもぎを食べさ せ、彼らに胆汁の水を飲ませる。エルサレムの預言 者たちから汚れた行いが全地に広がったからであ る。」
16万軍の主はこう言われる、「あなたがたに預言す る預言者たちの言葉に耳を傾けてはならない。彼ら はあなたがたをむなしくし、主の口から出たもので はなく、自分の心の幻を語るのである。
17彼らはなおも、わたしを侮る者たちに言う、「主 は、『あなたたちは平安を得る』と言われた」。ま
た、自分の心の思いに従って歩むすべて者たちに言 う、「あなたたちに災いは下らない」。
18だれが主の計りごとに立ち、その言葉を認めて聞 いたか。だれが主の言葉を心に留めて、それを聞い たか。
19見よ、主の激しいつむじ風、激しいつむじ風が出 て、悪者の頭に激しく打ち下ろす。
20主の怒りは、主がその心に思い描いたことを成し 遂げるまでは、再び起らない。末の日に、あなたた ちはそれを十分に考えなければならない。
21わたしはこれらの預言者を遣わさなかったが、彼 らは走り、わたしは彼らに語らなかったが、彼らは 預言した。
22しかし、もし彼らがわたしの助言に従い、わたし の民にわたしの言葉を聞かせていたなら、彼らはそ の悪い道と悪い行いから民を立ち返らせたであろう。
23主は言われる、「わたしは近くの神なのか、遠い 神ではないのか。」
24主は言われる、「だれかが隠れた所に身を隠して、 わたしに見られないようにすることができようか。 わたしは天と地に満ちているではないか」と主は言 われる。
25わたしは預言者たちの言うことを聞いた。彼らは わたしの名を使って偽りの預言をし、「わたしは夢 を見た、わたしは夢を見た」と言っている。
26偽りを預言する預言者たちの心には、いつまでこ のようなことが残っているのでしょうか。彼らは自 分の心の偽りを預言しているのです。
27彼らは、先祖がバアルのためにわたしの名を忘れ たように、自分たちの夢を隣人に語って、わたしの 民にわたしの名を忘れさせようとしている。
28夢を見る預言者は夢を語れ。わたしの言葉を持つ 者は、わたしの言葉に忠実に語れ。もみ殻と麦とは 何の関係があるのかと主は言われる。
29主は言われる、「わたしの言葉は火のようではな いか。岩を打ち砕く槌のようではないか。」
30それゆえ、見よ、わたしは、わたしの言葉を隣人 から盗む預言者たちに敵対する、と主は言われる。
31見よ、わたしは、舌を用いて「彼はこう言ってい る」と言う預言者たちに敵対する、と主は言われる。
32見よ、わたしは偽りの夢を預言し、それを語り、 その偽りと軽率さによってわたしの民を迷わせる者 たちの敵である、と主は言われる。しかし、わたし は彼らを遣わしたのではなく、彼らに命じたのでも ない。それゆえ、彼らはこの民に何の益ももたらさ ない、と主は言われる。
33この民、あるいは預言者、あるいは祭司があなた に尋ねて、「主の重荷は何ですか」と言うとき、あ なたは彼らに答えなければならない、「どんな重荷 ですか。わたしはあなたたちを捨てる」と主は言わ れる。
34また、預言者と祭司と民が『主の重荷』と言うな らば、わたしはその人とその家を罰する。
エレミヤ
35あなたがたは、おのおのその隣り人、おのおのそ の兄弟にこう言いなさい、『主は何と答えられたか。 主は何と語られたか。
36あなたたちは主の重荷を、もう口にしてはならな い。各人の言うことは、その人の重荷となるからで ある。あなたたちは、生ける神、万軍の主、われら の神の言葉を曲げたからである。
37あなたは預言者にこう言いなさい。『主はあなた に何と答えられましたか。主は何と語られましたか。
38しかし、あなたがたが『主の重荷だ』と言ってい るから、主はこう言われる。『あなたがたは『主の 重荷だ』と言っているが、わたしはあなたがたに人 をつかわして、『あなたがたは『主の重荷だ』と言 ってはならない』と言わせた。
39それゆえ、見よ、わたしはあなたを完全に忘れ、 あなたとあなたの先祖に与えた町を捨て、わたしの 前からあなたを追い出す。
40そして、わたしは永遠の恥辱と、忘れられること のない永遠の恥辱をあなたに与える。
第24章
1バビロンの王ネブカデレザルがユダの王エホヤキム の子エコニヤとユダの首長たち、および木工や鍛冶 屋たちをエルサレムから捕虜として連れ去り、バビ ロンへ連れて行った後、主は私に示された。見よ、 主の宮の前に、二つの籠のいちじくが置いてあった。
2一つの籠には、初物の熟したいちじくのような非常 に良いいちじくが入っていたが、もうつのかごに は非常に悪いいちじくが入っていた。それはあまり にも腐っていて、食べられないほどだった。
3主はわたしに言われた、「エレミヤよ、あなたは何 を見るか」。わたしは答えた、「いちじくです。良 いいちじくは非常に良いものですが、悪いいちじく は非常に悪いものです。食べられないほど悪いので す」。
4主の言葉がまた私に臨んで言った、
5イスラエルの神、主はこう言われる。「これらの良 いいちじくのように、わたしはユダから捕囚されて 来た者たちを認める。わたしは彼らを、彼らの益の ためにこの場所からカルデア人の地へ追いやったの だ。」
6わたしは彼らに目を留めて、彼らをこの地に連れ戻 す。わたしは彼らを建てては倒さず、彼らを植えて は抜き取らない。
7わたしは彼らにわたしが主であることを知る心を与 える。彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神 となる。彼らは心を尽くしてわたしに立ち返るから である。
8食べられない悪いいちじくのように、それは悪い。 主はよく言われる。「わたしはユダの王ゼデキヤと その首長たち、およびこの地に残っているエルサレ ムの残りの者、およびエジプトの地に住む者に、こ のように与える。
9そして、わたしは彼らを、わたしが追いやろうとす るすべての所で、彼らに与える害悪のために、地の すべての王国に引き渡して、そしりと、ことわざ、 嘲りと、呪いとさせる。
10そして、わたしは彼らの中に剣と飢きんと疫病を 送り、わたしが彼らとその先祖に与えた地から彼ら を滅ぼしつくす。
第25章
1ユダの王ヨシヤの子エホヤキムの第四年、すなわち バビロンの王ネブカデレザルの元年に、ユダのすべ ての民についてエレミヤに臨んだ言葉。
2預言者エレミヤはユダのすべての人々とエルサレム のすべての住民にこう言いました。
3ユダの王アモンの子ヨシヤの第十三年から今日まで、 すなわち第二十三年に至って、主の言葉がわたしに 臨み、わたしは朝早く起きてあなたがたに語ったが、 あなたがたは聞き従わなかった。
4主は、そのしもべである預言者たちを皆、朝早くか らあなたたちのところに遣わされたが、あなたたち は耳を傾けず、また聞こうともしなかった。
5彼らは言った、「今、あなたがたはそれぞれその悪 い道と悪い行いから離れ、主が永遠にあなたがたと あなたがたの先祖に与えられた地に住みなさい。
6他の神々に従って仕えたり、拝んだりしてはならな い。また、あなたがたの手のわざでわたしを怒らせ てはならない。そうすれば、わたしはあなたがたに 害を加えないであろう。
7しかし、主は言われる、「あなたがたはわたしに聞 き従わず、自分の手で作った物でわたしを怒らせ、 自分自身に害を及ぼそうとしている。」
8それゆえ、万軍の主はこう言われる。「あなたがた はわたしの言葉に耳を傾けなかった。
9見よ、わたしは人をつかわして北のすべての部族と、 わたしのしもべであるバビロンの王ネブカデレザル を捕らえ、彼らをこの地と、そこに住む人々と、周 囲のすべての国々に攻め寄せ、彼らをことごとく滅 ぼし、驚きと嘲りと永遠の荒廃とさせると主は言わ れる。
10またわたしは、喜びの声と楽しみの声、花婿の声 と花嫁の声、石臼の音と、ろうそくの光を彼らから 取り去る。
11そして、この全地は荒れ果て、驚くべきものとな り、これらの国々は七十年間バビロンの王に仕える であろう。
12そして七十年が満ちると、わたしはバビロンの王 とその国民とカルデア人の地をその罪のために罰し、 それを永遠の荒廃とすると主は言われる。
13そして、わたしは、わたしがそれに対して語った すべての言葉、すなわち、エレミヤがすべての国々 に対して預言したこの書に記されているすべてのこ とを、その地にもたらすであろう。
エレミヤ
14多くの国民と大王たちも彼らから仕えるであろう。
そして、わたしは彼らの行いと、彼ら自身の手の働 きに応じて彼らに報いよう。
15イスラエルの神、主はわたしにこう言われる。
「わたしの手にあるこの激しい怒りの杯を取り、わ たしがあなたを遣わすすべての国々の民にそれを飲 ませなさい。
16彼らは酒を飲み、酔いしれ、狂うであろう。わた しが彼らの中に送る剣のせいである。
17そこで、わたしは主の手から杯を取り、主がわた しを遣わされたすべての国民に飲ませた。
18すなわち、エルサレムとユダの町々と、その王た ちと首長たちを、荒廃させ、驚愕させ、嘲笑させ、 呪わせるであろう。今日のとおりである。
19エジプトの王パロとその家臣、その首長たち、お よびそのすべての民。
20混交民、ウズの地のすべての王たち、ペリシテ人 の地のすべての王たち、アシュケロン、アザ、エク ロン、アシュドドの残りの者たち、
21エドム、モアブ、アンモン人、
22ティルスのすべての王たち、シドンのすべての王 たち、海の向こうの島々の王たち、
23デダン、テマ、ブズ、そしてすべての隅にあるも の、
24アラビアのすべての王たち、砂漠に住む混交民族 のすべての王たち、
25ジムリのすべての王たち、エラムのすべての王た ち、メディアのすべての王たち、
26北のすべての王たちも、遠い王も近い王も互いに、 また地の面にある世界のすべての王国も、彼らに続 いてシェシャクの王も飲むであろう。
27それゆえ、あなたは彼らに言いなさい。万軍の主、 イスラエルの神はこう言われる。「飲んで酔って吐 き、倒れて、二度と立ち上がってはならない。それ は私があなたがたの中に送る剣のせいである。」
28もし彼らがあなたの手にある杯を取って飲むこと を拒むならば、あなたは彼らにこう言いなさい。 『万軍の主はこう言われる。あなたたちは必ず飲む であろう。』
29見よ、わたしはわたしの名によって呼ばれる町に 災いを下し始める。それなのに、あなたがたは全く 罰を免れようか。あなたがたは罰を免れてはならな い。わたしは地に住むすべての者に対して剣を呼ぶ からだ、と万軍の主は言われる。
30それゆえ、あなたは彼らに対してこれらのすべて の言葉を預言して彼らに言いなさい。主は高い所か ら叫び、その聖なる住まいから声を発し、その住ま いに向かって力強く叫び、地に住むすべての者に向 かって、ぶどうを踏む者のように叫び声をあげる。
31主は諸国の民と争い、すべての肉なる者と争われ るので、地の果てにまで騒ぎが及ぶであろう。主は 悪者どもを剣に渡される、と主は言われる。
32万軍の主はこう言われる、「見よ、災いは国々か ら国々へと出て行き、大いなる旋風が地の果てから 起るであろう。
33その日には、主に殺された者たちが地の果てから 地の果てまでいる。彼らは嘆き悲しまれることも、 集められることも、埋葬されることもなく、地面に 糞として捨てられる。
34羊飼いたちよ、泣き叫べ。群れの長たちよ、灰の 中で転げ回れ。あなたたちの虐殺と追放の日は終っ たからだ。あなたたちは美しい器のように倒れる。
35羊飼いたちは逃げ場を失い、群れの長たちも逃れ ることができない。
36羊飼いの叫び声と、群れの長の泣き叫ぶ声が聞こ える。主が彼らの牧草地を荒らされたからだ。
37そして、平和な住まいは主の激しい怒りによって 破壊される。
38主は獅子のようにその隠れ場を捨てられた。彼ら の国は、圧制者の凶暴さと、その激しい怒りのゆえ に荒れ果てた。
第26章
1ユダの王ヨシヤの子エホヤキムの治世の初めに、主 から次のような言葉があった。
2主はこう言われる。「主の宮の庭に立ち、主の宮に 礼拝に来るユダのすべての町々に、私があなたに命 じるすべての言葉を彼らに告げよ。言も省略して はならない。
3もし彼らが聞き従い、それぞれその悪い道から離れ るならば、わたしは彼らの行いの悪いゆえに彼らに 下そうとしている悪を思い直すであろう。
4あなたは彼らに言いなさい。主はこう言われる。 「もしあなたがたがわたしに聞き従わず、わたしが あなたがたの前に定めた律法に歩まないならば、
5わたしのしもべである預言者たちの言葉に耳を傾け なさい。わたしは彼らを朝早く起きてあなたがたに 遣わしたが、あなたがたは聞き従わなかった。
6そのとき、わたしはこの家をシロのようになり、こ の町を地のすべての国々の呪いとする。
7そこで祭司たち、預言者たち、そしてすべての民は、 エレミヤが主の宮でこれらの言葉を語るのを聞いた。
8主がエレミヤに命じられたことを、エレミヤがすべ ての民に語り終えたとき、祭司、預言者、すべての 民は彼を捕らえて言った、「あなたは必ず死ぬでし ょう」。
9なぜあなたは主の名によって預言して、『この宮は シロのようになり、この町は荒れ果てて住む人もな くなる』と言ったのか。民は皆、主の宮に集まって エレミヤに敵対した。
10ユダの君たちはこれらのことを聞くと、王宮から 主の宮に上り、主の宮の新しい門の入口に座った。
11そこで、祭司たちと預言者たちは、首長たちとす べての民に告げて言った、「この男は死刑に価する。 あなたがたが耳にしたとおり、彼はこの町に対して 預言したのだ」。
12そこでエレミヤはすべての首長たちとすべての民 に言った、「主はわたしをつかわして、あなたがた
エレミヤ が聞いたすべての言葉を、この家とこの町に対して 預言させられました。
13それゆえ、今、あなたがたの道と行いを改め、あ なたがたの神、主の御声に聞き従いなさい。そうす れば、主はあなたがたに宣告した災いを思い直され るであろう。
14見よ、わたしはあなたの手の中にあります。どう か、あなたがよいと思うこと、ふさわしいことをわ たしに対して行ってください。
15しかし、あなたがたがわたしを殺すなら、あなた がた自身とこの町とその住民は、必ず罪のない者の 血を流すことになるということを、よく知っておき なさい。主は確かにわたしをあなたがたのところに 遣わし、あなたがたの耳にこれらの言葉をすべて告 げさせようとされたのです。
16そこで、首長たちとすべての民は祭司たちと預言 者たちに言った。「この人は死ぬに値しません。彼 は私たちの神、主の名によって私たちに語ったので すから。」
17そこで、国の長老たちのうちのある者たちが立ち 上がり、民の全会衆に語りかけた。
18モラシ人ミカはユダの王ヒゼキヤの時代に預言し て、ユダのすべての民に語った。「万軍の主はこう 言われる。シオンは畑のように耕され、エルサレム は石塚となり、神殿の山は森の高地のようにな る。」
19ユダの王ヒゼキヤとユダの人々は、彼を殺したで はないか。彼は主を畏れ、主に願い求め、主はヒゼ キヤが彼らに対して宣告した災いを悔い改められた ではないか。こうして、私たちは自分の魂に大きな 災いを招いてしまうかもしれない。
20また、主の名によって預言する者もいた。キルヤ テ・ヤリムのシェマヤの子ウリヤである。彼はエレミ ヤのすべての言葉のとおり、この町とこの地に対し て預言した。
21エホヤキム王とそのすべての勇士、すべての首長 たちは、ウリヤの言葉を聞いて、彼を殺そうとした。 しかしウリヤはそれを聞いて恐れ、逃げてエジプト へ行った。
22ヨヤキム王は、アクボルの子エルナタンと、彼と 共にいた数人の人々をエジプトへ遣わした。
23彼らはウリヤをエジプトから連れ出し、エホヤキ ム王のもとに連れて行った。エホヤキム王は彼を剣 で殺し、その死体を民衆の墓に投げ込んだ。
24しかし、シャファンの子アヒカムはエレミヤを助 け、民の手に彼を渡して殺させないようにした。
第27章
1ユダの王ヨシヤの子エホヤキムの治世の初めに、主 からエレミヤに次のような言葉が告げられた。
2主は私にこう言われる。「縄とくびきとを作り、そ れをあなたの首にかけよ。
4彼らに命じて、その主人に言わせなさい。『イスラ エルの神、万軍の主はこう言われる。あなたがたは 主人にこう言いなさい。
5わたしは、わたしの大いなる力と伸ばした腕によっ て、地と、地の上の人と獣を造り、わたしがふさわ しいと思う者にそれを与えた。
6そして今、わたしはこれらのすべての国をわたしの しもべであるバビロンの王ネブカデネザルの手に与 え、また野の獣も彼に仕えるように与えた。
7そして、彼の国の滅亡の時が来るまで、すべての 国々が彼とその息子、孫に仕えるであろう。そして その時、多くの国々と大王たちが彼に仕えるであろ う。
8そして、バビロン王ネブカデネザルに仕えず、バビ ロン王のくびきに首を置かない国民と王国を、わた しは剣と飢きんと疫病で罰し、ついには彼の手で滅 ぼすと主は言われる。
9それゆえ、あなたがたは預言者、占い師、夢見る者、 呪文を唱える者、呪術師に耳を傾けてはならない。 彼らはあなたがたに、『バビロンの王に仕えてはな らない』と告げる。
10彼らはあなたたちに偽りの預言をして、あなたた ちをあなたの国から遠く移そうとしている、また、 わたしがあなたたちを追い出して、あなたたちが滅 びるであろうと言っている。
11しかし、バビロン王のくびきを負って、彼に仕え る諸国の民は、わたしはなお自分たちの土地にとど まらせ、それを耕し、そこに住むようにすると主は 言われる。
12わたしはまた、ユダの王ゼデキヤに、これらのす べての言葉を告げて言った。「バビロン王のくびき を負い、彼とその民に仕えて生きなさい。
13主がバビロンの王に仕えない国民に対して言われ たように、なぜあなたとあなたの民は剣と飢きんと 疫病で死ぬのか。
14それゆえ、あなたたちはバビロンの王に仕えては ならないとあなたたちに語る預言者たちの言葉に耳 を傾けてはならない。彼らはあなたたちに偽りの預 言をしているからである。
15主は言われる、「わたしが彼らを遣わしたのでは ない。しかし彼らはわたしの名によって偽りの預言 をし、わたしがあなたたちを追い出し、あなたたち と、あなたたちに預言する預言者たちを滅ぼそうと しているのだ。」
16また、わたしは祭司たちとこのすべての民に言っ た、「主はこう仰せられる。『見よ、主の宮の器は、 まもなくバビロンから帰って来る』と預言する預言 者たちの言葉に耳を傾けてはならない。彼らはあな たがたに偽りの預言をしているからである。
17彼らの言うことを聞いてはならない。バビロンの 王に仕えて生きよ。なぜこの町は荒廃させられなけ ればならないのか。
3そして、エルサレムのユダの王ゼデキヤのもとに来 る使者の手によって、エドムの王、モアブの王、ア モン人の王、ティルスの王、シドンの王にそれを送 りなさい。
エレミヤ
18しかし、もし彼らが預言者であり、主の言葉が彼 らと共にあるならば、主の宮とユダの王の宮殿とエ ルサレムに残されている器がバビロンへ送られない ように、万軍の主に祈願しなさい。
19万軍の主は柱と海と台座と、この町に残っている 残りの器物についてこう言われる。
20バビロン王ネブカデネザルがユダの王エホヤキム の子エコニヤとユダとエルサレムのすべての貴族を エルサレムからバビロンへ捕囚として移したとき、 これを受け取らなかった。
21まことに、万軍の主、イスラエルの神は、主の宮 と、ユダの王の宮とエルサレムの王の宮に残ってい る器物についてこう言われる。
22彼らはバビロンに移され、わたしが彼らを罰する 日までそこに留まる、と主は言われる。その後、わ たしは彼らを連れ上げて、この場所に帰らせる。
第28章
1ユダの王ゼデキヤの治世の初めの年、第四年、第五 の月に、ギベオン出身の預言者アズルの子ハナニヤ が、主の宮で、祭司たちとすべての民の前で、わた しにこう言った。
2万軍の主、イスラエルの神はこう言われる、「わた しはバビロンの王のくびきを砕いた。
3バビロンの王ネブカデネザルがこの場所から奪い取 ってバビロンへ運んだ主の宮のすべての器を、わた しは満二年のうちにこの場所に持ち帰るであろう。
4わたしはユダの王エホヤキムの子エコニヤと、バビ ロンへ行ったユダのすべての捕囚民をこの場所に帰 らせる、と主は言われる。わたしはバビロン王のく びきを断ち切るからである。
5そこで預言者エレミヤは祭司たちと主の宮に立つす べての民の前で預言者ハナニヤに言った。
6預言者エレミヤも言った、「アメン。主よ、その ようになさってください。主があなたの預言された 言葉を成就し、主の宮の器と、捕囚として移された すべてのものを、バビロンからこの場所に連れ戻し てくださいますように。」
7しかし、今、わたしがあなたの耳とすべての民の耳 に語るこの言葉を聞きなさい。
8昔、私やあなたの前にいた預言者たちは、多くの 国々、大国、戦争、災い、疫病について預言しまし た。
9平和を預言する預言者の言葉が実現するとき、その 預言者は主が本当に遣わされた者であることが知ら れるであろう。
10そこで預言者ハナニヤは預言者エレミヤの首から くびきを外し、それを折った。
11ハナニヤはすべての民の前でこう言った。「主は こう仰せられる。『このように、わたしは二年の間 に、バビロン王ネブカデネザルのくびきをすべての 国の首から断ち切る。』」こうして預言者エレミヤ は去って行った。
12預言者ハナニヤが預言者エレミヤの首から軛を砕 いた後、主の言葉が預言者エレミヤに臨んで言った、
13行ってハナニヤに告げて言いなさい。『主はこう 仰せられる。『あなたは木のくびきを砕いたが、そ の代わりに鉄のくびきを作らなければならない。』
14万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「わ たしは、これらすべての国民の首に鉄のくびきをか けて、バビロンの王ネブカデネザルに仕えさせる。 彼らは彼に仕える。わたしは野の獣も彼に与え る。」
15そのとき、預言者エレミヤは預言者ハナニヤに言 った。「ハナニヤよ、聞きなさい。主があなたをつ かわされたのではない。あなたはこの民に偽りを信 じさせているのだ。」
16それゆえ、主はこう言われる。見よ、わたしはあ なたを地の面から追い出す。あなたは今年死ぬであ ろう。あなたは主に逆らうことを教えたからである。
17こうして預言者ハナニヤはその年の七月に死んだ。 第29章
1さて、これは預言者エレミヤが、捕虜として連れて 行かれた残りの長老たち、祭司たち、預言者たち、 およびネブカデネザルがエルサレムからバビロンへ 捕虜として連れて行ったすべての民にエルサレムか ら送った手紙の言葉である。
2(その後、エコニヤ王、王妃、宦官、ユダとエルサ レムの首長たち、木工、鍛冶屋たちはエルサレムか ら出発した。)
3シャファンの子エラサとヒルキヤの子ゲマルヤの手 によって、ユダの王ゼデキヤはバビロンの王ネブカ デネザルのもとに彼らを遣わしてこう言った。
4万軍の主、イスラエルの神は、わたしがエルサレム からバビロンへ移したすべての捕囚民にこう言われ る。
5あなたがたは家を建ててそこに住み、畑を作ってそ の実を食べなさい。
6あなたがたは妻をめとって息子、娘をもうけなさい。 あなたがたの息子には妻をめとり、あなたがたの娘 を夫に与えて、息子、娘を産ませなさい。そうすれ ば、あなたがたはそこで増えて、減ることはないで あろう。
7私があなたたちを捕虜として連れて行った町の平和 を求め、そのために主に祈りなさい。その町の平和 の中にあなたたちも平和を得るであろう。
8万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「あな たがたのうちにいる預言者や占い師に欺かれてはな らない。また、あなたがたが見させる夢に耳を傾け てはならない。
9彼らはわたしの名を使ってあなたがたに偽りの預言 をしている。わたしは彼らをつかわしていない、と 主は言われる。
10主はこう言われる。「バビロンで七十年が満ちた 後、わたしはあなたたちを訪れ、あなたたちに対し
エレミヤ てわたしの良い言葉を果たし、あなたたちをこの場 所に帰らせる。」
11主は言われる、「わたしはあなたがたに対して抱 いている思いを知っている。それは平和の思いであ って、災いの思いではない。あなたがたに良い終末 を与えようという思いである。」
12そのとき、あなたたちはわたしを呼び求め、わた しのもとに行って祈るであろう。わたしはあなたた ちの言うことに耳を傾けよう。
13あなたがたは心を尽くしてわたしを捜し求めれば、 わたしを見つけるであろう。
14主は言われる、「わたしはあなたがたに見つかる。
わたしはあなたがたの捕囚を解き、すべての国々か ら、わたしがあなたがたを追いやったすべての場所 から、あなたがたを集め、わたしがあなたがたを捕 囚として連れ去った場所に、あなたがたを連れ戻 す。」
15あなたがたは、『主はバビロンに預言者たちを起 こされた』と言っているからである。
16ダビデの王座に座する王と、この町に住むすべて の民と、あなたがたと共に捕囚として出られなかっ たあなたがたの同胞について、主がこのように言わ れることを知っておきなさい。
17万軍の主はこう言われる。「見よ、わたしは彼ら に剣と飢饉と疫病を送り、彼らを食べられない腐っ たいちじくのようになる。彼らは非常に悪いの だ。」
18そして、わたしは彼らを剣と飢きんと疫病で迫害 し、彼らを地のすべての王国に引き渡し、わたしが 彼らを追いやったすべての国々の中で、呪い、驚き、 嘲り、そしりとさせる。
19主は言われる、「彼らはわたしの言葉に聞き従わ なかったからである。わたしは、わたしのしもべで ある預言者たちを遣わして、朝早くからわたしの言 葉を伝えたのに、あなたがたは聞こうとしなかっ た」と主は言われる。
20それゆえ、わたしがエルサレムからバビロンへ移 した捕囚民たちよ、主の言葉を聞きなさい。
21万軍の主、イスラエルの神は、わたしの名を使っ てあなたがたに偽りの預言をしているコラヤの子ア ハブとマアセヤの子ゼデキヤについて、こう言われ る。見よ、わたしは彼らをバビロンの王ネブカデレ ザルの手に引き渡す。彼はあなたがたの目の前で彼 らを殺すであろう。
22バビロンにいるユダのすべての捕囚民は、彼らを 呪い、こう言うであろう。「主はあなたを、バビロ ンの王が火で焼いたゼデキヤやアハブのようになる であろう。
23彼らはイスラエルの中で悪事を行い、隣人の妻と 姦淫を行い、わたしが命じたことのない偽りの言葉 をわたしの名において語ったからである。わたしも それを知っており、その証人であると主は言われる。
24あなたはまたネヘラム人シェマヤにこう言いなさ い。
25万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「あ なたはエルサレムにいるすべての民と、祭司マアセ ヤの子ゼパニヤとすべての祭司に、あなたの名で手 紙を送ってこう言った。
26主は祭司エホヤダに代えて、あなたを祭司とし、 主の宮の役人とならせられた。狂って、自分を預言 者とする者があれば、あなたはその者を牢に入れ、 足かせをはめなければならない。
27それなのに、なぜアナトテのエレミヤを戒めない のですか。彼はあなたがたに預言者とされているの ですから。
28それゆえ、彼はバビロンにいるわれわれに人をつ かわしてこう言わせた。「この捕囚は長い。家を建 ててそこに住み、畑を作ってその実を食べなさ い。」
29祭司ゼパニヤはこの手紙を預言者エレミヤの耳に 読み聞かせた。
30そのとき、主の言葉がエレミヤに臨んだ。
31「捕囚から戻ってきたすべての人々に人をやって 言いなさい。『ネヘラム人シェマヤについて主はこ う言われる。シェマヤはあなたがたに預言したが、 わたしは彼を遣わしていないので、彼はあなたがた に偽りを信じさせた。
32それゆえ、主はこう言われる。「見よ、わたしは ネヘラム人シェマヤとその子孫を罰する。彼にはこ の民のうちに住む者がなく、わたしがわたしの民に 行う恵みを彼は見ることもないであろう、と主は言 われる。彼が主に対する反逆を教えたからであ る。」
第30章
1主からエレミヤに臨んだ言葉はこうである。
2イスラエルの神、主はこう言われる、「わたしがあ なたに語ったすべての言葉を、書物に書き記せ。
3主は言われる、「見よ、わたしの民イスラエルとユ ダの捕囚を帰らせる日が来る。わたしは彼らを、わ たしが彼らの先祖に与えた地に帰らせ、彼らはそれ を所有する。」
4これらは主がイスラエルとユダについて言われた言 葉である。
5主はこう言われる。「我々は震えと恐れの声を聞い たが、平和の声は聞かなかった。」
6あなたがたは今尋ねてみよ、男が子を産むかどうか 見よ。なぜわたしは、男がみな産む女のように腰に 手を当て、顔がみな青ざめているのを見るのか。
7ああ、その日は大いなる日である。これに匹敵する 日はない。それはヤコブの苦難の時である。しかし、 彼はそこから救い出される。
8万軍の主は言われる、「その日には、わたしは彼の くびきをあなたの首から断ち切り、あなたの束縛を 断ち切る。異邦人は二度と彼に仕えることはな い。」
9しかし彼らは彼らの神、主と、わたしが彼らのため に立てる王ダビデに仕えるであろう。
エレミヤ
10それゆえ、わたしのしもべヤコブよ、恐れるな、 と主は言われる。イスラエルよ、おののいてはなら ない。見よ、わたしはあなたを遠くから救い、あな たの子孫を捕囚の地から救い出す。ヤコブは帰って 来て、安らかに暮らし、何も彼を恐れさせる者はな い。
11主は言われる、「わたしはあなたを救うためにあ なたと共にいる。たとえわたしがあなたを散らした すべての国々を、わたしは完全に滅ぼしても、あな たを完全に滅ぼすことはしない。わたしは適度にあ なたを懲らしめ、あなたを罰せずにはおかない。」
12主はこう言われる。「あなたの傷は癒えず、あな たの傷は重い。」
13あなたの訴えを弁護する者はいないので、あなた は包帯を巻かれ、あなたには病気を治す薬もない。
14あなたの愛する者たちは皆、あなたを忘れ、あな たを尋ね求めない。あなたの不義が多くなり、あな たの罪が増したので、わたしは敵の傷と残忍な者の 懲罰をもってあなたを傷つけたからだ。
15あなたはなぜ自分の苦しみのために叫ぶのか。あ なたの悲しみは、あなたの罪が多すぎるために、癒 すことのできないものである。あなたの罪が増した ので、わたしはあなたにこれらの事を行ったのだ。
16それゆえ、あなたを食い尽くす者はみな食い尽く され、あなたに敵対する者はみな捕らえられ、あな たを略奪する者は略奪品となり、あなたを略奪する 者はすべて略奪品として与える。
17わたしはあなたの健康を回復させ、あなたの傷を 癒す、と主は言われる。人々はあなたを追放者と呼 び、「これは人の追い求める者もいないシオンだ」 と言ったからである。
18主はこう言われる。「見よ、わたしはヤコブの天 幕の捕囚を解放し、その住まいをあわれむ。町はそ の塚の上に建てられ、宮殿はそのように存続す る。」
19彼らの中から感謝の歌と喜びの声が出て来る。わ たしは彼らを多くするが、彼らは少なくならない。
また、わたしは彼らを栄光に輝かせるが、彼らは少 なくならない。
20彼らの子孫も以前のようになり、彼らの会衆はわ たしの前に堅く立つ。そして、わたしは彼らを虐げ る者をことごとく罰する。
21彼らの貴族は彼ら自身から出で、彼らの総督は彼 らの中から出でる。わたしは彼を近づけ、彼はわた しに近づく。わたしに近づこうと心を決めたこの者 はだれか、と主は言われる。
22あなたたちはわたしの民となり、わたしはあなた たちの神となる。
23見よ、主の旋風は激しい旋風となって出て行き、 悪者の頭に苦痛を与えて下る。
24主の激しい怒りは、主がそのことを成し遂げ、そ の心に思いを成し遂げるまでは、再び現れることは ない。あなたがたは末の日にそれを思い巡らすであ ろう。
第31章
1主は言われる、「その時、わたしはイスラエルのす べての家族の神となり、彼らはわたしの民とな る。」
2主はこう言われる、「剣を逃れて生き残った民、す なわちイスラエルは、わたしが行って、彼に安息を 与えたとき、荒野で恵みを得た。」
3主は昔からわたしに現れて言われた、「わたしは永 遠の愛をもってあなたを愛した。それゆえ、わたし は慈しみをもってあなたを引き寄せたのだ。」
4イスラエルの処女よ、わたしは再びあなたを建てる。 あなたは再び建てられる。あなたは再び太鼓で飾ら れ、喜び踊る者たちの踊りの中に出て行く。
5あなたはサマリアの山々にまたぶどうの木を植える であろう。植える者たちは植えて、それを食物のよ うに食べるであろう。
6エフライムの山の番人たちが、「立ち上がれ。シオ ンに上って、我々の神、主のもとに行こう」と叫ぶ 日が来るからだ。
7主はこう言われる。「ヤコブのために喜び歌い、諸 国の首長たちの中で叫べ。声をあげて、賛美し、主 よ、あなたの民、イスラエルの残りの者を救ってく ださいと言え。」
8見よ、わたしは彼らを北の国から連れ出し、地の果 てから集める。彼らと共に、盲人や足の不自由な者、 妊婦や産婦も連れて来る。大勢の者がそこに帰って 来る。
9彼らは泣きながら進み、わたしは願いながら彼らを 導く。わたしは彼らを水の流れのそばのまっすぐな 道に歩かせる。そこで彼らはつまずくことはない。 わたしはイスラエルの父であり、エフライムはわた しの長子だからである。
10諸国の民よ、主の言葉を聞き、遠くの島々にそれ を告げ知らせよ。「イスラエルを散らした方が、羊 飼いがその群れを守るように、彼を集めて守られ る。」
11主はヤコブを贖い、彼よりも強い者の手から彼を 贖われたからである。
12それゆえ、彼らは来て、シオンの丘で歌い、小麦、 ぶどう酒、油、羊や牛の子を求めて主の恵みに流れ 込む。彼らの魂は潤された園のようになり、彼らは もう少しも悲しまない。
13そのとき、おとめは踊りを楽しみ、若者も老人も 共に喜ぶ。わたしは彼らの悲しみを喜びに変え、彼 らを慰め、彼らの悲しみを喜ばせるからである。
14わたしは祭司たちの魂を肥えた物で満たし、わた しの民はわたしの恵みで満ち足りるであろう、と主 は言われる。
15主はこう言われる。ラマで声が聞こえた。嘆きと 激しい泣き声。ラヘルはその子供たちのために泣い たが、その子供たちがいなかったので、慰められる ことを拒んだ。
16主はこう言われる。「あなたの泣く声をやめ、あ なたの目から涙を流すのをやめよ。あなたの働きは
エレミヤ 報われるからだ、と主は言われる。彼らは敵の地か ら帰って来る。」
17そして、あなたの終わりには希望がある、と主は 言われる。あなたの子孫は再び自分たちの国境に帰 って来るであろう。
18わたしは確かにエフライムがこのように嘆くのを 聞いた。「あなたはわたしを懲らしめ、わたしは軛 に慣れない雄牛のように懲らしめられました。わた しを転じさせてください。そうすれば、わたしは転 じます。あなたはわたしの神、主だからです。」
19わたしは立ち返った後、悔い改め、戒めを受けた 後、自分の腿を打ちました。若い時の侮辱を負って いたので、わたしは恥じ、恥辱さえ受けました。
20エフライムはわたしの愛する子だろうか。彼は愛 すべき子だろうか。わたしが彼を責めて以来、わた しはなおも彼のことを思い起こしている。それゆえ、 わたしの心は彼のために痛んでいる。わたしは必ず 彼をあわれむと主は言われる。
21道標を立て、高い石塚を築け。心を大路、あなた が通った道に向けよ。イスラエルのおとめよ、立ち 返れ、あなたの町々に立ち返れ。
22ああ、信仰を捨てた娘よ、いつまでさまようのか。 主は地に新しいことを創造された。女が男を囲むの だ。
23万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「わ たしが彼らの捕囚を帰らせるとき、彼らはユダの地 とその町々で、なおこの言葉を語るであろう。正義 の住まい、聖なる山よ、主があなたを祝福されます ように。」
24ユダとそのすべての町々には農夫たちと羊の群れ を連れて出かける者たちが住むであろう。
25わたしは疲れた魂を飽き足らせ、すべての悲しむ 魂を満ち足らせたからだ。
26わたしはこれを聞いて目が覚め、そして見た。そ して、わたしは心地よく眠った。
27主は言われる、「見よ、わたしがイスラエルの家 とユダの家に人の種と獣の種を蒔く日が来る」。
28そして、わたしが彼らを引き抜いたり、打ち倒し たり、滅ぼしたり、苦しめたりするために見張って いたように、わたしは彼らを建てたり、植えたりす るために見張る、と主は言われる。
29その日には、もはや、『父親が酸っぱいぶどうを 食べたので、子どもたちの歯が浮く』とは言わない。
30しかし、人はみな自分の罪のゆえに死ぬであろう。 酸いぶどうを食べた者はみな、その歯が浮くであろ う。
31主は言われる、「見よ、わたしがイスラエルの家 とユダの家との間に新しい契約を結ぶ日が来る。
32それは、わたしが彼らの先祖たちの手を引いてエ ジプトの地から導き出した日に、わたしが彼らと結 んだ契約によるものではない。わたしは彼らの夫で あったのに、彼らはわたしの契約を破った、と主は 言われる。
33しかし、これがわたしがイスラエルの家と結ぶ契 約である。主は言われる。「それらの日の後、わた
しはわたしの律法を彼らの内に置き、彼らの心にそ れを書きつける。わたしは彼らの神となり、彼らは わたしの民となる。」
34そして、彼らはもはや、おのおのその隣人に、お のおのその兄弟に、『主を知れ』と言って教えるこ とはなくなる。なぜなら、彼らはみな、小から大に 至るまで、わたしを知るようになるからである。と 主は言われる。わたしは彼らの咎を赦し、彼らの罪 をもう思い出さないからである。
35昼の光として太陽を与え、夜の光として月と星の 秩序を与え、海の波がとどろくとき、海を分ける主 はこう言われる。その名は万軍の主である。
36主は言われる、「もしこれらの定めがわたしの前 から離れ去るならば、イスラエルの子孫もまた、わ たしの前で永遠に国民ではなくなるであろう。」
37主はこう言われる。「もし上の天を測ることがで き、下の地の基を探り出すことができるなら、わた しはイスラエルのすべての子孫を、彼らが行ったす べてのことのゆえに捨て去る」と主は言われる。
38主は言われる、「見よ、ハナネルの塔から隅の門 に至るまで、主のために町が建てられる日が来 る。」
39測りなわはさらにガレブの丘の向こうに伸び、ゴ アトまで巡るであろう。
40死体と灰の谷全体と、キデロン川の東の馬の門の 角までのすべての畑は、主の聖なる地となる。それ は永久に抜き取られることも、打ち倒されることも ない。
第32章
1ユダの王ゼデキヤの第十年、すなわちネブカデレザ ルの第十八年に、主からエレミヤに臨んだ言葉。
2当時、バビロン王の軍隊がエルサレムを包囲してお り、預言者エレミヤはユダ王の宮殿の監獄の庭に閉 じ込められていた。
3ユダの王ゼデキヤは彼を閉じ込めて言った、「なぜ あなたは預言して、『主はこう仰せられる。見よ、 私はこの町をバビロンの王の手に渡し、彼はそれを 取るであろう』と言うのか。
4ユダの王ゼデキヤはカルデア人の手から逃れること ができず、必ずバビロンの王の手に引き渡され、彼 と口と口で語り、彼の目は彼の目を見るであろう。
5彼はゼデキヤをバビロンに連れて行き、わたしが彼 を訪ねるまでそこに留まらせる、と主は言われる。 あなたがたはカルデア人と戦っても、成功しないで あろう。
6エレミヤは言った、「主の言葉が私に臨んだ。
7見よ、あなたの叔父シャルムの子ハナメルがあなた のところに来て、『アナトテにある私の畑を買い取 ってください。買い戻す権利はあなたにあります』 と言うでしょう。
8そこで、主の言葉のとおり、私の叔父の息子ハナメ ルが監獄の庭にいる私のところにやって来て、こう 言いました。「ベニヤミンの地のアナトテにある私
エレミヤ の畑を買ってください。相続権も買い戻し権もあな たのものです。自分で買ってください。」その時、 私はこれが主の言葉であることを知りました。
9そこで私は、アナトテにある叔父の息子ハナメルの 畑を買い、その代金を銀十七シェケルと量って彼に 渡した。
10そして私はその証拠に署名し、封印し、証人を立 て、はかりで金を量りました。
11そこで私は、律法と慣習に従って封印されたもの と、封印されていないものの両方を購入の証拠とし て取りました。
12そして私は、私の叔父の息子ハナメルと、購入証 書に署名した証人たち、および監獄の庭に座ってい たすべてのユダヤ人の前で、購入証書をマアセヤの 子ネリヤの子バルクに渡した。
13そこで私は彼らの前でバルクに命じて言った。
14万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「こ の買収の証拠、封印された証拠と封印されていない 証拠とを取って、土の器に入れなさい。そうすれば、 それは長い間保存されるであろう。
15万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。家と 畑とぶどう畑は再びこの地に所有される。
16さて、私はネリヤの子バルクに買収証書を渡した 後、主に祈って言った。
17ああ、主なる神よ!あなたは、あなたの大いなる 力と伸ばされた腕によって、天と地を造られました。 あなたにとってできないことは何もありません。
18あなたは千代にまで慈しみを施し、父祖の咎をそ の子孫の胸に報います。その名は大いなる力ある神、 万軍の主。
19あなたは計りごとが大きく、わざに力があります。 あなたの目は人の子らのすべての道に開かれ、おの おのにその道にしたがって、その行いの実にしたが って報いを与えられます。
20神は、エジプトの国とイスラエルとその他の人々 の中で、今日に至るまで、しるしと不思議とを行な われ、今日のように、あなたに名声を与えられてお ります。
21そして、あなたは、しるしと不思議と力強い手と 伸ばされた腕と大いなる恐怖をもって、あなたの民 イスラエルをエジプトの地から導き出されました。
22あなたは彼らの先祖たちに与えると誓われたこの 地、乳と蜜の流れるこの地を彼らに与えられた。
23彼らは入って来て、それを占領しましたが、あな たの声に聞き従わず、あなたの律法に歩まず、あな たが命じられたすべてのことを何も行わなかったた め、あなたはこのすべての災いを彼らに下されたの です。
24見よ、城砦は町を攻め取ろうとしている。そして 町は、剣と飢饉と疫病のために、これと戦うカルデ ア人の手に渡される。そして、あなたが言われたこ とは実現した。見よ、あなたはそれを見ています。
25主なる神よ、あなたはわたしにこう言われました。 「銀でその畑を買い、証人を立てなさい。この町は カルデア人の手に渡されるのですから。」
26そのとき、主の言葉がエレミヤに臨んだ。
27見よ、わたしは主、すべての肉なるものの神であ る。わたしにとってできないことが何かあるだろう か。
28それゆえ、主はこう言われる。「見よ、わたしは この町をカルデア人の手と、バビロンの王ネブカデ レザルの手に渡す。彼はこれを取るであろう。
29そして、この町と戦うカルデア人が来て、この町 に火を放ち、この町と家々を焼き払うであろう。彼 らは屋根の上でバアルに香をたき、他の神々に酒の 供え物を注ぎ、わたしを怒らせたのである。
30イスラエルの子らとユダの子らは、その幼いころ から、わたしの前に悪事ばかり行い、イスラエルの 子らはその手のわざをもってわたしを怒らせただけ だと主は言われる。
31この町は、彼らがそれを建てた日から今日に至る まで、わたしの怒りと憤りの源となってきたので、 わたしはこれをわたしの前から取り除こうとしてい る。
32イスラエルの子らとユダの子らが、わたしを怒ら せるために行ったすべての悪事のため、彼ら、彼ら の王、彼らの首長、彼らの祭司、彼らの預言者、お よびユダの人々とエルサレムの住民は、
33彼らはわたしに顔を向けず、背を向けた。わたし は朝早く起きて彼らを教えたが、彼らは教えを受け 入れることに耳を傾けなかった。
34しかし彼らは、わたしの名によって呼ばれる家に 忌まわしいものを置いて、それを汚した。
35彼らはヒンノムの子らの谷にバアルの高き所を築 いて、自分たちの息子、娘をモレクの火の中を通ら せた。これはわたしが彼らに命じたことではなく、 彼らがユダに罪を犯させるためにこのような忌まわ しいことを行うとは思いもしなかった。
36それゆえ今、イスラエルの神、主は、あなたがた が『剣と飢きんと疫病によってバビロン王の手に渡 される』と言っているこの町について、こう言われ る。
37見よ、わたしは怒りと憤りと大いなる憤りをもっ て彼らを追いやったすべての国々から彼らを集め、 彼らをこの場所に連れ戻して、安全に住まわせる。
38彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神とな る。
39わたしは彼らにつの心とつの道を与え、彼ら が永遠にわたしを畏れるようにする。それは彼ら自 身と彼らの後の子孫の益となるためである。
40わたしは彼らと永遠の契約を結び、彼らを見捨て ず、彼らに恵みを施す。また、わたしが彼らの心に 恐れを植え付けて、彼らがわたしから離れないよう にする。
41まことに、わたしは彼らのために喜び、彼らに恵 みを施し、心を尽くし、魂を尽くして、彼らをこの 地に確実に植え付けるであろう。
42主はこう言われる。「わたしがこの民にこのすべ ての大きな災いをもたらしたように、わたしが彼ら
エレミヤ に約束したすべての幸いも、わたしは彼らにもたら す。」
43あなたがたは、『ここは荒れ果てていて、人も家 畜もいない。カルデア人の手に渡される』と言って いるこの地で、畑が買われるであろう。
44ベニヤミンの地、エルサレムの周囲の地方、ユダ の町々、山地の町々、低地の町々、ネゲブの町々で、 人々は金で畑を買い、証書に署名し、それに封印し、 証人を立てる。わたしが彼らの捕囚を帰らせるから だ、と主は言われる。
第33章
1エレミヤがまだ監獄の庭に閉じ込められていたとき、 主の言葉が再び彼に臨んで言った。
2これを造られた主、これを形造り、これを堅くされ た主はこう言われる。その名は主である。
3わたしを呼び求めよ。そうすれば、わたしはあなた に答え、あなたが知らない偉大で力強いことをあな たに示すであろう。
4イスラエルの神、主は、山々と剣によって倒された この町の家々とユダの王たちの家々について、こう 言われる。
5彼らはカルデア人と戦うために来たが、それはわた しが怒りと憤りで殺した人々の死体で町を満たすた めであり、彼らのすべての悪事のためにわたしはこ の町から顔を隠したのだ。
6見よ、わたしは彼らに健康と治癒をもたらし、彼ら を癒し、彼らに豊かな平和と真理を啓示する。
7そして、わたしはユダの捕囚とイスラエルの捕囚を 帰らせ、それらを初めのように建て直す。
8わたしは、彼らがわたしに対して犯したすべての罪 から彼らをきよめ、彼らがわたしに対して犯した罪 とそむいたすべての不義を赦す。
9そしてそれは、わたしにとって、地のすべての国々 の前で、喜びの名、賛美、誉れとなるであろう。彼 らはわたしが彼らに行うすべての善を聞くであろう。
そして彼らは、わたしが彼らにもたらすすべての善 とすべての繁栄のために、恐れおののくであろう。
10主はこう言われる。「あなたがたが、人も住まず、 家畜もいない荒れ果てたと言っているこの場所で、 また次のことが聞かれる。ユダの町々とエルサレム の街路。そこは荒れ果てていて、人も住まず、家畜 もいない。
11喜びの声、楽しみの声、花婿の声、花嫁の声、万 軍の主をほめたたえよ。主は恵み深く、その慈しみ はとこしえに絶えることがない。主の宮に賛美のい けにえを携えて来る者たちの声よ。わたしは、この 国の捕囚を初めの時のように帰らせる、と主は言わ れる。
12万軍の主はこう言われる。「人も獣もいないこの 荒れ果てた場所と、そこにあるすべての町々に、羊 の群れを飼う羊飼いたちの住まいが再びできる。」
13山地の町々、平地の町々、ネゲブの町々、ベニヤ ミンの地、エルサレムの周囲の地域、ユダの町々で、
羊の群れは再びそれを告げる者の手の下を通り過ぎ る、と主は言われる。
14主は言われる、「見よ、わたしがイスラエルの家 とユダの家に約束した良いことを行なう日が来 る。」
15その日、その時に、わたしはダビデに正義の若枝 を生えさせ、彼はその国に公正と正義を実行する。
16その日には、ユダは救われ、エルサレムは安全に 住むであろう。そして、その名は「主はわれらの正 義」と呼ばれるであろう。
17主はこう言われる。「ダビデにはイスラエルの家 の王座に座る人が決して欠けることはないであろう。
18また、レビ人の祭司たちも、わたしの前に、全焼 の供え物をささげ、穀物の供え物を火でたき、絶え ず犠牲をささげる人を必要としない。
19主の言葉がエレミヤに臨んだ。
20主はこう言われる。「もしあなたがたが、わたし の昼の契約と、わたしの夜の契約を破り、その季節 に昼と夜とが存在しないようにするならば、
21そのとき、わたしのしもべダビデと結んだ契約も 破られ、彼には王位に就いて治める子が与えられず、 またわたしに仕える祭司レビ人とも契約が破られる であろう。
22天の万象が数えられず、海の砂が量れないように、 わたしはわたしのしもべダビデの子孫と、わたしに 仕えるレビ人を多くする。
23また主の言葉がエレミヤに臨んだ。
24あなたは、この民が言ったことを思い起こさない のか。「主が選んだ二つの家族を、主は捨てられた。 彼らはわたしの民を軽蔑し、もはや彼らの前で国民 とはならないようにしたのだ。」
25主はこう言われる。「もしわたしの契約が昼と夜 との間になく、わたしが天と地の定めを定めていな かったら、
26そのとき、わたしはヤコブの子孫と、わたしのし もべダビデを捨て、彼の子孫の中からアブラハム、 イサク、ヤコブの子孫の上に君主を立てることはし ない。わたしは彼らの捕囚を帰らせ、彼らに憐れみ をかけるからである。
第34章
1バビロンの王ネブカデネザルとその全軍勢、その支 配する地上のすべての王国、およびすべての民がエ ルサレムとそのすべての町々に対して戦っていたと き、主からエレミヤに臨んだ言葉はこうである。
2イスラエルの神、主はこう言われる。「行って、ユ ダの王ゼデキヤに告げて言いなさい。主はこう言わ れる。見よ、私はこの町をバビロンの王の手に渡す。 彼はこれを火で焼き払うであろう。
3あなたは彼の手から逃れることはできず、必ず捕ら えられて、彼の手に引き渡される。あなたの目はバ ビロンの王の目と見つめ、彼はあなたと口と口で語 るであろう。そしてあなたはバビロンへ行くであろ う。
エレミヤ
4しかし、ユダの王ゼデキヤよ、主の言葉を聞きなさ い。主はあなたについてこう言われる。「あなたは 剣で死ぬことはない。
5しかし、あなたは安らかに死ぬであろう。あなたの 先祖、あなたより前の王たちが焼かれたように、彼 らはあなたのために香を焚くであろう。そして彼ら はあなたを嘆き悲しんで言うであろう、「ああ、主 よ!わたしはこの言葉を発したのだ」と主は言われ る。
6預言者エレミヤはエルサレムでユダの王ゼデキヤに これらの言葉を語った。
7バビロン王の軍隊がエルサレムと、残っていたユダ のすべての町、ラキシュとアゼカに対して戦ったと き、これらの防備の固い町はユダの町のうち残って いたものであった。
8これはゼデキヤ王がエルサレムにいるすべての民と 契約を結び、彼らに解放を告げた後、主からエレミ ヤに臨んだ言葉である。
9男奴隷、女奴隷は、ヘブル人であってもヘブル人で あっても、それぞれ自由にしてあげなさい。また、 ユダヤ人の兄弟であっても、自分の奴隷として仕え てはならない。
10さて、契約を結んだすべての首長たちとすべての 民は、おのおのその男奴隷と女奴隷を解放し、誰も 二度と自分たちに仕えてはならないということを聞 いて、従って彼らを解放した。
11しかしその後、彼らは方向転換し、解放していた 奴隷やはしためを連れ戻し、奴隷やはしためとして 服従させました。
12そこで主の言葉が主からエレミヤに臨んだ、
13イスラエルの神、主はこう言われる。「わたしは あなたがたの先祖をエジプトの地、奴隷の家から導 き出した日に、彼らと契約を結んだ。
14七年経ったら、おのおの自分の兄弟で、あなたに 売られたヘブル人を去らせなさい。そして六年間あ なたに仕えた後、彼をあなたのもとから自由にしな さい。しかし、あなたがたの先祖はわたしの言うこ とを聞かず、耳を傾けもしませんでした。
15そして、あなたがたは心を変えて、わたしの目に かなう正しいことを行ない、おのおの隣人に自由を 告げ知らせ、わたしの名によって呼ばれる家で、わ たしの前で契約を結んだ。
16ところが、あなたがたは背を向けてわたしの名を 汚し、それぞれ自分の奴隷、はしため、すなわち、 あなたがたが自由にしていた者を、呼び戻して服従 させ、あなたがたの奴隷、はしためとした。
17それゆえ、主はこう言われる。「あなたたちは、 おのおのその兄弟に、またおのおのその隣り人に、 わたしの言う解放を告げることに耳を傾けなかった。
見よ、わたしはあなたたちに、剣と疫病と飢きんに 対する解放を告げる。そしてわたしはあなたたちを 地のすべての王国に移す。」
18わたしは、わたしの契約に背き、わたしの前で立 てた契約の言葉を守らなかった者たちに、子牛を二 つに切り裂き、その間を通らせ、
19ユダの首長たち、エルサレムの首長たち、宦官た ち、祭司たち、および国中のすべての民が子牛の分 け前の間を通った。
20わたしは彼らを敵の手と、彼らの命を求める者の 手に渡す。彼らの死体は空の鳥や地の獣の餌食とな る。
21わたしはユダの王ゼデキヤとその首長たちを、彼 らの敵の手、彼らの命を狙う者の手、またあなたか ら攻め上ってきたバビロン王の軍勢の手に渡す。
22主は言われる、「見よ、わたしは命じて、彼らを この町に帰らせる。彼らはこれを攻めて、これを奪 い、火で焼き払う。わたしはユダの町々を住む者の ない荒れ地とする。」
第35章
1ユダの王ヨシヤの子エホヤキムの時代に、主からエ レミヤに臨んだ言葉。
2レカブ人の家に行って、彼らに告げ、彼らを主の宮 のつの部屋に連れて行き、彼らに酒を飲ませなさ い。
3そこで私はハバジニヤの子エレミヤの子ヤアザニヤ と、彼の兄弟たち、彼のすべての息子たち、および レカブ族の全家を連れて行き、
4そこで私は彼らを主の宮、神の人イグダルヤの子ハ ナンの子孫の部屋に連れて行った。その部屋は首長 たちの部屋のそばにあり、シャルムの子で門を守る 者マアセヤの部屋の上にあった。
5そこでわたしはレカブ人の家の子らの前に、ぶどう 酒の満ちた壺と杯を置いて、彼らに言った、「ぶど う酒を飲みなさい」。
6しかし彼らは言った、「私たちはぶどう酒を飲みま せん。私たちの父レカブの子ヨナダブが私たちに命 じて、『あなたたちも、あなたたちの息子たちも、 永久にぶどう酒を飲んではならない』と言ったから です。
7あなたたちは家を建てたり、種を蒔いたり、ぶどう 畑を作ったり、また畑を持ったりしてはならない。 あなたたちは一生、天幕に住み、寄留の地で長く生 きるであろう。
8このように、私たちは父レカブの子ヨナダブが私た ちに命じたすべてのことに従い、私たちも妻も息子 も娘も生酒を飲まないことにしました。
9わたしたちの住む家を建てることもできず、ぶどう 畑も畑も種も持っていません。
10しかし、私たちは天幕に住み、父ヨナダブが私た ちに命じたことすべてに従い、それを行ってきまし た。
11しかし、バビロン王ネブカデレザルがこの地に上 って来たとき、私たちは、「カルデア人の軍隊とア ラム人の軍隊を恐れて、さあ、エルサレムへ行こ う」と言いました。こうして私たちはエルサレムに 住んでいます。
12そのとき、主の言葉がエレミヤに臨んだ。
エレミヤ
13万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「行 って、ユダの人々とエルサレムの住民に告げよ。あ なたたちはわたしの言葉に聞き従うようにという命 令を受け入れないのか、と主は言われる。」
14レカブの子ヨナダブが息子たちに、酒を飲んでは ならないと命じた言葉は実行された。彼らは今日ま で酒を飲まず、父の命令を守っている。しかし、わ たしは朝早く起きてあなたたちに語ったが、あなた たちはわたしに聞き従わなかった。
15わたしはまた、わたしのしもべである預言者たち を皆、朝早く起きてあなたたちにつかわして言った。 「今、あなたたちはそれぞれその悪い道から立ち返 り、自分の行いを改め、ほかの神々に従って仕えて はならない。そうすれば、わたしがあなたたちとあ なたたちの先祖に与えた地に住むことができる。」 しかし、あなたたちはわたしの言うことに耳を傾け ず、わたしの言うことを聞こうとしなかった。
16レカブの子ヨナダブの子らは父が命じた命令を守 ってきたが、この民はわたしに聞き従わなかった。
17それゆえ、万軍の主なる神、イスラエルの神はこ う言われる。見よ、わたしはユダとエルサレムのす べての住民に、わたしが彼らに対して宣告したすべ ての災いを下す。わたしが彼らに語ったのに、彼ら は聞かず、わたしが彼らを呼んだのに、彼らは答え なかったからである。
18エレミヤはレカブ族の家に言った。「イスラエル の神、万軍の主はこう仰せられる。『あなたがたは 父ヨナダブの命令を聞き従い、そのすべての戒めを 守り、彼があなたがたに命じたすべてのことを行っ てきた。
19それゆえ、万軍の主、イスラエルの神はこう言わ れる。レカブの子ヨナダブには、永久にわたしの前 に立つ者が欠けることはない。
第36章
1ユダの王ヨシヤの子エホヤキムの治世第四年に、主 からエレミヤに次のような言葉があった。
2あなたは巻物を取り、わたしがあなたに語った日か ら、ヨシヤの時代から今日に至るまで、イスラエル とユダとすべての国々に対して、わたしがあなたに 語ったすべての言葉をそこに書き記せ。
3ユダの家は、わたしが彼らに下そうとしているすべ ての災いを聞くかもしれない。そうすれば、彼らは みなその悪の道から立ち返るだろう。そうすれば、 わたしは彼らの咎と罪を赦すだろう。
4そこでエレミヤはネリヤの子バルクを呼び、バルク は主がエレミヤに語ったすべての言葉を巻物に書き 記した。
5エレミヤはバルクに命じて言った、「わたしは閉じ 込められていて、主の宮に入ることができません。
7彼らは主の前に嘆願を捧げ、おのおのその悪の道か ら立ち返るかもしれない。主がこの民に対して宣告 した怒りと憤りは大きいからである。
8ネリヤの子バルクはすべて預言者エレミヤが命じた とおりに行い、主の宮で主の言葉の書物を読み聞か せた。
9ユダの王ヨシヤの子エホヤキムの治世第五年の第九 の月に、エルサレムにいるすべての民と、ユダの 町々からエルサレムに来るすべての民に、主の前に 断食を布告した。
10そのとき、バルクは主の宮の、書記官シャファン の子ゲマリアの部屋、主の宮の新しい門の入口にあ る上庭で、すべての民にその書物に記されたエレミ ヤの言葉を読み聞かせた。
11シャファンの子ゲマルヤの子ミカヤは、主の言葉 をことごとく書物から聞き、
12そこで彼は王宮の書記官の部屋へ下って行った。 そこには書記エリシャマ、シェマヤの子デラヤ、ア クボルの子エルナタン、シャファンの子ゲマルヤ、 ハナニヤの子ゼデキヤ、およびすべての首長たちが 座っていた。
13そのときミカヤは、バルクが民にその書物を朗読 したときに聞いた言葉をことごとく彼らに告げた。
14そこで、すべての首長たちは、クシの子シェレム ヤの子ネタヌヤの子エフディをバルクのもとに遣わ して、「民に読み聞かせた巻物を手に取って来なさ い」と言わせた。そこで、ネリヤの子バルクは巻物 を手に取って彼らのところに来た。
15彼らはバルクに言った。「さあ、座って、それを 私たちの耳に読んで聞かせてください。」バルクは それを彼らに読んで聞かせた。
16さて、彼らはこれらの言葉をすべて聞いて、互い に恐れ、バルクに言った。「私たちはこれらの言葉 をすべて王に告げよう。」
17彼らはバルクに尋ねた。「話しなさい。あなたは どのようにして彼の口から出たこれらのすべての言 葉を書いたのですか。」
18するとバルクは彼らに答えた、「彼はこれらの言 葉をみな口でわたしに告げたので、わたしはそれを インクで書物に書き記したのです。」
19そこで首長たちはバルクに言った。「行って、あ なたとエレミヤは隠れなさい。あなたがたがどこに いるか、だれにも知られないようにしなさい。」
20彼らは宮廷に入って王のもとに行き、その巻物を 書記エリシャマの部屋に保管し、その言葉をことご とく王に告げた。
21そこで王はエフディに巻物を取って来させ、書記 エリシャマの部屋からそれを取り出した。エフディ はそれを王と、王の傍らに立つすべての高官たちの 耳に読み聞かせた。
22さて、第九の月に王は冬の家に座っていた。王の 前で炉に火が燃えていた。
6それゆえ、あなたは行って、わたしの口から書き記 した巻物に記された主の言葉を、断食の日に主の宮 にいる民の耳に読み聞かせなさい。また、町々から 出てくるユダのすべての人々の耳にも読み聞かせな ければならない。
エレミヤ
23こうして、エフディは三、四ページを読み終える と、それをペンナイフで切り、炉の火の中に投げ込 んだ。そして、その巻物全体が炉の火で燃え尽きる までになった。
24しかし、これらの言葉を聞いた王もその家臣たち も、恐れたり、衣服を引き裂いたりはしなかった。
25しかしエルナタン、デラヤ、ゲマルヤは、巻物を 焼かないように王に懇願したが、王は聞き入れなか った。
26しかし王は、ハンメレクの子エラフメエル、アズ リエルの子セラヤ、およびアブデエルの子シェレミ ヤに、書記官バルクと預言者エレミヤを連れて行く ように命じたが、主は彼らを隠された。
27王が巻物を焼き、バルクがエレミヤの口によって 書き記した言葉を記した後、主の言葉がエレミヤに 臨んだ。
28あなたはまた別の巻物を取り、ユダの王エホヤキ ムが焼き払った最初の巻物にあった言葉をことごと くそれに書き記しなさい。
29あなたはユダの王エホヤキムに言いなさい、『主 はこう仰せられる。あなたはこの巻物を焼いた。な ぜそこに、『バビロンの王は必ず来て、この地を滅 ぼし、そこから人も家畜も絶やすであろう』と書い たのか。
30それゆえ、主はユダの王エホヤキムについてこう 言われる。「彼にはダビデの王座に座る者がなく、 その死体は昼は暑さに、夜は霜にさらされる。」
31わたしは、彼とその子孫とその家来たちを彼らの 罪のゆえに罰し、わたしが彼らとエルサレムの住民 とユダの人々に対して宣告したすべての災いを彼ら に下す。しかし彼らは聞き従わなかった。
32そこでエレミヤはもうつの巻物を取り、それを ネリヤの子である書記バルクに渡した。バルクは、 ユダの王エホヤキムが火で焼いた書物の言葉をすべ て、エレミヤの口から出てそれに書き記した。また、 それに似た言葉も数多く書き加えられた。
第37章
1ヨシヤの子ゼデキヤ王は、バビロンの王ネブカデレ ザルがユダの地で王としたエホヤキムの子コニヤに 代わって王となった。
2しかし、彼も、彼の家臣たちも、国の民も、主が預 言者エレミヤを通して語られた言葉に耳を傾けなか った。
3ゼデキヤ王はシェレミヤの子ユカルと祭司マアセヤ の子ゼパニヤを預言者エレミヤのもとに遣わして言 った。「今、私たちのために、私たちの神、主に祈 ってください。」
4さて、エレミヤは民衆の中に出入りしていた。彼ら は彼を牢に入れていなかったからである。
5そのとき、ファラオの軍隊がエジプトから出てきた。 エルサレムを包囲していたカルデア人は、その知ら せを聞いて、エルサレムから出発した。
6そのとき、主の言葉が預言者エレミヤに臨んだ。
7イスラエルの神、主はこう言われる。「わたしに尋 ねさせるためにあなたがたをわたしのもとに遣わし たユダの王に、こう言いなさい。見よ、あなたがた を助けるために出てきたファラオの軍隊は、エジプ トの自分の国に帰るであろう。」
8カルデア人は再び来て、この町と戦い、それを攻め 落とし、火で焼き払うであろう。
9主はこう言われる。「カルデア人は必ずわれわれか ら離れ去るだろうと言って、自分を欺いてはならな い。彼らは離れることはないのだ。」
10たとえあなたがたと戦っているカルデア人の全軍 を撃ち破り、彼らの中には負傷者しか残っていなか ったとしても、彼らはそれぞれ自分の天幕から立ち 上がり、この町を火で焼き払うであろう。
11カルデア人の軍隊がファラオの軍隊を恐れてエル サレムから撤退したとき、
12そこでエレミヤは、民の中に留まるために、エル サレムを出てベニヤミンの地へ向かった。
13彼がベニヤミンの門にいたとき、そこにはハナニ ヤの子シェレミヤの子で、名をイリヤという守備隊 長がいた。彼は預言者エレミヤを捕らえて言った、 「あなたはカルデア人のところへ落ちて行きます」。
14するとエレミヤは言った。「それは偽りだ。私は カルデア人のところへは行かない。」しかし、彼は 彼に聞き従わなかった。そこでイリヤはエレミヤを 連れて、首長たちのところへ連れて行った。
15そこで首長たちはエレミヤに対して怒り、彼を打 ち殺し、書記官ヨナタンの家の牢獄に入れた。彼ら はそこを牢獄にしていたからである。
16エレミヤが地下牢や小屋に入って、そこに幾日も 滞在していたとき、
17そこでゼデキヤ王は人をやって彼を連れ出させ、 家の中でひそかに尋ねて言った、「主から何かお告 げがありましたか」。エレミヤは答えた、「ありま す。あなたはバビロン王の手に引き渡されるであろ う」。
18エレミヤはまたゼデキヤ王に言った、「わたしが あなたに対し、あるいはあなたの家来に対し、ある いはこの民に対し、どんな罪を犯したというので、 わたしを獄に入れたのですか。
19バビロンの王はあなたにも、この地にも攻めて来 ないであろうと預言した預言者たちは今どこにいる のか。
20わが主君、王よ、どうぞ今聞いてください。どう か私の願いを聞き入れてください。どうか私を書記 官ヨナタンの家へ帰らせないでください。そうしな いと私はそこで死んでしまいます。
21そこでゼデキヤ王は、エレミヤを監獄の庭に閉じ 込め、町中のパンが尽きるまで、パン屋の通りから 毎日切れのパンを与えるように命じた。こうして エレミヤは監獄の庭に留まった。
エレミヤ 第38章
1そのとき、マッタンの子シェパティヤ、パシュルの 子ゲダリヤ、シェレミヤの子ユカル、マルキヤの子 パシュルは、エレミヤがすべての民に語った言葉を 聞いた。
2主はこう言われる、「この町に残る者は剣と飢饉と 疫病で死ぬ。しかしカルデア人の所に出て行く者は 生きる。彼は自分の命を略奪して生きるからであ る。」
3主はこう言われる、「この町は必ずバビロンの王の 軍勢の手に渡され、彼らはそれを取るであろう。
4そこで、首長たちは王に言った。「お願いです。こ の男を死刑にしてください。彼は、この町に残って いる兵士たちとすべての民にこのような言葉を語っ て、彼らの手を弱めているのです。この男はこの民 の幸福を求めず、かえって害を求めているので す。」
5するとゼデキヤ王は言った。「見よ、彼はあなたた ちの手中にある。王はあなたたちに対して何事もで きる者ではないのだ。」
6そこで彼らはエレミヤを捕らえ、監獄の庭にあるハ ンメレクの子マルキヤの地下牢に投げ込んだ。彼ら は縄でエレミヤをつり下げたが、地下牢には水はな く、泥だらけだったので、エレミヤは泥の中に沈ん でしまった。
7さて、王宮の宦官のひとりであるエチオピア人エベ ドメレクは、エレミヤが地下牢に入れられたことを 聞いた。そのとき、王はベニヤミンの門に座ってい た。
8エベドメレクは王宮から出て、王に言った。
9わが主君、王よ、この人々は預言者エレミヤに対し て悪事を働き、彼を地下牢に投げ込みました。彼は 今いる場所で飢え死にしそうです。町にはもうパン がありませんから。
10そこで王はエチオピア人エベドメレクに命じて言 った。「ここから三十人の男を連れて行き、預言者 エレミヤを死なないうちに地下牢から連れ出せ。」
11そこでエベドメレクは人々を連れて王宮の宝物庫 の下へ行き、そこから古い捨てられた服と古くて腐 ったぼろ布を取って、縄で地下牢のエレミヤのもと へ下ろした。
12エチオピア人エベドメレクはエレミヤに言った。 「今、これらの古い捨て布と、腐ったぼろ布を、あ なたの腕の穴の紐の下に入れてください。」エレミ ヤはそのようにした。
13そこで彼らは縄でエレミヤを引き上げて地下牢か ら連れ出した。エレミヤは監獄の庭に留まった。
14そこでゼデキヤ王は人をやって、預言者エレミヤ を主の宮の第三の入口に連れて行き、王はエレミヤ に言った、「私はあなたに一つ尋ねる。私に何も隠 してはならない」。
15そこでエレミヤはゼデキヤに言った、「わたしが あなたに告げたら、あなたはきっとわたしを殺され ないだろうか。また、わたしがあなたに助言を与え
たら、あなたはわたしの言うことに耳を傾けないだ ろうか。
16そこでゼデキヤ王はエレミヤにひそかに誓って言 った。「この命をわれわれの命とされた主は生きて おられる。私はあなたを殺さず、あなたの命を狙う 者たちの手にあなたを引き渡さない。」
17そこでエレミヤはゼデキヤに言った、「万軍の神、 イスラエルの神、主はこう仰せられる。『もしあな たが、確かにバビロンの王の君たちのところへ出て 行くならば、あなたの命は生き残り、この町は火で 焼かれないであろう。あなたもあなたの家も生き残 るであろう。
18しかし、もしあなたがバビロン王の君たちのとこ ろへ出かけないなら、この町はカルデア人の手に渡 され、彼らはそれを火で焼き払うでしょう。あなた は彼らの手から逃れることはできません。
19ゼデキヤ王はエレミヤに言った。「わたしはカル デア人の手に落ちたユダヤ人たちがわたしを彼らの 手に引き渡して嘲笑するのではないかと恐れてい る。」
20しかしエレミヤは言った。「彼らはあなたを救い 出すことはできない。どうか、わたしがあなたに告 げる主の声に聞き従いなさい。そうすれば、あなた は幸いを得て、あなたの魂は生きるであろう。」
21しかし、もしあなたが出て行くことを拒むならば、 主が私に示された言葉はこれです。
22見よ、ユダの王の家に残っているすべての女たち が、バビロンの王の君たちのところへ連れ出され、 その女たちは言うであろう。「あなたの友人たちは あなたを攻めて、あなたに勝った。あなたの足は泥 の中に沈んで、引き返している。」
23こうして彼らはあなたの妻たちと子供たちを皆カ ルデア人のところへ連れ出すであろう。あなたは彼 らの手から逃れることができず、バビロンの王の手 に捕らえられ、この町を火で焼くであろう。
24するとゼデキヤはエレミヤに言った。「これらの 言葉をだれにも知らせないように。そうすれば、あ なたは死ぬことはないでしょう。」
25しかし、もし首長たちが、私があなたと話したと 聞いて、あなたのところに来て、「あなたが王に言 ったことを今私たちに告げてください。それを私た ちに隠さないでください。そうすれば、私たちはあ なたを死刑にしません」と言ったら、また、王があ なたに言ったことも、
26そのとき、あなたは彼らにこう言いなさい。「私 は王の前に嘆願書を提出し、ヨナタンの家に戻って そこで死なせないように願いました。
27そこで、すべての首長たちがエレミヤのもとに来 て尋ねた。エレミヤは王が命じたすべての言葉を彼 らに告げた。それで彼らはエレミヤと話すのをやめ た。そのことが彼らには理解されなかったからであ る。
28それでエレミヤはエルサレムが陥落する日まで監 獄の庭に留まっていた。そしてエルサレムが陥落し たとき、彼はそこにいた。
エレミヤ 第39章
1ユダの王ゼデキヤの第九年、第十の月に、バビロン の王ネブカデレザルとその全軍はエルサレムに攻め 寄せ、これを包囲した。
2ゼデキヤの第十年、第四の月九日に、町は破壊さ れた。
3バビロン王のすべての首長たち、すなわちネルガ ル・シャレゼル、サムガルネボ、サルセキム、ラブサ リス、ネルガル・シャレゼル、ラブマグ、およびバビ ロン王の首長たちの残りの者たちも皆入って来て、 中門に座った。
4ユダの王ゼデキヤは彼らとすべての兵士たちを見て、 夜のうちに逃げ去り、王の園の道、二つの城壁の間 の門を通って町から出て行った。そしてゼデキヤは 平野の道から出て行った。
5しかしカルデア人の軍隊は彼らを追跡し、エリコの 平野でゼデキヤに追いついた。そして彼を捕らえて、 ハマトの地リブラにいるバビロンの王ネブカデネザ ルのもとに連行し、そこでネブカデネザルはゼデキ ヤに判決を下した。
6そこでバビロン王はリブラでゼデキヤの息子たちを 彼の目の前で殺した。またバビロン王はユダのすべ ての貴族たちも殺した。
7また彼はゼデキヤの両目を潰し、鎖で縛ってバビロ ンへ連れて行った。
8カルデア人は王宮と民の家を火で焼き、エルサレム の城壁を破壊した。
9そこで侍衛長ネブザラダンは、町に残っていた民の 残りと、彼に屈服した者、残った民の残りを捕虜と してバビロンへ連れて行った。
10しかし侍衛長ネブザラダンは、ユダの地で何も持 たない貧しい民を残して、同時に彼らにぶどう畑と 畑を与えた。
11バビロン王ネブカデレザルは、侍衛長ネブザルア ダンにエレミヤのことを命じて言った。
12彼を連れて行き、よく注意し、彼に害を加えては ならない。彼があなたに言うとおりに彼にしなさい。
13そこで侍衛の長ネブザラダンは、ネブシャスバン、 ラブサリス、ネルガルシャレゼル、ラブマグ、およ びバビロン王のすべての大臣たちを遣わした。
14彼らは人をやって、エレミヤを監獄の庭から連れ 出し、シャファンの子アヒカムの子ゲダリヤに託し て、家に連れて帰るようにさせた。こうしてエレミ ヤは民の中に住んだ。
15エレミヤが監獄の庭に閉じ込められていたとき、 主の言葉が彼に臨んだ。
16エチオピア人エベドメレクのところへ行って告げ て言いなさい。『万軍の主、イスラエルの神はこう 言われる。見よ、わたしはこの町に災いをもたらす。 幸いをもたらすためではない。それはその日にあな たの目の前で成就する。
17しかし、その日には、わたしはあなたを救う、と 主は言われる。あなたは、あなたが恐れている人々 の手に渡されることはないであろう。
18わたしは必ずあなたを救う。あなたは剣に倒れる ことはない。あなたの命はあなたの捕獲物となる。 あなたはわたしに信頼を置いているからだ、と主は 言われる。
第40章
1侍衛長ネブザルアダンがエレミヤをラマから解放し た後、エレミヤを鎖につないで、エルサレムとユダ からバビロンへ捕囚されていったすべての捕囚民の 中に入れた後、主からエレミヤに臨んだ言葉。
2そこで侍衛の長はエレミヤを捕えて言った。「あな たの神、主がこの場所にこの災いを宣告されたので す。
3今、主は言われたとおりにそれを成し遂げられた。 あなたがたが主に罪を犯し、その声に聞き従わなか ったために、この事があなたがたに臨んだのである。
4見よ、今、わたしは今日、あなたの手にあった鎖を 解き放つ。もしわたしと共にバビロンへ行くのが良 いと思われるなら、来なさい。わたしはあなたを良 くしよう。しかし、もしわたしと共にバビロンへ行 くのが悪いと思われるなら、やめなさい。見よ、こ の地はすべてあなたの前に広がっている。あなたが 行くのに良く、都合が良いと思われる所へ行きなさ い。
5彼がまだ帰って来ないうちに、彼は言った。「バビ ロン王がユダの町々の総督に任命したシャファンの 子アヒカムの子ゲダリヤのもとにも戻って、彼と共 に民の中に住みなさい。あるいは、あなたの行くの に都合が良いと思われる所へ行きなさい。」そこで 侍衛長は彼に食物と報酬を与えて、彼を去らせた。
6そこでエレミヤはミツパにいるアヒカムの子ゲダリ ヤのもとへ行き、その地に残された民の中で彼と共 に住んだ。
7さて、野にいた軍勢の長たち、彼らとその部下たち は皆、バビロンの王がアヒカムの子ゲダリヤをその 地の総督に任命し、その国の男、女、子供、貧しい 人々、すなわちバビロンに捕囚として連れて行かれ なかった者たちを彼に託したことを聞いた。
8そこで彼らはミツパのゲダリヤのもとに来た。ネタ ニヤの子イシュマエル、カレアハの子ヨハナンとヨ ナタン、タンフメトの子セラヤ、ネトファ人エファ イの子、マアカ人エザニヤ、そして彼らの部下たち であった。
9シャファンの子アヒカムの子ゲダリヤは彼らとその 部下たちに誓って言った。「カルデア人に仕えるこ とを恐れてはならない。この地に住み、バビロンの 王に仕えなさい。そうすればあなたたちは幸せにな るであろう。」
10見よ、わたしはミツパに住んで、我々のところに 来るカルデア人に仕える。しかし、あなたがたは、 ぶどう酒、夏の果物、油を集めて、それを器に詰め、 あなたがたが取った町々に住みなさい。
11同様に、モアブ、アンモン人、エドム、およびす べての国々にいるすべてのユダヤ人は、バビロンの
エレミヤ
王がユダの残りの者を残して、シャファンの子アヒ カムの子ゲダリヤを彼らの上に立てたことを聞いた。
12ユダヤ人たちは皆、追いやられたすべての場所か ら帰ってきて、ユダの地、ゲダルヤのミツパに行き、 ぶどう酒と夏の果物を大いに集めた。
13カレアの子ヨハナンと野にいた軍勢の長たちは皆、 ミツパのゲダリヤのもとに来た。
14彼に言った、「あなたは、アモン人の王バアリス がネタニヤの子イシュマエルを遣わして、あなたを 殺させようとしていることを、確かに知っています か」。しかし、アヒカムの子ゲダリヤは彼らを信じ なかった。
15そのとき、カレアの子ヨハナンはミツパでゲダリ ヤにひそかに言った。「どうか私を行かせてくださ い。ネタニヤの子イシュマエルを殺します。誰にも 知られないようにします。なぜ彼があなたを殺して、 あなたのもとに集まっているユダヤ人を皆散らし、 ユダに残っている者を滅ぼしてよいのですか。」
16しかし、アヒカムの子ゲダリヤはカレアハの子ヨ ハナンに言った。「あなたはそのようなことをして はならない。あなたはイシュマエルについて偽りを 語っているのだ。」
第41章
1さて七か月目に、エリシャマの子ネタヌヤの子で王 家の子孫であるイシュマエルと王の首長たち十人が、 ミツパにいるアヒカムの子ゲダリヤのもとに来て、 ミツパで共に食事をした。
2そこでネタニヤの子イシュマエルと彼と共にいた十 人の男たちは立ち上がり、シャファンの子アヒカム の子ゲダリヤを剣で撃ち殺した。バビロンの王はこ の国の総督に任命していた。
3イシュマエルはまた、ミツパで、ゲダリヤと共にい たすべてのユダヤ人と、そこにいたカルデア人と戦 士たちを殺した。
4彼がゲダリヤを殺した二日目に、誰もそのことを知 らなかったが、
5シェケム、シロ、サマリアから八十人の男たちが、 ひげをそり、衣服を裂き、身に傷をつけ、手に供え 物と香を携えて主の宮にやって来た。
6ネタニヤの子イシュマエルはミツパから出て彼らを 迎え、歩きながら泣きながら、彼らに出会ったとき、 彼らに言った、「アヒカムの子ゲダルヤのもとへ来 なさい」。
7彼らが町の真ん中に来たとき、ネタニヤの子イシュ マエルは、彼と彼の仲間の男たちとともに彼らを殺 し、穴の真ん中に投げ込んだ。
8しかし、彼らの中に十人の男がいて、イシュマエル に「私たちを殺さないでください。畑には小麦、大 麦、油、蜂蜜などの宝物があります」と言った。そ こでイシュマエルは彼らを殺さず、兄弟たちの間で 殺さなかった。
9さて、イシュマエルがゲダリヤのゆえに殺した人々 の死体をことごとく投げ込んだ穴は、アサ王がイス
ラエルの王バシャを恐れて造ったものであった。ネ タニヤの子イシュマエルは、殺された者たちでそれ を満たした。
10そこでイシュマエルは、ミツパにいた民の残りの 者、すなわち王の娘たちと、侍衛長ネブザルアダン がアヒカムの子ゲダリヤに託していたミツパに残っ ていたすべての民を捕虜として連れ去った。ネタニ ヤの子イシュマエルは彼らを捕虜として連れ去り、 アンモン人のもとへ渡るために出発した。
11しかし、カレアの子ヨハナンと、彼と共にいた軍 勢の長たちは、ネタニヤの子イシュマエルが行った すべての悪事を聞いて、
12そこで彼らはすべての兵士を率いて、ネタニヤの 子イシュマエルと戦うために出かけ、ギベオンにあ る大水のほとりで彼を見つけた。
13さて、イシュマエルと共にいたすべての民は、カ レアの子ヨハナンと、彼と共にいたすべての軍の長 たちを見て喜んだ。
14そこで、イシュマエルがミツパから捕虜として連 れて行った民は皆、引き返してカレアの子ヨハナン のもとへ行った。
15しかしネタニヤの子イシュマエルは八人の部下と 共にヨハナンから逃れ、アンモン人のところへ行っ た。
16そこで、カレアハの子ヨハナンと、彼と共にいた 軍勢の長たち全員、ネタニヤの子イシュマエルから ミツパから奪い返した民の残りの者全員、すなわち、 アヒカムの子ゲダリヤを殺した後、ギベオンから連 れ戻した勇士たち、女、子供、宦官たちを全員連れ て行った。
17彼らは出発して、エジプトに入るためにベツレヘ ムの近くのキムハムの家に住んだ。
18カルデア人のためである。ネタニヤの子イシュマ エルが、バビロン王がその地の総督に任命したアヒ カムの子ゲダリヤを殺したので、彼らはカルデア人 を恐れていた。
第42章
1そこで、軍勢の長たち全員、カレアの子ヨハナン、 ホシャヤの子エザヌヤ、そして民のすべては、小さ い者から大きい者に至るまで近づき、
2預言者エレミヤにこう言いました。「どうか、私た ちの願いをあなたの前に受け入れてください。そし て、私たちのために、この残りの者すべてのために、 あなたの神、主に祈ってください。あなたの目に見 られるように、私たちは大勢のうちのわずかな者し か残っていないのです。」
3そうすれば、あなたの神、主は、わたしたちの歩む べき道と、なすべき事とをわたしたちに示してくだ さるでしょう。
4すると、預言者エレミヤは彼らに言った、「わたし はあなたがたの願いを聞いた。見よ、わたしはあな たがたの言葉に従って、あなたがたの神、主に祈ろ う。主があなたがたに答えられることは何でも、わ
エレミヤ たしはあなたがたに告げよう。わたしはあなたがた に何も隠さない。」
5そこで彼らはエレミヤに言った、「あなたの神、主 があなたを私たちのところに遣わして下さるすべて の事に、私たちが従わないとしても、主が私たちの 間の真実で誠実な証人となって下さるようお願いし ます。」
6それが善であれ、悪であれ、私たちはあなたをつか わした私たちの神、主の声に従います。私たちが私 たちの神、主の声に従うとき、私たちは幸せになる でしょう。
7十日の後、主の言葉がエレミヤに臨んだ。
8そこで彼はカレアの子ヨハナンと、彼と共にいる軍 勢の長たち全員、また民の最も小さい者から最も大 きい者に至るまで全員を呼び寄せ、
9彼らに言った、「あなたがたがわたしを遣わして、 あなたがたの願いを主の前に申し上げたイスラエル の神、主はこう仰せられる。
10もしあなたがたがこの地に留まるならば、わたし はあなたがたを建てて倒さず、あなたがたを植えて 抜き取らない。わたしはあなたがたに対して行った 悪を悔いているからだ。
11あなたがたはバビロンの王を恐れてはならない。 彼を恐れてはならない、と主は言われる。わたしは あなたがたと共にいて、あなたがたを救い、彼の手 から救い出すからだ。
12そして、わたしはあなたたちに慈悲を施し、彼が あなたたちをあわれんで、あなたたちを自分の土地 に帰らせるようにしよう。
13しかし、もしあなたがたが『私たちはこの地に住 まない』と言って、あなたがたの神、主の御声に聞 き従わないならば、
14彼らは言いました。「いいえ、私たちはエジプト の地に行き、そこでは戦争を見ることも、ラッパの 音を聞くことも、パンに飢えることもありません。
私たちはそこに住むのです。」
15それゆえ、今、ユダの残りの者たちよ、主の言葉 を聞きなさい。万軍の主、イスラエルの神はこう言 われる。もしあなたがたがエジプトへ行って、そこ に寄留しようと決心するならば、
16そのとき、あなたがたが恐れていた剣がエジプト の地であなたがたに追いつき、あなたがたが恐れて いた飢きんがエジプトであなたがたに迫り、あなた がたはそこで死ぬであろう。
17エジプトへ行ってそこに滞在しようと決意するす べての人々は、剣と飢饉と疫病で死ぬであろう。彼 らのうち生き残る者は一人もおらず、わたしが彼ら に下す災いから逃れることはできない。
18万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。わた しの怒りと憤りがエルサレムの住民に注がれたよう に、わたしの憤りはあなたがたに注がれる。あなた がたは、のろいと驚きと呪いと侮辱となり、二度と この場所を見ることはないだろう。
19主はあなたたちについてこう言われる。「ユダの 残りの者よ。エジプトへ行ってはならない。私が今 日あなたたちに警告したことを、よく知れ。」
20あなたがたは、わたしをあなたがたの神、主のも とにつかわして、『わたしたちのために、わたした ちの神、主に祈ってください。わたしたちの神、主 が言われることをみなわたしたちに告げてください。 わたしたちはそれを行います』と言って、心の中で 偽善をはらんでいたのです。
21そして今、私は今日、あなたたちにそれを告げた。 しかしあなたたちは、あなたたちの神、主の声に聞 き従わず、また主が私をあなたたちのもとに遣わさ れた何事にも従わなかった。
22それゆえ、あなたがたが行って滞在しようと望む その場所で、剣と飢きんと疫病で死ぬことを、今よ く知っておきなさい。
第43章
1エレミヤが、彼らの神、主が彼を遣わして彼らに告 げさせたすべての言葉、すなわちこれらのすべての 言葉を、すべての民に語り終えたとき、
2そのとき、ホシャヤの子アザリヤ、カレアの子ヨハ ナン、およびすべての高慢な者たちはエレミヤに言 った、「あなたは偽りを言っている。私たちの神、 主はあなたをつかわして、『エジプトに行ってそこ に滞在してはならない』と言わせたのではない。
3しかし、ネリヤの子バルクは、あなたを我々に向か わせ、我々をカルデア人の手に引き渡して、殺させ、 捕虜としてバビロンへ連れて行かせようとしている。
4こうしてカレアハの子ヨハナンとすべての軍の長た ち、およびすべての民は、ユダの地に住めという主 の声に従わなかった。
5しかしカレアハの子ヨハナンとすべての軍の長たち は、追いやられていたすべての国々から帰還したユ ダの残りの者全員をユダの地に連れて行き、そこに 住まわせた。
6男、女、子供、王の娘たち、および侍衛の長ネブザ ルアダンがシャファンの子アヒカムの子ゲダリヤ、 預言者エレミヤ、ネリヤの子バルクに託したすべて の人々。
7こうして彼らはエジプトの地に入った。主の声に従 わなかったからである。こうして彼らはタフパネス にまで至った。
8そのとき、主の言葉がタフパネスでエレミヤに臨ん だ。
9大きな石を手に取り、ユダの人々の前で、タパネス のファラオの宮殿の入口にあるレンガ窯の粘土の中 にそれを隠しなさい。
10彼らに言いなさい。『万軍の主、イスラエルの神 はこう言われる。見よ、わたしは人をつかわして、 わたしのしもべであるバビロンの王ネブカデレザル を連れて行き、わたしが隠したこれらの石の上に彼 の王座を据えさせる。彼はその上に王宮の天幕を広 げる。
エレミヤ
11彼が来ると、エジプトの国を撃ち、死に至るべき 者を死に、捕囚に至るべき者を捕囚に、剣に至るべ き者を剣に引き渡すであろう。
12そして、わたしはエジプトの神々の宮に火を燃や し、彼はそれらを焼き払い、捕虜として連れ去る。 そして、羊飼いが衣服を着るように、彼はエジプト の地で身を飾り、そこから平和に出て行く。
13彼はまたエジプトの地にあるベテ・シェメシュの偶 像を打ち壊し、エジプト人の神々の家を火で焼き払 うであろう。
第44章
1エジプトの地に住むすべてのユダヤ人、すなわちミ グドル、タフパネス、ノフ、パテロス地方に住むす べてのユダヤ人に関してエレミヤに臨んだ言葉。
2万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「あな たたちは、わたしがエルサレムとユダのすべての 町々に下したすべての災いを見た。見よ、今日、そ れらは荒れ果て、そこに住む人もいない。
3彼らがわたしの怒りを誘発する悪事を犯し、香をた き、彼らもあなたがたも、あなたがたの先祖も知ら なかったほかの神々に仕えたからである。
4しかし、わたしはわたしのしもべである預言者たち を皆、朝早くからあなたたちのところにつかわして、 『ああ、わたしが憎むこの忌まわしいことをしない でください。
5しかし彼らは耳を傾けず、耳を傾けず、悪事から離 れ、他の神々に香をたかなかった。
6それゆえ、わたしの憤りと怒りは、ユダの町々とエ ルサレムの街路に注がれ、燃え上がった。そして、 それらは今日のように荒廃し、荒れ果てている。
7それゆえ今、万軍の神、イスラエルの神、主はこう 言われる。それゆえ、あなたたちはこの大いなる災 いをあなたたちの魂に下し、ユダから男も女も、子 供も乳飲み子も断ち、あなたたちのうちに人も残 さない。
8あなたがたは、自分の手で造った物でわたしを怒ら せ、エジプトの地で他の神々に香をたき、そこへ移 って住もうとしているが、それはあなたがた自身を 滅ぼし、地上のすべての国々の間で呪いと侮辱とな るためである。
9あなたがたは、あなたがたの先祖の悪と、ユダの王 たちの悪と、その妻たちの悪と、あなたがた自身の 悪と、あなたがたの妻たちの悪と、ユダの地とエル サレムのちまたで犯した悪を忘れたのか。
10彼らは今日に至るまで謙遜にならず、恐れること もなく、わたしがあなたたちとあなたたちの先祖た ちの前に立てたわたしの律法や定めを歩まなかった。
11それゆえ、万軍の主、イスラエルの神はこう言わ れる。見よ、わたしは災いのために、わたしの顔を あなたに向けて、ユダをすべて滅ぼす。
12そして、エジプトの地へ行ってそこに寄留しよう と決意しているユダの残りの者をわたしは取る。彼 らはみなエジプトの地で滅ぼされ、倒れる。彼らは
剣と飢きんによって滅ぼされる。彼らは小さい者か ら大きな者に至るまで、剣と飢きんによって死ぬ。 彼らは呪い、驚き、呪い、そして恥辱となる。
13わたしはエルサレムを罰したように、エジプトの 地に住む者たちを剣と飢きんと疫病によって罰する。
14エジプトの地へ寄留するために出かけたユダの残 りの者のうち、逃れて残る者は人もいないであろ う。彼らは帰って住みたいと願っているユダの地へ 帰ることはないであろう。逃れた者以外は、誰も帰 ることはないであろう。
15そこで、妻たちが他の神々に香をたいたことを知 っているすべての男たち、そばに立っていたすべて の女たち、すなわち、エジプトの地パトロスに住む すべての民がエレミヤに答えて言った。
16あなたが主の名によって私たちに語った言葉につ いては、私たちはあなたに聞き従いません。
17しかし、私たちは、自分の口から出ることを必ず 実行し、天の女王に香をたき、酒の供え物を注ぎま す。これは、私たちや私たちの先祖、私たちの王、 私たちの首長たちが、ユダの町々やエルサレムの通 りで行ってきたことです。当時、私たちは食糧に事 欠かず、健康で、何の災いも見ませんでした。
18しかし、私たちは天の女王に香をたき、酒の供え 物を注ぐことをやめてしまったので、すべてのもの がなくなり、剣と飢きんによって滅ぼされてしまい ました。
19そして、私たちが天の女王に香をたき、彼女に酒 の供え物を注いだとき、私たちは彼女を拝むために 彼女のために菓子を作り、彼女に酒の供え物を注い だのは、私たちの男たちではなかったでしょうか。
20そこでエレミヤは、すべての民、男にも女にも、 また彼にその答えを与えたすべての民に言った。
21あなたがたと、あなたがたの先祖、あなたがたの 王、あなたがたの首長たち、および国の民がユダの 町々やエルサレムの街路でたいた香を、主は覚えて おられなかったか。また、心に留められなかったか。
22あなたがたの行いの悪と、あなたがたが行った忌 まわしい行いのために、主はもはや耐えることがで きず、それゆえ、あなたがたの国は今日のように、 住む人もいない荒れ地、驚きの地、呪いの地となっ ている。
23あなたがたが香をたき、主に対して罪を犯し、主 の声に聞き従わず、その律法と定めと定めに歩まな かったために、今日のように、この災いがあなたが たに起こったのです。
24エレミヤはまたすべての民とすべての女たちに言 った、「エジプトの地にいるすべてのユダの人々よ、 主の言葉を聞きなさい。
25万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「あ なたたちと、あなたたちの妻たちは口で誓い、手で それを果たして言った。『私たちは、天の女王に香 をたき、これに酒の供え物を注ぐという誓いを、必 ず果たす。あなたたちは必ず誓いを果たし、誓願を 必ず果たす。
エレミヤ
26それゆえ、エジプトの地に住むユダのすべての 人々よ、主の言葉を聞きなさい。見よ、わたしはわ たしの大いなる名にかけて誓う、と主は言われる。
エジプト全土で、ユダの人の口に、わたしの名が再 び唱えられて、「主なる神は生きておられる」と言 われることは、二度とないであろう。
27見よ、わたしは彼らを、善のためにではなく、災 いのために見守る。エジプトの地にいるユダの人々 は皆、剣と飢饉によって滅ぼされ、ついには絶滅す る。
28しかし、剣を逃れた少数の者はエジプトの地から ユダの地に戻る。そして、エジプトの地に滞在して いるユダの残りの者全員は、私の言葉が立つのか、 彼らの言葉が立つのかを知るであろう。
29主は言われる、「わたしがこの場所であなたたち を罰することは、あなたたちへのしるしとなる。わ たしの言葉が必ずあなたたちに災いをもたらすこと を、あなたたちが知るためである。」
30主はこう言われる。「見よ、わたしはエジプトの 王パロ・ホプラを、その敵の手と、その命を狙う者の 手に渡す。わたしがユダの王ゼデキヤを、その敵で あり、その命を狙うバビロンの王ネブカデレザルの 手に渡したように。」
第45章
1預言者エレミヤがネリヤの子バルクに語った言葉。 これはユダの王ヨシヤの子エホヤキムの治世の第四 年に、エレミヤの口によって書物に書き記されたも のである。
2バルクよ、イスラエルの神、主はあなたにこう言わ れる。
3あなたは言った、「ああ、わたしは災いだ。主はわ たしの悲しみに悲しみを加えられた。わたしは嘆き の中で弱り果て、安らぎを得られない。」
4あなたは彼にこう言いなさい、『主はこう言われる。
「見よ、わたしは建てたものをこわし、わたしの植 えたものを抜き取る。この全地を。」
5あなたは自分のために大きなことを求めるのか。そ れを求めてはならない。見よ、わたしはすべての肉 なる者に災いをもたらす、と主は言われる。しかし、 あなたがどこへ行っても、わたしはあなたの命を捕 獲物としてあなたに与える。」
第46章
1異邦人に対して預言者エレミヤに臨んだ主の言葉。
2エジプトに対しては、エジプト王ファラオネコの軍 隊に対してであった。ファラオネコの軍隊は、カル ケミシュのユフラテス川のほとりにいたが、ユダ の王ヨシヤの子エホヤキムの治世の第四年に、バビ ロンの王ネブカデレザルによって撃ち破られたので ある。
3大盾と盾を整えて戦いに臨め。
4馬に馬具をつけ、騎兵たちよ、立ち上がれ。兜をか ぶって出陣せよ。槍を整え、山賊の鎧を着けよ。
5なぜわたしは彼らが恐れおののき、退き去るのを見 たのか。彼らの勇士たちは打ち負かされ、急いで逃 げ去り、振り返らない。恐怖が周囲にあったからだ、 と主は言われる。
6足の速い者も逃げることができず、勇士も逃げるこ とができず、彼らはつまずいてユフラテス川の北 の方に倒れる。
7洪水のようにわき上がり、その水が川のように動く この者はだれか。
8エジプトは洪水のように湧き上がり、その水は川の ように動く。そして彼は言う、「わたしは上って行 って、地を覆い、町とその住民を滅ぼそう」。
9馬よ、進軍せよ。戦車よ、奮起せよ。勇士たちは出 陣せよ。盾を扱うエチオピア人、リビア人、弓を取 り、弓を張るリディア人。
10これは万軍の主なる神の日、復讐の日である。主 が敵に復讐される日である。剣は食らいつき、彼ら の血で満ち足りて酔う。万軍の主なる神は、北の国、 ユーフラテス川のほとりでいけにえを捧げられるか らである。
11エジプトの娘、処女よ、ギレアデに上って行って 乳香を取りなさい。あなたは多くの薬を使っても無 駄だ、あなたは癒されないだろう。
12諸国の民はあなたの恥を聞き、あなたの叫びは国 中に満ちている。勇士が勇士につまずき、両者とも に倒れたからだ。
13主が預言者エレミヤに告げられた言葉。バビロン の王ネブカデレザルが来て、エジプトの国を撃つと いうこと。
14エジプトで告げ知らせ、ミグドルで布告し、ノフ とタフパネスで布告し、言いなさい。「しっかり立 って備えよ。剣があなたの周囲を焼き尽くすから だ。」
15なぜあなたの勇士たちは追い払われたのか。彼ら は立つことができなかった。主が彼らを追い払われ たからだ。
16彼は多くの者を倒し、互いに倒れ合った。そして 彼らは言った。「立ち上がれ。そして、抑圧的な剣 から逃れて、我々の民、我々の生まれた土地へ帰ろ う。」
17彼らはそこで叫んだ。「エジプトの王ファラオは ただの騒ぎだ。定められた時を過ぎた。」
18わたしは生きている、と万軍の主と呼ばれる王は 言われる。「確かに、タボルが山々の間にあり、カ ルメルが海辺にあるように、彼は来る。」
19エジプトに住む娘よ、捕囚の身となる準備をせよ。 ノフは荒れ果て、住む人もいないからである。
20エジプトは非常に美しい雌牛のようだが、滅びが 来る。それは北から来る。
21また、その雇い人たちも肥えた雄牛のように、そ の町の中にいる。彼らもまた退いて、共に逃げ去る。 彼らは耐えることができなかった。彼らの災いの日 が、彼らの罰の時が来たからである。
エレミヤ
22その声は蛇のようになる。彼らは軍隊を率いて進 軍し、木を切り出す者のように斧を持って彼女に攻 めてくる。
23主は言われる、「彼らはその森を切り倒す。それ は探り知ることもできない。彼らはイナゴよりも多 く、数え切れないほど多いからだ。」
24エジプトの娘は恥じ入り、北の民の手に渡される であろう。
25万軍の主、イスラエルの神は言われる。「見よ、 わたしはノアの軍勢と、パロとエジプトを、彼らの 神々と王たちとともに罰する。パロと、彼に信頼す るすべての者たちを罰する。
26わたしは彼らを、その命を狙う者たちの手と、バ ビロンの王ネブカデレザルとその家臣たちの手に渡 す。その後、そこには昔のように人が住むようにな る、と主は言われる。
27しかし、わがしもべヤコブよ、恐れるな、イスラ エルよ、おののいてはならない。見よ、わたしはあ なたを遠くから救い、あなたの子孫を捕囚の地から 救い出す。ヤコブは帰って来て、安らかに暮らす。 彼を恐れさせる者はいない。
28主は言われる、「わがしもべヤコブよ、恐れるな。 わたしはあなたと共にいる。わたしがあなたを追い やったすべての国々を、わたしは完全に滅ぼす。し かし、わたしはあなたを完全に滅ぼすのではなく、 適度に懲らしめる。しかし、わたしはあなたを全く 罰しないままにはしない。」
第47章
1ファラオがガザを撃つ前に、ペリシテ人に対して預 言者エレミヤに臨んだ主の言葉。
2主はこう言われる。「見よ、北から水がわき上がり、 洪水となってあふれ、地とその中のすべてのもの、 町とそこに住む者にあふれる。そのとき、人々は叫 び、地に住む者は皆泣き叫ぶ。」
3主の力強い馬のひずめの音、主の戦車の足音、主の 車輪の響きを聞いても、父たちはその手の弱さのた めに子供たちを振り返ることはない。
4それは、ペリシテ人をすべて略奪し、ツロとシドン から残っている援助者を皆断つ日が来るからである。 主はカフトルの地に残っているペリシテ人を略奪さ れるからである。
5ガザには頭髪が生え、アシュケロンとその谷の残り の者は滅ぼされた。あなたはいつまで身を傷つける のですか。
6主の剣よ、いつまで黙っているのか。鞘に納まって 休み、静かにしていろ。
7主がアシュケロンと海岸に向かって命令を下された のに、どうして静かにしていられようか。主はそれ をそこに定められたのだ。
第48章
1万軍の主、イスラエルの神はモアブに対してこう言 われる。「ネボは災いだ。それは略奪され、キルヤ タイムは恥じ、占領され、ミスガブは恥じ、おのの いている。
2モアブの誉れはもはやなくなる。ヘシュボンでは、 彼らはモアブに対して悪事を企てている。さあ、モ アブを滅ぼしてつの国とならせよう。マドメンよ、 お前も切り倒され、剣がお前を追うであろう。
3ホロナイムから叫び声が聞こえ、略奪と大破壊が起 こる。
4モアブは滅ぼされ、その幼子らは叫び声をあげた。
5ルヒトの上り坂では、泣き声が絶えず響き渡り、ホ ロナイムの下り坂では、敵は滅びの叫び声を聞いた からだ。
6逃げて命を救い、荒野のヒースのようになりなさい。
7あなたは自分の仕事と財宝に頼っていたので、あな たも捕らえられ、ケモシュは祭司たちや首長たちと ともに捕囚されて出て行くであろう。
8略奪者はすべての町に襲いかかり、逃れる町はつ もない。主が言われたとおり、谷も滅び、平地も荒 廃する。
9モアブに翼を与えて逃げ去らせてください。その 町々は荒れ果て、そこに住む者はいなくなるからで す。
10主の御業を偽り行う者は呪われよ。血を流すこと から剣を遠ざける者も呪われよ。
11モアブは若い時から安楽に暮らし、酒粕の上に落 ち着き、器から器へと空にされることもなく、捕囚 されることもなかった。それゆえ、その味は彼の中 に残り、その香りは変わらない。
12それゆえ、見よ、わたしが彼のもとに放浪者を送 り、彼を放浪させ、彼の器を空にし、その皮袋を砕 く日が来ると主は言われる。
13そして、イスラエルの家が彼らの信頼するベテル を恥じたように、モアブはケモシュを恥じるであろ う。
14どうしてあなたたちは、『われわれは戦争におい ては勇敢で強い男たちだ』と言うのか。
15モアブは略奪され、その町々から追い出され、そ の選ばれた若者たちは虐殺のために下って行った、 と万軍の主と呼ばれる王は言う。
16モアブの災いは近づき、その苦難は急速にやって 来る。
17彼の周囲にいる者よ、皆彼を嘆き悲しめ。彼の名 を知る者よ、皆言え。「あの強い杖、あの美しい鞭 は、どうして折れてしまったのか。」
18ディボンに住む娘よ、あなたの栄光から降りて、 渇きの中に座りなさい。モアブの略奪者があなたに 襲い掛かり、あなたの要塞を破壊するからです。
19アロエルに住む者よ、道に立って探れ。逃げる者 と逃れる女に尋ねて言え、「何が起こったのか」と。
20モアブは打ち倒され、打ち砕かれた。泣き叫び、 アルノンで告げよ。モアブは略奪された。
エレミヤ
21そして、平野に裁きが下った。ホロン、ヤハザ、 メファアテに。
22ディボン、ネボ、ベト・ディブラタイム、
23キルヤタイム、ベトガムル、ベトメオン、
24また、ケリオテ、ボズラ、およびモアブの地のす べての町々、遠い町も近い町も。
25モアブの角は折れ、その腕は折られた、と主は言 われる。
26彼を酔わせよ。彼は主に対して高ぶったからだ。 モアブもまたその吐いた物の中で転げ回り、彼もま た嘲笑される。
27イスラエルはあなたにとって嘲りではなかったか。
彼は盗賊の中に見つかったではないか。あなたが彼 について語ったときから、あなたは喜び躍り上がっ たのだ。
28モアブに住む者たちよ、町々を去って岩の間に住 み、穴の口の端に巣を作る鳩のようになれ。
29わたしたちはモアブの高ぶりを聞いた。彼は非常 に高慢である。その高慢と傲慢と高慢と心の傲慢と を。
30主は言われる、「わたしは彼の怒りを知っている。 しかし、それはそうならない。彼の偽りはそうなら ない。」
31それゆえ、わたしはモアブのために泣き叫び、モ アブ全体のために叫ぶ。わたしの心はキルヘレスの 人々のために嘆く。
32シブマのぶどうの木よ、わたしはヤゼルの涙とと もにあなたのために泣く。あなたの植物は海を越え、 ヤゼルの海にまで達している。あなたの夏の果実と 収穫の実を、略奪者が襲った。
33喜びと楽しみは豊かな畑とモアブの地から取り去 られ、わたしは酒ぶねから酒を絶やした。だれも喜 びながら足を踏み入れることはなく、彼らの喜びは 喜びではなくなる。
34ヘシュボンの叫び声からエレアレ、ヤハツに至る まで、彼らはその声を発し、ツォアルからホロナイ ムに至るまで、三歳の雌牛のように声を発した。ニ ムリムの水も荒れ果てているからである。
35またわたしはモアブにおいて、高き所で供え物を する者と、その神々に香をたく者とをやめさせる、 と主は言われる。
36それゆえ、わたしの心はモアブのために笛のよう に鳴り響き、わたしの心はキルヘレスの人々のため に笛のように鳴り響く。彼が得た富が消え失せたか らだ。
37すべての頭は禿げ、すべてのひげは剃られ、すべ ての手には切り傷があり、腰には荒布を着けるであ ろう。
38モアブのすべての家の屋根の上や通りには、嘆き の声が響き渡る。なぜなら、わたしはモアブを、喜 びのない器のように打ち砕いたからだ、と主は言わ れる。
39彼らは叫び声をあげて言う。「なんと崩れ去った ことか。なんとモアブは恥じて背を向けたのか。」 モアブは周囲のすべての者の嘲りと不安の的となる。
40主はこう言われる。「見よ、彼は鷲のように飛び、 モアブの上に翼を広げる。」
41ケリオテは陥落し、要塞は奇襲され、その日、モ アブの勇士たちの心は、苦悩する女の心のようにな る。
42モアブは主に対して誇大な態度をとったので、民 として滅ぼされるであろう。
43モアブに住む者よ、恐れと穴と罠があなたに臨む、 と主は言われる。
44恐れから逃げる者は穴に落ち、穴から起き上がる 者はわなに捕らえられる。わたしがモアブに、彼ら に罰の年をもたらすからだ、と主は言われる。
45逃げた者たちは軍勢の前でヘシュボンの陰に立っ ていたが、ヘシュボンから火が出て、シホンの中か ら炎が出て、モアブの隅と騒ぎ立てる者たちの頭頂 を焼き尽くすであろう。
46モアブよ、災いあれ。ケモシュの民は滅びる。お 前の息子たちは捕虜となり、娘たちも捕虜となった のだ。
47しかし、わたしは後の日にモアブの捕囚を再びも たらす、と主は言われる。これがモアブに対する裁 きの始まりである。
第49章
1アンモン人について、主はこう言われる。「イスラ エルには子がいないのか。跡継ぎがいないのか。そ れなのに、なぜ彼らの王はガドを相続し、その民は その町々に住んでいるのか。
2それゆえ、見よ、主は言われる、わたしがアモン人 のラバに戦いの叫びを聞かせる日が来る。ラバは荒 れ果てた塚となり、その娘たちは火で焼かれる。そ の時、イスラエルはかつて彼の相続人であった者た ちの相続人となる、と主は言われる。
3ヘシュボンよ、泣き叫べ、アイは略奪された。ラバ の娘たちよ、叫べ、荒布を身にまとい、嘆き悲しん で垣根のそばをあちこち走り回れ。彼らの王は捕囚 となり、その祭司たちや首長たちも共に捕囚となる からだ。
4なぜあなたは谷間を誇り、あなたの谷間が流れてい るのを誇りとするのか、信仰を捨てた娘よ。彼女は 自分の宝物を信頼して、「だれが私のところに来ら れるだろうか」と言っているのに。
5見よ、わたしはあなたの周囲にいるすべての者に恐 怖を与える、と万軍の主なる神は言われる。あなた たちは皆、外に追い出される。さまよう者を拾い集 める者はいない。
6その後、わたしはアンモン人の捕囚を解放する、と 主は言われる。
7万軍の主はエドムについてこう言われる。「テマン にはもはや知恵がないのか。さとき者の計りごとは 消え失せたのか。彼らの知恵は消え失せたのか。
8デダンの住民よ、逃げよ、引き返して、奥深くに住 め。わたしがエサウに災いをもたらすからだ。わた しが彼を罰する時が来るからだ。
エレミヤ
9ぶどうを集める者たちがあなたのところに来たら、 落ち穂を残さないだろうか。盗人が夜中に来たら、 飽きるまで荒らすだろう。
10しかし、わたしはエサウを裸にし、彼の隠れ場所 を暴露した。彼は身を隠すことができず、彼の子孫 も、彼の兄弟も、彼の隣人も滅ぼされた。しかし、 彼自身は消え失せた。
11あなたの孤児たちを残しておきなさい。わたしは 彼らを生き長らえさせます。あなたの未亡人たちは わたしに信頼を置きなさい。
12主はこう言われる。「見よ、杯を飲むことを禁じ られていた者たちが、確かにそれを飲んだ。あなた は全く罰を免れるのか。あなたは罰を免れることは ない。あなたは必ずそれを飲むのだ。」
13主は言われる、「わたしはわたし自身にかけて誓 った。ボズラは荒れ地となり、恥辱となり、廃墟と なり、呪いとなる。そのすべての町は永久に廃墟と なる。」
14わたしは主からのうわさを聞いた。そして、異邦 人に使者が遣わされてこう言う。「集まって、彼女 に向かって来て、戦いに立ち上がれ。」
15見よ、わたしはあなたを諸国民の中で小さくし、 人々の中で蔑まれる者にする。
16岩の裂け目に住み、丘の頂上を保持する者よ、あ なたの恐ろしさと、あなたの心の高ぶりがあなたを 欺いている。たとえあなたが鷲のように高い巣を造 っても、わたしはあなたをそこから引きずり下ろす と主は言われる。
17エドムもまた荒廃する。そこを通る者は皆驚き、 そのすべての災害に舌打ちする。
18主は言われる、ソドムとゴモラとその近隣の町々 が滅ぼされたときのように、そこには人はひとりも 留まらず、人の子もそこに住むことはない。
19見よ、彼は獅子のようにヨルダンの波間から上っ て来て、強い者の住まいに攻め入る。しかし、わた しは彼を突然そこから逃げ出させる。わたしが彼女 の上に任命する選ばれた人は誰か。だれがわたしの ような者であろうか。だれがわたしに時を定める者 であろうか。わたしの前に立つ羊飼いは誰か。
20それゆえ、主がエドムに対して立てられた計りご とと、テマンの住民に対して立てられた計画を聞き なさい。必ず群れの最も小さい者も彼らを引き出し、 主は必ず彼らの住まいを彼らとともに荒廃させるで あろう。
21彼らの倒れる音で地は震え、その叫び声は紅海に 聞こえた。
22見よ、彼は上って来て、鷲のように飛び、ボツラ の上に翼を広げる。その日、エドムの勇士たちの心 は、苦悩する女の心のようになる。
23ダマスコについて。ハマトとアルパドは恥じ入っ ている。悪い知らせを聞いたからである。彼らは気 落ちしている。海には悲しみがあり、静まることが できない。
24ダマスコは衰弱し、逃げようと身を翻すが、恐怖 が彼女を捕らえ、産婆の苦しみと悲しみが彼女を襲 った。
25どうして賛美の町、わたしの喜びの町が残ってい ないのだろう。
26それゆえ、その若者たちはその街路で倒れ、すべ ての戦士はその日に絶え絶えになる、と万軍の主は 言われる。
27わたしはダマスカスの城壁に火を放ち、ベネハダ ドの宮殿を焼き尽くす。
28バビロンの王ネブカデレザルが撃ち破るケダルと ハツォルの王国について、主はこう言われる。「立 ってケダルに上り、東の人々を略奪せよ。」
29彼らは彼らの天幕と家畜の群れを奪い取り、幕と すべての器物とらくだを奪い取り、「恐れは四方に ある」と叫ぶ。
30ハツォルの住民よ、逃げよ、遠く離れよ、奥深く に住め、と主は言われる。バビロンの王ネブカデレ ザルがあなたたちに対して計略をめぐらし、あなた たちに対して陰謀を企てているからだ。
31主は言われる、「立ち上がって、安らかに住む裕 福な国民のところへ上れ。彼らには門もかんぬきも なく、孤独に住んでいる。」
32彼らのらくだは戦利品となり、彼らの家畜の群れ は略奪物となる。わたしは彼らを隅々まで追い散ら し、彼らの災いをその四方からもたらす、と主は言 われる。
33ハツォルは竜の住処となり、永遠に荒れ地となる。 そこには人は住まず、人の子もそこに住むことはな い。
34ユダの王ゼデキヤの治世の初めに、エラムに対し て預言者エレミヤに臨んだ主の言葉。
35万軍の主はこう言われる。「見よ、わたしは彼ら の勇士の首領であるエラムの弓を折る。」
36そして、わたしは天の四方から四方の風をエラム の上に起こし、彼らをそのすべての風の方へ散らす。 エラムの追放者が来ない国はなくなるであろう。
37わたしはエラムをその敵と、その命を求める者た ちの前におののかせる。わたしは彼らに災い、すな わちわたしの激しい怒りを下す。わたしは剣を彼ら の後に送り、彼らを滅ぼす。」と主は言われる。
38わたしはエラムに王座を据え、そこから王と君た ちを滅ぼす、と主は言われる。
39しかし、末の日に、わたしはエラムの捕囚を帰ら せるであろう、と主は言われる。
第50章
1主が預言者エレミヤを通してバビロンとカルデア人 の地に対して語られた言葉。
2あなたがたは諸国の民に告げて告げよ。告げて、旗 を立てよ。告げて、隠すな。バビロンは取られ、ベ ルは恥じ入り、メロダクは打ち砕かれた。その偶像 は恥じ入り、その像は打ち砕かれた。
エレミヤ
3北から一つの国民が攻めて来て、彼女の国を荒廃さ せ、そこに住む者はなくし、人も家畜も移住し、立 ち去るであろう。
4主は言われる、その日、その時に、イスラエルの 人々はユダの人々と共に来て、泣きながら進み出て、 彼らの神、主を求める。
5彼らは顔をそちらに向けてシオンへの道を尋ねて言 う。「さあ、忘れられることのない永遠の契約によ って、主と結ばれよう。」
6わたしの民は失われた羊である。彼らの羊飼いたち は彼らを迷わせ、山々で彼らを屈服させた。彼らは 山から丘へと移り、その安息所を忘れた。
7彼らを見つけた者は皆、彼らを食い尽くした。そし て彼らに敵対する者たちは言った。「我々は罪を犯 していない。彼らは、正義の住まい、先祖たちの希 望である主に対して罪を犯したのだ。」
8バビロンの中から立ち去れ、カルデア人の地から出 て行け。群れの前に立つ雄やぎのようになれ。
9見よ、わたしは北の国から大国の軍勢を起こしてバ ビロンに攻め上らせる。彼らはバビロンに対して備 えをし、そこからバビロンは攻め取られる。彼らの 矢は勇士の矢のようであり、無駄に帰る者はいない。
10カルデアは略奪地となり、それを略奪する者はみ な満足する、と主は言われる。
11わたしの相続地を滅ぼす者たちよ、あなたたちは 喜び、歓喜し、草を食む雌牛のように太り、雄牛の ようにほえるからだ。
12あなたの母はひどく恥じ、あなたを産んだ母は恥 じ入るであろう。見よ、諸国の末裔は荒野、乾いた 地、砂漠となるであろう。
13主の怒りによって、そこに住む者はなく、完全に 荒れ果て、バビロンを通る者は皆驚き、そのすべて の災害に舌打ちする。
14バビロンの周囲に陣を敷け。弓を張る者よ、すべ てバビロンに向かって矢を放て。矢を惜しむな。彼 女は主に対して罪を犯したからだ。
15彼女に向かって周囲で叫べ。彼女は手を貸した。
彼女の礎は崩れ、彼女の城壁は崩れ落ちた。これは 主の復讐だから。彼女に復讐せよ。彼女がしたよう に、彼女にもそうせよ。
16バビロンから種まき人と、刈り入れ時に鎌を取る 者を断ち滅ぼせ。彼らは圧倒的な剣を恐れて、おの おの自分の民のもとへ立ち返り、おのおの自分の国 へ逃げ去るであろう。
17イスラエルは散らされた羊、獅子が彼を追い払い、 まずアッシリアの王が彼を食い尽くし、最後にバビ ロンの王ネブカデレザルが彼の骨を砕いた。
18それゆえ、万軍の主、イスラエルの神はこう言わ れる。見よ、わたしはアッシリアの王を罰したよう に、バビロンの王とその国を罰する。
19そして、わたしはイスラエルをその住まいに帰ら せる。彼はカルメルとバシャンで食物を養い、エフ ライムの山地とギレアデでその魂を満たすであろう。
20主は言われる、その日、その時には、イスラエル の咎は尋ねられても見つからない。ユダの罪は、見
つけられない。わたしが残しておいた者を赦すから だ。
21主は言われる、「メラタイムの地とペコドの住民 に攻め上って行き、彼らを滅ぼし、徹底的に滅ぼし、 わたしがあなたに命じたことをすべて実行しなさ い」。
22国中に戦いの音と大いなる破壊の音が響く。
23ああ、全地の槌は切り裂かれ、砕かれた。ああ、 バビロンは諸国民の間で荒廃した。
24バビロンよ、わたしはお前に罠を仕掛けた。お前 も捕らえられた。だが、お前は気づかなかった。お 前は見つかり、捕らえられた。主と争ったからだ。
25主はその武器庫を開き、怒りの武器を取り出され た。これは万軍の主なる神がカルデア人の地でなさ る業である。
26国境の端から攻め上って、その倉を開け、それを 山のように投げ捨て、完全に滅ぼし、何も残さない ようにせよ。
27その雄牛をことごとく殺し、屠殺場へ下らせよ。 彼らに災いあれ!彼らの日、彼らの審判の時が来た のだ。
28バビロンの地から逃げて逃れる者たちの声がする。 彼らはシオンで、われらの神、主の復讐と、その宮 の復讐を告げ知らせる。
29バビロンに向かって弓を射る者を召集せよ。弓を 射る者よ、すべてバビロンの周囲に陣取り、人も 逃がすな。彼女の行いにしたがって彼女に報いよ。 彼女が行ったすべてのことに応じて、彼女にせよ。 彼女は主に対して、イスラエルの聖者に対して高慢 であったからだ。
30それゆえ、その若者たちは街路に倒れ、その戦士 たちは皆、その日に絶え絶えになると主は言われる。
31見よ、わたしはあなたに敵対する、おお、最も高 慢な者よ、と万軍の主なる神は言われる。あなたの 日が来た、わたしがあなたを罰する時が来たからだ。
32そして、最も高慢な者もつまずいて倒れ、だれも 彼を起こさせることはできない。わたしは彼の町々 に火を放ち、彼の周囲を焼き尽くすであろう。
33万軍の主はこう言われる。「イスラエルの人々と ユダの人々は共に虐げられ、彼らを捕らえた者は皆、 彼らを捕らえて放そうとしなかった。
34彼らの救い主は力強く、その名は万軍の主である。 彼は彼らの訴えを徹底的に弁護し、その地に平安を 与え、バビロンの住民を不安にさせる。
35主は言われる、「剣はカルデア人の上に、バビロ ンの住民の上に、その首長たちの上に、その賢人た ちの上に臨む。」
36偽りを言う者たちの上に剣が臨み、彼らは溺愛す る。その勇士たちにも剣が臨み、彼らは恐れおのの く。
37彼らの馬と戦車と、その中にいるすべての雑多な 民の上には剣があり、彼らは女のようになる。その 財宝の上にも剣があり、それらは奪われる。
エレミヤ
38その水には干ばつが起こり、水は干上がる。そこ は偶像崇拝の地であり、人々は偶像崇拝に狂ってい るからだ。
39それゆえ、荒野の野獣と島々の野獣がそこに住み、 ふくろうもそこに住む。そこには永久に人が住むこ とはなく、代々そこに住む者もいない。
40主は言われる、「神がソドムとゴモラとその近隣 の町々を滅ぼしたように、そこには人はひとりも留 まらず、人の子もそこに住むことはない。」
41見よ、北から民、大いなる国民が来る。そして地 の果てから多くの王たちが立ち上がる。
42彼らは弓と槍を取り、残忍で、慈悲を示さない。
彼らの声は海のようにとどろき、彼らは馬に乗り、 おのおの男のように戦いに備えて整列し、バビロン の娘よ、あなたに向かって進む。
43バビロンの王は彼らの報告を聞いて、その手は衰 え、苦しみと産みの苦しみに襲われた。
44見よ、彼は獅子のようにヨルダンのほとりから勇 士たちの住まいに上って来る。しかし、わたしは彼 らをたちまち彼女から逃げ出させる。わたしが彼女 の上に任命する選ばれた人は誰か。だれがわたしの ような者であろうか。だれがわたしに時を定める者 であろうか。わたしの前に立つ羊飼いは誰か。
45それゆえ、主がバビロンに対して立てられた計り ごとと、カルデア人の地に対して立てられた計画を 聞きなさい。必ず群れの最も小さい者も彼らを引き 出し、主は必ず彼らの住まいを彼らとともに荒廃さ せるであろう。
46バビロンが陥落する音で地は揺れ動き、諸国の間 に叫び声が聞こえる。
第51章
1主はこう言われる。「見よ、わたしはバビロンと、 わたしに敵対して立ち上がる者たちの中に住む者た ちとに、滅ぼす風を起こす。
2バビロンにあおぐ者を遣わして、それをあおいで、 その国を荒らさせる。苦難の日に、彼らはそれを四 方から攻めるからである。
3身をかがめる者に対しては、射手は弓を張れ。剣を 振り上げる者に対しては、射手は弓を張れ。その若 者たちを惜しんではならない。その軍勢をことごと く滅ぼせ。
4こうして、カルデア人の地では殺された者たちが倒 れ、その街路では突き飛ばされた者たちが倒れる。
5イスラエルは見捨てられず、ユダもその神、万軍の 主から見捨てられなかった。彼らの国はイスラエル の聖者に対する罪で満ちていたのに。
6バビロンの中から逃げ出し、おのおの自分の命を救 い出せ。彼女の罪によって滅ぼされてはならない。 今は主の復讐の時である。主は彼女に報復される。
7バビロンは主の手にある金の杯であり、全地を酔わ せた。諸国の民はその酒を飲んだので、諸国の民は 狂った。
8バビロンは突如として陥落し、滅ぼされた。彼女の ために泣き叫び、彼女の痛みのために香油を飲め。 そうすれば、彼女は癒されるかもしれない。
9わたしたちはバビロンを癒そうとしたが、まだ癒さ れていない。彼女を捨てて、わたしたちはそれぞれ 自分の国に帰ろう。彼女のさばきは天にまで及び、 雲にまで達しているからだ。
10主はわれわれの正義を示された。さあ、シオンで われわれの神、主の御業を告げ知らせよう。
11矢を輝かせ、盾を集めよ。主はメディアの王たち の心を奮い立たせられた。主の計画はバビロンに対 するものであり、これを滅ぼすことである。これは 主の復讐、その宮に対する復讐だからである。
12バビロンの城壁に旗を立て、番兵を固め、見張り を立て、伏兵を備えよ。主がバビロンの住民に対し て約束されたことを計り、実行されたからだ。
13多くの水の上に住み、財宝を豊かに蓄える者よ、 あなたの終わりは来た。あなたの貪欲さも限界に達 した。
14万軍の主は、ご自身にかけて誓って言われた。 「わたしは必ず、あなたを青虫のように人々で満た す。彼らはあなたに向かって叫び声をあげる。」
15彼はその力によって地を造り、その知恵によって 世界を堅くし、その悟りによって天を広げた。
16彼が声を発すると、天には水が満ち、地の果てか ら蒸気が立ち上る。彼は雨とともに稲妻を生じ、そ の宝庫から風を起こす。
17人は皆、その知識によって愚かであり、鋳る者は 皆、彫像によって恥じ入る。その鋳像は偽りであり、 その中に息がないからである。
18それらはむなしいものであり、誤りの産物である。 審判の時が来れば、それらは滅びるであろう。
19ヤコブの受ける分はそれらとは似ていない。彼は すべてのものの先駆者だからである。イスラエルは その嗣業の杖である。その名は万軍の主である。
20あなたはわたしの戦斧、わたしの戦いの武器です。 あなたによってわたしは国々を打ち砕き、あなたに よってわたしは王国を滅ぼします。
21わたしはお前とともに馬とその乗り手を砕き、お 前とともに戦車とその乗り手を砕く。
22わたしは、あなたと共に男も女も打ち砕き、あな たと共に老いも若いも打ち砕き、あなたと共に若い 男もおとめも打ち砕く。
23わたしはまた、あなたと共に羊飼いとその群れを 打ち砕き、あなたと共に農夫とその牛のくびきを打 ち砕き、あなたと共に長官たちと指導者たちを打ち 砕く。
24わたしはバビロンとカルデアのすべての住民に、 彼らがあなたの目の前でシオンで行ったすべての悪 を報いる、と主は言われる。
25見よ、わたしはあなたを攻める、全地を滅ぼす滅 ぼす山よ、と主は言われる。わたしは手をあなたの 上に伸ばし、あなたを岩から転げ落とし、あなたを 焼けた山にする。
エレミヤ
26彼らはあなたから隅の石、基礎となる石を一つも 取らないであろう。あなたは永遠に荒れ果てると主 は言われる。
27国に旗を立て、諸国民に向かって角笛を吹き鳴ら し、諸国民を彼女に向けて準備させ、アララテ、ミ ニ、アシュケナズの王国を召集して彼女に向かって 進ませ、彼女に対して隊長を立て、馬を毛虫のよう に進ませよ。
28諸国の民、メディアの王たち、その将軍たち、そ のすべての指導者たち、および彼の支配する全地は、 彼女に対して備えをせよ。
29そして、その地は震え、悲しみに暮れる。主がバ ビロンに対して立てた計画はすべて成就し、バビロ ンの地は住む者のない荒れ地となるからである。
30バビロンの勇士たちは戦うことをやめて、その城 壁に留まり、彼らの力は衰え、女のようになり、そ の住まいを焼き、その貫の木は砕かれた。
31一つの守備隊が他の守備隊に会い、一つの使者が 他の使者に会い、バビロンの王にその町が方の端 で陥落したことを告げる。
32そして通路は塞がれ、葦は火で焼かれ、戦士たち は恐れおののいている。
33万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「バ ビロンの娘は打ち場のようだ。今こそこれを脱穀す る時だ。もう少しすれば、その収穫の時が来る。」
34バビロンの王ネブカデレザルはわたしを食い尽く し、わたしを打ち砕き、わたしを空っぽの器とし、 竜のようにわたしを呑み込み、わたしの食物で腹を 満たし、わたしを追い出した。
35私と私の肉体に行われた暴虐はバビロンに降りか かる、とシオンに住む者は言うだろう。私の血はカ ルデアの住民に降りかかる、とエルサレムは言うだ ろう。
36それゆえ、主はこう言われる。「見よ、わたしは あなたの訴えを弁護し、あなたのために復讐する。 わたしは彼女の海を干上がらせ、彼女の泉を干上が らせる。」
37そしてバビロンは石塚となり、竜の住処となり、 驚きと嘲りの的となり、住む人もなくなる。
38彼らは獅子のように共にほえ、獅子の子のように 叫ぶであろう。
39わたしは彼らの熱中に祝宴を開き、彼らを酔わせ、 彼らが喜び楽しみ、永遠の眠りにつき、目覚めない ようにする、と主は言われる。
40わたしは彼らを、小羊がほふり場に引き渡される ように、雄羊がやぎと共に引き渡されるようにする。
41ああ、シェシャクは捕らえられた。ああ、全地の 誉れは驚かされた。ああ、バビロンは諸国民の間で 驚きの的となった。
42海はバビロンに押し寄せ、バビロンはその波の群 れに覆われた。
43その町々は荒れ果て、乾いた地、荒野となり、人 が住むことも、人の子が通ることもない地となった。
44わたしはバビロンでベルを罰し、彼が呑み込んだ ものを彼の口から出す。諸国民は再び彼のもとに流 れ込むことはなく、バビロンの城壁は崩れ落ちる。
45わたしの民よ、あなたたちはその中から出て行き、 主の激しい怒りからそれぞれ自分の命を救い出せ。
46あなたがたは気落ちし、国中に聞かれる噂を恐れ てはならない。噂は、ある年に起こり、次の年にま た起こるであろう。そして国中に、君主同士が敵対 する暴動が起こるであろう。
47それゆえ、見よ、わたしがバビロンの彫像に裁き を下す日が来る。その全土は恥じ入って、そのすべ ての殺された者はその中に倒れる。
48そのとき、天と地と、その中にあるすべてのもの はバビロンのために歌うであろう。なぜなら、略奪 者たちが北からそこに来るからである、と主は言わ れる。
49バビロンがイスラエルの殺された者たちを倒した ように、全地の殺された者たちもバビロンに倒れる であろう。
50剣をのがれた者たちよ、立ちどまることなく立ち 去れ。遠くから主を覚え、エルサレムを心に思い起 こせ。
51わたしたちは恥辱を聞いて、落胆しています。恥 がわたしたちの顔を覆っています。異邦人が主の家 の聖所に入ってきたからです。
52それゆえ、見よ、わたしが彼女の彫像に裁きを下 す日が来る、と主は言われる。そして、彼女の全土 で傷ついた者たちがうめき声を上げるであろう。
53たといバビロンが天にまで上り詰め、その要塞を 強化しても、わたしから略奪者が来る、と主は言わ れる。
54バビロンから叫び声が聞こえ、カルデア人の地か ら大いなる破壊が起こる。
55主はバビロンを滅ぼし、そこから大いなる声を絶 やされた。その波が大水のようにとどろくとき、そ の声の響きが響く。
56略奪者がバビロンに臨み、その勇士たちは皆捕ら えられ、彼らの弓はことごとく折られた。主なる神 は必ず報復されるからだ。
57そして、わたしはその首長たち、知者たち、将軍 たち、支配者たち、勇士たちを酔わせる。彼らは永 遠の眠りにつき、目覚めることはない、と万軍の主 と呼ばれる王は言われる。
58万軍の主はこう言われる。「バビロンの堅固な城 壁は完全に破られ、その高い門は火で焼かれる。 人々はむなしく労苦し、民は火の中にいて疲れ果て る。
59これは、ユダの王ゼデキヤの治世の第四年に、マ アセヤの子ネリヤの子セラヤがゼデキヤと共にバビ ロンに入城したとき、預言者エレミヤが彼に命じた 言葉である。セラヤは穏やかな君主であった。
60それでエレミヤはバビロンに臨むすべての災い、 すなわちバビロンに対して書かれたこれらのすべて の言葉を書物に書き記した。
エレミヤ
61エレミヤはセラヤに言った、「あなたがバビロン へ行って、これらの言葉をみな見て読むとき、
62その時、あなたは言うであろう、『主よ、あなた はこの場所を滅ぼし、人も家畜もそこには残らず、 永遠に荒れ果てた状態となるようにと言われたので す。』
63あなたがこの書物を読み終えたら、それに石を結 びつけて、ユフラテス川の中に投げ入れなさい。
64あなたは言うであろう。「バビロンはこのように 沈み、わたしが下す災いから立ち上がることはない。 彼らは疲れ果てる。」ここまでがエレミヤの言葉で ある。
第52章
1ゼデキヤは王位に就いたとき二十一歳で、エルサレ ムで十年間、王位にあった。彼の母はリブナ出身 のエレミヤの娘で、名をハムタルといった。
2彼はエホヤキムが行ったすべてのことと同様に、主 の目に悪とされることを行った。
3主の怒りによってエルサレムとユダが主の前から追 い払われたとき、ゼデキヤはバビロンの王に対して 反逆した。
4バビロンの王ネブカデレザルは、その治世の第九年、 十の月、その月の十日に、その全軍勢を率いてエル サレムに攻め入り、これを攻め囲み、周囲に砦を築 いた。
5こうしてその町はゼデキヤ王の治世の第十一年まで 包囲された。
6そして第四の月、その月の九日に、飢きんが町にひ どく起こり、その地の民に食物がなかった。
7すると町は破壊され、戦士たちは皆逃げ出し、夜の うちに、王の庭園に面した二つの城壁の間の門を通 って町から出て行った。カルデア人は町の周囲に陣 取っていた。そして平野の道を通って逃げた。
8しかし、カルデア人の軍隊は王を追撃し、エリコの 平野でゼデキヤに追いついた。そして、彼の全軍は 彼から散り散りになった。
9そこで彼らは王を捕らえ、ハマトの地のリブラにい るバビロン王のもとへ連行した。そこで王は王に対 して判決を下した。
10バビロン王はゼデキヤの息子たちを彼の目の前で 殺し、またユダのすべての首長たちをリブラで殺し た。
11そこで彼はゼデキヤの目を潰し、バビロンの王は 彼を鎖で縛り、バビロンへ連れて行き、死ぬ日まで 牢獄に入れた。
12さて、バビロン王ネブカデレザルの治世第十九年、 五月十日に、バビロン王に仕える侍衛の長ネブザル アダンがエルサレムに着いた。
13そして主の宮と王宮を焼き、エルサレムのすべて の家と高貴な人々の家をことごとく火で焼き払った。
14そして、侍衛長の率いるカルデア人の全軍はエル サレムの周囲の城壁をすべて破壊した。
15そこで侍衛長ネブザラダンは、民の中の貧しい者 と、町に残った残りの者と、バビロン王の手に落ち た者と、残りの群衆とを捕虜として連れ去った。
16しかし侍衛長ネブザラダンはその地の貧しい者た ちの部を、ぶどう栽培者と農夫として残しておい た。
17また、カルデア人は主の宮にあった青銅の柱と台 座、および主の宮にあった青銅の海を打ち砕き、そ のすべての青銅をバビロンへ運び去った。
18彼らはまた、なべ、十能、心切りばさみ、鉢、さ じ、および彼らが奉仕に用いたすべての青銅の器を 取り去った。
19そして、鉢、火皿、鉢、大なべ、燭台、スプン、 杯、金でできたものは金の中に、銀でできたものは 銀の中に、侍衛の長は持ち去った。
20ソロモン王が主の宮に造った二本の柱、つの海、 および台座の下の十二の青銅の雄牛。これらのすべ ての器の青銅の重さは量り知れなかった。
21柱については、本の柱の高さは十八キュビト、 それを囲む周縁部は十二キュビト、その厚さは四本 の指で、中は空洞であった。
22その上には青銅の柱頭があり、つの柱頭の高さ は五キュビトで、柱頭の周囲には網細工とザクロが 飾られており、すべて青銅製であった。第二の柱と ザクロもこれと同じものであった。
23その辺には九十六個のザクロがあり、その網細 工の上のザクロは全部で周囲百個であった。
24そこで侍衛長は祭司長セラヤと次席祭司ゼパニヤ と三人の門衛を捕らえ、
25彼はまた、兵士たちの監督をしていた宦官と、町 の中にいた王の側近七人と、国の民を召集していた 軍隊の筆頭書記官と、町の中にいた国の民六十人を 町から連れ出した。
26そこで侍衛長ネブザラダンは彼らを捕らえ、リブ ラにいるバビロン王のもとへ連れて行った。
27バビロン王は彼らを打ち破り、ハマトの地リブラ で殺した。こうしてユダは自分の国から捕囚として 連れ去られた。
28ネブカデレザルが捕虜として連れて行った民は次 のとおりである。第七年にユダヤ人三千二十三人。
29ネブカデレザルの治世第十八年に、彼はエルサレ ムから八百三十二人を捕虜として連れ去った。
30ネブカデレザルの治世第二十三年に、侍衛長ネブ ザルアダンはユダヤ人七百四十五人を捕虜として連 れ去った。その総数は四千六百人であった。
31ユダの王エホヤキンが捕囚されてから三十七年目 の十二の月二十五日に、バビロンの王エビルメロダ クはその治世の第年に、ユダの王エホヤキンの首 を上げて牢獄から引き出した。
32そして彼に親切に語りかけ、彼の王座をバビロン で彼と共にいた王たちの王座よりも高くした。
33そして獄衣を着替え、生涯、前で絶えずパンを食 べ続けた。
34彼の食事としては、バビロンの王から彼の生涯に わたって死ぬ日まで毎日定の食事が与えられ続け た。