ずなりの゚ンドヌくん

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倧森 圩加

河井 圩花

朚根 景人 圩乃  唯銙

August, 2022

倧西 矎月

Endo-kun By My Side

加藀 文俊

西谷

篠原

束井

束䞋 竜倧

山本

山䞭 萌矎

ずなりの゚ンドヌくん

凜

慶應矩塟倧孊

䞃海

池本 次朗

加藀文俊研究宀線

會田 倪䞀

もくじ はじめに.......................................................................................................... 2 たちを通じお関係性の倉化を知る 4   マップ印象的な䌚話が発生した堎所..................................... 6 ぱっちえんどう.............................................................................................. 8   マップぱっちえんどうルヌトマップ 10 Dear Endo....................................................................................................12   マップ手玙を曞いた堎所.......................................................... 14 たずっお、あう 16   マップちがう着方で歩いお芋る............................................. 18 おわりに....................................................................................................... 20 を思案する。のような経路を蟿っお目的の堎所に向かえばいいのか。人ずのかかわり堎所を探したりする。家にいるのか、出かけるのか。い぀出かけお、どられるのだ。そのために、がくたちは、玄束をする。時間を調敎したり、る。぀たり、時間ず空間が盞たっお、コミュニケヌションの珟堎が぀くいうたでもなく、コミュニケヌションは、い぀か・どこかでおこなわれ 衚玙 マップ/むラスト山本 凜, 2022

から、これからの日垞生掻を考える詊みである。

加藀 文俊

堎のチカラ プロゞェクト

もちろん、初めおのこずではない。だが、ずっず疑いなく 受け容れおきたはずの日垞が、なんだかちがっお芋えおく るような、䞍思議な感芚をおがえた。

こうした倉化は、〈オンラむンか察面か〉ずいう察比によっ おずらえられるこずが倚い。「3幎ぶり」ずいうこずばが倚 甚され、画面越しのコミュニケヌションから解攟されたこ ずを喜ぶ。䜕気ない仕草や、間合いなど、身䜓が果たし おいた圹割をあらためお実感しおいる。がくたちのコミュ ニケヌションには、非蚀語的な手がかりは欠かすこずが できず、文字どおり立䜓的にお互いを理解するこずの䟡 倀を味わっおいる。

家の「倖」に出るだけで、なんだか嬉しい気持ちになる。 そんな感芚を味わうこずになるずは、想像もしおいなかっ た。しばらく、あたり家から出るこずもなく、平板な画面 ばかりを眺めお過ごすこずが倚かった。 2022幎の春、 がくたちは、通勀、通孊のある毎日を過ごすようになった。

車窓を流れる颚景

いた述べたように、COVID-19の圱響䞋での暮らしのな かに、少しず぀物理的な移動の機䌚が増えおきた。 長らく䌑んでいた身䜓をなじたせ぀぀、あらためお通勀経 路に぀いお考えおみた。がくの堎合は、クルマで通勀す るこずが倚いずくにこの2幎は公共亀通機関をなるべく 避けるようにしおいる。いうたでもなく、通勀のドラむブ で倧切なのは、家ずキャンパスずの間をできるだけ効率 的に移動するこずだ。もちろん快適であるこずも求めたい が、景色を味わったり気たぐれに寄り道したりする䜙裕は ない。むしろ、そうした誘惑に負けないように枋滞情報を 確認し、時間に遅れないように家を出発する。 順調にいけば、1時間ほどのドラむブでキャンパスに到着 する。い぀も同じルヌトなので、同じ颚景が車窓を流れ る。季節の倉化には気づくが、家ずキャンパスずの〈あい だ〉に぀いおはほずんど実態的な理解がない。ずりわけ 倧半は高速道路を走っおいるので、どちらかずいうず単調 で個性を感じるこずのない颚景を眺めおいる。くり返しお いるうちに、移動の〈あいだ〉は、たんに消費する時間ず しお考えるようになる。 がくは、䞀人の通勀者ずしお高速道路を行き来しおいる。 じ぀は倚くの人の日垞生掻から、高速道路のようすは芋え づらくなっおいる。そもそも高架であれば目は届かないし、

人ずのかかわりを思案する。このプロゞェクトは、〈オンラ むンか察面か〉のみならず、〈停留か移動か〉ずいう芳点

いうたでもなく、コミュニケヌションは、い぀か・どこか でおこなわれる。぀たり、時間ず空間が盞たっお、コミュ ニケヌションの珟堎が぀くられるのだ。そのために、が くたちは、玄束をする。時間を調敎したり、堎所を探し たりする。家にいるのか、出かけるのか。い぀出かけお、 どのような経路を蟿っお目的の堎所に向かえばいいのか。

はじめに

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停留ず移動

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防音壁に遮られおいれば、クルマの埀来は隠されおした う。だから、高速道路は、点圚するむンタヌチェンゞを 結ぶ「線」ずしお理解されるこずになる。高速道路を降り たら、こんどはキャンパスたでの「線」を蟿るだけだ。

2022幎床春孊期は、キャンパスをずりたく遠藀地域を「ず なりの゚ンドヌくん」ず呌び、フィヌルドワヌクを実斜す るこずにした。これたでは、どこかランドマヌクずなる 建物などを䞭心に半埄500メヌトルの円を描き、その 䞭をくたなく歩き回るような悉皆調査の方法を䜕床か採 甚しおきた。今回は、「遠藀」を察象地に蚭定した。「゚ ンドヌくん」の茪郭を描いただけで、キャンパスのすぐ南 偎は茅ヶ厎垂に接しおいるこずに、いたさらながら気づく。 知らないこずは、たしかめよう。身䜓を぀かっお、「芪密 で芋知らぬ堎所」の理解を創造しよう。 孊期をずおしお、4぀のグルヌプが、それぞれの個性的 な方法で、「゚ンドヌくん」をずらえた。この冊子は、そ の成果をたずめたものである。党䜓をずおしお、「芪密性」 ず「匿名性」をキヌワヌドに〈停留ず移動〉のありようを 読み解くこずができるかもしれない。 *1 ゚リック・クリネンバヌグ2021『集たる堎所が必芁だ孀立 を防ぎ、暮らしを守る「開かれた堎」の瀟䌚孊』英治出版 *2 富田英兞2009『むンティメむト・ストレンゞャヌ「匿名性」ず「芪 密性」をめぐる文化瀟䌚孊的研究』関西倧孊出版郚

芪密で芋知らぬ堎所

クリネンバヌグは、『集たる堎所が必芁だ』のなかで、キャ ンパスの成り立ちは、さたざたな理由で防埡的になり、 倧孊関係者ず近隣に暮らす人びず地域瀟䌚ずの緊匵 関係を生む可胜性があるこずを瀺唆しおいる *1。たしか に、がく自身は、森に守られた安党なキャンパスで日々を 過ごしおきたが、界隈をあたり知らない。緊匵関係では ないものの、地域瀟䌚ずは切断されおいるように思える。

キャンパスは、藀沢垂遠藀神奈川県にある。がくたち は、キャンパスに芪密さを感じながらも、じ぀は界隈をよ く知らない。富田は、「芪密性」ず「匿名性」ずいう芳点 から「むンティメットストレンゞャヌ芪密な芋知らぬ他人」 ずいう抂念を導出し、メディア環境の理解を詊みおいる *2。これを物理的な環境に転甚しお考えるず、遠藀は「芪 密で芋知らぬ堎所」ずも呌ぶべき存圚だずいえるだろう。 慣れ芪しんだキャンパスの「倖」に螏み出せば、がくたちは、 すぐさた名も無い存圚に倉わる。知っおいおもよさそうな のに、ほずんど知らない間柄だ。

界隈ぞの関心

孊生たちも、キャンパスの近所に䜏んでいれば別だが、キャ ンパスず駅ずの〈あいだ〉にかんするむメヌゞは垌薄なの ではないだろうか。 いわゆる「孊生街」がキャンパスを取り囲んでいるわけで はないので、孊生たちは、もっぱら森の䞭に匕きこもりそ れなりに居心地がいいこずはたしかだ、〈あいだ〉を迂回 しお駅に向かう。これが、郊倖型キャンパスの宿呜なの だろうか。「地域に開かれたキャンパス」を暙抜するずき、 じ぀は、キャンパスの界隈にこそ目を向けるこずが、求め られおいるはずだ。

がく自身の通勀経路は、家ずキャンパスを結ぶひず筋の 「線」なのであっお、長きにわたっお、この線䞊をなるべく 早く行き来するこずがルヌティンずなっおいる。途䞭で立 ち寄るのは、コンビニずガ゜リンスタンドくらいだ。さら にいえば、がくたちが通うキャンパスは、朚々に囲たれお いる。ちょうど高速道路のようすが芋えないのず同じで、 キャンパスは森に隠されおいるかのようだ。

堎のチカラ プロゞェクト

䞊蚘の枠組みは、グルヌプワヌクを進める䞊で䜕らかの ヒントになるのではないかず感じた。たた、事前に履修 課題で読んでいた『集たる堎所が必芁だ』*2を思い出し、 遠藀ずいうフィヌルドを通じお「集たる堎所」ずいうコン セプトに぀いお考えおいくこずにした。私たちは「集たる 堎所」からさらにむメヌゞを膚らたせ、「人ず぀ながりたい ず思える堎所」を考えおいくこずにした。そしお、遠藀で 人ず぀ながりたいず思える堎所を探すためには、どのよう な調査の方法ラボラトリヌが適しおいるかを、探ろ うずした。 たちぞの近づき方ず人ぞの近づき方 私たちはコンセプトに぀いお議論を重ねおいたのだが、 最初の進捗共有のプレれンで、先生や先茩から「コンセ

河井は敎備された歩道を䜕床も歩き、倧森は気になった 堎所を思うたたに進み、束䞋は事前に歩く堎所を決め、 その範囲内を歩いた。䞉者䞉様の歩き方をし、着目しお いるものもさたざたであった。歩いた範囲や反応したも の、歩いた頻床などを共有し、違いに泚目する䞭で、た ちぞの近づき方は人ぞの近づき方に䌌おいるずいう気づ きを埗た。䟋えば、敎備された歩道を䜕床も歩いた河井 は、新しい人に出䌚った時にも積極的に近づこうずはせず、 時間ず共に銎染もうずする。気になった所をどんどん歩い た倧森は、初察面にさたざたな話題に觊れ、気が合いそ うな人を芋極めおいく。事前に歩く範囲を決めた束䞋は、 共通の話題を探しおから話しかける。たた、「切り抜き゚ ンドヌくん」越しに撮圱した写真を芋るず、河井は道路の 写真、倧森は怍物の写真、束䞋は建造物の写真が倚い ずいう特城があった。 このように、たちを知る䞊での姿勢ず、人間関係の慎重

プトは事前に決めお出かけるのではなく、珟堎で芋぀け るべき」ずいうアドバむスをいただいた。そこで、事前に「䜕 を芋たいか」「䜕を芋るか」を決めるこずはやめ、メンバヌ がたちをみるための共通した方法(=ラボラトリヌ)を持っ た䞊で遠藀を歩き、泚目した点をたずめるこずにした。そ れぞれの、たちの芋え方の違いを芋るため、人が別々 に遠藀を歩くこずにした。そしお、ポストカヌドを人型に 切り抜いた「切り抜き゚ンドヌくん」越しに写真をずるず いう共通の方法を蚭蚈した。

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「ラボラトリヌ」を考えるマツシタくんずアダカちゃん

たちを通じお関係性の倉化を芋る

倧森 圩加・河井 圩花・束䞋 竜倧

私たちはたず、「ずなりの゚ンドヌくん」ずいうタむトルず、 党䜓で共有された資料を元に、今孊期のグルヌプワヌク のテヌマの意図ず方向性に぀いお話し合った。私たちが 最初に話し合い、最埌たで重芁芖した内容ずしお、「フィヌ ルド・ラボラトリヌ・コンセプト」がある。これは、資料『「ラ ボラトリヌ」ずデザむン』*1 を参考に理解を深めた。も のごずを、芳察可胜領域であるフィヌルド、䞍可芖領域 であるコンセプト、これらふた぀を぀なぐ操䜜可胜領域で あるラボラトリヌに分けるこずで、仮説を䜜りながら思考 しおいくための枠組みである。

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さには、類䌌が芋られ、たた着目しおいるものもそれぞれ の関心に応じおさたざたであった。この違いをおもしろい ず感じたため、さらに深堀をし、興味関心分野やこれた での経隓を共有しおいくず、人が党く違う人間関係の築 き方をしおきたこずに気が぀いた。

人で歩いた

盞倉わらず、進みたい道も興味を持぀ものもバラバラな 人だったが、別々に歩いおいた時ず同じように歩いた 道のログや撮った写真を共有しおいおも、話は「なぜそ れに泚目したのか」ではなく、「その道を歩いおいた時に 話しおいたこず」や「その写真を撮っおいた時のお互い の様子」などが䞭心ずなった。地図を芋るだけで、そこ での䌚話や人の空気感を鮮明に思い出し、「この信号 埅ちはぎこちなかった」「この道で䌚話が盛り䞊がった」 など、遠藀ずいう堎所を通じお人の関係性を芋るこずが できた。

䜓隓のおすそ分け

繰り返し歩く䞭で遠藀の地図はただの無機質なものでは なくなっおいた。遠藀の地図を芋るず、人でした䌚話 を思い出す。それらの䌚話は、どれも他愛もないもので あるが、これたではバスで通り抜けるばかりで銎染みの ないたちだった遠藀に遠藀に私たちの蚘憶の断片が散ら ばっお、自分が歩いたずいう事実を実感できるたちに倉 わっおいた。私たちは、遠藀を媒介にしお、人の関係 性を築いおいった。

そこで、次に私たちは、人の関係性、぀たり「集たり方」 に぀いお考えおみるこずにした。そのために、別々に歩く こずをやめ、「切り抜き゚ンドヌくん」を持ちながら䞀緒 に歩くこずでお互いのこずを知ろうずした。

月、私たちは合蚈4回、人で䞀緒に遠藀を歩いた。

*1  加藀文俊2017「ラボラトリヌ」ずデザむン問題解決から 仮説生成ぞ『SFC Journal』第17巻第1号pp. 110-130 *2 ゚リック・クリネンバヌグ2021『集たる堎所が必芁だ孀 立を防ぎ、暮らしを守る「開かれた堎」の瀟䌚孊』英治出版

孊期の終わり、私たちはこの䜓隓を人以倖の誰かに届 けたいず思った。頭に浮かんだのは、なかなか䌚うこず のできないおばあちゃんのこずだった。倧孊進孊を機に 䞊京し、距離が遠くなったこずに加えお、新型コロナりむ ルスの圱響が重なっお気軜に䌚うこずができなくなっおし たったが、おばあちゃんはい぀も私たちのこずを気にかけ おくれおいる。そんなおばあちゃんに春孊期のグルヌプ ワヌクの様子を届けるこずで、倧孊生掻を楜しく過ごしお いるずいうこずを䌝えお安心しおもらいたいず思った。 そこで䜜成したのが、遠藀の地図を分割したポストカヌ ドセットだ。「䜓隓を分け䞎える」ずいう意味ず「おばあ ちゃんに宛おる」ずいう意味を蟌めお「endo ate 」ずい う名前を぀けた。䜓隓をおすそ分けするために、ポスト カヌドの衚面には「歩いた道」を色付け、「印象的な䌚 話が発生した堎所」をプロットした遠藀の地図をのせた。 裏面には、衚面のプロットず察応しお「どんな䌚話をした か」を挔劇の脚本をヒントに蚘茉した。こうするこずで、 どんな堎所でどんな䌚話をしたかがわかり、私たちの春 孊期の掻動を远䜓隓できるものにした。枚のポストカヌ ドセットは、枚ず぀おばあちゃんに送る぀もりだ。分割 しお少しず぀送る仕様にするこずで、おばあちゃんに䜕床 も手玙を出す理由ができる。蚘憶の断片が散らばった遠 藀の地図を、思い出のパズルを完成させるようなむメヌ ゞで届けられるずいう点が気に入っおいる。

| 6 | 堎のチカラ プロゞェクト 印象的な䌚話が発生した堎所 ❹ ❞ ❻ ❺ ❜ ❌ ❶ 11❟ ❷ ず静かに぀ぶやいた。た。せおいるたわりが朚々に囲たれおいる道を歩いおいるず、牛を乗❜牛さんありがずう、食べ物に感謝牛さんありがずう、食べ物に感謝「肉のさくらい」ず曞かれたトラックが傍を通っそれを芋た倧森は「牛さんありがずう、食べ物に感謝」❟マザヌ牧堎で同期ず喧嘩したしたマザヌ牧堎で同期ず喧嘩したした现い道に入り、坂を登ったずころには牛の小屋があった。それをみお倧森は、幎前にららぜヌずのマザヌ牧堎で、同期ずかなり激しい喧嘩をした過去を思い出しお、話し始めた。

い出し、か぀おの思い出を語った。゜ヌスに浞かった゚スカルゎを思芋た倧森はサむれリダのバゞルるカタツムリを芋぀け草むらでアルミホむルに乗っおい様に長い信号埅ちの最人通りがほずんどない亀差点で異怒られた❌゚スカルゎがドブみたいず蚀っお゚スカルゎがドブみたいず蚀っお䞭、河井がた。それを にこう蚀った。ずがなかった。沈黙に耐えられなくなった河井は、束䞁床倉わっおしたった信号を埅っおいる間、特に話すこ❺おもしろい話しおおもしろい話しお䞋「りゅうだいくんおもしろい話ししお」。❶靎が濡れるから行きたくない靎が濡れるから行きたくない山道は少し急で、前日たで雚が降っおいたため、氎溜たりも所々にあった。冒険心をくすぐられる人がいる䞀方で、靎が濡れるから行きたくないずいう人も...。

❻17

「錻が高い人はかっこいい」ずい❷マッサヌゞで錻筋を敎えたいマッサヌゞで錻筋を敎えたい䜏宅街の现道を歩いおいる時に、う意芋を聞いた束䞋は、錻筋を敎えるためにマッサヌゞを始めるこずを宣蚀した。 り䞊がった。いた花がポップコヌンに芋えるずになっプコヌンを食べるかどうかずいう公開䞭ずいう話かニ道を歩いおいる巊手には車道❹車がそこそこ通る倧通り❞珍しい自販機珍しい自販機に、アルコヌル専甚の自販機があった。アルコヌル自販機を初めお芋た人は興味接々で、河井は友達に連絡をするほどだった。しかし、今は販売はしおいない様子だった。映画通でポップコヌン食べたすか映画通でポップコヌン食べたすか、右手には畑が芋える時、束䞋の奜きなアメ『五等分の花嫁』の映画が珟圚ら、映画通でポッ話た。そのせいか、沢山萜ちお盛 時のチャむムっお鳎りたすか17 たずい空気が流れた。井、倧のネタになるず話を振った時を知らせるチャむムが鳎に入る䌚話が聞こえなかった束䞋歩いおいが暪に䞊車が沢山通る倧通りで河井ず倧時のチャむムっお鳎りたすか森び、束䞋が人の埌ろをた。車が走る音で人のは、話を䌺っおいた。その時17り、話が、河森ずもに分からず埮劙に気

| 7 | ずなりの゚ンドヌくん

堎のチカラ プロゞェクト

地面の暡様から考える

裏垢の投皿を䜜成しながら遠藀の人々の生掻に近づけた 感芚はあったものの、コンセプトありきのフィヌルドワヌ

4月、「たずはずにかく歩いおみるず良い」ずいう先生の 蚀葉に埓っお、私たちは歩きやストリヌトビュヌで遠藀を 蚪ねた。それず同時に、事前に提瀺されおいた参考資料 や「ずなりの゚ンドヌくん」ずいうタむトルから、遠藀の「な に」を芋るべきなのか、ずいう問いの答えを探そうずしお いた。

その埌散策を続け、ストリヌトビュヌで通れない道やそこ にある生掻の痕跡を「゚ンドヌくんの玠顔」ず仮定した。

ぱっちえんどう

グルヌプで䜕床か歩く䞭で、「゚ンドヌくん」から、䞭孊 や高校時代の、隣の垭のクラスメむトを連想するずいう話 になった。垭替えしおすぐの、物理的には近いが芪しくは ない隣の垭の゚ンドヌくんずは、どこかぎこちなさもあり ながら、近いからこそ起こる反埩的なコミュニケヌション によっお、少しず぀他人から隣人くらいの距離感に倉化し おいく。近くにあるけれどただただ知らないこずの倚い遠 藀ずいう地域は、私たちにずっおそんな存圚なのではない かず考えた。

たず、なぜ私たちが地面の暡様に惹かれるのかに぀いお 話し合った。そしお、コンクリヌトで舗装された秩序のあ る堎所に、混沌ずしお無秩序な暡様があるからこそ、そ のチグハグさや違和感が私たちの遊び心をくすぐるので はないかず結論づけた。そこから、地面の暡様がどうし お生たれたのかずいう疑問ず、䜕かに芋立おたり、遊ん だりずいったように、地面の暡様を介したコミュニケヌショ ンの可胜性に぀いお暡玢しおいくこずにした。 地面の暡様ができる理由を分析するず、倧きく぀に分 けお敎理できた。぀めは、電柱や暙識を立おるために 郚分的に舗装を剥がし、䞊から舗装を重ねた堎所。぀ めは事故や劣化によっお生たれたもので、そこに補修が加 えられおいる堎合もある。぀めは氎道管や暗枠などの、 氎の通り道になっおいる堎所。これは、衚に出おいる氎 路の近くに倚いこずも分かった。地面の暡様ができた背 景には、人々の掻動や元々の遠藀の地圢が関わっおいる。 ぀たり、地面の暡様は、゚ンドヌくんや地面の暡様を䜜っ た人ずそこを歩く私たちを結び぀けるメディアずなり埗る

クになっおいる、ずいう指摘を受けた。「裏垢」ずいうコ ンセプトから䞀床離れお、私たちが珟堎から䜕を感じるの かを知るために、ずにかく惹かれたものを写真に収める、 ずいうこずだけ決めお䜕床か歩いた。するず、地面の暡 様の写真が倚いこずに気が぀いた。

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ゲンシカむキ地に足を぀ける

會田 倪䞀・山䞭 萌矎・山本 凜

さらに、普段の私たち3人が誰かず仲良くなりたい時にど うするかを考えた時、SNSからその人を知ろうずする、ず いう共通点があった。そこから、むンスタグラム䞊に゚ン ドヌくんの玠顔が切り取られた裏垢(結果的にはサブア カりント的なものになった)を䜜るこずにした。

ず蚀える。そしお、この結び぀きをより面癜くするための 方法やツヌルを探す方向で議論を進めた。

地面の暡様がパッチワヌクのようだずいう発想から、地面 の暡様を「えんどうぱっち」ず名付け、そこから「パッチ」 の意味を調べた。するず、①継ぎ圓お甚の小さい垃、(パッ チワヌクの)垃片。②オペレヌティングシステムやアプリ ケヌション゜フトの䞍具合などを修正するためのファむル。

゚ンドヌくんず遊ぶ

修正プログラム。修正パッチ。ずいう2぀の意味がある こずがわかった。遠藀の地面に介入するこずは、゚ンドヌ くんずの関係性を曎新する行為=遠藀をpatchするこず である。そう捉えるず、①ず②の䞡方の意味が名前に蟌 められるのではないかず考えた。

修正する必芁がある郚分のプログラムのみを曎新する。

実際に遠藀に出向き、どのように「ぱっちえんどう」が行 えるかを詊した。最初に、クリアファむルずホワむトボヌ ド甚のペンを持ち、ファむル越しに線をなぞり、家に垰っ おなぞった線で塗り絵をする、ずいう実隓を行った。振 り返りをしお、暡様に近づけば近づくほど、䜕かに芋立お 易くなるこずがわかった。1人あたり10個の暡様をスケッ チしたが、塗り絵のパヌトで䜿われたのは、いずれも暡 様に近いずころで描かれたものだった。この結果を螏たえ、 よりえんどうぱっちに近づくために、チョヌクを賌入し再 床歩くこずにした。えんどうぱっちから芋立おたものをそ の堎で描いおみるず、ただ線をなぞるよりも、゚ンドヌく んず深く関わっおいる感芚があった。チョヌクのみを介し お身䜓的に地面ず近づくこずで、関係性をより深く曎新し おいる感芚が埗られた。

たた、お絵描きする際に持ち歩くためのキットずしおチョヌ クケヌスずサコッシュを䜜った。チョヌクケヌスは、メディ アセンタヌのDプリンタヌを䜿甚しお出力し、サコッシュ は、メンバヌのいらない掋服を再利甚したパッチワヌクで 䜜るこずにした。パッチワヌクのデザむンは、地面の暡様 に着目するきっかけずなった、新蚭される孊生寮の近くに あるえんどうぱっちをモチヌフにした。 遠藀地域は道路拡匵などが既に予定されおおり、今ある えんどうぱっちは消えおしたう可胜性が倧きい。そのため、 ぱっちえんどうずいう行為によっおえんどうぱっちを蚘録 し残しおおくこずに意味がある。そういった背景を知り、 ただ楜しむだけでなく、ぱっちえんどうを通しお地面の暡 様が持぀歎史や関連する知識に觊れる機䌚になっお欲し いず考えた。具䜓的には、遠藀地域に䜏む方々の思い出 や蚘憶を喚起したり、子ども達が遠藀に芪しみ、遠藀の 持぀時局的な面癜さに觊れたりするきっかけずなったら嬉 しい。今埌は、キットを甚いお私たち以倖の人にもぱっち えんどうを詊しおもらい、フィヌドバックを元に、より良 い圢に曎新しおいきたい。

| 9 | ずなりの゚ンドヌくん

私たちは、ぱっちえんどうの方法ずしおチョヌクを甚いる のが最適だず考え、他の人にも詊しおもらうために、いく ぀かのコヌスを提案するこずにした。車通りが比范的少な く安党にお絵描きができるこず、お絵描きしやすい暡様 が密集しおいるずいう点を意識しお、぀のコヌスを考 えた。コヌス①は、キャンパスからほど近い垂道蟻堂駅 遠藀線から宝泉寺に向かうルヌト。コヌス②は、藀沢ゞャ ンボゎルフから湘南コミュニティチャヌチに向かうルヌト。 コヌス③は、肉のさくらいから秋葉台公園の方をぐるりず 回っお、高倉遠藀線に再び合流するルヌトだ。

Patch Endo

| 10 | 堎のチカラ プロゞェクト ぱっちえんどうルヌトマップ

| 11 | ずなりの゚ンドヌくん

私たちはたず最初に今回のテヌマに぀いお考えるずころか らスタヌトした。テヌマを聞いおそれぞれ䜕を思い浮かべ たかを話したずころ、私たちが立堎や異なる芖点を持぀ からなのか、党員が違うものを思い浮かべおいた。その ため、「芖点や立堎が違うからこそ発芋できるこず」に焊 点を圓おるこずにした。そこで、春孊期の掻動を通じお、 グルヌプメンバヌのも぀芖点の違いを知りながら、自分の たちや人に察する感性を芋぀め盎したいず思った。そしお、 テヌマ「ずなりの゚ンドヌくん」を、自分の「ずなり」に いる゚ンドヌくんを考える掻動だず考え、自分が゚ンドヌ くんに察しおも぀考えを通じお、自分自身に぀いお芋぀め 盎したいず思った。

しかし、研究䌚での進捗発衚の際に、「私たちが曞いお いるものは本圓にラブレタヌなのか」「ラブレタヌではな くファンレタヌなのではないか」ずいうフィヌドバックをも らった。その埌グルヌプで話し合いを重ね、手玙のあり 方を再考する䞭で、遠藀を定期的に歩く䞀゚ンドヌくん ファンずしお曞く手玙の方が、よりやりたいこずに近いの ではないかず思った。ここから私たちはラブレタヌではな くファンレタヌずしお手玙を認識するようになった。

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西谷 唯銙・朚根 景人・倧西 矎月

Dear Endo

タヌを通しお、゚ンドヌくんのどこが気になっおいるのか、 そしおどういう人ずしお自分の目に映っおいるかを衚珟しお みたいず思ったのだ。実際に曞いたラブレタヌはその郜 床グルヌプ内で共有し、゚ンドヌくんを衚珟するためにど のような語句を甚いおいるかに泚目しながら、゚ンドヌく んの人物像に぀いお考えた。

実際に人で歩いおみるず、泚目しおみたいものはバラバ ラだった。人で歩く時ず人で歩く時では泚目したいポ むントが倉わっお来るのではないかず考え、次からは各々 奜きな堎所を歩くこずにした。その際の気づきをグルヌプ で話し合ったずころ、盞違点だけではなく、共通点もある こずがわかった。党員が、゚ンドヌに察しお「〇〇ず思っ おいたけど意倖ず〇〇」ず感じおいたのだ。これは、「他 者のギャップを知っお奜きになる感芚」ず類䌌しおいるず 思った。私たちはこの「奜き」ずいう気持ちを゚ンドヌく んに䌝えるために、ラブレタヌを曞くこずにした。ラブレ

ラブレタヌファンレタヌ

これたでは人䞀緒に同じずころを歩くこずず人異なる 堎所を歩くこずをしおきたが、次のステップずしおそれぞれ が同じ堎所を違うタむミングで歩くこずにした。たた、今 回は堎所ずいう制限だけではなく、手玙を300mojiで曞 くずいう文字数制限も蚭けるこずにした*1。制限を蚭け た方が自分たちが本圓に知りたいこずを衚珟できるず思っ たからだ。私たちは、人で決めた堎所を別々に歩き、䞀 旊自宅に垰っおから300mojiを曞いた。発芋は埌からやっ おくるずいうように、少し時間をおくこずで頭が敎理され

堎のチカラ プロゞェクト

制限を蚭けおみた

歩みテヌマ考察

*2 LTDLearning Through Discussionずは、日本語で「話し 合い孊習法」ず呌ばれる1぀の共同孊習方法で、孊習課題の理解 を深めるこずやディスカッションスキルの向䞊、論理的思考の発 達など倚くのこずを期埅される方法である。 ・安氞悟2006「実践・LTD話し合い孊習法」ナカニシダ出版

*1 300文字原皿甚玙に自由に文章を曞くこずで、こずばを研ぐ 緎習ずしお行なっおいる研究䌚での取り組みの1぀である。

| 13 | ずなりの゚ンドヌくん

やっぱりファンレタヌ 文字数を制限した手玙を曞いおいたが、掻動をする䞭で やはり私たちの想いを゚ンドヌくんに䌝えるには文字数を 制限しないファンレタヌの方が適しおいるのではないかず 感じるようになった。そこで300mojiから離れ、再び字 数制限のないファンレタヌを曞くこずにした。私たちぱ ンドヌくんを知るこずを目的にしおいるこずを再確認し、 歩いおファンレタヌを曞くこずを繰り返すこずにした。私 たちはファンレタヌを枚曞くこずに決定し、その䞭で゚ ンドヌくんず私の関係性の倉化をみおいった。論理的思 考を甚いおメンバヌの曞いた手玙を分析するこずを期埅し お、LTDを議論の方法ずしお採甚した*2。

るこずを狙いずしおいた。歩いお300mojiを曞くこずで最 終的に私たちの感性を元に゚ンドヌくんを知っおいきた いず思った。歩きのゎヌルは、始めは倧孊の近くに蚭定し、 埐々に遠い堎所を目暙ずした。そうするこずで、゚ンドヌ くんを段階的に知っおいくこずができるのではないかず考 えた。

実際にLTDを行っおみるず、それぞれに文章の特城や倉 化があった。䟋えば、あきずのファンレタヌでは、毎回文 頭が圢匏的な文章になっおいる特城があり、倉化ずしお は、最初の枚は「公園の様子」「目の前に広がる怍物」 などの芖芚的情報が倚く曞かれおいたが、枚目のみ「雚 の萜ちる音」「朚がなびく音」などの聎芚的情報になっお いた。ゆいかのファンレタヌでは、“”が倚く䜿われおい る特城があり、内容によっおその䜿甚量も倉化しおいた。 みづきは党䜓を通しお「いろいろな顔を芋せおくれる゚ン ドヌくん」「おだやかで、あたたかく、平和な゚ンドヌく ん」ずいう衚珟で自分の䞭の理想の゚ンドヌくんを綎っお

Dear Endo 以䞊を螏たえお、私たちが成果物ずしお䜜ったのは、”Dear Endo”ずいう名のレタヌセットである。私たちが遠藀を歩 き、手玙を曞くこずを繰り返す䞭で、さたざたな発芋があっ たように、手玙を曞く前提があるこずで、现かいずころを 意識しお歩くようになり、自分が感じた正盎な気持ちを 綎っお遠藀を振り返るこずを他の人にも経隓しおもらいた いず思った。特にファンレタヌは、盞手からの返事を期 埅するものでもなく、䞀方的なコミュニケヌションである。 自ら終わらせようずしない限りは終わらないため、自分が 奜きなように文章を曞くこずができ、自分の玠盎な気持ち が曞きやすい環境なのだ。レタヌセットの手玙郚分には、 私たち人が歩いた堎所をプロットした地図を茉せる。 ぀の地図で衚しおみるず、みづきは遠藀地域に察しお暪 に分垃しおいお、あきずずゆいかは瞊に分垃しおいるずい う傟向が芋られた。レタヌセットの利甚者には、地図䞊 にプロットされた䞭から気になる堎所を遞んでもらい、同 じ堎所を歩いおもらう。私たちが歩いた道を歩いおもらう こずで、私たちずの共通点や盞違点がわかるだろう。レタヌ セットを甚いお手玙を曞き、遠藀のこずを知る䞭で自分自 身を芋぀め盎し、゚ンドヌくんずの距離も瞮めおもらいた いず思う。

いたが、その理想像は回を远うごずに倉化しおいた。

| 14 | 堎のチカラ プロゞェクト 手玙を曞いた堎所

| 15 | ずなりの゚ンドヌくん

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たずっお、あう

いろいろな方法で゚ンドヌくんを芋る ゚ンドヌくんを深く知るために、ルヌトや蚘録の方法、 歩き方などを倉化させお遠藀地域を歩いおみた。䟋えば、 回目に歩く際、途䞭の気になったずころをむンスタント カメラで撮圱し、スマホの録音機胜を䜿っお録音した。

束井 䞃海・篠原 圩乃・池本 次朗 ちがうきかたで゚ンドヌくんはどんな人

堎のチカラ プロゞェクト

蚘録の方法をさたざたな圢に倉化させるこずは、わたした ちが゚ンドヌくんを芋る芖点にフィルタヌをかけおいるよ

いたたでずはちがう芖点で゚ンドヌくんを芋぀める ゚ンドヌくんの芋方を倉えるために、わたしたちは自身を 「キャラ化」しお遠藀を歩いおみるこずにした。これたでは、 普段キャンパスで着るようなラフな栌奜で遠藀を歩いお いたが、この時はそれぞれが自分に蚭定したキャラクタヌ で歩いた。ななみはハむヒヌルを履きこなすお排萜な女 子倧生に、じろうは蟲䜜業をする高校生に、あやのは買 い物垰りで重い荷物を持った嚘に自身のキャラクタヌを 蚭定した。たた、歩くルヌトや時間垯は揃えず、その時 の自分が歩きたいず思った方向に進むこずにした。自らの キャラを蚭定しお歩いおみるず、自分の芖線や意識を向 ける察象、持ち物や歩こうずするルヌトの遞び方に私服 で歩いた時ず比べおわずかな違いが生たれた。䟋えばな なみは、ハむヒヌルによっお生じた足の疲劎感を回埩す

うに感じた。同時に、そのフィルタヌは、蚘録方法だけ ではなく、他の方法でかけるこずもできるのではないかず 考えた。たた、今たで歩いたこずのない堎所を歩いおみ るず、堎所によっお歩きやすさや人通りの倚さ、店舗の分 垃の仕方などに倧きなばら぀きがあるこずや、倩気によっ お歩いおいるずきの景色の芋え方や歩くこずのできる範囲 が倧きく倉わっおしたうこずもわかった。これらのこずか ら、゚ンドヌくんは䞀蚀で衚珟できるようなものではない こず、たた゚ンドヌくんの芋え方は、「゚ンドヌくんを誰 が芋぀めるか」によっお倧きく倉わるのだずわかった。

私たちはたず「ずなりの゚ンドヌくん」のねらいを探ろうず、 資料を手がかりに話し合い、「゚ンドヌ」を地名ずしおの 遠藀ず捉えお、キャンパス付近を人で歩いた。蚀葉を亀 わす䞭で、キャンパスぞの行き垰りに䜿う亀通手段が、な なみは埒歩、じろうは自転車、あやのはバスず、それぞ れ異なっおいるこずに気づき、グルヌプ名を「ちがうきか たで。」ずした。䜕回かやりずりを重ねた埌、実際に人 で遠藀地域を歩くこずにした。歩いおみるず、゚ンドヌく んは竹林や䜏宅街、工堎、畑などのいろいろな顔を持っ おいるこずに気づいた。たた、歩いおいる人の少なさや道 の歩きやすさに違いがあるこずも感じた。ずりわけわたし たちが関心を持ったのは、わたしたち人の遠藀ずの関わ り方が倧きく違うこずによる、゚ンドヌくんずの距離感や スピヌド感の違いだった。そこで、わたしたちはより深く ゚ンドヌくんを知るために、遠藀地域を䜕床も歩いおみ るこずにした。

自意識の倉化に぀いお考える

歩き終わった埌にそれぞれの撮った写真や状況などを共 有した。ななみは济衣で、あやのはスヌツで、じろうは 䜜業着で歩いた結果、総じお、それぞれが歩く䞭で居心 地の良い・悪い堎所を感じおいたこずがわかった。たた、

・人が共通したルヌトを歩く。

倚くの人の䜓隓をもずに

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| ずなりの゚ンドヌくん

服装や靎の倉化によっお生たれた「音や芖界」の倉化に 戞惑い぀぀、面癜さを感じおいた点が共通しおいたこず がわかった。このこずから、これらの心境の倉化が、各 ゚リアを歩くスピヌドや芖線の動かし方、背筋の䌞び方な どの行動に圱響しおいるのではないかず考えた。しかし、 行動の倉化はずおも小さく些现なものであるため、行動 の倉化が「自意識の倉化」によっお生じたものである、ず いう確蚌を完党に持぀こずはできなかった。「自意識の倉 化」を明確に捉えるこずは厳しいず感じた。

そこで、わたしたちはより倚くの人の「自意識の倉化によ る小さな行動の倉化」の䜓隓を集めるこずにした。私た ち3人以倖の「行動の倉化」を収集するこずで、わずか な倉化の䞭に共通する䜕かを芋぀けたり、遠藀ずの心理 的な距離が瞮たったりするかもしれない。その結果ずしお、 自意識の倉化に぀いおより深く理解するこずができるので はないか、ず考えたためである。行動の倉化を集めるツヌ ルずしお、遠藀を歩くためのポストカヌドを䜜成した。倚 くの人の「自意識の倉化」は繊现な情報であり、持ち運 びができる気軜さず集たった内容がオヌプンにならないず いう2぀の特城を持぀ポストカヌドは、倉化を集めるの に適しおいるず考えた。このポストカヌドを䜿いながら、 みなさんにも私たちが歩いた玄䞀時間のルヌトを、い぀ もずはちがう服装で歩いおもらい、普段ずのちがいをずら えおもらいたいず考えおいる。そしお起こった倉化を私た ちたで届けおもらうこずで、「自意識の倉化」をより深く 捉え、゚ンドヌくんず接点を持ったそれぞれの䜓隓を可 芖化し、たちぞの解像床をさらに䞊げおいきたいず私た ちは考えおいる。

・ルヌト䞊のどの堎所でどのように思ったのかを蚘録する。

るために座れる堎所を探したり、綺麗な靎やワンピヌスを 汚さないために、きちんず敎備されおいる道を無意識の うちに歩いたりしおいた。じろうは、蟲䜜業甚の服ず雰囲 気が合う畑の゚リアを歩き、い぀もは買わない麊茶(普 段はゞャスミンティヌを買う)を手にしおいた。あやのは、 重い荷物を持っおいたために、少しでも坂の少ないルヌト を遞んだり、少し䌑憩できる堎所を探したりしおいた。 しかし、この違いは、服装や持ち物を倉えたこずによる「身 䜓ぞの物理的な圱響」ず、芋た目を倉えたこずによる「自 身ぞの心理的な圱響」がごちゃ混ぜになっおしたっおい るのではないかず考えた。自分たちの䜓隓を䟋にずるず、 ハむヒヌルや重い荷物の圱響で䌑み堎所を探すのは身䜓 ぞの物理的な圱響であり、買ったお茶の皮類が倉わった こずは自身ぞの心理的な圱響であるずいえる。その䞭で も、䞀芋するず非垞に些现ずもいえる心理的な圱響に興 味が湧き、深く考えるこずにした。

わたしたちはこの心理的な圱響を「自意識の倉化」ず名 づけ、自意識の倉化がどのような状況のもずで生たれるか を調べるために以䞋のルヌルを蚭けお遠藀を歩くこずにし た。

・普段着ではない服装で歩く。

・歩く際には事前に決めおいた箇所で時間を蚘録する。

| 18 | 堎のチカラ プロゞェクト ちがう着方で歩いおみる

| 19 | ずなりの゚ンドヌくん

加藀 文俊 おわりに

ない。立䜓的なモノずしお、あるいは䜓隓をもたらすコト ずしお衚珟するこずもできるはずだ。この10幎ほどは、 A5サむズの長蟺を20ミリ短くした刀型148×190㎜ の冊子を぀くっおきた。同じサむズで぀くり続けるこずに もこだわっおきたのだが、COVID-19によっお窮屈な暮ら しを匷いられおいたからだろうか。昚幎の秋に、刀型を 倉えた。

毎回、孊生たちから原皿や図版を集め、がくが序文やあ ずがきを曞いお線集し、仕䞊げおゆく。これは、なかな か面倒な䜜業だ。でも、その過皋を毎回たどるこずで、 ある孊期にがくたちが出䌚い、集ったずいう䜓隓を身䜓に きざむこずができる。じ぀は刀型を倉えたのは、たんな る気たぐれではなく、移動が著しく制限されおいた期間か ら、ようやく抜け出せる兆しを感じたからだ。元どおりに 続けるよりも、あたらしいやり方をしばらく詊しおみたい。

「ちいさなメディア」は、䞍特定倚数ではなく特定少数 の読者のために぀くられる。状況にかかわりをもたない 読者には、説明がふじゅうぶんで、いささか䞍芪切なもの に芋えるかもしれない。だが、個別具䜓的な情景をずらえ、 蚘録しおおく蚘録を続けおゆくずいう圹割をふたえる ず、過床な抜象化は避けなければならない。むしろ、文 脈に匷く䟝存しおいるこずを自芚しながら぀くるからこそ、 珟堎のようすを、より鮮明に埩元するのに圹立぀のだ。 もちろん、「ちいさなメディア」は、玙媒䜓である必芁は

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しばらく前から、孊期ごずのフィヌルドワヌクの成果を冊 子にたずめおきた。論文でも曞籍でもなく、簡単な冊子だ。 じぶんたちの段取りで、奜きなスタむルで圢にする。おそ らく、孊生の頃に読んだ接野海倪郎の『小さなメディアの 必芁』晶文瀟, 1981にずっず圱響を受けおいるのだ ず思う。その流れで「ちいさなメディア」ずいうこずばを 䜿うようになっお、もう20幎くらいになる同曞に敬意を 衚し぀぀、少しちがう文脈ぞず広げお考えるために、ひら がなで「ちいさな」ず蚘しお区別するこずにしおいる。

『100円ショップを「読む」』2021幎床秋に続く、A4 版倉型210×210㎜の冊目が無事に完成した。

| 20 | 堎のチカラ プロゞェクト ずなりの゚ンドヌくんEndo-kun by My Side 著者50音順2022幎月30日発行會田 倪䞀・池本 次朗・倧西 矎月・倧森 圩加・加藀 文俊・河井 圩花・朚根 景人 篠原 圩乃・西谷 唯銙・束井 䞃海・束䞋 竜倧・山䞭 萌矎・山本 凜 䌁画・線集 慶應矩塟倧孊 〒252-0882 神奈川県藀沢垂遠藀5322 デザむン棟ドコモハりス加藀文俊研究宀 https://fklab.today/ 印刷・補本 株匏䌚瀟 グラフィック

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