東 北 大 学 病 院 広 報 誌「 へ っそ 」 TA K E F R E E
特集 感覚器スペシャル!
:
10
ヘッドホンで音楽を聴くと 聴力が悪くなるの?
耳たぶって 必要ですか? 耳たぶは、外に張り出した耳
コラーゲンを食べ ると肌はプルプル になる?
信 じ る も の は 救 わ れ ま す。
で使用することで徐々に高い音が聞こえにくくな
れ る 難 聴 の 一 種 で す 。 長 期 間 、大 き な ボ リ ュ ー ム
させて体温を調節する働きがあり
特定する働き、血管を収縮・拡張
鼓膜に届く音を大きくして方向を
(耳介)の一部分です。耳介には、
が肌のコラーゲンをつくる線維
チ ド が 血 中 で 増 加 し ま す。 こ れ
含むコラーゲンに特徴的なペプ
キシプロリンというアミノ酸を
コ ラ ー ゲ ン を 食 べ る と、ヒ ド ロ
り ま す。 ロ ッ ク な ど の 激 し い 音 楽 を 1 日 1 時 間 以
ます。しかし、人は耳介の筋肉が
上 聴 い た 場 合 に 難 聴 に な る 可 能 性 が 高 く 、特 に 思
芽 細 胞 を 増 や し、肌 水 分 量 を 上
ヘ ッ ド ホ ン に よ る 難 聴 は 「 騒 音 性 難 聴 」と 呼 ば
春 期 頃 で 影 響 が 大 き い よ う で す。 ヘ ッ ド ホ ン の 使
げる働きのあるヒアルロン酸を
つ く る と い う 報 告 が あ り、プ ル
退化していて、耳たぶの役割もそ ではむしろ、ピアス・イアリング
プルが期待できます。 強いかもしれません。
などの装飾品をつける意味合いが
れほど大きくはありません。現代
緊張すると 汗をかくのですが、 止められますか?
済 ん だ 正 常 な 視 力 の 人 も 、近
は 額 や て の ひ ら 、足 の 裏 か ら 汗
出 て 体 温 を 下 げ 、緊 張 し た 時 に
布するエクリン汗腺から汗が
性の違いで
穴を休ませて効率的に呼吸す
る こ と に よ り 、ど ち ら か 一 方 の
視 の 人 も 、同 じ よ う に 老 眼 に
が 出 ま す。 こ の よ う な 汗 の 分
に 分 類 さ れ ま す。 日 本 人 な ど の
る よ う に 出 来 て い ま す。 つ ま
な り ま す 。 老 眼 と は 、ピ ン ト
泌は自律神経の作用で起こる
黄 色 人 種 は Ⅱ 〜 Ⅳ で、最 初 に 赤
り 、鼻 の 穴 を 交 代 し な が ら 呼 吸
に片方の穴の中のひだを充血
2
させて空気の通り道を狭くす
1 つのスキンタイプ
A 皮膚は、紫外線に対する反応
歳ぐらいで調節力は
ま り、
A
6
10
用時間やボリュームには注意をしましょう。
視力がいい人は 老眼になるのが 早いって本当?
を合わせる力が弱くなること
た め 、自 分 の 意 思 で 止 め る こ と
く な り そ の 後 黒 く な り ま す。 赤
しているた
鼻の穴ってなんで ふたつあるの?
歳頃から始
は 難 し い で す。 日 常 生 活 に も
毛の白人はⅠで、黒いメラニン色
暑くなると全身の皮膚に分
ほとんどなくなります。眼鏡
困 る 「 多 汗 症 」で は 、塩 化 ア ル
素が少ないので赤くなるだけで
め 、2 つ の
ません。
時間おき
をかけていなかった人が老眼
ミニウム液外
穴が必要な
35
鼻 の 穴 は、 〜
鏡 を か け る と 、近 視 の 人 が 老
用や抗コリン
黒くなりません。黒人はⅥです。
のです。
色白な人と色黒な 人とでは何が違う のですか?
眼に合わせて眼鏡を調整する
薬内服などに
Ⅰ、Ⅱ の 色 白 の 肌 は 紫 外 線 に よ
で 、多 く の 人 は
の よ り 「 目 が 悪 く な っ た 」と
る 皮 膚 障 害 が 起 こ り や す い で す。
Q10
よる治療が行
Q9 われます。
若い頃に眼鏡がなくても
Q8
A
いう感じ方が強いのかもしれ
60
東北大学病院広報誌「へっそ」
3
Q6
A
Q5
A
Q4
A Q7
A
特集
肌の色と目の色は 関係がある?
視力検査につかう 「 C 」の マ ー ク っ て な に ?
耳鼻咽喉・ 頭頸部外科
見 る、聞 く、匂 う、味 わ う、触 る。
何 か を 感 じ と る 感 覚 器 の 働 き は、
生きて行くために欠かせない体の
大切な機能です。今号では、感覚の
つの科
エキスパー トで あ る 眼 科、皮 膚 科、
耳鼻咽喉・頭頸部外科の
が各科にまつわる素朴な疑問か
ら 老 化 に 伴 う 病 気 の こ と ま で 、気
になるあれこれをご紹介します。
親が近視だと 子どもも近視になるの?
つが関わります。例えば、
の虹彩という部分のメラニン色素の量で決
呼ばれる眼の能力( つの点を区別できる能
いくつかありますが、これは「最小分離閾」と
際的な標準視標です。視力を表現する方法は
因の一つとされます。親の近視も影響
ータから、学習年齢での作業が近視の原
学齢が上がると近視が増えるというデ
上国より多いというデータがあります。
近視はアジア系に多くアフリカ系は少ない、先進国では途
ま り ま す。 紫 外 線 に 当 た る な ど し て メ ラ ニ
力
しますが、日本のような教育水準の高い
ン 色 素 が 多 く な る と 、皮 膚 や 目 の 色 が 濃 く
定するものです。外国では E を用いる場合も
な り ま す。 メ ラ ニ ン に は 黒 い ユ ー メ ラ ニ ン
あります。言葉の分からない幼児には白黒の
近視には、遺伝と環境の
と 黄 色 の フ ェ オ メ ラ ニ ン が あ り 、白 人 は フ
:
C に切れ目があることを見分ける)を測
2
いき
ェ オ メ ラ ニ ン が 多 い た め 、皮 膚 や 毛 髪 、目 の色が薄くなります。
先進国では多くの人が近視になります。
こ の マ ー ク は「ラ ン ド ル ト 環 」と い う 国
3
感 覚 器 ス ペシ ャ ル !
眼科 感 覚 器 に つ い て 、専 門 医 に 聞 い て み ま し た 。
A
縞模様だけで検査をすることもあります。
2
&
肌 の 色 は 皮 膚 表 層 の 、目 の 色 は 目 の 中
皮膚科
Q3
A
Q2
A
Q Q1
A
2
相場 患 者 さ ん 側 の 意 識 と い う 点 で
とも一因と考えています。
目を使う機会が劇的に増えているこ
標的薬などの新しい薬が登場して予後
った悪性黒色腫や扁平上皮がんも、分子
学が非常に進歩して、昔はなす術がなか
若さを保つための秘訣を教えてく ださい。
常 の 中 で 病 気 の か か り や す さ や 、よ
り 病 気 を 悪 く す る 要 因 を 知 り 、取 り
香 取 聞こえなども同様で、機能障害
もあるかもしれません。
って、患者さんが集中するということ
専門性に対する社会のニーズが高ま
膚がんは皮膚科が診る、というように
数 が 増 え る こ と は 多 々 あ り ま す。 皮
が取り上げられたとたんに、外来患者
は、例えばテレビ番組などで皮膚がん
に対して、工学系の研究者と協同で人
鳴りの治療や先天的に聞こえない方
徴としています。また、難聴の方の耳
を組み合わせて行う集学的治療を特
連する他の診療科による複数の治療
腫瘍内科や歯科、口腔外科といった関
注 力 し て い る こ と の 一 つ で す。 特 に
香 取 私たちの科でも、腫瘍の治療は
が顕著に改善しています。
D にも注意する必要があります。その
方がいいことは確かですが、ビタミン
膚にとっては紫外線を積極的に遮った
な疾患の発症や予後を左右します。皮
すが、ホルモンの様な働きがあり、様々
紫外線によって皮膚で活性型になりま
の欠乏が心配されます。ビタミン D は
浴びる量が不足しすぎるとビタミン D
紫外線を遮ることです。ただし日光を
相 場 厚化粧ですかね(笑)。つまり、
ま す 。特 に 成 長 期 の 子 ど も た ち に は 、
ける近視の割合はぐんぐん増えてい
て い る か も し れ ま せ ん。 学 齢 期 に お
す。 携 帯 ゲ ー ム な ど が 大 き く 影 響 し
視になりやすいことが分かっていま
㎝ 以下の距離でものを見続けると近
目 の 健 康 に も 効 果 的 で す。 ま た、
長 生 き で き る と 言 わ れ て い ま す が、
に ポ ジ テ ィ ブ 思 考 で 、笑 っ て い る と
律 神 経 の 乱 れ 、近 視 は 大 敵 で す 。 常
に対する患者さんの意識に変化を感
工 内 耳 の 研 究 も 進 め て い ま す。 ま た、
バランスは専門家の間でも様々な議論
じます。これまでは、聞こえにくいけ
私 が 専 門 と す る 摂 食・ 嚥 下 障 害 で は、
があり、判断が難しいところです。
除 く 努 力 を す る こ と が 必 要 で す。 目
ど年だから仕方ないと思っていた方
飲み込みの治療や訓練などを内科、リ
中 澤 目 の 健 康 を 保 つ た め に は 、日
うな水虫や湿疹の患者さんに加えて、難
療のレベルを上げることを目標としてい
います。専門外来のチームをつくって、診
の 病 気 に は 、た と え ば ス ト レ ス や 自
たちも、病院に足を運ぶ割合は高くな
ハビリテーション科、歯科と連携して
治性の自己免疫疾患や腫瘍など全身的
ます。私の専門は緑内障ですが、患者さ
㎝ 以上離してものを見るようにし
てもらいたいです。
30
10
|
っているのではないでしょうか。
行 っ て い ま す。 こ れ は 大 学 病 院 だ か らこそ可能な高度な医療で、現在は院 内 の 患 者 さ ん を 対 象 と し て い ま す が、 徐々に地域の患者さんにも対象を広 げていきたいと考えています。 眼科では、まず専門性を重視して
な疾患が増えてきています。特に悪性
んの半数が現状の治療では進行を止める
中澤
腫瘍は、最新の手法で早期に適切に診断
ことができない病気です。新たな検査法
30cm 以上 2 離して見る
そ う い っ た 状 況 の 中 で、現 在 ど の ような診療に力を入れていますか?
昔ながらの軟膏を塗って治すよ
することを大切にしています。治療に
や創薬研究の成果をできるだけ早く一般
相場
関しては、これまで切除などの外科的な
診療に導入できるように心がけています。
1 紫外線を遮る
東北大学病院広報誌「へっそ」
5
分野に力を入れてきましたが、最近は医
若さを保つための秘訣
:
:
30
3 会話を楽しむ
:
:
:
:
:
|
いつまでも、生き生きと。 感覚は加齢によって衰えてくるもの。高齢化で診療 の現場はどのように変化しているのか、若さを保つ ためのヒントなど、3 人の教授が語り合いました。
皮膚科 科長
眼科 科長
耳鼻咽喉・ 頭頸部外科 科長
相場 節也
中澤 徹
香取 幸夫
あいば せつや/ 1980年 東北大学医学部卒業、同年に 東北大学病院皮膚科入局、1988年 米国国立癌研究所皮 膚科部門留学を経て、 2003年に当院皮膚科教授に就任。
な か ざ わ と お る / 1 9 9 5 年 東 北 大 学 医 学 部 卒 業、 2 0 0 3 年 アメリカ合衆国ハーバード大学眼科研究員を 経て 2 0 1 1 年に当院眼科教授に就任。
かとり ゆきお/ 1988年 東北大学医学部卒業、1990年 東 北大学大学院医学系研究科入学、1994年 キール大学留学 を経て、2013年に当院耳鼻咽喉・頭頸部外科教授に就任。
た
超 高 齢 社 会 を 迎 え て、診 療 の 現 場
年 前 と 比 較 す る と 、患 者 数 は 格
然 的 に 多 く な り ま す。 私 が 新 人 だ っ
が 長 く な り ま す の で 、患 者 さ ん は 必
き す れ ば す る 程 、日 光 に あ た る 時 間
ち 問 題 と な る の は 光 老 化 で す。 長 生
化 の 2 つ の 側 面 が あ り ま す。 こ の う
化 と 、光 に さ ら さ れ て 老 化 す る 光 老
化 に は 、年 齢 を 重 ね る こ と に よ る 老
:
相 場( 皮 膚 科 ) 加 齢 に よ る 皮 膚 の 変
にはどのような変化がありますか?
|
も多いですし、インターネットなどで
定年後にパソコンをたしなまれる方
し て き た と い う 社 会 背 景 も あ り ま す。
:
中 澤 眼 科 で は、視 覚 の 重 要 性 が 増
ると感じます。
害に悩む高齢の患者さんが増えてい
みの障害など、特に加齢による機能障
い の で す が、難 聴、味 覚 障 害、飲 み 込
は元々、高齢者と小児の患者さんが多
:
香 取( 耳 鼻 咽 喉・頭 頸 部 外 科 ) 私たち
病気が増えてきたという印象です。
率も上がってきています。治りにくい
老化とともに増えてくる病気で、失明
内 障、緑 内 障、加 齢 黄 斑 変 性 症 な ど は
自然に低下していきます。中でも、白
:
中 澤( 眼 科 ) 眼の機能は加齢とともに
段に増えています。
30
4
もっと
知ってほしい
眼科
一人でも多くの方の視覚を守ることを信念として、緑内障をは じめ、網膜硝子体、ドライアイ、白内障など疾患別の専門外来を 設けて診療にあたっています。最新の検査機器を備え、新しい治
才以上で
人に
人
療法も積極的に取り入れて世界レベルの医療を提供しています。
教 え て! 眼 科 の 気 に な る 病 気 放置すると失明も
り ま す が 、一 般 的 に は 中 高 年 の 加 齢
低 下 し ま す。 け が で 起 こ る こ と も あ
の 内 側 に あ る 網 膜 が は が れ 、視 力 が
眼 科 で 有 名 な 疾 患 の 一 つ で す。 眼 球
圧の他にも血流など様々な原因がある
神経が失われていきます。最近では眼
神経にストレスがかかり、何年もかけて
す。一般に眼圧(眼の硬さ)が高いと視
視力を失う中途失明の原因のトップで
緑内障は日本において、人生の途中で
りょくないしょう
変 化 で 発 症 し ま す。 ゴ ミ や 虫 の よ う
緑内障
なものが飛んでいるように見える飛
ことが分かってきています。初期はほ
もうまくはくり
蚊 症 で 始 ま り 、進 行 す る と 視 界 に カ
とんど無症状で気付きにくいため、検診
網膜剥離
1
ーテンのかかったような影が出てき
頭陥凹が拡大している
エキスパートのことば
視 機 能 検 査 や、視 機 能 に 障 害 を
もつ小児から高齢者まで幅広
い 年 齢 の 方 の「 見 え 」の サ ポ ー
トをし、人の一生に関わる「目」
の 健 康 を 守 っ て い ま す。患 者 さ
ん と の 出 会 い を 大 切 に し、ひ と
りでも多くの方を笑顔にするた
め力を尽くします。
視能訓練士
大内 順子
視 力 検 査 等 の 一 般 検 査、各 専 門
外来に応じた特殊検査を行って
い ま す。モ ッ ト ー は「 コ ミ ュ ニ
ケ ー シ ョ ン を 大 切 に 」。患 者 さ
んとの会話が検査の大切な手が
か り に な り、ス タ ッ フ 間 の 連 携
がより良い医療に繋がると感じ
ています。
視能訓練士
高橋 世理
10
20
による早期発見・早期治療が大切です。 高 い た め 、早 期 に 手 術 を 受 け る 必 要 があります。
緑内障の眼底:中央の乳 緑内障の視野イメージ
東北大学病院広報誌「へっそ」
7
40
ま す。 放 置 す る と 失 明 す る 危 険 性 が
剝離した網膜
よく聞くこと、よく話すことで
断 に ヒ ン ト を 与 え る こ と が で き ま す。
撮 る よ う に、皮 膚 か ら 体 内 に 迫 り、診
な っ て き ま す。 内 科 や 外 科 が C T を
ばにいると、 いいかもしれません(笑)。
話を楽しんだり。おしゃべりな人のそ
ます。喉も同じで、楽しく歌ったり、会
めに音を入れた方がよいと言われてい
るという仮説があり、それを抑えるた
こりにくいです。静かだと脳が興奮す
度に音楽を聞いていた方が耳鳴りが起
果ですが、静寂な時間を過ごすより適
すね。ガード下などの大きな音は逆効
の需要が高まっていますが、その中で、
香取
ことが一番の目標です。
明ゼロ」。患者さんの生活の質を守る
課題の一つです。我々のテーマは「失
うことも、感覚器を扱う診療科が担う
いかに快適に送れるようにするかとい
寿命を延ばすだけでなく、日常生活を
考 え て い ま す。 も う 一 つ 重 要 な の は、
科以外の治療にも貢献していきたいと
対する有用な医療情報を提供して、眼
ミクロン単位で可能です。全身疾患に
精度は進化していて、血管の評価は1
直接観察できる唯一の場所です。その
体に傷をつけずに血管と神経の状態を
中澤
( quality of life生活の質) です。
進めていきたいです。
損した皮膚を再生できる技術の開発を
し た な ど、避 難 所 生 活 を 余 儀 な く さ れ た 多 く の 方 々 を 診
砂 や が れ き の ゴ ミ が 入 っ て い る、ア レ ル ギ ー の 薬 を 失 く
療 に あ た り ま し た。 一 命 を 取 り 留 め た も の の、耳 や 目 に
し、気 仙 沼・ 女 川・ 南 三 陸 町 の 中 心 的 な 避 難 所 を 回 り 診
ん で、避 難 所 を 巡 る 決 断 を し ま し た。 早 朝 に 仙 台 を 出 発
トレンズなどの一通りの医薬品をマイクロバスに積み込
咽 喉 科・ 皮 膚 科 は 合 同 チ ー ム を つ く り、軟 膏 や コ ン タ ク
る 足 も あ り ま せ ん で し た。 そ ん な 中、当 院 の 眼 科・ 耳 鼻
は被災し、専門医も不在、また被災者は車が流され通院す
に 対 す る 医 療 ニ ー ズ が 高 ま っ て い ま し た。 し か し 診 療 所
さ れ る 人 命 救 助 が 落 ち 着 き を 見 せ、被 災 地 で は 慢 性 疾 患
東 日 本 大 震 災 か ら 1 週 間 が 経 っ た 頃、災 害 医 療 で 最 優 先
また治療も、新しい薬剤が今後も次か
生きて行くために必要な栄養摂取や呼
n
ら次へと出てくるでしょう。皮膚科の
吸をきちんと診ることで、先進的な医
m
診療は非常に高いレベルが求められて
療に貢献できると考えています。自分
lu
きますが、それにきちんと対応できる
たちだけで体全体を治すことが難しい
ています。自分の体を傷つけずに、欠
医師を育てることが大学病院皮膚科の
場合でも、機能改善につながる治療を
香取
使命です。また、再生医療も極めて重
提 供 す る、ま た Q O L を 維 持 す る こ
これまで以上に診断が重要に
わっていくでしょうか。
相場
:
高齢化により内科や総合診療
療し、被災地の健康を守りました。
被災地を走りました
3 科 合 同 チ ー ムのマイ ク ロバス が
要です。皮膚は移植技術が既に確立し
とが我々の使命です。地域の医療器機
co
て い ま す が、東 北 大 学 で、皮 膚 由 来 の
関や、メディカルスタッフに対する教
:
眼 は 全 身 の 窓 と 言 わ れ て い て、
多能性をもつ幹細胞「 M U S E 細胞」
育にも尽力していきます。
今 後、各 科 の 役 割 は ど の よ う に 変
が発見され、様々な応用研究が行われ
:
:
Q O L
:
|
6
もっと
知ってほしい
皮膚科
診療の基本は「正確な診断」。肉眼だけでなく、病理学的所見 や画像診断なども踏まえて正確に診断することを大切にしてい ます。最近では、レーザー治療等の最新の治療も取り入れ、皮 膚疾患に苦しむ患者さんに、理想的な治療を提供しています。
治療の幅が広がる
教 え て! 皮 膚 科 の 気 に な る 病 気 ほくろのがん
悪性黒色腫は日本で年間 1 5 0 0 〜
が付着し、はがれ落ちる病気です。皮
上がった赤い発疹の上に乾燥した表皮
皮膚の慢性炎症性疾患の一つで、盛り
かんせん
2 0 0 0 人 が 発 症 す る 皮 膚 が ん で、
膚症状のみの尋常性乾癬に加え関節症
乾癬
いわゆる「ほくろのがん」といわれて
性 乾 癬、膿 疱 性 乾 癬 な ど が あ り ま す。
あくせいこくしょくしゅ
います。日本人では足の裏にできるこ
多 く の 場 合 病 変 が 人 目 に つ き や す く、
法 が あ り ま せ ん で し た が、最 近、免 疫
根治切除不能な進行例にはよい治療方
対 し 手 術 な ど の 治 療 を 行 っ て い ま す。
に行けたという患者さんから笑顔のご
方法で治療の幅が広がり、念願の温泉
が、最近は生物学的製剤による新しい
日常生活が制限されることもあります
エキスパートのことば
診察後のケアの継続が大切だ
と 考 え 、ア ト ピ ー 性 皮 膚 炎 な ど
の 患 者 さ ん に は 、自 宅 で も 正 し
く で き る よ う 、実 際 に 軟 膏 を 塗
り な が ら 指 導 を し ま す 。家 族 の
サ ポ ー ト は あ る か 等 、患 者 さ ん
の生活スタイルに合ったケア
を心がけています。
看護師
星 五月
幅 広 い 年 齢 の 患 者 さ ん に、処
置・洗浄介助や皮膚の清潔を保
つ た め の ケ ア を し て い ま す。皮
膚疾患は病状が直接見えやす
く、不 安 を 抱 き や す い た め そ の
気 持 ち を 理 解 し、配 慮 す る よ う
に心がけています。
看護師
渡邉 歩
10
悪性黒色腫
数症例に
とが多く、転移や再発が多い予後不良
の働きに作用する新しい薬などでの治
報告を頂いたこともありました。
のがんです。当科では年間
療ができるようになりました。
足の裏の悪性黒色腫
東北大学病院広報誌「へっそ」
9
生物学的製剤投与前
治療開始半年後
40
もっと
知ってほしい
耳 鼻 咽 喉・ 頭頸部外科
治 療 の 対 象 は 鎖 骨 か ら 上 。 鼻 、喉 、顔 面 、首 な ど 幅 広 い 領 域 の 疾 患 に 対 し て 、主 に 手 術 を 用 い た 最 先 端 医 療 を 提 供 し て い ま す 。 ま た 、他 の 病 気 や 治 療 に よ り 食 べ ら れ な い 、話 せ な い といった生活する上で欠かせない機能の障害も診ています。
難聴
なんちょう
聞こえの障害
教 え て! 耳 鼻 咽 喉・頭 頸 部 外 科 の 気 に な る 病 気 飲み込みの障害 えんげしょうがい
高齢化社会に伴い、難聴の患者さんは
嚥下障害
脳 血 管 障 害 に 伴 う も の が 最 多 で す が、
増 加 傾 向 に あ り、 歳 以 上 の
~
長期に渡る安静状態が原因となること
あります。2 0 1 5 年に開設した「摂
果が乏しい場合には手術を行うことも
療 は、ま ず リ ハ ビ リ を 行 い ま す が、効
ベッドサイドでも検査が可能です。治
内 視 鏡 で 嚥 下 を 評 価 す る 手 法 が あ り、
を 確 認 す る 標 準 的 な 評 価 法 に 加 え て、
もあります。造影剤で飲み込みの様子
電極を埋め込むことで、全く聞こえな
最近では、人工内耳といって聴神経に
に 聞 き 取 る こ と が 可 能 に な り ま し た。
はデジタル補聴器の進歩により快適
雑音などの問題がありましたが、現在
い ま す。 以 前 の 補 聴 器 は 音 の ひ ず み、
%に加齢による難聴があるとされて
40 かった方の聞こえが改善し、職場復帰
25
食 嚥 下 治 療 セ ン タ ー」で は、院 内 の 嚥
65
蝸牛内の電極
が叶う方も多くなりました。
受信コイル
下よろず相談に応じています。
嚥下内視鏡検査の様子
人工内耳手術後のレントゲン像
エキスパートのことば
聞 こ え や 発 声 、嚥 下 に 障 害 が あ
る 方 に 、機 能 訓 練 や 補 助 手 段 の
検 討 な ど の リ ハ ビ リ を 行 い 、そ
の方らしい生活が送れるよう
に サ ポ ー ト し ま す 。患 者 さ ん と
共 に ゴ ー ル を 考 え 、そ こ に 到 達
で き る よ う 、縁 の 下 の 力 持 ち と
して支えています。
言語聴覚士
佐藤 剛史
聴覚・嗅覚・嚥下などの機能に
障害をきたした患者さんの生活
の 質 を 向 上 で き る よ う、多 職 種
で連携しながら看護していま
す。ま た、長 期 に わ た る 頭 頸 部
がんの放射線治療による副作用
を最小限にできるようにサポー
トしています。
看護師
門脇 美佳
8
I RO I RO I RYO U
卒 後 研 修 センタ ー 事 務
城 義博
を受けることが義務付けられてい
聞 い た り す る と、嬉 し さ と 達 成 感
立派に活躍する様子を目にしたり
はじめの一歩 を 支 え ま す
を 見 届 け ま し た。巣 立 ち の と き は
ま す。当 院 に も、毎 年 全 国 か ら 研 修
がこみ上げてきます。
寂 し く も あ り ま す が、医 師 と し て
医 が 入 職 し ま す。私 が 働 く 卒 後 研
内をはじめ東北各地の協力病院で
ロ グ ラ ム は 院 内 に と ど ま ら ず、県
全 て を サ ポ ー ト す る 部 署 で す。プ
よ う、そ し て、受 け て 良 か っ た と 感
方に、当院で研修を受けてもらえる
で す。こ れ か ら も、一 人 で も 多 く の
医療を支えるやりがいのある仕事
と不安に思ったそう。でもそれは杞憂
き、医療者と上手くコミュニケーションとれる
のか
に終わり、今では部署や職種の壁を越えてパワ
フルに一つのことに取り組める当院の雰囲気が
好き、と話していました。そんな彼は、大のテ
ニス好き。お昼休みにはラケットを振っている
姿を目撃します。
10
診 療 に 従 事 す る 医 師 は、医 学 部 を卒業後に 年間の初期臨床研修
修 セ ン タ ー は、そ の 採 用 か ら 研 修
患者さんと接する機会はありま せんが、陰ながら東北地区の未来の
も 行 い ま す。研 修 先 が 変 わ れ ば 指
じてもらえるよう、一人ひとりをし
中 の フ ォ ロ ー ま で、研 修 に 関 わ る
導 医 や 患 者 さ ん は も ち ろ ん 、生 活
っかりサポートしていきます。
取材者レポ
そ の も の も 変 わ り ま す。医 師 と し ての基本的な能力を身につける大 切 な 期 間 で す か ら、研 修 に 集 中 で き る よ う に 生 活 環 境 を 整 え た り、 負担を減らしたりすることも私た
年より当院卒
山形県立山形高等技術専門校卒業後、
年に東北大学に入職。
1 9 9 3
後研修センターに勤務。病院勤務が決まったと
2 0 0 8
ちの役目です。 研 修 医 は、い わ ば 社 会 人 一 年 目 の フ レ ッ シ ュ マ ン。顔 を 合 わ せ た 時は声をかけて近況を聞くように し て い ま す。何 で も 相 談 で き る 身 近で頼れる存在でありたいです。 私 は こ れ ま で に、7 回 の 修 了 者
?!
東北大学病院広報誌「へっそ」
11
2
栄 養 バ ラ ンスの
とれた 食 事を
毎食、 主食 (ごはん、 パン、
麺) 、 主菜、 副菜・汁物(野
菜、芋、海藻、きのこな
1
東北大学病院栄養管理室の
野 菜 を 食 べる 副 菜 レシ ピ 1
回、
中
果物や乳製品を適量食
白ナムル
1
ど)を揃え、 日
韓
汁物
日に必要
主食
な栄養素を偏りなく
主菜
果物
べることで
副菜 1
と る こ と が で き ま す。
副菜 2
岡本智子 室長 監修
栄養とうまみが豊富に含まれる旬の野
菜を使った美味しい副菜レシピをご紹
介 し ま す。 あ ら か じ め 料 理 の 時 間 を 短
便 利な
下 ごし ら え 術
使う前にたっぷりの水(た
梅和え
縮 す る 下 ご し ら え を し て お く こ と で、
手軽に無理なく野菜を食べましょう。
「 もやし」
冬 の食 材 もやしは、主に緑豆や大豆の
ひげ根を折るようにとり除
め水)の中でざぶざぶ洗い、
きます。日持ちが良くない
種子を発芽させて暗室の
みで栽培することで緑化
ので、袋からだして洗った
らボールにもやしがかぶ
るくらい水を張り冷蔵庫
で 保 存(水 は 毎 日 交 換 )す
るか、下茹での状態で調味
し て お く と 良 い で し ょ う。
させない野菜です。通年
出回っており、季節の食材
と合わせて使うと良いでしょ
う。食物繊維やビタミンC、葉酸などの栄養を
含みます。ビタミンC は細胞の老化を防ぎ、疲
労回復や肌のトラブル解消に効果を発揮します。
和
乳製品
旨辛炒め
通年ある野菜もひと工夫で
下ごしらえしたもやしがあれば
アミノ酸が豊富な紹興酒で
春色の一品に
すぐ出来る!
こくをアップ!
レシピ(2人分)
レシピ(2人分)
レシピ(2人分)
ひげ根をとったもやし 2 0 0g を沸騰した
ひげ 根をとったもやし 2 0 0g を沸 騰した
サラダ油小2 を熱したフライパンでいか25g、
湯に 3 0 秒 〜 1分 弱ゆで、ざるにあげて
湯に 30 秒 〜 1 分 弱 ゆで、ざるにあげて
ひげ根をとったもやし200gの順に入れ炒め
冷ます。 三つ 葉 1 0g は、3 cm 程 度に切
冷ます。調 味 料 ( 塩 小 1/3 強・すり白ご
る。 いかに火が通ったら、調味料(オイスター
り、湯にくぐしたら水気をきる。梅干し中
ま小 1 と 1/2・すりおろしにんにく少々・
ソース大1・しょうゆ大1/2・紹興酒大2・豆板
2 個は種をとりたたき、調味料(しょうゆ
しょうゆ少々・ごま油 小 1/2 強 )で和え
醤小1/5) をまわし入れ、 もやしと同じ長さに
小 1・みりん小 1 )と合わせ、もやし、三つ
て器に盛り、糸唐辛子をのせる。
切ったにら1/2束を加えてさっと炒める。 いか
葉と和える。
※もやし 1 袋約 2 5 0g のひげ根をとると約 2 0 0g になります。
をちくわに変えてしょうゆを減らしても良い!
10
へ っ そコ ラム
患者さんや慢性疾患を抱える子ど
もが利用できる医療費助成の制度
日 よ り、そ れ
が改正され、対象の病気が増えたと聞きました。ど
月
( 以下、指定難病制度 ) 」と「小児
ついて分かりやすく解説します。
ローソン
正面玄関
慢性特定疾病医療費助成制度( 以下 、 小児慢性制度 ) 」 に改称されました。対象疾病は、指定難病制度が 疾病 から 3 0 6 疾病に、小児慢性制度が 5 1 4 疾病から 7 0 4 疾病に増えました。認定されると、医療費の自 己負担割合が 割になり、所得に応じて月額の上限が 決まります。申請には医師が作成する書類が必要で、両 方の制度に該当する場合があったり、登録した医療機 関等であれば合算ができるなど、制度内容には複雑な
計 算・支 払 い 窓 口
ホスピタルモ ール
EV
フレッシュマンの
番匠 理絵
せずに興味あることを楽しんで!
ちゃんと幸せになれるから、心配
繋がっていくよ。時には辛くても
植物観察等の楽しい時間は未来に
小さな頃の自分にアドバイス
ことをもっと勉強していきます!
た環境で、病院のことや患者さんの
ら学ぶことも多いです。この恵まれ
しようとするチーム医療の姿勢か
方が丁寧に指導してくれます。より良い医療を提供
したいという気持ちもありました。毎日、先生や先輩
東日本大震災から力強く復興しつつある東北に貢献
高く、多様な症例を経験できる当院を志望しました。
は最先端医療を研究しつつも地域医療への貢献度が
ている病院薬剤師など活躍の場が開けています。私
公務員や研究職、病院で患者さんの症状を幅広くみ
で薬のことを説明してくれる薬局薬剤師以外にも、
も、この道を選んだ理由のひとつです。薬剤師は薬局
仕事をしたいと思っていたこと
た。正 義 感 が 強 く、人 を 助 け る
私は食や医療に興味を持ちまし
きた歴史を知り、子どもの頃の
植物が薬や民間療法に使われて
﹁人を助ける﹂薬剤師に!
あの頃と今
未 病・予 防 お し え て !
漢方先生 漢方内科 高山 真 先生
﹂
その ①
月 に 日 本 老 年 医 学 会 か ら「 高 齢 者 の
﹁高齢者と漢方薬
テ ーマ
2015 年
お 口 の お 悩 み 、解 決 し ま す 。
デンタル先 生 歯 科 顎 口 腔 外 科 高 橋 哲・橋 元 亘 先 生
際は、一度歯科を受診してみてはいかがでしょうか。
が出ます。繰り返す場合は抜歯が必要です。気になる
なり、歯肉の腫れ、開口障害、のどの痛みなどの症状
と、その周囲歯肉が汚れて炎症を起こし智歯周囲炎と
たり、歯冠の一部だけが口腔内に見えていたりする
しれません。下顎が小さく智歯が顎骨内に埋まってい
はありませんか?下顎の親知らず(智歯)が原因かも
時々頬が腫れたり、口が開きにくくなったりすること
﹁親知らずの痛みでは?﹂ テ ーマ
いて説明していきます。
薬として挙げられました。次回からは、これらにつ
( ほ ち ゅ う え っ き と う )が 有 用 性 が 示 唆 さ れ る 漢 方
ゅうとう) ・麻子仁丸(ましにんがん) ・補中益気湯
湯( は ん げ こ う ぼ く と う ) ・大 建 中 湯( だ い け ん ち
ら れ て い ま す。抑 肝 散( よ く か く さ ん ) ・半 夏 厚 朴
り、漢 方 薬 に つ い て も 有 用 性 や 注 意 点 な ど が 述 べ
安全な薬物療法ガイドライン2015」が発表とな
12
医療ソーシャルワーカー シャルワーカーが、医療制度に
昨 年( 2 0 1 5 年 )か ら、難 病 の
場で患者さまを支える医療ソー
56
点があります。詳しくは主治医や保健所、または医療
N
10
のように変わったへそ? 2015年 1
ぞ れ「指 定 難 病 医 療 費 助 成 制 度
1
機関のソーシャルワーカーまでご確認ください。
医療ソーシャルワ ーカーは ここにいます! 医療そうだん窓口 階) 時
16
東北大学病院広報誌「へっそ」
13
福祉の専門家として医療の現 EV
タリーズ コーヒー
(外来診療棟
8
薬剤部 薬剤師
昔から本の虫。小説家は世 代を越えて自分の考えを発 信し、人や社会に影響を 与えられると感じたから
榊原 愛 分~
子どもの頃の夢は
今号の回答者
2
30
A 1 受付時 間 / 時
「小説家」
へそそ
そ が 行く ! へそ
he s s o co lu mn
ススメ
〜
日 、平 成
年度宮城県災害医療
院 内 に 加 え て 、地 域 の 災 害 医 療 体 制 を 強 化 す る こ と も 、当 院 が 担 う 役 割 の 一 つ で す 。
月
27
の医療機関から
名 が 参 加 し 、宮 城 県 の 災
研 修 セ ン タ ー が 会 場 と な り ま し た。 県 内
療活動を行った石巻赤十字病院の災害医療
し て い ま す 。 今 回 は 、被 災 地 の 最 前 線 で 医
が 宮 城 県 か ら 委 託 を 受 け 、3 年 前 か ら 実 施
医 療 体 制 を 強 化 す る こ と が 目 的 で す。 当 院
(
D i s a st e r Me d ic a l A s s i st a nce Te a m , )の 隊 員 を 養 成 し 、県 内 の 災 害 時
動を行うことができる災害派遣医療チーム
災害発生時に被災地において迅速に医療活
技 能 研 修 会 を 実 施 し ま し た。 こ の 研 修 は、
26
「 結 節 性 硬 化 症 」と い う 病 気 を ご 存 じ で し ょ う か? 発 達の遅れやてんかん発作が主な症状ですが、他にも体 のいろいろな所に腫瘍ができる難病です。特に腎臓に できやすく、腎機能が低下したり、出血して命にかか
7
の意義についての
講 義 や ト リ ア ー ジ の 実 習 な ど 、実 戦 的 な 訓
宮城県災害医療技能研修会
未曾有の災害となった東日本大震災は、医 療者に多くの教訓を残しました。これを次に
関の使命です。
師 、看 護 師 な ど の 医 療 従 事 者 、警 備 員 、医 学 部 学 生 な ど 約 300名 が 参 加 し ま し た 。 発 災 後 、病 院 長 を 本 部 長 と す る 災 害 対 策 本 部 を 立 ち 上 げ 、情 報 収 集 と そ の 対 応 訓 練 を 行 う な ど 外 来 診 療 棟 も 使 用 し た 、実 際 に 近 い 環 境 で の 訓 練 で し た 。 約 100 人 の 模 擬 傷 病 者 に 対 し 、迅 速 に 重 症 度 ・ 治 療 優 先 度 を 判 定 し 、処 置 や 搬 送 な ど 円 滑 に 実 行 で き る か を 確 認 し た り 、仙 台 市 消 防 局 及 び 大 崎 市 民 病 院 の 協 力 を 得 て 、ヘ リ コ プ タ ー 実 機 に よる搬送訓練も行いました。
総合防災訓練
練を行いました。
地 域 医 療 復 興 セ ン タ ー が 取 り組 む 、
活かすことは、大きな災害を経験した医療機
医療復興 への活動を報告していきます。
月 日 、総 合 防 災 訓 練 を 実 施 し ま し た 。 仙台市内を震源とする震度 強の地震が発 6
わることもあります。最近は飲み薬で腫瘍を小さくす
11
D M A T
害 医 療 体 制 や、
10
Vol .
もしものときに備える
27
D 43 M A T
!
生 し た と い う 想 定 で 行 わ れ 、医 師 、歯 科 医
31
小児科
植松 貢 先生
泌尿器科
三塚 浩二 先生
率の1位となりました。最近は検診の普及等により早期に 見つかることも多く、すぐに治療を行わず経過を見ること もあります。治療を行う場合は、がんを治すだけでなく、 尿もれや勃起不全など、治療に伴う障害を出来るだけ少な くするように心掛けています。
次回は、放射線治療科の神宮 啓一先生です!
10
ることができるようになりました。
つ な が って いく医 療 の ことば 。
最新の統計による推測では、前立腺がんは男性のがん羅患
つぶ やき イリョウリレ ー
12
IN F O R M ATIO N 正面入り口の看板を新しくしました
第 13 回 東北大学病院 市民公開講座
「わたしが守る大切な人
当院の正面右手にある標榜診療科の看板を新しくしまし
−胸骨圧迫 、AED、そして救命の連鎖 −」を
た。今回の更新では、診療科の増減や変更はありません。
開催しました
※病院内における標榜診療科名の表示に関しては法令上の制約
11月7日(土)、第 13 回東北大学病院市民公開講座を開 催しました。 「わたしが守る大切な人 −胸骨圧迫、AED、
がないため、看板に掲げている診療科の名称が一部実際と異な る箇所がございます。ご了承ください。
そして救命の連鎖−」と題して救命救急の現状や心肺蘇 生法を紹介し、今回は特別に参加者全員を対象に胸骨 圧迫とAED による心肺蘇生の体験も行いました。第一 部の基調講演では、東北大学大学院医学系研究科 遠 藤智之講師が正しい心肺蘇生法と、仙台市の「救命ナビ アプリ」を紹介しました。記念講演では 国士舘大学体育学部 高橋宏幸助教よ りご講演を頂き、最後は参加者からの質
仙台市 スマートフォン用 アプリケーション
救命ナビ
問に答え、 「難しい場面で迷ったら 119 番 に連絡し指示を受けてほしい」と締めくく りました。会場はほぼ満席となりました。
第 6 回 東北大学病院 からだの教室
申込み〆切
2 /26
産科医と話そう パートナーの妊娠と出産 男のホンネ OTOKO☆NIGHT〈男性限定〉
FRIDAY
今 回のからだの 教 室では、多くのお産に携わってき た当院の産科医が、男として妊娠・出産にどう関わる か、心と体の葛 藤などについて、最新事情を交えなが らお 話します。 男 が 抱える妊 娠・出 産の不安 や 悩みに ついて、男同士、ホ ンネで 語り合 って みませんか? 講師/周産母子センター 西郡 秀和 進行/東北メディカル・メガバンク機構 長神 風二 日時/ 2016 年 3 月 2日 (水)19 : 0 0 〜 20 : 30(18 : 30 開場) 場所/ SENDAI KOFFEE CO.(宮城県仙台市青葉区春 日町 4 - 25 パストラルハイム春日町 1F) 対象/妊娠・出産の可能性のあるパートナーを持つ男性
次回開催
「安全に食べるために、摂食嚥下障害への取り組み(仮)」 日時/ 2016 年 6 月 25 日(土) 場所/仙台国際センター(仙台市青葉区青葉山) お申し込み方法などは、当院ホームページや、ポスター掲示などで お知らせいたします。ぜひご参加ください。
15
定員/ 30 名 参加費/無料( 1ドリンク付き) 申し込み/事前の申し込みが必要です。 詳細はホームページをご覧ください。 東北大学病院 からだの教室ホームページ
www.hosp.tohoku.ac.jp/karada/
東北大学病院広報誌「へっそ」
10
ケータイ ・スマホの方は こちらからもアクセス!
看護の手
「お母さんの手って、年の割にはきれいだね。昔から
クリーム塗って、お手入れしてたよね」先日、久しぶり
に会った娘が私の手を見て言った言葉です。
手にクリームを塗り丹念にマッサージをするように
なったのは、 代で手術室を経験した頃からです。手
法が一般的でした。
日
回は必ずこのブラシで、洗
1
がなくて
に ス ピ ー ド、 に 返 事、
頃から習慣になったのだと思います。
クリームを塗って手入れをしなさい」と言われ、その
染のもとにもなる。 患者さんが早く回復できるように、
荒れると手術介助が出来なくなるだけじゃなくて、感
皮膚が赤くなったりひりひりしました。先輩に「手が
うというより、 こするのです。毎日のことでしたから、
1
ら・手の甲・指の間・爪そして腕を、ゴシゴシ洗う方
ような硬い毛のついたブラシに消毒剤をつけ、手のひ
わ せ る『も み 洗 い 』に な り ま し た が、当 時 は た わ し の
で手を洗います。今は消毒剤をつけて両手をこすり合
術 介 助 を す る 看 護 師 は、 『手 術 用 手 洗 い 』と い う 方 法
20
1
2
に 愛 嬌 」、手 術 時 間 を で き る だ け 短
手 術 室 看 護 師 の 心 得 は「 ・
4
5
で活躍してくれました。 私にとっては大切な道具です。
しわが増えたこの手も、文字通りたくさんの看護の場
看護は「手と目で護る」と書きます。今ではしみや
自分もああなりたいと思い、日々研鑽したものです。
の 動 き は 無 駄 が な く、優 雅 で 美 し く さ え あ り ま し た。
と手術を先読みする能力が求められました。先輩の手
くするために、器械出し看護師にはスピーディな動作
3
思 い が こもった 大 切 なも の
もの ローグ
もんま のりこ/ 1956 年生まれ、岩手県出身。1978 年東北大学医療技術 短期大学部看護学科卒業後、当院看護部に入職。看護師長、副看護部長を 経て 2011 年に看護部長に就任。2013 年東北大学医学系研究科保健学 専攻国際看護管理学分野前期課程修了。東北大学医学部保健学科臨地教 授、東北大学ケアサイエンス共創センター長を兼任。
# 02
表紙 のはな し
助教(中央)
周産母子センタースタッフ
齋藤 昌利
看護師長(右)
助産師(左)
大桐 規子
小野寺 恵
ハイリスク出産や救急搬送も多く受け入れる当院
周産母子センター。ここで毎年 1 0 0 0 人もの新
しい命の誕生を支えているのが超音波診断装置で
す。胎児の姿を映し出すという産科医療を一変さ
せた技術を右腕に、命の現場で奔走するスタッフた
ち。 「モニター越しに見守ってきた赤ちゃんが大き
な産声をあげてお母さんに会える瞬間は、私たちに
とっても特別な時間です」と顔をほころばせます。
ご意見募集 hesso へのご意見・ご感想を募集しております。住所、氏名、年齢、性別、ご 意見・ご感想をご記入の上、下記宛先までおハガキ、E-mail、またはフォーム
東 北 大 学 病 院 広 報 誌「 へ っ そ 」
でお送りください。抽選で当院オリジナルグッズをプレゼントいたします。
第 1 0 号 2 0 16 年 2 月 1 2 日 発 行
宛先
仙台市青葉区星陵町 1−1 東北大学病院 広報室
hesso(へっそ)は東北大学病院の広報誌です。人のカラダ
hesso@pr.hosp.tohoku.ac.jp
ご意見・ご感想
https : //secure . hosp.tohoku.ac.jp/ hesso/contact
を中心に、いまの医療を中心に、地域の皆さまにわかりや
ケータイ ・スマホの方は こちらからもアクセス!
すく当院の活動を紹介します。hesso を中心に人の輪がで きる、まさに地域の「おへそ」のような存在を目指します。 Publisher:東北大学病院 / Plan & Edit:東北大学病院広報室
へそそ絆創膏
Design & Photo:akaoni Design
おててテトテト DVD
編集後記 3 0代後半を過ぎると、目がかすみ、肌には日焼けのダメージを実感する方が多いのではないでしょうか。老化は免れないことですが、いつまでも 元気に生活するためには日頃のケアと楽しく前向きでいることが大切なようです。特集でご紹介した若さを保つ秘訣、ぜひ取り入れてみて下さい。
オリジナルキャラクター
へそそ
Web マガジン hesso
Facebook 東北大学病院 公式ページ
www. hosp.tohoku . ac.jp/hesso
www. facebook .com/hosp.tohoku
Facebook hesso 公式ページ
T w i t t e r 東北大学病院 公 式アカウント
www. facebook.com/hosp.tohoku.hesso
@hosp_tohoku
東北大学病院 〒 980 - 8574 宮城県仙台市青葉区星陵町 1-1 TEL 022 -717 -7000 URL www.hosp.tohoku.ac.jp お問い合わせ
東北大学病院広報室 TEL 022 - 717 - 7149 E-mail pr @hosp.tohoku.ac.jp