Randlab Global Product Brochure (Japanese Edition)

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RANDLAB 製品カタログ

頂点 に立つまでには 何年もかかる

RANDLABの関節製品シリーズ

健康な関節への投資

Intra-Log® 新製品

( )トリアムシノロンアセトニド

筋肉内・滑液嚢内注入用コルチコステロ イド注射剤(トリアムシノロンアセトニド)。

Arthropen Vet® 250

( )ポリ硫酸ペントサン���mg/mL

最高レベルの硫酸化で有効性を高めた 疾患修飾性変形性関節症薬(DMOAD)。

費用対効果大。

Matrix 6000® IV

(ヒアルロン酸)

高性能を意味する高分子・高粘性の ヒアルロン酸。

Alljoints®

硫酸グルコサミン・コラーゲン加水分解物・ 緑イ貝粉末・コンドロイチン硫酸・ビタミンE

重要な有効成分を組み合わせた独自の 処方で、関節軟骨の修復と維持をサポート。

Zycan® *

(ポリ硫酸グリコサミノグリカン)

米国でもっとも信頼されている関節治療薬 アデクァンの初のジェネリック製品として 承認。

*ニュージーランドではACVM輸入許可証が必要です。

Arthropen Vet®(馬・犬用)

( )ポリ硫酸ペントサン���mg/mL

最高レベルの硫酸化で活性を高めながら、 低濃度のペントサンで組織反応を抑制。

Equinate™ IA & Equinate™ IV

(ヒアルロン酸)

非感染性の滑膜炎および変形性関節症に 伴う跛行の関節内又は静脈内投与薬。

Zoldronic Acid™ *

(ゾレドロン酸一水和物)

高効力・長時間作用型のビスホスホネート 注射剤。

*オーストラリア・ニュージーランドでは 発売していません。

4 創業者からのご挨拶

コミュニティ

関節対策製品

14 Intra-Log Injection 16 Zycan Injection 17 Arthropen Vet 250 Injection

18 Arthropen Vet Injection

19 Matrix 6000 Injection

20 Equinate IA/IV Injection

21 Equinate IV Injection 22 Zoldronic Acid Injection

呼吸器系製品

24 Airway Tmps Oral Powder

Bromo Tmps Oral Powder

Airway Gel

抗炎症製品

Rapid Relief Gel

Dex 5 Injection

Platinum Bute IV

Equine Bute Paste

Meloxicam Injection 32 Meloxicam Paste 33 Meloxicam Forte Susp.

Colix Injection

with Tape(新製品)

B Injection(新製品)

X(新製品)

Supervites, Electrolene Paste, Kentucky Gold Saline Drench & BC5aa Paste

Randlab Gold Suite

歴史を作った馬たち 第3部

製品群

Sedator Injection

Randlab Xylazine Injection

Sed-Ace Oral

創業者からの ごあいさつ

アンジェリス・ヴァシリ

2024年

大切なビジネスパートナーの皆さまには昨年のみならず、創業より20年もの間ご愛顧いただいていますことをまずは何よ りも先にお礼申し上げます。月日の長短に関係なく、皆さまからいただいているご支援に日々感謝しております。

20周年という節目は、これまでを振り返る機会を与えてくれます。シドニー郊外ピークハーストの小さな工場で始まった頃 の目標は達成できただろうか

馬の獣医師たちがどこにいようとも日々必要とする処方薬やサプリメントを幅広く提供 し、毎日の診療のサポートを行うこと。私たちのアプローチは創業期からまったく変わっていません。

1つ目の点につきましては、これまでに実現できたことを誇りに思っています。私たちは、継続的に製品範囲を拡大させ、処 方薬についてもお約束した「幅広い取り揃え」にかなり近づくことができました。

2つ目の点につきましても、私たちは段階的な改善に向けて取り組みを続けています。

• 私たちの座右の銘「教育は私たちのパッション」を実践すべく、オーストラリアと周辺国において馬医療教育の最大のサ ポーターとしての活動を続けています。多くの馬医療の学会や教育イベントにおいて、主要スポンサーとして名を連ねて います。

• アデレード馬祭り、豪州獣医師会ヨットの日、Bain Fallon記念講演晩餐会、Magic Millionsオークション、Karaka & Nutrienクラシックセール夕食会、ニュージーランド獣医師会馬部会夕食会、豪州獣医師会馬部会食事会、City2Surfマ ラソンなど、馬の獣医師たちが集うイベントがあれば必ず協賛企業として参加。

• 豪州獣医師会Bain Fallon記念講演と由緒ある晩餐会のプラチナスポンサーを務めました。

• 胃内視鏡検査サービスを無料で提供、動物病院にて胃内視鏡検査デーを定期的に開催しています。これまでの検査数 は2万件を超えています。

• オーストラリアのすべての獣医大学において獣医学生の活動資金を提供することで、将来の馬獣医師を支援しています。

• オーストラリア国内外において数多くの馬関連の慈善事業に医薬品を寄付しています。

• あまり公にはなっていませんが、業界全体が直面している規制の一部が常識に基づいたものになるよう、努力を続けて います。

この20年間、Randlabは皆さまと一体でした。この信頼関係に根ざし、今後も揺るがない取り組みを続けていくことをお約 束します。

最後に、皆さまの変わらぬご支援に感謝いたしますとともに、心躍る未来に向けて共に舵を取りながら、世界中の成功が 皆さまとご家族の皆さま、皆さまの事業のもとに集まることを心から願っております。

皆さまが安全で健康でありますように

最高経営責任者

教育は私たちのパッション

オーストラリアの馬獣医学教育に最大の支援を行うとともに、世界でも主要なスポンサーです

豪州獣医師会 ゴールドスポンサー

豪州馬獣医師会の すべての州大会を 支援

NZ獣医師会

馬部会

夕食会

大学馬研究会の 全学生をサポート

豪州獣医師会 ヨットの日

豪州獣医師会

馬獣医師会食事会

アデレード馬祭り 獣医師リトリート

Nutrien クラシック獣医師 向けイベント

Minitube 馬テックデー会議

����年馬歯科学会 Toothfest ゴールドスポンサー

豪州・ニュージーランド 獣医師学会サイエンス ウィーク

Matamata 馬競技会 主催

豪州馬術連盟 獣医学コース

Ellerston開催 スコーン競技会 夕べの会

Bain Fallon 記念講演プラチナ スポンサー

Bain Fallon 記念講演 晩餐会

豪州馬獣医師会学生 キャリア相談会を 毎回支援

豪州馬獣医師会 繁殖学上級 ワークショップ

馬歯科学会年次会

国際馬繁殖 シンポジウム  グローバル教育 ウェビナー

シドニー�DE  獣医師朝食会

グルバーン・バレー 馬専門病院 紹介医 の集い

スコーン杯  獣医師の集い 開催

VetPDウェット

ラボを随時支援

クイーンズランド大学 開催 米国スポーツ・ リハビリテーション 獣医学会ジャーナル クラブ

メルボルン�DE 獣医師朝食会

クリニッククライ アント 夕べの集い

City�Surf  ����年Randlab チーム再参戦!

Randlab胃内視鏡無料検査サービス(オーストラリア・ニュージーランド対象) 私たちは馬専門病院に無料で3M胃内視鏡を貸し出し、経験のある胃内視鏡認定技師による院 内胃内視鏡検査デーを開催しています。経験は一切必要ありません。弊社の胃内視鏡認定技師 が全過程を実演いたします。これまでに2万件以上に上る胃内視鏡検査を実施してきました。診 療内容の充実化にお役立てください。次回の胃内視鏡デー開催のご予約はRandlabの現地担 当者までご連絡ください(p.78参照)。

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免責事項:

本カタログに掲載されている

情報は、発行時点においては 正確と考えられていますが、

獣医師の方はご自身で検討を 行ったうえで製品の処方また は投与を行う責任があります。

日本進出10周年

潰瘍対策 製品 全 4 製品

参考資料

Randlabの胃潰瘍・胃内視鏡検査に関する豊富な資料を オンラインで閲覧いただけます。

全ファイル無料ダウンロード可

馬によくある胃の病変・潰瘍は大きく分けて2種類

噴門口(胃の入口)

食道

ヒダ状縁 胃底

近位十二指腸

幽門(胃の出口)

幽門洞

胃小弯 胃大弯

胃体胃大弯

馬の扁平胃疾患(ESGD)

馬は常に胃酸を分泌し続けており、1日40リットルもの胃酸が 胃粘膜有腺部壁細胞によって産生されています。胃の有腺部 は厚い粘膜層で保護され、重炭酸ナトリウムを局所的に分泌 することよって緩衝地帯を形成し、胃酸によるダメージから上 皮層が守られています。しかし、扁平上皮で構成される胃の上 部には、このような生来の防御機能が備わっていません。

自然界の馬は1日18時間以上もかけて草を食むことが知られ ています。このように食物繊維を常に摂取することで、胃内に 繊維の玉や粥状物が形成され、これらが胃酸を吸収すると同 時に物理的なバリアを形成して胃酸が跳ねるのを防いでいま す。

家畜化によって飼料の給与が断続的になり、通常の飼養管理 では、1日のうち胃が比較的空になる時間が長く続きます。その ため、保護されていない扁平上皮粘膜部に胃酸が「飛び散る」 可能性が高くなります。運動や輸送によってこの危険性はさら に高まり、歩いただけでも胃酸が跳ねることがあります。

胃酸の接触による損傷が時間の経過とともに蓄積し、扁平上 皮粘膜に真性の胃潰瘍が生じます(ESGD)。

扁平上皮潰瘍の罹患率

訓練中の

馬の腺胃疾患(EGGD)

馬の胃の下部には胃腺が分布しており、常に胃酸に曝されています が、生来的に備わった保護機能によって胃酸のダメージから守られ ています。馬の腺胃疾患の正確な発生機序は明らかになっていませ んが、おそらくは炎症が根底にあり、多因子が関与する疾患である と考えられています。また、ストレスも重要な役割を果たしていると 考えられます。病変は多くの場合、増殖性であり、真の潰瘍が生じる ことはまれです。EGGDの管理では、胃酸の抑制が重要です。現在の EGGDの治療に関するコンセンサスガイドラインでは、高用量のオメ プラゾールとスクラルファート(4〜20 mg/kg・1日2〜4回)を少なく とも8週間継続することが推奨されています。

RANDLABの総合的潰瘍治療製品群 性能に負けなし

三大陸(オーストラリア・米国・ヨーロッパ)の�つの 大学における試験で常に最善の成績が示されています

Ulcershield® 経口ペースト

APVMA承認番号:81799(オーストラリア)| ACVM番号:A010916(ニュージーランド)

販売国:

胃潰瘍の治療と予防に 緩衝化オメプラゾールペースト剤

潰瘍治療の主力製品

競合製品よりも優れた吸収=バイオアベイラビリティを 4つの大学における臨床試験で確認

有効成分

耐酸性ペースト中オメプラゾールを370 mg/g含有

包装

33 g マルチドーズシリンジ × 6本(パック入り)*

33 g マルチドーズシリンジ × 50本(容器入り)

*本剤1箱で体重600 kgの馬1頭を30日間治療することができます。

胃潰瘍の正確な診断とESGDとEGGDの鑑別には、胃内視鏡 (胃カメラ)による胃粘膜の検査が推奨されます。

効能又は効果

馬の胃潰瘍の治療および予防

胃潰瘍では次のような臨床症状が認められることがあります。

• ボディコンディションの低下 • 毛づやの低下 • 行動の変化

• パフォーマンスの低下 • 腹痛 • 低グレードの再発性疝痛 • 食欲不振 • 皮膚過敏症 • 間欠性の軟便

• 訓練を嫌がる • 慢性下痢 • さく癖(グイッポ)

馬の腺胃疾患(EGGD)は、競走馬とスポーツ馬の約40%が罹患するといわ れる胃の病気の1つです。炎症性病変を特徴とし、胃の幽門部にもっとも多 く認められます。

EGGDの治療は難しく、胃幽門部の胃液は酸性度が強いことから、確実な 胃酸抑制を行う方法が現在推奨されており、スクラルファート等の胃粘膜 保護剤を併用する方法が多く用いられています。一般的にEGGDの治療に は長期の併用療法が必要です(8週間以上)。

薬理学的情報

オメプラゾールはプロトンポンプ阻害薬です。胃壁細胞の分泌面に存在す るH+/K+ATPアーゼ系を特異的に阻害することで胃酸を抑制します。この酵 素系は分泌経路の最終ステップに当たるため、オメプラゾールは刺激の有 無に関わらず胃酸の分泌を遮断することができます。治療開始後3〜5日で 最大の胃酸抑制効果が得られます。

オメプラゾールは胃酸によって分解されてしまうため、本製品に含まれるオ メプラゾールは、特殊な特許製法を用いて保護されています。

オメプラゾールは胃を通過して小腸で吸収される必要があります。胃の中 に食物が多量に残っていると、オメプラゾールの吸収量が低下します。

本剤は常に比較的空腹時に投与することが推奨されます。投与後は、少な くとも20分、できれば60分は給餌しないでください。

本剤は、馬及び子馬における安全域が広く、生後1か月以上の子馬に使用 することができます。

新登場 育成牧場・ 馬房 パック

用法及び使用上の注意

本剤は常に比較的空腹時に投与することが推奨されます。給餌の少なくと も20分前、できれば60分以上前に投与を行ってください。

本剤は、繁殖用の牡馬にも安全に使用していただけます。妊娠中又は授乳 中の牝馬に対する安全性は確認されていません。91日を超える長期投与の 安全性は、臨床試験では確認されていません。

オメプラゾールの長期投与による合併症は馬では報告されていません。

用量

治療用量:4 mg/kgで成馬(600 kgまで)に対し1日6 mLを28日間投与する。

予防・維持用量:2 mg/kg*

成馬(600 kgまで)に対し1日3.0 mLを28日間投与する。

*厳しい調教及び過密な競技スケジュール、輸送等のストレスの増大が予 期される場合の潰瘍の再発防止については、維持用量では不十分なこと があります。これらの場合は、治療用量の投与の継続が必要になることが あります。

投薬中止方法:用量を週に1/2ずつ減量し、最低でも2週間かけて断薬を行 うことが推奨されます。

Randlabの胃潰瘍・胃内視鏡検査に関する豊富な資料 をオンラインで閲覧いただけます。

全ファイル無料ダウンロード可

興味を持ったことはありませんか… Ulcershieldの パッケージの馬は誰? レイチェルアレクサンドラ(米国) 2009年チャーチルダウンズ競馬場にて 開催のケンタッキーオークス優勝馬 レイチェルアレクサンドラは、オークスにて史上最大の20馬身1/4差を つけて優勝。米国の著明な馬専門の画家Tom Chapmanによる絵画を

Gastropell Forte® 経口ペースト

販売国:

世界初、薬量を2倍に高めた腸溶性オメプラ ゾール経口ペースト。胃潰瘍の治療と予防に

高いパフォーマンスが期待される競走馬や慢性難治性の潰瘍など、すみやかな 反応が必要とされる場合に役立つ強化型プレミアム製品です

有効成分

腸溶性オメプラゾール100 mg/mL

包装

30 mL マルチドーズシリンジ × 5本*

*本剤1箱で体重500 kgの馬1頭を15日間治療することができます。

胃潰瘍の正確な診断とESGDとEGGDの鑑別には、胃内視鏡 (胃カメラ)による胃粘膜の検査が推奨されます。

効能又は効果

Gastropell Forteは、高性能競走馬における有効性が示されています(特 定の効能としてAPVMA承認済み)。また、慢性再発性又は重度の胃潰瘍な ど、胃潰瘍の迅速な緩和が求められる場合に最適です。

胃潰瘍では次のような臨床症状が認められることがあります。

• ボディコンディションの低下

• 毛づやの低下 • 行動の変化

• パフォーマンスの低下 • 腹痛 • 低グレードの再発性疝痛 • 食欲不振 • 皮膚過敏症 • 間欠性の軟便 • 訓練を嫌がる • 慢性下痢 • さく癖(グイッポ)

馬の腺胃疾患(EGGD)は、競走馬とスポーツ馬の約40%が罹患するといわ れる胃の病気の1つです。炎症性病変を特徴とし、胃の幽門部にもっとも多 く認められます。

EGGDの治療は難しく、胃幽門部の胃液は酸性度が強いことから、 (Gastropell Forte等による)確実な胃酸抑制を行う方法が現在推奨され ており、スクラルファート等の胃粘膜保護剤を併用する方法が多く用いられ ています。一般的にEGGDの治療には長期の併用療法が必要です(8〜12 週間以上)。

薬理学的情報

Gastropell Forteは、市場で唯一、薬量を2倍に高めたオメプラゾール製剤 です。オメプラゾールは用量依存性に胃酸分泌を抑制するため、薬量が2倍 になると薬効も2倍になります。オメプラゾールは胃酸分泌を抑制して胃の 酸性度を侵襲性の低いレベルに保ち、2〜4週間で潰瘍を治癒できることが 臨床試験のデータで示されています。

1日2〜3回程度の給餌が行われる高性能馬では、胃の中に食物がない状 態が長時間続き、胃の内容物によって酸性度の高い胃液を効率よく吸収す ることができません。激しい運動中は胃の大きさが安静時の半分以下にな り、胃を裏打ちする扁平上皮部に胃酸が接触しやすくなることから、損傷が 起こりやすくなります。

馬の胃液の酸性度や給餌、運動スケジュールに応じて、胃粘膜のびらん形 成と修復のサイクルが繰り返されます。

Gastropell Forteは経口投与剤ですが、直接胃酸に作用することはありま せん。胃を通過したのち、小腸で吸収され、血流を介して胃酸を分泌する胃 APVMA承認番号:82722(オーストラリア)| ACVM番号:A010775(ニュージーランド)

の壁細胞に働きます。

本剤の強力な胃酸抑制作用により、投与開始後2〜3日で胃液の酸性度が 急速に低下します。胃液が胃粘膜を侵食することがなくなるため、潰瘍は2 〜4週間で自然に治癒します。その後、用量を減らして毎日の投与を継続す ることで、潰瘍の再発を防ぐことができます。

Gastropell Forteは胃潰瘍をすみやかに修復します。臨床症状にも投与開 始から2週間以内に改善又は解消がみられるでしょう。

治療を継続しない場合、2週間以内に治療前と同程度の重症度と範囲で潰 瘍が再発することがあります。用量を減らした維持量で治療を毎日継続す ることで潰瘍の再発を予防できることがデータにより示されています。

用法及び使用上の注意

本剤は常に比較的空腹時に投与することが推奨されます。給餌の少なくと も20分前、できれば60分以上前に投与を行ってください。

腸溶性オメプラゾールの被覆ビーズは馬が咬むと壊れることがあります。 必ず口の奥の舌の付け根部分に投与してください。咬ませないよう注意し てください。

用量

治療用量(ESGD):2.0 mg/kg BW(10 mL/500 kg BW)で1日1回、2〜4週 間投与し、その後は維持量に切り替える。

治療用量(EGGD):2.0 mg/kg BW(10 mL/500 kg BW)で1日1回、6〜8週 間投与する。

予防・維持用量:調教中は1.0 mg/kg BW(5 mL/500 kg BW)で1日1回継 続する。

投薬中止方法:用量を週に1/2ずつ減量し、最低でも2週間かけて断薬を行 うことが推奨されます。

馬豆知識:馬の腺胃疾患(EGGD)の治療はいまだに難し く、高用量のオメプラゾールとスクラルファート(20 mg/ kg・1日2〜4回)を少なくとも8週間以上併用する方法が 現在推奨されています。その他、ミソプロストール(5 µg/ kg・経口で1日2回)等による治療も推奨されています。飼 養管理方法の改善もEGGDの管理には欠かせません(本カタログの中 程見開きを参照)。所定の治療期間終了時には再度胃内視鏡検査を 行うことが推奨されます。

Gastropell Daily® 経口ペースト┃潰瘍治療薬

Gastropell Daily® 経口ペースト

APVMA承認番号:62558(オーストラリア)| ACVM番号:A010165(ニュージーランド)

販売国:

胃潰瘍の治療及び予防用の 腸溶性オメプラゾール経口ペースト

馬の胃潰瘍の初歩的な治療に 軽作業馬やストレスの少ない環境、体重の軽い馬(子馬及び ポニー)に最適

有効成分

腸溶性オメプラゾール50 mg/mL

包装

30 ml マルチドーズシリンジ × 5本(パック入り)*

30 ml マルチドーズシリンジ × 50本(容器入り)

*本剤1箱で体重500 kgの馬1頭を15日間治療することができます。

胃潰瘍の正確な診断とESGDとEGGDの鑑別には、胃内視鏡 (胃カメラ)による胃粘膜の検査が推奨されます。

効能又は効果

Gastropell Dailyは、低グレードの胃潰瘍の治療と予防に適しています。軽 作業馬やストレスの少ない環境、体重の軽い馬(子馬及びポニー)への使用 に理想的な製品です。

胃疾患では次のような臨床症状が認められることがあります。

• ボディコンディションの低下

• パフォーマンスの低下

• 食欲不振

• 訓練を嫌がる

• 毛づやの低下 • 行動の変化

• 腹痛 • 低グレードの再発性疝痛

• 皮膚過敏症 • 間欠性の軟便

• 慢性下痢 • さく癖(グイッポ)

子馬では次のような臨床症状が認められることがあります。

• 食欲低下

• 流涎

• 食欲不振 • 歯ぎしり

• 疝痛 • 下痢

• 胸骨臥位 • 犬座姿勢 • 脱力

薬理学的情報

Gastropell Dailyは、用量依存性に胃酸分泌を抑制するオメプラゾールを 含有。本剤は胃酸分泌を抑制して胃の酸性度を侵襲性の低いレベルに保 ち、2〜4週間で潰瘍を治癒できることが臨床試験のデータから示されてい ます。その後、用量を減らして投与を毎日継続することで潰瘍の再発に役立 つことがあります。

Gastropell Dailyは経口投与剤ですが、胃粘膜に直接作用することはあり ません。胃を通過したのち、小腸で吸収され、血流を介して胃酸を分泌する 胃の壁細胞に働きます。胃の中に食物が残っていると、本剤の吸収が大幅 に低下します。常に比較的空腹時に投与することが推奨されます。

本剤の胃酸抑制作用により、投与開始後3日以内に胃液の酸性度が急速に 低下します。胃液が胃粘膜を侵食することがなくなるため、潰瘍は2〜4週 間で自然に治癒します。

本剤の胃酸抑制作用は18〜24時間であるため、毎日の投与が必要です。

治療を継続しなかった場合、2週間以内に治療前と同程度の重症度と範囲 で潰瘍が再発することがあります。用量が低い維持量で治療を毎日継続す ることで潰瘍の再発を予防できることがデータにより示されています。

用法及び使用上の注意

本剤は常に比較的空腹時に投与してください。給餌の少なくとも20分前、 できれば60分以上前に投与を行ってください。

腸溶性オメプラゾール被覆ビーズは馬が咬むと壊れることがあります。必 ず口の奥の舌の付け根部分に投与してください。咬ませないよう注意してく ださい。

投薬中止方法:用量を週に1/2ずつ減量し、最低でも2週間かけて断薬を行 うことが推奨されます。

用量

成馬:治療用量1.0 mg/kg BW(10 mL/500 kg BW)で1日1回、2〜4週間継 続し、その後は維持量に切り替える。

予防・維持用量:調教中は0.5 mg/kg BW(5 mL/500 kg BW)で1日1回継 続する。又は獣医師の指示に従う。

子馬:1.0 mg/kg BW(2 mL/100 kg BW)で1日1回投与。又は獣医師の指 示に従う。

興味を持ったことはありませんか… Gastropell Dailyの パッケージの馬は誰? ゴルディコヴァ(フランス) 2010年ロイヤルアスコット競馬場にて 開催のクイーンアンステークス優勝馬 ゴルディコヴァはフランスのマイル路線馬で、ブリーダーズカップで3連 覇を遂げた唯一の馬です(2008〜2010年)。

生涯成績は27戦17勝、3着以上は9回、賞金総額は720万ドル。 ヨーロッパのG1競争14勝は、現在でも破られることがない最多勝利で す。

米国の著明な馬専門の画家Tom Chapmanによる絵画をパッケージに 採用しました。

海外向け製品カタログ 11

スクラルファート

販売国: Randchemにて販売

局所に作用する胃腸粘膜保護剤

胃潰瘍(特に腺胃疾患)や腸の潰瘍性疾患の補助療法に

有効成分

スクラルファート(ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩)

包装

500 g マルチドーズ容器

効能又は効果

スクラルファートは口腔、食道、胃及び十二指腸の潰瘍の治療に用いられて います。特に腺部及び幽門部の病変や潰瘍を含む馬の腺胃疾患(EGGD)の 治療の補助療法に適応となります。

また、特に高用量のNSAIDの長期使用に起因する、又は子馬における潰瘍 性大腸炎・盲腸炎の治療と予防にも使用されています。

薬理学的情報

スクラルファートは、ショ糖硫酸エステルの塩基性アルミニウム複合体。水 やアルコールにはほとんど溶けませんが、胃の中の酸性環境で解離し、ショ 糖オクタ硫酸エステルと水酸化アルミニウムを形成します。

ショ糖オクタ硫酸エステルは重合して粘性物質になり、潰瘍を起こした粘 膜を覆って保護バリアを形成。負に荷電した損傷組織に親和性を示します。

水素イオンの逆拡散を防ぐことで粘膜を保護し、ペプシンを不活化して胆 汁酸を吸収します。経口投与後の作用持続時間(潰瘍部位への結合)は最 大で6時間です。

スクラルファートは、プロスタグランジンの合成を促すことで直接的な細胞 保護効果を示す可能性がいくつかのエビデンスによって示されています。

スクラルファートは全身ではなく局所に作用します。経口投与後、胃の中の 塩酸と反応し、ペースト状の複合体を形成して潰瘍部位によく認められる 蛋白性滲出液に結合します。この不溶性の複合体は潰瘍部位でバリアを形 成し、ペプシンや胃酸、胆汁によるさらなる損傷から潰瘍部位を保護します。

また、スクラルファートはペプシンや胆汁酸を不活化することも知られてい ます。

スクラルファートは、おそらくプロスタグランジンE2及びI2の産生を介した 細胞保護作用も持っているのではないかと考えられています。プロスタグラ ンジン合成の促進は、腺部粘膜からの粘液の分泌を刺激し、粘膜の血流を 増大させます。

経口投与したスクラルファートは3〜5%しか吸収されません。大部分は48時 間以内に未変換体のまま尿中に排泄されます。残りは胃内で塩酸と反応す ることでショ糖硫酸エステルになり、48時間以内に糞便中に排泄されます。

用法及び使用上の注意

馬に対するスクラルファートの有害作用は知られていません。

スクラルファート単剤では、馬の胃潰瘍症候群(EGUS)の治療には効果が ありませんが、オメプラゾール等のプロトンポンプ阻害薬(Ulcershield・ Gastropell Forte・Gastropell Daily)と併用することが可能です。

オメプラゾール投与の前後にスクラルファートを投与すると、小腸からのオ メプラゾールの吸収を低下させる可能性があります。

さらに、スクラルファートは、フルオロキノロン(例:エンロフロキサシン)、テ トラサイクリン(例:ドキシサイクリン)等の他の経口薬の吸収も抑制する可 能性があります。これらの薬剤は、スクラルファート投与の少なくとも2時間 前に投与する必要があります。

スクラルファートの前にオメプラゾールを投与すると、胃のpHが低下するた

め、スクラルファートのゲル形成が抑制される可能性が高くなります。

用量

スクラルファートは、給餌前に水に懸濁して舌の奥側に投与するのが理想 的です。こうすることで、摂食による摩擦や酸による損傷から潰瘍部を守る ことができます。ただし、給餌時にスクラルファートを飼料に混ぜて投与す ることも可能です。

スクラルファートの用量は4〜40 mg/kgで1日2回から4回と広範囲です。 もっともよく用いられる用量は12 mg/kg・1日3回又は20 mg/kg・1日2回 です。

胃潰瘍(特にEGGD)の補助治療としてオメプラゾールと併用する場合:4 〜40 mg/kgで1日2〜4回経口投与する。

右背側大腸炎:22 mg/kgで6〜8時間毎に経口投与する。

子馬の胃潰瘍の予防にオメプラゾールと併用する場合:10〜20 mg/kgで 6〜8時間毎に経口投与する。

馬豆知識:スクラルファートは原因不明の馬の慢性下痢 にも使用されています。一部の慢性下痢の症例は、適切 な食事療法とともにスクラルファートを短期間(2週間) 投与すると良好な反応を示すことがあります。推奨用量 は20〜40 mg/kgで1日2〜4回です。

歴史を作った馬たち ご存知でしたか…

UAEでは競駝(ラクダ競 争)は競馬より人気が高 く、騎手の代わりに電動 ドリルで作られたロ ボットジョッキーが乗っ ています。

UAEの競駝

ロボットジョッキーは2001年にペルシャ湾岸のラクダレースで初めて導入さ れました。原型は、L字型をした産業用のドリルに鞭を装着したものでした。ド リルをラクダの鞍にくくりつけ、調教師がSUVに乗って競技場の内側を走りな がら、リモートコントロールで操作を行っていました。調教師は車のクラク ションを鳴らしてラクダを鼓舞します。ロボットジョッキーにはトランシーバー が備わっており、オーナーがラクダに命令することも可能です。 初期の頃、ラクダはロボットジョッキーに不安を感じていたため、マネキンの ように顔があり、サングラスや帽子、香水を付けた人型に改造されました。競 馬と同じように、ロボットジョッキーにはそれぞれの所有者を表す勝負服を 着せてあります。多くは競馬ファンにとってもなじみ深いカラーが使用されて います。

高度に改良されたロボットジョッキーは、ラクダのスピードや心拍数を送信 することができます。初期には16〜18 kgあったロボットも現在では2〜3 kg に軽量化されています。

13 高性能骨関節系治療薬

関節対策 製品 全 8製品

参考資料

サプリメントの 解説ページも ご覧下さい。

Randlab TechTalksはその分野の世界的権威が執筆した独自の レビュー 弊社ウェブサイトのリソースセクションでポリ硫酸グ リコサミノグリカン(Zycan)、ポリ硫酸ペントサン (Arthropen)及びヒアルロン酸(Equinate & Matrix)のTechTalksを是非ご覧下さい。

Intra-Log

Intra-Logの利点

馬の関節内および滑液嚢内投与に 承認 アンプルではなくゴム栓バイアルに

利便性と実用性を実現、�本で複数回 の関節内投与が可能(�~� mg)

Intra-Log® 注

APVMA承認番号:91413(オーストラリア) 販売国:

関節内及び滑液嚢内投与用

コルチコステロイド(トリアム シノロンアセトニド)

馬、犬及び猫の関節炎、アレルギー及び皮膚疾患の 管理に

有効成分

トリアムシノロンアセトニド6 mg/mL

包装

3 mL(18 mg)バイアル × 12本

効能又は効果

Intra-Log注は関節内、滑液嚢内、筋肉内及び皮下への投与が承認された 効力の高い合成コルチコステロイド剤です。馬の急性滑膜炎、変形性関節 症等の関節疾患の治療に関節内投与剤として広く使用されています。

本剤は抗炎症剤及び免疫抑制剤としても働き、副腎皮質機能低下症に対し てはグルココルチコイドの代用として用いることができます。

本剤は次の適応症に使用することができます。

• 炎症性疾患 • 皮膚疾患 • アレルギー性疾患 • 関節炎

薬理学的情報

Intra-Log注は、中間速効性で長時間作用型の効力が高い合成グルココル チコイド剤です。コルチゾンよりも糖質コルチコイド作用が5〜10倍高く、鉱 質コルチコイド作用はありません。

トリアムシノロンは、哺乳類のほぼすべての種類の細胞と細胞系に作用。次 の疾患の治療に使用されています。

内分泌疾患(例:副腎皮質機能低下症)・関節リウマチ・膠原病(例:全身性 エリテマトーデス)・アレルギー性疾患・呼吸器疾患(例:喘息)・皮膚疾患 (例:天疱瘡・アレルギー性皮膚疾患)・血液疾患(例:血小板減少症・自己 免疫性溶血性貧血)・腫瘍・中枢神経系疾患・消化器系疾患(例:潰瘍性大 腸炎)・腎臓病(例:ネフローゼ症候群)

用法及び使用上の注意

トリアムシノロン注射液が馬の蹄葉炎の原因として報告されることはほと んどありません。頻度はまれであり、直接の因果関係は立証されていませ ん。しかしながら、トリアムシノロンを使用する際は、適切な注意を行い、リ スクについて飼い主又は所有者に情報提供を行う必要があります。特に、 蹄葉炎の既往がある、又はリスクが高い(例:馬の代謝性症候群、下垂体中 間部機能不全)馬やポニーに対して注意する必要があります。

1回当たりのトリアムシノロン総投与量は20 mgを超えないようにします。

複数の関節に20 mgを超えて投与する必要がある場合は、1週間以上空け て投与を行うことが推奨されます。

妊娠後期のトリアムシノロンの投与は、分娩の第一段階を誘発し、早産に至 る可能性があるため、難産、胎子死亡、胎盤停滞及び子宮炎を引き起こすこ とがあります。

警告:競走馬等に対しトリアムシノロンを(意図的に又 は誤って)腱に注射すると排泄までの時間が遅延し、ドー ピング検査で陽性になる可能性があります。

用量

1回当たりの総投与量は20 mg未満にすること。

トリアムシノロンの全身投与を行う場合は、必要最小量をできるだけ短時間 に使用します。次回の投与は7日間以上の間隔を空けてから行ってください。 筋肉内又は皮下注射: 馬:12〜18 mg(2〜3 mL)

犬及び猫:体重1 kg当たり0.1〜0.2 mg

関節内又は滑液嚢内投与:

馬:関節当たり関節の大きさに応じて6〜18 mg 犬及び猫:1〜3 mg

馬豆知識:トリアムシノロンの投与後2〜5日間、馬の食欲 がなくなることがあります。

Intra-Log注の投与により最大で2週間、末梢血球数に影 響が認められることがあります。多くの場合は、典型的な ストレス性の白血球変動です(相対的な好中球増加やリ ンパ球減少に伴う白血球数の増加又は減少、ALPの上昇など)。このよ うな変動は、トリアムシノロンを関節内に投与した場合でも認められ ることがあります。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか… オーストラリアで$1250で購入された馬がク イーンビアンのタクシー運転手の調教を受け、 生涯で600万ドルを超える賞金を獲得、英国女 王に謁見する栄誉を受けました。

アーチーことテイクオーバーターゲット(豪州、ジョー・ジャニアック) 詳細はp.72をご覧下さい

試して違いを感じてください

(ポリ硫酸グリコサミノグリカン100 mg/mL) 世界で唯一承認されたアデクァン®のジェネリック製品 米国でナンバーワンの馬の関節炎予防・治療選択肢 50本以上の論文がポリ硫酸グリコサミノグリカンの 使用を支持

Zycan® 注

APVMA承認番号:87359(オーストラリア)

販売国:

馬の無菌性関節疾患による

跛行の治療と予防に

世界初

米国でもっとも信頼される関節治療薬アデクァンの 初のジェネリック製品として承認

有効成分

ポリ硫酸グリコサミノグリカン100 mg/mL

包装

単回投与用 5 mL バイアル × 7本

効能又は効果

Zycanはアデクァンのジェネリック製品として初の承認を受けた製品です。

アデクァンは、米国で承認されてから35年にわたり米国の獣医師に愛用さ れてきました。50本を超える論文で馬、人及び犬に対するアデクァンの使用 が支持されています。

Zycanは変形性関節症修飾薬(DMOAD)であり、変形性又は外傷性の馬の 無菌性関節疾患に起因する臨床症状の治療と予防に用いることができま す。DMOADは、変形性関節症(DJD)に伴う軟骨の形態的変化を予防、遅延 又は逆行させる目的で使用されます。

Zycan等に含まれるポリ硫酸グリコサミノグリカンは、①関節疾患の予防 及び治療、②関節のメンテナンスプログラム、③関節手術後に調教を受け る馬のサポートに推奨されています。

薬理学的情報

本剤は、関節軟骨に天然に存在するムコ多糖類に生理学的に類似する半 合成ポリ硫酸グリコサミノグリカンです。低分子処方により血流から滑液に 分布しやすくなっています。滑液から軟骨への分布は拡散によって起こりま す。ポリ硫酸グリコサミノグリカンは、関節軟骨の全層に分配されますが、特 に炎症を起こした軟骨に選択的に取り込まれます。筋肉内投与後の滑液中 の濃度は血中濃度より高く、48時間で最高に達し、最大96時間目まで持続 します。4日間隔の投与はこの持続時間が根拠になっています。

ポリ硫酸グリコサミノグリカンは、サイトカインとプロスタグランジンによる 軟骨及び結合組織への有害作用の抑制、プロテオグリカンの分解の抑制、 ヒアルロン酸合成の促進、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン及びコ ラーゲンの合成の促進を介して軟骨保護作用を発揮します。

複数の研究で次のようなポリ硫酸グリコサミノグリカンの効果が示されて います。

• グリカン加水分解酵素、グリコシダーゼ、マトリックスメタロプロテイナー ゼ(MMP)等の複数の蛋白質分解酵素を阻害

• フェニルブタゾン、フルニキシン、ベタメタゾン及びヒアルロン酸よりも MMP-3を効果的に抑制

• 関節軟骨外植片及び培養細胞においてコラーゲン及びグリコサミノグリ カンの合成を増進

• 滑膜細胞によるヒアルロン酸の合成を促進し、滑液の粘性を回復

• プロスタグランジンEの合成と炎症部位への白血球の浸潤を阻害

• スーパーオキシドラジカルの生成と炎症性IL-1を抑制

• 前駆物質としてプロテオグリカンの合成を促進

• 関節の線維化と侵食を抑制

• 軟骨細胞死を抑制

• 関節軟骨病変の部分的又は全体の厚さには変化なしとの報告あり ポリ硫酸グリコサミノグリカン(250 mg)は、関節鏡検査後も含めて急性滑 膜炎の治療にも関節内投与剤として使用されています(McIllwraith 2016)。

用法及び使用上の注意

世界で 唯一承認された アデクァンの ジェネリック

ポリ硫酸グリコサミノグリカンは、筋注により一過性の局所の腫脹や注射 部位における不快感を生じることがあります。ヘパリン様の活性があるた め、出血傾向や凝固時間の延長が認められる又は予期される場合は投与 しないでください。術後24時間以内の投与は行わないでください。

関節内投与後に過敏性反応として関節の炎症(関節痛、液貯留、腫脹及び 跛行)が認められることがあります。ポリ硫酸グリコサミノグリカン250 mg の関節内投与後は、コルチコステロイドとヒアルロン酸と比較して、関節の 感染リスクが若干上昇することが報告されています。

本剤の関節内投与は承認されていません。

妊娠中及び授乳中の動物及び子馬に対する安全性は確立されていないた め、注意して使用してください。

用量

筋肉内注射:馬500 kg当たり500 mg(5 mL)を4日毎に7回投与する(28日 間)。週1回の投与でも有効性が示されている。変形性関節症による跛行等 の臨床症状や再発した場合は、必要に応じて治療を再開することができ る。それ以外の場合は、年2回の投与が推奨される。

初回コース終了後、週1回の維持投与も推奨されています。

馬豆知識:Zycanはペントサン(Arthropen等)の代用として も使用することが可能で、ペントサンと同様に使用すること ができます。

Zycanはペントサンと比べて注射部位の副作用が少ないよう です。

Zycanによる注射部位の被毛の変色は報告されていません。

Zycanは、ペントサンを使用して首に副作用が出たことがある馬で、ペント サンの優れた代用品になります。

興味を持ったことはありませんか… Zycanのパッケージの 馬は誰?

アメリカンファラオ(米国)

アメリカンファラオはこの数十年の米国の競馬史上でもっとも成功を収めた 競走馬です。でもRandlabのZycanの箱に採用されたから…というわけでは ありません。アメリカで名高いクラシック三冠(ケンタッキーダービー、プリー クネスステークス及びベルモントステークス)を達成したわずか13頭のうち の1頭で、この40年間ではこの馬が2頭目です。さらに、その後のブリーダーズ カップ・クラシックでも勝利し、グランドスラムを達成した唯一の馬です。 米国の著明な馬専門の画家Tom Chapmanによる絵画をパッケージに採用 しました。

Arthropen® Vet 250注┃高性能骨関節系治療薬

Arthropen Vet® 250注

APVMA承認番号:63265(オーストラリア)| ACVM番号A010081(ニュージーランド) 販売国:

変形性関節症修飾薬(DMOAD)

市販製品の中でもっとも硫酸化されたペントサン 高度な硫酸化は高い有効性を意味しています

有効成分

ポリ硫酸ペントサン250 mg/mL

包装

単回投与用 6 mL バイアル × 12本 50 mL マルチドーズバイアル(500 kgの馬で8回分)

炎症産物による関節軟骨の損傷と非可逆的な関節病変の予防 には早期治療が重要です。

効能又は効果

Arthropen Vet 250注の適応は、馬の非感染性の炎症性関節疾患の治療 の補助です。

以下の疾患が適応症に含まれます。

• 骨関節炎

• 離断性骨軟骨炎(OCD)

• 外傷性関節疾患 • 滑膜炎

• 多発性又は非特異的な関節疾患 • 変形性骨関節症

Arthropen Vet 250注は変形性関節症修飾薬(DMOAD)です。少量の投与で すむようポリ硫酸ペントサンを高濃度に配合した特殊設計になっています。

関節痛が疑われながらも部位を特定できない、又は複数の関節が影響を 受けている場合に特に役に立ちます。

薬理学的情報

ポリ硫酸ペントサンナトリウムには抗炎症作用、抗関節炎作用及び軟骨保 護作用があります。直鎖状のキシラン(ペントサン)骨格を持つ半合成多糖 類です。キシランは樹木の細胞壁から抽出される植物由来のヘミセルロー スで、このキシラン骨格が硫酸化されています。硫酸化度は、ペントサン分 子の効力を左右すると考えられています。Arthropen Vet 250注は、完全に 硫酸化された唯一のポリ硫酸ペントサンナトリウムの市販品です。

ポリ硫酸ペントサンナトリウムは以下の作用を介して関節疾患に対する効 果を発揮します。

• 抗炎症作用

• 関節への好中球の遊走を抑制

• 軟骨の破壊に関与する酵素の阻害

• 滑膜線維芽細胞によるヒアルロン酸の合成を促進し滑液の量と粘性を向上

• 軟骨細胞によるプロテオグリカンの合成を促進

• 線維素溶解作用により軟骨下骨及び関節周囲への血流を改善

• マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)を抑制

• 骨浮腫を軽減

警告:ポリ硫酸ペントサンの静脈内投与により、まれにア ナフィラキシー及び死亡が報告されています。静脈内に は使用しないこと。

用法及び使用上の注意

ポリ硫酸ペントサンナトリウムの長期使用により注射部位において可逆性 の被毛の変色及び脱毛が生じることがあります。このような反応が生じるリ スクを最小限にするため、注射部位を変え、深部筋肉内投与を行うことが 推奨されます。

新・貯蔵方法 空調下での 保存が 可能に

ヘパリン様の活性があるため、運動誘発性肺出血(EIPH)の既往がある馬 に対しては、激しい運動を行う前40時間以内の使用を避けることが推奨さ れます。凝固障害、外傷による出血、感染、肝不全又は腎不全が認められる 馬及び術後2日以内の馬への使用は禁忌です。

関節内投与により一過性の関節の炎症が生じることがあります。

競走馬等に使用する場合は、医薬品の使用に関する関連当局の規制に 従って使用してください。

用量

初回は1週間おきに4回の投与が推奨されます。その後は、運動強度や競技 スケジュール、治療への反応に応じて週1回又は2〜4週間おきに投与する ことが一般的です。調教や競技日程が厳しい場合や跛行が慢性的な問題と なっている場合は、週1回の投与を継続すると役立つでしょう。

用量:体重1 kg当たり3 mg(体重500kgの馬1頭当たり6 mL)を5〜7日間 隔で4回筋肉内注射する。投与ごとに毎週注射部位を変更することが望ま しい。深部筋肉内投与が最適である。注射に伴う出血を防ぐため細い注射針 (21Gなど)の使用が望ましい。

関節内:1.0 mLを関節内に投与する。1週間毎に3〜4回繰り返し投与を 行ってもよい。1回につき複数の関節に投与することができる。ポリ硫酸ペン トサンナトリウムの投与後の関節の炎症は一般的である。

馬豆知識:Arthropenの保存方法が変更になりました。 冷蔵保存する必要がなくなり、空調下で保存することがで きます(25°C以下・冷凍不可)。社内検査ではより高温で も製品の安定性が確認されています。

アファームドは有名なアメリカ三冠を達成した11番目の馬です(1978 年)。名馬アリダーの最大のライバルとしてもよく知られています。2頭は 10回対戦する機会があり、アファームドが7勝を挙げ、このうち3戦はア メリカ三冠でした。アファームドが三冠馬となったのち、2015年にアメリ カンファラオが三冠を達成するまで37年の月日を要しました。

Arthropenのパッケージには米国の著明な馬専門の画家Tom Chapmanによる絵画を採用しました。

興味を持ったことはありませんか… Arthropen 250注の パッケージの馬は誰? アファームド(米国) 1978年ケンタッキーダービーを 制してアメリカ三冠を達成 海外向け製品カタログ 17

Arthropen Vet® 注

APVMA承認番号:60922(オーストラリア)| ACVM番号A010024(ニュージーランド) 販売国:

馬及び犬の非感染性の炎症性関節

疾患の治療と予防の補助に

低濃度のペントサンで組織反応を抑制。最大レベルの 硫酸化により活性を高めました

有効成分

ポリ硫酸グリコサミノグリカン100 mg/mL

包装

10 mL マルチドーズバイアル × 12本

炎症産物による関節軟骨の損傷と非可逆的な関節病変の予防 には早期治療が重要です。

効能又は効果

Arthropen Vet注は、ポリ硫酸ペントサンの含有量が低く、犬及び馬に適し ています。以下の非感染性で炎症性の関節疾患の治療と予防に役立ちま す。

• 骨関節炎 • 離断性骨軟骨炎(OCD)

• 外傷性関節疾患 • 滑膜炎

• 多発性又は非特異的な関節疾患 • 変形性骨関節症

Arthropen Vet注は変形性関節症修飾薬(DMOAD)です。低濃度のポリ硫 酸ペントサン処方で、注射部位の組織刺激を起こしにくくしました。

本剤は関節痛が疑われながらも部位が特定できない、又は複数の関節が 影響を受けている場合に特に役に立ちます。

薬理学的情報

ポリ硫酸ペントサンナトリウムには抗炎症作用、抗関節炎作用及び軟骨保 護作用があります。直鎖状のキシラン(ペントサン)骨格を持つ半合成多糖 類です。キシランは樹木の細胞壁から抽出される植物由来のヘミセルロー スで、このキシラン骨格が硫酸化されています。硫酸化度は、ペントサン分 子の効力を左右すると考えられています。Arthropen Vet注は、完全に硫酸 化された唯一のポリ硫酸ペントサンナトリウムの市販品です。

ポリ硫酸ペントサンナトリウムは以下の作用を介して関節疾患に効果を発 揮します。

• 抗炎症作用

• 関節への好中球の遊走を抑制

• 軟骨の破壊に関与する酵素の阻害

• 滑膜線維芽細胞によるヒアルロン酸の合成を促進し、滑液の量と粘性を 向上

• 軟骨細胞によるプロテオグリカンの合成を促進

• 線維素溶解作用により軟骨下骨及び関節周囲への血流を改善

• マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)を抑制

• 骨浮腫を軽減

用法及び使用上の注意

ポリ硫酸ペントサンナトリウムの長期使用により注射部位において可逆性 の被毛の変色及び脱毛が生じることがあります。このような反応が生じるリ スクを最小限にするために、注射部位を変え、深部筋肉内投与を行うこと が推奨されます。

ヘパリン様の活性があるため、運動誘発性肺出血(EIPH)の既往がある馬 に対しては、激しい運動の前の40時間以内の使用を避けることが推奨され

新・貯蔵方法 空調下での 保存が 可能に

ます。凝固障害、外傷による出血、感染、肝不全又は腎不全が認められる馬 及び術後2日以内の馬への使用は禁忌です。

関節内投与により一過性の関節の炎症が生じることがあります。

競走馬等に使用する場合は、医薬品の使用に関する関連当局の規制に 従って使用してください。

用量

初回は1週間おきに4回の投与が推奨されます。その後は、運動強度や競技 日程、治療への反応に応じて週1回又は3〜4週間おきに投与することが一 般的です。調教や競技日程が厳しい場合、跛行が慢性的な問題となってい る場合は、週1回の投与を継続すると役立つでしょう。

用量:体重1 kg当たり2〜3 mgを5〜7日間隔で4回筋肉内注射する。投与 ごとに毎週注射部位を変更することが望ましい。深部筋肉内投与が最適で ある。注射に伴う出血を防ぐため細い注射針(21Gなど)の使用が望まし い。

関節内:2.5 mLを関節内に投与する。1週間毎に3〜4回繰り返し投与を 行ってもよい。1回につき複数の関節に投与することができる。ポリ硫酸ペン トサンナトリウムの投与後の関節の炎症は一般的である。

警告:ポリ硫酸ペントサンの静脈内投与により、まれにア ナフィラキシー及び死亡が報告されています。静脈内に は使用しないこと。

馬豆知識:Arthropen Vet 100 mg/mLはArthropen Vet 250 mg/mLよりも注射部位の反応を起こしにくくなって います。

Arthropen Vetは馬よりも犬で高い効果が認められます。

歴史を作った馬たち ご存知でしたか… 1959年、中国人民解放 軍の弾圧によりダライ・ ラマ14世が亡命した際 には馬に乗ってチベット から脱出したそうです。 ダライ・ラマ(チベット)

この宗教指導者のインドへの旅は15日かかり、米国CIAの特別行動部 が企てたものだったそうです。

Matrix 6000® 静注

APVMA承認番号:70144(オーストラリア)| ACVM番号A011191(ニュージーランド) 販売国:

静脈投与による非感染性の滑膜炎及び

変形性関節症に伴う跛行の治療に 高い性能を意味する高分子・高粘性のヒアルロン酸

有効成分 ヒアルロン酸ナトリウム 10 mg/mL

包装

単回投与用 6 mL バイアル × 6本 単回投与用 6 mL バイアル × 12本

炎症産物による関節軟骨の損傷と非可逆的な関節病変の予防 には早期治療が重要です。

効能又は効果

Matrix 6000のように高分子処方のヒアルロン酸は、高い臨床効果が得ら れることで知られています。

静注用のMatrix 6000は、高分子・高粘性のヒアルロン酸ナトリウムです。馬 の早期の変形性関節症を含む非感染性の滑膜炎に起因する跛行の治療と 予防を目的とした静脈内投与に最適です。

競技やレースの前の関節機能の回復に理想的です。

薬理学的情報

ヒアルロン酸は、関節軟骨と滑液に不可欠な天然の構成成分です。滑膜の 滑膜細胞及び関節軟骨基質の軟骨細胞の両方によって産生されています。

細菌が生成するヒアルロン酸は哺乳類のヒアルロン酸と同じ構造と形状を しています。Matrix 6000静注の有効成分は、特定の微生物の被膜から抽出 され、タンパク質と核酸をまったく含まない超純度のヒアルロン酸ナトリウ ムとして精製されています。本剤は、微生物に由来するため、デルマタン硫 酸やコンドロイチン硫酸、他のグリコサミノグリカン等の不純物の心配があ りません。

ヒアルロン酸ナトリウムは、関節液の潤滑機能を回復し、細胞成分を正常 化します。この作用により、滲出液や酵素の放出に伴う関節構造の変性を 抑制します。

関節軟骨が圧迫ストレスに対して優れた強靱性を発揮するのは、ヒアルロ ン酸がプロテオグリカン凝集体の中枢分子として機能しているためです。関 節面はヒアルロン酸の薄い膜で覆われており、軟骨が圧迫を受けた際に、 弾力性を保ちながら抵抗力を発揮します。また、ヒアルロン酸は、滑液に粘 弾性と潤滑機能を与え、滑膜の境界と関節軟骨の潤滑剤として作用してい ます。後者の特性は、Matrix 6000のようにヒアルロン酸を高分子化するこ とで高められると考えられています。

ヒアルロン酸分子は長鎖状で、正常な組織液中に分散して分子フィルター を形成しています。これにより正常な関節液の粘弾性が高まっています。ヒ アルロン酸ナトリウムは、関節への顆粒球やマクロファージの侵入を制限 する立体バリアとして働くことで、若干の抗炎症作用も示します。

用法及び使用上の注意

関節内投与に用いることはできません。

用量

成馬(450〜700 kg):6 mL(60 mg)を静脈内投与する。週1回繰り返し投 与することができる。

競走馬等に対しては、関節の炎症の軽減と関節機能の回復の補助を目的 に競技の前に投与することができます。薬物の管理に関する関連当局の規 制に従って使用してください。

抗菌性防腐剤は使用していません。必要量を投与後、残った薬液は廃棄し てください。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか… イタリアの独裁者ムッソリーニの台頭は、その 後85年間のサラブレッド繁殖の歴史を完全に 塗り替えました。

ネアルコ(イタリア、フェデリコ・テシオ) 詳細はp.72をご覧下さい

Equinate™ 注 関節内・静脈内投与用

APVMA承認番号:65128(オーストラリア)| ACVM番号A010491(ニュージーランド) 販売国:

非感染性の滑膜炎及び変形性関節症に

伴う跛行の治療に用いる関節内又は 静脈内注射剤

ヒアルロン酸を関節内投与するならこの製品 関節炎予防のため蛋白を除去 高分子・高粘性のヒアルロン酸

有効成分

ヒアルロン酸ナトリウム 10 mg/mL

包装

単回投与用 2 mL バイアル × 12本

炎症産物による関節軟骨の損傷と非可逆的な関節病変の予防 には早期治療が重要です。

効能又は効果

Equinate注ならヒアルロン酸製剤に必要な条件をすべて兼ね備えていま す。馬の早期の変形性関節症を含む非感染性の滑膜炎に起因する跛行の 治療と予防にご利用いただけます。関節内投与用に設計されていますが、 静脈内に投与することも可能です。

薬理学的情報

ヒアルロン酸は、関節軟骨と滑液に欠かせない天然の構成成分です。滑膜 の滑膜細胞及び関節軟骨基質の軟骨細胞の両方によって産生されていま す。

細菌が産生するヒアルロン酸は哺乳類のヒアルロン酸と同じ構造と形状を しています。Equinate注の有効成分は、特定の微生物の被膜から抽出さ れ、タンパク質と核酸をまったく含まない超純度のヒアルロン酸ナトリウム に精製したものです。本剤は微生物に由来するため、デルマタン硫酸、コン ドロイチン硫酸、その他のグリコサミノグリカン等の不純物は含んでいませ ん。そのため、ヒアルロン酸ナトリウムの関節内投与で時に生じることがあ る炎症反応を軽減することができます。防腐剤は使用していません。

ヒアルロン酸ナトリウムは、関節液の潤滑性を回復し、細胞成分を正常化し ます。この作用により、滲出液や酵素の放出、これらに伴う関節構造の変性 を抑制します。

関節軟骨が圧迫に対して優れた強靱性を発揮するのは、ヒアルロン酸がプ ロテオグリカン凝集体の中枢分子として機能しているためです。関節表面 はヒアルロン酸の薄い膜で覆われており、軟骨の弾力性を保ちながら圧迫 に対する抵抗力を発揮します。また、ヒアルロン酸は、滑液に粘弾性と潤滑 性を与え、滑膜の境界面と関節軟骨の潤滑剤として作用しています。これら の特性は、Equinate注のようにヒアルロン酸を高分子化することで高めら れると考えられています。

ヒアルロン酸分子は長鎖状で、正常な組織液中に分散して分子フィルター を形成しています。これにより正常な関節液の粘弾性が高まっています。ま た、ヒアルロン酸ナトリウムは、関節への顆粒球やマクロファージの侵入を 制限する立体バリアとしても働くことで、若干の抗炎症作用も示します。

用法及び使用上の注意

Equinate注の関節内投与には厳密な無菌操作が必要です。

最大限の効果を得るためには、関節内又は静脈内への投与後、馬を安静 に保つことが推奨されます。

用量

関節内注射:関節内注射に推奨される投与量は関節当たり2 mL(バイアル 1本 = 20 mg)。膝、肩等の大きめの関節に対しては、例えば4 mL(バイアル 2本 = 40 mg)に増量することができる。週1回の投与で計3回まで繰り返し 投与してもよい。関節内投与では、適切な注射部位の消毒と動物の保定が 重要である。投与前に余分な関節液を無菌操作により除去する。注射針で 軟骨表面を傷つけないよう注意すること。できるだけ細い注射針(20〜 21G)を使用する。

静脈内注射:成馬1頭(450〜500 kg)当たり4 mL(バイアル2本 = 40 mg) を投与する。週1回の投与で計3回まで繰り返し投与することができる。関節 炎の緩和を目的として競技又はレースの前に投与してもよい。

歴史を作った馬たち ご存知でしたか… 史上2番目に大きな帝国は馬の乳と 血液の食文化の上に築かれました。

モンゴル帝国の馬 詳細はp.73を参照

Equinate™ 静注

APVMA承認番号:62557(オーストラリア)| ACVM番号A010089(ニュージーランド) 販売国:

非感染性の滑膜炎及び変形性関節症に 伴う跛行の治療に

週1回又は定期的な静脈内投与による維持、 競技前の投与に適しています 静脈内投与用の低分子処方

有効成分 ヒアルロン酸ナトリウム 10 mg/mL

包装

単回投与用 4 mL バイアル × 12本

炎症産物による関節軟骨の損傷と非可逆的な関節病変の予防 には早期治療が重要です。

効能又は効果

Equinate静注は、馬の早期の変形性関節症を含む非感染性の滑膜炎に起 因する跛行の治療と予防に静脈内投与剤としてご利用いただけます。

薬理学的情報

ヒアルロン酸は、関節軟骨と滑液に不可欠な天然の構成成分です。滑膜の 滑膜細胞及び関節軟骨基質の軟骨細胞の両方によって産生されています。

細菌が産生するヒアルロン酸は哺乳類のヒアルロン酸と同じ構造と形状を しています。Equinate静注の有効成分は、特定の微生物の被膜から抽出さ れ、タンパク質と核酸をまったく含まない超純度のヒアルロン酸ナトリウム に精製したものです。本剤は微生物に由来するため、デルマタン硫酸、コン ドロイチン硫酸、その他のグリコサミノグリカン等の不純物は含んでいませ ん。本液は発熱物質を含まず、無菌です。

ヒアルロン酸ナトリウムは、関節液の潤滑性を回復し、細胞成分を正常化し ます。この作用により、滲出液や酵素の放出、これらに伴う関節構造の変性 を抑制します。

関節軟骨が圧迫に対して優れた強靱性を発揮するのは、ヒアルロン酸がプ ロテオグリカン凝集体の中枢分子として機能しているためです。関節面はヒ アルロン酸の薄い膜で覆われており、軟骨の弾力性を保ちながら圧迫に対 する抵抗力を発揮します。また、ヒアルロン酸は、滑液に粘弾性と潤滑性を 与え、滑膜の境界面と関節軟骨の潤滑剤として作用しています。

ヒアルロン酸分子は長鎖状で、正常な組織液中に分散して分子フィルター を形成しています。これにより正常な関節液の粘弾性が高まっています。ヒ アルロン酸ナトリウムは、関節への顆粒球やマクロファージの侵入を制限 する立体バリアとしても働くことで、若干の抗炎症作用も示します。

用法及び使用上の注意

週1回、計3回のヒアルロン酸の静脈内投与の有効性が研究により示されて います。

本剤には防腐剤が使用されていません。必要量の投与後、残った薬液は必 ず廃棄してください。

用量

静脈内投与:成馬1頭(450〜500 kg)当たり4 mL(40 mg)を投与する。週1 回、又は必要に応じて投与することができる。

競走馬等では、関節炎の緩和及び関節機能の回復を目的として競技又は レースの前に投与してもよい。

医薬品の使用に関する関連当局の規制に従って使用してください。

最大限の効果を得るためには、静脈内への投与後、馬を安静に保つことが 推奨されます。

歴史を作った馬たち ご存知でしたか…

1976年のグレート アメリカン競馬 レースではフォント ルロイ卿という名 のラバが優勝しました。 フォントルロイ卿ことリロイ (米国、ヴァール・ノートン)

1976年、アメリカ合衆国は独立200周年を迎え、祝賀ムードに包まれ ていました。開拓精神をしのぶとともに誕生したばかりの国でウマ科 動物が果たした役割を称えるためにグレートアメリカン競馬レースが 開催されました。ニューヨークに始まり、13州をまたぎ、14週間かけて 3500マイル(5,633 km)を横断するコースです。「一生に一度のレー ス」と謳われ、優勝賞金は2万5千ドル(現在の価値で19万豪ドル)が 用意されました。騎手1名につき馬2頭とサポートチームを設けること が許可されていました。世界中から91チームがこの冒険に参加し、高 額の賞金を争いました。アイスランド、フランス、オーストラリア、デン マーク及び日本のチームもみな自国の馬が勝利することを信じて参 加していました。

サン・ホセでとび職人として働くかたわらロバとラバの飼養にも携 わっていた54歳のヴァール・ノートン氏も、フォントルロイ卿(通称リロ イ)というしゃれた名前のラバとともにこの祝賀行事に参加していまし た。他のチームと異なり、彼のチームはレディ・エロイーズという名の 予備用のラバに乗った16歳の息子ただ一人だけ。リロイは延べ 315.47時間で優勝し、品種協会を驚愕の渦に巻き込んだのです。続く 5頭はすべてアラブ種でした。

ノートン氏が不正を働いたのではないかと疑いをかけた品種協会も ありましたが、機知に富むこのカウボーイは「ニューヨークの銀行に 賞金を送金してくれれば、また賞金を追いかけてレースしながら戻る よ」と言い返したのです。

Zoldronic Acid™ 馬用ビスホスホネート注

販売国:

オーストラリア及びニュージーランドでは販売を中止しました。

馬の骨疾患用ビスホスホネート

高活性・長時間作用型のビスホスホネート注射剤

有効成分

ゾレドロン酸(一水和物)0.45 mg/mL

包装

100 mL バイアル

効能又は効果

Zoldronic Acidは、破骨細胞活性と骨代謝の亢進を伴う骨疾患の治療、骨 折の予防及び非特異的な骨の痛みの緩和に用いられる長時間作用型のビ スホスホネート注射剤です。

本剤は、馬の掌側・足底骨軟骨疾患(POD)等の治療を適応とし、中手骨・ 中足骨顆骨折の予防の補助にも用いられています。

ゾレドロン酸は、現在販売されているビスホスホネート剤の中でももっとも 強力で、作用時間は12か月を超え、効力は他の一般的なビスホスホネート 剤の100倍以上と報告されています。

薬理学的情報

ゾレドロン酸は、骨成分のヒドロキシアパタイトに高い組織親和性を示す 窒素含有第三世代ビスホスホネートです。骨内に吸収されたゾレドロン酸 は均一に分布せず、皮質骨よりも骨のリモデリングが盛んな部位や骨梁に 高濃度に分布します。これらの部位で破骨細胞のアポトーシスを誘導する とともに破骨細胞による骨吸収を阻害します。骨吸収は骨リモデリングに 欠かせない第一ステップです。

ゾレドロン酸は代謝を受けることなく主に腎臓から排泄されます。投与量の 最大50%は48時間以内に尿中に排泄され、残りは長期間、骨基質に残留 します。ゾレドロン酸の作用は長期にわたり、12か月を超えることもありま す。

警告

ビスホスホネートは骨基質に結合するため、不定期かつ間欠的に循環血中 に放出されます。そのため、状況によっては長期的(最大3年)かつ断続的に 排泄が認められることがあります。

一部の競馬協会では、4歳未満のサラブレッド競走馬にビスホスホネートを 投与することを禁じています。

セリ市に出される0〜1歳のサラブレッドへのビスホスホネートの使用は禁 止されています。

警告:現在、国際馬術連盟の規定に従って運営される競 技会及び一部の競馬協会(豪州競馬協会等)では、ゾレ ドロン酸は使用禁止薬物に指定されています。投与を行 う前に各国の規制当局の規則を確認してください。

スピードを競うレースに出される競走馬(サラブレッド及びエンデュランス 馬)において、ビスホスホネートの投与後に致命的な骨折が報告されてい ます。骨折の発生とビスホスホネートとの直接の因果関係は確立されてい ませんが、これらの馬では投与前に慎重な検討を行うべきでしょう。

用法及び使用上の注意

ゾレドロン酸は腎臓を介して速やかに排泄されるため、腎機能低下や腎臓 病の動物への投与は推奨されていません。

非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)とビスホスホネートの併用は、腎臓への 影響を考え、避けるべきです。

ビスホスホネートを投与した馬において、ときに最大で2週間程度の多飲多 尿が認められることがあります。

妊娠中及び授乳中の牝馬並びに育成中の子馬に対するゾレドロン酸の安 全性は確認されていません。

まれに、ゾレドロン酸を投与した馬において低カルシウム血症が認められ ることがあります。ゾレドロン酸の投与後、約14日目に血中カルシウム濃度 の測定を行うことが推奨されます。

低カルシウム血症又は心不全の馬に対しては慎重な投与が必要です。

ゾレドロン酸の排泄時間については報告がありませんが、骨に対する親和 性が高いことから、間欠的及び長期的(最大3年程度)に生じると考えられ ています。

用量

腎機能が低下している馬には使用しないこと。

用量:0.057〜0.075 mg/kgを0.9%生理食塩液1 Lに溶解し、30〜45分か けてゆっくりと静脈内に投与する。低めの用量(0.057 mg/kg)が推奨され る。

年1回を超えて投与しないこと。

興味を持ったことはありませんか… Zoldronic Acidの パッケージの馬は誰? 私たちも知りません。

呼吸器系 製品 全 3 製品 参考資料

弊社ウェブサイトのリソースセクションにてEllie Crispe博士に よる競走馬等の運動誘発性肺出血(EIPH)の最新の研究につ いてまとめたTechTalkを是非ご覧下さい。

p.67のOptimise Xも合わせてご覧下さい。

Airway Tmps™

(塩酸クレンブテロール 21.44 μg/g・ スルファジアジン 335 mg/g・ トリメトプリム 67 mg/g)

呼吸器感染症治療に 気管支拡張剤と抗生物質を 合わせた経口配合剤

Airway Gel™

(塩酸クレンブテロール 41 μg/mL) 経口気管支拡張薬

Bromo Tmps™

(スルファジミジン 430 mg/g・ トリメトプリム 86 mg/g・ 塩酸ブロムヘキシン 8.6 mg/g)

呼吸器感染症治療に 粘液溶解剤と抗生物質を 合わせた経口配合剤

Airway Tmps™ 経口粉末

APVMA承認番号:61474(オーストラリア)| ACVM番号:A010158(ニュージーランド) 販売国:

呼吸器疾患治療に気管支拡張剤と

抗生物質を合わせた経口配合剤

抗生物質と気管支拡張が必要なときに TMPSに感受性を示す細菌による呼吸器感染症の治療に

有効成分

塩酸クレンブテロール 21.44 µg/g スルファジアジン 335 mg/g

トリメトプリム 67 mg/g

包装

500 g マルチドーズ容器

可能な場合は、本剤の投与を開始する前に培養感受性試験を 実施してください。慢性の感染症又は治療に反応を示さない場 合にも感受性試験が推奨されます。

効能又は効果

スルファジアジン・トリメトプリム合剤に感受性を示す細菌による馬の呼吸 器感染症の治療に。細菌性及びウイルス性の感染、気管支炎、気管支肺炎 による気管支の痙攣や閉塞など、気道の流れが制限される呼吸器系疾患 の治療に。

薬理学的情報

Airway Tmps経口粉末は、スルファジアジン・トリメトプリム合剤に感受性 を示す細菌に起因する馬の呼吸器疾患の治療を目的に処方設計。感受性 菌には、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、フソバクテリウム属、エンテロバク ター属、コリネバクテリウム属(Rhodococcusequiを除く)、サルモネラ属、 赤痢菌属、クレブシエラ属、パスツレラ属、ヘモフィルス属、プロテウス属、多 くの大腸菌(E. coli)、一部のブルセラ属、ノカルジア属などが含まれます。 シュードモナス属の多くは感受性を示しません。

クレンブテロールは心血管系への作用をほとんど示さない気管支拡張薬 です。クレンブテロールには、肥満細胞を安定化させる作用もあり、ヒスタミ ン、セロトニン及びブラジキニンの放出を防ぐとともに、気道粘膜の線毛の 運動速度を高めることで気道分泌物の排出を助けます。

用法及び使用上の注意

クレンブテロールはコルチコステロイドの作用を増強し、プロスタグランジ ンF2α及びオキシトシンの作用と拮抗します。ベータ受容体に作用する薬剤 は、クレンブテロールの作用に有害な影響を及ぼします。馬に対するこれら の薬剤との併用は、推奨されていません。本剤は、子宮の収縮を抑制するこ とがあるため、妊娠最後の14日間の馬には使用しないでください。

用量

用量:体重250 kg当たり添付のスプーンですりきり1杯分(9 g)を1日2回6 〜10日間飼料に混ぜて与える。

添付のスプーンすりきり1杯は本品9 gです。

治療用量を維持するため1日2回の投与が推奨されます。

粉末が飼料のすきまからこぼれないよう、蜂蜜、糖蜜等で湿らせた飼料に 混ぜて与えてください。又は糖蜜や蜂蜜、コーンシロップに混ぜてペースト 状にして、舌の奥に投与することもできます。

Randlab は責任 ある抗菌剤の使 用をサポートして います。

馬豆知識:Airway Tmpsは「パウダーサンドイッチ」にし て舌の奥に乗せて投与することができます。パン切り包丁 又は弓のこを用い、60 mLのシリンジを2 mLの線のとこ ろでカットします。プランジャーを60 mLの線まで引きま す。糖蜜、蜂蜜又はすりおろしリンゴ小さじ2杯をシリンジ に加え、その上から処方量のAirway Tmpsを加えます。さらに糖蜜又 は蜂蜜小さじ2杯を加えます。馬の舌の奥に投与します。糖蜜や蜂蜜は 風味を加えるだけでなく、馬が薬を吐き出さなくなります。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか…

アメリカの競走馬マンノ ウォーは非常に人気が 高かったので、コカ・ コーラ社の広告に使わ れました。

マンノウォー (米国、サミュエル・D・リドル)

マンノウォーは、出馬した21戦で20勝を挙げたアメリカの競走馬です。 マンノウォーが唯一負けを喫したのは「アップセット」という勝敗を予 言するような名前の馬でした。

1920年、マンノウォーはベーブ・ルースとともにニューヨーク・タイムズ の年間最優秀選手賞に選出されました。

1921年には100万米ドル(現在の価値で2400万豪ドル)で譲渡のオ ファーを受けましたが、所有者はこれを断りました。その後に渡された 白紙の小切手も受け取らなかったそうです。

1920年のサー・バートン(アメリカ最初の三冠馬)との対戦では、競馬 の完全撮影が初めて行われました。

その後、マンノウォーは種牡馬として成功し、有名な産駒には優勝馬 ウォーアドミラルがいます。1947年に30歳で死亡した際には、NBCラ ジオで葬儀の生中継が行われました。コカ・コーラ社は、国全体の気 持ちを感じ取り、コカ・コーラの赤いマークとともに記念ポスターを発 行して彼の死を悼みました。

マンノウォーは防腐処理を施され、勝負服を敷き詰めた棺に入れられ て埋葬されました。当初はレキシントンのファラウェイ牧場に埋葬され ましたが、1970年代初めにケンタッキー・ホース・パークの新しい墓所 に移されました。マンノウォーのお墓にはマンノウォーの銅像が建って います。

Bromo Tmps™ 経口粉末

APVMA承認番号:62490(オーストラリア)| ACVM番号:A010112(ニュージーランド) 販売国:

呼吸器感染症治療に粘液溶解剤と

抗生物質を合わせた経口配合剤

抗生物質と粘液溶解剤を合わせた経口配合剤

TMPSに感受性を示す細菌による呼吸器感染症の治療に

有効成分

スルファジミジン 430 mg/g

トリメトプリム 86 mg/g

塩酸ブロムヘキシン 8.6 mg/g

包装

500 g マルチドーズ容器 2 kg マルチドーズ容器

可能な場合は、本剤の投与を開始する前に培養感受性試験を 実施してください。慢性の感染症又は治療に反応を示さない場 合にも感受性試験が推奨されます。

効能又は効果

スルファジミジン・トリメトプリム合剤に感受性を示す細菌による馬の呼吸 器感染症の治療で、粘液の溶解作用が求められる場合に。

薬理学的情報

馬の呼吸器疾患で重要なさまざまな種類の呼吸器病原体に対するスル ファジミジン・トリメトプリム合剤のMICは、大きく異なります。本剤の用量 は、馬の主要な呼吸器病原体に対して確実な効果を出すため、MICがもっ とも高い病原体に対して1日2回の投与で治療有効濃度を維持できるよう 計算されています。

馬を対象とした薬物動態試験において、経口投与されたスルファジミジンと トリメトプリムのいずれもが容易かつすみやかに吸収され、投与後30分程 度で治療に有効な血漿濃度に達することが確認されています。

試験の結果から、本処方は飼料に混合して投与しても効率よく吸収される ことが示されています。

Bromo Tmps経口粉末は、1日1回の投与では一部の感受性菌に対しスル ファジミジン及びトリメトプリムの最低(トラフ)濃度が治療量以下になる可 能性があるため、1日2回の投与が推奨されます。

ブロムヘキシンは、気道粘液の粘弾性を軽減させて、去痰を促進するとと もに組織刺激を抑制します。また、肺胞毛細血管膜の透過性を上昇させる ことで、気道分泌液中の抗生物質濃度を上昇させます。

用法及び使用上の注意

粉末が飼料のすきまからこぼれないよう、蜂蜜や糖蜜で湿らせた飼料に混 ぜて与えてください。又は糖蜜や蜂蜜、コーンシロップに混ぜてペースト状 にして舌の奥に投与することもできます。

用量

用量:30 mg/kg・1日2回[例:(30 mg/kg × 500 kg) / (430 + 86) = 29 g]。 200 kg当たり添付のスプーンですりきり1杯分(12 g)を1日2回飼料に混ぜ て与える。治療有効濃度を維持するため、必ず1日2回の投与を行うこと。

Randlab は責任 ある抗菌剤の使 用をサポートして います。

馬豆知識:Bromo Tmpsは「パウダーサンドイッチ」にし て舌の奥に乗せて投与することができます。パン切り包丁 又は弓のこを用い、60 mLのシリンジを2 mLの線のとこ ろでカットします。プランジャーを60 mLの線まで引きま す。糖蜜、蜂蜜又はすりおろしリンゴ小さじ2杯をシリンジ に加え、その上から処方量のBromo Tmpsを加えます。さらに糖蜜又 は蜂蜜小さじ2杯を加えます。馬の舌の奥に投与します。糖蜜や蜂蜜は 風味を加えるだけでなく、馬が薬を吐き出さなくなります。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか…

すべてのサラブレッドは遡るとアラブ種の三大 始祖のいずれかにたどり着くという長年信じ られてきた説は、近年になって間違っているこ とが示されました。

トルコマン種の馬(絶滅種)

サラブレッドの血統記録を辿ると、現代のサラブレッド競走馬は3頭の アラブ種の牡馬を起源としています。これらの牡馬は、イングランドに 送られ、在来種と繁殖することで運動能力、速さ及び強靱さを兼ね備 えた馬が誕生したと考えられてきました。

しかし、新たな遺伝学的研究により、この伝統的な考えが覆されるこ とに。現代の馬のY染色体の系統は700年ほど前に分岐し、トルコマン 種の牡馬1頭又は近縁の1家系における1種類の遺伝子突然変異に遡 ることができると研究によって示されたのです。英国のサラブレッドは トルコマン系を起源とし、現代の馬の品種の多くで優勢的に認められ るハプロタイプもこの系統に由来するものです。

トルコマン馬は、トルコマン砂漠の草原に始まり、持久力、頑健性及び 洗練された外見で知られていました。

皮肉なことに、本種は現代の馬の多くの起源となりながら、18世紀初 めに絶滅しています。

現在
過去

Airway Gel™

APVMA承認番号:65910(オーストラリア)| ACVM番号:A010655(ニュージーランド) 販売国:

馬用の経口気管支拡張薬

気管支拡張と気道分泌物の排出に使いやすいゲルタイプ

有効成分

塩酸クレンブテロール 41 µg/mL

包装

230 mL マルチドーズ容器

効能又は効果

気管支拡張や過剰な気道分泌物の排出が役立つと考えられる呼吸器疾患 の治療補助に。馬の喘息、炎症性呼吸器疾患症候群、回帰性気道閉塞、運 動誘発性の気管支痙攣、肺炎、気管支肺炎等の疾患の治療に有用です。運 動誘発性肺出血(EIPH)発症後の呼吸器からの血液の排出を促します。

薬理学的情報

クレンブテロールは、β2受容体に特異的に作用する交感神経興奮性アミン です。クレンブテロールは、気管支拡張作用と去痰作用の両方を示し、気道 からの粘液や分泌物の排出を促します。

クレンブテロールの主な標的器官は肺と子宮です。このような選択的な作 用により、心血管系にはほとんど作用することなく高い気管支拡張作用を 示します。クレンブテロールは、粘液分泌物量を増やすと同時に粘性を下 げ、気管支の繊毛運動を促すことで気道のクリアランスを促進します。また、

肥満細胞を安定化させる作用も持ち、ヒスタミン、ブラジキニン及びセロト ニンの放出を抑制します。

気管支痙攣や下部気道の粘液、膿又は血液の蓄積を伴う馬の呼吸器疾患 の治療にクレンブテロールが役立つのは、これらの作用のおかげです。

クレンブテロールは気道を拡張し、線毛運動を促進するため、Airway Gel はEIPHが発生したあとの数日間にわたり呼吸器から血液を排出させ、続 発性細菌性肺炎のリスクを軽減するのにも役立ちます。

用法及び使用上の注意

子宮の収縮を抑制する作用があるため、妊娠中の牝馬に対しては、分娩予 定日の7日前までに投与を中止してください。

コルチコステロイド、プロスタグランジンや他のベータブロッカーと併用し ないこと。クレンブテロールは、プロスタグランジンF2α及びオキシトシンの 作用を抑制することがあります。

警告:一部の馬では、初期にクレンブテロールの交感神経作用に 敏感な反応を示すことがあります。疝痛様症状を含む情動不安、発 汗、心拍数の上昇、振戦として現れることがあります。これらの症状 は自己制限的で、通常は1時間以内に解消します。数日間は Airway Gelの投与量を減らして(1/2量から)投与を継続すること ができます。その後、推奨量の全量を投与できるようになるまで、 ゆっくりと量を増やしていきます。

用量

急性疾患:0.8 μg/kg(体重500 kg当たり10 mL)で開始し、1日2回経口投 与する。反応を示さない症例では、3.2 μg/kgまで増量することができる。給 餌の前に投与する。

慢性疾患:長期の症状を抑制するために、必要に応じて朝晩の給餌の30分 前に体重100 kg当たり1〜1.5 mLを経口投与する。

馬豆知識:馬はクレンブテロールの薬理作用に耐性を示 すようになることがあるため、慢性疾患に対して継続的 に投与する場合は、パルス療法が推奨されます(例えば、 10日間投与して5〜10日休む)。

興味を持ったことはありませんか… Airway Gelのパッケージの馬は誰? バーバロ(米国) 2006年ケンタッキーダービー優勝馬。

でも、その後の出来事の方が有名です(詳しくはp.69を参照) 米国の著明な画家であり元騎手でもあるTom Chapmanによるオリジナル画像。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか? ある馬を称える世界一大きなお見舞いのカー ドには、ある1日の午後だけで 22,000人分の署名が集まりました。

バーバロ(米国、マイケル・マッツ) 詳しくはp.73をご覧下さい。

抗炎症

製品 全 8

製品

製品分野の説明

抗炎症療法に必要な全製品が揃う ワンストップショップ

p. 14のIntra-log注(トリアムシノロ ンアセトニド)もご覧下さい。

DEX5™注

APVMA承認番号:89900(オーストラリア)| ACVM番号:A011809(ニュージーランド)

販売国:

馬・牛用 抗炎症・免疫抑制 グルココルチコイド注射液

強力かつ短時間作用型のグルココルチコイド

有効成分

リン酸デキサメタゾンナトリウム 5 mg/mL

包装

50 mL マルチドーズバイアル

効能又は効果

ニュージーランドでも販売開始

グルココルチコイドは、実質上、体内のあらゆる種類の細胞及び器官系に作用します。 馬におけるデキサメタゾンの主要な薬理作用は、抗炎症及び免疫抑制です。そのた め、下記を含む幅広い疾患の治療に使用されています。

抗炎症剤として:

• 整形外科疾患:単剤として、又は非ステロイド性消炎鎮痛剤(フェニルブタゾン、メロ キシカム等)の作用を高める目的で用いることができます。変形性関節症、滑液包 炎、腱滑膜炎、腱炎、繋靱帯炎、横紋筋融解症等の疾患の治療に役立ちます。

• 炎症性関節疾患や変形性関節症に対し、特にヒアルロン酸、他のコルチコステロイド (トリアムシノロン等)、又は生物学的製剤(インターロイキン1受容体アゴニスト、多 血小板血漿等)の関節内注射に伴う炎症が予期される場合に併用して関節内に投 与することができます。

免疫抑制剤として:

• 炎症性呼吸器疾患症候群、回帰性気道閉塞等の馬の気管支喘息に。

• アレルギー性皮膚炎、掻痒、天疱瘡、昆虫刺咬性皮膚炎等の皮膚炎に。

• 全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、免疫介在性溶血性貧血、免疫介在性血小板 減少症、馬多発性神経炎、出血性紫斑病、ループス、免疫介在性血管炎等の自己免 疫性疾患及び免疫介在性疾患に。

• 副腎機能低下症に。

• 髄液圧の上昇を特徴とする中枢神経系疾患及び外傷に。

• 腫瘍に伴う症状及び二次的炎症の緩和、一部のリンパ系腫瘍の縮小に。

• 内毒素やアナフィラキシー等によるショックに。

• 馬の下垂体中葉機能障害の診断を目的とした一晩法デキサメタゾン抑制試験に。

薬理学的情報

Dex 5注は、静脈内又は筋肉内投与用のリン酸デキサメタゾンナトリウム水溶液です。

強力な抗炎症作用、抗ショック作用及び糖新生作用を示します。本剤の抗炎症・免疫 抑制作用は、コルチゾールの約25倍で、鉱質コルチコイド作用は示しません。

デキサメタゾン等のグルココルチコイドは、広範な薬理学的作用及び生理学的作用を 有し、もっとも効果の高い抗炎症薬です。

デキサメタゾンの注射剤は、経口投与も可能で、絶食後の馬におけるバイオアベイラ ビリティ(生体利用率)は42〜61%です。バイオアベイラビリティは給餌により低下しま す。

リン酸デキサメタゾンナトリウムは、馬の気管支喘息、炎症性呼吸器疾患症候群、回帰 性気道閉塞(息労)等の呼吸器疾患の治療にネブライザーを用いて投与することもで きます。ネブライザーを使用した場合の全身バイオアベイラビリティは最小限であり、 下部気道の炎症や視床下部・下垂体・副腎軸の抑制を生じさせることなく、気管支肺 胞洗浄液中の好中球等の免疫細胞数を望み通りに低下させます。

また、関節内に投与することもでき、多くの場合は、他のコルチコステロイド(トリアム シノロン等)やヒアルロン酸、生物学的製剤(インターロイキン1受容体アゴニスト、多 血小板血漿等)と併用されます。特に、関節炎を一時的にでも速やかに解消させる必 要がある場合や生物学的製剤の関節内投与後に関節の炎症が予期される場合に、役 に立ちます。

デキサメタゾン活性は、最長で48時間持続しますが、血漿中半減期は3〜6時間で、大 部分は最初の24時間以内に排泄されます。

用法、用量及び使用上の注意

デキサメタゾンと蹄葉炎の直接的な因果関係は実証されていませんが、蹄葉炎のリス ク因子を有すると考えられる馬及び小型馬に対しては、特に高用量や長期の使用を 避けることが推奨されます。

本製品限定 バイアル穿刺後 使用期限(28日間)及び バイアル開封前使用期限 (36か月間)が新たに延長 ニュージーランド向け製品

オーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA)によりバイアル穿 刺後28日間までの使用が新たに承認されました。他のデキサメタ ゾン注(5 mg/mL)は24時間以内の使用しか承認されていません。

リン酸デキサメタゾンナトリウムは、糖尿病や心疾患、腎臓病の動物への使用が禁忌 とされています。また、感染症の潜伏期又は感染症が疑われる動物への使用について も、有効な抗生物質を併用しない限り禁忌です。

妊娠後期における使用は、分娩を誘発することがあるため注意が必要です。

長期投与後の副腎抑制を防止するには、用量を漸減する必要があります。

用量

用量及び用法は、目標とする作用に基づき、治療を行う疾患によって異なります。デキ サメタゾンに対する反応は馬によって大きく異なることが知られています。リン酸デキ サメタゾンナトリウムは、効力が高く、目標以外の複数の全身作用を及ぼすことから、 可能な限り最小量かつ短期間の使用により望ましい効果を得ることが推奨されます。

抗炎症作用:0.02〜0.2 mg/kgで1日1回、静脈内又は筋肉内に投与する。

0.05〜0.1 mg/kg(体重500 kg当たり5〜10 mLが標準的な用量)

免疫抑制作用:0.2〜0.5 mg/kgで1日1回、静脈内又は筋肉内に投与する。

ショック(内毒素又はアナフィラキシー):4〜6 mg/kgで静脈内に投与する。

血管炎:0.05〜0.2 mg/kgで12〜24時間毎に静脈内又は筋肉内に2週間投与し、その 後4〜6週間かけて漸減する。

出血性紫斑病:0.04〜0.2 mg/kgで1日1回又は1日2回投与する。

馬の気管支喘息、回帰性気道閉塞、炎症性呼吸器疾患症候群等の呼吸器疾患:0.05 〜0.1 mg/kgで1日1回、静脈内又は筋肉内に3〜4日間投与し、その後3〜4週間かけ て漸減する。

馬多結節性肺線維症等の間質性肺炎:0.02〜0.04 mg/kgで静脈内又は筋肉内に投 与する。

炎症性腸疾患:0.05〜0.2 mg/kgで筋肉内に2〜4週間投与する。

皮膚炎、掻痒又は天疱瘡:0.05〜0.1 mg/kgで1日1回投与する。

頭部又は中枢神経系の外傷:0.1〜0.3 mg/kgで6〜24時間毎に静脈内に投与する。 ぶどう膜炎:2 mgを24〜36時間毎に結膜下投与する。

免疫介在性溶血性貧血:0.05〜0.1 mg/kgで1日1回、静脈内又は筋肉内に3〜5日間 投与し、その後、7〜14日間かけて漸減する。

リンパ腫:初期に0.2 mg/kgで静脈内に5日間投与し、その後も免疫抑制療法を継続 する。

関節内投与:関節当たり2〜4 mg。通常、他のコルチコステロイドや生物学的製剤(イ ンターロイキン1受容体アゴニスト、多血小板血漿等)、ヒアルロン酸と併用。未開封の バイアルを使用すること。

下垂体中葉機能障害の診断を目的とした一晩法デキサメタゾン抑制試験:夕方に血 中基礎値測定用の採血を行い、デキサメタゾンを0.04 mg/kgで筋肉内投与する。投与 から約20時間後に再び採血を行う。コルチゾールが30 mmol/L未満に抑制されない 場合は、下垂体中葉機能障害と判定される。

馬豆知識: 経口投与後のデキサメタゾンの吸収はプレドニゾ ロンよりも優れています。リン酸デキサメタゾンナトリウム注 は、全身用量の約150%の用量で絶食させた馬に経口投与す ることができます。給餌により吸収率が低下します。 デキサメタゾンの膜安定化作用は、急性横紋筋融解症(タイ イングアップ症候群)の治療にも有用で、血漿中筋肉酵素を 速やかに低下させます。

Platinum Bute™ 静注

APVMA承認番号:68303(オーストラリア) 販売国:

炎症及び疼痛を伴う馬の 筋骨格系疾患を速やかに緩和 速効性で 長く続く

有効成分

フェニルブタゾンナトリウム 200 mg/mL (フェニルブタゾン換算 186 mg/mL) サリチル酸ナトリウム 50 mg/mL

包装

100 mL マルチドーズバイアル

効能又は効果

解熱作用及び鎮痛作用がある非ステロイド性抗炎症薬で、次のような炎症 及び疼痛を伴う馬の筋骨格系疾患を緩和します。

• 関節炎 • 術後の疼痛・炎症 • 横紋筋融解症 • 皮膚炎 • 腱炎 • 滑液包炎 • 関節症 • 軟部組織炎症

• 蹄葉炎 • 骨炎 • 腱鞘炎

薬理学的情報

フェニルブタゾンは、解熱作用及び鎮痛作用を持つ非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID)です。サリチル酸ナトリウムには、解熱鎮痛作用があります。これら を組み合わせることで、速効性(サリチル酸ナトリウム)と長い作用時間 (フェニルブタゾン)を実現しました。

フェニルブタゾンは、シクロオキシゲナーゼ酵素に非可逆的に結合すること で、プロスタグランジンの生合成を阻害します。プロスタグランジンは、炎症 反応の主要なメディエータで、組織の腫脹や炎症、疼痛、発熱を引き起こし ます。新しい酵素が合成されるまでプロスタグランジンの生成が抑制される ため、炎症部位におけるプロスタグランジンの濃度が減少し、炎症反応が 抑制されます。

Platinum Bute静注の安全性については、体重225 kg当たり20 mL(1日 目)及び10 mL(2〜5日目)の用量で検討が行われており、有害作用は報告 されておりません。

2〜8°Cで保存してください(冷蔵保存。冷凍しないこと)。

用法及び使用上の注意

発熱の緩和に使用する際には、Platinum Bute静注とともに原因疾患の治 療を行うことが推奨されます。

本剤の使用は、重度の心疾患、肝臓病又は腎機能不全、血液疾患(特に血 色素尿症)や消化器障害の既往がある馬に対して禁忌とされています。

Platinum Bute静注に対する毒性反応はまれですが、浮腫、黄疸、血液疾 患、胃炎又は大腸潰瘍が生じることがあります。

用量

室温に戻してからゆっくりと静脈内投与を行ってください。

馬及び子馬:初回は1日量として45 kg当たり1〜2 mL(450 kg当たり10〜 20 mL)を投与する。以降は、反応に応じて45 kg当たり1日0.5〜1 mL(450 kg当たり5〜10 mL)に減量することができる。必要に応じて5〜6日間投与 を継続することができる。

保存

2〜8°Cで保存する(冷蔵保存。冷凍しないこと)。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか… 世界的に有名な ファッションブラ ンドのエルメス とグッチは、馬具 の製造から始ま りました。

HERMÉSとGUCCI

フランスのラグジュアリーブランド・エルメスは馬具工 房として1837年にパリで創業。ヨーロッパの貴族が使 用していた馬車馬用の高品質で精巧な馬具や頭絡の 製造を専門にしていました。

1880年に工房をパリのサントノーレ通りに移し、現在に至ります。移転 と同時に鞍の製造と店舗での販売を開始。1914年には80人もの鞍作 り職人を抱えるほどになりました。

その後、間もなくして、エルメスはヨーロッパで革製品や衣類にファス ナーを使用する独占権を取得します。1922年になると、のちにブランド の象徴となる革製ハンドバッグが作られるようになりました。

エルメスのロゴには、馬とデュック型の馬車(市街の空気を感じること ができるため、一時期人気だった車体が低く屋根のない馬車)が描か れています。

イタリアのハイエンド・ラグジュアリーファッションブラ ンドのグッチは、1921年にイタリアのフィレンツェで創 業。このブランドは高級革製スーツケースや鞍等の馬 具の製造業者として始まりました。

グッチのロゴのダブルGは、創業者のグッチオ・グッチに敬意を表して 彼のイニシャルが使用されていますが、馬具のハミも表現しており、鞍 作りから始まった歴史への敬意が表されています。

いずれのブランドもハイエンドの革製馬具を現在でも製造しています。 鞍の市販価格は1万2千ドルから5万ドルです。

オートクチュールならぬホースクチュールといったところでしょうか。

Equine Buteペースト™

APVMA承認番号:63283(オーストラリア)| ACVM番号:A010324(ニュージーランド) 販売国:

筋骨格系の疾患に伴う疼痛の緩和に 抗炎症・鎮痛・解熱作用のある 経口ペースト

4種類から選べる便利な包装サイズ 嗜好性を高めたリンゴ味

投与が簡単で乾燥しにくいテクスチャー

有効成分 フェニルブタゾン 200 mg/mL

包装

250 mL 容器 1 L マルチドーズ容器

500 mL 容器 30 mL マルチドーズシリンジ

効能又は効果

疼痛及び発熱の緩和を目的とした抗炎症・鎮痛・解熱作用のある経口ペー ストです。

抗炎症鎮痛療法は、馬の外傷、術後等のさまざまな場面で必要とされます。

骨関節疾患、軟部組織損傷のほか、腱炎、急性腱鞘炎、繋靱帯炎、筋炎(横 紋筋融解症等)、関節包炎、滑液包炎、急性及び慢性の蹄葉炎及び変形性 関節症等の炎症性疾患を含む筋骨格系疾患の治療に適しています。

薬理学的情報

フェニルブタゾンは、解熱作用及び鎮痛作用を持つ非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID)です。シクロオキシゲナーゼ酵素に非可逆的に結合することで、プ ロスタグランジンの生合成を阻害します。プロスタグランジンは、炎症反応 の主要なメディエータで、組織の腫脹や炎症、疼痛、発熱を引き起こします。

新しい酵素が合成されるまでプロスタグランジンの生成が抑制されるた め、炎症部位におけるプロスタグランジンの濃度が減少し、炎症反応が抑 制されます。

経口投与したフェニルブタゾンの吸収は良好で、全身に分布しますが、特に 肝臓、肺、心臓、腎臓及び血漿中で最大濃度が得られます。フェニルブタゾン は、最大で95%が血漿蛋白に結合。炎症過程では血漿蛋白に対する血管 透過性が亢進することから、炎症性滲出液中のフェニルブタゾン濃度も上 昇します。

フェニルブタゾンの血中濃度半減期は用量に依存し、馬では450 kg当たり 2 gの用量で3.5時間、450 kg当たり8 gの用量で6時間です。経口投与後、数 時間で臨床的な反応が認められますが、最大の作用が認められるのは投 与の約12時間後です。治療効果は24時間以上持続することがありますが、 これはおそらく組織中のフェニルブタゾンとシクロオキシゲナーゼの結合 が非可逆的であるためと考えられています。

フェニルブタゾンは、馬の体内でほぼ完全に代謝されます。主要な代謝産 物は、フェニルブタゾンと同様の薬理作用を示すオキシフェンブタゾンと薬 理学的に不活性なγ-ヒドロキシフェニルブタゾンです。

用法及び使用上の注意

ポニー及び子馬は、フェニルブタゾンの毒性に対する感受性が高くなってい ます。

心疾患や腎臓病、肝臓病、血液病、消化器潰瘍の既往がある動物に対する 本剤の使用は禁忌です。

他のNSAIDやジゴキシン、ワルファリン、サルファ剤等の蛋白結合性の高い 薬物との併用は避けてください。

フェニルブタゾンによって起こる可能性のある有害作用には、食欲廃絶、沈 うつ、疝痛、元気消失、体重低下、腹部の浮腫、口腔内及び消化管の潰瘍等 の病変、腎乳頭壊死が含まれます。

これらの徴候が認められたら、直ちに投与を中止してください。

用量

馬:給餌の前に経口投与する。1日目は4.4 mg/kg BW(10 mL/450 kg BW) で1日2回投与し、続いて2.2 mg/kg BW(5 mL/450 kg BW)で1日2回4日 間投与する。その後、2.2 mg/kg BW(5 mL/450 kg BW)で1日1回隔日投与 を行うか、獣医師の指示に従う。1日の最大量として4 g(20 mL)を超えない ようにする。

ポニー:給餌の前に経口投与する。2.2 mg/kg BW(2.5 mL/225 kg BW)で 1日2回4日間投与し、続いて2.2 mg/kg BW(2.5 mL/225 kg BW)で1日1回 隔日投与を行うか、獣医師の指示に従う。

ポニーは、フェニルブタゾンの毒性作用に対する感受性が高いため、推奨用 量を超えないこと。

馬豆知識:フェニルブタゾンの長期投与中のNSAIDに起 因する胃腸潰瘍の予防及び治療にはミソプロストール(5 µg/kg・1日2回)とスクラルファート(20 mg/kg・1日2〜4 回)のいずれか又は併用が推奨されています。

Randlabメロキシカム注™

APVMA承認番号:68070(オーストラリア)| ACVM番号:A010915(ニュージーランド) 販売国:

馬、牛、豚及び羊用のCOX-2選択的

非ステロイド性抗炎症鎮痛解熱薬

安全性プロファイルが向上 競技前の休薬期間が短縮 有効成分

メロキシカム 20 mg/mL

包装

100 mL マルチドーズバイアル

効能又は効果

メロキシカムは非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)で、抗炎症活性が必要な あらゆる疾患においてCOX-1活性を維持しながら速やかな作用を示しま す。

関節、骨及び軟部組織の損傷を含む筋骨格系疾患の治療や疝痛及び眼病 に伴う疼痛の緩和に適しています。

メロキシカムは、周術期の炎症と疼痛の治療にも効果的です。

メロキシカム注は短期の投与を行うか、メロキシカムを経口投与する前の 初回負荷投与に用いることができます。

薬理学的情報

メロキシカムは、プロスタグランジン合成を阻害することで抗炎症作用、抗 内毒素作用、滲出液抑制作用、鎮痛作用及び解熱作用を示すオキシカム系 の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)です。

COX-2を選択的に阻害するため、健康な消化管、腎機能、血小板機能等の 維持を担う調節性プロスタグランジンの合成に欠かせないCOX-1酵素の重 要な生物学的機能を維持することができます。

メロキシカムは、虚血を起こした腸の回復を妨げることなく効果的な疝痛 緩和に用いることができます。

用法及び使用上の注意

脱水、循環血液量の減少又は血圧低下が認められる馬には、腎毒性の危 険性があるため使用しないで下さい。

妊娠中又は授乳中の牝馬及び6週齢未満の子馬に対する安全性は確認さ れていないため、使用には注意が必要です。

消化管出血、肝機能、心機能又は腎機能の障害、出血性疾患、又は本剤に 過敏性を示す可能性のある個体への使用は禁忌です。

グルココルチコステロイド等の非ステロイド性抗炎症薬及び抗凝固薬と併 用することは禁忌です。蛋白結合率が高い他の薬物との併用には注意が必 要です。

用量

:0.6 mg/kg BW(3 mL/100 kg)を静脈内投与する。

牛:皮下又は静脈内への単回投与に限る。必要に応じて抗生物質との併用 で0.5 mg/kg BW(2.5 mL/100 kg)を投与する。

豚:頭側頸部の筋肉内に単回投与する(必要であれば24時間後にもう1回 投与してもよい)。

必要に応じて抗生物質との併用で0.4 mg/kg BW(2.0 mL/100 kg)を投与 する。

羊:耳の後ろの皮下に単回投与する。成羊及び14日齢以降の子羊:1.0 mg/kg BW(1.0 mL/20 kg)を投与する。

馬豆知識:競技前のメロキシカム注の休薬期間はフェニ ルブタゾン等の他のNSAIDより短いと考えられています。 競走馬等に用いる場合は、関係当局の規制に従って使用 してください。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか…

現在、世界でもっとも有名な馬は 実はポニーです。

デンバーことメタリックキャット(米国、ロッキングP牧場)

全米カッティング競技のチャンピオン馬のメタリックキャットは、おそら く今世界でもっとも有名な馬でしょう。この栗粕毛の牡馬は、カッティン グ競技中に子牛を逃したことがありません。種馬としてもこれ以上の 成功をみせており、彼由来の産駒は6千万米ドルもの賞金を獲得して います。彼自身は3千200万米ドル以上の価値があると考えられていま す。現在の種付け料は1万1千米ドルで、シーズンあたり200頭に制限 されています。

このアメリカンクォーターホースの牡馬は、現在18歳。体高が14.1hh しかないため、厳密的にはポニーに分類されます。その名誉が称えら れ、2019年には世界的に大ヒットしたテレビ番組『イエローストーン』 に自分役で出演を果たしました。

Randlabメロキシカムペースト™

APVMA承認番号:82561(オーストラリア)| ACVM番号:A011118(ニュージーランド)

販売国:

COX-2を選択的に阻害する

非ステロイド性抗炎症鎮痛 解熱薬

投与しやすいペースト状 絶食中及び給餌後の馬のいずれでも高い バイオアベイラビリティを示します

有効成分 メロキシカム 20 mg/mL

包装 230 mL マルチドーズ容器

効能又は効果

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)で、抗炎症活性が必要なあらゆる疾患に おいてCOX-1活性を維持しながら作用を示します。

関節、骨及び軟部組織の損傷を含む筋骨格系疾患の治療や疝痛及び眼病 に伴う疼痛の緩和に適しています。

メロキシカムは、周術期の炎症と疼痛の治療にも効果的です。

薬理学的情報

メロキシカムは、プロスタグランジン合成を阻害することで抗炎症作用、抗 内毒素作用、滲出液抑制作用、鎮痛作用及び解熱作用を示すオキシカム系 の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)です。

COX-2を選択的に阻害するため、健康な消化管、腎機能、血小板機能等の 維持に必要な調節性プロスタグランジンの合成に欠かせないCOX-1酵素 の重要な生物学的機能を維持することができます。

メロキシカムは、虚血を起こした腸の回復を妨げることなく効果的な疝痛 緩和に用いることができます。

用法及び使用上の注意

脱水、循環血液量の減少又は血圧低下が認められる馬には腎毒性の危険 性があるため、使用しないで下さい。

妊娠中又は授乳中の牝馬及び6週齢未満の子馬に対する安全性は確認さ れていないため、使用には注意が必要です。

消化管出血、肝機能、心機能又は腎機能の障害、出血性疾患、又は本剤に 過敏性を示す可能性のある個体への使用は禁忌です。

グルココルチコステロイド等の非ステロイド性抗炎症薬及び抗凝固薬と併 用することは禁忌です。蛋白結合率が高い他の薬物との併用には注意が必 要です。

用量

馬:1日量0.6 mg/kg BW(3 mL/100 kg)を最大14日間投与する。

子馬:7週齢未満の場合は排泄が早いため、0.6 mg/kg BWで1日2回の投 与が必要である。

馬豆知識:競技前のメロキシカムペーストの休薬期間は フェニルブタゾン等の他のNSAIDより短いと考えられてい ます。競走馬等に用いる場合は、関係当局の規制に従っ て使用してください。

興味を持ったことはありませんか…

毎年のRandlabのカタログの表紙にも採用されています。

セクレタリアトは1973年にアメリカ三冠を達成、そのうちのベルモント ステークスでは驚きの31馬身差を付けて勝利しました。

生涯成績は21戦16勝、3着以上は4回でした。「ビッグレッド」の愛称で 親しまれ、競馬史上において、これほど国民の注目を集め続け、競馬 ファンを魅了した馬は他にいません。

米国の著明な馬専門の画家Tom Chapmanによる絵画をパッケージ に採用しました。繁殖場で撮影された写真が元になっています。

メロキシカムペーストと メロキシカムForteの パッケージの馬は誰? セクレタリアト(米国) Googleが選んだ史上最高の馬 ご存知でしたか… セクレタリアトは、この史上最高と呼ばれた馬 の名前の最初の選択肢ではありませんでした。 セクレタリアト(米国、ペニー・チェネリー) 歴史を作った馬たち

ボールドルーラーとサムシングロイヤルの子として生まれたこの栗毛 の牡馬の「セクレタリアト」という名前は、「セプター」「ロイヤルライン」 「サムシングスペシャル」「ゲームオブチャンス」「デオボレンテ」に続く6 番目の選択肢でした。セクレタリアトという名前を提案したのは馬主 のペニー・チェネリー氏の秘書で、ジュネーブの国際連盟事務局で働 いた経験がある人でした。

セクレタリアトの名前の下半分「ARIAT」は、のちに世界最大の乗馬製 品ブランドとなりました。ARIATはスポーツシューズの技術を英国及び 西洋の乗馬ブーツに活用したブーツ専門の店として1993年に創業。 現在の年間売上は5億米ドルを超えています。近年、オールドネイ ビー、バナナ・リパブリック、そしてもちろんGAPを含む有名な衣料品ブ ランドを所有するGap社に買収されました。

RandlabメロキシカムForte™

APVMA承認番号:89813(オーストラリア)

販売国:

COX-2を選択的に阻害する 非ステロイド性抗炎症鎮痛 解熱薬

投与しやすい経口懸濁液 そのまま飼料にかけて投与することができます 絶食中及び給餌後の馬のいずれでも高い バイオアベイラビリティ

有効成分 メロキシカム 30 mg/mL

包装

250 mL マルチドーズボトル

効能又は効果

メロキシカムは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)で、抗炎症活性が必要 なあらゆる疾患においてCOX-1活性を維持しながら作用を示します。

関節、骨及び軟部組織の損傷を含む筋骨格系疾患の治療や疝痛及び眼病 に伴う疼痛の緩和に適しています。

メロキシカムは、周術期の炎症と疼痛の治療にも効果的です。

薬理学的情報

メロキシカムは、プロスタグランジン合成を阻害することで抗炎症作用、抗 内毒素作用、滲出液抑制作用、鎮痛作用及び解熱作用を示すオキシカム系 の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)です。

COX-2を選択的に阻害するため、健康な消化管、腎機能、血小板機能等の 維持を担う調節性プロスタグランジンの合成に欠かせないCOX-1酵素の重 要な生物学的機能を維持することができます。

メロキシカムは、虚血を起こした腸の回復を妨げることなく効果的な疝痛 緩和に用いることができます。

用法及び使用上の注意

脱水、循環血液量の減少又は血圧低下が認められる馬には腎毒性の危険 性があるため使用しないで下さい。

妊娠中又は授乳中の牝馬及び6週齢未満の子馬に対する安全性は確認さ れていないため、使用には注意が必要です。

消化管出血、肝機能、心機能又は腎機能の障害、出血性疾患、又は本剤に 過敏性を示す可能性のある個体への使用は禁忌です。

グルココルチコステロイド等の非ステロイド性抗炎症薬及び抗凝固薬と併 用することは禁忌です。蛋白結合率が高い他の薬物との併用には注意が必 要です。

用量

よく振ってから使用してください。

馬:1日量0.6 mg/kg BW(10 mL/500 kg BW)を最大14日間投与する。

子馬:0.6 mg/kg BW(2 mL/100 kg BW)を1日2回、最大7日間投与する。7 週齢未満では排泄が早いため、1日2回の投与が必要である。

馬豆知識:競技前のメロキシカム経口懸濁液の休薬期間 はフェニルブタゾン等の他のNSAIDより短いと考えられて います。競走馬等に用いる場合は、関係当局の規制に 従って使用してください。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか… シドニーの有名 なカフェラテセッ トには、シェット ランドポニーが もれなく付いて きます。

ポニーのハーレー (豪州、エリック・ フィンドレー)

シドニー郊外の静かな街サマーヒルは、レストランやカフェ、そして駐 車場がないことで知られています。シドニー中心部からほんの7 kmの インナーウェストに位置する典型的な市街地です。

オーツミルクの抹茶ラテを注文しながら馬の蹄の音が聞こえてくる… というような街ではありません。ある冬の日曜の午後、この地域の線 路脇にある公園を散歩していたところ、小さな蹄がコンクリートの歩 道を闊歩するような音が聞こえてきました。えっと思いながら振り返る と、自転車に乗った老人がまだら模様のシェットランドポニーを連れて いるではありませんか。

自転車の主とポニーに呼びかけたのですが、その老人は(のちにエ リック・フィンドレー氏と判明)知らない人とポニーの話をする気分で はなかったらしく、どこへともなく自転車で去って行きました(ポニーは ハーレーという名前だったらしい)。

私と一緒に歩いていた地元の友人が「あれがサマーヒル・ポニーだよ」 と教えてくれました。「聞いたことあるだろう?アルバニージー(当時の 議員で現オーストラリア首相)も先月選挙前の演説でこのポニーのこ とを話していたよ」というのです。

近隣の住人や地方自治体がハエや悪臭、排尿時のうるさい音に対し て抗議を続けているにもかかわらず、このポニーは20年間もサマーヒ ルに住んでいるそうです。しかも、この17年間は、地方環境裁判所の決 定に基づくものです。アルバニージーが政権を維持している限り、ハー レーは都市型の動物種としての生活を守れそうです。

Colix™ 注

APVMA承認番号:68287(オーストラリア)| ACVM番号:A011471(ニュージーランド) 販売国:

消化器系、筋骨格系及び眼科系の炎症

及び疼痛の緩和と内毒素性ショックの 治療を目的としたNSAID

重度の胃腸の疼痛と筋骨格系疾患及び眼科疾患の管理に用いること ができる強力な抗炎症剤です

馬、牛、豚及び犬に適しています

有効成分

フルニキシンメグルミン フルニキシンとして50 mg/mL

包装

100 mL マルチドーズバイアル

効能又は効果

疝痛に伴う内臓痛及び炎症と腸運動の正常化に。

筋骨格系疾患に伴う炎症と疼痛の緩和に。

ぶどう膜炎等の炎症性眼疾患の治療及び周術期に。

フルニキシンは抗炎症用量より低い用量において、内毒素症や内毒素性 ショックに伴う血行動態の変動を軽減することができます。

薬理学的情報

フルニキシンは、NSAIDの中でもシクロオキシゲナーゼ阻害効果がもっと も高いと考えられています。また、フェニルブタゾンやペチジンよりも鎮痛効 果が高く、モルヒネと同等の鎮痛効果があると報告されています。

フルニキシンは消化管運動や血圧、心調律には大きな影響は及ぼしませ ん。

フルニキシンは、内毒素による乳酸アシドーシスを抑制し、動脈高血圧と内 皮細胞障害の重症度を緩和、静脈還流を改善することで毒素性ショックに 伴う血行動態の有害な変動の抑制にも使用されています。

フルニキシンは、さまざまな筋骨格系疾患に効果的な抗炎症作用及び鎮痛 作用を示します。

さらに、鼓腸や炎症性疾患による馬の疝痛等の内臓痛にも効果的です。フ ルニキシンは、オピオイドを含む多くの麻薬性鎮痛薬や他のNSAIDよりも疝 痛の鎮痛効果が高いと考えられています。

フルニキシンの静脈内投与は、炎症性眼疾患の治療にも推奨されており、 眼科手術の前後の炎症の緩和や眼房水内のプロスタサイクリン蓄積に伴 う炎症の緩和にも使用されることがあります。フルニキシンは単剤で、又は コルチコステロイドとの併用で、ぶどう膜炎等の炎症性眼疾患の治療にも 役立ちます。また、眼内手術の前やぶどう膜炎等の炎症性眼疾患に対して 結膜下投与を行うことができます。

フルニキシンの血漿中半減期は短く(1.6時間)、経口投与及び静脈内投与 のいずれでも12〜16時間で最大の反応が認められ、長い作用持続時間を 示します(最大36時間)。組織中でシクロオキシゲナーゼに非可逆的に結合 するため、血漿中濃度が下がっても治療効果は維持されます。

用法及び使用上の注意

馬に対する筋肉内投与は行わないこと。

馬の疝痛においては、内毒素血症や腸失活に伴う行動の変化や心肺系の 徴候がフルニキシンにより隠される可能性があります。疝痛の術前評価で は必ずこの点を考慮に入れる必要があります。

妊娠中の動物を対象とした特定の試験は実施されていないため、妊娠中 の動物に対する使用は推奨されません。他の抗炎症薬との併用は避けてく ださい。腎臓病、肝臓病及び血液病の動物への使用には注意が必要です。 過剰量の投与や長期の投与により、消化管潰瘍(右背側結腸、盲腸又は胃) を生じることがあります。

用量

馬ではフルニキシンの筋肉内投与により注射部位反応やクロストリジウム 性筋炎が生じることがあるので、筋肉内投与は行わないでください。

筋骨格系疾患:1.1 mg/kg BW(1 mL/45 kg BW)で1日1〜3回、最長5日間 の静脈内投与を行う。

疝痛:疝痛の速やかな緩和には、1.1 mg/kg BWの静脈内投与が推奨され る。疝痛症状が再発した場合には繰り返し投与することができる。疝痛の原 因を特定し、適切な治療を行う必要がある。

内毒素血症(内毒素血症が起こる可能性がある場合も含む):エイコサノイ ドの産生阻害及び内毒素による血行動態作用の抑制には、0.25 mg/kgで8 時間おきに静脈内投与を行う。

馬豆知識:Colix注は1.1〜1.3 mg/kgの用量で経口投与 することも可能です。糖蜜に混ぜるか、舌の奥に直接注入 して投与します。経口投与した場合は2時間後に作用が 現れ、12〜16時間で最大の作用が得られます。作用持続 時間は最大で30時間です。

警告:本剤は長期間検出されるため、ドーピング検査で陽性に なることがあると報告されています。これは、排泄されたフルニ キシンを馬が摂取することでリサイクルされるためだと考えら れています。排泄されたフルニキシンの再摂取を避けるため、 競技用の馬は、通常の排泄期間(96時間程度)を過ぎたのち、 別の厩舎に移すことが推奨されます。

鎮静薬・ 麻酔薬製品 全 6 製品

製品分野の説明

軽度の鎮静から全身麻酔まで、鎮静薬及び鎮痛薬 の選択肢がさらに広がりました。

ブトルファノール注 有効成分

酒石酸塩として ブトルファノール 10 mg/mL

馬、犬及び猫の鎮痛及び鎮静に

鎮静薬・麻酔薬・鎮痛薬┃ブトルファノール

Randlabブトルファノール注™

強力な鎮痛と、より高い鎮静効果を APVMA承認番号:87965(オーストラリア) 販売国:

馬・犬・猫用の鎮痛・鎮静剤*

有効成分

ブトルファノール酒石酸塩10 mg/mL

包装

10 mL マルチドーズバイアル

50 mL マルチドーズバイアル

*α2作動薬と併用した場合。

効能又は効果

ブトルファノール酒石酸塩は、鎮痛・鎮静作用を有する作動薬・拮抗薬混合型合 成オピオイドです。初期の興奮性を避けるため、一般的には鎮静薬(α2作動薬 等)と併用されます。ブトルファノールは、馬の診療において以下を含むさまざま な用途で用いられています。

• 立位外科手術中の不動化に

• 簡単な手術中の不動化に

• 診断検査中の不動化に(例:1歳馬のレポジトリーX線検査)

• 疝痛に伴う疼痛の緩和(最長4時間まで)

• α2作動薬との併用で麻酔前投与に

• バランス全身麻酔の一環として(痛みを伴う手術等)

• 術後及び一般的な疼痛管理に

• 強力な鎮咳薬として

薬理学的情報

ブトルファノール注(ブトルファノール酒石酸塩)は、鎮痛作用、鎮静作用及び鎮 咳作用を有する中枢作用性の完全合成麻薬性作動薬・拮抗薬です。高域用量で は鎮痛薬として作用し、低域用量では予測可能な鎮静作用を示します。

静脈内投与後の作用発現時間は約3分で、15〜30分後に最大の鎮痛効果が得 られます。馬における単回投与後の作用持続時間は、通常1〜2時間ですが、4時 間まで持続することがあります(特にα2作動薬と併用した場合)。必要に応じて3 〜4時間毎に反復投与することが可能ですが、48時間を超える投与は推奨され ていません。

ブトルファノールは、推奨量で投与した場合、心肺抑制を起こすことがほとんど ありません。さらに、循環器系に対するブトルファノールの作用は、用量比例性を 示さず、プラトーに達すると用量をさらに増やしても比較的小さな作用しか現れ ません。

鎮痛:ブトルファノールは、疝痛に伴う疼痛の緩和、分娩後の母馬の治療、手術中 の鎮静(立位手術及び麻酔前投与のいずれにも)、去勢手術等、多くの獣医療手 技に役立ちます。

疼痛緩和には、単剤としても、キシラジン、デトミジン等のトランキライザーとの 併用で用いることもできます。投与後15分以内に鎮痛作用が現れ、最長4時間ま で効果が持続します。鎮痛効果はモルヒネより5倍高くなっています。

馬の疝痛:ブトルファノールは注射後15分以内に速やかに鎮痛作用を示し、丁寧 な検査や治療が可能になるとともに、自傷を防ぐことができます。疼痛緩和の程 度は、手術の必要性の判定を困難にするほど強くはなく、長時間持続することも ありません。また、他のオピオイドと比べて消化管の機能と運動性に対して大き く影響することがありません。定速注入は、静脈内ボーラス投与と比べると消化 器系の副作用が少なく、良好な鎮痛を得ることができます。

鎮静:ブトルファノールは、立位の化学的保定や全身麻酔の前投与の一環として 鎮静作用の増強を目的に、キシラジン、デトミジン等の他の鎮静薬と併用するこ とができます。

鎮咳:ブトルファノールは、中枢に作用して発咳を抑制する鎮咳薬としても使用 することができるため、気管洗浄や気管支肺胞洗浄等の手技にも役立ちます。

指定医薬品

用法、用量及び使用上の注意

10 mL サイズ が登場

鎮静を行っていない馬において、ブトルファノールの静脈内投与により、興奮、歩 き回る、運動失調、聴覚刺激に対する反応の増強及び消化管運動の低下が報告 されています。

重要な注意:ブトルファノールは、肝臓病の患者では効率的に排泄 されず、毒性を示すレベルまで蓄積することがあるため、これらの 患者への使用は推奨されていません。

過剰な粘液の産生を特徴とする肺疾患の動物では、ブトルファノールの投与によ り発咳による粘液の排出が滞るため、投与は推奨されていません。

ブトルファノールは、脳機能を抑制するため、頭部外傷、昏睡、中枢神経系圧の上 昇が認められる患者には使用すべきではありません。

腎臓病、心不整脈又は徐脈の既往がある動物に対するブトルファノールの使用 は注意が必要です。

繁殖用の牡馬及び牝馬における安全性は確認されていません。

他の製剤と同じ注射筒で混ぜないでください。

用量

ブトルファノールは、筋肉内投与する場合、約37%しか全身に吸収されないた め、高用量又は頻繁な投与を行うことができます。ただし、用量と投与間隔は、 治療への反応に基づいて調節してください。

鎮痛:0.1〜0.4 mg/kgで3〜4時間毎に静脈内に投与する。又は0.04〜0.2 mg/ kgで筋肉内に投与する。

定速注入:初期負荷用量17.8 µg/kg、その後は13〜24 µg/kg/時。

疝痛:単剤又はα2作動薬(キシラジン 0.02〜0.1 mg/kg 静注)と併用し、0.01〜 0.02 mg/kgで静脈内に投与。

鎮静:単剤の場合、0.1〜0.13 mg/kg(本剤として体重100 kg当たり1〜1.3 mL) を3〜4時間毎に静脈内に投与する。キシラジン(0.5〜1.0 mg/kg)、デトミジン (10〜40 µg/kg)、ロミフィジン(80〜100 µg/kg)又はアセプロマジン(0.02〜 0.05 mg/kg)と併用する場合、0.02〜0.05 mg/kgで静脈内に投与する。

麻酔前投与:α2作動薬(キシラジン 0.1〜0.5 mg/kg)の静脈内投与後、0.01〜 0.04 mg/kgで静脈内に投与する。

野外麻酔:キシラジン(1 mg/kg静注、又は2 mg/kg筋注)で鎮静後、ブトルファ ノール(0.02〜0.04 mg/kg静注)を投与する。深い鎮静が得られるまで待ってか ら(約10分)、ケタミン(2.2 mg/kg静注)を投与する。併用により麻酔導入及び鎮 痛作用が向上し、横臥時間が5〜10分延長する。

鎮咳:0.02 mg/kgで1日2〜3回筋肉内に投与する。

子馬:単剤の場合、0.1〜0.2 mg/kgで静脈内又は筋肉内に投与する。併用の場 合、キシラジンを0.5 mg/kgで投与後、ブトルファノールを0.04 mg/kgで投与す る。

馬豆知識:ブトルファノールによる前投与は、気管支肺胞 洗浄や気管洗浄等の侵襲的な気道の処置に伴う発咳の 抑制にも役立ちます。

Randlab Ketamine注™

APVMA承認番号:87454(オーストラリア) 販売国:

単剤で鎮痛に、精神安定薬及び

筋弛緩薬と併用で麻酔薬として 使用される解離性麻酔薬

馬の解離性麻酔・鎮痛薬

有効成分

ケタミン(塩酸塩として)100 mg/mL

包装

50 mL マルチドーズバイアル

効能又は効果

馬の診療においてケタミンをベースにした麻酔は、短時間の野外での手術 にもっともよく使用される麻酔方法です。通常、麻酔作用時間は30分未満 です。

ケタミン麻酔は、気管挿管と吸入麻酔前の導入にも用いることができます。

α2作動薬とケタミンで導入後、静脈内定速注入を行う「トリプルドリップ」に よる麻酔の維持にも用いられます。「用量」の項をご参照ください。

ケタミンはNMDA受容体も阻害するため、疼痛管理の補助にも役立つこと があります。

薬理学的情報

ケタミン麻酔は、鎮痛作用、正常な咽頭・喉頭反応の維持、軽度の心刺激作 用と呼吸抑制、交感神経系の緊張の亢進を特徴とします。防御反応(咳、嚥 下、角膜反射等)は維持されており、眼は開いたまま散瞳が認められます。 眼振もよく確認されます。

ケタミンは交感神経緊張を促進するため、心拍数及び血圧を上昇させま す。そのため、他の麻酔薬と比べて心拍出量が増加します。ケタミンは高い 治療係数を有しています(例えばペントバルビタールと比べると5倍)。

ケタミンは胎盤を通過するため、帝王切開の際の麻酔導入に使用した場 合、新生子に鎮静作用が起こることがあります。

ケタミン麻酔からの覚醒は良好で、チオバルビツールや吸入麻酔よりも優 れていると考えられています。

用法及び使用上の注意

必ずα2作動薬で鎮静を行った後に使用してください。麻酔薬として単独使 用すると過剰興奮や不随意筋反応を起こす可能性があります。

ケタミンを筋肉内投与した場合、注射部位の疼痛を起こすことがあります。

大きな手術を行う際には、ケタミンを単独で用いず、ガス麻酔、バルビツー ル系麻酔薬又は筋弛緩剤を必ず併用してください。

ケタミンに対する過敏症の既往や腎機能障害、肝機能障害、てんかんの既 往、心血管不全、心筋損傷、重度の心不整脈、緑内障、血液量の減少、発作 傾向、脳外傷、頭蓋内疾患のある馬に対する本剤の使用は禁忌です。

食物が食道に詰まるおそれがあるため、馬が全身麻酔から完全に覚醒する まで給餌は行わないでください。

用量

ケタミン麻酔の前には、デトミジン(0.02 mg/kg)又はロミフィジン(0.1 mg/kg)等、キシラジン以外の鎮静薬も使用することができます。

麻酔導入:ケタミンによる麻酔導入の5〜10分前にα2作動薬(キシラジン 1.1 mg/kg静注又は2.0 mg/kg筋注)を前投与します。ケタミン(2.2 mg/kg

指定医薬品(麻薬・劇薬・要指示医薬品)

静注)の投与前に十分な鎮静を行わなければなりません。麻酔作用時間は 短いですが、導入用量の1/3〜1/2量をトリプルドリップで定速注入すること で延長することができます(下記を参照)。

神経が過敏な馬に対しては(若い馬、サラブレッド、アラブ種等)、キシラジン にブトルファノール(0.02〜0.04 mg/kg静注)を追加し、ケタミン投与の5〜 10分前に投与することもできます。

ケタミンの前にジアゼパム(0.03〜0.1 mg/kg静注)もキシラジンとともに 併用すると、麻酔導入や麻酔中の筋弛緩を向上し、麻酔時間を5〜10分延 長することができます。

野外麻酔・トリプルドリップ:5%グアイフェネシンを含むデキストロース液 又は0.9%生理食塩液1 Lに対しキシラジン500 mg及びケタミン2000 mg を添加する。

導入:1.1 mL/kg急速静注

維持:2.0〜4.5 mL/kg/時で効きめに合わせて調節する。酸素吸入及び呼吸 補助を行わない場合は、トリプルドリップを1時間以上の麻酔に使用しない。 子馬・ポニー:5%グアイフェネシンを含む輸液500 mLにキシラジン250 mg及びケタミン500 mgを添加する。導入は1.1 mL/kgで急速静注を行う。 維持は2〜3 mL/kg/時で効きめに合わせて調節する。

定速注入による鎮痛:負荷用量0.6 mg/kgで静注後、0.4〜0.8 mg/kg/時 で定速注入を行う。必要に応じて1.2 mg/kg/時に増量することができる。 定速注入用の点滴液の準備には、生理食塩液1 Lにケタミン30 mLを加え (3 mg/mL)、500 kgの馬に対し125 mL/時で8時間静脈内投与を行う。

子馬の発作の治療:0.02 mg/kg/分で定速注入を行う。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか… かつてチャールズ皇太子がアマチュア騎手になる 決意をしたのは、ダイアナ妃に好感度を 上げてもらうためだったそうです。

アリバー(英国、チャールズ皇太子) 詳細はp. 74をご覧下さい。

鎮静薬・麻酔薬・鎮痛薬┃Sedator™

Sedator® 注

APVMA承認番号:82623(オーストラリア)| ACVM番号:A011244(ニュージーランド) 販売国:

軽度から深い鎮静、鎮痛及び

単純疝痛の痛みのコントロールに

急速で作用時間が長く、しっかりとした鎮静を 馬及び牛用*

*牛への使用が承認されているのはニュージーランドのみです

有効成分

デトミジン塩酸塩10 mg/mL

包装 20 mL マルチドーズバイアル

効能又は効果

Sedatorは用量によって鎮静と鎮痛の深度を調節することができます。検 査、レントゲン撮影、簡単な手術、輸送等を容易にするために使用すること ができます。また、単純疝痛等の痛みのコントロールにも使用することがで きます。馬に対しては長い鎮痛作用(最大12時間)があります。

Sedatorは鎮静薬及び鎮痛薬として、以下の補助に用いることができます。

• 内視鏡、直腸検査、生殖器系検査、跛行検査及びあらゆる画像診断検査

• デブリードマン、創口縫合、皮膚腫瘍の切除、蹄処置、去勢等の簡単な手 術

• 麻酔前の鎮静に他の麻酔薬と併用

• 若い又は気難しい馬の治療や経鼻胃管挿入、毛刈り、蹄鉄の装着等の処 置

• 疝痛の効果的な緩和に

• 重篤な外傷管理の鎮静及び鎮痛に

• 歯科検査及び歯科手術

• 気難しい馬の安全な取扱いに

用法及び使用上の注意

警告:鎮静下又は麻酔下の馬に対しては致死的な不整 脈が起こる可能性があるため、強化サルファ剤の静脈内 投与は禁忌とされています。

本剤は、妊娠中の馬への使用は推奨されていません。

本剤は、陰茎弛緩を生じることがあります。牡馬、特に繁殖期の種馬への使 用には注意が必要です。

臨床医はデトミジンが作用している間は、馬の頭部が下垂する傾向にある ため、適度に体位を調節する必要があることを認識しておいてください。投 与の直後は、特に高用量を使用した場合にふらつきが認められることがあ ります。

Sedetorにより、馬をより安全に取り扱うことができます。デトミジン鎮静下 では、馬の取扱いが容易になりますが、通常の注意事項を守ることが推奨 されます。

Sedatorによる鎮痛持続時間は鎮静持続時間と一致するとは限らないた め、特に手術等の疼痛を伴う処置を行う際には、局所麻酔薬等の鎮痛薬を 追加することが推奨されます。

馬豆知識:食物が食道に詰まるおそれがあるため、馬が 全身麻酔から完全に覚醒するまで給餌は行わないでくだ さい。

心疾患(徐脈の既往や房室ブロックのリスク)、呼吸器障害、肝機能障害、腎 機能障害がある場合は、Sedatorの使用を行う前に、獣医師がリスク便益 分析を行う必要があります。

過剰投与及び副作用:特に高用量では、立毛、発汗、利尿、まれに軽微な振 戦等の交感神経様作用が認められることがあります。アトロピン又は特異 的α-2受容体拮抗薬(トラゾリン等)により症状を緩和できることがありま す。

用量

必要とされる鎮静の深度及び持続時間、馬の気質、予期される外部刺激に 応じて用量を選択してください。

低用量でも十分な作用が得られることがあります。

用量:体重100 kg当たり0.1〜0.8 mL。ゆっくりと静脈内投与を行うか、筋 肉内投与を行う。

疝痛の診断確定までの鎮痛には、20〜40 µg/kg BW(0.2〜0.4 mL/100 kg BW)が推奨されます。

完全な鎮痛効果が得られるのは投与の5〜15分後です。低用量で必要な鎮 静が得られなかった場合は、追加投与を行うことができます。

用量と予期される作用:

用量

鎮静の深さ 作用発現 までの時 間(分)

作用持 続時間 (時) その他の作用 μg/kg mL/ 100 kg

10〜20 0.1〜0.2 軽度:取扱い が容易に 3〜5 0.3〜1.0 軽度の ふらつき

20〜40 0.2〜0.4 中等度:取扱 いが容易に 3〜5 0.5〜1.0 軽度の ふらつき

40〜80 0.4〜0.8 深い鎮静: 取扱いが 容易に 2〜5 0.5〜2.0 ふらつき、 発汗、立毛、 筋痙攣

定速注入:鎮痛には負荷容量0.01 mg/kgを投与後、リンゲル液1 Lにデトミ ジン15 mg(1.5 mL)を加え、0.6 µg/kg/分で定速点滴を行う。これは1秒あ たり約6滴に相当する。効き目に合わせて調節する。

Randlab Xylazine 100注™

APVMA承認番号:87320(オーストラリア)| ACVM番号:A011802(ニュージーランド)

販売国:

鎮静、鎮痛及び筋弛緩 作用のある注射剤

速効性で短時間の鎮静と鎮痛を実現

有効成分

キシラジン(塩酸塩として)100 mg/mL

包装

効能又は効果

50 mL マルチドーズバイアル ニュージーランド製品

Randlab Xylazine 100注は、キシラジンを100 mg/mL(10% w/v)の濃度で 含有する注射剤で、馬の鎮静、鎮痛及び筋弛緩に使用することができます。

本剤は、馬の鎮静薬として非常に効果が高く、眼科検査、歯科検査、内視鏡 検査、創口縫合、直腸検査、胃管挿入、気難しい馬の検査(跛行検査を含 む)、画像診断検査、包帯の装着と除去等のさまざまな処置を容易に行うこ とができます。キシラジンは、適切な局所麻酔と併用することで去勢、歯科 手術、排膿等の立位で行う簡単な手術にも適用できる場合があります。

キシラジンは疝痛に対しても短時間の鎮痛作用を示すことがあり、検査と 輸送の補助に使用することができます。内臓痛に対するキシラジンの緩和 作用は、ブトルファノールよりも優れていることが示されています。キシラジ ンは投与後最大で8時間まで指への血流を低下させます。

本剤は、ケタミン麻酔及びバルビツレート麻酔両方の前投薬としても非常 に効果的です。

薬理学的情報

Randlab Xylazine 100注は、α作動性及び直接的なオピオイド作用を介し て用量依存性に鎮静と鎮痛効果をもたらします。また、中枢神経系におい て神経細胞内のインパルスの伝達を中枢性に阻害することで筋弛緩作用 を生じさせます。作用の発現は速やかで、静脈内投与後は3〜5分、筋肉内 又は皮下投与後は10〜15分で鎮静作用が認められます。

通常、鎮静作用は1〜2時間持続しますが、鎮痛作用の持続時間は30〜40 分程度です。本剤投与後の通常の反応として、頭部下垂、横臥を伴わない 運動失調、嵌頓包茎に至ることはない陰茎逸脱、下口唇下垂等が認められ ることがあります。完全回復は投与量によりますが、通常は問題なく、最小 限の観察しか必要としません。

用法及び使用上の注意

キシラジンは心肺抑制を生じ、心拍数、1回心拍出量、心拍出量及び呼吸数 の減少とともに末梢抵抗の亢進として現れます。これらの作用は一過性で、 健康な馬では臨床的に重要なものではありません。ただし、ショック、呼吸 抑制等の心血管系の障害がある場合にはキシラジンの使用は推奨されて いません。

キシラジンの投与後、迷走神経緊張による第2度房室ブロック等の心不整 脈が多数報告されていますが、多くは一過性で良性のものです。 食物が食道に詰まるおそれがあるため、馬が全身麻酔から完全に覚醒する までは給餌は行わないでください。

馬豆知識:キシラジンを誤って動脈内(頸動脈等)に投与 すると、過度の興奮や痙攣発作を起こします。通常は10分 以内に回復しますが、痙攣中に怪我をする可能性が高く なります。

警告:一部の馬においてキシラジン投与後に「キシラジ ン興奮」と呼ばれる過剰興奮が認められることがありま す。特に予期せぬ動きに対して蹴る、咬む等の攻撃性とし て認められることがよくあります。馬の取扱者に対する危 険性があります。キシラジンの投与量をなるべく抑える か、アセプロマジンやブトルファノール等と併用すること で抑制することができます。

用量

馬:用量依存性に作用。体重450 kg当たり2.0〜5.0 mLをゆっくりと静脈内 に投与する。荷馬種はキシラジンの作用に対して感受性が高いため、用量 を下げて用いる。

鎮静:1.1 mg/kg静注又は2.2 mg/kg筋注。完全な作用が得られるまで安 静にさせること。

疝痛:0.2〜0.5 mg/kgの静脈内投与により20〜30分の鎮痛が得られる。さ らに長い鎮痛が必要な場合は、0.6〜1 mg/kgの筋肉内投与により1〜2時 間の鎮痛が得られる。

定速注入による鎮痛:0.5〜1.1 mg/kgで静注後、0.72 mg/kg/時で維持す る。

尾側硬膜外麻酔:0.03〜0.35 mg/kgで第一尾椎硬膜外腔に注入する。作 用時間は3〜5時間。

野外麻酔導入:1.1 mg/kg静注。完全な鎮静が得られるまで待つこと(5〜 10分)。十分な鎮静が得られない場合は、初回の1/2量を追加投与する。そ の後、ケタミンを2.2 mg/kgで静脈内投与する。さらなる鎮静と鎮痛を目的 としてブトルファノール(0.02〜0.04 mg/kg静注)を、筋弛緩を目的として ジアゼパム(0.03〜0.1 mg/kg静注)をケタミンの前に投与してもよい。 トリプルドリップ麻酔:5%グアイフェネシンを加えたデキストロース液又は 0.9%生理食塩液1Lにキシラジン500 mg及びケタミン2000 mgを添加す る。

導入:1.1 mL/kgで急速静注を行う。

維持:2.0〜4.5 mL/kg/時で効きめに合わせて調節する。酸素吸入及び呼 吸補助を行わない場合は、トリプルドリップで1時間以上の麻酔は行わな い。

子馬・ポニー:5%グアイフェネシンを含む輸液500 mLにキシラジン250 mg及びケタミン500 mgを添加する。導入は1.1 mL/kgで急速静注を行う。 維持は2〜3 mL/kg/時で効きめに合わせて調節する。

拮抗薬:キシラジンの作用を逆行させ、速やかに回復させるには、トラゾリ ン、アチパメゾール又はヨヒンビンを単独又は併用で用いる。

海外向け製品カタログ 39

治療前

潰瘍治療用ペーストは必ず比較的空腹時に投与する。 通常は朝一番で行う。

Gastropellペーストは噛まないように与える。

(Ulcershieldでは問題なし)

��~��分待ってから給餌を行う。

運動又は移動前に給餌を行う。(少なくとも � kg又は� Lの粗飼料又は乾草)

一晩絶食する必要はなし。

腸溶剤

胃潰瘍の初歩的な治療に 軽作業馬やストレスの少ない環境、体重の 軽い馬(子馬及びポニー)に最適。

潰瘍治療の主力製品 �つの大学における臨床試験で競合製品よ りも優れた吸収とバイオアベイラビリティ が確認されました。

胃の中の食物は球状又は 粥状になり、胃酸が跳ねる のを防いでいます。

高いパフォーマンスが期待される 馬のための強化型プレミアム製品 慢性難治性の潰瘍など、速やか反応が必要と される場合やストレスの高い時に役立ちます。

運動の前に必ず給餌を行い ましょう。胃酸を効果的に 吸収するには� kg又は � L程度の飼料や 粗飼料が必要 です。

胃潰瘍の補助療法

特に胃腺部及び幽門部の潰瘍や他の消化管部位の潰瘍性病変に。

スクラルファートは潰瘍部位を保護し、「生物学的絆創膏」を形成。胃粘膜の プロスタグランジンと粘液分泌を高めます。

腸溶剤

胃潰瘍の正確な診断には胃内視鏡検査が唯一の方法で、 扁平胃疾患と腺胃疾患の鑑別、重症度判定、 適切な治療方法と経過観察方法の決定に欠かせません。

胃潰瘍は馬のパフォーマンスだけでなく、食欲、 健康状態及び行動にも悪影響を及ぼします。

馬は午後��時以降明け方まで採餌量が減るのが 自然です。

胃の中の食物(特に乾草)は、潰瘍治療用ペーストの 吸収を妨げます。

オメプラゾールは比較的空 腹時に投与します。通常は 朝一番に行います。

オメプラゾールは毎日同じ 時間に投与しましょう。 治療後

作業又は移動の前に必ず粗飼料(� kg又は� L 程度)を給与しましょう。胃の中で粥状又はボール状 になって、胃酸が飛び散るのを防いでくれます。

�日に乾物換算で体重の�~�%程度の粗飼料又は 乾草を給与します(��� kgの馬の場合�~�� kg)。

胃潰瘍を予防し、後腸の健康を守ると同時に 退屈感を緩和することができます。

胃酸緩衝能があるルーサン乾草がおすすめです。ゆっくり と採餌できるフィーダーを使用するのが理想的です。

馬の腺胃疾患(EGGD)の推奨管理方法: 世界中に 発送 オーストラリア国内で製造

• 運動は週�日までに制限する

• 騎手又はハンドラーは�名までにする

• 乾燥した、胃を傷つけやすい飼料は避け る。ペレット飼料が好ましい

• 乾草やまぐさは給餌前に湿らせる

• 固形飼料は給餌前に湿らせて粥状にする

• 食用油を混ぜて飼料を柔らかくする

• 食用油は�� mLを�日�回から開始し、最 大��� mLを�日�回まで週に�� mLずつ 増量する

SED-Ace™ 経口ゲル

APVMA承認番号:80410(オーストラリア)| ACVM番号:A011152(ニュージーランド)

販売国:

興奮しやすい・神経質・手に負えない・取扱いが難しい馬を静かにさせる

便利な経口ゲルタイプの鎮静薬

有効成分

アセプロマジンマレイン酸塩 12 mg/mL

包装

30 mL マルチドーズシリンジ

効能又は効果

• 気難しい馬の調教の補助に

• 神経質な馬を落ち着かせ、ストレスを軽減

• 全身麻酔の必要がない簡単な手術に

• 静注や筋注が難しい馬の鎮静に

用量

SED-Ace経口ゲルの必要量は、一頭一頭の性質、必要な鎮静の深度及び 外部刺激の有無によって異なります。

一部の馬では、低用量で十分な効果が得られることがあります。

希望する鎮静のレベルによっても用量が異なります。

• 蹄鉄の装着、毛刈り、歯科処置等の手術以外の処置に

• 交配や生殖器系検査中の牝馬の取扱いに

• 跛行検査に用いて落ち着いた歩行を促す

• 自傷(咬む、舐める等)を繰り返すことで創傷がなかなか治癒しない馬に

• 大手術後の緊張の軽減に

• 疝痛及び強直の治療補助に

• 輸送中の馬を落ち着かせる

• 放牧中の馬を落ち着かせる

• 血圧を下げ、末梢血流を改善する

薬理学的情報

SED-Ace経口ゲルは(アセプロマジンマレイン酸塩)は、用量に応じて精神 安定作用、リラクゼーション効果及び鎮静作用を示します。馬の安定化及び 鎮静化に安全かつ便利で効果的な方法です。

低用量では軽度の精神安定作用があり、興奮しやすく神経質で取扱いが難 しい馬を落ち着かせるのに役立ちます。取扱い中、調教中、輸送中、運動制 限中の馬を落ち着かせる好ましい作用があります。協調運動や環境に対す る意識は維持したまま興奮性を抑制します。

また、降圧作用、解熱作用及び鎮痙作用も示します。鎮痛作用はほとんどな いため、特に予想できない行動を起こすことが知られている馬に対しては、 鎮痛薬を併用しないかぎり疼痛を伴う処置は避ける必要があります。

空腹時に投与すると、20〜40分程度で精神安定作用が認められるように なり、作用持続時間は最大で3時間ほどです。胃の中に食物がある状態で 投与した場合は、完全な精神安定作用が現れるまで40〜60分以上かかり ます。

用法及び使用上の注意

アセプロマジンの経口投与による副作用は、静脈内投与した場合よりも少 ないと報告されています。

通常、鎮静中の馬は視覚や聴覚を維持しているため、大きな音や速い動き は避ける必要があります。1日当たりの推奨投与量を超えて投与しても、必 ずしも本剤の鎮静効果が強まるわけではありません。

馬においてアセプロマジンマレイン酸塩の静脈内投与による、陰茎をけん 引する筋の麻痺が報告されています。このような作用が生じたら、陰茎の腫 脹を軽減し、包皮内に戻す処置を直ちに行う必要があります。

不可逆的な陰茎逸脱が起こる危険性があることから、牡馬(種馬及び去勢 馬)に対しては投与を行わないか、作用に必要な最小量を投与することが 推奨されます。

馬:経口投与する。体重450 kg当たり2〜10 mL(0.05〜0.26 mg/kg BW)。

馬豆知識:最大限の効果を得るには、投与前の興奮や刺激 を避け、空腹時に投与することがおすすめです。

歴史を作った馬たち ご存知でしたか… 急成長中の日本のサ ラブレッド生産業は、 作物の収穫の失敗に 端を発しています。 インタグリオー (日本、小岩井農場)

日本は間違いなく世界でもっとも競馬が盛んな国です。しかも驚くべ きことに、日本に最初のサラブレッドが導入されたのは1907年になっ てからでした。

岩手県雫石の小岩井農場が英国からインタグリオーという名前の牡 馬と20頭の牝馬を船で輸入したのが始まりです。小岩井農場は、今で は高級乳製品ブランドとして名を馳せています。

この農場は1892年に作物農場として創業したのですが、土壌の質が 非常に悪く、8年後に畜産業に転向しました。

1905年になると日本政府が非公式に競馬を許可。当時の日本ではま だ馬が主な輸送手段であり、どのような馬でも競馬に参加することが 可能でした。

小岩井農場の共同経営者の一人だった岩崎彌之助氏は、三菱の第二 代社長でした。アングロアラブ種も候補に挙がっていましたが、英国の サラブレッドを輸入しようと決めたのは彼でした。岩崎氏がアングロア ラブ種を輸入していたら、日本の競馬界の歴史はまったく違ったもの になっていたかもしれません。

1908年に競馬が再び禁止されると、小岩井農場はサラブレッドとハク ニーの交雑種の馬を売ることで生き延びました。

のちに小岩井農場は、1941年に日本初の三冠馬となったセントライト を含む6頭の日本ダービー優勝馬を輩出しています。

Medicaine™ 注 局所麻酔薬

APVMA承認番号:88500(オーストラリア)

販売国:

表面麻酔・局所麻酔・ 区域麻酔に

低組織刺激性

便利な20 mLサイズのバイアルで無駄を少なく

有効成分

プリロカイン塩酸塩 20 mg/mL

包装

20 mL マルチドーズバイアル × 6本

プリロカインは、リグノカイン、メピバカイン等の他の局所麻酔薬と比べる と組織刺激が少なく、作用の発現が速やかで作用持続時間も長くなってい ます。

効能又は効果

Medicaineは次のような局所麻酔が必要なあらゆる場面に使用することが できます。

• 浸潤麻酔

• 神経ブロック

• 静脈内投与による四肢の区域麻酔に

• 関節鏡検査、腹腔鏡検査、立位開腹術、骨折整復、生殖器系・会陰部の手 術、蹄切除、去勢、呼吸器系手術(喉頭形成術、副鼻腔手術等)、手術棘突 起接触症等の立位手術に

• 簡単な皮膚処置、外傷のデブリードマン、修復、縫合等の表面麻酔に

• サルコイド、メラノーマ、扁平上皮がん等の皮膚腫瘍の生検・切除・減量手 術に

• 顎骨折の固定、抜歯等の歯科手術に

• 非経口・吸入麻酔薬の減量等、全身麻酔の補助に

• 術後の疼痛管理に

• 発咳の抑制を目的とした気管支洗浄に

• 皮膚移植

• 生検(皮膚、肝臓、筋肉等)

• 直腸検査前の直腸の弛緩に

• 子馬の経成長板スクリュー固定

• 背部筋の痛み・痙攣に

薬理学的情報

Randlab Medicaine注の有効成分プリロカインは、アミド型の合成局所麻 酔薬で、等張化及び滅菌処理されています。他の多くの局所麻酔薬と比較 して組織刺激が低くなっています。ナトリウムチャンネルを阻害することで神 経伝達を抑制します。

プリロカインは、作用の発現が速やかで(数分以内)、中間の作用持続時間 を有しています(100〜130分)。プリロカインの代謝はリドカインと類似して おり、肝臓で急速に代謝されて尿中に排泄されます。

プリロカインは、アミド型の局所麻酔薬の中でも全身毒性がもっとも低い ことが示されています。他のアミド型局所麻酔薬よりも心毒性及び神経毒 性が低いため、静脈内投与による四肢の区域麻酔にも用いられています。

用法及び使用上の注意

使用後の残液は開封後24時間以内に廃棄してください。

無菌操作や無菌術野が必要とされる場合は、必ず未開封の製品を使用して ください。

投与予定部位に炎症が認められる場合は、局所麻酔薬の使用を避ける必 要があります。

馬豆知識:プリロカインの直腸内投与は、直腸検査や直 腸手術を行う際の直腸の弛緩に効果的です。手袋を着用 した手を肛門から挿入後、シリンジを用いて50〜60 mL を投与します。

プリロカインを含む局所麻酔薬の多くには抗菌活性があ り、抗生物質と併用することで相乗効果を示します(併用可能か確認の 上、お使いください)。既知の馬の病原体に対するMICの低下を目的と して、感染性の関節炎に対する関節内投与や敗血症に対する区域投与 にプリロカインと適切な抗生物質の併用を検討することもできます。

用量

Medicaineの用量は、投与経路、投与部位及び患者の反応によって調節す る必要があります。望む効果を得るのに必要な最小量を使用してください。

警告:現在、オーストラリア農薬・動物医薬品局(Australian Pesticides & Veterinary Medicine Authority:APVMA)に よる承認を受けた関節内投与用の局所麻酔薬はありません。 局所麻酔薬が関節内投与されることはよくありますが(例:関 節ブロック、関節手術)、獣医師の方はこのような使用が適応 外使用であることを知っておく必要があります。これは、プリロ カイン、メピバカイン、リドカイン(リグノカイン)にも当てはまり ます。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか… 1980年代後半に、ハー ヴェイウォールバンガー が93戦中79勝を挙げ、 競馬界を沸かせました。 しかし彼はアメリカン・ バイソン(バッファロー) だったのです。

ハーヴェイウォールバンガー (米国、コリン・トールステンソン) 詳細はp. 75をご覧下さい。

その他の 分野

全 2 製品 製品分野の説明

馬の安楽死の準備に関する詳細な情報に ついては、QRコードをスキャンして下さい。

新製品

犬・猫・馬・牛の利尿とナトリウム利尿に フロセミド �� mg/mL APVMA No. �����

安楽死用Lethaton™ 液

APVMA承認番号:88008(オーストラリア) 販売国:

あらゆる動物の人道的な安楽死のために

動物に苦痛を与えず、円滑で速やかに安楽死を行うために

有効成分

ペントバルビタールナトリウム 300 mg/mL (ペントバルビタールとして273 mg/mL)

包装

480 mL バイアル

馬の安楽死の準備に 関する詳細な情報に ついては、QRコードを スキャンして下さい。

警告:Lethatonを全身麻酔薬として使用することはできません。

効能又は効果

ペントバルビタールやペントバルビタール配合剤は、馬の化学的安楽死に用い られる主な選択肢です。

安楽死用Lethaton液(ペントバルビタールナトリウム)は、あらゆる動物の人道 的な安楽死を目的とする製品です。バルビツール系の薬物であるペントバルビ タールは、動物になるべく苦痛を与えず、円滑で速やかに安楽死を行うために用 いられています。

「Euthanasia(安楽死)」は、ギリシャ語で「良き死」という意味です。動物に痛み や不快感を与えることなく死に至らしめることができて、初めてこの目的が達成 されます。そのためには、意識を速やかに喪失させたのちに心肺停止状態から脳 機能の停止、そして死へと導く技術が必要となります。速効性があり、効果的に 作用する薬剤でなければなりません。安楽死を行う獣医師は、技術に優れ、十分 に準備ができていなければなりません。

薬理学的情報

バルビツール酸誘導体(ペントバルビタール等)の静脈内投与は、多くの家畜動 物種の安楽死に推奨されている方法です。バルビツールの静脈内投与による安 楽死は、単剤としても、鎮静や全身麻酔を行ったあとにも行うことができます。

安楽死のもっとも一般的な方法は、馬の中枢神経系を停止させるのに十分な量 のバルビツール系麻酔薬を投与することです。薬により意識を失い、心停止とな り、呼吸が停止します。

Lethatonの静脈内投与後、速やかに作用が発現して意識の喪失が進行的に進 み、麻酔状態から深麻酔、呼吸中枢抑制による無呼吸状態、心停止へと進行して いきます。

通常は、次のような経過で進行します。

1)投与時間:17秒未満

2)虚脱:26秒未満

3)心拍の聴診不可:84秒未満

4)角膜反射喪失:160秒未満

安楽死の際には、馬によってさまざまに異なる反応が認められます。多くの馬は 倒れて動かなくなり、1〜2回の末期呼吸ののち息を引き取ります。なかには、1分 ほど断続的に呼吸が続き、脚を泳がせたり、硬直させたりする興奮性の運動が 認められることがあります。すでに意識はほとんどなく、心拍が確認されない状 態であっても、このようにまるで生きているかのような動きに非常に動揺する馬 主もいます。しかし、これらのサインは意識や感覚がまだあるということを意味す るのではなく、単に最期を迎えた体の不随意反射に過ぎません。

用法及び使用上の注意

野生動物による意図せぬ摂取も含め、人や動物の食用に供される動物への使 用は禁止されています。

(i)投与時に興奮や動揺、疼痛が認められる(ii)心拍出量を抑制する精神安定 薬が前もって投与されている(iii)心不全が認められる場合には、作用発現まで の時間が遅れることがあります。

バルビツール系麻酔薬による安楽死では、意識を失った馬において外見上好ま しくない終末期のあえぐような呼吸、発声、興奮性の筋運動(パドリング、硬直等) が生じることがあり、立会人に精神的苦痛を与える可能性があります。

頼れる 信頼性

バルビツール系麻酔薬は、動物の体に残留するため、遺骸を摂取した動物に鎮 静作用が認められたり、死亡するケースもあります。バルビツール系麻酔薬で安 楽死させた動物の遺骸は、これを摂取する可能性がある野生動物やペット、水 産動物(遺骸が水系近くに埋葬される場合)、環境にとって有害です。

ペントバルビタールで安楽死させた馬は、農場における埋葬や焼却、火葬、固形 廃棄物処理場への引き渡し、生物消化等の処置を速やかに行う必要がありま す。そうすることで有害なバルビツール残留物に野生動物や家畜が接触するの を防止することができます。遺体の廃棄は、国及び地方自治体の規則に従って行 う必要があります。

バルビツール系麻酔薬で安楽死した馬では、死後解剖において組織のアーチ ファクト(脾臓腫大等)が認められることがよくあります。

ペントバルビタールやペントバルビタール配合剤は、馬の化学的安楽死に用い られる主な選択肢です。多量の薬液の投与が必要なため、頸静脈に静脈カテー テルを留置することが推奨されます。興奮しやすく気難しい馬では、カテーテル 留置を容易にするために、アセプロマジン等の精神安定薬やアドレナリンα2受 容体作動薬等を投与することができますが、これらの薬物は循環器系に作用す るため、意識喪失までの時間が遅延し、さまざまな程度の末期の筋運動やあえ ぎ呼吸が認められることがあります。アドレナリンα2受容体作動薬にオピオイド 作動薬や作用拮抗薬を併用することで、保定しやすくなることがあります。

用量

可能な限り隔離された静かで安全な場所で安楽死を行う必要があります。不可 能な場合やすでにひどく苦しんでいる場合(重度の障害や外傷がある場合等) は、Lethatonの投与前に精神安定薬(例:SedatorやXylazine 100注)の有効量 を投与することが推奨されます。

麻痺と速やかな倒馬を促すため、塩化スキサメトニウム(サクシニルコリン)等の 神経筋遮断薬を0.1 mg/kgで投与することもできます。

安楽死を行う際には立ち会う人数を制限する必要があります。頭部を保定する 経験のあるハンドラー1名がよいでしょう。

ホルターは、馬が後ろ向きに倒れたときにはずれないよう、しっかりと装着しま す。

血管周囲に漏らさず、速やかに投与を行うには、口径の大きい長針カテーテルが おすすめです(例:10〜14G・3½〜5¼インチ)。

必要量のLethatonを50 mLのシリンジに取ります。予備のシリンジを少なくとも 1本準備しておくとよいでしょう。

Lethaton全量をカテーテルから速やかに投与し、馬から離れて安全な場所で待 機します。

ハンドラーは、馬が後ろ向きに倒れないよう手綱を引きつづけ、一定の方向に倒 れるよう促します。

倒馬後、脈及び心拍の喪失、瞳孔拡張、眼瞼反射及び角膜反射の喪失を確認し ます。

馬:1〜2 mL/5 kg(体重500 kg当たり100〜200 mL)を速やかに静脈内投与す る。

馬豆知識:馬の安楽死を行う際には、馬の倒れ方や倒馬後の 動きの予測が難しいことを知っておいてください。倒馬後は、 疼痛や苦痛を感じていなくても、ある程度の筋運動の亢進が 予期されます。職員や設備に対する不必要な危害を与えない よう、あらかじめ適切な対策をとる必要があります。

抗生物質

製剤 全 7 製品 製品分野の説明 こちらの製品もご覧下さい Airways Tmps経口粉末(p.24) Bromo Tmps経口粉末(p.25)

Randlabは責任 ある抗菌剤の使 用をサポートし ています。

新しいAI技術を駆使してRandlabのオックス用テトラ -サイクリングの画像を生成しました。他に何かお手伝 いできることはありませんか?

の画像! 違うよSiri…頼んだのはRandlab

新製品

��年以上にわたる抗生物質インテリジェンス(AI) 昔ながらの製剤が適していることもある

Randlab Oxytetracycline注™

APVMA承認番号:90134(オーストラリア) 販売国:

新製品

オキシテトラサイクリンに感受性を示す

馬・牛・羊・豚・犬・猫の感染症の治療に

有効成分

オキシテトラサイクリン(塩酸塩として)100 mg/g

包装

100 mL マルチドーズバイアル 250 mL マルチドーズバイアル

本剤の投与を開始する前に可能な限り培養感受性試験を実施 してください。不応性又は慢性の感染症にも感受性試験が推奨 されます。

効能又は効果

オキシテトラサイクリンは広範囲のグラム陽性菌及びグラム陰性菌に活性 を示す広域抗生物質です。

低用量で静菌的に、高用量で殺菌的に働きます。

嫌気性菌には広く作用しますが、バクテロイデス及びクロストリジウムに対 する作用はさまざまです。

Randlabは責任 ある抗菌剤の使用 をサポートしてい ます。

オキシテトラサイクリンは、ローソニア・イントラセルラリス(馬増殖性腸症) 及びアクチノバチルス・エクーリ(成馬でよく認められる腹膜炎)に対する第 一選択薬です。

オキシテトラサイクリンは体内で良好な分布を示し、多くの種類の体液中で 治療有効濃度に達します。

先天性(後天性ではなく)の腱拘縮が認められる子馬では高用量で腱弛緩 作用を示し、生後3日以内に投与するともっとも高い効果が得られます(20 mg/kg静注)。

オキシテトラサイクリンは軽度の抗炎症作用があります。

オキシテトラサイクリンは骨及び歯に高濃度に分布します。

薬理学的情報

オキシテトラサイクリンは広範囲の細菌に対し抗菌活性を示します。可能な 限り、細菌培養と感受性試験に基づき抗生物質の選択を行ってください。右 表にオキシテトラサイクリンに対する感受性をまとめました。

静脈内投与したオキシテトラサイクリンは、骨、心臓、腎臓、肺、筋肉、胸水、 気管支分泌液、痰、胆汁、唾液、尿、滑液、腹水、眼房水、硝子体液等、体内に 広く分布します。胎盤を通過し、乳汁中で濃縮されます。オキシテトラサイク リンが中枢神経系に浸透できるのは、髄膜が炎症を起こしている場合だけ です。

テトラサイクリン系の抗生物質は、人で抗炎症効果があることが示されて おり、関節炎や自己免疫性疾患の補助療法に用いられることがあります。 馬ではマトリックスメタロプロテイナーゼ-9を強力に抑制し、マトリックスメ タロプロテイナーゼ-2に対しては中程度の阻害作用を示すと考えられてい ます。馬の慢性ライム病の治療に用いた際の効果は、抗菌活性ではなく抗 炎症作用によるものと考えられています。

オキシテトラサイクリンは主に未変換体のまま尿中に排泄されますが、一 部は胆汁又は非胆汁性に消化管経路で排泄されます。

馬豆知識:屈曲腱拘縮の治療では、生まれたばかりの子 馬にオキシテトラサイクリンを48時間おきに高用量(20 〜70 mg/kg)で静注します。カルシウムキレート作用が作 用機序と考えられています。生後3日以内に治療を開始す ると効果が高くなります。

選択薬 ある程度の作用が予想される (感受性試験を実施する) 推奨されない Lawsonia intercellularis(馬増 殖性腸症) レンサ球菌 エンテロコッカ ス Actinobacillusequuli ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌を含む) 大腸菌 パスツレラ バクテロイデス、ブルセラ、バルトネラ、ヘ モフィルス、PasturellaMultocida、赤痢 菌、Yersiniapestis等のグラム陰性菌 クレブシエラ Neorickettsiaristicii (馬のポトマック熱) クラミジア 緑膿菌 エールリヒア マイコプラズマ バクテロイデス プロテウス スピロヘータ(ライム病を含む) リケッチア クロストリジウム

原虫(Babesiaequiを含む) 炭疽菌 ウェルシュ菌(Clostridiumperfringens) 破傷風菌(Clostridiumtetani) リステリア(Listeriamonocytogenes) ノカルジア 放線菌

用法及び使用上の注意

馬では血中有効濃度の維持が難しく、重度の組織刺激を起こす可能性があ るため、筋肉内投与は推奨されていません。

オキシテトラサイクリンの急速静脈内投与により、低血圧及び虚脱が認め られることがあります。高用量で尿細管壊死が生じることがあります(腱拘 縮の新生子馬等)。腎臓への作用を考慮し、脱水状態の子馬に投与する際 は注意が必要です。

発育中の子馬では、テトラサイクリンによる骨及び乳歯の変色が認められ ることがよくあり、妊娠中の馬では妊娠の後半に限り使用することが推奨さ れています。

一般的に、長期の投与が必要な場合は(馬増殖性腸症等)、5〜10日間のオ キシテトラサイクリンの静脈内投与後、ドキシサイクリンの経口投与に切り 替えます(10〜20 mg/kg・12〜24時間毎)。

用量

成馬:5.0〜6.6 mg/kg・12時間毎 又は 10〜20 mg/kg・24時間毎。重度の 感染症の場合、長時間作用量を投与後、初期の血中濃度を高く維持するこ とで、より優れた反応が得られることがある。

子馬:ハルトマン輸液1 Lに希釈し、5〜10mg/kgで12時間おきにゆっくりと 静脈内投与を行う。又は希釈して10〜20 mg/kgで24時間おきにゆっくりと 静脈内投与を行う。

Tri-Sulfox 新製品 相乗効果というパワー

相乗作用

これらの代表的な相乗関係… あなたはいくつご存知ですか? ヒントと答えはQRコードから

Tri-Sulfox

Tri-Sulfox® 注

APVMA承認番号:91644(オーストラリア)

販売国:

スルファドキシン・トリメトプリムに感受性を 示す馬・牛・羊・山羊・豚・犬の細菌感染症の 治療と抑制に

さまざまなグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対する優れた広域抗菌活性

有効成分

スルファドキシン 200 mg/mL トリメトプリム 40 mg/mL

包装

100 mL マルチドーズバイアル

本剤の投与を開始する前に可能な限り培養感受性試験を実施 してください。不応性又は慢性の感染症にも感受性試験が推奨 されます。

効能又は効果

Tri-Sulfox注は、下記のさまざまなグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し て活性を示します。

• アクチノバチルス・エクーリ

• 放線菌

• 炭疽菌(Bacillusanthracis)

• ボルデテラ

• ブルセラ

• 紡錘菌

• ヘモフィルス

• クレブシエラ

• パスツレラ

• 肺炎球菌

• カンピロバクター • プロテウス

• クロストリジウム

• コリネバクテリウム

• エンテロバクター

• 大腸菌(Escherichiacoli)

• サルモネラ

• 赤痢菌

• ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌を含む)

• レンサ球菌

緑膿菌(Pseudomonasaeruginosa)、エンテロコッカス・フェカリス及びエ ンテロコッカス・フェシウムは、生来的にTri-Sulfoxに耐性を示します。結核 菌(Mycobacterium tuberculosis)、マイコプラズマ及びレプトスピラも耐 性です。嫌気性菌に対する生体内抗菌活性は、概して不良です。

薬理学的情報

スルファドキシンとトリメトプリムの組み合わせには相乗的な作用があり、 Tri-Sulfox注は、大腸菌、ヘモフィルス、パスツレラ、サルモネラ、ブドウ球菌、 レンサ球菌等を含む多くのグラム陽性菌及びグラム陰性菌に殺菌的に働き ます。意外なことにST合剤に対する耐性は現在でも比較的低いままです。

いずれの薬物も細菌の代謝経路のさまざまな段階においてプリン合成を 阻害します。細菌の代謝を二重に阻害することで、単剤で作用するよりも広 い範囲の抗菌活性をもたらします。

本剤は体内に広く分布し、呼吸器系(肺炎、気管支炎、ウイルス性肺炎に伴 う細菌性の二次感染等)、泌尿器系(胎盤炎、膀胱炎、膣炎、尿道炎、腎炎、 子宮炎等)、消化器系(大腸菌症、サルモネラ症等)の細菌感染症の治療に 使用することができます。また、広域抗生物質の治療的及び予防的投与を 必要とする周術期や周産期、創傷感染及び敗血症にも使用されています。

本剤は尿中に排泄されるため、尿路感染症の治療にも役立ちます。

本剤は膿や膿瘍中で不活化されるため、投与前に外科的に排膿と洗浄を 行うことが推奨されます。

Randlabは責任 ある抗菌剤の使 用をサポートして います。

用法及び使用上の注意

本剤は、皮下、子宮内又は筋肉内に投与すると刺激を生じるため、これらの 投与経路は避ける必要があります。誤って血管周囲に漏れると刺激を生 じ、血栓性静脈炎を起こす可能性があります。

ST合剤とデトミジンの併用により、不整脈(特に全身麻酔下等)や低血圧を 来たし、場合によっては死亡することがあります。

ペニシリンを併用するとサルファ剤に拮抗作用を示します。

用量

ST合剤は時間依存性抗生物質であることから、1日2回の投与を必要とし ます。

用量:30 mg/kgで1日2回ゆっくりと静脈内に投与する。

Tri- Sulfox注1 mLにはトリメトプリム(40 mg)とスルファドキシン(200 mg)が合わせて240 mg含まれています。

従って、500 kgの馬1頭当たりの必要量は (30 × 500)/240 = 36 mL・1日2 回となります。

馬豆知識:血管周囲に漏れると刺激を生じます。血管周 囲に誤って漏出する危険性を減らすため、カテーテルの 使用を強くおすすめします。

警告:麻酔中又は鎮静中の馬にはST合剤を投与しないでください。 まれに不整脈から低血圧を生じ、場合によっては死に至ることがあ ります。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか… カスピアン馬は、現 存する世界最古の馬 と考えられています。

カスピアン・ホース(イラン)

カスピアン馬の記録は紀元前3400年まで遡ります。

イランの山岳地帯を発祥とし、1965年に小さな群れが発見されるま で1000年以上も絶滅したと考えられていました。ポニーサイズの馬で すが、普通の馬のような特徴を持っています。

Tri-Sil™ 粉末

APVMA承認番号:92858(オーストラリア)| ACVM番号:A011661(ニュージーランド)

新製品 販売国: ニュージーランド製品

スルファジミジンとトリメトプリムの合剤に

感受性を示す又は示すと考えられる馬・子牛・ 豚・家禽の感染症の治療に使用する経口用 抗生物質粉末剤

スルファジミジンとトリメトプリムが共に作用し、より大きな抗菌活性を発揮 有効成分

スルファジミジン 430 mg/g

トリメトプリム 86 mg/g

包装

500 g 容器

本剤の投与を開始する前に可能な限り培養感受性試験を実施 してください。不応性又は慢性の感染症にも感受性試験が推奨 されます。

効能又は効果

スルファジミジン及びトリメトプリムに感受性を示す細菌による馬の呼吸器 系、泌尿器系、消化器系、滑液等の感染症の治療に。 馬、子牛、豚及び家禽にお使いいただけます。

薬理学的情報

スルファジミジンとトリメトプリムを5:1で配合した合剤は、臨床的に重要と 考えられている馬の主な細菌性病原体の治療の多くに有効であることが示 されています。これらの細菌には、ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌、 Staphylococcusintermediusを含む)、ストレプトコッカス・エクイ(亜種の Streptococcusequi equi・zooepidemicusを含む)、アクチノバチルス、ほ とんどの大腸菌、パスツレラ、プロテウス、フソバクテリア、エンテロバク ター、コリネバクテリウム(Corynebacterium (Rhodococcus) equiを除 く)、サルモネラ、赤痢菌、クレブシエラ、ヘモフィルス等が含まれます。ブルセ ラ及びノカルジアの一部も感受性を示します。ほとんどのシュードモナスは 感受性を示しません。

感受性菌に対する本剤の最小発育阻止濃度(MIC)は、個々の薬剤を単独 で用いた場合よりもはるかに低くなります。サルファ剤とトリメトプリムは単 剤で静菌的に働きますが、合剤では殺菌的に作用します。単剤に対して耐 性又は中程度の耐性を示す葉酸合成菌も合剤に感受性を示すことがよく あります。

ST合剤は獣医療及び人医療において50年以上にわたり広く使用されてき ましたが、耐性菌は驚くほどまれにしか認められません。

スルファジミジンとトリメトプリムは同様の抗菌スペクトルを示しますが、ト リメトプリムはスルファジミジンよりも20倍程度高い効力を示します。合剤 は、細菌の葉酸生合成経路において欠かせない連続した2段階の酵素反応 を阻害。哺乳類の細胞はあらかじめ生成された葉酸を必要とするため、サ ルファ剤による影響は受けません。

合剤の相乗作用は、単剤と比較した際の抗菌活性の向上(増強)によって 確認されています。スルファジミジン・トリメトプリム合剤の抗菌活性は、ス ルファジミジン単剤よりも最大で1024倍、トリメトプリム単剤よりも最大で 128倍高くなることが示されています。強化サルファ剤は、同等の臨床効果 を得るのに必要な量が単剤で使用した場合よりも低いため、長期投与の毒 性リスクも低くなります。

Randlabは責任 ある抗菌剤の使 用をサポートして います。

馬の薬物動態試験では、スルファジミジンとトリメトプリムは経口投与後に 速やかかつ容易に吸収され、投与からおよそ30分以内に血漿中の治療有 効濃度に達することが確認されています。飼料とともに給与することで効率 よく吸収されることが試験で示されています。

ST合剤は、あらゆる体組織と体液に広く分布します。腎臓では血漿中濃度 よりも高濃度の分布、胸水、腹水、滑液及び眼液では血漿中濃度と同程度 で、脳脊髄液、筋肉及び乳汁では低くなります。

親化合物とその代謝物は、糸球体ろ過を介して主に尿中に排泄されます。 馬における血漿中半減期の推定値は、6.4〜9.8時間と大きく異なります。

用法及び使用上の注意

経口投与のみ。蜂蜜又は糖蜜で湿らせた飼料に混ぜるか、ペースト状にし て舌の奥に投与します。

血液、膿、組織分解産物中では、プリンやチミジンの存在により細菌の葉酸 の要求量が低下するため、サルファ剤の抗菌作用が低下します。

ST合剤の使用は、重度の肝機能不全や腎機能不全、尿石症、サルファ剤過 敏症の馬では禁忌です。

用量

同封の専用スプーンをお使いください。

スプーンすりきり1杯にスルファジミジン 5 gとトリメトプリム 1 gを含有しま す。

馬:スルファジミジンとトリメトプリムを合わせて30 mg/kg・1日2回

500 kgの馬の投与例:30 mg × 500 kg = 15 g

スプーン1杯で6 g含有、15 gを与えるには2.5杯が必要です。

500 g入り容器の場合、500 kgの馬に8日間投与することができます。

含量を均一にするため、容器を水平に回してよく混ぜてからスプーンに取っ てください。

警告:馬においてサルファ剤とトリメトプリムの経口投与によ る重度の急性下痢がまれに報告されています。投与完了後、数 週間経過してから発現することもあります。

馬豆知識:その他の投与方法については、p.24の「馬豆知 識」をご覧下さい。

相乗作用

これらの代表的な相乗関係… あなたはいくつご存知ですか? ヒントと答えはQRコードから

Randlab TMPS経口ペースト™

APVMA承認番号:83452(オーストラリア) 販売国:

殺菌的に働くペースト状のトリメトプリム

強化サルファ剤

使いやすく、正確で確かな投与が可能になりました。便利な3サイズ

有効成分

スルファジアジン 400 mg/g トリメトプリム 86 mg/g

包装

250 g マルチドーズボトル

500 g マルチドーズボトル 1 kg マルチドーズ容器

Randlabは責任 ある抗菌剤の使 用をサポートして います。

本剤の投与を開始する前に可能な限り培養感受性試験を実施 してください。不応性又は慢性の感染症にも感受性試験が推奨 されます。

効能又は効果

Randlab TMPS経口ペーストは、以下の一般的なグラム陽性菌及びグラム 陰性菌に対し広い抗菌活性を示します。

• レンサ球菌

• 大腸菌(Escherichiacoli)

• ボルデテラ

• コリネバクテリウム

• ヘモフィルス

• リステリア

(Listeriamonocytogenes)

• パスツレラ

• 赤痢菌

• プロテウス

• デルマトフィルス (Dermatophilus congolensis)

• バシラス

• ブルセラ

• 紡錘菌

• クレブシエラ

• ノカルジア

• サルモネラ

• ブドウ球菌

本合剤は、原虫(コクシジウム、トキソプラズマ等)による感染症にもある程 度の効果を示します。

レプトスピラ、シュードモナス、マイコバクテリウム、豚丹毒菌は一般的に感 受性を示しません。

Randlab TMPS経口ペーストは、肺組織に高濃度で分布するため呼吸器感 染症にもご利用いただくことができますが(呼吸器感染症には特別設計さ れたAirway Tmps and Bromo Tmpsもあります)、軟部組織感染、腹部感 染、関節感染、中枢神経系感染、子宮・胎盤感染、尿路感染にも適していま す。

薬理学的情報

スルファジアジンとトリメトプリムの配合剤は、相乗的に作用して、さまざま な種類の感受性菌に殺菌的に働き、耐性菌の発現リスクを抑制します。

本合剤は、細菌の増殖と生存に欠かせない葉酸生合成に重要な2つの段 階を阻害。スルファジアジンとトリメトプリムは、単剤では静菌的に作用しま すが、併用で殺菌的に働きます。単剤では耐性又は中程度の耐性を示す葉 酸合成菌でも、合剤には感受性を示すことがよくあります。

警告:馬においてスルファジアジンとトリメトプリムの経口投 与による、発熱を伴う重度の急性下痢がまれに報告されていま す。投与完了後、数週間経過してから発現することもあります。

本剤は、経口投与後、容易に吸収されて1〜4時間で最高濃度に達します。

あらゆる体組織と体液に広く分布し、胸水、腹水、滑液及び眼液では血漿中 と同程度の濃度で、脳脊髄液と筋肉中では血漿濃度より低い濃度で分布し ます。

いずれの薬剤も胎盤を通過し、乳汁中にも分布します。

スルファジアジンは、腎臓及び尿中の血漿中濃度よりも高い濃度で、大部 分が未変換体のまま尿中に排泄されます。

用法及び使用上の注意

血液、膿及び組織分解産物中では、細菌の葉酸要求量が低下するため、サ ルファ剤の抗菌作用も低下します。

本剤は、嫌気性菌による感染や膿瘍の治療には推奨されません。

肝実質の損傷や血液病、サルファ剤に対する過敏性が知られている馬には 使用しないでください。

まれですが、行動の変化、歩様異常、知覚過敏等の特異体質的な神経症状 を生じることがあります。通常は、投薬を中止することでこれらの症状は解 消します。

用量

本剤1 mLは約1.2 gです。250 g入り容器には約208 mLが入っています。

投与用シリンジを使用し、直接口の中に投与してください。

成馬:スルファジアジンとトリメトプリムを合わせて24〜30mg/kgで1日2 回投与する。

500 kgの馬の投与例:30 mg × 500 kg / (400 + 86 mg/mL) = 31 mL

子馬:15〜30mg/kg・1日2回

100 kgあたり5〜6 mLを1日2回(12時間間隔)に相当

Randlab ゲンタマイシン注™

APVMA承認番号:90730(オーストラリア)

販売国:

新製品

ゲンタマイシンに感受性を示す

犬・猫・馬の細菌性感染に

グラム陰性菌による感染症の治療の第一選択薬

有効成分

ゲンタマイシン(硫酸塩として)100 mg/mL

包装

100 mL マルチドーズバイアル

Randlabは責任 ある抗菌剤の使 用をサポートして います。

本剤の投与を開始する前に可能な限り培養感受性試験を実施 してください。不応性又は慢性の感染症にも感受性試験が推奨 されます。

効能又は効果

ゲンタマイシンは幅広い種類の細菌に活性を示します。特にグラム陰性菌 による感染症の選択薬として用いられています(シュードモナス、プロテウ ス、クレブシエラ等)。ブドウ球菌にも効果を示します。

ゲンタマイシンはレンサ球菌、エンテロコッカス等の嫌気性菌には抗菌活 性を示さず、サルモネラに対しても限られた抗菌活性しか示しません。

ゲンタマイシンは、抗菌スペクトルを広げるためにベータラクタム系抗生物 質(ペニシリン、セファロスポリン、アンピシリン等)と併用されることがもっ とも多くなっています。

ゲンタマイシンは関節内注入によく使用されます。肢端灌流(静脈内又は経 骨髄投与)やポリメタクリル酸メチルビーズに含浸させて使用することもで きます。

ゲンタマイシンは、ネブライザーを用いた肺炎等の呼吸器感染症の治療に も用いられています。

また、子宮感染症に対する子宮内洗浄や子宮内投与にもよく用いられてい ます。

薬理学的情報

ゲンタマイシン硫酸塩は、さまざまな種類のグラム陰性好気性桿菌(大腸 菌、クレブシエラ、プロテウス、緑膿菌、一部のサルモネラ、エンテロバク ター、セラチア、赤痢菌等)、多くのブドウ球菌株、マイコプラズマ、スピロ ヘータに対し良好な抗菌活性を示すアミノグリコシド系抗生物質です。

大腸菌、クレブシエラ、シュードモナス(緑膿菌を含む)、アクチノバチルス・ エクーリ及びパスツレラによる感染症の治療の第一選択薬です。

ゲンタマイシンは細菌の細胞壁を通過し、菌体内に到達しないと効果を発 揮できません。細胞壁の合成を阻害する抗生物質(ペニシリン等)と併用す ることで、ゲンタマイシンの作用を高めることができます。

ゲンタマイシンは、主に細胞外液に分布し、腹腔液、胸水、心嚢液、腹水、滑 液、痰及び気管支分泌液で確認されます。骨、心臓及び肺でも治療有効濃 度に達することが示されています。

ゲンタマイシンは、血液脳関門を容易に通過せず、眼組織にも浸透しませ ん。脳脊髄液中の濃度はさまざまで、血中濃度の0〜50%と報告されていま す。

ゲンタマイシンは、内耳及び腎臓に蓄積する傾向があるため、特にこれらの 器官でゲンタマイシン毒性が生じやすくなっています。

ゲンタマイシンは胎盤を通過しますが、ゲンタマイシンを投与した母馬から 生まれたばかりの子馬では感知できるほどの量は検出されていません。少 量が乳汁中に排泄されますが、哺乳中の子馬に対するリスクはほとんどあ りません。

ゲンタマイシンは、膿性物質や低酸素状態によって不活化されます。ほぼ全 量が糸球体ろ過を介して排泄され、馬における半減期は、1.82〜3.25時間 です。

用法及び使用上の注意

馬では反復筋肉内投与により局所の筋肉痛を起こすことがあるため、筋肉 内投与よりも静脈内投与が推奨されています。

ゲンタマイシンの潜在的な有害作用として、腎毒性及び聴器毒性が知られ ています。馬においては、聴器毒性の重要性はまだ分かっていません。

腎機能障害がある馬には投与しないでください。

腎臓病のある馬、新生子馬、高齢馬、又は発熱や敗血症、脱水が認められる 馬では腎毒性を生じるリスクが高くなります。

腎毒性を抑制するには、水和状態をしっかりと確認し、投与期間中は常に 水と電解質を補給できる状態にしてください。飼料のカルシウム及び蛋白 質を増量すると、糸球体ろ過率を高めることで腎毒性のリスクを抑制でき る可能性があります。

腎機能が低下した馬では、ゲンタマイシンによる半減期が有意に延長する 可能性があるため、投与頻度を下げる必要があります。

サルモネラの多くはin vitro試験で感受性を示しますが、in vivoで感受性を 示すことはまれです。

用量

成馬:6.6〜9.7mg/kg・1日1回静注又は筋注 子馬(14週齢未満):8.8〜12mg/kg・24〜36時間毎

子宮内投与:1〜2 gを同量の7.5%重炭酸ナトリウム液に溶解し、等張生理 食塩液200 mLで希釈し、1日1回、計3〜7回の投与を行う。

関節内:関節の大きさに合わせて関節当たり100〜500 mgを投与する。1: 2の割合で滅菌生理食塩液に希釈する。

肢端灌流:ゲンタマイシン10 mLを50 mLの生理食塩液又はプリロカイン に加える。

ネブライザー:100〜200 mgを1:1の割合で等張生理食塩液に希釈し、1日 1〜4回実施する。

馬豆知識:ゲンタマイシン注の添付文書には、体重1 kg当 たり2.0 mgを1日3回静注又は筋注で投与するよう記載 されています。他の多くの抗生物質と同様、現在では、こ の用量は有効とは考えられていません。ゲンタマイシン は、濃度依存性の抗生物質であるため、より高い用量で 間隔を空けた投与が推奨されています。こうすることで、殺菌作用と細 菌の感受性が高まり、毒性作用と耐性菌の発現リスクを抑制すること ができます。 海外向け製品カタログ

馬用メトロニダゾール ペースト™

販売国:

オーストラリアでは使用許可が必要です(APVMA許可番号:No.84510)

メトロニダゾールに感受性を持つ嫌気性菌 及び原虫感染症の治療に 市場唯一の馬用メトロニダゾール

有効成分

メトロニダゾール 500 mg/g*

*メトロニダゾールペースト1 gは1 mLに相当 包装 1 kg マルチドーズ容器

Randlabは責任 ある抗菌剤の使 用をサポートして います。

メトロニダゾール用のAPVMA許可申請書をRandlabに必ずご 返送ください。randlab.comにてメトロニダゾール製品ページ からもダウンロードすることができます。

効能又は効果

クロストリジウム、バクテロイデス(ペニシリン耐性Bacteroidesfragilisを 含む)、フソバクテリウム等の嫌気性細菌やジアルジア、トリコモナス等の原 虫による馬の感染症の治療に。

胸膜肺炎、副鼻腔炎、歯根感染、腸炎、大腸炎、一部の深部肢蹄感染症、子 宮炎において、嫌気性細菌による感染が確認された又は疑われる場合の 治療に。

メトロニダゾールは、クロストリジウム等の嫌気性菌に起因する急性発熱 性下痢又は慢性下痢の治療における選択薬です。

ローソニア・イントラセルラリスによる増殖性腸症の治療には、メトロニダ ゾールとオキシテトラサイクリン又はクロラムフェニコールとの併用が提案 されています。

薬理学的情報

メトロニダゾールは、膿瘍、骨、腹水、乳汁及び中枢神経系において治療有 効濃度に達します。胎盤関門を通過できます。

馬における経口投与後の吸収率は80〜100%です。直腸投与による吸収率 は30〜50%です。したがって、直腸投与する場合は用量を調節する必要が あります。

メトロニダゾールの半減期は、成馬で2〜4時間、子馬で9〜12時間です。

用法及び使用上の注意

メトロニダゾールは、直腸投与しても治療有効濃度に達します。胃腸障害や イレウスが認められる場合や食欲不振の予防には、直腸投与が推奨される 投与経路です。

腎臓や肝臓の疾患又は機能障害がある馬には使用しないでください。

過剰投与(高用量又は所定の5日を超える長期の投与)により沈うつ、運動 失調、振戦、発作、脱力等の中枢神経症状が生じることがあります。通常、こ れらの症状はメトロニダゾールの投与を中止すると元に戻ります。

警告:メトロニダゾールの経口投与後には、食欲不振が生じる ことがよくあります。直腸投与ではそれほど多くはありません が、やはり起こる可能性はあります。

その他、報告されている副作用には、末梢神経障害と肝機能障害が含まれ ます。通常は、休薬すると数日で回復します。まれに回復しないことがありま す。

妊娠中の牝馬については十分なデータが得られていないため、本剤の妊娠 中の投与は推奨されていません。

用量

経口投与してください。体重500 kg当たり馬用メトロニダゾールペースト20 mL(メトロニダゾールとして10 gに相当)を12時間おきに5日間与えるか、 獣医師の指示に従って与えてください。

成馬:15 mg/kg・1日4回又は20 mg/kg・1日2回経口投与

子馬:10〜20 mg/kg・1日2回経口投与

馬豆知識:メトロニダゾールペーストは、経口用量の約2倍 を直腸から投与することもできます。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか… 映画「スノーリバー 輝く大地の果てに」のこの 名場面は、有名な馬の獣医師と関係がありま す。

デニー(豪州、チャーリー・ラヴィック氏) 詳細はp.75をご覧下さい。

Vetedine軟膏™

APVMA承認番号:62637(オーストラリア) 販売国:

創傷及び細菌・真菌による皮膚の 感染症の治療と予防に 広域スペクトルの抗菌軟膏

有効成分

ポビドンヨード 100 mg/g (有効ヨウ素として10 mg/gに相当)

包装

250 g 容器

効能又は効果

Vetedine軟膏は、塗布部位に対し持続性の抗菌・抗真菌・殺ウイルス作用 を示す効力が高いポビドンヨード(ヨードフォアとも呼ばれます)で、馬の局 所の消毒と殺菌に適しています。

創傷、膿瘍、火傷の局所感染や白癬等の真菌感染、新生子馬の臍帯消毒、 除角、去勢、術前消毒、鞍傷、擦過傷、刺創などの治療と予防の補助にお使 いいただけます。

• 速効性で血液、膿、皮脂、石鹸等の存在下でも作用

• 効果的な抗菌・抗真菌・抗ウイルス活性

• 微生物による耐性なし

• 染色性がなく、水で洗い流せる

• 創傷治癒や肉芽形成を遅らせない

• 創傷部位にピリピリした刺激性なし

• 組織感作なし

• 包帯で巻いても熱傷や刺激を起こさない

• 殺菌作用が持続

• 臭いがない

• 膿や血液の存在下でも作用が持続

• 創傷部位に密着して薄膜を形成

• 特徴的な色で塗布した部位が一目でわかる

薬理学的情報

Vetedine軟膏は、ヨウ素を徐々に放出することで作用します。ポビドンヨー ドはヨウ素と同じく、疾患を引き起こすさまざまな種類の微生物に有効で すが、皮膚への刺激が少なく、色も水で洗い流すことができます。人及び動 物のいずれにおいても、ポビドンヨードに対する耐性は報告されていませ ん。感作性もなく、創傷部位や粘膜に塗布しても痛みを生じません。開放創 を保護する薄膜を形成しますが、水で洗い流すことができます。

ポビドンヨードは、特に皮膚の混合感染症の治療、傷の洗浄、火傷や潰瘍 の治療、皮膚の消毒に有効です。治癒や肉芽形成を遅延させることがなく、 血液、膿、皮脂、石鹸等の有機物が存在しても抗菌活性が失われることは ありません。

用法及び使用上の注意

罹患部に1日2回塗布するか、獣医師の指示に従ってください。広範囲の創 傷や深部熱傷へのヨード剤の長期間の使用には注意が必要です。皮膚や 天然繊維に色が残ることはありません。水と石鹸で落とすことができます。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか…

ケンタッキーダービーで勝利し、唯一失格と なった馬は、マーティン・ルーサー・キング牧師 の死と関係していた? ダンサーズイメージ(米国、ビーター・D・フラー)

ケンタッキーダービーは「スポーツの中でもっとも興奮する2分間」と 言われています。このアメリカでもっとも知名度の高い競馬は、現在ま でに147回開催されていますが、1位となったのに失格した馬は1頭だ けです。

ダンサーズイメージは、1968年のケンタッキーダービーで1位入線と なりましたが、当時は比較的新しかったフェニルブタゾンが血液検査 によって微量検出され、数日後に失格処分となりました。

6日前に獣医師がフェニルブタゾンを投与していたのはすでに分かっ ていましたが(ピルガンを使用)、ダンサーズイメージの関係者は、検査 で陽性になったのは報復のために誰かが不正行為を行ったせいだと 非難。この数週間前にマサチューセッツ州で名を馳せていた馬主の ピーター・D・フラー氏は、ダンサーズイメージが別のレースで優勝した その日に暗殺された人権活動家のマーティン・ルーサー・キング・ジュ ニア牧師の未亡人コレッタ・スコット・キング婦人に獲得した賞金の一 部(9万豪ドル)を寄付していたのです。

その前年、キング牧師はケンタッキー州において住宅差別に対する座 り込みデモを行っており、ダービー開催週に影響を与えていました。

裕福な北部の事業家による寄付は、南部の政治への干渉だと広く受 け止められ、有名なアメリカ人獣医師アレックス・ハートヒルを含むダ ンサーズイメージの関係者は、検査陽性によるダービーの失格は寄付 への報復に違いないと確信しました。

皮肉なことに、ケンタッキー州では1968年のレースの前年までフェニ ルブタゾンの使用が法的に認められており、その翌年再び認められる ようになりました。

ダンサーズイメージは、その後のプリークネスステークスにも出場し3 着になりましたが、進路妨害で再び失格となりました。

このレースの後、引退して種馬牧場に移されましたが、そこの入口の 看板には「1968年ケンタッキーダービー優勝馬ダンサーズイメージ」 とこれ見よがしに書かれていました。

繁殖関連

製品 全 4 製品 製品分野の説明

発情行動の管理から、発情・排卵の同期化、 流産のリスクがある牝馬の妊娠の維持まで、 Randlabの繁殖関連製品がカバーします。

繁殖関連製品

オーストラリア国内で製造 オーストラリア企業が

世界に 輸出

確実な排卵の誘発にGnRHアナログ注射剤 デスロレリン酢酸塩 1.25 mg/mL(約10回分)

週1回投与用アルトレノゲスト注射剤

豚用のOvu-Mateも 新発売!

Biorelin™注 デスロレリン

APVMA承認番号:89636(オーストラリア)

販売国:

確実な排卵誘発のための注射用 GnRHアナログ製剤

便利な長時間作用型デスロレリン注射剤で 正確なタイミングで排卵を誘発 有効成分 デスロレリン(デスロレリン酢酸塩として)1.25 mg/mL

包装

10 mL マルチドーズバイアル(1 mL × 10本)

効能又は効果

超音波検査で直径30 mm以上の卵胞、子宮や子宮頸管の変化、発情に伴 う行動の変化が確認された牝馬の排卵の誘発と同期化に。

本剤の投与後、適切な徴候が認められる牝馬の94%超では48時間以内、 残りの数パーセント(6%未満)では54時間以内の排卵が期待できます。少 数は投与後24時間以内に、多くは40時間ほどで排卵が誘発されます。

薬理学的情報

Biorelin注(徐放性デスロレリン酢酸塩)は、発情期の牝馬の排卵の誘発と 同期化を目的とした合成性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)です。 牝馬の発情期は長く、発情から排卵までの時間もさまざまであることから、 通常は受胎までに複数回の交配や人工授精を必要とします。Biorelin注 は、卵胞が直径30 mm以上に発育した発情期の牝馬において、内因性黄 体形成ホルモン(LH)の濃度を上昇させることで投与後48時間以内に排卵 を誘発します。

Biorelin注は、非水溶性の徐放性製剤で、発情期の牝馬の排卵誘発剤とし て用いられています。発情期の短縮と同期を行うことで、種馬や人工授精プ ログラムの管理を効率的にし、繁殖管理を最適化することを目的にしてい ます。

本剤を使用しても、次の排卵周期までの日数は変化しません。

本剤を投与した牝馬の妊娠率は、対照の牝馬と同程度です。

用法及び使用上の注意

本剤が効果を発揮するには、発情の正確な診断と30〜40 mm径の発育卵 胞の検出が条件です。

Biorelin注の投与前は、定期的(2日間隔)に検査を行い、卵胞が1日3〜5 mmずつ大きくなっていくのを確認するのが理想です。

また、卵胞からエストロゲンが分泌されており、発情期特有の行動や超音 波検査で発情を示唆する子宮(浮腫3/3)及び子宮頸管(軟化)の変化が確 認されることも重要な条件となります。

投与を行った牝馬の約15%で注射部位における副作用が観察されていま す。これらの反応は、触診により疼痛を示す軽度から中程度の注射部位の 腫脹で、通常、36時間以内に解消します。

妊娠中及び妊娠可能年齢の女性は、本剤を取り扱う際には十分な注意が 必要です。誤投与により、月経周期が乱れる可能性があります。皮膚への直 接接触は避け、皮膚に付着した場合は、付着部位を水と石鹸で直ちに洗い 流してください。本剤の取扱い及び使用の際には、誤投与を避けるよう通常 の注意事項を守ってご使用ください。

用量

バイアルをしっかり振り混ぜてからお使いください。 十分に混ぜないと作用に影響を及ぼす可能性があります。

筋肉内投与のみ。

使用前に よく振る こと

開封後は28日以内に使用し、残液は廃棄してください。

1.0 mL(デスロレリンとして1.25 mg)・筋注

1頭当たり1回の発情期に投与できる量は1 mLです。

馬豆知識:Biorelin注投与後、約24時間後に冷蔵精液又 は生精液を用いて授精を行ってください。

冷凍精液を用いる場合は、約40時間後に授精を行ってく ださい。

発情移行期には、Biorelin注を高用量(1.9 mg = 1.5 mL)で投与することで排卵率が改善することがあります。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか…

1956年のオリン ピック以前、オーストラリ アの総合馬術競技団体の メンバーは、3日間かけて 開催される総合馬術競技 会に誰も出場したことが ありませんでした。

1956年オーストラリアの総合馬術競技チーム

オーストラリアがオリンピックの馬術競技に初めて参加したのは、 1956年大会でした。その年のオリンピックはオーストラリアのメルボル ンで開催されましたが、オーストラリアの厳しい検疫規制のため、馬術 競技はストックホルムで行われました。

つまり、世界中の人々がぞくぞくとオーストラリアに集まる中、オースト ラリアの馬術チームだけは6週間かけて海上を英国に向かったので す。上の写真が示すように、馬はその後、飛行機でストックホルムに運 ばれました。

馬術チームには、オーストラリア馬術連盟が購入又は寄贈を受けた6 頭の馬が参加していました。その15か月前にオーストリア人のフラン ツ・マイリンガー氏が監督に就任しました。彼が来豪した時には、オリ ンピック出場が決まった騎手のうち誰一人として総合馬術競技どころ か通常の馬術競技会にすら参加したことがありませんでした。

オリンピック前に唯一開催された総合馬術競技会はバドミントンで行 われ、この大会をオリンピックへの出場決定戦としたのです。

オーストラリア・チームは、すべての予想に反してオリンピックで4位に 入賞という輝かしい成績を残し、その後のローマ大会における総合馬 術競技での金メダル獲得への道を開きました。

Ovu-Mate® アルトレノゲスト注

APVMA承認番号:83216(オーストラリア)| ACVM番号:A011475(ニュージーランド) 販売国:

牝子馬及び牝馬の発情と発情に伴う 行動の抑制に

週1回投与する長時間作用型の便利なプロゲステロン注射剤

有効成分

アルトレノゲスト 50 mg/mL

包装

30 mL マルチドーズバイアル

効能又は効果

アルトレノゲストは天然のホルモンであるプロゲステロンと同様の作用を持 ち、正常な発情周期をコントロール、発情の徴候と排卵を抑制します。投与 を中止すると発情が回帰し、天然のホルモンが産生されるようになります。

アルトレノゲストを投与することで、牝馬の繁殖を管理することができます。

牝子馬及び牝馬に対するOvu-Mate注の作用:

• 発情の開始を遅延

• 発情行動を抑制

• 発情を同期化し、種馬や人工授精の管理を効率化

• 胎盤炎の補助療法に

薬理学的情報

Ovu-Mate注は、筋肉内投与後、血中濃度が速やかに上昇します。初期の血 中濃度は、1日1回経口投与した場合よりも7倍高く、その後、5〜7日かけて 一定の割合で低下していきます。

牝馬におけるOvu-Mate注の薬理動態データからは、アルトレノゲストの血 中濃度が経口投与による治療有効濃度よりも高い濃度で5日間維持される ことが示されています。週1回投与を繰り返すことで、血中にアルトレノゲス トが蓄積していきます。

アルトレノゲストの注射後、7日間にわたり発情に伴う行動が抑制されるこ とが試験により確認されています。

用法及び使用上の注意

本剤を取り扱う際は、ゴム手袋を着用してください。

妊娠中又は妊娠している可能性がある女性は、本剤を取り扱わないでくだ さい。妊娠可能年齢の女性が本剤を取り扱う際は、十分な注意が必要です。

プロゲステロン依存性腫瘍や血栓塞栓障害を有する方又は疑われる方 は、本剤を取扱わないでください。

皮膚への接触は避けてください。吸入したり、飲み込んだりしないでくださ い。本剤を取り扱う際は、ゴム手袋を着用してください。

警告:競馬等の競技に出場予定の馬に使用する場合は、医薬品の使用 に関する関連当局の規制を順守してください。アルトレノゲストには雄 性蛋白同化ステロイドのトレンボロン及びトレンジオンが微量含まれ ているため、一部の地域において状況によっては禁止薬物と見なされ る可能性があります。

詳細はRandlab 獣医学・技術ディレクターのDr Michael Robinson (mrobinson@randlab.com.au又は+61 451481050)までお問い 合わせください。

用量

発情の抑制:体重500 kg当たり3 mL(0.3 mg/kg)を5〜7日に1回又は発 情徴候の抑制に必要な間隔で筋肉内投与する。

軽量馬又は重量馬に投与する際は、体重当たりで用量の計算を行ってくだ さい。

馬豆知識:持続性デポ剤の投与に際しては、特に週1回投 与した場合、どのような製剤でも注射部位に軽微な反応 が認められることがあります。

毎週、注射部位を変えることで、このような反応を最小限 にすることができます。頸部の代わりに殿部の筋肉に投 与することも可能です。

偶数日には左側に、奇数日には右側に投与するといったシステムを導 入すると、各側の投与回数を一定数に抑えることができます。この方法 は、育成場の従業員や毎回異なる作業員が投与を行うことが多い場 合に特に有用です。

歴史を作った馬たち ご存知でしたか…

サラブレッドの始祖ゴド ルフィンアラビアンは、フ ランス国王の荷馬車を引 く馬として使用されてい たことがあったそうです。

ゴドルフィンアラビアン (英国、ゴドルフィン伯爵)

ゴドルフィンアラビアンほど現代のサラブレッドに大きな影響を与えた 馬はいないでしょう。この牡馬は、サラブレッド三大始祖の1頭と考えら れています。

1724年頃、北アフリカのバルバリア海岸で生まれたこの小型のゴール デン・ベイ・アラビアン種の馬は、他の4頭と一緒に1730年にフランス 王ルイ15世に献上されました。新しい主人に「シャム」と名付けられま したが、王様は全く興味を示さず、荷馬車に使用されていたと言われ ています。

やがて、デボンシャー公爵によってイングランドに輸入され、初めて種 馬として使用されました。最初の交配で生まれた「ラス」は父親そっく りで、「疾風のように走る」と言われたそうです。

デボンシャー公の死後、ゴドルフィン伯爵がシャムを初めとするほとん どの馬の所有権を受け継ぐことになりました。ラスの同母弟も2頭生ま れましたが、やはり父親にそっくりで、素晴らしく速い馬だったそうです。 1753年のクリスマスの日に29歳で亡くなるまで、シャムは生涯で100 頭の産駒を残し、ゴドルフィンアラビアンの名で知られるようになりま した。イングランドのケンブリッジシャーにあるかつてのゴドルフィン伯 のゴグマゴグ牧場の厩舎入口に彼の墓が立てられており、現在でも訪 れることができます。

この伝説的な牡馬は、エクリプス、シルキーサリバン、マンノウォー、 ウォーアドミラル、シービスケット等のチャンピオン馬を通じてサラブ レッドの血統に影響を残し続けています。ゴドルフィンアラビアンのレ ガシーは、ムハンマド・ビン・ラーシド・アル・マクトゥーム(アラブ首長 国連邦の副大統領・首相であり、ドバイの首長)が設立し、 競走馬の育成と繁殖を幅広く行っているゴドルフィンの名 を冠する巨大企業によっても受け継がれています。

Ovu-Mate®アルトレノゲスト経口液┃繁殖関連

APVMA承認番号:65653(オーストラリア)| ACVM番号:A010159(ニュージーランド)

販売国:

牝馬の発情の調節と 妊娠の維持の補助に 便利な3サイズ

有効成分 アルトレノゲスト 2.2 mg/mL

包装

125 mL

1 L 2 L

効能又は効果

牝馬の繁殖周期の調整及び管理と習慣性流産又は早期流産の危険性が ある牝馬の妊娠の維持に

• 卵胞の活動がある程度認められる牝馬の繁殖早期における排卵性発情 周期の誘発

• 発情期が長い又は通常の周期を示している牝馬の発情抑制

• 牡馬及び人工授精を最も効率的に利用するための繁殖期の牝馬の卵巣 周期の調節

• 競技用の雌子馬及び牝馬の発情に伴う行動の変化の抑制

• 習慣性流産又は早期胎子死亡や流産の危険性がある牝馬の妊娠の維持 に

• 競技に参加しない牡馬及び去勢馬の行動の調節に

薬理学的情報

牝馬の繁殖周期の調節と管理に

• 卵胞の活動がある程度認められる牝馬の繁殖早期における排卵性発情 周期の誘発:Ovu-Mateを1日1回10日間連続投与します。

• 通常の周期を示している牝馬の発情抑制:Ovu-Mateを1日1回15日間連 続投与します。

• 持続性発情の抑制:Ovu-Mateを1日1回10日間連続投与します。

• 種馬の計画使用又は繁殖補助プログラムを目的とした牝馬の繁殖周期 の調節:Ovu-Mateを1日1回15日間連続投与します。

習慣性流産又は早期胎子死亡・流産の危険性がある牝馬の妊娠の維持

• 交配又は人工授精を行った牝馬に対し、排卵後2日目又は3日目から Ovu-Mateを1日1回投与し、妊娠120日目まで継続します。

• 胎盤炎治療プロトコールの一環としてもご利用いただけます。

排卵後14日目又は15日目に超音波検査による妊娠診断を行うことをおす すめします。妊娠していない場合は、Ovu-Mateの投与を中止し、残存して いる可能性のある黄体組織を退行させ、発情回帰を促進し、再び交配でき るようプロスタグランジンF2α製剤を投与することが推奨されます。

用法及び使用上の注意

豚用Ovu-Mateも 新発売!

警告:競馬等の競技に出場予定の馬に使用する場合は、医薬品の使用 に関する関連当局の規制を順守してください。アルトレノゲストには雄 性蛋白同化ステロイドのトレンボロン及びトレンジオンが微量含まれ ているため、一部の地域において状況によっては禁止薬物と見なされ る可能性があります。長時間作用型の注射剤と比べると経口用アルト レノゲストでは含量が低くなっています。

詳細はRandlab 獣医学・技術ディレクターのDr Michael Robinson (mrobinson@randlab.com.au又は+61 451481050)までお問い 合わせください。

本剤は、子宮感染がある牝馬への使用は禁忌です。

本剤を飼料に混ぜて与える場合は、給餌の直前に添加し、貯蔵は行わない でください。

使用しなかった飼料は、他の動物に与えず、廃棄してください。

妊娠可能年齢の女性は、本剤との接触をさけるよう注意が必要です。本剤 を取り扱う際にはゴム手袋を着用してください。皮膚との接触、吸入又は誤 飲により吸収されると危険です。眼や皮膚に触れないようご注意ください。 吸入しないようご注意ください。本剤の使用後や飲食及び喫煙の前は、手 指、腕及び顔を水と石鹸で十分に洗ってください。1日の使用の最後に手袋 を洗浄してください。

用量

経口用量:体重50 kg当たり本剤1 mL(1 kg当たりアルトレノゲスト0.044 mgに相当)を1日1回投与する(625 kgの牝馬で12.5 mL)。飼料に混ぜる か、シリンジで舌の奥に投与する。

馬豆知識:アルトレノゲストを投与中も周期が継続し、排

卵が起こることがありますが、発情行動は観察されませ ん。

本剤の投与を中止すると、通常3〜5日で発情行動がみら れるようになり、中止後10〜12日で排卵が起こります。

駆虫用 製品

全 4 製品

製品分野の説明

可能な限り個体別又は群別の糞便虫卵数検査 の結果に基づき駆虫薬の使用を決定することが 推奨されます。

最適な駆虫薬選びが 面倒である必要はありません 新製品 新製品

Pradectin™ with Tape ゲルワーマー

販売国:

新製品

被嚢幼虫に効力が高い長時間 作用型の駆虫薬

長時間作用型の馬用駆虫剤・ ウマバエ幼虫駆除剤

有効成分

モキシデクチン 20 mg/mL

プラジクアンテル 125 mg/mL

包装

11.8 g シリンジ

大環状ラクトン耐性が確認され たときに使用する特別な製品 Randlabは責任 ある駆虫薬の使 用をサポートして います

可能な限り糞便虫卵数検査の結果に基づき駆虫薬の使用を決 定することが推奨されます。それぞれのニーズに合わせた駆虫 プログラムの作成については、獣医師にご相談ください。

効能又は効果

Pradectin with Tapeゲルワーマーは、小円虫(成虫及び被嚢型を含む幼 虫)、大円虫、条虫、蟯虫、回虫、馬胃虫、ウマバエ幼虫、毛細線虫、腸管線虫 及び皮膚オンコセルカ症の治療と予防に有効です。

本剤は、虫卵再出現までの期間(ERP)が14週間以上と長く、この期間は円 虫卵による牧草の再汚染の可能性が非常に低くなります。

モキシデクチンは、吸血性のマダニに対しても有効な駆除剤です。

薬理学的情報

本剤は、第二世代大環状ラクトンのモキシデクチンと合成ピラジノイソキノ リン誘導体のプラジクアンテルを含有し、嗜好性のよいゲルタイプにした長 時間作用型の馬用駆虫剤・ウマバエ幼虫駆除剤です。

本剤は、小円虫の発育期(DL期)及び後期(LL3/EL4期)の被嚢幼虫に対し て単回投与で有効性を示し、休眠期を含む早期の被嚢幼虫(EL3期)に対し ては抑制の補助に役立ちます(有効率90%)。

本剤は推奨用量で次の寄生虫の治療と抑制に有効です。

• 小円虫類(成虫及び幼虫):ベンゾイミダゾール耐性株を含む Cyathostomum属円虫。発育期(DL期)及び後期(LL3/EL4期)の被嚢幼 虫に対して単回投与で有効性を示し、休眠期を含む早期の被嚢幼虫 (EL3期)に対しては抑制の補助に役立ちます(有効率90%)。

• 大円虫類:普通円虫(Strongylus vulgaris;成虫及び動脈中のL3・L4幼 虫)、無歯円虫(Strongylus edentatus;成虫及び内臓型L4幼虫)、馬円虫 (Strongylus equinus;成虫)、T. brevicauda・T. serratus・T. tenuicollis (細頸円虫)を含むTriodontophorus属円虫(成虫)及びCraterostomum acuticaudatum(成虫)

• 条虫類:葉状条虫(Anoplocephala perfoliata)及び乳頭条虫 (Paranoplocephalamamillana)

• ハエ幼虫類:ウマバエ幼虫(Gasterophilus intestinalis;L2・L3幼虫)、ム ネアカウマバエ(Gasterophilusnasalis;L2・L3幼虫)

• 回虫類:馬回虫(Parascarisequorum;成虫及び腸管型L4幼虫)

• 馬胃虫類(Habronema属):胃型及び皮膚型(夏創)

• 肺虫類:馬肺虫(Dictyocaulusarnfieldi;成虫及び未成熟虫)

• オンコセルカ属のミクロフィラリア(皮膚オンコセルカ症)

• 胃毛様線虫(Trichostrongylusaxei;成虫)

• 腸管線虫類:馬糞線虫(Strongyloideswesteri)

• 蟯虫類:馬蟯虫(Oxyuris equi;成虫及びL3・L4幼虫)

• 外部寄生虫:吸血マダニ、シラミ、ダニ APVMA承認番号:89307(オーストラリア)

用法及び使用上の注意

指示通りに使用した場合、本剤は4週齢以上の子馬や牡種馬、妊娠馬を含 む種馬にも安全にお使いいただけます。

400 kg未満の馬にはシリンジ全量を投与しないでください。

子馬及び小型種については、体重に合わせて用量を慎重に調節し、過剰投 与しないようご注意ください。

用量

モキシデクチン0.4 mg/kg及びプラジクアンテル2.5 mg/kgの用量で経口 投与します。

そのまま投与できるシリンジ型で、馬の体重に合わせて25 kg単位で目盛り を調節することができます。目盛りを用いることで推奨用量を正しく投与す ることができます。

シリンジ1本で575 kgの馬に十分な量を投与することができます。体重が 575 kgを超える場合、1本以上が必要です。例えば、725 kgの馬にはシリン ジ1¼本が必要です。

過剰投与や過少投与を避けるため、測定体重又は推定体重に合わせて正 しい量を使用してください。

投与後、まだ薬剤が残っている場合は、キャップを閉め30°C未満(室温)で 保存すると、再び使用することができます。ただし、表示されている使用期 限を過ぎた場合は使用しないでください。

Pradectin with Tapeゲルワーマーは、円虫(特に

Cyathostomum属の被嚢幼虫)の重度寄生が疑われる馬 (特に若馬)に適した駆虫薬です。

被嚢幼虫が大腸壁から同時に大量放出されると(被嚢幼 虫に効果がない駆虫薬の投与後など)、幼虫シアストー マ症と呼ばれる病態を起こすことがあります。

本症は、急性の盲腸結腸炎及び重度の炎症反応によるおびただしい 水様下痢を特徴とし、ときに死に至ることもあります。

警告:モキシデクチンに対する耐性の発現を抑制するため、モ キシデクチンを含有する駆虫薬(本剤を含む)を馬の定期的な 駆虫に使用しないことが強く推奨されています。

モキシデクチンは、大環状ラクトン(イベルメクチン、アバメク チン等)に対する耐性が確認された又は疑われる場合や被嚢 幼虫や休眠幼虫の寄生の可能性が高いと考えられる場合に とっておくことが推奨されます。定期的な駆虫にモキシデクチン を使用することは奨励されません。

駆虫薬┃Oxfendoateペースト状の広域駆虫薬

Oxfendoate™ ペースト状の広域駆虫薬

APVMA承認番号:93028(オーストラリア)近日発売予定

販売国:

オーストラリアでは近日発売予定

条虫を含む感受性のある馬の 寄生虫の治療と抑制に

戦略的な駆虫薬のローテーションに メクチン系駆虫薬の代用に

有効成分

オキシフェンダゾール 7.0 g ピランテルパモ酸塩 9.1 g

包装

35 mL シリンジ(体重700 kgまで)

メクチン系駆虫薬のローテーションから脱却

可能な限り個体別又は群別の糞便虫卵数検査の結果に基づき 駆虫薬の使用を決定することが推奨されます。それぞれのニー ズに合わせた駆虫プログラムの作成については、獣医師にご相 談ください。

効能又は効果

条虫を含む感受性のある馬の寄生虫やイベルメクチン、モキシデクチン及 びアバメクチンに耐性を示す馬回虫の治療と抑制にお使いいただけます。

薬理学的情報

オキシフェンダゾールは、ベンゾイミダゾール系の抗寄生虫薬です。さまざ まな種類の病原性内部寄生虫に対して広い活性を示しますが、条虫及びウ マバエ幼虫には効果を示しません。

ピランテルは、感受性のある寄生虫において脱分極性神経筋遮断を起こす ことによって寄生虫を麻痺させます。通常の2倍の用量(本剤に含まれるの と同量)で使用すると、条虫にも有効です。

Oxfendoateは、推奨用量で次の寄生虫に対し有効性を示します。

• ベンゾイミダゾール耐性を持つ小円虫類(成虫及び未成熟虫): Cyathostomum属、Cylicocyclus属、Cylicostephanus属、 Cylicodontophorus属、Gyalocephalus属等

• 大円虫類:普通円虫(Strongylusvulgaris;成虫及び動脈内幼虫)、無歯 円虫(Strongylus edentatus;成虫及び組織型幼虫)、馬円虫 (Strongylusequinus;成虫)及びTriodontophorus属円虫(成虫)

• ハエ幼虫類:ウマバエ幼虫(Gasterophilus属・口腔内及び胃中)

• 回虫類:馬回虫(Parascarisequorum;成虫及び未成熟虫)

• ハエ馬胃虫(Habronemamuscae;成虫)

• オンコセルカ属(ミクロフィラリア)

• 毛様線虫類:胃毛様線虫(Trichostrongylusaxei;成虫)

• 腸管線虫類:馬糞線虫(Strongyloideswesteri;成虫)

• 肺虫類:馬肺虫(Dictyocaulusarnfieldi;成虫及び未成熟虫)

• 蟯虫類:馬蟯虫(Oxyurisequi;成虫及び未成熟虫)

• 条虫類:葉状条虫(Anoplocephalaperfoliata)、大条虫(Anoplocephala magna)、乳頭条虫(Paranoplocephala mamillana)(成虫、未成熟虫、 頭部、片節)

本剤は、イベルメクチン、モキシデクチン及びアバメクチンに耐性を示す馬 回虫の成虫に対してもっとも高い効果を示します。投与後2〜4週間で虫卵 が再出現することがあります。大環状ラクトン(メクチン系)に耐性を示す馬 回虫未成熟虫(若虫)に対しては、2〜4週間間隔で再投与することで、より 良好な管理を行うことができます。

Randlabは責任 ある駆虫薬の使 用をサポートして います

子馬、妊娠中の馬及び牡種馬にも安全にお使いいただけます。

Oxfendoateは推奨用量で広い安全域を示すことが確認されています。ど の年齢の馬でもお使いいただけます。妊娠中の馬及び牡種馬にも安全に お使いいただけます。

用法及び使用上の注意

投与前に給餌を中止する必要はありません。

寄生虫駆除プログラムは全頭に対して定期的に実施することが推奨されま すが、特に牝馬、子馬及び1歳馬には注意する必要があります。

牝馬・子馬の駆虫スケジュール

妊娠中の牝馬には分娩予定日の2週間前に駆虫を行ってください。子馬に 対しては、4週齢から母馬と同時に定期的な駆虫を行うことが推奨されま す。

用量

本剤の推奨用量は、体重20 kg当たり1 mLです。

20 kg当たり1 mLは、オキシフェンダゾール 10 mg/kg及びピランテルパモ 酸塩 13 mg/kgに相当します。

シリンジ1本で体重700 kgの馬1頭を治療することができます。

シリンジの1目盛りは5 mLに相当し、体重100 kg分の量になります。

目盛りを合わせたところまでプランジャーを押し、舌の奥に投与を行ってく ださい。

歴史を作った馬たち ご存知でしたか… オーストラリアを象徴するアウトド アウェアブランド「R. M. Williams」 は、かつてフランスのラグジュア リーブランドであるルイ・ヴィトン が所有していました。

R. M. WILLIAMS(オーストラリア)

土埃が似合うR.M. Williamsのサイドゴアブーツと超シックなフランス のルイ・ヴィトンバッグ。表向きはまったく別世界のブランドにみえます。 しかし、R. M. Williamsは2013年から2020年まで、LVMHモエ・ヘネ シー・ルイ・ヴィトンの投資会社の傘下にありました。

ProMaxオールワーマー┃駆虫薬

ProMax™オールワーマー

APVMA承認番号:87987(オーストラリア) 販売国:

条虫、回虫、ウマバエ幼虫の治療と 予防、馬胃虫、オンコセルカ及び マダニによる皮膚病変に 古くから使われてきた広域駆虫薬

有効成分 アバメクチン 3.7 mg/kg プラジクアンテル 46.2 mg/g

包装

32.4 g シリンジ

従来型の広域駆虫薬

Randlabは責任 ある駆虫薬の使 用をサポートして います

可能な限り糞便虫卵数検査の結果に基づき駆虫薬の使用を決 定することが推奨されます。それぞれのニーズに合わせた駆虫 プログラムの作成については獣医師にご相談ください。

効能又は効果

Promaxオールワーマーは推奨用量において、条虫、回虫、円虫(普通円虫 の動脈内幼虫、ベンゾイミダゾール耐性小円虫を含む)及びウマバエ幼虫 の治療と駆除に有効です。

また、皮膚に寄生した馬胃虫(Habronema属及びDraschia属)の幼虫(夏 創)、オンコセルカ属のミクロフィラリア(皮膚オンコセルカ症)による皮膚 病変の治療にも有効です。

薬理学的情報

本剤は推奨用量で次の寄生虫に対し有効性を示します。

• ベンゾイミダゾール耐性を持つ小円虫類(成虫及び未成熟虫):

Cyathostomum属、Cylicocyclus属、Cylicostephanus属、 Cylicodontophorus属、Gyalocephalus属等

• 大円虫類:普通円虫(Strongylusvulgaris;成虫及び動脈内幼虫)、無歯 円虫(Strongylus edentatus;成虫及び組織型幼虫)、馬円虫 (Strongylusequinus;成虫)及びTriodontophorus属円虫(成虫)

• ハエ幼虫類:ウマバエ幼虫(Gasterophilus属・口腔内及び胃中)

• 回虫類:馬回虫(Parascarisequorum;成虫及び未成熟虫)

• ハエ馬胃虫(Habronemamuscae;成虫)

• オンコセルカ属(ミクロフィラリア)

• 毛様線虫類:胃毛様線虫(Trichostrongylusaxei;成虫)

• 腸管線虫類:馬糞線虫(Strongyloideswesteri;成虫)

• 肺虫類:馬肺虫(Dictyocaulusarnfieldi;成虫及び未成熟虫)

• 蟯虫類:馬蟯虫(Oxyurisequi;成虫及び未成熟虫)

• 条虫類:葉状条虫(Anoplocephalaperfoliata)、大条虫(Anoplocephala magna)、乳頭条虫(Paranoplocephala mamillana)(成虫、未成熟虫、 頭部、片節)

本剤は、子馬、妊娠中の馬及び牡種馬にも安全にお使いいただけます。

用法及び使用上の注意

本剤の推奨経口用量は、アバメクチン 0.2 mg/kg及びプラジクアンテル 2.5 mg/kgです。

シリンジの1目盛りは、体重50 kg分の投与量に相当します。

シリンジ1本で体重600 kg分に相当します。

ヤンキーローズ

(日本、ノーザンファーム)

歴史を作った馬たち ご存知でしたか… 1歳のときにたった 1万ドルだった子馬 が1630万ドル超を 稼ぎ出す帝国 を築きました。

この鹿毛色の馬が1歳馬のセリに出されたときにもっとも特徴的だっ たのは、特に特徴がないということでした。

体高は14.2 hh程度しかなく、系統を紹介するページにも競馬の専門 家が好む黒毛系がまったく記載されておらず、平均的なポニーの価格 である1万ドルですぐに落札されました。

ヤンキーローズと名付けられ、デビューしたばかりの2戦で優勝しまし たが、続くゴールデンスリッパーステークスでは、不運にもキャピタリス トに次いで2着の成績。しかし、初めて挑んだG1レース(ATCサイアーズ プロデュースステークス)で優勝を果たしました。

翌春には、この小さな牝馬はG1競争で2勝目を挙げ(チャンピオンス テークス)、オーストラリアで重要な馬齢重量戦コックスプレートでは、 ウィンクス、ハートネルに続いて3着という成績を上げました。

その後、ヤンキーローズは日本のノーザンファームに推定230万ドルで 購入されました。引退して繁殖牝馬になるまでに出走したのは10戦だ けでしたが、4勝し200万ドル以上の賞金を稼ぎました。

しかし、ヤンキーローズが本当に活躍した場は繁殖牧場でした。最初 に生んだ子馬は240万豪ドルで落札され(ロムネヤという牝の子馬。 父親はディープインパクトで、賞金31万5000ドル)、3番目の産子は 448万豪ドルで落札されました(牡子馬で父親はロードカナロア)。

でもこのオーストラリア産の牝馬にとっての真の成功は、2番目に生ま れた子馬でした。リバティアイランドという牝馬で(父はドゥラメンテ)、 2022年度は日本の最優秀2歳牝馬に輝き、2023年度は最優秀3歳牝 馬に選ばれると予想されています。これまでに5戦4勝を挙げ(G1レー ス3回を含む)、賞金総額は480万豪ドル以上です。

こうしてヤンキーローズの落札額1万ドルは1630万豪ドルに化けたの ですが、この数字は今後も大きくなることでしょう。

騎手が毎朝馬に鞍をかけつづけるための夢の糧となる遺伝子という 宝くじの当選者、世界のヤンキーローズの子馬たちに乾杯!

海外向け製品カタログ 63

Goldmectin® LV 経口ペースト

APVMA承認番号:88042(オーストラリア)

販売国:

馬の回虫、条虫、ウマバエ幼虫、線虫による 皮膚病変とマダニ対策

少量で駆虫のあらゆるニーズに応える駆虫薬 700 kgまでの馬、又は 350 kgの馬2頭分に

有効成分

イベルメクチン 18.7 mg/g

プラジクアンテル 140 mg/g

包装

7.49 g シリンジ

可能な限り糞便虫卵数検査の結果に基づき駆虫薬の使用を決 定することが推奨されます。それぞれのニーズに合わせた駆虫 プログラムの作成については獣医師にご相談ください。

効能又は効果

少量ですむ広域駆虫薬

Randlabは責任 ある駆虫薬の使 用をサポートして います

用法及び使用上の注意 優れた健康と最高のコンディションを維持するには、全ての馬に対して定 期的な駆虫を行うことが推奨されます。個体別又は群別の糞便虫卵数検査 の結果に基づき、駆虫薬を使用するかどうか判断を行ってください。

Goldmectin LV経口ペーストは、あらゆる年齢の馬における条虫、消化管・皮 膚・肺に寄生する線虫など多くの蠕虫類とハエ幼虫に高い効果を示します。

感受性を示す寄生虫には、条虫、回虫、円虫(普通円虫の動脈内幼虫、ベン ゾイミダゾール耐性小円虫を含む)、ウマバエ幼虫、皮膚に寄生する馬胃虫 (Habronema属及びDraschia属)(夏創)、オンコセルカ属のミクロフィラリ ア(皮膚オンコセルカ症)が含まれます。

イベルメクチンは、吸血マダニに対する駆除剤としても用いられることがあ ります。

薬理学的情報

体重100 kg当たり1 mLの用量で投与した場合、本剤はイベルメクチン0.2 mg/kg及びプラジクアンテル1.5 mg/kgに相当します。

次の馬の寄生虫の治療と駆除に用いることが出来ます。

• ベンゾイミダゾール耐性を持つ小円虫類(成虫及び未成熟虫): Cyathostomum属、Cylicocyclus属、Cylicostephanus属、 Cylicodontophorus属、Gyalocephalus属等

• 大円虫類:普通円虫(Strongylusvulgaris;成虫及び動脈内幼虫)、無歯 円虫(Strongylus edentatus;成虫及び組織型幼虫)、馬円虫 (Strongylusequinus;成虫)及びTriodontophorus属円虫(成虫)

• ハエ幼虫類:ウマバエ幼虫(Gasterophilus属・口腔内及び胃中)

• 回虫類:馬回虫(Parascarisequorum;成虫及び未成熟虫)

• ハエ馬胃虫(Habronemamuscae;成虫)

• オンコセルカ属(ミクロフィラリア)

• 毛様線虫類:胃毛様線虫(Trichostrongylusaxei;成虫)

• 腸管線虫類:馬糞線虫(Strongyloideswesteri;成虫)

• 肺虫類:馬肺虫(Dictyocaulusarnfieldi;成虫及び未成熟虫)

• 蟯虫類:馬蟯虫(Oxyurisequi;成虫及び未成熟虫)

• 条虫類:葉状条虫(Anoplocephalaperfoliata)、大条虫(Anoplocephala magna)、乳頭条虫(Paranoplocephala mamillana)(成虫、未成熟虫、 頭部、片節)

• 外部寄生虫:マダニ、ダニ及びシラミ 本剤は、馬胃虫(Habronema属及びDraschia属)の幼虫(夏創)及びオン コセルカ属のミクロフィラリア(皮膚オンコセルカ症)による皮膚病変の管 理にもお使いいただけます。

若馬と牝馬には特に注意する必要があります。子馬については6〜8週齢で 初回の投与を行い、その後は必要に応じて定期的に投与を行ってください。 本剤は、推奨用量で使用した場合、広い安全域を示すことが確認されてい ます。あらゆる年齢の馬に使用することができます。妊娠中もいつでも投与 することができます。牡種馬に投与しても生殖能力に影響することはありま せん。6週齢以上の子馬にお使いいただけます。

用量

推奨経口用量は100 kg当たり1 mLです。この用量で投与した場合、イベル メクチン 0.2 mg/kg及びプラジクアンテル 1.5 mg/kgに相当します。シリン ジ1本で体重700 kgの馬1頭分です。シリンジの1目盛り分で体重100 kgの 治療に十分な1.07 gを投与することができます。

安全上の注意事項

野生動物、魚類、甲殻類及び環境の保護について:イベルメクチンは水生 動物に対する毒性が極めて高い化合物です。本剤及び使用済みのシリンジ でダムや河川等の水系を汚染しないようご注意ください。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか… ヨーロッパで起こった 前衛的芸術運動「ダダ イスム」は、フランス語 のスラングで「木馬」と いう意味だそうです。 ダダイスム(フランス)

ドイツの芸術家リヒャルト・ヒュルゼンベックがペーパーナイフで適当 に辞書を開いたところにあった木馬という意味の「ダダ」がこの名前の 始まりでした。

ダダイスムは第一次世界大戦後の復興の中で発展。近代資本主義社 会の論理や根拠、耽美主義を否定し、ナンセンス、非合理性、そして、反 ブルジョワ的思想の表現を重視しました。写真や映像、文学、音楽、コ ラージュ、音響詩、切り文字、彫刻などさまざまな形態の表現が存在し ました。

サプリメント 製品

全 7 製品

製品分野の説明

調教や競技後の回復、関節の健康など、お客様の あらゆる目的やニーズに合わせた製品を取り揃え ています。

Coforta®の ジェネリック 製品です

疲労した筋肉を刺激(心筋を含む)

肝機能をサポート

血中のリン酸濃度を維持

赤血球の形成を促進して貧血を治療

筋肉のエネルギー産生を促進することで、 筋肉の能率と持久力を改善 ストレスや激しい作業からの回復を補助 食欲を刺激

骨格の発達と代謝に役立つ ブタホスファン ��� mg/mL、シアノコバラミン(ビタミンB��)�� µg/mL ��� mL マルチドーズバイアル|APVMA番号 �����

Phosforte B注™

APVMA承認番号:90164(オーストラリア)

販売国: 新製品

リンの補給が役立つと

考えられる動物に

血中リン酸濃度を維持

有効成分

ブタホスファン 100 mg/mL

シアノコバラミン(ビタミンB12)50 µg/mL

包装

100 mL バイアル

効能又は効果

禁止薬物は 含んでおりません

ブタホスファンは、有機リンサプリメントです。馬、牛、豚、鶏等のさまざまな 動物種に対し、欠乏症の治療又は予防を目的にシアノコバラミン(ビタミン B12)と同時に投与されることがよくあります。同時投与することで、代謝、 免疫機能、筋肉の働きの改善に役立ちます。ブタホスファンは、特に食欲不 振、ストレス、激しい運動などが原因で起こるリン欠乏症に役立ちます。

リン酸・B12の補給には次のような効果が示されています。

• 激しい運動中の筋肉のエネルギー産生を促進

• 疲弊した平滑筋および心筋を刺激

• 調教中の筋肉の能率と持久力を改善

• 筋肉の能率を上げる

• 肝機能をサポート

• ウイルス感染後など、血漿中リン濃度を上昇させる

• 激しい作業やレース、ストレスからの回復を補助

• 食欲の刺激と維持

• 成長中の骨格筋の発達を助ける

• 大球性貧血の治療と予防

• 赤血球の形成を促進

• ビタミンB12はたんぱく質、脂質および炭水化物の代謝に関与 薬理学的情報

Phosforte B注には、有機リンとビタミンB12が配合されています。

リンは、細胞のエネルギー産生に不可欠です。筋肉のエネルギー源である ATPと高エネルギーのリン酸を筋肉に貯蔵しておくためのクレアチンリン酸 の主要構成成分として使われます。

また、リン酸は体内のpHを維持するために血液や尿の緩衝剤としても働い ています。

リンは骨の重要な構成成分でもあります。

用量

Phosforte Bは筋肉内注射用および皮下注射用として承認されています が、静脈内投与される場合が多くなっています(適応外使用)。20 mL以上 を投与する場合は、複数の部位に分けて筋肉内または皮下(または静脈 内)に投与してください。

急性症の動物に投与する場合:

成馬:5〜25 mL 1日おきに3〜5回の投与を行うことが多い。

子馬:5〜12 mL

Phosforte Bは筋肉内注射用および皮下注射用として承認 されていますが、適応外で静脈内投与される場合が多く なっています。

歴史を作った馬たち

生化学を ボトルに 詰めました

ご存知でしたか? オリンピックでメダルを 獲得、ハリウッドをはじめ 世界中で名を馳せた日本 人の男爵がいたことを… ウラヌス (日本の西竹一)

西竹一は、大日本帝国の男爵の非嫡出子として生まれましたが、父親 の死後、男爵の称号を継承しました。

学校を卒業後、帝国陸軍士官学校に入り、騎兵第一連隊附となりまし た。中尉となった西は、イタリア派遣中にウラヌスという馬と出会いま す。

1932年、ロサンゼルスオリンピックで馬術障害飛越個人に出場し、金 メダルを獲得しました。

オリンピック出場後、ロサンゼルスやハリウッドで高い注目を集め、 チャーリー・チャップリン、ダグラス・フェアバンクス、メアリー・ピック フォードといった多数の有名人とも親交がありました。

西は、1936年の夏季ベルリンオリンピックにもウラヌスと出場しまし たが、彼らしからぬことに競技の途中で落馬。開催国であり、やがて 1940年に三国同盟を結んで枢軸国を形成したナチスドイツに対する 忖度から、わざと落馬したのではないかと憶測が飛び交いました。

1945年、西は騎兵連隊に代わって編成された戦車第26連隊の指揮を 執り、日本の戦略上の要だった硫黄島へ。硫黄島でもエルメスの乗馬 靴や乗馬ズボンを身に付け、お気に入りの鞭を持って歩き回っていた そうです。

同年2月19日、アメリカ海兵隊による硫黄島の攻撃が始まります。アメ リカ軍は西が敵軍の指揮官であることを把握しており、世界は「バロン 西」を失いたくないのだと幾度も投降の呼びかけを行いましたが、西 が応じることはありませんでした。

西は、アメリカの進軍後3日目に戦死したと考えられています。戦死し た際の状況については、はっきりとは分かっていませんが、連合軍への 降伏ではなく自決を選んだといわれています。戦死後に陸軍大佐に昇 進。西の戦死から1週間後にウラヌスも死亡しました。

クリント・イーストウッドが監督した2006年の映画「硫黄島からの手 紙」では、一風変わった西の人物像を見て取ることができます。

Optimise X™

販売国:

全体的な健康の促進と厳しい調教や競技後の 回復補助に、天然の植物成分とアダプトジェン をブレンドした独自の処方

酸化的ストレスの抑制と運動中に生成したフリーラジカルによる筋肉疲労の緩和 に役立つと考えられています

有効成分

アカマツ、オニマタタビ、アロエベラ、 アガベ由来イヌリン、パパイン

包装 1 L ボトル

警告:本製品には禁止薬物は含まれていませんが、獣医師の方は 競技馬に処方を行う前に規制当局にご確認ください。本製品は世 界アンチ・ドーピング機構(WADA)及び豪州ヒューマン・サプリメ ント検査協会(HASTA)の認証済みです。

効能又は効果

Optimise Xは栄養補助製品であるため、特定の効能・効果はうたっていま せん。人では次のような効果が報告されています。

• 健康全般の最適化

• 厳しい運動やトレーニング、 競技後の回復の補助

• 酸化的ストレスの軽減

• 筋肉疲労の緩和

• 筋収縮の改善

• 持久力の改善

• 関節の動きの改善及び関節痛の緩和

• インスリンの調節

• 心血管系の保護

• 酸化的ストレス、がん及び加齢に伴う 疾患の予防及び治療における価値 馬については、酸化的ストレスの抑制や運動中に生成するフリーラジカル による筋肉疲労の緩和、全体的な健康の促進、最適な状態でのパフォーマ ンスに役立つ可能性があります。心血管系にも働くため、運動誘発性肺出血 (EIPH)等の呼吸器系の疾患に役立つ可能性があります。

薬理学的情報

本剤は、アダプトジェンとして機能すると考えられている天然の植物成分を 独自にブレンドしています。アダプトジェンとは、重要な組織や器官に働くこ とで正常な生理的機能を促進又は回復し、体がストレスや疲労、老化に適 応するのを助ける天然成分で、多くは植物に由来します。

インビトロや人における研究論文では、Optimise Xの主な成分について次 のような特性が報告されています。

アカマツ(Pinus densiflora):抗酸化作用、抗菌作用、抗炎症作用、インス リン調節作用、神経保護作用、抗突然変異性

オニマタタビ(Actinidia chinensis):抗酸化作用、抗炎症作用、免疫調節 作用、抗突然変異性、抗高脂質血症、インスリン調節作用、心血管系保護作 用。良好なトリテルペノイド、ポリフェノール、ビタミンC、アミノ酸及びミネラ ル源。

アロエベラ:抗酸化作用、抗細菌作用、抗炎症作用、インスリン調節作用、抗 突然変異性、抗高脂質血症。強力な抗酸化作用を持つポリフェノール含有。

アガベ由来イヌリン:食物繊維源、プレバイオティクス、消化管の健康を改善 パパイン:抗炎症作用

運動生理学

人の運動生理分野における一連のプラセボ対照二重盲検試験において、 Optimise Xの次のような効果が示されています。

• 訓練を受けた又は受けていないサイクリストのいずれにおいても、フィッ トネスバイクで疲労を感じるまでの時間が延長

• 酸化的ストレスによる酸素呼吸の抑制を抑え、ATP産生の効率を高める

• 急激なレジスタンスなしのウェイトトレーニング中に生じる発揮筋力の低 下を抑制し、トレーニング中の運動の質を改善

• 最大出力の70%において運動中の血中乳酸濃度を低下させる

• 最大出力の70%及び95%において感じる運動負荷を軽減 用法及び使用上の注意

容器をよく振ってからご使用ください。

国・地域によっては、自主的に摂取するようサプリメントは飼料に混ぜて与 えることが義務付けられています。シリンジを用いて舌の奥に投与する場合 は、自主的な摂取とみなされないため、医薬品としての製品の認可が必要 になることがあります。

嗜好性がよく、ほとんどの馬に飼料に混ぜて与えることができます。

用量

推奨用量:1日2回25 mLを飼料に混ぜて与える。

急性のストレス時(激しい競技の後、EIPH発症後、長距離の移動、横紋筋融 解症等)には、2倍から4倍の量を与えることができます。

本製品に関する感想をお待ちしています。Dr Michael Robinson(mrobinson@randlab.com.au)まで電子 メールをお送りいただくか、+61 (0)451 481 050まで電話 でご連絡ください。

歴史を作った馬たち

ご存知でしたか…

歴史上でもっとも有名なこの馬には名前があり ませんでした。

詳しくは p.75をご覧ください。

新製品

先見の明がある馬主は すでに乗り換えています

重要な有効成分を組み 合わせた独自の処方で 馬の関節軟骨の修復と 維持を促進

有効成分

本品�� g中:コラーゲン加水分解物 ���� mg・コンドロイチン硫酸 ��� mg・ グルコサミン硫酸 ��,��� mg・緑イ貝粉 末 ���� mg・ビタミンE ��� mg

包装 ��� g ボトル

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本製品限定プレミアム処方

サプリメント

競技や調教後の回復を補助するRandlabの製品 販売国:

Supervites™

電解質・ビタミンB群・抗酸化成分を高濃度で含有する高価値サプ リメント。飼料への添加剤又は回復用のドレンチ剤としての使用に 適しています

有効成分

本品30 g中:

ナトリウム 3.60 g、カリウム 0.40 g、カルシウム 2.50 g、マグネシウム 0.40 g、クロライド 3.40 g、リン 酸塩 3.80 g、硫酸塩 1.30 g、重炭酸塩 10.6 g、チアミン(B1)0.11 g、リボフラビン(B2)0.11g、ナイア シン(B3)0.32g、ピリドキシン(B6)6.00 mg、ビタミンB12 0.43 mg、コリン 0.16 g、葉酸 24.48 mg、 イノシトール 0.27 g、ビタミンE 0.22 g

包装 15 kg 容器

添付のスプーンすりきり1杯で飼料に添加する1日分の量30 gに相当。激しい運動時 は1日2回給与してください。

回復期のドレンチ剤として150〜200 g(スプーン5〜7杯)を水1〜2 Lに溶かし、胃 チューブで与えてください。

Electrolene™

ペースト

ビタミンB群、ビタミンE及び葉酸を 含有する電解質補充用経口ペースト 激しい作業や脱水状態の馬の回復の 補助に

有効成分

本品1 g中:ナトリウム 63.0mg、クロライド 208.8 mg、カリウム 81.3 mg、マグネシウム2.96 mg、カルシウム 21.2mg、亜鉛 1.34 mg、酢酸dl-トコフェロール(ビタミンE)18.22 mg、葉酸 0.35 mg、チアミン硝化物(ビタミンB1)1.70 mg、リボフラビン (ビタミンB2)1.44 mg、ニコチンアミド(ビタミンB3)5.55 mg、 パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)3.00 mg、ピリドキシン塩 酸塩(ビタミンB6)0.17mg、シアノコバラミン(ビタミンB12) 0.68mg

包装

60 g シリンジ × 1本 又は 12本(箱入り)

有効成分

Kentucky Gold

Saline™ドレンチ

電解質、ビタミンB群及びエネ ルギーを補給する生理食塩液 ベースの馬用ドレンチ剤

本品1袋(300 g)中:ビタミンB群・平衡電解質(ナトリウム、カリウム、 マグネシウム、カルシウム、クロライド)、硫酸塩・揮発性脂肪酸(プロ ピオン酸塩、酢酸塩)、緩衝剤(クエン酸塩)、抗酸化成分(ビタミン E)。全成分が水にすぐによく溶ける処方です。

包装

300 g 粉末(アルミパック入り)

最適な筋肉回復と労作性横紋筋融解症の 治療補助を目的とした最高濃度の分岐鎖 アミノ酸

有効成分

L-ロイシン 22.00 g、L-イソロイシン 5.50 g、L-バリン 5.50 g、L-グル タミン 0.68 g、L-カルニチン 0.43 g、アニス油 25 g/L

包装

60 mL 調節ダイアル付きシリンジ

Randlab Goldシリーズ

Randlabのプライベートレーベル製品

販売国:

GoldGuard®

経口ペースト

胃潰瘍の治療と 予防にオメプラ ゾールペースト

便利な単回投与用シリンジ 他社製品よりも吸収力が 25%高く、バイオアベイラビ リティに優れていることが 3つの大学の試験で確認 されています。

Goldcort™注※

筋肉内・関節内投与用のコルチコ ステロイド(フルメタゾン)

馬・犬・猫の急性の筋骨格系疾患に

有効成分

フルメタゾン 0.5 mg/mL

有効成分 オメプラゾール 370 mg/g pH緩衝ペースト剤

包装

単回投与用 6 mL シリンジ × 10本

Hoof Gold

オーストラリアでは未発売

健康な蹄、被毛 及び皮膚の維持 を目的とした プレミアム製品

有効成分 スプーン1杯30 g中: ビオチン 30 mg、亜鉛 250 mg、メチオニン 500 mg、 アルギニン 100 mg、リジン 100 mg、MSM 2000 mg、 レシチン 200 mg、葉酸 50 mg、マグネシウム150mg、 銅 75 mg、ビタミンE 500 IU、ビタミンC 1000 mg、 カルシウム 4200 mg、リン 3860 mg

包装

1.5 kg・6 kg 容器 ※ 一部の国では Ferra-Cort注 の製品名で販 売されていま す。

包装

単回投与用 3 mL バイアル × 12本

有効成分

Gold Mica

馬・ラクダの肝疾患に

親油性注射剤

肝機能の回復を助けるアミノ酸ブレンド

L-メチオニン 40 mg/mL、イノシトール 50 mg/mL、 カルニチン 50 mg/mL、アルギニン 50 mg/mL

包装

100 mL マルチドーズバイアル

筋骨格系疾患の疼痛緩和に抗炎症・ 鎮痛・解熱作用のある経口ペースト

筋骨格系疾患の治療補助に 便利なマルチドーズシリンジ

有効成分

フェニルブタゾン 200 mg/mL

包装 30 mL マルチドーズシリンジ

歴史を作った馬たち 第3部

第1部は2020〜2021年版、第2部は2021〜2022年版のRandlabカタログでご覧いただけます。

テイクオーバーターゲット p.14より

(豪州、ジョー・ジャニアック氏)

テイクオーバーターゲットは、レースに出場したことがない3歳のせん馬で、推薦できるような特徴はありません でした。体も小さく痩せており、膝の故障を抱えていました。書類上では血統もいたって平凡。

元々は生産牧場で繋養されており、皮肉にもテイクオーバーターゲット(目標奪取)という名前が付けられていました。イングリス社ニューマー ケットの経験馬のセリに出されるまでに、模擬レースに5回出場し、膝の手術を2回受けていました。

ニューサウスウェールズ州の田舎町、クイーンビーアンでトレーラーハウスに住み、パートタイムで馬の調教を行っていたタクシー運転手の ジョー・ジャニアック氏は、駄目もとで1250ドルの安値で購入したと認めています。「あと消費税もね」と付け足して。

その後、すぐに良好な関係を築いたかというと、そうではありません。テイクオーバーターゲットは、ジャニアック氏の頭に30針を縫う大けがを 負わせたことがあります。

1年経った頃、ようやくデビューに漕ぎ着けました。なんと最初の7戦を大差で連勝し、栄誉あるG1優勝まで登りつめたのです。百万ドル以上で も購入したいというオファーが舞い込むようになったのはこの頃です。

しかし、ジャニアック氏はテイクオーバーターゲットを手放すことはなく、「アーチー」という愛称で呼び、前人未踏の世界遠征の旅に出ること に。オーストラリア全州でG1レースに勝利し、英国、シンガポール、日本でも優勝。2006年には、英アスコット競馬場のキングススタンドステー クスで優勝し、ジャニアック氏は貴賓席での英国女王との昼食会に招かれました。

テイクオーバーターゲットはその後、英ニューマーケット競馬場で出走した際に管骨を骨折し、10歳で引退することになりました。英ニュー マーケット馬専門病院の獣医師により、骨顆部の骨折部に6本のスクリューが埋め込まれました。移動できるまで回復してからオーストラリア に戻り、引退となりました。

6シーズンにわたる競技成績は41戦21勝(G1レース8戦を含む)、その他の入賞は10回を数えます。賞金総額は600万ドル以上に上り、オース トラリアでは、3回チャンピオン馬となり、芝競走馬として世界最高ランクを記録し、グローバル・スプリント・チャレンジでも優勝しています。 1250ドル(+消費税)で買われたオーストラリアの闘う馬、テイクオーバーターゲットは、世界に挑戦し、勝利したのです。

ネアルコ p.19より

(イタリア、フェデリコ・テシオ氏)

フェデリコ・テシオ氏は、1900年代に活躍したイタリアの著明な馬産家であり、遺伝学者、そして競走馬の調教 師でもあります。服装の趣味がよいのもうなずけますね。伝統にあまりこだわらない育成方針により、ボッティ チェリ、リボー等の数々の名馬と種馬を輩出。その中でもっとも重要なのは、現代のサラブレッドを形作った牡 種馬ネアルコでしょう(1935年生まれ)。

テシオ氏が繁殖及び調教を手がけた2年間の競技生活で、ネアルコはイタリアで1000〜3000mの13戦に出場して全勝、この中にはイタリア でもっとも栄誉あるイタリアダービーが含まれていました。その後、テシオ氏は世界に挑戦することを決め、この美しい褐色の子馬をフランス のパリ大賞典に出場させました。

ムッソリーニの台頭、イタリア国家ファシスト党とドイツのナチ党との連携を受け、テシオ氏はフランスのレースに出場するために、他でもない ムッソリーニ本人から許可を得なくてはなりませんでした。

イタリアのネアルコの出場は、フランスの人々に邪悪なファシズム拡大の象徴と受け取られ、フランスのパリ大賞典(1938年)は国際的な事件 の様相を呈していました。狭量なフランスの競馬ファンはネアルコの入場をブーイングで迎え、フランスの馬に対しては熱狂的な声援を送りま した。ネアルコは英国のダービーステークス優勝馬ボワルセルを含む18頭のライバルを押さえて、確固たる優勝を果たしました。ネアルコの騎 手を務めていたイタリア人が退場の際にファシスト式の敬礼を行ったことで、事態は一層険悪なムードになりました。

パリ大賞典の4日後、テシオ氏は報復を恐れると同時にネアルコにとっての最善を考え、英国のニューマーケット郊外にあるビーチハウス牧場 に当時としては記録的な6万ポンド(現在の価値で770万豪ドル)で売却しました。

しかし種牡馬のネアルコは扱いが難しく、広く危険な馬だとみなされるようになりました。困ったネアルコの新しい馬主は、経験豊かな種馬調 教師アーニー・リー氏に助けを求めました。リー氏は思いやりのある調教でネアルコを慣らし、両者は数週間のうちに切っても切れない仲にな りました。

第二次世界大戦が始まると、ネアルコを非常に価値の高い馬と考えたビーチハウス牧場は、地下にセメントの防空壕があるパドックを建設し ました。空襲警報が鳴り響くなか、リー氏は地下でネアルコの調教を続けました。

ネアルコの直子には、20世紀でもっとも大きな影響を残した種牡馬であるノーザンダンサーの父となったニアークティックがいます。また、もう 1頭の直子ナスルーラは、Randlabのポスターにも使われている「史上最高の馬」セクレタリアトの父である米国のチャンピオン馬ボールド ルーラーの父です。

その他にも、ネアルコの父系直系で有名な競走馬や種馬には、ニジンスキー、リファール、ヌレイエフ、ストームバード、ダンジグ、デインヒル、サ ドラーズウェルズ、シアトルスルー、スペクタキュラービッド、シガー、ナシュア、サンデーサイレンス、ディープインパクト、ラフィアン、リヴァリッジ、 スルーオゴールド、ロイヤルチャージャー、グレイソヴリン、レッドゴッド、フーリッシュプレジャー、ヘイロー、ロベルト、ミルリーフ、サーパーシー、 ダラカニ、ナイキスト、カリフォルニアクローム、ブラッシンググルーム、ジャスティファイ、ガリレオ、ウイジャボード、シーザスターズ、ブラックキャ ビア、トレヴ、フランケル、ウィンクスなどがいます。

英国及びアイルランドでは、血統にネアルコの血が入っていない馬は1%未満と推定されています。

ネアルコの馬主で繁殖と調教を手がけていたテシオ氏が当初予定していた通り、ネアルコが母国イタリアに留まっていたら、こんなことは起こ らなかったでしょう。

歴史を作った馬たち 第3部

第1部は2020〜2021年版、第2部は2021〜2022年版のRandlabカタログでご覧いただけます。

蒙古馬 p.20より

(モンゴル帝国)

モンゴル帝国は、2400万平方キロメートル(地球の陸地の17.81%)に及ぶ史上最大の陸続きの領土を支配す る帝国でした。領土はアジアの大部分を占め、中東・ロシアまで広がっていました。1206年にチンギス・カンが 建国、彼の子孫によって急速に拡大していきました。大英帝国に次ぐ世界2番目の大きさの帝国として知られて います。しかし、帝国が続いたのはわずか190年ほどでした。

帝国を可能にしたのは馬たちで、それまで他の方法では入り込めなかった地域まで征服できるようになりました。モンゴルの騎兵は、戦士が 安定して乗れる鋼のあぶみを作りだし、1日130 kmもの移動を可能にし、退却しながら矢を射るという当時としては革新的な戦術を生み出し ました。あぶみは、帝国の建国を助けた唯一の技術的革新と考えられています。

全兵士が馬に乗って移動し、世界一の機動力を持つ軍隊でした。モンゴルの馬は、ほんの少しの草を食むだけで毎日長距離を移動することが できました。

モンゴルの騎兵隊は、長期の遠征中に栄養源となる馬乳のとれる牝馬を好みました。馬乳はしばしば発酵され、度の強い酒が作られました。

1日の終わりには馬の首の静脈を切り、血を飲んで栄養にしていました(食血)。

しかし、馬は帝国の拡大に不可欠だっただけではありません。かつていない規模の移動や交易、文化交流(古代シルクロード)も可能にしたの です。クビライ・カン(ジンギス・カンの孫)の時代には、旅人はモンゴルの通行許可証を使って帝国全土を旅することができました。1万を超え る宿駅と30万頭を超える馬が配置され、旅人は駅に着くと新しい馬に乗り換えることができました。駅では飛脚も利用できました。飛脚は次 の駅にできるだけ早く着くために目いっぱい馬を走らせました。過酷な早駆けをするため、馬から落ちないよう自分の頭や胸、腹を馬にくくり つけていたそうです。

チンギス・カンが埋葬された際には、モンゴルの人々が死後も馬が彼を運んでくれると信じていたため、40頭以上の馬が生贄になりました。

バーバロ p.26より
(米国、ロイ&グレッチェン・ジャクソン氏)

当時、リチャードソン教授の外科研修医だったスティーブ・ゼドラー獣医師と(現クイーンズランド大学勤務) 2006年5月、バーバロは第132回ケンタッキーダービーに驚異的な6.5馬身差で勝利し、史上6頭目の無敗馬に なりました。

その2週間後、三冠に向けた2戦目のプリークネスステークスでは単勝オッズ2-1の1番人気。28年ぶりの三冠馬誕生に向け楽観ムードが漂っ ていました。

しかし、プリークネスステークスの当日、バーバロはいつもと違う落ち着かない様子をみせ、最後の馬の入場を待たずにゲートを壊して出走。 騎手のエドガー・プラード氏がこれをすぐに止め、競馬場の獣医師による簡単な検査を受けたところ、出走できると判断されたため、再びゲー ト内に入りました。

しかし、レースが始まって間もなく、プラード氏は観客席の真ん前で再びバーバロの走りを止めたのです。プラード氏はバーバロがよろめいたよ うに感じ、振り返ると、後脚が垂れた旗のようになっていました。バーバロは、後脚の中足骨(20個以上に粉砕)、管骨、種子骨を粉砕骨折して いました。

粉々になったバーバロの脚を治せるのは、ペンシルベニア大学ニューボルトン大学病院のディーン・リチャードソン教授以外にいませんでし た。まるで運命の定めだったように、大学病院は馬の救急車でわずか90分の距離にありました。リチャードソン教授のグループでその日に勤務 していたのが研修医のスティーブ・ゼドラー獣医師で、彼は現在オーストラリアのクイーンズランド大学に勤務しています。

リチャードソン教授は、12インチのロッキングコンプレッションプレートと23本のスクリューを丹念に組み合わせて骨組を再構築するという複 雑な手術を7時間かけて行いました。術後、脚はギプスで固定されました。

ゼドラー獣医師は「ひとかけらずつ、順々に修復していく作業でした。こちらを一つとってはスクリューであちらに止めて、という感じで。教授は 球節と中足趾節関節の両方をつなげなくてはならなかったのです」と回想しています。

世界中の人がバーバロの回復を心配しながら見守りました。バーバロは、馬関係者だけでなく、一般の人々もかつてないほどの感情と希望の 渦に巻き込んだようです。3週間後にニューヨーク州ベルモントパークでクラシック三冠の最終戦が行われる頃には、競馬場に回復を祈る人 達のために巨大なカードが掲げられました。このカードは横19メートル、高さ2メートルに及び、バーバロの実物大の肖像画が掲載されていま した。

ニューヨーカーは少々のことでは動じないことで有名ですが、2006年6月初旬のある午後、世界中の人の願いを込めて「早くよくなりますよう に」と書かれたカードに寄せ書きをするため、2万2千人が大挙して集まったのです。

歴史を作った馬たち 第3部

第1部は2020〜2021年版、第2部は2021〜2022年版のRandlabカタログでご覧いただけます。

ボンヴェール p. 30より

(豪州、ジョン・フェイヒー氏)

オリンピックの総合馬術のオーストラリア代表チームは、予想以上の力を発揮することで知られています。オーストラリアは 1956年に初めてオリンピックの馬術競技に出場。その年のオリンピックはメルボルンで開催されましたが、オーストラリアは 動物検疫が厳しいため、馬術競技はストックホルムで行われました。次の大会(1960年ローマ大会)では、馬術で初の金メダ ルを獲得、ローリー・モーガン(個人・団体ともに金メダル)、ニール・ラヴィス(個人銀メダル・団体金メダル)、ビル・ロイクロフト (団体金メダル)の全員が総合馬術でメダルを持ち帰りました。

しかし、オリンピック競技場のすぐ近くで行われていた障害馬術では、オーストラリア代表は大した成績を残すことができませんでした。オーストラリアの一流の障 害馬の多くは高値で欧米市場に流れており、オーストラリア代表チームは残った馬でなんとかやっていくしかありませんでした。

ボンヴェールは、細身で黒毛のオーストラリアの馬で去勢されていました。何世代にもわたって牧場で繁殖されてきた牧畜用の馬で、牧畜馬にしては神経質な性 格でした。ニューサウスウェールズ州中部北岸地方の酪農家の息子だった15歳のジョン・フェイヒーは、前の馬主に代わってボンヴェールで障害を飛んだことが あり、遺品整理のためにボンヴェールが550ポンドで売りに出されたときに父親に懇願して購入。「当時の牧畜馬としては破格の高値でした。体高も15hhに届き ませんでしたが、飛びたがっていることだけは分かりました。」

ボンヴェールを購入後、15歳のフェイヒー少年は、地元のタリー・ショーグラウンドで行われた馬高跳びに参加しました。2.133メートル(!)をクリアして優勝、この 小さな牧畜馬に確かな資質が備わっていることを確信したのです。

フェイヒー少年には、ボンヴェールを跳ばせるための奇策がありました。ボンヴェールは右後肢を落とす癖があり、バーを落下させることがよくありました。この対 策として、ジャンプする前に体重を左側に移動するようにしたのです。しかし、そのせいで右足が上がってしまいました。この対策として、体が極端に左側に動かな いよう自分の右足を固定していました。

1964年、20歳になったフェイヒー氏は、ボンヴェールとオリンピック選考競技会に出場し、この田舎の青年と牧畜馬はいきなりオリンピックに出場することになっ たのでした。船旅で10日間をかけて東京へ。甲板の下で馬に運動をさせていたそうです。

しかし、非常に不運なことに、彼曰く、落とすはずのなかったバーを2本落とし、個人の銀メダルを逃しました。

大会当日、豪州馬術連盟から障害馬術の選手それぞれに羊革の鞍敷き(ゼッケン)が渡されており、本番にだけ使うよう指示されていました。

フェイヒー氏とボンヴェールが12個目の障害をクリアしたときに羊革の鞍敷きが後ろにずれてしまい、次の水壕を飛ぼうとしたときには尾の方まで落ち、ボン ヴェールの注意をそらしてしまったのです。

ボンヴェールは彼らしくもなく次の2つの障害も続けて落としてしまいました。2回を終えて8つの障害を落とし、結果は世界でもっとも優れているといわれていた ピーター・ローブソン騎手とファイアクレストの英国組と並んで3位でした。

審判団は両組に銅メダルを授与することもできましたが、代わりに順位決定戦を行うことになりました。残念なことにローブソン組がクリアなジャンプで銅メダ ルを獲得、フェイヒー組は4位に終わりました。

あれから60年、彼らの成績はいまでもオリンピック障害馬術におけるオーストラリアの最高成績です。そして、東京大会でのオーストラリア馬術チームの中での最 高成績でした。

「ボンヴェールは多才な馬で、何でもこなすことができました。1.82メートルの6本のバーを飛び越すこともできれば、スピード競争やグランプリでも優勝。何でも できる馬だったんです!」とフェイヒー氏は語っています。

フェイヒーとボンヴェールは、次のオリンピックメキシコ大会にもオーストラリア代表として出場。また、ヒックステッド国際障害馬術競技会では、前人未踏の3日 連続勝利も達成しました。

この数年後にボンヴェールは、マジソン・スクエア・ガーデンで行われたスピード戦で腱を故障し、障害競技から引退しました。この小さな黒毛の牧畜馬は、2014 年に豪州馬術連盟の殿堂入りを果たしました。

アリバー p.37
(英国、チャールズ皇太子)

チャールズ皇太子は1980年の夏に密かにダイアナ妃と交際を開始。ちょうどその頃、チャールズ皇太子は年取った競走馬のア リバーを購入、アマチュアのポイントツーポイント競技に出ようと考えていました。当時は、「騎手の視点からどう見えるのか理 解したかったのです。実際に行うまでは、どれほど多くの努力が必要なのかは分からないものですから」と皇太子は語っていま したが、周囲はずっと年下(13歳差)のダイアナ妃にいいところを見せたかったのではないかと考えていました。まるで次期英 国国王というだけでは不十分かのように。

「あの頃は、体作りに悪戦苦闘していました。レースに参加できるくらいに体を鍛えようとね。走ったり、サドルを外して座れないようにした自転車にも休みなく 乗っていました。」とのことですが、王室報道官はコメントを控えています。

最初に参加した競技会は3月のプランプトンで、見事に2位に入賞。4日後には、サンダウンの障害物競走で4位に入りました。

次は10月まで間が空きましたが、愛馬アリバーに乗り見事再び2位に入賞。でも、この日は元ガールフレンドのカミラ夫人が傍観者として見守る中、チャールズ皇 太子とダイアナ妃が初めてふたりで一緒に公の場に姿を見せたことの方が歴史的に大きい日となってしまいました。

それでも、騎手としてのチャールズ皇太子の経歴は、4位内の入賞が3回と好調なスタートを切りました。しかし、よくある話ですがレースには運命のいたずらがつ きものです。

次は人気の高いチェルトナム・フェスティバルに出場しようと準備を開始。朝の練習にアリバーと出かけたチャールズ皇太子は、練習終了直前にアリバーの速度 が落ちるのに気づき、アリバーはそのまま倒れてしまいました。「アリバーの生命が尽きていくのを感じながら彼の頭を抱いていました。彼の眼から命の明かりが 消えていくのを見ているのは、とても耐えられないことでした。私ももう終わりだと思いました。こんなことが起きたのは初めてでした。」

その後、チャールズ皇太子は、グッドプロスペクトという楽観的な名前の馬にアリバーの代わりを見いだしました。

チャールズ皇太子の次の2度の競技は、5日間に2回も落馬するなど不調に終わりました。1度目の落馬は、観客が野次を飛ばす中で行われたチェルトナム・フェ スティバルで起きました。

落馬したところを他の馬たちが飛び越えてあっという間にかけ去って行くのをみて、静かな絶望に一人取り残されたようだったと当時のチャールズ皇太子は語っ ています。しかし、その前に「ちくしょう」と叫びながら地面を鞭打っているのが目撃されています。

最後となった6回目の挑戦では祖母の馬に乗り、9位に終わりました。

チャールズ皇太子とダイアナ妃は翌年7月に結婚し、騎手としての彼のキャリアも終わりを迎えましたが、これはまた別の話です。

歴史を作った馬たち 第3部

第1部は2020〜2021年版、第2部は2021〜2022年版のRandlabカタログでご覧いただけます。

ハーヴェイウォールバンガー p.43より

(米国、コリン・トールステンソン氏)

バイソンのハーヴェイウォールバンガーの生涯は、母親を密猟者に殺されて孤児になるというあまり順調ではないスタートを 切りました。彼の災難に気付いた米国のカウボーイで鉄道員だったコリン・TC・トールステンソン氏は、彼を引き取って育てよ うと決心しました。トールステンソン氏は、ノースダコタ州のネイティブアメリカン、スー族の居留地で育ち、動物に対して自然 な親近感を持っていました。

彼は、みなしごになった子バイソンに1時間おきに哺乳瓶でミルクを与え、馬と同じように育てました。子バイソンはすぐに刷り 込みによって彼の後をどこでも付いて回るようになりました。独り置いて行かれると厩舎の壁に体当たりしたので、子バイソンはハーヴェイウォールバンガーと名 付けられました。

1985年頃には地方で人気者になり、100メートルのマッチレースに招待され、クォーターホースを相手に競争。成熟した雄のバイソンは体重900 kg、体高1.4メー トルにもなります。バイソンは、巨体と運動には向かない体型をしているにもかかわらず、時速72 kmで走り、1.8メートルもジャンプできることが知られています。 泳ぎも得意です。

ハーヴェイウォールバンガーは、最初のマッチレースを2.5馬身差で勝利。これが伝説の始まりとなりました。

米国、カナダ、メキシコで戦い、クォーターホース、サラブレッド、スタンダードブレッドを相手に93戦79勝を挙げました。たった1年で10万8千ドル(現在の価値で約 34万2千豪ドル)以上の賞金を稼ぎました。ゲートを早足で駆け出し、ゴール付近でさらに奮闘をみせることで有名でした。スピードだけでなく、競争相手をおじ けさせることでも勝利したといってよいでしょう。

ハーヴェイは、セイヨウキョウチクトウが混入していた干草を食べて13歳で亡くなりました。裁判所が補償金として47万5千ドル(現在の価値で約150万豪ドル) の支払いを命じ、彼の価値が立証されました。

ハーヴェイウォールバンガー、自分のことを競走馬と思っていたバイソン。あながち間違ってはいませんね。

デニー p.54より

(豪州、チャーリー・ロヴィック氏)

写真はデニーに乗るスタントマンのジェラルド・イーガン

1982年の「スノーリバー 輝く大地の果てに」は、興行的にも成功し、作品としての評価も高かった映画です。詩人バンジョー・ パターソンの同名の代表作に基づいており、国際的にもまさにオーストラリアを象徴するものになりました。

詩も映画もニューサウスウェールズ州のスノーウィー・マウンテンズを舞台にしていると誤解されがちなのですが、実際には主人公の出身地に過ぎません。 パターソンは誰が主人公のモデルになったのか明かしていません。ハリソンやオーバーフロウ牧場のクランシーのような詩中の他の人物とは異なり、単数形で 「男」とされているのみです。パターソンが多くの旅の中で出会った山岳地帯の何人かの馬乗りを合わせた男なのかもしれません。チャーリー・ロヴィックやジェラ ルド・イーガンのような男たち。あるいはいつも決まって「どこか近く」にいるようなブッシュマンたち。この場合は、ビクトリア州ハイカウンティのマンスフィールドの 近くかもしれません。

灰黄色のオーストラリアの牧畜馬だったデニーは、この映画の馬の主人公として早くから選ばれていました。その他にもあまり難しくない場面用に5頭が代役とし て選ばれていました。

牧畜用の馬なら当たり前のことですが、デニーも撮影の照明には慣れていませんでした。ロヴィック氏に育てられたという以外はあまり知られていませんが、映 画が撮影された頃、デニーは10歳前後で、訓練のしやすい馬でした。

トム・バーリンソンは、架空のジム・クレイグ役(主人公の「男」)を演じることが決まったとき、馬に乗ったことはほとんどありませんでした。本物の牛飼いらしく馬に 乗れるよう俳優を特訓したのはロヴィック氏でした。ロヴィック氏はデニーを現場に連れて行き、6週間ほどでバーリンソンは馬を乗りこなせるようになりました。 ジェラルド・イーガンも映画のために雇われたマンスフィールド「近く」の地元の人間でした。イーガンは何でもできる男で、あるときはブッシュマン、あるときは馬 ならし、調教師、そして見習い騎手の優れた指導者として活躍しました。パターソンが詩に書きたいと思うようなタイプの男です。 ジェラルド・イーガンは、西オーストラリアで人気が非常に高く有名な馬獣医師、ジャック・イーガンの父親でもあります。

ジェラルド・イーガンは、断崖絶壁を駆け下りる有名なシーンでデニーに乗ってスタントマンを務めました。後になってからバーリントンは自分が演じたと主張し ていますが、実際にはカメラを傾けて緩やかな斜面を急斜面に見せかけた簡単な横顔の場面しか撮影していません。

ジェラルド・イーガンは、危険なスタントシーンの準備を行うために、デニーと一緒に山の斜面を何度も登り降りし、デニーに一歩一歩感覚を教え込みました。 オーストラリアの映画史上、もっとも象徴的なシーンの最終版が出来上がるまでには、不安定な崖を何度も駆け下り、異なるカメラアングルで何度も撮影を行う 必要がありました。

イエスキリストのロバ p.67より (ナザレのイエス)

では実際に歴史上で一番有名な馬は、どの馬だったのでしょうか。

幾分皮肉なのですが、史上もっとも有名な馬(正確にはウマ科動物)には名前がなく、一般的に「イエスのロバの子」と呼ばれ ています。

ナザレのイエスがエルサレムに最後に入城する際にロバを選んだのは歴史の偶然ではありません。古代では、戦の凱旋を祝 う王が馬に乗るのとは反対に、ロバに乗って街に入ることは平和の象徴と捉えられていました。

イエスの子ロバは、現在の家畜用のロバ(Equusafricanus asinus)の祖先で絶滅したヌビアの野生ロバ(Equusafricanus africanus)だったと考えられています。当時の習慣では家畜には名前が与えられることはありませんでした。

新約聖書によると、イエスがエルサレムに近づいたとき、二人の弟子に「向こうの村へ行きなさい。一緒に子ロバのいるロバが つないであるのがすぐに見つかります。それをほどいて、わたしのところに引いて来なさい」と懇願したのです。 シオンの王がロバに乗ってやってくることは、この500年ほど前にゼカリヤ書(9章9〜17節)で預言されていました。 ロバは、背中に1本の十字架がある唯一の動物です。毛色の濃いロバでは見えにくいかもしれませんが、すべてのロバにこの十字架模様があります。この十字架 模様はロバの分類にも用いられており、ラバを含め他のウマ科動物には認められません。なぜロバだけがこのような模様を持つのかは明らかになっていません が、生物学者はシマウマの縞模様と同じカムフラージュの役目があるのではないかと考えています。 キリスト教では、ロバの十字架模様はカルバリ山の十字架の影を象徴するようになりました。

70

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潰瘍対策製品

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呼吸器系製品

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高品質製品

私たちの品質へのこだわりは、最上級の原薬と医薬品グレードの成分の調達から始まります。私たちの製品は、 オーストラリアの薬事規制を管轄するAPVMAのGMP基準を満たした施設で製造されています。製造バッチごとに 政府認定の独立機関による厳密な品質保証(QA)検査を実施しております。

抗炎症製品

新製品

新登場

新製品

新製品

新製品

繁殖関連製品

鎮静薬・麻酔薬

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本カタログを気に入っていただけたでしょうか

年間を通してご利用いただけることを願っております

廃棄する際には リサイクルしていただくようお願い申し上げます

ご存知でしたか…

セクレタリアトの売却価格は自分の 体重分の金よりも高かったそうです

セクレタリアト

(米国、ペニー・チェネリー氏)

さて、そもそもの事の起こりで締めくくりましょう…

2021年、私はGoogleで「史上もっとも有名な馬は?」と適当に検索してみました。コロナ 禍の出来事です。これが、私が有名な馬を追ってウサギならぬウォンバットの穴に入りこ んだきっかけでした。

私の最初の質問に対するGoogleの答えは、1973年に米国で三冠を達成した偉大な競 走馬セクレタリアトでした。

セクレタリアトは偶然にも私たちがRandlabの年間カタログの表紙やメロキシカムの ペースト・懸濁液、Gastropell Forteのパッケージに採用していた馬でした(原画は米 国の画家トム・チャップマンによる)。そこで、いろいろと読んでいるうちに、セクレタリ アトが生まれる前にすでに最終的なオーナーが決まっていたという、奇妙な運命のい たずらといえる話に出くわしたのです(コイントスで競馬の最大の勝利を逃す)。

以降、私たちは「歴史を作った馬たち」の中で100頭近くの馬のユニークな物語を紹介し てきました。ありがたいことに、私が楽しみながら書いているのと同じくらい皆さまに楽 しんでいただいているようです。

2023年6月には、セクレタリアトがベルモントステークスで歴史的な31馬身差で 勝利してから50周年を迎えました。この勝利は競走馬が記録した史上最強の勝 利とみなされています。この栗毛の馬がスターダムにのし上がり、伝説となっ たのがまさにこの日です。エルビス・プレスリーと同じく偉大なる者の容姿、 動き、そして堂々とした態度を持った馬でした。

史上最高の馬のその後は?

1973年の春、この栗毛の馬は最盛期を迎えていました。ベトナム戦 争とウォータゲート事件によって精神的かつ経済的に疲弊していた 米国にとっては、最盛期とはいえない時期でした。アメリカ合衆国は その歴史上ではじめて自国のあり方に疑問を持ち始めていました。

オーストラリアの大恐慌の最中に活躍したファーラップ(やはり「ビッ グ・レッド」のあだ名で呼ばれていた)のように、セクレタリアトは低迷 していた国の力とパワーの生きた象徴となったのです。同じ週のタイ ム誌、スポーツ・イラストレイテッド誌、ニューズウィーク誌の表紙を同 時に飾りました。

2歳シーズンの競技生活の終わりにセクレタリアトのシンジケートを組むと 発表したのは、クレイボーンファームの代表を継いだばかりの23歳のセス・ ハンコック氏でした。32株で608万米ドルという記録的なシンジケートになり ました。この時の体重は524 kgで、セクレタリアトは文字通り純金よりも価値 が高かったことになります。

21戦で16勝、入賞4回という成績を残したのち、わずか15か月間のキャリアを終 え、セクレタリアトは引退して牡種馬となり、ケンタッキー州パリスの牧場に移さ れました。父のボールドルーラーが種馬として繋養されていた牧場です。

セクレタリアトの牡種馬としての経歴はあらゆる基準で成功したといえますが、自身 の驚異的な成績には届きませんでした。582頭の産駒を輩出し、そのうち41頭はス テークスで勝利しています。オーストラリアでは、1990年のメルボルンカップの勝者キン グストンルールの父としてもっともよく知られており、キングストンルールは今でもこの オーストラリアでもっとも有名な競馬の記録保持者です。

しかし、セクレタリアトの優秀さがもっとも強く現れたのはブルードメアサイアーとしてで した。死後解剖で心臓がかなり大きかったことが明らかになっており(サラブレッド平均 3.9 kgに対し10 kg)、この形質はX染色体上で継承されると思われていることから、それ ほど驚くことではないかもしれません。

セクレタリアトは、ストームキャット、エーピーインディ、ゴーンウェスト、デヒア、フォルクス ラート等の優れた馬の母系の種馬であり、近年の米国三冠馬アメリカンファラオやジャス ティファイの母系にも名前が記録されています。

セクレタリアトは急性蹄葉炎を患い、それから1か月ほど経った1989年10月4日(水)午 前11時45分に人道的に安楽死させられました。彼の死は「その時、あなたはどこに?」の まさに「その時」でした。

実際に見たことがない人々も彼の死を知って涙ぐんだそうです。他のどんな馬よりも競 馬を超えて文化的現象となった馬でした。

おそらくは「レジェンドになっても不死身ではない」という現実を突きつけられた瞬間で もあったのでしょう。

����年 育成牧場

����年 誕生

����年 競技生活時代

セクレタリアトのアメリカクラシック三冠達成 ��周年に、私たちはGoogleが史上最高と認め た馬を祝いました。

����年 離乳後 ����年 �歳馬 ����年 調教中

セクレタリアト

生涯成績は��戦��勝。三冠のすべてで世界記 録を出し三冠馬に。���万ドルを獲得、殿堂入 り�回。

����年 種馬牧場にて ����年 晩年

Randlab オーストラリア/グローバル

電話:(+��-�) ���� ����

Eメール:info@randlab.com.au

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新住所 �� Milperra Road, Revesby, NSW, ����, Australia

永遠不滅に

Randlab ニュージーランド

電話:+�� (�)�� ��� ����

Eメール:chris@randlab.co.nz �/��� Montgomerie Road, Mangere, Auckland, New Zealand オーストラリア企業 オーストラレーシアで製造 世界に輸出

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