列王記上
第1章
1ダビデ王は年老いて衰えていたが、人々は彼に衣服 を着せていたが、暖まることはなかった。
2そこで家来たちは王に言った、「わが主君、王のた めに若い処女を捜し、王の前に立たせて、王を養い、 あなたの胸に寝かせて、わが主君、王を暖めさせて ください」。
3そこで彼らはイスラエルの全域で美しい乙女を捜し、 シュネム人アビシャグを見つけて王のもとに連れて 来た。
4このおとめは非常に美しく、王を慕い、王に仕えて いたが、王は彼女を知らなかった。
5そこでハギトの子アドニヤは、「私が王となる」と 誇り、戦車と騎兵、そして自分の前に走る五十人の 者を用意した。
6彼の父は、なぜそんなことをしたのかと一度も彼に 文句を言ったことがなく、彼もまた非常に立派な人 であった。そして彼の母はアブサロムの後に彼を産 んだ。
7そこで彼はゼルヤの子ヨアブおよび祭司アビアタル と協議し、彼らはアドニヤに従って彼を助けた。
8しかし、祭司ザドク、エホヤダの子ベナヤ、預言者 ナタン、シムイ、レイ、およびダビデに属する勇士 たちはアドニヤと共にいなかった。
9アドニヤはエンロゲルの近くのゾヘレトの石のそば で羊、牛、肥えた家畜を屠り、王の息子である兄弟 たちと、王の家臣であるユダの人々全員を呼び寄せ た。
10しかし、預言者ナタン、ベナヤ、勇士たち、およ びその兄弟ソロモンは召されなかった。
11それでナタンはソロモンの母バテシバに言った、 「あなたはハギテの子アドニヤが王になっているの を聞きませんでしたか。私たちの主ダビデはそれを ご存じないのですか。
12それゆえ、今、私はあなたに助言を与え、あなた 自身の命とあなたの息子ソロモンの命を救うように しなさい。
13ダビデ王のもとに行って言いなさい。『わが主君、 王よ、あなたは、あなたのはしために誓って、『必 ずあなたの子ソロモンが私の後を継いで王となり、 私の王座に座するであろう』と言われたではありま せんか。それなのに、なぜアドニヤが王となってい るのですか。
14見よ、あなたがまだそこで王と話している間に、 わたしもあなたの後に行って、あなたの言葉を確認 します。
15バテシバは王の部屋に入った。王は非常に年老い ており、シュネム人アビシャグが王に仕えていた。
16バテシバは頭を下げて王に敬意を表した。王は言 った。「何をお望みですか?」
17彼女は彼に言った、「わが主よ、あなたはあなた の神、主をさして、あなたのはしために誓って、 『必ずあなたの子ソロモンが私の後を継いで王とな り、私の王座に座るであろう』と言われました。
18見よ、今アドニヤが王となっている。だが、王よ、 あなたはそれをご存じない。
19彼は牛や肥えた家畜や羊を大量に屠り、王の子ら 全員と、祭司アビアタルと、軍の長ヨアブを召集し ましたが、あなたのしもべソロモンは召集しません でした。
20わが主君、王よ、イスラエルの人々は皆あなたに 注目しています。あなたは、わが主君、王の跡を継 いで王座に座るのはだれであるかを彼らに告げなけ ればなりません。
21さもなければ、我が主君である王が先祖たちと共 に眠る時、私と私の息子ソロモンは罪人としてみな されるでしょう。
22彼女がまだ王と話しているうちに、預言者ナタン も入って来た。
23彼らは王に告げて言った。「預言者ナタンがここ におります。」彼は王の前に来て、地にひれ伏して 王の前に拝礼した。
24ナタンは言った。「わが主君、王よ、あなたはア ドニヤが私の後に王となり、私の王座に座るであろ うとおっしゃったのですか。
25彼は今日下って行って、牛や肥えた家畜や羊を大 量に屠り、王の子たちと軍の長たちと祭司アビヤタ ルを皆呼び寄せ、見よ、彼らは彼の前で飲食して、 「アドニヤ王万歳」と言ったのです。
26しかし、あなたのしもべである私と、祭司ザドク と、エホヤダの子ベナヤと、あなたのしもべソロモ ンとは呼ばれませんでした。
27この事は王わが主君によってなされたのに、あな たはそれを、王わが主君の跡を継いで王座に座るは ずのしもべに告げなかったのですか。
28ダビデ王は答えて言った。「バテシバを呼んでき なさい。」彼女は王の前に進み出て、王の前に立っ た。
29そこで王は誓って言った。「わたしの魂をすべて の苦難から救い出してくださった主は生きておられ る。
30わたしはイスラエルの神、主にかけてあなたに誓 った。「必ずあなたの子ソロモンがわたしのあとを 治め、わたしに代わって王座に座るであろう。」わ たしは今日必ずそうしよう。
31するとバテシバは地に顔を伏せ、王を敬って言っ た。「我が主君、ダビデ王が永遠に生きられますよ うに。」
32ダビデ王は言った。「祭司ザドクと預言者ナタン とエホヤダの子ベナヤを呼んで来なさい。」彼らは 王の前に来た。
33王はまた彼らに言った、「あなたたちの主君の家 来たちを連れて、私の息子ソロモンを私の騾馬に乗 せ、ギホンへ連れて行きなさい。
列王記上
34祭司ザドクと預言者ナタンはそこで彼に油を注ぎ、 イスラエルの王とせよ。そしてラッパを吹いて、 『神はソロモン王を救った』と言いなさい。
35それから、あなたたちは彼の後を追って上って行 きなさい。彼は私の王座に着くであろう。彼は私に 代わって王となるであろう。私は彼をイスラエルと ユダの支配者に任命したのである。
36エホヤダの子ベナヤは王に答えて言った。「ア メン。王、わが主君の神、主もそう仰せになりま す。」
37主が我が主君、王と共におられたように、主はソ ロモンと共におられ、彼の王座を我が主君、ダビデ 王の王座よりも大きくしてくださいますように。
38そこで祭司ザドク、預言者ナタン、エホヤダの子 ベナヤ、ケレテ人、ペレテ人は下って行き、ソロモ ンをダビデ王のラバに乗せてギホンに連れて行った。
39祭司ザドクは幕屋から油の角笛を取り出してソロ モンに油を注ぎ、ラッパを吹き鳴らした。民は皆、 「ソロモン王よ、万歳!」と叫んだ。
40そして、民は皆彼の後についてきて、笛を吹き鳴 らし、大いに喜んだので、その音で地が裂けた。
41アドニヤと彼と共にいた客たちは皆、食事を終え たときにそれを聞いた。ヨアブは角笛の音を聞いて 言った。「なぜ、町は騒がしいのか。」
42彼がまだ話しているうちに、祭司アビアタルの子 ヨナタンが来た。アドニヤは彼に言った、「お入り ください。あなたは勇敢な人です。良い知らせを持 って来ています」。
43ヨナタンはアドニヤに答えて言った。「確かに、 私たちの主君、ダビデ王はソロモンを王にされまし た。」
44王は祭司ザドク、預言者ナタン、エホヤダの子ベ ナヤ、ケレテ人、ペレテ人を彼と共に遣わし、彼ら は彼を王のラバに乗せた。
45祭司ザドクと預言者ナタンはギホンで彼に油を注 ぎ、王として立てました。彼らは喜びながらそこか ら上って来たので、町は再び騒がしくなりました。 これがあなたがたが聞いた騒ぎです。
46そしてソロモンもまた王国の王座に座した。
47王の侍臣たちは、我らの主君ダビデ王を祝福する ために来て、「神よ、ソロモンの名をあなたの名よ りも高くし、彼の王座をあなたの王座よりも高くし てくださいますように」と言いました。そして王は 床の上で身をかがめました。
48王はまたこう言った、「イスラエルの神、主が祝 福されますように。主は今日、わたしの王座に座る 者を与えてくださいました。わたしの目もそれを見 ているのです。」
49アドニヤと緒にいた客は皆恐れて立ち上がり、 それぞれ自分の道へ出て行った。
50アドニヤはソロモンを恐れて立ち上がり、行って 祭壇の角をつかんだ。
51そして、ある人がソロモンに告げて言った、「ア ドニヤはソロモン王を恐れています。彼は祭壇の角 をつかんで、『ソロモン王が、剣でそのしもべを殺
さないと、きょう私に誓ってください』と言ってい ます」。
52ソロモンは言った。「もし彼が立派な人であるな らば、髪の毛本も地に落ちることはないだろう。 しかし、もし彼の中に悪が見つかれば、彼は死ぬで あろう。」
53そこでソロモン王は人をつかわし、彼らは彼を祭 壇から連れ下ろさせた。彼は来てソロモン王に身を かがめた。ソロモンは彼に言った、「あなたの家に 帰りなさい」。
第2章
1ダビデの死期が近づいたとき、彼はその子ソロモン に命じて言った。
2わたしは全地の人々の行く道を行く。それゆえ、あ なたは強くなり、男らしくなりなさい。
3あなたの神、主の戒めを守り、その道に歩み、その 定めと戒めと定めと証しを、モーセの律法に書いて あるとおりに守りなさい。そうすれば、あなたが行 うすべてのこと、あなたが向かうところすべてにお いて、繁栄することができるであろう。
4主が私について言われた言葉を成就させてくださる ように。「もしあなたの子らが自分の道に気をつけ、 心を尽くし、魂を尽くして真実をもって私の前に歩 むならば、イスラエルの王座に座る人が絶えること はないだろう。」
5また、あなたはゼルヤの子ヨアブが私にしたこと、 イスラエルの軍勢の二人の隊長、ネルの子アブネル とエテルの子アマサにしたことをご存じです。ヨア ブは平和なときにも戦いの血を流し、その戦いの血 を腰に巻いていた帯と足の履物につけました。
6それゆえ、あなたの知恵に従って、彼のしらがの頭 が安らかに墓に下ることのないようにしてください。
7しかし、ギレアデ人バルジライの息子たちには親切 を施し、彼らをあなたの食卓で食事をする者の人 に加えてください。あなたの兄弟アブサロムの危険 から私が逃げたとき、彼らは私のところに来たので す。
8見よ、あなたにはバフリムのベニヤミン人ゲラの子 シムイが同伴している。彼は私がマハナイムへ行っ た日に、私を激しく呪ったが、ヨルダン川まで下っ て来て私を迎えたので、私は主をさして彼に誓い、 「私は剣であなたを殺さない」と言った。
9それゆえ、今、彼を無罪放免にしてはならない。あ なたは賢い人だから、彼に何をすべきかを知ってい る。しかし、彼のしらがらの頭は、あなたを血と共 に墓に下らせるであろう。
10こうしてダビデは先祖たちと共に眠り、ダビデの 町に葬られた。
11ダビデがイスラエルを治めた期間は四十年であっ た。ヘブロンで七年間統治し、エルサレムで三十三 年間統治した。
12こうしてソロモンは父ダビデの王座に着き、その 王国は大いに堅固になった。
列王記上
13ハギテの子アドニヤはソロモンの母バテシバのも とに来た。彼女は「平和な目的で来たのですか」と 尋ねた。アドニヤは「平和な目的で」と答えた。
14彼はさらに言った、「あなたに言申し上げたい ことがあります」。彼女は言った、「言い続けてく ださい」。
15彼は言った、「あなたはご存じのとおり、王国は 私のものであり、イスラエルの人々は皆、私が王に なるだろうと期待して私に顔を向けていました。し かし、王国は変わって私の兄弟のものとなりました。 それは主から彼に与えられたものだったからで す。」
16今、私はあなたにつだけお願いがあります。ど うか私を拒まないでください。」彼女は言った。 「続けてください。」
17彼は言った、「どうぞ、ソロモン王に告げてくだ さい。彼は拒否するはずがありませんから、シュネ ムの女アビシャグを妻として私に与えてください」。
18バテシバは言った。「わかりました。私があなた のために王にお話ししましょう。」
19バテシバはアドニヤのためにソロモン王のもとへ 行き、王に申し出た。王は立ち上がって彼女を迎え、 身をかがめて王座に着き、王母のために席を用意さ せた。彼女は王の右に座った。
20彼女は言った。「つだけお願いがあります。ど うか、だめだなんて言わないでください。」王は彼 女に言った。「母上、お願いを続けてください。だ めだとは言いませんから。」
21彼女は言った、「シュネム人アビシャグをあなた の兄弟アドニヤに妻として与えてください」。
22ソロモン王は母に答えて言った、「なぜアドニヤ のためにシュネム人アビシャグを求めるのですか。
彼のために王国も求めなさい。彼は私の兄なのです から。彼のためにも、祭司アビアタルのためにも、 ゼルヤの子ヨアブのためにも。」
23そこでソロモン王は主にかけて誓って言った。
「アドニヤが自分の命を危険にさらしてこの言葉を 言ったのでなければ、神は私にこの罰を、さらに重 く罰してくださいますように。」
24それゆえ、今、わたしを立て、父ダビデの王位に つけ、約束されたようにわたしに家を造ってくださ った主は生きておられる。アドニヤは、きょう、殺 されるであろう。
25ソロモン王はエホヤダの子ベナヤを遣わして彼を 殺させた。
26王は祭司アビヤタルに言った。「アナトテのあな たの畑へ行きなさい。あなたは死刑に価する者です。 しかし、わたしの父ダビデの前に主なる神の箱を担 ぎ、また、わたしの父が受けたすべての苦しみを、 あなたも受けたので、わたしは今はあなたを死刑に しません。」
27こうしてソロモンはアビヤタルを主の祭司の職か ら追放した。これはシロのエリの家について主が言 われた言葉を成就するためであった。
28その時、ヨアブにその知らせが届いた。ヨアブは アドニヤに従ったが、アブサロムには従わなかった。 ヨアブは主の幕屋に逃げ込み、祭壇の角をつかんだ。
29ヨアブが主の幕屋に逃げ、祭壇のそばにいるとい う知らせがソロモン王に届いた。そこでソロモンは エホヤダの子ベナヤを遣わして、「行って彼を襲 え」と命じた。
30ベナヤは主の幕屋に来て、王に言った。「王はこ う仰せになっています。『出て来なさい』」王は言 った。「いいえ、私はここで死にます。」ベナヤは 王に報告して言った。「ヨアブはこう仰せになりま した。ヨアブもこう答えました。」
31王は彼に言った。「彼の言うとおりにして、彼を 襲って葬りなさい。そうすれば、ヨアブが流した罪 のない者の血を私と私の父の家から取り除くことが できるだろう。」
32主は、彼よりも正しく善良な二人の男を襲い、剣 で殺した彼の頭にその血を報いられるであろう。私 の父ダビデはそれを知らなかったのである。その二 人とは、イスラエルの軍の長ネルの子アブネルと、 ユダの軍の長エテルの子アマサである。
33それゆえ、彼らの血は永遠にヨアブの頭と、その 子孫の頭に返るであろう。しかし、ダビデとその子 孫、その家、その王座には、主からの平和が永遠に 与えられるであろう。
34そこでエホヤダの子ベナヤは上って行って彼を襲 い、殺した。彼は荒野にある自分の家に葬られた。
35王はエホヤダの子ベナヤをアビアタルに代わって 軍勢の長に任命し、祭司ザドクをアビアタルに代わ って軍勢の長に任命した。
36そこで王は人をやってシメイを呼び寄せ、彼に言 った。「エルサレムに家を建ててそこに住みなさい。 そこからどこへも出てはならない。」
37あなたが出て行ってキデロン川を渡るその日に、 あなたは必ず死ぬことを確かに知るであろう。あな たの血はあなたの頭に帰するであろう。
38シメイは王に言った。「それは結構です。王様の 仰せのとおりに、しもべは行います。」こうしてシ メイはエルサレムに長く住んでいた。
39三年が経った後、シメイの家臣のうち二人がガテ の王マアカの子アキシュのもとに逃げて行きました。 彼らはシメイに告げて言いました。「ごらんなさい、 あなたの家臣たちはガテにおります。」
40そこでシムイは立ち上がり、ろばに鞍を置き、家 来たちを捜すためにガテのアキシュへ行った。シム イは行って、家来たちをガテから連れ戻した。
41シムイがエルサレムからガテへ行って、また戻っ てきたことがソロモンに知らされた。
42そこで王は人をつかわしてシメイを呼び寄せ、彼 に言った。「わたしは主をさしてあなたに誓わせ、 あなたを戒めて言った、『あなたが出て行って、ど こかへ歩いて行く日には、必ず死ぬであろうと、よ く知っていなさい。』それなのにあなたはわたしに、 『わたしの聞いた言葉は良い』と言ったではないか。
列王記上
43それなのに、なぜあなたは主への誓いと、わたし があなたに命じた戒めを守らなかったのか。
44王はまたシムイに言った、「あなたは、私の父ダ ビデに対して、自分の心に思い及んでいるすべての 悪を知っている。それゆえ、主はあなたの悪をあな たの頭に報いられるであろう。
45ソロモン王は祝福され、ダビデの王座は永遠に主 の前に堅く立つであろう。
46そこで王はエホヤダの子ベナヤに命じたので、ベ ナヤは出陣してソロモンを襲撃し、王は死んだ。こ うして王国はソロモンの手に確立された。
第3章
1ソロモンはエジプトの王ファラオと姻戚関係を結び、 ファラオの娘をめとってダビデの町に連れて行き、 自分の家と主の宮とエルサレムの周囲の城壁の建設 を終えた。
2ただ民は高き所で犠牲をささげていた。その日まで、 主の名のために宮が建てられていなかったからであ る。
3ソロモンは主を愛し、父ダビデの掟に従って歩み、 ただ高き所で犠牲をささげ、香をたいた。
4王はギベオンへ行って犠牲をささげた。そこは大き な高き所であったからである。ソロモンはその祭壇 の上で千の焼き尽くす供え物をささげた。
5ギベオンで主は夜の夢の中でソロモンに現れて言わ れた、「あなたに何を与えようか、求めなさい」。
6ソロモンは言った、「私の父ダビデは真実と正義と、 あなたに対する正直な心をもってあなたの前に歩ん だので、あなたは彼に大いなる慈しみを施し、この 大いなる慈しみを彼のために蓄え、今日のように彼 の王座に座る息子を与えられました。
7わが神、主よ。今、あなたは私の父ダビデに代えて、 このしもべを王とされました。しかし私はまだ幼い 子供で、出入りの仕方も知りません。
8そして、このしもべは、あなたが選んだあなたの民、 すなわち数えることも、数えることもできないほど 多くの民の中にいます。
9それゆえ、あなたの民を裁くために、あなたのしも べに悟りのある心を与えてください。そうすれば、 わたしは善悪を識別できます。だれがあなたのこの 大いなる民を裁くことができましょうか。
10ソロモンがこの事を求めたというその言葉は主の 心にかなうものとなった。
11すると神は彼に言われた、「あなたはこの事を願 い、自分のために長寿を願わず、自分のために富を 願わず、また敵の命を願わず、ただ公正を識別する 知恵を求めた。
12見よ、わたしはあなたの言葉どおりにした。見よ、 わたしはあなたに知恵と悟りのある心を与えた。あ なたの前にあなたのような者はなく、あなたの後に もあなたのような者は起こらないであろう。
13また、わたしは、あなたが求めなかった富と名誉 とをもあなたに与えた。あなたの生涯において、あ なたのような王はいないであろう。
14もしあなたが、あなたの父ダビデが歩んだように、 わたしの道を歩み、わたしの定めと戒めを守るなら ば、わたしはあなたの命を長くしよう。
15ソロモンは目を覚ました。それは夢であった。彼 はエルサレムに行き、主の契約の箱の前に立って、 燔祭と和解の供え物をささげ、家来たちのために祝 宴を催した。
16すると、二人の遊女が王のところにやって来て、 王の前に立った。
17すると、ひとりの女が言った。「わが主よ、私と この女は同じ家に住んでいます。そして、私はこの 女と緒に家の中で子供を産みました。」
18そして私が出産してから三日目に、この女も出産 しました。私たちは一緒にいて、家には私たち二人 のほかに、見知らぬ人はいませんでした。
19そしてこの女の子供は夜中に死んだ。彼女がそれ を覆い隠したからである。
20彼女は真夜中に起きて、あなたのはしためが眠っ ている間に、私のそばから私の息子を連れ出し、自 分の懐に寝かせ、死んだ子供を私の懐に寝かせまし た。
21朝になって、わたしが子に乳を飲ませようと起き てみると、子は死んでいた。しかし、朝になってよ く見ると、それはわたしが産んだ子ではなかった。
22もう人の女は言った。「いいえ、生きている方 が私の息子で、死んだ方があなたの息子です。」す るとこの女は言った。「いいえ、死んだ方があなた の息子で、生きている方が私の息子です。」こうし て二人は王の前で語った。
23そこで王は言った。「方は『生きているのは私 の息子で、死んだのはあなたの息子だ』と言い、他 方は『いいえ、死んだのはあなたの息子で、生きて いるのは私の息子だ』と言います。
24王は言った。「剣を持って来なさい。」そこで彼 らは剣を王の前に持ってきた。
25そこで王は言った。「生きている子を二つに分け、 半分を一方に、半分を他方に与えよ。」
26その時、生きている子を持つ女は王に言った。彼 女は息子を深く慕い、こう言った。「ああ、わが主 よ、生きている子を彼女にください。決して殺さな いでください。」しかしもう人の女は言った。 「それは私のものにもあなたのものにもせず、分け てください。」
27そこで王は答えて言った。「生きている子を彼女 に与えよ。決してそれを殺してはならない。彼女が その子の母なのだから。」
28イスラエルの人々は皆、王が下した判決を聞いて、 王を恐れた。彼らは、王には正義を行う神の知恵が あることを知っていたからである。
列王記上
第4章
1こうしてソロモン王はイスラエル全体の王となった。
2彼の首長たちは次のとおりであった。祭司ザドクの 子アザリヤ、
3シシャの子エリホレフとアヒヤは書記官、アヒルデ の子ヨシャパテは記録官。
4エホヤダの子ベナヤが軍の長、ザドクとアビヤタル が祭司であった。
5ナタンの子アザリヤは役人たちの長であり、ナタン の子ザブドは首席役人で王の友であった。
6アヒシャルは家務の監督者であり、アブダの子アド ニラムは貢物の監督者であった。
7ソロモンはイスラエル全土に十二人の役人を置いて、 王とその家族に食糧を供給させた。彼らはそれぞれ 一年のうち自分の月に食糧を供給した。
8彼らの名前は次のとおりである。エフライム山地の フルの子。
9デカルの子はマカズ、シャルビム、ベテ・シェメシ ュ、エロン・ベテ・ハナンに住んでいた。
10アルボテのヘセドの子。ソコとヘフェルの全土は 彼の所有であった。
11アビナダブの子。ドル地方全域に分布。彼はソロ モンの娘タファテを妻としていた。
12アヒルドの子バアナ。彼には、タアナクとメギド、 そしてエズレルの下のザルタナにあるベトシェア全 土、ベトシェアからアベルメホラに至るまで、さら にはヨクネアムを越えた場所にまで関係していた。
13ラモテ・ギレアデのゲベルの子、ギレアデにあるマ ナセの子ヤイルの町々、およびバシャンにあるアル ゴブの地域も彼の所有であった。そこには城壁と青 銅の貫の木のある六十の大きな町々があった。
14イドの子アヒナダブはマハナイムを産んだ。
15アヒマアツはナフタリにいた。彼もまたソロモン の娘バスマテを妻に迎えた。
16フシャイの子バアナはアシェルとアロトにいた。
17イッサカルのパルアの子ヨシャパテ:
18ベニヤミンのエラの子シムイ
19ウリの子ゲベルは、アモリ人の王シホンとバシャ ンの王オグの領地、ギレアデの地にいた。彼はその 地の唯の役人であった。
20ユダとイスラエルは海辺の砂のように多く、食べ たり飲んだりして楽しんでいた。
21ソロモンは、川からペリシテ人の地、エジプトの 国境までのすべての王国を治めた。彼らは贈り物を 持ってきて、ソロモンの生涯に仕えた。
22ソロモンの日の食料は、上等の小麦粉三十セア と、小麦粉六十セアであった。
23肥えた牛十頭、牧場の牛二十頭、羊百頭、そのほ かに雄鹿、のろじか、ダマジカ、肥えた鳥もあった。
24彼はティフサからアザに至るまで、川のこちら側 の全地域と、川のこちら側のすべての王たちを支配 し、その周囲には平和があった。
25ユダとイスラエルはソロモンの治世中、ダンから ベエル・シェバに至るまで、それぞれ自分のぶどうの 木の下、いちじくの木の下に安全に住んでいた。
26ソロモンは戦車用の馬小屋四万と騎兵万二千人 を持っていた。
27そして、これらの役人たちは、ソロモン王と、ソ ロモン王の食卓に着くすべての人々に、それぞれの 月に食物を供給した。彼らは何つ不足することは なかった。
28また、馬やらくだのための大麦やわらも、各人が 自分の担当に応じて、役人たちがいる場所に運ばれ た。
29そして神はソロモンに非常に多くの知恵と理解力、 また海辺の砂のように広い心を与えられた。
30ソロモンの知恵は東の国のすべての人々の知恵と、 エジプトのすべての知恵に勝っていた。
31彼はすべての人よりも賢く、エズラ人エタン、マ ホルの子らであるヘマン、カルコル、ダルダよりも 賢かった。彼の名声は周囲のすべての国々に広まっ ていた。
32彼は三千の箴言を語り、その歌は千五歌あった。
33そして彼は、レバノンの杉の木から、城壁から生 えているヒソプに至るまで、木々について語った。 また、獣、鳥、這うもの、魚についても語った。
34そして、すべての民のうち、ソロモンの知恵を聞 くために、彼の知恵を聞いていた地のすべての王た ちがやって来た。
第5章
1ツロの王ヒラムは家来たちをソロモンのもとに遣わ した。家来たちがソロモンに油を注いで、父に代わ って王としたと聞いていたからである。ヒラムは常 にダビデを愛していたからである。
2ソロモンはヒラムに人をやってこう言わせた。
3あなたはご存じのとおり、私の父ダビデは、周囲に 戦争が続いたため、主が彼の足の裏の下に戦争を置 かれるまで、彼の神、主の名のために家を建てるこ とができなかったのです。
4しかし今、私の神、主は、あらゆる面で私に平安を 与えて下さったので、敵も災いも起こりません。
5そして、見よ、私は私の神、主の名のために家を建 てようと決心した。主が私の父ダビデに言われたと おりである。「私があなたの代わりにあなたの王座 に座らせるあなたの息子が、私の名のために家を建 てるであろう。」
6今、あなたは彼らに命じて、レバノンから杉の木を 切り出させなさい。私の家来たちはあなたの家来た ちと共にいるでしょう。私はあなたが命じるとおり に家来たちに報酬を支払います。あなたはご存じの とおり、私たちの中にはシドン人のように木材を切 り出す技術のある者はいないのです。
7ヒラムはソロモンの言葉を聞いて大いに喜び、こう 言った。「今日、主が祝福されますように。主はこ
列王記上 の大いなる民を治める賢い子をダビデに与えてくだ さいました。」
8ヒラムはソロモンに人をやって、こう言わせた。
「私はあなたが私に頼んだことを考慮しました。杉 材と樅材に関してあなたの要求はみな聞き入れま す。」
9わたしのしもべたちがそれをレバノンから海に運び 下ろす。わたしはそれを浮き輪に乗せて海路であな たがわたしに指定する場所まで運び、そこで荷揚げ させる。あなたはそれを受け取る。あなたはわたし の望みをかなえ、わたしの家族に食物を与えなけれ ばならない。
10それでヒラムはソロモンの望みどおりに杉の木と 樅の木を与えた。
11ソロモンはヒラムに、その家族の食糧として小麦 二万セアと、純粋の油二十セアを与えた。このよう にして、ソロモンは年ごとにヒラムに与えられた。
12主は約束されたとおり、ソロモンに知恵を与えら れた。こうしてヒラムとソロモンの間には平和が訪 れ、二人は同盟を結んだ。
13ソロモン王はイスラエル全土から徴税人を徴発し た。その徴税人は三万人であった。
14彼は彼らをレバノンに派遣した。一組につき月に 一万人であった。彼らは一か月レバノンに滞在し、 二か月は国内に滞在した。アドニラムは徴税の責任 者であった。
15ソロモンには荷を運ぶ者が七万人、山で木を切り 出す者が八万人いた。
16そのほか工事を監督するソロモンの役人たちの長 は三千三百人で、工事に従事する民を統率した。
17そこで王は命じて、大きな石、高価な石、切り石 を持って来させ、宮の基礎を築かせた。
18ソロモンの建築者たちとヒラムの建築者たちはそ れを切り出し、石切り職人も石を切って、家を建て るための木材と石材を用意した。
第6章
1イスラエルの人々がエジプトの地を出てから四百八 十年目に、ソロモンがイスラエルを治めて第四年、 ジフの月、すなわち第二の月に、ソロモンは主の宮 を建て始めた。
2ソロモン王が主のために建てた宮は、長さが六十キ ュビト、幅が二十キュビト、高さが三十キュビトで あった。
3神殿の前の玄関は、神殿の幅に合わせて長さが二十 キュビト、神殿の前にあるその幅は十キュビトであ った。
4そして家のために細い明かりの窓を造った。
5彼は神殿の壁に沿って周囲に部屋を建てた。神殿と 本堂の周囲に、神殿の壁に沿って周囲に部屋を建て た。
6番下の部屋は幅五キュビト、真ん中の部屋は幅六 キュビト、三番目の部屋は幅七キュビトであった。
家の壁には周囲に狭い支柱を設けて、梁が家の壁に 固定されないようにした。
7そして、その家は、そこに運ばれる前に準備された 石で建てられていたので、家を建てている間、家の 中では槌や斧や鉄の道具の音が聞こえなかった。
8中央の部屋への扉は家の右側にあり、彼らは螺旋階 段を上って中央の部屋に入り、中央から三番目の部 屋へと出ました。
9こうして彼は家を建てて完成させ、その家を杉の梁 と板で覆った。
10それから彼は、神殿全体に高さ五キュビトの部屋 を建て、その部屋を杉材で神殿の上に建てた。
11主の言葉がソロモンに臨んだ。
12あなたが建てているこの家に関して、もしあなた がわたしの定めに歩み、わたしの裁きを行い、わた しのすべての戒めを守り、それに従って歩むならば、 わたしはあなたの父ダビデに語った言葉をあなたに 対して果たそう。
13そして、わたしはイスラエルの子らの間に住み、 わたしの民イスラエルを捨てないであろう。
14こうしてソロモンは家を建てて、それを完成させ た。
15彼は家の内側の壁を杉の板で造り、家の床と天井 の壁も杉の板で覆い、内側を木で覆い、家の床をモ ミの板で覆った。
16彼はまた、家の周囲に二十キュビトの床と壁を杉 の板で造った。また、内部にも本殿と至聖所とを造 った。
17そしてその家、すなわちその前の神殿は、長さが 四十キュビトであった。
18家の中の杉材には節や開いた花が彫られており、 すべて杉材でできていて、石はつも見当たらなか った。
19また彼は神殿の内側に聖所を設け、そこに主の契 約の箱を置いた。
20祭壇の前面にある本堂は、長さ二十キュビト、幅 二十キュビト、高さ二十キュビトであった。彼はそ れを純金で覆い、杉材の祭壇もそのように覆った。
21そこでソロモンは神殿の内側を純金で覆い、本殿 の前に金の鎖で仕切りを作り、それを金で覆った。
22彼はまた、神殿全体を金で覆い、神殿全体を完成 させた。また、本堂のそばにある祭壇全体も金で覆 った。
23また、本堂の内側にオリーブの木で作った二つの ケルビムを造り、それぞれ高さは十キュビトであっ た。
24ケルブの一方の翼は五キュビト、ケルブの他の翼 も五キュビトであった。方の翼の端から他の翼の 端までの長さは十キュビトであった。
25もうつのケルブは、長さ十キュビトであった。 二つのケルビムは同じ寸法、同じ大きさであった。
26一つのケルブの高さは十キュビトであり、他のケ ルブの高さも同じであった。
27そして彼はケルビムを宮の奥に置いた。ケルビム の翼を広げると、方のケルビムの翼は方の壁に、
列王記上
もう一方のケルビムの翼はもう一方の壁に接し、宮 の中央でそれらの翼は互いに触れ合った。
28そしてケルビムを金で覆った。
29そして彼は、家の周囲のすべての壁に、ケルビム とナツメヤシの木と開いた花の彫刻を、内側にも外 側にも施した。
30そして彼は家の床の内側と外側を金で覆った。
31また、本堂の入口のためにオリブの木の扉を造 った。まぐさおよび側柱は壁の五分のであった。
32二つの扉もオリーブの木でできていて、ケルビム とナツメヤシの木と開いた花の彫刻を施し、それを 金で覆い、ケルビムとナツメヤシの木の上にも金を 塗り付けた。
33また、神殿の入口の壁の四分のをオリブの木 の柱で作った。
34二つの扉は、もみの木でできていて、方の扉の 二つの扉は折り畳み式で、他方の扉の二つの扉も折 り畳み式であった。
35そして、その上にケルビムとナツメヤシの木と開 いた花を彫り、その彫刻の上に金をはめ込んでそれ を覆った。
36そして彼は切り石三列と杉材列で内庭を造った。
37第四年、ジフの月に主の宮の基礎が据えられた。
38そして第十一年のブル月、すなわち第八の月に、 神殿はすべての部分が、そのすべての設計通りに完 成しました。こうして彼は七年かけてそれを建てま した。
第7章
1しかしソロモンは自分の家を十三年かけて建て、そ の家全体を完成させた。
2彼はまた、レバノンの森の家を建てた。その長さは 百キュビト、幅は五十キュビト、高さは三十キュビ トで、四列の杉の柱の上にあり、柱の上には杉の梁 が組まれていた。
3そしてその上部は、列に十五本、計四十五本の柱 の上に架けられた梁の上に杉材で覆われていた。
4そして窓は三列に並んでいて、光は三列に向き合っ ていた。
5扉も柱もすべて四角で、窓も三列に並んでいて、光 が向かい合って差し込んでいた。
6また彼は柱で玄関を造った。その長さは五十キュビ ト、幅は三十キュビトであった。玄関は柱の前にあ り、他の柱と太い梁も柱の前にあった。
7それから彼は、裁きを行うための玉座のための玄関、 すなわち裁きの玄関を造った。それは床の端から端 まで杉材で覆われていた。
8彼が住んでいた家には、玄関の内側に同じような造 りの別の中庭があった。ソロモンはまた、妻として 迎えたファラオの娘のために、この玄関と同じよう な家を建てた。
9これらはすべて高価な石材でできていて、切り石の 寸法に従って鋸で挽かれ、内側も外側も土台から庇 に至るまで、また外側は大庭に向かって続いていた。
10そしてその土台は高価な石、大きな石、十キュビ トの石、八キュビトの石でできていた。
11その上には、寸法に従って切り出された高価な石 材と杉材があった。
12そしてその周囲の広い庭には、主の宮の内庭と神 殿の玄関のために、切り石が三列、杉の梁が一列に 並んでいた。
13ソロモン王は人をやってヒラムをティルスから連 れ出させた。
14彼はナフタリ族の未亡人の息子で、父はティルス 出身の青銅細工人であった。彼は知恵と理解力に満 ち、青銅のあらゆる細工に巧みに携わっていた。そ してソロモン王のもとに来て、王のあらゆる細工を 行なった。
15彼は青銅の柱二本を鋳造した。その柱はそれぞれ 高さ十八キュビトで、その周囲はそれぞれ十二キュ ビトの糸で囲まれていた。
16そして彼は、柱の頂部に取り付けるために、溶か した青銅で二つの柱頭を造った。つの柱頭の高さ は五キュビト、他のつの柱頭の高さも五キュビト であった。
17柱の頂にある柱頭には、格子細工の網と鎖細工の 飾り輪をつけた。柱頭ごとに七つ、他の柱頭にも七 つであった。
18彼は柱を造り、そのつの網の上に二列の柱頭を 造り、その頂にある柱頭をざくろで覆った。他の柱 頭にも同じようにした。
19玄関の柱の頂部の柱頭は、ユリの細工でできてい て、長さは四キュビトであった。
20二つの柱の頭頂部にも、網細工のそばの腹の反対 側に、その上にもザクロが付けられていた。また、 他の頭頂部にも、その周囲に二百個のザクロが列を なして付けられていた。
21そして彼は神殿の玄関に柱を立てた。右の柱を立 てて、その名をヤキンと名付けた。また左の柱を立 てて、その名をボアズと名付けた。
22柱の頂にはユリの花が飾られ、柱の作業はこうし て完了した。
23そして彼は鋳物の海を造った。それはつの縁か ら他の縁まで十キュビトで、周囲を囲んでいた。そ の高さは五キュビト、周囲は三十キュビトの線で囲 まれていた。
24また、その縁の下には、それを囲む節があり、 キュビトに十個あって、海の周囲を囲んでいた。そ の節は、鋳造されたとき、二列に鋳られた。
25それは十二頭の牛の上に乗っていて、三頭は北を 向き、三頭は西を向き、三頭は南を向き、三頭は東 を向いていた。海は牛たちの上に置かれ、牛たちの 後ろの部分は皆内側に向いていた。
26その厚さは手の幅で、その縁は杯の縁のように ユリの花で飾られており、その容量は二千バトであ った。
27彼はまた、青銅の台座十個を造った。台座のつ の長さは四キュビト、幅も四キュビト、高さも三キ ュビトであった。
列王記上
28台座の造りは次のようであった。台座には縁があ り、その縁は台座と台座の間にあった。
29棚板の間の縁には、ライオン、牛、ケルビムが置 かれ、棚板の上には台座があり、ライオンと牛の下 には細い細工で作られた付加物がありました。
30それぞれの台座には四つの青銅の車輪と青銅の板 があり、その四隅には台座受けが付いていた。洗盤 の下には、それぞれの台座の側面に、鋳物の台座が 付いていた。
31その口は、頭頂部の内側と上部でキュビトであ ったが、その口は台座の構造に倣って一キュビト半 の丸いものであった。また、その口の上には縁取り のある彫刻が施されていたが、それは丸ではなく四 角形であった。
32枠の下には四つの車輪があり、車輪の車軸は台座 に取り付けられていた。車輪の高さはキュビト半 であった。
33車輪の造りは戦車の車輪の造りのようであり、車 軸も、車輪の根元も、車輪の軸も、スポクも、み な鋳物であった。
34また、つの台座の四隅に四つの受け座があった。 受け座は台座そのものから出たものであった。
35台座の上部には、高さ半キュビトの円形の枠があ り、台座の上部の棚板と縁は同じ形であった。
36その棚板の板と縁には、ケルビム、ライオン、ナ ツメヤシの木をそれぞれの寸法に従って彫り、周囲 にも装飾を施した。
37彼はこのようにして十個の台座を造った。それら はすべて同じ鋳物、同じ寸法、同じ大きさであった。
38それから彼は青銅の洗盤を十個造った。つの洗 盤には四十バトが入っていた。洗盤はそれぞれ四キ ュビトであった。そして、十の台座のそれぞれに つの洗盤があった。
39彼は家の右側に台座を五つ、左側に台座を五つ置 き、家の東側の南に面して海を置いた。
40ヒラムは洗盤、十能、鉢を造った。こうしてヒラ ムは主の宮のためにソロモン王に命じたすべての工 事を終えた。
41二本の柱と、その二本の柱の頂にある柱頭の二つ の鉢と、柱の頂にある柱頭の二つの鉢を覆う二つの 網細工と、
42二つの網目織りにはザクロ四百個、つの網目織 りにはザクロが二列に並んで、柱の上にある頭頂部 の二つの鉢を覆うためであった。
43十個の台座と、その台の上の十個の洗盤と、
44一つの海と、海の下の十二頭の牛。
45また、壺、十能器、鉢、およびヒラムが主の宮の ためにソロモン王に造ったこれらの器物はすべて、 光り輝く青銅製であった。
46王はヨルダンの平野、スコテとザルタンの間の粘 土質の地にそれを造った。
47ソロモンは、その器が多すぎたので、その重さを 量らなかった。また、青銅の重さも測られなかった。
48ソロモンは主の宮に属するすべての器物を造った。 金の祭壇と供えのパンを置く金の机、
49また、純金の燭台が、本堂の前に、右側に五つ、 左側に五つ、花と、ともしびと、金の火ばさみと置 かれていた。
50また、鉢、心切りばさみ、鉢、スプーン、香炉は 純金でできており、また、至聖所である内陣の扉と、 神殿の扉のための金のちょうつがいもあった。
51こうして、ソロモン王が主の宮のために行なった すべての工事は終わった。ソロモンは父ダビデが奉 納した物、すなわち銀、金、器物を主の宮の宝物庫 に納めた。
第8章
1そこでソロモンはイスラエルの長老たちと、部族の 長たち、イスラエルの子らの父祖の長たちを、エル サレムにいるソロモン王のもとに集め、主の契約の 箱をダビデの町、すなわちシオンから運び上らせよ うとした。
2イスラエルのすべての人々は、第七の月であるエタ ニムの月の祭りにソロモン王のもとに集まった。
3イスラエルの長老たちは皆来て、祭司たちは箱を担 いだ。
4そして彼らは主の箱と会見の幕屋と幕屋にあったす べての聖なる器を運び上った。祭司たちとレビ人た ちはそれを運び上った。
5ソロモン王と彼のもとに集まったイスラエルの全会 衆は、彼とともに箱の前に立ち、数えきれないほど 多くの羊や牛を犠牲としてささげた。
6祭司たちは主の契約の箱を、その場所、神殿の本殿、 至聖所、ケルビムの翼の下に運び入れた。
7ケルビムは二つの翼を箱の場所の上に広げ、ケルビ ムは箱とその棒を上から覆った。
8そして彼らはその棒を引き抜いたので、その棒の端 は本殿の前の聖所から見えるようになり、外からは 見えなくなった。そしてそれは今日までそこに残っ ている。
9箱の中には、イスラエルの子らがエジプトの地から 出てきたとき、主が彼らと契約を結ばれたとき、モ ーセがホレブでそこに置いた二枚の石の板のほかは、 何も入っていなかった。
10祭司たちが聖所から出て来ると、雲は主の宮に満 ち、
11祭司たちは雲のために立って奉仕することができ なかった。主の栄光が主の宮に満ちていたからであ る。
12するとソロモンは言った、「主は、自分が暗い闇 の中に住むであろうと言われた。」
13わたしは確かにあなたのために住む家を建てた。 あなたが永遠に住むための定住地である。
14そこで王は顔を向けてイスラエルの全会衆を祝福 した。イスラエルの全会衆は立ち上がった。
15彼は言った、「イスラエルの神、主はほめたたえ られますように。主は口をもって私の父ダビデに語 られ、その手をもってそれを成就されました。
列王記上
16わたしがわたしの民イスラエルをエジプトから導 き出した日から、わたしはイスラエルのすべての部 族の中から、わたしの名を置くための家を建てる町 を選ばず、ただダビデをわたしの民イスラエルの上 に立てた。
17わたしの父ダビデはイスラエルの神、主の名のた めに宮を建てることを心に決めていた。
18主は私の父ダビデに言われた、「あなたは私の名 のために家を建てようと心に思い描いていたが、そ れは正しいことだった。
19しかし、あなたはその家を建ててはならない。あ なたの腰から生まれるあなたの子が、わたしの名の ためにその家を建てるであろう。
20主は約束された言葉を成就されました。私は父ダ ビデに代わって立ち上がり、主が約束されたとおり イスラエルの王座に座り、イスラエルの神、主の名 のために宮を建てました。
21そしてわたしはそこに、主がわたしたちの先祖た ちをエジプトの地から導き出されたとき、彼らと結 ばれた契約の箱を置く場所を設けた。
22ソロモンはイスラエルの全会衆の前で主の祭壇の 前に立ち、両手を天に伸べ伸べて言った。
23彼は言った、「イスラエルの神、主よ。上は天、 下は地において、あなたのような神はいません。あ なたは心を尽くしてあなたの前に歩むあなたのしも べたちと契約を守り、慈しみを施されます。
24あなたは私の父ダビデに約束されたことを守られ ました。あなたは口で約束されたことを、御手で果 たされました。今日のとおりです。
25それゆえ、イスラエルの神、主よ。どうか今、あ なたのしもべである私の父ダビデに約束されたこと を守り、イスラエルの王座に座する人が私の前に 人も欠けることはないであろうと言われたことを守 り、あなたの子孫が自分の道に気をつけて、あなた が私の前に歩まれたように、彼らも私の前に歩むよ うにしてください。
26イスラエルの神よ、どうか今、あなたのしもべで ある私の父ダビデに言われたあなたの言葉が成就し ますように。
27しかし、神はほんとうに地上に住むのでしょうか。 見よ、天も天の天もあなたをお入れすることはでき ません。ましてや、わたしが建てたこの家は、なお さらです。
28しかし、私の神、主よ。どうか、あなたのしもべ の祈りと願いを顧み、きょう、あなたのしもべがあ なたの前にささげる叫びと祈りを聞いてください。
29どうか、この家と、あなたが「わたしの名をそこ に置く」と言われた場所とに目を向けて夜も昼も見 守り、しもべがこの場所に向かってささげる祈りを 聞かれますように。
30あなたのしもべと、あなたの民イスラエルがこの 場所に向かって祈るとき、その願いに耳を傾けてく ださい。あなたの住まいである天で聞いてください。 聞いてくださったら、お赦しください。
31もし人が隣人に対して罪を犯し、その人に誓いを 課して誓わせる場合、その誓いがこの宮にあるあな たの祭壇の前に提出され、
32そのとき、あなたは天で聞いて、行い、あなたの しもべたちを裁き、悪人を罪に定めて、その行いの 報いをその頭に与え、義人を義と定めて、その義に したがって報いを与えてください。
33あなたの民イスラエルがあなたに対して罪を犯し たために敵の前に打ち負かされても、彼らはあなた に立ち返り、あなたの名を告白し、この宮であなた に祈り、願い求めるでしょう。
34そのとき、あなたは天で聞いて、あなたの民イス ラエルの罪を赦し、彼らをあなたが彼らの先祖に与 えた地に連れ戻してくださいますように。
35彼らがあなたに対して罪を犯したために、天が閉 ざされ、雨が降らないとき、あなたが彼らを苦しめ るとき、彼らがこの場所に向かって祈り、あなたの 名を告白し、その罪から離れるならば、
36そのとき、あなたは天で聞いて、あなたのしもべ たちとあなたの民イスラエルの罪を赦し、彼らに歩 むべき良い道を教え、あなたの民に相続地として与 えられたあなたの地に雨を降らせてください。
37もしその国に飢饉があったとしても、疫病、枯れ 病、白かび病、いなご、青虫があったとしても、ま た敵が彼らの町々の地で彼らを包囲したとしても、 どんな災害、どんな病気があっても、
38だれが、あるいはあなたの民イスラエルのすべて が、自分の心の悩みを知り、この宮に向かって両手 を伸べて、どんな祈りや願いをささげても、
39そのとき、あなたはあなたの住まいである天で聞 いて、赦し、行い、それぞれの人の心を知っておら れるので、それぞれの道にしたがって与えてくださ い。あなただけが、すべての人の心を知っておられ るからです。
40それは、あなたが私たちの先祖に与えてくださっ た土地に彼らが住む限り、あなたを畏れるためです。
41また、あなたの民イスラエルに属さない者で、あ なたの名のために遠い国から来る者については、
42(彼らはあなたの大いなる名と、あなたの力強い 手と、伸ばされた腕について聞くでしょう。)彼が 来て、この家に向かって祈るとき、
43あなたの住まいである天で聞いてください。異邦 人があなたに呼ぶすべてのことを行ってください。 そうすれば、地のすべての民はあなたの名を知り、 あなたの民イスラエルのようにあなたを恐れるよう になります。また、私が建てたこの家があなたの名 によって呼ばれていることを、彼らが知るようにな ります。
44もしあなたの民が敵と戦うために、あなたが彼ら を遣わす場所に出かけるとき、あなたが選んだ町と、 私があなたの名のために建てた宮に向かって主に祈 るならば、
45そのとき、あなたは天で彼らの祈りと願いを聞い て、彼らの訴えを擁護してください。
列王記上
46もし彼らがあなたに対して罪を犯し(罪を犯さな い人はいないのです)、あなたが彼らに対して怒り、 彼らを敵に引き渡し、彼らが捕虜として敵の地、遠 い地、近い地に連れて行かれるならば、
47しかし、もし彼らが捕囚されていった地で悔い改 めて、自分たちを捕囚として連れて行った者たちの 地であなたに願い求めて、「私たちは罪を犯し、よ こしまなことをし、悪事を働きました」と言うなら ば、
48こうして彼らは心を尽くし、魂を尽くして、彼ら を捕虜として連れ去った敵の土地に立ち返り、あな たが彼らの先祖に与えられた土地、あなたが選んだ 町、私があなたの名のために建てた宮に向かって、 あなたに祈るのです。
49それで、あなたは彼らの祈りと願いをあなたの住 まいである天で聞いて、彼らの訴えを擁護してくだ さい。
50あなたに対して罪を犯したあなたの民と、彼らが あなたに対して犯したすべてのそむきの罪を赦して ください。彼らを捕虜にした者たちの前で、彼らに 憐れみをかけてください。そうすれば、彼らは彼ら に同情するでしょう。
51彼らはあなたの民、あなたの相続地であり、あな たがエジプトの国、鉄の炉の中から導き出した者た ちです。
52どうか、あなたのしもべの願いと、あなたの民イ スラエルの願いにあなたの目が開かれ、彼らがあな たに呼び求めるすべてのことに耳を傾けてください ますように。
53主なる神よ、あなたは、私たちの先祖をエジプト から導き出したとき、あなたのしもべモセを通し て言われたとおり、彼らを地上のすべての民の中か ら分けて、あなたの相続地とされました。
54こうして、ソロモンは主にこのすべての祈りと願 いを捧げ終えると、両手を天に伸ばしてひざまずい ていた主の祭壇の前から立ち上がった。
55彼は立ち上がり、イスラエルの全会衆を大声で祝 福して言った。
56主は、約束されたすべてのことに従って、その民 イスラエルに安息を与えられました。主がそのしも べモーセを通して約束されたすべての良い約束は、 言も果たされませんでした。
57われらの神、主が、われらの先祖たちと共におら れたように、われらと共におられますように。われ らを見捨てず、われらを見捨てないでください。
58そうすれば、主はわたしたちの心を主に傾け、主 のすべての道に歩ませ、わたしたちの先祖に命じら れた戒めと掟と裁きとを守らせてくださるであろう。
59そして、私が主の前に祈ったこれらの私の言葉が、 昼も夜も私たちの神、主に近くあり、主がそのしも べの訴えと、その民イスラエルの訴えを、必要なと きにいつでも守ってくださいますように。
60こうして、地のすべての民は主こそ神であり、ほ かに神はないことを知るようになる。
61それゆえ、あなたがたの心は、今日のように、わ れらの神、主に対して完全にあって、その定めを歩 み、その戒めを守りなさい。
62王と彼と共にいたイスラエルの人々は皆、主の前 に犠牲を捧げた。
63ソロモンは和解の供え物として、主に牛二万二千 頭と羊十二万頭を捧げた。こうして王とイスラエル のすべての人々は主の宮を奉献した。
64その日、王は主の宮の前の庭の中央を聖別した。 そこで王は全焼のいけにえと穀物のささげ物と和解 のいけにえの脂肪をささげたからである。主の前の 青銅の祭壇は、全焼のいけにえと穀物のささげ物と 和解のいけにえの脂肪を受けるには小さすぎたから である。
65そのとき、ソロモンは、ハマトの入り口からエジ プトの川に至るまで、イスラエルのすべてと大会衆 を率いて、私たちの神、主の前で七日七日、すなわ ち十四日間、祭りを催した。
66八日目に、彼は民を解散させた。彼らは王を祝福 し、主がそのしもべダビデとその民イスラエルのた めに行われたすべての善行を心から喜び楽しみなが ら、自分たちの天幕に帰った。
1ソロモンが主の宮と王宮の建設を終え、またソロモ ンが望んだすべてのことを成し遂げたとき、
2主はギベオンでソロモンに現れたように、再びソロ モンに現れた。
3主は彼に言われた、「わたしは、あなたがわたしの 前にささげた祈りと願いを聞いた。わたしは、あな たが建てたこの家を聖別し、とこしえにわたしの名 を置く。わたしの目と心は、とこしえにそこにあ る。」
4あなたが、あなたの父ダビデが歩んだように、心の 清さと正義をもってわたしの前に歩み、わたしがあ なたに命じたすべてのことを守り、わたしの定めと 掟を守るならば、
5そのとき、わたしはあなたの父ダビデに約束したと おり、あなたの王国の王座をイスラエルの上に永遠 に堅く立てる。「イスラエルの王座に座する者は 人も絶えないであろう。」
6しかし、もしあなたがた、あるいはあなたがたの子 孫が、わたしに従うことをやめ、わたしがあなたが たに示した戒めと定めを守らず、他の神々に仕え、 それを拝むならば、
7そのとき、わたしはイスラエルをわたしが彼らに与 えた地から断ち、わたしの名のために聖別したこの 宮をわたしの前から投げ捨てる。イスラエルはすべ ての民の中で、ことわざとなり、笑いものとなる。
8この高い宮では、そこを通る者は皆驚いて、あざ笑 い、こう言うであろう。「なぜ主はこの地とこの宮 にこのようなことをなさったのか。」
9彼らは答えて言うであろう、『彼らは先祖たちをエ ジプトの地から導き出された神、主を捨てて、ほか
列王記上 の神々につかえて拝み、それに仕えたので、主は彼 らにこのすべての災いをもたらしたのです。』
10ソロモンが主の宮と王の宮という二つの家を建て 終えて二十年が経ったとき、
11(ツロの王ヒラムはソロモンの望みどおりに、杉 や樅の木、金などを彼に与えたので、ソロモン王は ヒラムにガリラヤ地方の二十の町を与えた。)
12ヒラムはソロモンから与えられた町々を見るため にティルスから出てきたが、それらは彼に気に入ら なかった。
13彼は言った、「兄弟よ、あなたが私に与えたこれ らの町々は何ですか。」そして彼は今日までそれを カブルの地と呼んでいる。
14ヒラムは金六十タラントを王に送った。
15ソロモン王が徴税した理由は次のとおりである。
主の宮と自分の宮とミロとエルサレムの城壁とハツ ォルとメギドとゲゼルを建てるためであった。
16エジプトの王ファラオが進軍してゲゼルを攻め取 り、火で焼き払い、その町に住んでいたカナン人を 殺し、それをソロモンの妻である自分の娘に贈り物 として与えたからである。
17ソロモンはゲゼルとベテホロンの下を建て、
18バアラテとタドモルは荒野の地にあり、
19ソロモンが持っていたすべての倉庫都市、戦車の 都市、騎兵の都市、およびソロモンがエルサレムと レバノンとその領土全体に建てようとしたすべての もの。
20そして、イスラエルの子孫ではないアモリ人、ヘ テ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の残りのすべて の民は、
21イスラエルの子孫が滅ぼしつくすことのできなか った、その地に彼らの後に残った子孫に対して、ソ ロモンは今日まで奴隷としての貢物を課している。
22しかし、ソロモンはイスラエルの子らを奴隷とは しなかった。彼らは軍人、家来、首長、隊長、戦車 の指揮官、騎兵であった。
23これらはソロモンの工事を監督する役人たちの長 たちで、五百五十人であり、工事に従事する民を統 率した。
24しかしファラオの娘はダビデの町から、ソロモン が彼女のために建てた家に上って来た。そこでソロ モンはミロを建てた。
25ソロモンは年に三度、主のために築いた祭壇の上 で燔祭と和解の祭壇をささげ、主の前にある祭壇の 上で香をたいた。こうして彼は神殿を完成させた。
26ソロモン王は、エドムの地の紅海の岸、エロテの 近くにあるエツヨン・ゲベルに艦隊を編成した。
27ヒラムは、海に精通した船乗りである自分の家臣 たちを、ソロモンの家臣たちと共に海軍に派遣した。
28彼らはオフィルに到着し、そこから金四百二十タ ラントを取ってソロモン王に届けた。
第10章
1シェバの女王は主の名に関するソロモンの評判を聞 いて、難しい質問で彼を試すためにやって来た。
2彼女は、香料や多くの金や宝石を積んだらくだに大 勢の従者を従え、エルサレムに着いた。そしてソロ モンのもとに到着すると、心にあることをことごと く打ち明けた。
3ソロモンは彼女のすべての疑問に答えた。王が彼女 に告げなかったことは何一つなかった。
4シェバの女王はソロモンの知恵と、彼が建てた家と を見て、
5彼の食卓の食物、彼の家来たちの着席、彼の大臣た ちの出勤、彼らの衣服、彼の献酌官たち、そして彼 が主の宮に上る階段。彼女の中には、もはや元気が なかった。
6彼女は王に言った。「私の国であなたの行いと知恵 について聞いた話は真実でした。
7しかし、わたしは来て、自分の目でそれを見るまで は、その言葉を信じませんでした。そして見よ、そ の半分もわたしに告げられていなかった。あなたの 知恵と繁栄は、わたしが聞いていた評判をはるかに 超えています。
8あなたの民は幸いです。あなたの前に常に立ち、あ なたの知恵を聞くこれらのあなたのしもべたちは幸 いです。
9あなたの神、主がほめたたえられますように。主は あなたを喜び、イスラエルの王座に就けられました。 主はとこしえにイスラエルを愛して、公正と正義を 行うためにあなたを王とされたのです。
10彼女は金百二十タラントと非常に多くの香料と宝 石を王に贈った。シバの女王がソロモン王に贈った ものほどの豊富な香料は二度と来なかった。
11また、オフィルから金を運んできたヒラムの艦隊 は、オフィルから大量のアルモグの木と宝石も運ん できた。
12王はアーモンドの木で主の宮と王宮の柱を造り、 また歌うたいのための立琴と琴も作った。今日まで、 そのようなアーモンドの木は現れず、また見られな かった。
13ソロモン王は、シバの女王が求めるものは何でも、 ソロモンが王の恩恵から与えたもののほかに、すべ て与えた。そこで女王は家来たちと共に故郷へ帰っ て行った。
14さて、一年間にソロモンに届いた金の重さは六百 六十六タラントであった。
15そのほかに、彼は商人、香料商人の取引、アラビ アのすべての王たち、およびその国の総督たちから も財産を得ていた。
16ソロモン王は延べ金の垂板二百枚を作った。垂板 一枚に六百シェケルの金が使われた。
17そして彼は延金の盾三百枚を作った。盾枚に三 斤の金が使われた。王はそれをレバノンの森の宮殿 に置いた。
列王記上
18さらに王は象牙で大きな王座を作り、それを最高 級の金で覆った。
19王座には六つの段があり、王座の上部は後ろで丸 くなっていた。また、座る場所の両側には支柱があ り、支柱のそばに二頭のライオンが立っていた。
20そして、六つの階段の両側には十二頭のライオン が立っていた。どの王国にもこのようなものは造ら れていなかった。
21ソロモン王の酒器はすべて金で、レバノンの森の 家の器もすべて純金で、銀製のものはつもなかっ た。ソロモンの時代には銀は珍重されなかった。
22というのは、王は海にヒラムの艦隊とともにタル シシュの艦隊を持っていたからである。タルシシュ の艦隊は三年に度、金、銀、象牙、猿、孔雀を運 んで来ていた。
23こうしてソロモン王は、富と知恵において地上の すべての王に勝った。
24そして全地の人々は、神がソロモンの心に授けた 知恵を聞こうとして、彼に尋ねた。
25彼らはそれぞれ贈り物として、銀の器、金の器、 衣服、武具、香料、馬、ラバを、年ごとに定められ た割合で携えて来た。
26ソロモンは戦車と騎兵を集め、千四百の戦車と一 万二千人の騎兵を擁し、これを戦車として町々に与 え、またエルサレムの王のもとにも与えた。
27王はエルサレムで銀を石のように多くし、杉を谷 間のいちじく桑の木のように多くした。
28ソロモンはエジプトから馬と亜麻糸を連れて来た。
王の商人たちは代金を支払って亜麻糸を受け取った。
29そして、戦車台は銀六百シェケル、馬頭は百 五十シェケルでエジプトから運び出された。そして、 彼らはヘテ人のすべての王たちとシリアの王たちの ために、そのようにしてエジプトから運び出した。
第11章
1しかしソロモン王は、ファラオの娘のほかに、モア ブ人、アンモン人、エドム人、シドン人、ヘテ人の 女など、多くの異国の女を愛した。
2主がイスラエルの子らに言われた、「あなたたちは 彼らのところに入ってはならない。彼らもあなたた ちのところに入ってはならない。彼らは必ずあなた たちの心をそらして彼らの神々に従わせるからであ る。」ソロモンはこれらの国々を愛した。
3彼には七百人の王女たちの妻と三百人の側室がいた。 そして彼の妻たちは彼の心をそらした。
4ソロモンが年老いてから、彼の妻たちが彼の心を他 の神々に向かわせたので、彼の心は父ダビデの心の ように、彼の神、主に対して完全ではなくなった。
5ソロモンはシドン人の女神アシュタロテと、アンモ ン人の忌まわしい神ミルコムに従ったからである。
6ソロモンは主の目に悪とされることを行い、父ダビ デのように主に従いませんでした。
7そこでソロモンは、エルサレムの前の丘に、モアブ の忌まわしい神ケモシュと、アンモン人の忌まわし い神モレクのために高き所を築いた。
8彼は他の女たちにも同様に行なったので、女たちは 自分たちの神々に香をたき、犠牲をささげた。
9主はソロモンに怒られた。ソロモンの心がイスラエ ルの神、主から離れていったからである。主は彼に 二度現れた。
10このことに関して、主は彼に、ほかの神々に従っ てはならないと命じておられたが、彼は主の命じた ことを守らなかった。
11それゆえ、主はソロモンに言われた、「お前がこ のようなことをし、わたしが命じた契約と掟を守ら なかったので、わたしは必ず王国をお前から引き裂 いて、それをお前のしもべに与える。」
12しかし、あなたの時代には、わたしはあなたの父 ダビデのためにそれを行わず、あなたの子の手から それを引き裂くであろう。
13しかし、わたしは王国を全部裂き分けることはし ない。わたしのしもべダビデのため、またわたしが 選んだエルサレムのために、つの部族をあなたの 子に与えるであろう。
14主はソロモンに敵対する者、エドム人ハダドを起 こされた。彼はエドムの王家の血筋であった。
15ダビデがエドムにいたとき、軍の長ヨアブはエド ムのすべての男を殺した後、殺された者を埋葬する ために上って行った。
16(ヨアブはイスラエル全土と共に六ヶ月間そこに 留まり、エドムのすべての男子を滅ぼした。)
17ハダドは父の召使いの何人かのエドム人とともに エジプトへ逃げた。ハダドはまだ幼かった。
18彼らはミディアンから立ち上がってパランに着き、 パランから人々を率いてエジプトに行き、エジプト の王パロのもとへ行った。パロは彼に家を与え、食 物を与え、また土地を与えた。
19ハダドはファラオの目に大いに気に入られたので、 ファラオは自分の妻の妹、すなわち王妃タフペネス の妹をハダドに妻として与えた。
20タフペネスの妹は彼に息子ゲヌバトを産み、タフ ペネスはその子をファラオの宮殿で乳離れさせた。 ゲヌバトはファラオの宮殿でファラオの息子たちの 人となった。
21ハダドはエジプトで、ダビデがその先祖たちと共 に眠り、軍の長ヨアブが死んだことを聞くと、ファ ラオに言った。「私を去らせてください。私は自分 の国へ帰りたいのです。」
22そこでファラオは彼に言った。「しかし、あなた は自分の国へ帰ろうとするが、私に何が足りないの か。」彼は答えた。「何もありません。しかし、と にかく私を行かせてください。」
23神はまた、もう人の敵、エリアダの子レゾンを 奮い立たせた。彼はツォバの王ハダデゼルの許から 逃げてきた者であった。
列王記上
24ダビデがツォバの人々を殺したとき、彼は人々を 集めて部隊の指揮官となり、彼らはダマスコに行き、 そこに住んで、ダマスコを統治した。
25ハダドはソロモンの生涯を通じてイスラエルに敵 対し、ハダドの行った悪事のほかにもイスラエルを 憎み、シリアを統治した。
26ソロモンの奴隷であった、ツェレダのエフラタ人 ネバトの子ヤロブアムは、ゼルアという名の未亡人 であったが、王に対して手を挙げた。
27そしてこれが彼が王に対して手を上げたことの原 因であった。ソロモンはミロを建て直し、父ダビデ の町の破壊箇所を修復した。
28ヤロブアムという人は勇敢な人であった。ソロモ ンはその若者が勤勉であるのを見て、彼をヨセフの 家のすべての務めをつかさどる管理者とした。
29ヤロブアムがエルサレムを出たとき、シロ人預言 者アヒヤが道で彼に出会った。アヒヤは新しい衣を まとい、二人だけで野原にいた。
30アヒヤは着ていた新しい衣服をつかみ、それを十 二切れに引き裂いた。
31彼はヤロブアムに言った、「十切れを取りなさい。 イスラエルの神、主はこう言われる。『見よ、わた しはソロモンの手から王国を裂き、十部族をあなた に与える。
32(しかし、彼はわたしのしもべダビデのために、 またわたしがイスラエルのすべての部族の中から選 んだ町エルサレムのために、つの部族を持つであ ろう。)
33彼らはわたしを捨てて、シドン人の女神アシュタ ロテ、モアブ人の神ケモシュ、およびアンモン人の 神ミルコムを拝み、わたしの目に正しいと見えるこ とを行い、父ダビデのようにわたしの道に歩まず、 わたしの掟と裁きを守らなかったからである。
34しかし、わたしは王国のすべてを彼の手から取り 去ることはしない。わたしのしもべダビデはわたし の戒めと定めを守ったので、わたしが選んだダビデ のゆえに、彼を生君主とする。
35しかし、わたしは王国を彼の子の手から取り去り、 それを十部族としてあなたに与える。
36わたしは彼の子に一つの部族を与える。それはわ たしのしもべダビデが、わたしの名を置くためにわ たしが選んだ町エルサレムで、わたしの前に常に光 明を持つためである。
37そして、わたしはあなたを連れて行き、あなたは あなたの魂が望むとおりに統治し、イスラエルの王 となるであろう。
38もしあなたが、わたしが命じるすべてのことに聞 き従い、わたしの道に歩み、わたしの目にかなうこ とを行い、わたしのしもべダビデがしたように、わ たしの定めと戒めを守るならば、わたしはあなたと ともにいて、ダビデのために建てたように、あなた のためにも堅固な家を建て、イスラエルをあなたに 与えるであろう。
39そして、わたしはこのゆえにダビデの子孫を苦し める。しかし、それは永久に続くものではない。
40そこでソロモンはヤロブアムを殺そうとした。ヤ ロブアムは立ち上がってエジプトの王シシャクのも とへ逃げ、ソロモンが死ぬまでエジプトに留まった。
41ソロモンのその他の事績と、彼が行ったすべての 事、および彼の知恵は、ソロモンの事績の書に記さ れているではないか。
42ソロモンがエルサレムで全イスラエルを統治した 期間は四十年であった。
43ソロモンは先祖たちと共に眠り、父ダビデの町に 葬られ、その子レハブアムが彼に代わって王となっ た。
第12章
1そしてレハブアムはシケムへ行った。イスラエルの 全員が彼を王にするためにシケムに集まっていたか らである。
2エジプトにまだいたネバテの子ヤロブアムは、この ことを聞いた。ヤロブアムはソロモン王の前から逃 げ、エジプトに住んでいたからである。
3そこで彼らは人をやってレハブアムを招き、ヤロブ アムとイスラエルの全会衆が来てレハブアムに言っ た。
4あなたの父はわたしたちのくびきを重くしました。 それゆえ、今、あなたの父の重労働と、わたしたち に負わせた重いくびきを軽くしてください。そうす れば、わたしたちはあなたに仕えます。
5そこで彼は彼らに言った、「三日ほど出発して、そ れからまた私のところに来なさい」。そこで民は出 発した。
6レハブアム王は父ソロモンがまだ生きていたころ、 彼の前に立っていた年長者たちと相談して言った、 「あなたたちは、この民にどう答えたらよいと思い ますか」。
7彼らは彼に言った、「もしあなたが、きょう、この 民の奴隷となり、彼らに仕え、彼らに答え、彼らに 良い言葉を語るならば、彼らはいつまでもあなたの 奴隷となるでしょう。
8しかし彼は、老人たちが彼に与えた助言を捨て、彼 と共に成長し、彼の前に立っていた若者たちと相談 した。
9そこで彼は彼らに言った、「この民はわたしに、 『父がわたしたちに負わせたくびきを軽くしてくだ さい』と言っているが、わたしたちに何と答えたら よいか、あなたがたは助言を与えてほしい」。
10彼とともに成長した若者たちは彼に言った、「あ なたに『あなたの父はわたしたちのくびきを重くし ましたが、あなたはわたしたちのためにそれを軽く してください』と言ったこの民にこう言いなさい。 『わたしの小指は父の腰よりも太くなります』と言 いなさい」。
11父があなたたちに重い軛を負わせたように、わた しはあなたたちの軛をさらに重くする。父があなた たちを鞭で懲らしめたように、わたしはサソリであ なたたちを懲らしめる。
列王記上
12そこでヤロブアムとすべての民は、王が「三日目 にまた私の所に来なさい」と命じたとおり、三日目 にレハベアムの所に来た。
13王は民に厳しく答え、老人たちが王に与えた助言 を無視した。
14若者たちの助言に従って彼らに言った、「わたし の父はあなたがたのくびきを重くしたが、わたしは あなたがたのくびきをさらに重くする。わたしの父 はむちであなたがたを懲らしめたが、わたしはサソ リであなたがたを懲らしめる。」
15それゆえ、王は民の言うことに耳を傾けなかった。 それは主がシロ人アヒヤを通してネバテの子ヤロブ アムに告げられた言葉を王が実行するためであった からである。
16イスラエルの民は皆、王が彼らの言うことを聞か ないのを見て、王に答えて言った。「ダビデに我々 の受け継ぐものは何でしょう。エッサイの子に我々 の受け継ぐものは何もありません。イスラエルよ、 あなたの天幕へ行きなさい。ダビデよ、今、あなた の家のことをしなさい。」こうしてイスラエルは天 幕へ去って行った。
17しかし、ユダの町々に住んでいたイスラエルの子 らについては、レハブアムが彼らを治めた。
18そこでレハブアム王は貢物管理官アドラムを遣わ したが、イスラエルの人々は皆彼を石打ちにして殺 した。そこでレハブアム王は急いでアドラムを戦車 に乗せ、エルサレムへ逃げようとした。
19こうしてイスラエルはダビデの家に対して今日ま で反抗し続けている。
20イスラエルの人々は皆、ヤロブアムが戻ってきた ことを聞くと、人をやって彼を会衆に招き、イスラ エル全体の王とした。ダビデの家に従う者はなく、 ただユダ族だけであった。
21レハブアムはエルサレムに着くと、ユダの全家と ベニヤミン族から選ばれた戦士十八万人を集め、イ スラエルの家と戦わせて、王国をソロモンの子レハ ブアムに取り戻すことを企てた。
22しかし神の言葉は神の人シェマヤに臨んで言った、
23ユダの王ソロモンの子レハブアムと、ユダとベニ ヤミンの全家、および残りの民に告げて言いなさい。
24主はこう言われる。「あなたたちは上って行って、 兄弟であるイスラエルの人々と戦ってはならない。 それぞれ自分の家に帰りなさい。これはわたしから 出たことだ。」そこで彼らは主の言葉に従い、主の 言葉のとおりに出発しようとして帰った。
25そこでヤロブアムはエフライムの山地にシケムを 建ててそこに住み、そこから出てペヌエルを建てた。
26ヤロブアムは心の中で言った。「今や王国はダビ デの家に戻るだろう。
27もしこの民がエルサレムの主の宮に犠牲をささげ るために上って行くならば、この民の心は彼らの主 君、ユダの王レハブアムのもとに戻り、彼らは私を 殺し、再びユダの王レハブアムのところへ帰るであ ろう。
28そこで王は相談して、金の子牛二頭を造り、彼ら に言った。「エルサレムへ上るのは、あなたたちに は遠すぎる。イスラエルよ、あなたたちをエジプト の国から導き上ったあなたたちの神々を見なさ い。」
29そして彼はその一つをベテルに置き、もう一つを ダンに置いた。
30そして、このことは罪となった。民はダンにまで 行って、そのひとりの前に礼拝したからである。
31そして彼は高き所の宮を造り、レビの子孫でない 民のうちの最も身分の低い者を祭司とした。
32ヤロブアムは、ユダの祭りに倣って、八月の十五 日に祭りを定め、祭壇でいけにえをささげた。また、 ベテルでも同じように、造った子牛にいけにえをさ さげ、造った高き所の祭司たちをベテルに置いた。
33こうして彼は、自分の心に定めた月の八月の十五 日に、ベテルに造った祭壇の上でいけにえをささげ、 イスラエルの人々のために祭りを定めた。そして彼 は祭壇の上でいけにえをささげ、香をたいた。
第13章
1すると、主の言葉によって、神の人がユダからベテ ルに来た。ヤロブアムは祭壇のそばに立って香を焚 いていた。
2彼は主の言葉によって祭壇に向かって叫んで言った、 「祭壇よ、祭壇よ、主はこう言われる。見よ、ダビ デの家にヨシヤという名の子が生まれる。彼はあな たのために高き所の祭司たちを供え、あなたのため に香をたき、人々の骨をあなたの上で焼くであろ う。」
3彼はその日、しるしを出して言った、「これは主が 言われたしるしである。見よ、祭壇が裂けて、その 上の灰が注ぎ出されるであろう」。
4ヤロブアム王は、ベテルの祭壇に向かって叫んでい た神の人の言葉を聞いて、祭壇から手を伸ばし、 「彼を捕えよ」と言った。しかし、彼に向かって伸 ばした手は枯れてしまい、再び引き寄せることがで きなかった。
5祭壇も裂け、灰が祭壇からあふれ出た。神の人が主 の言葉によって示したしるしのとおりであった。
6王は神の人に答えて言った。「どうか、あなたの神、 主の御前に祈って、私の手が元通りになるように祈 ってください。」神の人は主に願い求めたので、王 の手は元通りになり、以前のように回復した。
7王は神の人に言った。「私と緒に家に来て、休息 を取りなさい。報酬を与えよう。」
8神の人は王に言った、「もしあなたが私に家の半分 をくださっても、私はあなたと緒に行きません。 この場所ではパンも食べず、水も飲みません。
9主の言葉はわたしに命じて言われた。「パンを食べ てはならない。水も飲んではならない。また来た道 を引き返してはならない。」
10そこで彼は別の道へ行き、ベテルに来た道を通っ ては戻らなかった。
列王記上
11さて、ベテルに年老いた預言者が住んでいた。そ の息子たちが来て、神の人がその日ベテルで行った すべての業を彼に告げた。彼が王に語った言葉を彼 らは父にも告げた。
12父は彼らに言った。「彼はどの道を通って行った のか。息子たちは、ユダから来た神の人がどの道を 通って行ったかを見ていたからである。」
13そこで彼は息子たちに言った。「ろばに鞍を置 け。」そこで彼らはろばに鞍を置き、彼はそれに乗 って出発した。
14そこで、彼は神の人の後を追って行き、樫の木の 下に座っている彼を見つけた。そして彼に言った、 「あなたはユダから来た神の人ですか。」彼は答え た、「そうです。」
15そこでイエスは彼に言われた。「私と緒に家に 来て、パンを食べなさい。」
16彼は言った、「わたしはあなたと一緒に帰ること も、あなたと一緒に入ることもできません。また、 この場所であなたと緒にパンを食べることも、水 を飲むこともできません。
17主の言葉によってわたしにこう告げられたからで す。「あなたはそこでパンを食べてはならない。水 も飲んではならない。また、もと来た道を引き返し てはならない。」
18彼は言った。「わたしもあなたと同じ預言者です。
御使いが主の言葉によってわたしに告げて、『彼を あなたの家に連れて帰り、パンを食べさせ、水を飲 ませなさい』と言ったのです。」しかし、彼は偽り を言ったのです。
19そこで彼は彼と緒に帰って、彼の家でパンを食 べ、水を飲んだ。
20彼らが食卓に着いているとき、彼を連れ戻した預 言者に主の言葉が臨んだ。
21彼はユダから来た神の人に叫んで言った、「主は こう仰せられる。『あなたは主の口に聞き従わず、 あなたの神、主が命じられた戒めを守らなかった。
22しかし、あなたは帰って来て、主があなたに言わ れた場所でパンを食べ、水を飲んだ。『パンを食べ てはならない、水も飲んではならない。あなたの死 骸はあなたの先祖の墓に持って行ってはならな い。』
23こうして彼はパンを食べ、水を飲んだ後、連れ帰 った預言者のために、ろばに鞍を置いた。
24彼が出て行くと、道でライオンが彼に出会い、彼 を殺した。その死骸は道に投げ出され、ロバもその そばに立ち、ライオンも死骸のそばに立っていた。
25すると、通りかかった人々が、道に捨てられた死 体と、その死体のそばに立っているライオンとを見 て、その老預言者の住んでいた町にそのことを告げ た。
26彼を道から連れ戻した預言者はそれを聞いて言っ た、「それは神の人であり、主の言葉に従わなかっ た。それで主は彼を獅子に引き渡し、獅子は彼を引 き裂いて殺した。主が彼に告げられた言葉のとおり である」。
27そこで彼は息子たちに言った、「ろばに鞍を置 け」。そこで彼らはろばに鞍を置いた。
28彼が行って見ると、その死骸は道に捨てられてお り、ろばとライオンがその死骸のそばに立っていた。 ライオンは死骸を食べず、ろばを引き裂いてもいな かった。
29そこで預言者は神の人の死体を取り上げ、ろばに 乗せて連れて帰りました。そして年老いた預言者は 町に帰って、彼を悼んで埋葬しました。
30そして彼は自分の墓にその死体を埋葬した。人々 は彼のために嘆き悲しんで言った。「ああ、わが兄 弟よ!」
31彼を葬った後、彼は息子たちに言った、「私が死 んだら、神の人が葬られている墓に私を葬り、私の 骨を彼の骨のそばに置いておいてください。
32彼が主の言葉によってベテルの祭壇とサマリアの 町々にあるすべての高き所の神殿に向かって叫んだ 言葉は、必ず成就するからである。
33この後も、ヤロブアムは悪の道から立ち返らず、 民のうちの最も身分の低い者を再び高き所の祭司に 任命し、望む者を聖別して高き所の祭司のひとりと した。
34そして、このことはヤロブアムの家にとって罪と なり、それを断ち、地の面から滅ぼすこととなった。
第14章
1そのころ、ヤロブアムの子アビヤが病気になった。
2ヤロブアムは妻に言った。「立って、ヤロブアムの 妻であることが知られないように身を隠し、シロへ 行きなさい。見よ、私がこの民の王となることを私 に告げた預言者アヒヤがそこにいる。」
3パン十個と、砕いたパンと、蜂蜜一びんとを持って 彼のところに行きなさい。彼はその子がどうなるか をあなたに告げるでしょう。
4ヤロブアムの妻はそうして立ち上がり、シロへ行き、 アヒヤの家に着いた。しかし、アヒヤは老齢のため に目が固くなっていたので、何も見えなかった。
5主はアヒヤに言われた、「見よ、ヤロブアムの妻が、 その子のためにあなたに何かを願いに来る。その子 は病気なのだから。あなたは彼女にこう言いなさい。 彼女が来るとき、彼女は他の女のふりをするであろ う。」
6アヒヤは、彼女が戸口から入ってくる足音を聞いて、 こう言った。「ヤロブアムの妻よ、お入りなさい。 なぜ他人のふりをするのか。私は重い知らせをあな たに伝えに来たのだ。」
7行ってヤロブアムに告げよ。イスラエルの神、主は こう言われる。「わたしはあなたを民の中から高く 上げ、わたしの民イスラエルの君主とした。
8わたしはダビデの家から王国を引き裂いて、それを あなたに与えた。しかしあなたは、わたしのしもべ ダビデのようではなかった。ダビデはわたしの戒め を守り、心を尽くしてわたしに従い、わたしの目に 正しいと見えることだけを行った。
列王記上
9しかし、あなたは、あなた以前のすべての者よりも 悪事を行なった。あなたは、わたしを怒らせるため に、他の神々や鋳像を造り、わたしをあなたの背後 に投げ捨てたのだ。
10それゆえ、見よ、わたしはヤロブアムの家に災い をもたらし、壁に小便をする者と、イスラエルの中 に閉じ込められて残されている者をヤロブアムから 断ち、人が糞尿を取り去るように、ヤロブアムの家 の残りの者をことごとく取り去って、すべてなくし てしまう。
11ヤロブアムの子が町で死ぬと、犬がそれを食べ、 野で死ぬと、空の鳥がそれを食べる。主がそう言わ れたからだ。
12それゆえ、あなたは立って自分の家へ行きなさい。 あなたが町に入るとき、その子は死ぬであろう。
13イスラエルの人々は皆、彼のために悲しみ、彼を 葬るであろう。ヤロブアムの家には、イスラエルの 神、主に対する良い行いが彼に見出されたからであ る。
14主はイスラエルの上に彼を王として立て、その日、 ヤロブアムの家を滅ぼされるであろう。しかし、そ れは今である。
15主は、水の中で揺らめく葦のように、イスラエル を打たれ、主が彼らの先祖に与えられたこの良い地 からイスラエルを根こそぎにし、川の向こうに散ら されるであろう。なぜなら、彼らはアシラ像を造っ て、主の怒りを買ったからである。
16彼は罪を犯し、またイスラエルに罪を犯させたヤ ロブアムの罪のために、イスラエルを捨てるであろ う。
17ヤロブアムの妻は立って出て行き、ティルツァに 着いた。彼女が戸口の敷居に着いたとき、その子は 死んだ。
18彼らは彼を葬り、主がそのしもべである預言者ア ヒヤを通して告げられた言葉のとおり、全イスラエ ルが彼のために嘆き悲しんだ。
19ヤロブアムのその他の事績、彼がいかに戦い、い かに統治したかは、イスラエルの王たちの年代記に 記されている。
20ヤロブアムが王位にあった期間は22年であった。 彼は先祖たちと共に眠り、その子ナダブが彼に代わ って王となった。
21ソロモンの子レハブアムはユダで王位に就いた。
レハブアムは王位に就いた時四十歳で、主が彼の 名を置くためにイスラエルのすべての部族の中から 選ばれたエルサレムで十七年間王位に就いた。彼の 母はアンモン人ナアマといった。
22ユダは主の目に悪とされることを行ない、先祖た ちが行ったすべてのことに加えて、彼らが犯した罪 によって主のねたみを起こさせた。
23彼らはまた、あらゆる高い丘の上や、あらゆる 青々とした木の下に、高き所や、像や、アシラ像を 建てた。
24また、その国には男色を行う者もおり、彼らは主 がイスラエルの人々の前から追い払われた諸国の民 のすべての忌まわしい行いを行っていた。
25レハブアム王の治世の第五年に、エジプトの王シ シャクがエルサレムに攻め上って来た。
26彼は主の宮の宝物と王宮の宝物とをことごとく奪 い去り、またソロモンが造った金の盾もことごとく 奪い去った。
27レハブアム王はそれらの盾の代わりに青銅の盾を 作り、それを王宮の門を守る衛兵の長の手に渡した。
28王が主の宮に入ると、衛兵は彼らを運び、衛兵の 部屋へ連れ戻した。
29レハブアムのその他の事績と、彼が行ったすべて の事は、ユダの王たちの年代記に記されているでは ないか。
30レハベアムとヤロブアムの間には生涯にわたって 戦争が続いた。
31レハブアムは先祖たちと共に眠り、ダビデの町に 先祖たちと共に葬られた。彼の母はアンモン人ナア マといった。彼の息子アビヤムが彼に代わって王と なった。
第15章
1さて、ネバトの子ヤロブアム王の第十八年に、アビ ヤムがユダを治めた。
2彼はエルサレムで三年間王位に就いた。彼の母はア ビシャロムの娘で、名をマアカといった。
3彼は父が先に犯したすべての罪を歩み、父ダビデの 心のように、彼の心は神である主に対して完全では なかった。
4しかし、ダビデのために、彼の神、主はエルサレム にともしびを与え、彼の後に彼の息子を立てさせ、 エルサレムを堅く立たせられた。
5ダビデは主の目にかなうことを行い、ヘテ人ウリヤ の事を除いては、生涯主が命じられたすべての事に そむかなかったからである。
6レハブアムとヤロブアムの間には、彼の生涯を通じ て戦争が続いた。
7アビヤムのその他の事績、彼が行ったすべての事は、 ユダの王たちの年代記に記されているではないか。 アビヤムとヤロブアムの間には戦争が起こった。
8アビヤムは先祖たちと共に眠り、ダビデの町に葬ら れた。その子アサが彼に代わって王となった。
9イスラエルの王ヤロブアムの治世の第二十年に、ア サがユダを治めた。
10彼はエルサレムで四十年の間、王位についた。 彼の母はアビシャロムの娘で、名をマアカといった。
11アサは父ダビデと同じように、主の目にかなうこ とを行った。
12そして彼は男色行為者を国から追放し、先祖が造 った偶像をすべて取り除いた。
13また、アサは母マアカを王妃の地位から退けた。 彼女がアシラ山に偶像を造ったからである。アサは
列王記上 その偶像を破壊し、キデロン川のほとりでそれを焼 き払った。
14しかし高き所は取り除かれなかった。それにもか かわらず、アサの心は生涯、主に対して完全であっ た。
15彼は父が奉納した物と、彼自身が奉納した物、銀、 金、器物を主の宮に携え入れた。
16アサとイスラエルの王バシャとの間には生涯にわ たって戦争が続いた。
17イスラエルの王バアシャはユダに攻め上ってきて、 ラマを築き、ユダの王アサの許に誰も出入りできな いようにした。
18そこでアサは主の宮の宝物庫と王宮の宝物庫に残 っていたすべての銀と金を取り、家臣の手に渡した。 そしてアサ王はそれをダマスコに住むアラムの王、 ヘジオンの子タブリモンの子ベンハダデに遣わして 言った。
19わたしとあなたの間に、またわたしの父とあなた の父との間にも契約が結ばれています。見よ、わた しは銀と金の贈り物をあなたに送りました。さあ、 イスラエルの王バシャとの契約を破棄し、彼をわた しのもとから去らせなさい。
20そこでベネハダデはアサ王の言うことを聞き入れ、 軍の長たちをイスラエルの町々に遣わし、イヨン、 ダン、アベルベトマアカ、キネロテ全土、およびナ フタリの全土を撃ち破った。
21バアシャはそれを聞いて、ラマの建設をやめ、テ ィルツァに住んだ。
22そこでアサ王はユダ全土に布告を出し、一人たり とも免除されなかった。彼らはバアシャがラマを建 てるのに使った石材や木材を運び出し、アサ王はそ れを使ってベニヤミンのゲバとミツパを建てた。
23アサのその他の事績、彼のすべての武勇、彼が行 ったすべての事、彼が建てた町々は、ユダの王たち の年代記に記されているではないか。しかし、彼は 老齢になって足に病を患った。
24アサは先祖たちと共に眠り、父ダビデの町に先祖 たちと共に葬られ、その子ヨシャパテが彼に代わっ て王となった。
25ヤロブアムの子ナダブはユダの王アサの治世の第 二年にイスラエルを治め始め、二年間イスラエルを 治めた。
26彼は主の目に悪とされることを行ない、父の道に 歩み、父がイスラエルに犯させた罪を犯し続けた。
27イッサカルの家のアヒヤの子バアシャは彼に対し て陰謀を企て、ペリシテ人の所有であったギベトン で彼を撃った。ナダブと全イスラエルがギベトンを 包囲していたからである。
28ユダの王アサの治世の第三年に、バアシャはアサ を殺し、彼に代わって王となった。
29彼が王位に就くと、彼はヤロブアムの全家を撃ち、 息のある者を一人もヤロブアムに残さず、ついには 彼を滅ぼし尽くした。これは主がそのしもべ、シロ 人アヒヤを通して告げられた言葉のとおりであった。
30これはヤロブアムが犯した罪と、イスラエルに犯 させた罪のためであり、彼が挑発してイスラエルの 神、主を怒らせたからである。
31ナダブのその他の事績と、彼が行ったすべての事 は、イスラエルの王たちの年代記に記されているで はないか。
32アサとイスラエルの王バシャとの間には生涯にわ たって戦争が続いた。
33ユダの王アサの治世の第三年に、アヒヤの子バシ ャがティルツァで全イスラエルを治め始め、二十四 年間統治した。
34彼は主の目に悪とされることを行ない、ヤロブア ムの道に歩み、ヤロブアムがイスラエルに犯させた 罪を犯した。
第16章
1そのとき、主の言葉がハナニの子エヒウに臨み、バ シャに対してこう言った。
2わたしはあなたをちりの中から引き上げて、わたし の民イスラエルの君としたが、あなたはヤロブアム の道を歩み、わたしの民イスラエルに罪を犯させ、 その罪によってわたしの怒りを起こさせた。
3見よ、わたしはバアシャの子孫とその家の子孫を滅 ぼし、あなたの家をネバテの子ヤロブアムの家のよ うになる。
4バシャによって町で死ぬ者は犬に食べられ、バシャ によって野で死ぬ者は空の鳥に食べられる。
5バアシャのその他の事績と、彼が行った事およびそ の武勇は、イスラエルの王たちの年代記に記されて いるではないか。
6こうしてバアシャは先祖たちと共に眠り、ティルツ ァに葬られ、その子エラが彼に代わって王となった。
7また、ハナニの子預言者エヒウの手によって、主の 言葉がバアシャとその家に対して伝えられた。それ は、バアシャが主の目の前に悪事を行い、自分の手 で作った物で主を怒らせ、ヤロブアムの家のように なって、主がバアシャを殺したからである。
8ユダの王アサの治世の第二十六年に、バアシャの子 エラがティルツァでイスラエルを二年間統治した。
9彼の家臣で戦車の半数の隊長であったジムリは、彼 がティルツァにいた時、ティルツァの家令アルザの 家で酒を飲んで酔っていたので、彼に対して陰謀を 企てた。
10ジムリは入って行って彼を撃ち殺し、ユダの王ア サの治世の第二十七年に彼に代わって王となった。
11そして彼が王位に就くと、すぐにバアシャの家の 者全員を殺し、親族や友人など、壁に向かって小便 をする者は人も残さなかった。
12こうしてジムリはバシャの家をことごとく滅ぼし た。これは主が預言者エヒウを通してバシャに告げ られた言葉のとおりであった。
13バシャとその子エラの罪、すなわち彼らが犯した 罪と、イスラエルに罪を犯させた罪のゆえに、彼ら
列王記上
はその虚栄心でイスラエルの神、主の怒りを招いた のである。
14エラのその他の事績と、彼が行ったすべての事は、 イスラエルの王たちの年代記に記されているではな いか。
15ユダの王アサの治世第二十七年に、ジムリはティ ルツァで七日間王位に就いた。民はペリシテ人の所 有地ギベトンに向かって陣を敷いていた。
16陣営にいた民は、「ジムリが陰謀を企てて王を殺 した」という知らせを聞いた。そこで全イスラエル は、その日陣営で軍の長オムリをイスラエルの王と した。
17オムリは全イスラエルを率いてギベトンから進軍 し、ティルツァを包囲した。
18ジムリは町が陥落したのを見て、王宮の宮殿に入 り、王宮を火で焼き払って死んだ。
19彼は主の目に悪とされることを行ない、ヤロブア ムの道を歩み、イスラエルに罪を犯させようとした 罪を犯したからである。
20ジムリのその他の事績と、彼が犯した反逆は、イ スラエルの王たちの年代記に記されているではない か。
21そのとき、イスラエルの民は二つに分かれた。民 の半分はギナトの子ティブニに従って王となり、残 りの半分はオムリに従った。
22しかしオムリに従った民はギナトの子ティブニに 従った民に勝利した。こうしてティブニは死に、オ ムリが王となった。
23ユダの王アサの治世の第三十一年に、オムリがイ スラエルを治め始めた。その期間は十二年であり、 そのうち六年間はティルツァで統治した。
24彼は銀二タラントでシェメルからサマリアの山地 を買い、その山の上に町を建て、その町の名を、そ の山の所有者シェメルの名にちなんでサマリアと名 付けた。
25しかしオムリは主の目に悪とされることを行ない、 彼以前のすべての者たちよりも悪いことを行なった。
26彼はネバテの子ヤロブアムの道にすべて歩み、ヤ ロブアムがイスラエルに罪を犯させたその罪を犯し、 その虚栄心によってイスラエルの神、主の怒りを招 いたからである。
27オムリのその他の事績と、彼が示した力は、イス ラエルの王たちの年代記に記されているではないか。
28こうしてオムリは先祖たちと共に眠り、サマリア に葬られ、その子アハブが彼に代わって王となった。
29ユダの王アサの治世の第三十八年に、オムリの子 アハブがイスラエルを治め始めた。オムリの子アハ ブはサマリアで二十二年間イスラエルを治めた。
30オムリの子アハブは、彼以前のすべての者よりも 主の目に悪を行なった。
31そして、ネバテの子ヤロブアムの罪を犯すことが 彼にとって軽いことであったかのように、彼はシド ン人の王エトバアルの娘イゼベルを妻に迎え、バア ルに仕え、これを拝んだ。
32そして彼はサマリアに建てたバアルの宮の中にバ アルのための祭壇を築いた。
33アハブはアシラ像を造った。アハブは彼以前のイ スラエルの王たちよりも、イスラエルの神、主の怒 りを買った。
34ベテル人ヒエルは彼の時代にエリコを建てた。彼 は長子アビラムにその基礎を据えさせ、末子セグブ にその門を建てさせた。主がヌンの子ヨシュアを通 して告げられた言葉のとおりであった。
第17章
1ギレアデの住民であったティシュベ人エリヤはアハ ブに言った。「わたしの立っているイスラエルの神、 主は生きておられる。わたしの言葉のとおりでなけ れば、この数年間は露も雨も降らないだろう。」
2主の言葉が彼に臨んだ。
3ここから出て、東に向きを変え、ヨルダン川の前の ケリテ川のほとりに身を隠せ。
4そして、あなたは小川の水を飲み、わたしはカラス にそこであなたに餌を与えるように命じた。
5彼は行って主の言葉どおりに行い、ヨルダン川の前 のケリテ川のほとりに住んだ。
6そしてカラスは朝にパンと肉を彼に運び、夕方にも パンと肉を運んできた。そして彼は小川の水を飲ん だ。
7そして、しばらくして、その地に雨が降らなかった ため、川は干上がってしまいました。
8主の言葉が彼に臨んだ。
9立って、シドンに属するザレパテへ行き、そこに住 みなさい。見よ、わたしはそこのやもめにあなたを 養うように命じた。
10そこで彼は立ってザレパテへ行き、町の門に着く と、そこにやもめが薪を集めていたので、彼は彼女 に呼びかけて言った。「お願いです。器に少し水を 入れて持ってきてください。飲みたいのです。」
11彼女がそれを取りに行こうとしたとき、イエスは 彼女を呼び寄せて言った。「どうぞ、手にパン一切 れを持って来てください。」
12彼女は言った、「あなたの神、主は生きておられ ます。私にはパンつもありません。ただ、樽の中 に握りの粉と、壺の中に少しの油があるだけです。 今、私は薪を二本集めて、家に入って私と息子のた めにそれを調理し、それを食べて死のうと思ってい ます。」
13エリヤは彼女に言った。「恐れることはない。行 って、あなたの言ったとおりにしなさい。しかし、 まずそのパンでわたしのために小さなパンを焼いて、 わたしのところに持って来なさい。その後で、あな たとあなたの息子のために焼きなさい。」
14イスラエルの神、主はこう言われる。「主が地に 雨を降らせる日まで、粉の入ったかめは空にならず、 油の入った壺も空にならない。」
列王記上
15彼女は行って、エリヤの言葉どおりにした。そし て彼女とエリヤと彼女の家族は、何日間も食事をし た。
16主がエリヤを通して言われた言葉のとおり、かめ の粉は尽きず、つぼの油も尽きなかった。
17これらの事の後、その家の女主人の息子が病気に なった。その病気はひどく、息が全く残っていなか った。
18彼女はエリヤに言った。「神の人よ、わたしとあ なたとになんの係わりがあるのですか。わたしの罪 を思い出させ、わたしの息子を殺すために来たので すか。
19そこで彼は彼女に言った。「あなたの息子を私に ください。」そして彼はその子を彼女の懐から取り 出し、屋根裏部屋へ運び上げ、そこに寝かせ、自分 の寝床の上に寝かせた。
20彼は主に叫んで言った、「わが神、主よ、あなた は私が寄留しているこの未亡人にも災いを下し、そ の息子を殺されたのですか。
21彼は三度その子の上に身を伏せて主に叫んで言っ た。「わが神、主よ、どうかこの子の魂を彼の中に 戻してください。」
22主はエリヤの声を聞かれた。すると、その子の魂 は再び彼の中に戻り、彼は生き返った。
23エリヤはその子を連れて、部屋から家の中へ連れ 下り、その母に渡した。そしてエリヤは言った、 「見なさい。あなたの息子は生きています。」
24すると女はエリヤに言った。「これで私はあなた が神の人であることと、あなたの口にある主の言葉 が真実であることを知りました。」
第18章
1多くの日が過ぎて、三年目に主の言葉がエリヤに臨 んで言った、「行って、アハブに姿を見せなさい。 わたしは地に雨を降らせよう」。
2エリヤはアハブに姿を現すために出かけた。サマリ アにはひどい飢饉があった。
3そこでアハブは家のつかさであったオバデヤを召し 入れた。オバデヤは主を大いに恐れていた。
4イゼベルが主の預言者たちを殺したとき、オバデヤ は百人の預言者を連れて行き、彼らを五十人ずつ洞 窟に隠し、パンと水で養った。
5アハブはオバデヤに言った。「国中に行き、すべて の水の源とすべての小川に行ってみなさい。もしか したら草が見つかるかもしれない。そうすれば馬や ラバを生かして、すべての家畜を失わずに済むだろ う。」
6そこで彼らは、その土地を自分たちで分けて、そこ を巡って行った。アハブは一人で一方の道を行き、 オバデヤは一人で別の道を行った。
7オバデヤが道を歩いていると、エリヤが彼に出会っ た。オバデヤはエリヤだとわかり、ひれ伏して言っ た、「あなたは私の主エリヤですか」。
8エリヤは答えた。「そうです。行って、あなたの主 にこう言いなさい。『見よ、エリヤがここにいま す』」
9彼は言った、「わたしがどんな罪を犯したので、し もべをアハブの手に引き渡して殺させようとするの ですか。
10あなたの神、主は生きておられます。私の主人が あなたを捜すために人をつかわさなかった国民、王 国はありません。人々が「そこにはいません」と言 ったとき、主人はその国と国民に、あなたを見つけ られなかったと誓いを立てました。
11そして今、あなたは、「行って、あなたの主に告 げよ。見よ、エリヤはここにいる」と言うのです。
12私があなたから去るとすぐに、主の霊があなたを 私の知らない所へ連れて行くでしょう。私が行って アハブに告げても、彼があなたを見つけられなけれ ば、彼は私を殺すでしょう。しかし、私はあなたの しもべとして、若い時から主を畏れ敬っています。
13イゼベルが主の預言者たちを殺したとき、私が主 の預言者百人を五十人ずつ洞窟に隠し、パンと水で 養ったことは、主君に告げられていませんか。
14そして今、あなたは言う、『行って、あなたの主 人に告げなさい。見よ、エリヤがここにいる。そし て彼は私を殺すだろう。』
15エリヤは言った。「わたしの立っている万軍の主 は生きておられる。わたしは、きょう、必ず主に自 分を現そう。」
16そこでオバデヤはアハブに会いに行き、彼に告げ た。そしてアハブはエリヤに会いに行った。
17アハブはエリヤを見ると、彼に言った、「あなた はイスラエルを悩ます者か。」
18彼は答えた、「わたしがイスラエルを悩ませたの ではない。ただ、あなたとあなたの父の家を悩ませ たのは、あなたがたが主の戒めを捨てて、バアルに 従ったことである」。
19それゆえ、今、人をやってイスラエルのすべてを カルメル山に集めさせなさい。また、イゼベルの食 卓で食事をするバアルの預言者四百五十人とアシラ 山の預言者四百人をも集めさせなさい。
20そこでアハブはイスラエルのすべての子らに人を 遣わし、預言者たちをカルメル山に集めた。
21エリヤはすべての民のところに来て言った。「い つまで二つの考えの間で迷っているのですか。主が 神であるなら、主に従いなさい。バアルであるなら、 バアルに従いなさい。」民は彼に言も答えなかっ た。
22するとエリヤは民に言った。「主の預言者はわた し人だけだ。しかしバアルの預言者は四百五十人 いる。」
23それゆえ、彼らに雄牛二頭を与えさせ、頭を自 分たちで選ばせ、それを切り裂いて、たきぎの上に 載せ、火をつけないようにさせなさい。私はもう一 頭の雄牛を料理して、たきぎの上に載せ、火をつけ ないようにします。
列王記上
24あなたがたはあなたがたの神々の名を呼びなさい。 わたしは主の名を呼びます。火をもって答える神こ そ、神です。」民は皆答えて言った。「それは結構 なことです。」
25エリヤはバアルの預言者たちに言った。「あなた たちのために雄牛一頭を選び、まずそれを料理しな さい。あなたたちは数が多いからです。そしてあな たたちの神々の名を呼びなさい。しかし、火を消し てはなりません。」
26彼らは与えられた雄牛を取り、それを整え、朝か ら昼までバアルの名を呼び、「バアルよ、私たちの 声を聞き入れてください」と叫んだ。しかし、何の 声も、答える者もいなかった。彼らは築かれた祭壇 に飛び乗った。
27昼になると、エリヤは彼らをあざ笑って言った。 「大声で呼ばわりなさい。彼は神だ。話しているの か、追いかけているのか、旅の途中なのか、あるい は眠っていて、起こしてもらわなければならないの かもしれない。」
28彼らは大声で叫び、いつものようにナイフやメス で自分の体を傷つけたので、血が噴き出しました。
29そして、昼が過ぎて、夕べの供え物をささげる時 まで、彼らは預言を続けたが、声もなく、答える者 もなく、注意を払う者もいなかった。
30エリヤはすべての民に言った、「わたしに近づき なさい」。民は皆エリヤに近づき、エリヤは主の祭 壇の崩れた部分を修復した。
31エリヤは、主の言葉がヤコブの子孫の部族の数に したがって、十二の石を取りました。「あなたの名 はイスラエルとなる。」
32そして彼は主の名のために石で祭壇を築き、祭壇 の周囲に種二セアを入れるほどの大きさの溝を掘っ た。
33彼はたきぎを並べ、雄牛を切り分けてたきぎの上 に載せ、こう言った。「四つの桶に水を満たし、そ れを全焼のいけにえとたきぎの上に注ぎなさい。」
34そこで彼は言った、「二度目にそれをしなさい」。 彼らは二度目にそれをした。また彼は言った、「三 度目にそれをしなさい」。彼らは三度目にそれをし た。
35そして水は祭壇の周囲を流れ、溝にも水を満たし た。
36夕べの供え物を献げるころ、預言者エリヤが近づ いて来て言った。「アブラハム、イサク、イスラエ ルの神、主よ。イスラエルでは、あなたが神であら れ、私があなたのしもべであり、あなたの言葉に従 って、これらすべてのことを行ったことが、今日、 明らかになりますように。」
37主よ、私の言うことを聞いてください。私の言う ことを聞いてください。そうすれば、この民は、あ なたが主なる神であり、あなたが彼らの心を立ち返 らせたことを知ります。
38すると主の火が下って、全焼のいけにえと、木と 石と塵を焼き尽くし、溝の水をなめ尽くした。
39民は皆これを見てひれ伏し、「主こそ神である。 主こそ神である」と言った。
40エリヤは彼らに言った。「バアルの預言者たちを 捕らえよ。人も逃がしてはならない。」彼らは彼 らを捕らえ、エリヤは彼らをキション川に連れて行 き、そこで殺した。
41エリヤはアハブに言った。「起きて、食べたり飲 んだりしなさい。大雨の音が聞こえている。」
42そこでアハブは食べたり飲んだりするために上っ て行った。エリヤはカルメル山の頂に登り、地面に ひれ伏して顔を膝の間に入れた。
43そして、しもべに言った。「さあ、上って行って、 海の方を見なさい。」しもべは上って行って見て、 「何もありません」と言った。そこでしもべは、 「七度行きなさい」と言った。
44七度目に、彼は言った。「見よ、人の手ほどの小 さな雲が海から立ち上っている。」そして彼は言っ た。「上って行ってアハブに言いなさい。『戦車を 整え、降りて行きなさい。雨があなたを妨げないよ うにしなさい。』」
45その間、天は雲と風で黒くなり、大雨が降った。 アハブは馬に乗ってイズレエルへ向かった。
46主の手がエリヤの上にあったので、彼は腰を帯で 締め、アハブの前からイズレエルの入口まで走って 行った。
第19章
1アハブはエリヤがしたこと、また彼がすべての預言 者を剣で殺したことをすべてイゼベルに告げた。
2そこでイゼベルは使者をエリヤにつかわして言った。 「もし私が明日の今ごろまでに、あなたの命を彼ら のひとりの命のようにしないならば、神々が私にそ れ以上の罰を与えてくださいますように。」
3彼はそれを見て、立ち上がり、命からがら逃げ出し、 ユダのベエル・シェバへ行き、そこに僕を残して行き ました。
4しかし彼は荒野へ一日分の道のりを行き、いのしし の木の下に座り、自ら死ぬことを願って言った。 「もう十分です。主よ、今、私の命を取り去ってく ださい。私は先祖たちにまさる者ではありませ ん。」
5そして彼がねずみの木の下に横たわって眠っていた とき、見よ、天使が彼に触れて言った、「起きて食 べなさい。」
6彼が見ると、炭火で焼いたパンと、頭のところに水 の入った壺があった。彼はそれを食べて飲んでから、 再び横になった。
7主の使いは再び来て、彼に触れて言った。「起きて 食べなさい。旅路はあなたにとって長すぎるので す。」
8彼は起きて食べたり飲んだりし、その食物の力で四 十日四十夜、神の山ホレブまで歩き続けた。
列王記上
9そこで彼はそこの洞穴に行き、そこに宿った。する と、主の言葉が彼に臨み、主は彼に言われた、「エ リヤよ、ここで何をしているのか」。
10彼は言った、「私は万軍の主なる神のために、非 常に熱心でした。イスラエルの人々があなたとの契 約を捨て、あなたの祭壇を破壊し、あなたの預言者 たちを剣で殺し、私だけが残されました。彼らは私 の命を狙って、奪おうとしています。」
11彼は言った。「出て行き、山の上で主の前に立ち なさい。すると見よ、主が通り過ぎられた。すると 主の前で、大いなる強い風が山々を裂き、岩を砕い た。しかし、主は風の中におられなかった。風の後 に地震が起こったが、地震の中にも主はおられなか った。
12地震の後に火が起こった。しかし、主はその火の 中にはおられなかった。火の後に静かな細い声が聞 こえた。
13エリヤはこれを聞くと、顔を外套で覆い、出て行 って、洞穴の入り口に立った。すると、彼に声が聞 こえて言った。「エリヤよ、ここで何をしているの か。」
14彼は言った、「私は万軍の主なる神のために非常 にねたみを抱いています。イスラエルの人々があな たとの契約を捨て、あなたの祭壇を破壊し、あなた の預言者たちを剣で殺し、私だけが残ったのに、彼 らは私の命を狙って、それを奪おうとしているから です。」
15主は彼に言われた、「行って、ダマスコの荒野へ 戻りなさい。そして、あなたが着いたら、ハザエル に油を注いでアラムの王としなさい。
16あなたはニムシの子エヒウに油を注いでイスラエ ルの王とし、アベル・メホラのシャファトの子エリシ ャに油を注いであなたに代わって預言者とするであ ろう。
17ハザエルの剣を逃れる者をエヒウが殺し、エヒウ の剣を逃れる者をエリシャが殺すであろう。
18しかし、わたしはイスラエルのうちに七千人を残 す。彼らは皆、バアルにひざまずかず、バアルに口 づけをしなかった者である。
19そこで彼はそこから出発し、シャファトの子エリ シャを見つけた。エリシャは十二くびきの牛を引い て彼の前で耕作しており、エリヤもその十二くびき を引いて耕作していた。エリヤは彼のそばを通り過 ぎ、外套を彼に投げかけた。
20彼は牛を残さず、エリヤの後を追って走り、「ど うぞ、父と母に口づけさせてください。それから、 あなたに従ってまいります」と言った。するとエリ ヤは言った。「戻って行きなさい。私はあなたに何 をしたというのですか。」
21彼はエリヤのもとから戻って来て、くびきの牛 を取り、それを屠り、牛の道具でその肉を煮て民に 与えたので、彼らは食べた。それから彼は立ち上が り、エリヤに従って行き、彼に仕えた。
第20章
1シリアの王ベネハダデは全軍を集めた。彼と共に三 十二人の王がおり、馬と戦車もいた。彼は進軍して サマリアを包囲し、これと戦った。
2彼はイスラエルの王アハブに使者を町に遣わして言 った、「ベネハダドはこう言います。
3あなたの銀、あなたの金は私のものであり、あなた の妻たち、あなたの子供たちの最も美しい者も私の ものである。
4イスラエルの王は答えて言った、「わが主君、王よ、 あなたのおっしゃるとおり、わたしとわたしの持ち 物はすべてあなたのものです。
5使者たちは帰って来て言った、「ベネハダデはこう 言っています、『わたしはあなたに人をつかわして、 『あなたの銀、あなたの金、あなたの妻子をわたし に引き渡せ』と伝えましたが、
6しかし、わたしは明日の今ごろ、わたしの家来たち をあなたのところにつかわします。彼らはあなたの 家と、あなたの家来たちの家とを捜索し、あなたの 目にかなうものはすべて、手に取って持ち去るでし ょう。
7そこでイスラエルの王は国中の長老たちを皆召して 言った。「よく見て、この男がいかに悪事を企んで いるか見なさい。彼は私の妻や子供たち、また金銀 を要求して私のもとに人を遣わしたが、私はそれを 拒まなかった。」
8すると、すべての長老たちとすべての民は彼に言っ た、「彼に耳を傾けてはならない。また、同意して はならない。」
9そこで彼はベネハダデの使者たちに言った。「王様、 わが主君にお伝えください。あなたが最初にしもべ に命じられたことは、すべて私がいたします。しか し、この事はできません。」使者たちは立ち去って、 彼に知らせを報告した。
10ベネハダデは彼に人をやって言った。「もしサマ リアの土が、私に従うすべての民に、手に杯ずつ 与えるのに十分な量となるならば、神々は私にそれ 以上の罰を与えてくださいますように。」
11イスラエルの王は答えて言った。「彼に言いなさ い。『武具を帯びている者は、それを脱いだ者のよ うに誇ってはならない。
12ベネハダデは、王たちと天幕で酒を飲んでいたと き、この知らせを聞いて、家臣たちに「備えをせ よ」と命じた。そこで彼らは町に向かって備えを固 めた。
13すると、ひとりの預言者がイスラエルの王アハブ のもとに来て言った。「主はこう仰せられる。『あ なたはこの大軍を全部ご覧になったか。見よ、わた しはきょう、これをあなたの手に引き渡す。そして あなたは、わたしが主であることを知るようにな る。』
14アハブは尋ねた。「だれが?」彼は言った。「主 はこう仰せられます。『地方の長官たちの若者たち
列王記上 が』」。そして彼は言った。「だれが戦いを指揮す べきか?」彼は答えた。「あなたです。」
15そこで彼は各州の首長たちの若者を数えたところ、 二百三十二人であった。次に、すべての民、すなわ ちイスラエルのすべての人々を数えたところ、七千 人であった。
16彼らは正午に出て行ったが、ベネハダドは天幕で 酒を飲み、彼と彼を助ける三十二人の王たちは酔っ ていた。
17そこで、各州の長官たちの若者たちが最初に出て 行き、ベネハダデは人をつかわして、サマリアから 人々が出てきましたと告げさせた。
18そして彼は言った、「彼らが平和のために出てき たとしても、彼らを生け捕りにしろ。あるいは、彼 らが戦いのために出てきたとしても、彼らを生け捕 りにしろ。」
19こうして、各州の長官たちの若者たちと、彼らに 従う軍隊が町から出てきた。
20彼らはそれぞれ自分の部下を殺したので、アリア 軍は逃げ、イスラエル軍はこれを追った。アリアの 王ベネハダデは騎兵とともに馬に乗って逃げた。
21イスラエルの王は出陣し、馬と戦車を打ち破り、 シリア人を大いに殺した。
22預言者はイスラエルの王のもとに来て言った。 「行って、勇気を出し、よく考えて、あなたが何を するか考えなさい。年が明けると、スリヤの王があ なたに攻めてくるからです。」
23スリヤの王の家臣たちは王に言った、「彼らの 神々は山の神々です。ですから、彼らは我々よりも 強かったのです。しかし、我々は平地で彼らと戦っ てみましょう。そうすれば、きっと我々が彼らより も強くなるでしょう。」
24また、次の事を行いなさい。王たちを、おのおの その地位から退け、将軍たちをその地位に就け。
25あなた方が失った軍隊と同じように、馬一頭、戦 車台ずつ軍隊を数えなさい。そして平地で彼らと 戦いましょう。きっと我々の方が彼らより強いでし ょう。彼は彼らの声に耳を傾け、そのようにした。
26年が明けると、ベネハダドはアラム人を数え、イ スラエルと戦うためにアフェクに上って行った。
27イスラエルの人々は数えられ、皆そこにいて、彼 らに立ち向かった。イスラエルの人々は、二つの小 さな子やぎの群れのように、彼らの前に陣取ったが、 アラム軍はその国土を満たした。
28すると、ひとりの神の人が来て、イスラエルの王 に言った、「主はこう仰せられる。『アラム人が、 『主は山の神であるが、谷の神ではない』と言って いるから、わたしはこの大軍を全部あなたの手に引 き渡す。そうすれば、わたしが主であることを、あ なたがたは知るようになる。
29彼らは七日間、互いに向かい合って陣を敷いた。 こうして七日目に戦いが始まり、イスラエルの人々 は日でアラム軍の歩兵十万人を殺した。
30しかし残りの者たちはアフェクの町に逃げ込んだ。 そこで城壁が崩れ落ち、残った二万七千人の兵士が 倒れた。ベネハダデは逃げて町の奥の部屋に入った。
31家来たちは彼に言った、「イスラエルの家の王た ちは慈悲深い王であると聞いています。どうぞ、腰 に荒布をまとい、頭に縄をかけて、イスラエルの王 のもとへ出かけましょう。もしかしたら王はあなた の命を救ってくれるかもしれません」。
32そこで彼らは腰に荒布を巻き、頭に縄をかけ、イ スラエルの王のもとへ行って言った。「あなたのし もべベネハダデが、『どうか私を生かしてくださ い』と申し上げています。」王は言った。「彼はま だ生きているのですか。彼は私の兄弟なのです。」
33人々は彼から何か出てくるのではないかと注意深 く見張り、急いでそれを捕まえて言った。「あなた の兄弟ベネハダドです。」すると彼は言った。「行 って連れて来なさい。」ベネハダドは彼のもとに出 て来て、彼を戦車に乗せた。
34ベネハダデは彼に言った。「私の父があなたの父 から奪った町々を、私が返します。私の父がサマリ アに作ったように、あなたもダマスコに街路を造ら なければなりません。」するとアハブは言った。 「私はこの契約をもってあなたを去らせます。」こ うして彼は彼と契約を結び、彼を送り返した。
35預言者の子らのひとりが、主の言葉によって隣人 に言った。「どうか私を打ってください。」しかし、 その人は打つことを拒んだ。
36そこで彼は言った。「あなたは主の声に聞き従わ なかった。見よ、あなたがわたしから離れて行くと、 すぐに獅子があなたを殺すであろう。」そして彼が 離れて行くと、獅子が彼を見つけて殺した。
37それから彼は別の男に会って言った、「お願いで す、私を打ってください」。すると男は彼を打ち、 打ったので傷を負わせた。
38そこで預言者は出発し、道中で王を待ち、顔に灰 を塗って変装した。
39王が通りかかったとき、彼は王に叫んだ。王は言 った、「しもべが戦いの真っ只中に出て行ったとこ ろ、ひとりの人が道に逸れて、ひとりの人を私のと ころに連れて来て言った、『この人を守ってくださ い。もし彼がいなくなったら、あなたの命で彼の命 を補わなければなりません。さもなければ、銀タ ラントを払わなければなりません』」。
40しもべはあちこち忙しくしていたので、出て行っ てしまったのです。イスラエルの王は彼に言いまし た。「あなたの裁きはこうなります。あなた自身が それを決めたのです。」
41彼は急いで顔から灰を取り除いた。イスラエルの 王は彼が預言者の人であることを知った。
42彼は言った、「主はこう仰せられる。『私が完全 に滅ぼそうと定めた人を、あなたはあなたの手から 放したので、あなたの命はその人の命の代わりにな り、あなたの民はその人の民の代わりになる。
43イスラエルの王は悲しみと不満を抱えて家に帰り、 サマリアへ行った。
列王記上
第21章
1これらの事の後、イズレエル人ナボテは、サマリア の王アハブの宮殿のすぐ近くのイズレエルにぶどう 園を持っていた。
2アハブはナボテに言った、「あなたのぶどう畑を私 にください。それは私の家に近いので、野菜畑にし たいのです。その代わりに、それよりも良いぶどう 畑を与えましょう。あるいは、あなたが良ければ、 それに相当する金銭を与えましょう」。
3ナボテはアハブに言った。「わたしの先祖の相続地 をあなたに与えることは、主がわたしに禁じておら れるのです。」
4アハブは、イズレエル人ナボテが彼に言った「わた しは先祖の嗣業をあなたに与えない」という言葉に 憤慨し、家に帰った。彼は寝床に横たわり、顔を背 け、パンも食べようとしなかった。
5ところが、彼の妻イゼベルが彼のもとに来て言った、 「あなたはなぜ、そんなに悲しんでパンも食べない のですか。
6彼は彼女に言った、「わたしはイズレエル人ナボテ に、『あなたのぶどう畑を金でください。あるいは、 あなたがよろしければ、その代わりに別のぶどう畑 を与えましょう』と言ったのに、ナボテは、『わた しのぶどう畑は与えません』と答えたからです。
7妻イゼベルは彼に言った。「あなたは今、イスラエ ルの王国を治めているのですか。起きて、パンを食 べ、楽しく過ごしなさい。私はあなたにイズレエル 人ナボテのぶどう畑を与えましょう。」
8そこで彼女はアハブの名で手紙を書き、彼の印章で 封をして、その手紙をナボテと共に住んでいるアハ ブの町の長老たちや貴族たちに送った。
9彼女は手紙に書き送って言った。「断食を布告し、 ナボテを民の中で高い地位に立たせなさい。
10そして、ベリアルの子ら二人を彼の前に立たせ、 彼に対して証言させ、「あなたは神と王を冒涜しま した」と言わせた。そして彼を連れ出し、石で打ち 殺せ。
11そして、その町の人々、すなわちその町の住民で ある長老たちや貴族たちは、イゼベルが彼らに送っ た言葉と、彼女が彼らに送った手紙に書かれていた とおりに行なった。
12彼らは断食を布告し、ナボテを民の中の高い所に 立たせた。
13すると、ベリアルの子ら二人が来て、ナボテの前 に座った。ベリアルの子らは民の前で、ナボテ、す なわちナボテに不利な証言をした。「ナボテは神と 王を冒涜した」と。そして彼らはナボテを町の外に 連れ出し、石で打ち殺した。
14そこで彼らはイゼベルに人をやって、「ナボテは 石打ちになって死んだ」と伝えさせた。
15イゼベルはナボテが石打ちになって死んだことを 聞くと、アハブに言った。「立って、イズレエル人 ナボテのぶどう畑を手に入れなさい。彼はそれを金
であなたに与えることを拒否したのです。ナボテは 生きていない、死んだのです。」
16ナボテが死んだことを聞くと、アハブは立ち上が ってイズレエル人ナボテのぶどう畑へ下って行き、 それを占領しようとした。
17主の言葉がティシュベ人エリヤに臨んだ。
18立って、サマリアにいるイスラエルの王アハブに 会いに下って行きなさい。見よ、彼はナボテのぶど う畑にいて、そこを占領するために下って来たのだ。
19あなたは彼に言いなさい、『主はこう仰せられる。 「あなたは人を殺し、さらにそれを占領したの か。』また彼に言いなさい、『主はこう仰せられる。 「犬がナボテの血をなめた場所で、あなたの血も犬 がなめるであろう。
20アハブはエリヤに言った。「敵よ、私を見つけた のか。」エリヤは答えた。「私はあなたを見つけた。 あなたは主の目の前に悪を行うことに身を売ったか らだ。」
21見よ、わたしはあなたに災いをもたらし、あなた の子孫を滅ぼし、壁に小便をする者と、イスラエル に閉じ込められて残された者をアハブから断ち切る。
22あなたはわたしを怒らせ、イスラエルに罪を犯さ せたので、あなたの家をネバテの子ヤロブアムの家、 アヒヤの子バアシャの家のようにするであろう。
23主はイゼベルについても言われた、「イズレエル の城壁のそばで、犬がイゼベルを食らうであろう」。
24アハブに属する者が町で死ぬと、犬がそれを食べ、 野で死ぬと、空の鳥がそれを食べるであろう。
25しかし、アハブのように、主の目の前に悪を行う ことに身を売った者はいなかった。アハブの妻イゼ ベルが彼をそそのかしたのである。
26彼は偶像崇拝において、主がイスラエルの人々の 前から追い払われたアモリ人と同じように、非常に 忌まわしい行為を行った。
27アハブはこれらの言葉を聞くと、衣服を引き裂き、 荒布を体にまとい、断食し、荒布を着て横たわり、 静かに歩いて行った。
28主の言葉がティシュベ人エリヤに臨んだ。
29あなたはアハブがわたしの前にへりくだっている のを見たか。彼がわたしの前にへりくだっているか ら、わたしは彼の時代には災いを下さない。しかし、 彼の息子の時代には、彼の家に災いを下すであろう。
第22章
1そして、シリアとイスラエルの間には三年間戦争が 起こらなかった。
2そして三年目に、ユダの王ヨシャパテがイスラエル の王のもとに下って来た。
3イスラエルの王は家来たちに言った、「ギレアデの ラモテは我々の所有であるのに、我々は黙って、そ れをスリヤの王の手から取り戻さないのか。
4彼はヨシャパテに言った、「あなたは私と共にラモ テ・ギレアデの戦いに行きますでしょうか」。ヨシャ パテはイスラエルの王に言った、「私はあなたと同
列王記上 じであり、私の民はあなたの民と同じであり、私の 馬はあなたの馬と同じです。」
5ヨシャパテはイスラエルの王に言った。「どうぞ、 主が今日言われた言葉を調べてください。」
6そこでイスラエルの王は、預言者たち四百人ほどを 集めて彼らに言った。「ラモテ・ギレアデに戦いに行 くべきか、それとも控えるべきか。」彼らは言った。 「行きなさい。主はそれを王の手に渡されるでしょ う。」
7ヨシャパテは言った。「ここにはほかに主の預言者 がおられないのか。彼に尋ねてみなさい。」
8イスラエルの王はヨシャパテに言った。「イムラの 子ミカヤという人がまだ人います。彼を通して主 に伺いを立てることができます。しかし私は彼を憎 んでいます。彼は私について良い預言をせず、悪い 預言をするからです。」ヨシャパテは言った。「王 はそう仰せになりませんように。」
9そこでイスラエルの王は役人を呼び寄せて言った。 「イムラの子ミカヤを急いでここへ来させよ。」
10イスラエルの王とユダの王ヨシャパテは、それぞ れ衣をまとって、サマリアの門の入口の空き地で自 分の王座に座り、預言者たちは皆彼らの前で預言し ていた。
11ケナアナの子ゼデキヤは鉄の角を造り、言った。 「主はこう仰せられる。『あなたはこれらの角でア ラム人を押し、彼らを滅ぼしつくすであろう。』
12預言者たちは皆預言して言った。「ラモテ・ギレア デに上って行きなさい。そして成功しなさい。主が それを王の手に引き渡されるからです。」
13ミカヤを呼びに行った使者は彼に言った、「今、 預言者たちの言葉はつとなって王に良いことを告 げています。どうぞ、あなたの言葉も彼らのうちの ひとりの言葉のように、良いことを語ってくださ い。」
14ミカヤは言った。「主は生きておられる。主がわ たしに言われたことを、わたしは語る。」
15そこで彼は王のもとへ行き、王は彼に言った。 「ミカヤよ、我々はラモテ・ギレアデへ戦いに行くべ きか、それとも控えるべきか。」王は答えた。「行 きなさい。そして勝利を得よ。主はそれを王の手に 渡されるであろう。」
16王は彼に言った。「主の名において真実のことだ けを語れと、何度誓わせたらよいのか。
17彼は言った、「わたしはイスラエルの人々が皆、 羊飼いのいない羊のように山々に散らされているの を見た。主は言われた、「これらの者には主人がい ない。それぞれ平和に家に帰らせよ」。
18イスラエルの王はヨシャパテに言った。「彼はわ たしについて良いことは預言せず、悪いことだけを 預言するだろうと、わたしはあなたに言ったではな いか。
19彼は言った、「それゆえ、主の言葉を聞きなさい。
私は主がその王座に座し、天の万象がその右と左に 立っているのを見た。
20主は言われた、「だれがアハブを説き伏せて、ラ モテ・ギレアデに攻め上らせようか」。ある者はこの ように言い、ある者はああ言った。
21すると、つの霊が現れて主の前に立ち、「私が 彼を説得しよう」と言った。
22主は彼に言われた、「何をもってか」。彼は言っ た、「わたしは出て行って、すべての預言者の口に 偽りの霊となろう」。そして彼は言った、「あなた は彼を説得して、また勝つであろう。出て行って、 そうしなさい」。
23それゆえ、今見よ、主はあなたのすべての預言者 の口に偽りの霊を置き、主はあなたについて悪く言 われた。
24ケナアナの子ゼデキヤは近づいて、ミカヤの頬を 打って言った。「主の霊はどこへ行って私を離れて あなたに語ったのか。
25ミカヤは言った。「見よ、その日、あなたが奥の 部屋に入って身を隠すとき、あなたはそれを見るで あろう。」
26イスラエルの王は言った、「ミカヤを連れて、町 の長官アモンと王子ヨアシュのもとへ連れて帰りな さい。
27言いなさい、『王はこう仰せられる。『この男を 牢に入れ、私が平安のうちに帰るまで、苦難のパン と苦難の水を与えよ。』
28ミカヤは言った。「もしあなたがたが無事に帰っ て来るなら、主は私を通して語られたのではな い。」そして彼は言った。「民よ、皆、聞きなさ い。」
29そこでイスラエルの王とユダの王ヨシャパテはラ モテ・ギレアデに上って行った。
30イスラエル王はヨシャパテに言った。「私は変装 して戦いに臨みます。しかしあなたは衣服を着てく ださい。」イスラエル王は変装して戦いに臨んだ。
31しかし、シリアの王は戦車を指揮する三十二人の 隊長に命じて言った。「小さい者とも大きい者とも 戦わず、ただイスラエルの王とだけ戦え。」
32戦車長たちはヨシャパテを見て、「これはイスラ エルの王に違いない」と思い、彼と戦うために進路 を変えた。ヨシャパテは叫び声を上げた。
33戦車長たちは、それがイスラエルの王ではないと 分かると、追撃をやめて引き返した。
34ある男が思い切って弓を引いて、イスラエルの王 の馬具の継ぎ目の間を射抜いた。そこで王は戦車の 御者に言った。「手を変えて、私を戦場から連れ出 してくれ。私は傷ついている。」
35その日、戦いは激しくなり、王はアラム軍と戦う ために戦車に乗り続けたが、夕方には死んだ。傷口 から血が戦車の中に流れ出た。
36そして、日の沈むころ、軍勢全体に布告が出て、 「おのおの自分の町へ、おのおの自分の国へ帰れ」 と告げた。
37こうして王は死んでサマリアに運ばれ、サマリア に葬られた。
列王記上
38そして、ある人がサマリアの池で戦車を洗うと、 犬がその血をなめ、その武具を洗った。主が言われ た言葉のとおりであった。
39アハブのその他の事績、彼が行ったすべての事、 彼が建てた象牙の家、彼が建てたすべての町々は、 イスラエルの王たちの年代記に記されているではな いか。
40こうしてアハブは先祖たちと共に眠り、その子ア ハズヤが彼に代わって王となった。
41アサの子ヨシャパテはイスラエルの王アハブの治 世の第四年にユダを治め始めた。
42ヨシャパテは王位に就いたとき三十五歳で、エル サレムで二十五年間王位に就いた。彼の母はシルヒ の娘で、名をアズバといった。
43彼は父アサのすべての道を歩み、それから離れず、 主の目にかなうことを行った。しかし、高き所は取 り除かれなかった。民は依然として高き所で香を焚 き、献げ物をしていたからである。
44そしてヨシャパテはイスラエルの王と和平を結ん だ。
45ヨシャパテのその他の事績と、彼が示した力と、 彼がどのように戦ったかは、ユダの王たちの年代記 に記されているではないか。
46そして、父アサの時代に残っていた男色行為の残 りを国外に追い出した。
47当時エドムには王がおらず、代理人が王となって いた。
48ヨシャパテはタルシシュの船を造ってオフィルに 金を取りに行こうとしたが、船はエツヨン・ゲベルで 壊れたため、行けなかった。
49そこでアハブの子アハズヤはヨシャパテに言った。 「私の家来たちをあなたの家来たちと緒に船で行 かせてください。」しかしヨシャパテは聞き入れな かった。
50ヨシャパテはその先祖たちと共に眠り、その父ダ ビデの町に先祖たちと共に葬られ、その子ヨラムが 彼に代わって王となった。
51アハブの子アハズヤはユダの王ヨシャパテの治世 の第十七年にサマリアでイスラエルを治め始め、二 年間イスラエルを治めた。
52彼は主の目の前に悪を行い、父の道、母の道、お よびイスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブア ムの道に歩んだ。
53彼はバアルに仕え、それを拝み、父が行ったすべ てのことと同じく、イスラエルの神、主を怒らせた。