僕はまず、えーっと、僕の性格はまず比較 的穏やかで、それでまぁなんというか、僕 の色に合ってんの。僕は緑が好きなの。緑
とかいうやさしい色が好きなの。目にやさ しい色が好きなの。だから僕は緑の服が多 いの。
─え、ほかにもあるの? え、あるよ。あるよ、実は。これも、これ も。ほんまやで。ま、それぐらいやけど。
けど、マスクもたまに緑着用したりするか ら。まぁ俺は緑まぁまぁ好きということや な。ま、こういう黄色も好きやけど。
─「〜やけど」とか使わなくていいから。 なんで緑が多いと思う?
まぁなんていうか、ま、緑が好きな理由は 僕は自然が好きだから、自然は緑が多いで しょ?だから、森の色、イメージ。
─だから、カーキとか緑が多いのね。じゃ あ、これはよく着るってこと? うん。遊ぶとき大体それやもん。あ、あと はもう一個あるんやけど、緑。
─たしかに、たしかにカーキが多いな (笑)。
実はたまたまちゃうんよ。昨日のよみうり ランド行ったときはこれやしな。
─ほーん。服着るときはどうやって決めて んの?
まぁ、服着るときは、まぁその行く場所と か。まぁドレスコードってやっぱあるやん。 まぁ遊園地でさ、まぁなんか、ね、まぁ例 えば、夏なのにニットはおかしいやん。まぁ 時期と場所。あんまり関係ない。僕はあん まり考えてない。
─時期と場所か。昨日よみうりランド行っ たときはどういう合わせにしたの? 昨日だったら、これとこれとこれ。あ、ち
がう、これじゃないや。
─ふーん。なんでこの組み合わせにしたん ですか?
え、なんで?なんでか?うーん、まぁ、こ れはただの僕の都合上の話だけど、これは、 僕が持ってる服が少ないだけで、これ(プ ルオーバー)毎回着てるから流石に変えよ うと思って、これ(H&Mのカーキのニッ ト)にした、着てなかったから。ただそれ だけ。
─はいはいはい。別にもっといろんな服が 欲しいとは思わない?
だって僕は大体この制服だから、そうは思 わない。
─休みの日に着る服としても思わない? だって、休みほぼないもん。部活週6で、 休みあっても、貴重なオフだからゆっくり することが多い。
─だから、服は少なくてもいい。
うん、そうだよ。制服で基本生活できちゃ う。
─制服は別に嫌いじゃないの? うん、そうだよ。まぁだから、これ(私服) よりも制服っていうパターンもある。
─まぁそれは部活週6だからね。制服が ストレスではないんだ。
うん。制服は好きだよ俺。
─なんで?
なんでって、普通に学ランのデザインが好 きだから。僕はまぁ、ブレザーはあまり好 きじゃなかったけど、学ランは好きなの。 ─なんで学ランのデザインはブレザーより 好きなの?
シンプルだから。簡素。ブレザーは、これ は単純に中学のが嫌いだったてのはあるけ ど、謎の校章があってダサかったから。
─ほー。なんでシンプルが好きなんだと思 う?
うーん。まぁこれは無駄がない。あとは黒
でシックだから。まぁ僕がシンプルなのが 好きなのは、うーん。なんで?なんで? うーん。まぁ僕は、そういう原色が好きな の。だから、色が散りばめられたものより も、こういうふうになんか、単色で、一箇 所にまとめられた方が好きなの。まぁ要は
幾何学的なものが好きなの。そういうこと やな。これだって(単色)、これだって(ボー ダー)、これだってそうやん。こういう一
色っていう、四角形に塗りつぶしたのとか。 ああいう(チェック)のは、実は、まぁあ れもいいんだけど、なんでいうんだろう、
その、だから、変な模様、不規則なものと か好きじゃないってこと。
─ハハハ(笑)。じゃあ、俺がいつも着て
るような服はどう思う? ものによる。
─ものによる(笑)。例えば?どういうの
がよくて、どういうのがよくないか。 まぁだって、いつも着てる編み物とか幾何 学的じゃん。でもなんか、うーん。まぁな んかあるじゃんたまに、こう変なの。
─変なやつね。たしかに着てるね。じゃあ どんな服だったら自分も着るかもなって思 う?
わかんない。だって、そんなおまえの服知 らんもん。なにどういうこと?おまえの服 で僕が着れる服っていうこと?
─うーん。今ここにある服はどれもカーキ だったり黒じゃん。例えば、赤一色の服と か。
まぁ別にありやけど。
─青とか、ピンクとか、紫とか。
ピンク、紫もあり。まぁだけど、青は、うー ん。青は別にそんなに好きじゃない。
─へぇ、なんで。
なんか、暗い色だから。
─カーキとか黒とかは暗くはないの? これは暗いというか、まぁ暗いってのは食
欲減退色ってことやな。
─(爆笑)
だって、そういうことじゃん。青はちょっ と、あんま好きじゃない。
─色でいえば好きなのは、カーキと まぁ暖色系のほうが好き。
─暖色系とカーキは同じくらいの好きな の?
まぁ色でいったらカーキの方が好き。
─自然ぽいから?
そう。なんでかっていうと、うーん。まぁ、 やっぱ、基本緑って多いやん。だから調和 するの、こういう色は。なんかなー、なん ていうんかな。だから、こういう青は、な んか、まぁ、ていうかなー、わかんないな。
まぁ緑が多い、まぁ、でもたまたま僕は目 黒に住んでからこういう色が多くなったっ てことは。
─え、そうなの。
うん、そうだよ。だって、あんまり台湾住 んでたときは緑とか着なかったから僕は。 ─何着てたの、台湾のときは。
台湾のときは、まぁ、夏服は、うーん。冬 は、黄土色の長袖。
─それは、とくに理由はなく? うん。
─目黒に住み始めてから、カーキとか緑系 が増えたんだ。
うん。まぁやっぱ、自然が豊かだからじゃ ない。目黒川とか。天気もあるかもね。台 湾はくもりが多いから、あんまりこういう 服を着ても映えない。これは目黒に調和し てる色なの。僕が個人的にそう思ってるか らこれを選んでる。
─調和ね。調和が大事なんだ。環境に調和 するってこと。
そうそうそう。
─自分単体の表現としてのファッション じゃなくて、環境と調和することが自分ら
しいファッションなんだ。 僕はそう思うよ。
─なんで調和なんだろうね。
うーん。まぁだって、僕は街を歩くのを楽 しんでいるから。わかる?だから、うーん、 説明がむずかしいけど、まぁ背景ってある じゃん。まぁ簡単にいえば、楽しんで街を 歩くためってことやな。
─クローゼットのなかに楽しめない服はあ
るの?
うん。例えばこれ。(ユニクロのグレーの シャツ)
─なんで?
うーん。これだと目黒川を歩くときに ちょっとかたい。フォーマルっていうか。
だからあんま着ない。
─ちなみにこれは自分で買ったの? うん。去年の春休みに買ったんだよ、それ。
これは単純にミスった。店の照明でカー キっぽく見えたけど、家に帰ったらグレー だった。これは仕方ない。
─ハハハ(笑)。
暖色系の照明だったから。 ─はいはいはい。これ去年買ったんだ。
えっと、それは、そう。ちょうど去年の春。 この時期だった気がする。受験終わったあ と。
─へぇ。やっぱカーキとか緑なんだね。私 服と制服だったらどっちが馴染みがいい? うーん。こっち(プルオーバー)。馴染む というか、制服だと、なんか、少しイキっ てる感を出しちゃう。
─イキってる感。
学生ぽさを出しちゃう。変に意識して。歩 き方とかね。だから本当の自分らしさでい えば、私服なんだけど、制服だと、なんか、
学校を意識しちゃうじゃん。クラスの自分 でいる感じになるの。だから街で歩いてる
ときも、クラスの自分としてこっちで歩い
てるの。
─クラスのなかの自分ってどんな感じな の。
…天才でクール。
─ハハハ(笑)。そうなんだ。じゃあ街歩 いてるときも内心そう思ってるんだ。凛々 しい感じ。
うん。だって意識しちゃうじゃん。 ─私服を着ているときはどういうキャラ。 天才でクールっていう表現にならっていう なら。
これは、ピカッソ的な。芸術的な感じで歩 いてるの僕は。だから、自由奔放なイメー ジがあるの。
─クラスでのキャラに束縛されないんだ。 まぁそういうのもある。
─そういうのもある。ほかは?
まぁ単純に学校っていうあれがあるで しょ。規則とかそういう問題、周りからの 目とか、学生が変なことしてたらおかしい じゃん。
─ふーん。で、服は好きなの?
まぁたぶん好きなほうではある。今は、だ から、服がそんなに必要ないから、服につ いて考えないだけで、実際私服だけで過ご すってなったら、ちゃんと練るよ、僕は。 ─どういうこだわりで練る?色とかシル エットとか合わせかたとか。
うーん、色と。あとは、ダボっとしたパン ツが好きだよ。僕の性格に合ってるから。 僕は意外とキビキビしてるようで実はマイ ペースだから、それが合ってる。ゆるい感 じ。
─ふーん。このパンツはどこの?
わかんない。まぁこれはお母さんが買った けど、ダボっとしたのが欲しいって言った のは僕だから、まぁ一応僕が買ったことに なる。
─他にパンツはこだわりあったりするの?
なんだろうな。今持ってるのは、これとこ れ。まぁあとは、夏服の制服のスラック ス。たまに着てる。ツルハ行くときはこれ
にパーカー。地元ファッション。単純に着 替えるのがめんどくさいってのはあるけど ね。
─これは自分で買ったの? これも同じ時期で、僕がダボだとしたのが 欲しいって言ったら、それとそれがきただ けで。お母さんが勝手に買った。自分で買 いたかったけど、告知なくきたから。 ─いやじゃなかったの?
これとこれはまだ許せたよ。まぁなんか今 はだいぶ減ったけど、自分でよく買うよう になったからね。昔はさぁ、ピチピチのジー パンとか。それはいやだった。こっちに処 分してあるほうにいろいろ入ってんのよ。 中2とかからいやだった。
─中学は私服登校だったよね。そのときは こだわりとかあったの? 意外とあったよ。自分で買いに行ったりは
したよ結構、西門のユニクロとか。まぁお 母さんも付き添いで来たけど。紫のTシャ ツ買ったもん。
─なんでそれ買ったの? そのときは単純にカラフルなのが欲しかっ たから。あのときは緑と紫のTシャツ買っ
たな。だから今も割と原色は好き。
─へー。ゆうまが街を歩いてて、この人お しゃれだなって思うのはどんな人?そもそ もそんな他の人の服見ない? いやまぁ見るけど、めちゃめちゃ気に留め て見るわけではない。無意識的にいろいろ 頭に入ってるだけで。それが練り込まれて、 これ(H&Mのカーキのニット)になって るのかもしれない。
─おしゃれだなって思って、振り向くこと はない。
ないね。一回だけおしゃれだなって思った
ときあったけど、それは単純に髪型がお しゃれだっただけ。駅で。二十歳か大学 生かわかんないけど。えりあしがチリチリ だった気がする。藤井風みたいだった気が する。
─なんでその髪型がおしゃれだと思ったん だろうね。
うーん。僕はなんとなくロン毛が好きなの。 なんとなくというか、昔僕がロン毛だった から、ロン毛が好きなの。カバーニみたい な感じ。
─たしかに小さい頃はロン毛だったけど自 分の意思だったの?
それは知らんけど、まぁでも、まぁまぁ好 きやったよ、あれは。短くするのが嫌い だったの、小さい頃は。小2ぐらいまでは。 アルバム見ても全部長い。
─なんで嫌いなの?
単純に似合わないだけ。美容院に行くと最 初は短くされるじゃん、そのあと伸びてく けど、最初のほうが嫌いなの僕は。
─今はロン毛じゃないね。俺のほうが髪が 長いね。
これは髪質の問題もある。ちゃんと整えれ ば長くはなるけど。説明がむずかしいな。 今のこの髪だと、伸ばしてもただ量が多く なっちゃうだけ。
─今の髪質だと、理想の形でロン毛になれ ないってことね。
そうそうそう。
─理想が叶うとしたらどんな髪型にしたい の?
まぁ、藤井風みたいな髪型。野生味のある 感じ。Netflixにあるコンサートのときの 髪型が好きなの。あのときの服装も地味に 好き。ギリシャ神話みたいな感じ。
─その衣装、私服として着たい? うん。
─へぇー。じゃあもし明日から学校が、私
服登校OKになったら、制服と私服どっち 着る? 制服かな。なんとなく、まぁこっち(プル オーバー)は、自分らしくいられるって意 味で好きなんだけど、まぁ学ランのデザイ ンのほうが好きだから。ていうのと、単純
に学校に行くって意味で私服で行くのは、 ちょっと違和感がある、まだ。
─なるほど。こうやって話してみて、なん
か思ったことある? うーん、なんだろうね。まぁだから、さっ き言ったとおり、こういう落ち着いた色が 好きで、幾何学的なものが好きってこと。
まぁシンプルなものが好きってこと。レゴ。 まぁレゴって、幾何学やん、単純に。こう いうのとか。だってレゴで車とか作るとき も単純にその、ね、色統一しないで作った りとかしないで、統一して作ってたりとか、
形とか気にするじゃん、レゴ作るときっ て。そういう意味で幾何学的なものを好む わけよ。まぁあとはなんだろうな。レゴっ
てのもあるし、なんだろうね、まぁ僕の性 格でもあるこれは。散乱してるよりもまと まったほうが好きなの。きっちりと。だか
ら僕は割とノートのレイアウトとかきれい なの。図もきれいやしな。だから、几帳面 な性格が反映してるかもしれないというこ
と、服が。まぁあとは、僕が言ってんのは、 まぁなんか、絵と一緒で、街を一つの作品 として捉えてるの、街と自分っていう。わ かる?そういうこと。わかるでしょ。
Yuma 16 years old
高校に上がるときに日本に帰国して、その 前は台湾に住んでいた。ちなみに自分の弟 です。