アカデミーキャンプ 2016夏「未来への留学」報告書

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おわりに アカデミーキャンプ 2016 夏を終えて 一般社団法人アカデミーキャンプ 代表理事 斉藤 賢爾 みなさまからのたくさんのご支援と、いっしょにキャンプを創り上げてくれた大学生・専門学校生 をはじめとするボランティアの仲間たちの尽力によって、怪我や、また台風による帰着スケジュール の変更はあったものの、このキャンプは概ね参加したこどもたちとご家族にとって好評のうちに終わ ることができました。 ここで、このキャンプのテーマだった「未来への留学」に関連して、私の好きな「ドラえもん」の エピソードについてご紹介させてください ( あくまで私の記憶の中にあるもので、実際のエピソード とは異なっているかも知れません )。これは、今夏の両期のキャンプの最後にこどもたちにもお話し た内容です。 自分の子孫であるセワシの身代わりとなったのび太は、タイムマシンで 22 世紀に向かい、未来の ジャイアンや未来のスネ夫とともに月に修学旅行に出かけます。ひとしきり遊んだあと、のび太たち は、宇宙船のコンピュータが壊れて地球に帰れなくなります。未来のスネ夫たちが泣きながら言うには、帰るためには人間には絶 対解くことのできないような難しい計算をして、その結果をコンピュータに入力しなければならないというのです。それを聞いた のび太は、自分は算数が苦手だし、絶対にその計算はできるはずもないけれど、このまま酸素が切れて月面で死んでしまうならば、 その前に一度その問題を見せてくれ、と頼みます。見せてもらったその問題は、なんと「二桁のかけ算」でした。のび太は、これ なら自分にも解けるかも知れないと、一生懸命、筆算をして、何度も何度も、確かめ算をして、そして答えをコンピュータに入力 してもらいます。すると、その答えは合っていて、無事にのび太たちは地球に帰ることができるのです。 私がこのエピソードが好きなのは、未来人がかけ算も自分でできないほどひ弱で、のび太は自分が苦手だと思っていたことで役 に立てたから、ではありません。それを言うなら、原始の人から見たら、私たち現代人も十分にひ弱に見えるはずです。私がこの エピソードが好きなのは、 「未来の学校では二桁のかけ算は教えられていない」という部分なのです。 「では、未来の学校では代わりに何を教えているんだろう?」この問いが今回のキャンプのテーマ「未来への留学」の根本にあり ました。人工知能やロボットがさまざまに人間をアシストしている未来での、人としての基礎力とは何でしょうか。これからも仲 間たちと、そしてみなさまといっしょに創っていくアカデミーキャンプで、この問いへの答えを探しつづけたいです。 改めまして、アカデミーキャンプ 2016 夏「未来への留学」のためにご支援をいただいたみなさま、ありがとうございました。 ひきつづき、福島のこどもたちとアカデミーキャンプをどうぞよろしくお願いいたします。

斉藤 賢爾 ( サイケ )

〜 保護者のみなさまから 〜 『大変お世話になりました。「ただいま」の前の第一声が「冬も行くから」でした。 ちょっとお兄さんとして、今までとは違う感 想が聞けて少し成長したなと感じました。帰りは台風で大変だったと思いますが無事に帰宅でき楽しい思い出が出来たのも、 スタッ フの皆さまのおかげです。ありがとうございました』 『アカデミーから帰って来た時、 「ただいま」ではなく「また行きたい‼️」と言われビックリしたのですが、写真を見て納得しました。 楽しそうな顔がたくさんあり、息子にとって夏休みのステキな思い出になったと思います。 次回も行けるといいなと思ってます。5 日間 大変お世話になりありがとうございました』

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