アカデミーキャンプ 2019 報告書

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アカデミーキャンプ 2019 「乙女のためのオートメーション 〜 カワイイは自動化できる!」

「世界を再発明せよ 〜 REINVENT THE WORLD」 報告書 一般社団法人アカデミーキャンプ 2019 年


アカデミーキャンプ 2019「乙女のためのオートメーション」 「世界を再発明せよ」報告書

はじめに アカデミーキャンプ ( アカキャン ) は、2011 年の東日本大震災と東電福島第一原発事故をきっかけとして、福島のこどもたち のためのキャンプとしてスタートしました。今でもその基本的な心は変わっていません。ですが、最近では、私たちはこどもたち の「学び」そのものをめぐる状況にも危機感を募らせています。技術と社会の状況が大きく変化しつつあるからです。 「世の中の常識に従ったことで世界を変えた人はいまだかつていない (No one has ever changed the world by doing what the world has told them to do)」という言葉があります。当時 10 代の若き起業家の言葉です。今、さまざまな分野で、そうし た若者たちが続々と頭角を現しています。そして AI やロボットなどの新しい技術が社会にいよいよ組み込まれ、世の中の常識そ のものが、 新しく生まれ変わろうとしています。 「次世代」のはじまりです。今を生き、未来を担うこどもたちは、そうした「次世代」 の一部なのです。 今、私たちにできることは、 「次世代」が新たな悲劇を生まないように、そして、むしろ勢いを増していく変化を先導し、大きく 未来に羽ばたけるように、未知に向かって彼ら・彼女らが自ら前に進んでいくことを応援することではないでしょうか。そんな気 持ちで、私たちは「遊び」と「学び」が詰まったキャンプをつづけています。 【一般社団法人アカデミーキャンプ】 私たちは、大学教員・キャンプ指導者・こどもたちを支援する非営利法人メンバー等、そして活動を支える多くの学生や社会人 のボランティアの集まりで、2011 年の夏より、福島県を中心とするこどもたちを対象として「遊び」と「学び」の頂上体験を目 指したキャンプをつづけています。 https://academy-camp.org 【2019 年の活動】 2019 年は、2 月と 8 月に合わせて 3 期のキャンプを開催しました。2 月のキャンプは「STEAM (Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)」をテーマとした「乙女のためのオートメーション 〜 カワイイは自動化できる!」、8 月の キャンプは、社会の Visitors でなく Makers となること、そして海のサステナビリティをテーマとした「世界を再発明せよ 〜

REINVENT THE WORLD」第 1 期・第 2 期で、神奈川県藤沢市の慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスや同横浜市の野島青少年研修 センターを拠点に活動しました。この報告書はそれらのキャンプの内容をまとめたものです。 みなさまのご支援と、学生たちの若い力に支えられた、こどもたちが主役の素晴らしい日々の記録をどうぞお楽しみください。

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アカデミーキャンプ 2019 冬

「乙女のためのオートメーション 〜 カワイイは自動化できる!」 21 世紀に入って世界にもっとも広まった日本語 "kawaii"。 そもそも「カワイイ」って何だろう? 物理学者の故リチャード・ファインマン博士は、"What I cannot create, I do not understand" (「自分で作れないなら、 理解したとは言えない」) という有名な言葉を残しています。 「カワイイ」をもっと知りたい?だったら、自分でゼロから「カワイイ」を創造しよう! というわけで、このキャンプでは、自動的に動く一番「カワイイ」ものを「デジタルものづくり」するチャレンジを通して、 「カワイイ」って何だろう?という問いへの答えを探しながら、将来、AI ( 人工知能 ) と共存する社会では当たり前になっている だろう、 「やりたいことを自動化する」ことを体感して、「人間の感性と未来社会」について考えました。 【アカデミーキャンプ 2019 冬 実施責任者

( 括弧内キャンプネーム )】

・斉藤 賢爾 ( サイケ ) - 一般社団法人アカデミーキャンプ 代表理事 - 慶應義塾大学 SFC 研究所 上席所員・環境情報学部 講師 ( 非常勤 ) ( 当時 )

・南 政樹 ( まぼさん ) - 一般社団法人アカデミーキャンプ 理事 - 慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 特任助教

基本データ 開催日程 開催地 対象・参加人数 スタッフ 主催・共催

2019 年 2 月 9 日 ( 土 ) 〜 11 日 ( 月・祝 )

2泊3日

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス (SFC) ( 神奈川県藤沢市 ) 宿泊 : SFC 未来創造塾 滞在棟 2 対象 : 福島県を中心とする小学 4 年生〜中学・高校生 参加 : 29 名 ( 小 2 〜高 3) ボランティアスタッフ 14 名 ( 大学生・社会人 ) 実施責任者 2 名 ( 一般社団法人アカデミーキャンプ ) 一般社団法人アカデミーキャンプ 慶應義塾大学 SFC 研究所 パブリックテクノロジーデザインコンソーシアム

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アカデミーキャンプ 2019「乙女のためのオートメーション」 「世界を再発明せよ」報告書

初日 2/9

「乙女のための」とは名づけましたが、 もちろん「男子も 可 」です。私たちの最近のモットーは「すべてのこどもたちを ( 彼女ら・ 彼ら自身の未来創りの ) 土俵に上げる」ですから! 前日は雪も心配されましたが、全員無事に SFC ( 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス ) に到着し、最初は「カワイイ アイスブレ イク」( 今にして思えば不謹慎ですがインフルエンザのカワイイ呼称を考えたりしました ) で心の氷を解かしたあと、滞在棟 2 の和室で Sphero mini という球体ロボットを操作してみんなで遊びました。mini を使った e スポーツのルールをその場で考 えて、みんなでチャレンジ。鬼ごっこやぶつかり相撲では初めて操作したとは思えない、こどもたちの神技が繰り出されました。 ルールもより面白く・楽しくなるようにどんどん洗練されていきました。

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2 日目 2/10

大学生リーダーを「ごはんを食べるロボット」に見立ててプログラミングの予行演習 ( アンプラグド ) をした後、実際に Sphero mini にカワイイ動きをしてもらって、iELECTRIBE ( リズムマシン ) にカワイイ サウンドを鳴らしてもらうプログラ ミングをする "The most kawaii robotic movements and sound" にチャレンジしました。この試みは夜にも時間を取り、 最終日まで続きました。 せっかく考えた e スポーツも、ルールを変えてもう一度試しました。そして更にうまくなっていてビックリ!今のところ、こ のスポーツでは彼女ら・彼らが世界のトップレベルプレーヤーです。 午後のアクティビティは、外に出て SFC で「一番カワイイ写真を撮ってくる」というもの。福澤諭吉像に人気集中!「福澤パ イセン、 マジ リスペクトです!」 という現役慶大生の声も。先輩…なのか?滞在棟に戻って、みんなが撮った「一番カワイイ写真」 を共有しました。

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アカデミーキャンプ 2019「乙女のためのオートメーション」 「世界を再発明せよ」報告書

最終日 2/11

STEAM Girls and Boys を目指したこのキャンプは、いろんなものをカワイクしたり自動化したりしながら終了しました。 最終日は "the most kawaii robotic movements and sound" の発表会と、突然のパフェづくり、そして閉会式を行いま した。 解散時の写真 ( ↓ ) は、カワイイ「グー」 「チョキ」 「パー」です ( 多分 )。

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( 学生 ) スタッフ

※ アカキャンのこのオルタナティブ・ロゴ ( 右 ) は、高校生 サブリーダー ( 当時 ) が作ったモノクロのデザインに対し、 深層学習による AI が色を付けたものです。

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アカデミーキャンプ 2019 夏 「世界を再発明せよ

〜 REINVENT THE WORLD」 『やはり、ヒトは大人よりも子どものほうがすぐれている。しかし残念だが、その優位性をいかす知識や能力がヒトの子どもには 少なすぎる』─ 新幹線変形ロボ シンカリオン 第 61 話より 逆に言えば、知識やスキルさえ身につければ、ヒトのこどもは無敵ということですね! そう、未来の世界の主役はこどもたちです。大人なんかには任せておけません。世界を「もういちど発明」するくらいのつもり で、新しい社会を創っていきましょう。そのために、第 1 期のキャンプでは Maker Faire Tokyo 2019 に「出展者」として参加し、 来場者やほかの Maker たちと交流しながら、新しい世界の創り方を考えました。第 2 期のキャンプでは、「SDGs ( 持続可能な開 発目標 ) 14: 海の豊かさを守ろう」を軸に、八景島シーパラダイスにもお邪魔して、いのちとくらしを守る世界の創り方を考えま した。 このキャンプのタイトル、REINVENT THE WORLD には、こどもたちが創る「新時代」への思いが込められています。 【アカデミーキャンプ 2019 夏 実施責任者

( 括弧内キャンプネーム )】

・斉藤 賢爾 ( サイケ ) - 一般社団法人アカデミーキャンプ 代表理事 - 慶應義塾大学 SFC 研究所 上席所員・環境情報学部 講師 ( 非常勤 ) ( 当時 )

・南 政樹 ( まぼさん ) - 一般社団法人アカデミーキャンプ 理事 - 慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 特任助教

基本データ 開催日程

第 1 期 : 2019 年 8 月 2 日 ( 金 ) 〜 6 日 ( 火 ) 4 泊 5 日 第 2 期 : 2018 年 8 月 12 日 ( 月 ) 〜 16 日 ( 金 ) 4 泊 5 日 第 1 期 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス (SFC) ( 神奈川県藤沢市 ) 宿泊 : SFC 未来創造塾 滞在棟 2

開催地

遠征先 : Maker Faire Tokyo 2019 ( 東京ビッグサイト ) 第 2 期 野島青少年研修センター ( 含 宿泊 ) ( 神奈川県横浜市 ) 遠征先 : 八景島シーパラダイス

対象・参加人数 スタッフ 主催・共催

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対象 : 福島県を中心とする小学 4 年生〜中学・高校生 第 1 期参加 : 21 名 ( 小 4 〜高 1) 第 2 期参加 : 33 名 ( 小 3 〜高 2) ボランティアスタッフのべ 39 名 ( 専門学校生・大学生・社会人 ) 実施責任者 2 名 ( 一般社団法人アカデミーキャンプ ) 一般社団法人アカデミーキャンプ 慶應義塾大学 SFC 研究所 パブリックテクノロジーデザインコンソーシアム


夏1

初日 8/2

この期のキャンプの目的のひとつは、昨年見学した「芸術、工芸、工学、科学プロジェクトと DIY マインドを祝う」イベント である Maker Faire に、VISITORS ( 訪問者 ) ではなく MAKERS ( 出展者 ) として戻ってくることでした。 「車輪の再発明」だって大発明になるかも知れないと学んだあとは、肩慣らしに Sphero mini で新たな e スポーツを作って遊 びました。更に多様にパワフルになったプレイのルールに驚きの連続です。初対面のこどもたちも、少しは仲良くなれたかな? 翌日・翌々日はその要領で、東京ビッグサイトで開催される Maker Faire Tokyo 2019 に「出展」します!

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アカデミーキャンプ 2019「乙女のためのオートメーション」 「世界を再発明せよ」報告書

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2・3 日目 8/3・4

藤沢市から東京まで二日連続で移動して出展を行った Maker Faire Tokyo 2019 では、球体ロボットを使った e スポーツの ルールを即興で作り、 来場者 ( 主としてこどもたち ) に実際に遊んでもらう「転がる e スポーツを作ろう!」というワークショッ プを実施しました。 このアイデアに辿り着いた当初は、こどもたちが出展者として責任ある役割を果たせるかどうか、私たちスタッフでさえも不 安でした。ですが、結果は実に素晴らしいものでした。わが MAKERS のこどもたちは、ほとんど自律的に、途切れることな くやって来る VISITORS のこどもたちの面倒を見てくれて、こどもたちは時間を忘れるほど出展者として楽しんでいました。 初日、快調に滑り出し、どんどんルールを再発明しながら転がる e スポーツを創り出したこどもたちは、快調すぎて遂にはボー ルですらなくなった滑る何か ( 実はボールに紙コップを被せたもの ) を操作するゲームでさえも編み出していました。 こどもたち自身が「出展するとはどういうことか」自ら考え、声がけやチラシ配り、デモンストレーションなど、大人たちが 何も言わなくても自分から進んで楽しく働くことができました。来場者に喜んでもらえる喜びを感じられたのではないでしょ うか!周りの雰囲気もとてもよく、いいフェアでした! また、せっかくのお台場でしたので、日本科学未来館にもお邪魔して、マンモス展や科学コミュニケータのみなさんとのコミュ ニケーションも楽しみました。

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夏1

4 日目 8/5

この日は Maker Faire での出展の経験を振り返り、 2050 年という未来の暮らしを具体的に描き出す SIG ( 社会学的想像ゲーム ) に挑戦し、それから料理も科学だと学び、そして花火で楽しみました。( キャンプとしても ) いっぱい失敗もしたけど、失敗は 挑戦する者の特権ですね。

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最終日 8/6

最終日は、それぞれが 2050 年に向けてのマイルストーンを示すためのロードマップを描くことで、自分自身の未来を再発明 することを試みました。そしてゴールを 10 倍した上でお互いがロードマップの証人になることで、そこに書かれたことは単な る文言ではなく、果たすべき約束に変わりました。 こどもたちは、VISITORS から、自分たちの未来を創る MAKERS への移行を成功させたでしょうか。アカデミーキャンプも、 こどもたちといっしょに成長を続けます。

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夏1

( 学生 ) スタッフ

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夏2

初日 8/12

さあ、こどもたちが創る未来を巡る新しい冒険のはじまりです! 横浜・野島青少年研修センターにチェックインし、これからの 4 泊 5 日を一緒に過ごす仲間たちとのチームビルディングを兼 ねて、こどもたちは「発明する人」に必要な資質とは?を考えました。 この期のキャンプのテーマは「海の豊かさを守ろう (SDGs 14 : LIFE BELOW WATER)」。このテーマは、この後の日程の中で、 世界の再発明とどう絡んでいくのでしょうか。

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夏2

2 日目

8/13

この日の午前は、SDGs (Sustainable Development Goals) を考えました。はじまりは林檎から。林檎を中心に置いた mind map を描いて視点をほぐしました。それから令和版白雪姫のお話を考えて、いよいよ持続可能な開発目標とその日本における 現状について考えをめぐらせました。最後は、昼食の終わりに、林檎を地球になぞらえて、海の割合は、陸の割合は、その中 で人間が住める土地の割合は、飲める水の割合は、と現実の把握を試みました。 午後と夜は、即興芝居 × 即興コメディ集団のロクディムさんらによるワークショップとライブでした!最初「50 回は笑う」と 約束されたましたがとんでもない! 500 回は笑ったのでは?そしてその笑いの中に、ルールに沿って動くのではなく、( 命を 守るためのルールを除いて ) ルールを破ることには快感があって、新しいルールを創りながら動いていくんだというメッセージ が込められていました。それこそがアカキャンの心意気です。そして失敗は楽しい!「再発明」のテーマも即興のバージョン を変えるという方式で取り込んでいただき、素晴らしいパフォーマンスを、この瞬間を一緒に笑いながら体験することができ ました!

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アカデミーキャンプ 2019「乙女のためのオートメーション」 「世界を再発明せよ」報告書

夏2

3・4 日目 8/14・15

3 日目は八景島シーパラダイスを訪問しました。この期のキャンプのテーマは「世界の再発明」に加えて「海の豊かさを守ろ う (SDGs Goal 14)」 。SDGs で守ろうというからには、今は守られていないはずです。ではどんな風に守られていないのか、 八景島では 4 つの水族館を巡ることで調べました。そしてその上で、SDGs が目標としている 2030 年は、多くのこどもたち にとっては大人になる前に来てしまうわけで、例えば 2050 年に向けて、今、水族館が果たしている役割を再発明するとした ら ( 水族館を創造的に破壊するとしたら )、どんなかたちになるとよいのか、そんな問いがこどもたちが活躍する未来を考える ためには必要でしょう。そうしたことを頭の片隅に置きながら、水の下の生きものの世界に圧倒されながら、こどもたちは八 景島を楽しく動き回りました。 この日、シーパラダイスでは、3 名のこどもたちが熱中症になり、救護センターで休みました。幸い 3 名ともすぐに回復し、 夜には無事に宿に戻ることができました。水分補給などの健康管理には十分注意しているつもりでしたが、重要な教訓を得た と思います。今後は (2020 年は物理キャンプは行わないと思いますが ) より一層、注意を払って夏のキャンプを実施いたします。 4 日目は、海の豊かさを守るデザインシンキングと、2050 年の生活の断片を集め、未来の物語を即興的に紡ぎ出す SIG (Sociological Imagination Game)、そして餃子づくりにチャレンジしました。

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夏2

最終日 8/16

最終日は、野島青少年研修センターを後にして、近くの関東学院大学金沢八景キャンパスでまとめと閉会式を行いました。 まとめのワークショップでは、海の豊かさを守ることに世界が成功した 2050 年を仮定し、大人になったこどもたちが、自分 の子孫にどんな言葉を贈るかを、あいうえお作文の形式で考えてもらいました。その一例を紹介しましょう。 S せかいはこんなに広い! D だって、 G ごみが流れてくるような s そんなせかいを見てほしくなかったからね。 アカキャン版「アフター ( モダン ) マン」 。こどもたちが、本当にそんな風に彼ら・彼女らのこどもたちに言えるようになるこ とを願っています。充実した 4 泊 5 日の日程を終えて、こどもたちはそれぞれの場所に戻っていきました。

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夏2

( 学生 ) スタッフ

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おわりに アカデミーキャンプ 2019 を振り返って

一般社団法人アカデミーキャンプ 代表理事 斉藤 賢爾 みなさまからのたくさんのご支援と、いっしょにキャンプを創り上げて くれた大学生・専門学校生をはじめとするボランティアの仲間たちの尽力 によって、2019 年も好評のうちに 3 つのキャンプを実施できました。 ただし、夏のキャンプでは 3 名のこどもたちが熱中症になるなど、この 1 年間、必ずしも平穏無事にキャンプを終えられたとは言えず、私たちの 力不足を深く反省し、改善に努めて参ります。 一方で、自然の脅威はますますその力を強めているかのように見えます。 2019 年 10 月 12・13 日、東日本を中心に襲った台風 19 号による被害 に遭われたみなさま、また同年に発生した新型コロナウイルスによる感染 症 COVID-19 に罹患したみなさまとそのご家族に、心よりお見舞いを申し 上げます。私たちは、おそらくこれまでのキャンプで目指してきた以上に、 生き方や文明の在り方を変えていかなければならないのでしょう。

改めまして、2019 年もアカデミーキャンプのためにご支援をいただいたみなさま、ありがとうございました。ひきつづき、未 来に向けて挑戦を続ける福島のこどもたちとアカデミーキャンプをどうぞよろしくお願いいたします。

斉藤 賢爾 ( サイケ )

キャンプのあとは、保護者のみなさまからたくさんのメッセージを戴きます。そのひとつをご紹介します。 「内向的な息子に広い視野を持ってもらいたい!自信をつけてもらいたい!との思いから、キャンプに参加させて頂きました。 初めは『帰りたい』 連呼の LINE メッセージ。 大丈夫か…と心配は募りましたが、2 日目から段々とメッセージの内容が変わってきて、今日駅から出てきたのは 新しく出来たお友達と談笑しながらの息子でした。 たくさんの経験が息子に目に見えない自信を与えてくれたと思っています。 息子に関わって下さったアカデミーキャンプのスタッフの方々に心から感謝申し上げます。 お世話になりました」 こちらこそ、ご参加ありがとうございます!

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「ここに幸せが。 」

【ご寄付について】 アカデミーキャンプは、参加者やスタッフからの参加費、講師のみなさまからの貢献、助成金、 そしてみなさまからのご寄付によって成り立っています。 ご寄付の宛先 : 城南信用金庫 湘南台支店 ( 店番号 083) 普通 109187 一般社団法人アカデミーキャンプ または GlobalGiving( 米国・英国 ) - https://www.globalgiving.org/projects/academy-camp/

アカデミーキャンプ 2019 「乙女のためのオートメーション 〜 カワイイは自動化できる!」 「世界を再発明せよ 〜 REINVENT THE WORLD」報告書 制作 : 一般社団法人アカデミーキャンプ https://academy-camp.org

© Academy Camp


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