TCP

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TCP/IP 技術の基礎 NTTPC コミュニケーションズ 波多浩昭


はじめに 本書は、 TCP/IP を学習するためのワークブックです。 TCP/IP の教科書を学習し、理解度を深めるために、演 習を中心とした構成をとっております。初学者が本書の みで TCP/IP を学習することは想定しておりません。教 科書を中心に学習している初学者の参考書として、もし くは一通りの知識を習得した中級者の確認用としてお 使いください。


7レイヤ 空欄をうめてください

名称

代表プロトコル

7 6

プレゼンテーション層

Not present in the Internet

セッション層

Not present in the Internet

4 3 2 1


7レイヤ 空欄をうめてください

名称

代表プロトコル

アプリケーション層

FTP,HTTP,SMTP,TELNET 、 SIP

プレゼンテーション層

Not present in the Internet

セッション層

Not present in the Internet

トランスポート層

TCP UDP ( RTP)

ネットワーク層

IP

データリンク層

イーサネット、 ATM 、フレームリレー

物理層

UTP5 、 RJ45


レイヤ1-2-3 ?

(参考資料)

実際には1,2、3層の区別がつかなくなってきている

IP SAN FiberChannel

GFP

Ethernet,ATM,SAN

PPP

STS-n

FR Martini Draft Ethernet MPLS PPP ATM HDLC SONET WDM Optical Fiber


1. Ethernet 各フィールドを埋めてください

PDU 6 6 2


1. Ethernet 各フィールドを埋めてください

宛先 MAC

発信元 MAC

TYPE

6 6 2

TYPE 0806: ARP TYPE 0800: IP

PDU

FCS


プロトコル 用語を説明してください

• MAC アドレス • 全二重、半二重 • 再送論理によるブロッキングメカニズム –

どうして大量のデータを送るポートは競合に強いのか ?


プロトコル 用語を説明してください

• MAC アドレス – LAN に接続されるインタフェースに割り当てられているアドレス。工場出 荷時にハード的に書き込まれている。 22bit のメーカ識別番号、24ビット の固体識別番号が組み合わさった6バイトコードになっている。

• 全二重、半二重 – 送信と受信が同時に可能なのが全 2 重。光ファイバや UTP ケーブルの 利用でイーサネットでも可能になった。

• 再送論理によるブロッキングメカニズム – –

どうして大量のデータを送るポートは競合に強いのか ? チャンネル競合に負けた場合、バックオフをかけながら再送するために、一度競合にまけると 再送までの時間が大きくなる。


結線図 同じ色の端子を線でつないでください タイプ:

1WG 2G 3 WO 4 BL 5 W-BL 6O 7 W-BR 8 BR

タイプ:

1WG 2G 3 WO 4 BL 5 W-BL 6O 7 W-BR 8 BR

1番ピン RX + 2番ピン RX - 3番ピン TX + 4番ピン TX -

1WG 2G 3 WO 4 BL 5 W-BL 6O 7 W-BR 8 BR

1WO 2O 3 WG 4 BL 5 W-BL 6G 7 W-BR 8 BR


結線図 同じ色の端子を線でつないでください タイプ:

1WG 2G 3 WO 4 BL 5 W-BL 6O 7 W-BR 8 BR

ストレート

タイプ:

1WG 2G 3 WO 4 BL 5 W-BL 6O 7 W-BR 8 BR

1番ピン RX + 2番ピン RX - 3番ピン TX + 4番ピン TX -

クロス

1WG 2G 3 WO 4 BL 5 W-BL 6O 7 W-BR 8 BR

1WO 2O 3 WG 4 BL 5 W-BL 6G 7 W-BR 8 BR


問題

• クロスケーブルはどっち

8BR 7W-BR 6O 5W-BL 4BL 3WO 2G 1WG 8BR 7W-BR 6O 5W-BL 4BL 3WO 2G 1WG

8BR 7W-BR 6O 5W-BL 4BL 3WO 2G 1WG 8BR 7W-BR 6G 5W-BL 4BL 3WG 2O 1WO


問題

• クロスケーブルはどっち

8BR 7W-BR 6O 5W-BL 4BL 3WO 2G 1WG 8BR 7W-BR 6O 5W-BL 4BL 3WO 2G 1WG

8BR 7W-BR 6O 5W-BL 4BL 3WO 2G 1WG 8BR 7W-BR 6G 5W-BL 4BL 3WG 2O 1WO


NIC • NIC のアーキテクチャを描いてください NIC

Ethernet CPU

ヒント:コンポーネントは ネットワークコントローラ ROM X’tal コイル


NIC • NIC のアーキテクチャを描いてください NIC

ROM INT CPU

BUS

Ethernet Ethernet Controller

Trans

X’tal

ヒント:コンポーネントは ネットワークコントローラ ROM X’tal コイル


ブリッジとスイッチ 共通点

相違点


ブリッジとスイッチ 共通点

あるポートから受信したフレームを宛先に基づい て適切なポートにのみ転送する。ポートごとに学 習した MAC アドレステーブルを一元管理してい る 相違点

スイッチングという言葉は、同時に複数の通信路を 開設できるかどうかの能力の有無強調する場合に 使われる場合が多い、スイッチといって複数の通 信路を開設できたとしても筐体全体で開設出来る 通信路の容量の上限があり、それにより価格など に差異がでる。


ループ • ループになったとき困ること2点 – ループ問題

– ブロック問題


ループ • ループになったとき困ること2点

A

– ループ問題 A から B 宛てのフレームが発信された場合、 B 1 が LAN 2に出したフレームを B2,B3 は LAN2 インタフェース から受信し、 LAN 1に転送する。それをまた B1 が受信し LAN 2に転送する。これが繰り返され、1つのフレーム が何倍にもコピーされながらネットワークを徘徊する

LAN 1 B1

B2

B3

– ブロック問題 ループ問題は解決されたとする。 A が出した フレームを B1 は LAN 2に転送する。 B2,B3 は LAN 2 から A 発信フレームを受信したので、 A は LAN2 にある と思っている。 B1 も B2 が転送したフレームを再受信して A が LAN2 に移動したと思う。その後、 B が A 向けフレーム を発信しても、各ブリッジは A が LAN 2にいると思い そのフレームを LAN1 に転送しない。

LAN2

B


スパニングツリー • 設定メッセージをマルチキャスト • 設定メッセージを比較(ルート ID 、コスト、ブリッジ ID) 内部情報 ルート ID=( ) ブリッジ ID=( ) コスト= ( ) ルートポート = ( )

自ブリッジ ID =11

ポート2 ポート 1 ルート ID=10 ルート ID=23 ブリッジ ID=20 ブリッジ ID=33 コスト= 5 コスト= 6 ポート1はこのブリッジの( ) ポート2はその LAN の( )


スパニングツリー • 設定メッセージをマルチキャスト • 設定メッセージを比較(ルート ID 、コスト、ブリッジ ID) 内部情報 ルート ID=( 10 ) ブリッジ ID=( 11 ) コスト= ( 6 ) ルートポート = ( 1 )

自ブリッジ ID =11

ポート2 ポート 1 ルート ID=10 ルート ID=23 ブリッジ ID=20 ブリッジ ID=33 コスト= 5 コスト= 6 ポート1はこのブリッジの( ルートポート ) ポート2はその LAN の(代表ブリッジ)


スパニングツリー演習 枝狩りをしてください

2 4 3


スパニングツリー演習 枝狩りをしてください

2 4 3

ルートポート 閉塞ポート 代表ブリッジ


VLAN


2. IP フィールドを埋めてください

IP ヘッダ


2. IP フィールドを埋めてください

IP ヘッダ ver

len

フ ラ グ

識別子 TTL

全データ長

TOS

プロトコル

フラグメントオフセット

ヘッダチェックサム

発信元 IP アドレス 宛先 IP アドレス


IP 設定情報 この3つはなんとしても必要

• 自 IP アドレス • ( ) • ( )


IP 設定情報 この3つはなんとしても必要

• 自 IP アドレス • ( ネットマスク ) • ( デフォルトゲートウェイ )


アドレス設計 2つのネットワークのアドレスを割り当ててください

最大30台

ネットワークアドレス

ネットマスク

192.168.0.0 255.255.255.0 最大200台

ネットワークアドレス

ネットマスク


アドレス設計 2つのネットワークのアドレスを割り当ててください

最大30台

ネットワークアドレス 192.168.0.0

ネットマスク

192.168.0.0 255.255.255.0

255.255.255.224

最大200台

ネットワークアドレス 192.168.0.32 192.168.0.64 192.168.0.128

ネットマスク

255.255.255.224 255.255.255.192 255.255.255.128


ルーティング フレームヘッダはどのように変化してゆくのでしょうか?


ルーティングテーブル 各ルータにルーティングテーブルを設定してください デフォルト経路は不要です 192.168.0.1 192.168.1.1 10.10.1.1 10.10.1.2 宛先

NEXTHOP

192.168.1.2

192.168.0.2

宛先

10.10.2.1

宛先

10.10.2.1 192.168.2.1 192.168.2.2

NEXTHOP

NEXTHOP


ルーティングテーブル 各ルータにルーティングテーブルを設定してください デフォルト経路は不要です 192.168.0.1 192.168.1.1 10.10.1.1 10.10.1.2 192.168.0.2 10.10.2.1

宛先

NEXTHOP

192.168.1.0/24 192.168.2.0/24

10.10.1.2 10.10.2.1

192.168.1.2 宛先

192.168.0.0/24 192.168.2.0/24

宛先

10.10.2.1 192.168.2.1 192.168.2.2

192.168.0.0/24 192.168.1.0/24

NEXTHOP

10.10.2.1 10.10.2.1

NEXTHOP

10.10.1.1 10.10.1.1


ルーティングテーブル2 どんなことが発生しますか? 192.168.0.1

10.10.1.1 宛先

192.168.1.0

192.168.0.2

192.168.1.1

10.10.1.2 NEXTHOP

10.10.2.2

10.10.3.1

192.168.1.2

10.10.2.1

10.10.3.2 宛先

10.10.2.2 192.168.2.1 192.168.2.2

192.168.1.0

NEXTHOP

10.10.2.1


ルーティングテーブル2 どんなことが発生しますか? 192.168.0.1

10.10.1.1 宛先

192.168.1.0

192.168.0.2

192.168.1.1

10.10.1.2 NEXTHOP

10.10.2.2

10.10.3.1

192.168.1.2

10.10.2.1

10.10.3.2 宛先

10.10.2.2 192.168.2.1 192.168.2.2

192.168.1.0

NEXTHOP

10.10.2.1


演習(ルックアップ) ネットワーク ネットマスク NEXTHOP interface 192.168.0.0 255.255.255.0 10.10.10.5 eth0/0 192.168.1.0 255.255.255.0 10.10.15.3 eth0/1 192.168.2.0 255.255.255.0 10.10.16.3 eth0/2 192.168.0.128 255.255.255.128 10.10.17.2 eth0/3 問題1 受信したパケットに書かれている受信アドレス(宛先)に対して、ルーティングテーブルの 各行に関して、以下の演算を行い正誤を判定します。正になった行のうち最もネットマスクが( )行 の NEXTHOP に、そのパケットを転送します。

( ) × ( ) = = ( ) 問題2 受信したパケットに書かれている宛先が、 192.168.0.200 でした。ルーティングテーブルをルックアップ して、最適なネクストホップを求めてください。


演習(ルックアップ) ネットワーク ネットマスク NEXTHOP interface 192.168.0.0 255.255.255.0 10.10.10.5 eth0/0 192.168.1.0 255.255.255.0 10.10.15.3 eth0/1 192.168.2.0 255.255.255.0 10.10.16.3 eth0/2 192.168.0.128 255.255.255.128 10.10.17.2 eth0/3 問題1 受信したパケットに書かれている受信アドレス(宛先)に対して、ルーティングテーブルの 各行に関して、以下の演算を行い正誤を判定します。正になった行のうち最もネットマスクが( 長い )行 の NEXTHOP に、そのパケットを転送します。

( 宛先 ) × ( ネットマスク ) = = ( ネットワーク ) 問題2 受信したパケットに書かれている宛先が、 192.168.0.200 でした。ルーティングテーブルをルックアッ プ して、最適なネクストホップを求めてください。

10.10.17.2


3. TCP TCP ヘッダ

p.257


3. TCP TCP ヘッダ 発信ポート番号

宛先ポート番号

シーケンス番号 確認応答番号 ヘッダ長

フラグ

チェックサム

ウィンドウサイズ 緊急ポインタ

p.257


状態遷移図 空欄を埋めてください

Passive open

Active open/SYN

p.274


3ウェイハンドシェーク それぞれのパケットに格納されている情報は?

SYN

SYN 、 ACK

ACK

p.264


3ウェイハンドシェーク それぞれのパケットに格納されている情報は?

SYN

初期シーケンス番号

SYN 、 ACK

MSS ACK

p.264


ハーフクローズ ハーフクローズ状態とはどのような状態ですか?

どうしてそのような状態が必要ですか?

p.271


ハーフクローズ ハーフクローズ状態とはどのような状態ですか? FIN を送り ACK が戻ったが、相手からデータが流れつづけ FIN を受信 していない状態( FIN_WAIT2) 。ピア側では、 FIN を受け取ろ ACK を 返したものの、まだ FIN を送っていない状態( CLOSE_WAIT) 。

どうしてそのような状態が必要ですか? 受信を完了した後にデータを計算して、結果を送信元に送り返すような アプリケーション。例えば、ソートとか平均値計算プログラム。 送信元はデータの終わりを通知するために FIN を送るが、 FIN_WAIT_2 状態で 結果を受信を受け取ったのち、 FIN を受信する。受信側では FIN を受け取ったのち ACK を返し CLOSE_WAIT 状態に入るが、結果を送り返した後に FIN を発行する。 このようなアプリケーションではハーフクローズを積極的に利用する。

p.271


送達確認 ACK ACK AN: WIN : Data SQ: Data SQ: ACK AN: WIN: Data SQ:

シーケンス番号は ①送り終えたオクテット数 ②送り終えたオクテット数 のどっち?

ACK 番号は ①受信完了したオクテット番号 ②次に受信できるオクテット番号 のどっち?

Data SQ: ACK AN: WIN : p.314


送達確認 ACK ACK AN:11 WIN : 20 Data SQ:20 Data SQ:30 ACK AN:31 WIN:20 Data SQ:40

シーケンス番号は ①送り終えたオクテット数 ②送り終えたオクテット数 のどっち?

ACK 番号は ①受信完了したオクテット番号 ②次に受信できるオクテット番号 のどっち?

Data SQ:50 ACK AN:51 WIN : 20 p.314


スライディングウィンドウ 1

窓の左=送達確認を受信したデータ 窓の中=送信したが、送達確認が未受信であるデータ 窓の左=送信待ちのデータ


シリーウィンドウシンドローム 受信側コンピュータの処理が遅いとどうなるか?

Data SQ:64000 ACK AN:64001 WIN:32000 Data SQ:65000

Data SQ:64000 ACK AN:64001 WIN: 1 Data SQ:65001

Data SQ:66000 Data SQ:67000 Data SQ:68000 Data SQ:69000 ・ ・ ・

p.365


シリーウィンドウシンドローム 受信側コンピュータの処理が遅いとどうなるか?

Data SQ:64000 ACK AN:64001 WIN:32000 Data SQ:65000

Data SQ:64000 ACK AN:64001 WIN: 1 Data SQ:65001

Data SQ:66000 Data SQ:67000 Data SQ:68000 Data SQ:69000 ・ ・ ・

1 オクテットづる送るので オーバヘッドが大きくなり 回線使用効率が低下する

p.365


遅延 ACK 概要: ACK の返送を一瞬躊躇する 詳細:

このメカニズムはデータ送受信のどちら側で実装されるか? またどのような問題をどのように解決するのか?

p.301


遅延 ACK 概要: ACK の返送を一瞬躊躇する 詳細: データを受信しても即座に ACK を返すのではなく、ウィンドウが最大 値の50%以上開いてから送達確認番号を更新する。またウィンドウサ イズに余裕があっても、 ACK は特定のタイミング (200ms 毎)でしか発 行しない。

このメカニズムはデータ送受信のどちら側で実装されるか? またどのような問題をどのように解決するのか? これはデータの受信側で動作するメカニズムである。 ACK を遅らせることにより 大きなウィンドウサイズを通知できるため、送信側パケットは大きな単位でデータ を送信できるので回線効率が上がる。また、 ACK を遅らせることにより、その間に反対方向 のデータが発生するかもしれない。するとピギーバックにより送達確認番号を通知できる ために、単なる ACK パケットを送信する必要がなくなる。この点でも回線効率の 向上が見込まれる。 p.301


Nagle のアルゴリズム 概要:小さなデータパケットの送信を一瞬躊躇する 詳細:

このメカニズムはデータ送受信のどちら側で実装されるか? またどのような問題をどのように解決するのか?

p.303


Nagle のアルゴリズム 概要:小さなデータパケットの送信を一瞬躊躇する 詳細: MSS 以下のパケットを転送しなければならない場合には、 送達確認待ちのパケットがなくなるまで、データの送信をまつ 。 すなわち、 MSS 以下のパケットは、パケットを1単位とする アウトスタンディング数を1とする。

このメカニズムはデータ送受信のどちら側で実装されるか? またどのような問題をどのように解決するのか? 送信側で動作するアルゴリズムである。小さなパケットを多く発生するような アプリケーションでは、データの送信を待つことで、次に発生したデータをまとめて ひとつのパケットに格納できるために回線使用効率が向上する。

p.303


スロースタート・輻輳回避 スロースタートの目的:

輻輳回避アルゴリズムの目的:

輻 輳 ウ ィ ン ド ウ

前回輻輳を起こした時点における 輻輳ウィンドウの50%

往復回数


スロースタート・輻輳回避 スロースタートの目的: 受信側の処理能力を超えるパケットを一度にかけないように 処理能力の同期を探る 輻輳回避アルゴリズムの目的: 輻輳が発生しそうなレベルまでトラフィックを上昇させる速度 を緩めて、ネットワークの処理能力最大能力を長時間引きだす。 輻 輳 ウ ィ ン ド ウ

輻輳回避メカニズム スロースタート

前回輻輳を起こした時点における 輻輳ウィンドウの50%

往復回数


スライディングウィンドウとパフォーマンス

図1

図3

図2

図4


パフォーマンス考察 • パフォーマンス順序 図1 図2 図3 図4 • パフォーマンス劣化の原因 – ( )が大きいほどパフォーマンスがよい – ( )が小さいほどパフォーマンスがよい


パフォーマンス考察 • パフォーマンス順序 < < < 図1 図2 図3 図4 • パフォーマンス劣化の原因 – ( )が大きいほどパフォーマンスがよい ウィンドウサイズ 往復遅延時間 – ( )が小さいほどパフォーマンスがよい


遅延の成分 • 3つの成分 – 機器内滞留遅延 • (定義) • 非常に短いので通常は無視する

– 伝送遅延 • (定義) • 距離に依存 • 東京 - 大阪 ( ) 日本 - 米国西海岸 ( )

– シリアル化遅延 • (定義) • 伝送速度とフレーム長に依存

) 日本 - 欧州 (


遅延の成分 • 3つの成分 – 機器内滞留遅延 • 機器入力インタフェースに最終ビットが到着してから、出力インタ フェースに先頭ビットが現れるまでの時間 • 非常に短いので通常は無視する

– 伝送遅延 • ある機器の出力インタフェースに先頭ビットが出現してから、別の 機器の入力インタフェースにその先頭ビットが到着するまでの時間 • 距離に依存 • 東京 - 大阪 (100ms) 日本 - 米国西海岸 ( 150ms) 日本 - 欧州 ( 250ms )

– シリアル化遅延 • 出力インタフェースにおいて、先頭ビットが現れてから最終ビットが 現れるまでの時間 • 伝送速度とフレーム長に依存 • 10Mbps で 64KB フレームのシリアル化遅延は?( 50ms )


遅延とパフォーマンスの関係 伝送遅延 d(s) ウィンドウサイズ W(bit) 回線速度 :v (bit/s) シリアル化遅延 :s =W/v(s) 回線使用率 p

100%

75%

WindowsXp で W=64KB s < d*2 p= 100% s > d*2 p= s/ (d*2) *100 %

50%

25%

0

50 日本国内

100

150 米国

200

250 往復遅延 d*2 (ms) 欧州


遅延とパフォーマンスの関係 100%

伝送遅延 d(s) ウィンドウサイズ W(bit) 回線速度 :v (bit/s) シリアル化遅延 :s =W/v(s) 回線使用率 p

10Mbps 100Mbps

75%

5 Mbps WindowsXp で W=64KB s < d*2 p= 100% s > d*2 p= s/ (d*2) *100 %

50%

25%

5 Mbps

0

50 日本国内

100

150 米国

200

250 往復遅延 d*2 (ms) 欧州


4.経路制御 OSPF と BGP を学習します OSPF の用途、技術的特徴

BGP の用途、技術的特徴


4.経路制御 OSPF と BGP を学習します OSPF の用途、技術的特徴 自律システム内で利用されることが多い ポリシーが効きません リンクステート型であり、ネットワークに異常、変更が発生すると、エリア内 すべてのノードにそのイベントが通知されます。経路計算は情報が行き渡った のちに一気に行われますので、処理は高速です BGP の用途、技術的特徴 ポリシーベースのルーティングプロトコルです。自分の制御が及ばない 他のネットワークと接続する場合に利用されます。


OSPF • 2 ステップから構成されます – ( LSA フラッド)まず、自分のルータ ID と接続 されているすべてのリンクのリンクコストを他 のルータに転送する – (最短経路計算)各ルータは他のルータまでへ の最短経路を計算する


最短経路計算 begin V のすべての頂点に未訪問のしるしをつける v0 に訪問済みのしるしをつける d[v0]:=0; for OUT(v0) の各頂点 v に関して do d[v]=l(v0,v); F:={v,d[v]) | v ∈ OUT(v0)}; 発見されたノード群 while F=φ do begin v:=F のなかで d[u] が最小になる u; F:= F-{(v,d[v])}; v は訪問済みの印をつける for OUT(v) の各頂点 w do if w が未訪問 then if ( w , d[w]) ∈ F then d[w] := min {d[w], d[v] + l(v,w) }; else begin d[w] := d[v]+ l(v,w); F:= F ∪ { (w, d[w] )} end end end


OSPF 演習 LSA フラッドが完了したとして、ルータ3は図5のようにネットワークのトポロジーを学習しました。 ルータ3になって、他のルータまでの最短経路を計算してください。 図5 発見済 2 , 4 F: D(2)=1

D(4)=1

図6 発見済のうち最近隣の4を選ぶ 4は訪問済 4の近隣を加え 2,5,6が発見済み F: D(2)=1 D(5)=3 D(6)=2 図7 発見済のうち最近隣の 2 を選ぶ 2 は訪問済にする 新たに1を発見した 5は発見済だが、今回発見した経路が短いの で距離を修正、結局 1,5,6が発見済み F: D(1)=3 D(5)=2 D(6)=2


つづき

6を最近ノードとして選ぶ 新たに7を発見 F: d(1)=3,d(5)=2,d(7)=4

1 を訪問済にする 新しい発見はありません F: d(7)=3

5を最近ノードとして選ぶ 1を再発見するが経路が大きいのでこのリンク使わない 7を再発見する、より短い経路を発見したので距離を修正 F: d(1)=3,d(7)=3

7を訪問済にする 新しい発見はありません 8を発見 F: d(8)=4

最後に8を訪問済にします 新しい発見はありませんでした。 F=φ になったので終了です


BGP • 接続相手先に自分の配下に誰がいるの かを教えるための手段 ISP A C+E ここへは、 C と E に到達できます ISP C

C+A ここへは C と A に到達できます ISP E


BGP 演習 あなたは ISP C のネットワーク管理者です ISP D はあなたの顧客ネットワークです ISP A と ISP E は、あなたとは「ピアリング関係にあります さて、他ネットワークに対してどのような経路を広報しますか?

ISP A

ISP C

ISP D

ISP E


BGP 演習 あなたは ISP C のネットワーク管理者です ISP D はあなたの顧客ネットワークです ISP A と ISP E は、あなたとは「ピアリング関係にあります さて、他ネットワークに対してどのような経路を広報しますか?

ISP A C+D A+C+E ISP D

ISP C C+D ISP E


BGP 2514InfoSphere 2497 向け

2527 向け 2527 2527+9605

2497 2497+9605

2497 I 社

2527 S 社 9605 9605 向け

9605

9605 D社

経路広報 トラフィックルート


BGP へたくそなルーチング 2514InfoSphere 2527 向け

2514+2527 2497 I 社

顧客ではない ネットワークを広報

2527 S 社

9605 D 社

経路広報 トラフィックルート


BGP 経路制御 2514InfoSphere 2497 向け

2527 向け 2527 2527+9605

2527 S 社

D 社は S 社との回線にあまり負荷を かけたくない場合、どうしようか?

9605

9605へは この経路でいい の

2497 2497+9605

2497 I 社

9605

9605 D 社

経路広報 トラフィックルート


経路制御の例(プリペンド) 2514InfoSphere 2527 向け

2527 S 社

2527 2527+9605 + 9605

9605 + 9605

9605 D 社

2497 2497+9605

2497 向け

2497 I 社

9605

9605 向け


5.さらに学習するために • • • • • • •

Computer Netoworks Third Edition( 全般 ) – Tanenbaum PrenticeHall TCP/IP Vol. 1(プロトコル) – R. スティーブンス 橘訳 ピアソン TCP/IP によるネットワーク構築 Vol.1 (プロトコル) – D.Comer 著 村井他訳共立出版 HIGH-SPPED NETWORK (基礎) – W.Stallings PrenticeHall ネットワーク設計理論(基礎) • 滝根、伊藤、西尾 岩波書店 インターネットルーティングプロトコル(経路制御) – Black 著 波多他訳 ピアソン UNIX ネットワークプログラミング 第 2 版 Vol.1 (プログラミング) – R. スティーブンス 篠田訳 ピアソン


メモ


メモ


2003 年 7 月 第 1 版 波多浩昭 (c) NTTPC Communiations,Inc.


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