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How to Get Published in Scientific Journals 編集者からみたよい論文とは? 小森文夫 東京大学物性研究所 Surface Science Regional Editor 2009年9月15日

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論文出版・公表の流れ

出版社 学会

読者

編集者 編集委員会

プレプリント サーバー

著者 査読者 2


論文? = 報告書 読者を想定した物語 X: どのような研究を行ったか ○: どのような新しい、興味深い、重要な 結果や考え方が得られたか? 読者はどのようなことに興味を持つか? 一般的な真実、予想外の結果、流行の話題 3


論文を書くとき 1.読者へ 1.1 読者に興味を持って読んでもらう。 1.2 読んだ読者に満足を与える。 2.編集者へ 編集者に重要な(興味深い)論文だと思ってもらう。 3.専門家へ 査読者に重要な(興味深い)論文だと認めてもらう。 査読者(=専門家)の評価 4


論文を書く前に どのような研究を書くか? “理解を深める事実、考えを確かにつかんでいる“

新しい概念、新しい結果、新しい手法 独創的、予想外、改良、否定、類型的

“論理的に説明できるだけの材料がある“ 5


よい研究 = よい論文 すばらしい研究成果があるというコメントだけ (百年以上も解けない数学の問題!) 他人に理解させる 理解してもらえなければ、 研究していないことと同じ 読まれる論文を公表しない = 研究をしなかった 論文を出版して、研究が完結する 論文公表は研究を行う者の社会的責任

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読まれる論文は? 1.明確で興味を引く書き方 2.論理的、簡潔で親切な文章 忙しい読者は、物語をすらすら読みたい!

編集者、査読者がすらすら読める 早く出版される! 読者の立場で書く!

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どのタイプの論文を書くか? Letter: 重要な結果の短い速報 2-4p、3-5figures 読者に好まれ、価値が高い 不十分な結果、議論? Online support Full Article: 研究成果の完全な報告 8-12p 研究方法、結果の詳細 Review: 研究課題の現状のまとめと批評 日本では、若手は書かない?

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会議録: 査読なし(ゆるい)速報、総説 査読付き論文の前段階

*査読付き論文誌の特別号 十分な審査が難しい? 締め切りのある論文! *速報性ならば、 preprint サーバー+レター論文 9


どの雑誌を選ぶか? *一般誌: Nature, Science,… いろいろな分野に興味を持つ人が読者 物理・天文・化学・生物…., 広い読者の興味を引くことが重視 最初の読者が“編集者” 編集者が興味をもつかどうか =想定する読者が興味をもつかどうか *専門誌: Phys.Rev., J.Phys.,Physica 多くの専門家が目をとおす 専門誌の選択 研究を進める上で参照している論文の掲載誌 10


書く前の準備のまとめ 1.研究が十分にまとまっている 2.論文のタイプを決める 3.どの雑誌にするか決める 4.論文の書き方を調べる

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論文の構成 Title, Abstract, Keywords: 読者が効率よく論文を読む Authors: 重要な貢献をした者 Text: 論文の本体 簡潔かつ十分な精密さ Acknowledgements: 研究を行う上での謝辞 References: オリジナリティの尊重 Supporting materials: 重要な詳細の記述 12


Text Introduction: 論文の意義 Methods: どのようにして、その結果が得られるか 再現可能性! (必要ならば、図を利用) Results: 重要な結果、簡潔な提示 図、表、写真の活用 項目を分けて書く Discussion: 結果の意義の説明 Conclusions: 結論の要約、将来の研究の方向 13


どこから書くか? 1.図、表 内容はこれで決まる 2.Results 3.Methods 4.Discussion 5. Introduction 6.Conclusion 7. Abstract, Title 看板!

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Results O 読者が論理的に考えながら読んでいける X 研究の進行の順番

Discussion 結果ごとに、 どのような興味深い結果であるか 複数の結果+レファレンス どのような新しい発見があるか これまでの結果の発展、 矛盾の解決、 否定

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Introduction どのような分野か 何に注目して、何を調べたか なぜそれが重要か 論文が何を明らかにしたか (研究中にいつも考える!) 論文に書くもの = 研究を始める前の動機 = 読者へのメッセージ どのような読者に読んでもらいたいか? 一般誌か専門誌か? 物理?化学?固体?物質科学? 読者を想定した記述

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Title 読者の興味をひく 対象が絞られていて簡潔、 省略語を避ける

Abstract 論文の看板: Webでは自由に閲覧 研究の対象と新しい結果

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Authors 全員が論文内容に責任をもつ 信じられる共同研究者 執筆責任者の重要性

Acknowledgements 研究に必要な補助: 人、試料、装置、予算 Authorとの区別? 貢献の重要性の判定 18


References 重要な論文の選択: 同じような内容の論文を避ける オリジナリティの尊重 レビュー論文の引用 自分の論文の引用は少なく 投稿雑誌の形式に合わせる。

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推敲 全体が整ったところで、推敲 論理構成、全体、部分 文章(言い回し、単語の選択)

共著者、同僚、グループリーダー、友人 友好な批判者 英語の得意な外国人 文法の誤りのない論文

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カバーレター 編集者への手紙(普通は執筆責任者) 2パラグラフ以内: 論文で述べている新しい発見とその重要性 その雑誌にこの論文がふさわしいこと 査読者候補 (必須でない) 論文内容の専門家 = 友好な研究者 競合する研究者ではない (明確に避けることができる) 共同研究者でない、 同じグループの出身でない 21


投稿とその結果 編集者 1.論文が形式的に正しいか? 図、表、レファレンス、長さ、 英語が読めるレベルか 2.論文内容が雑誌に適合しているか? カバーレター、 Title, Abstract, Introduction, Conclusion 価値判断(適合性、重要性) 3.適切な査読者に送付 22


査読者 1.論文textが正しいかどうか。 方法、結果の妥当性 議論の論理性 記述の正確さ 2.価値判断(適合性、重要性) 査読報告書 編集者 複数の査読者の報告を受けて、判断 Accept, Reject, Revision (major, minor)

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査読システム 匿名の専門家 匿名性: 誠実な批判を行うため どうすれば、論文(研究)がよくなるか? いつも誠実とは限らない 悪意の競合する研究者 自分の研究を先に出版 論文の結果を利用して研究

プレプリントサーバー、口頭発表 24


Revise (Reject) 建設的な示唆: 丁寧な対応 誤解に基づく批判: 誤解の原因を除く 文章の改訂、論理構成の改訂 悪意の批判: 冷静で論理的な反論 編集者への連絡 控えめな批判 (よさそうなレフリーを選ぶ) 編集者は査読者も見ている。

読者を説得する改訂と回答(査読者ではない)

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論文出版・公表の流れ

出版社 学会

読者

編集者 編集委員会

査読者

プレプリント サーバー

著者 物語作家 26

編集者や査読者からみたよい論文とは  

小森文夫 東京大学物性研究所 Surface Science Regional Editor 編集者からみたよい論文とは? 2009年9月15日 1 論文出版・公表の流れ 出版社 学会 プレプリント サーバー 読者 2 = 報告書 一般的な真実、予想外の結果、流行の話題 読者を想...