




ご挨拶
市議会議員連盟だより
九五式軽戦車改造ブルドーザーについて・・・・・・・・・・・
クラウドファンディングの手順
74 式戦車 引退しても働けます !! ・・・・・・・・・・・・・・・
先立つものがなければ収蔵車輛は集まらず・・・・・・・
輪履帯を尋ねて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
NPOからのお知らせ/防技博通信・・・・・・・・・・・・・・・

ご挨拶
市議会議員連盟だより
九五式軽戦車改造ブルドーザーについて・・・・・・・・・・・
クラウドファンディングの手順
74 式戦車 引退しても働けます !! ・・・・・・・・・・・・・・・
先立つものがなければ収蔵車輛は集まらず・・・・・・・
輪履帯を尋ねて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
NPOからのお知らせ/防技博通信・・・・・・・・・・・・・・・
アフターコロナという言葉も身の回りで耳にする機会も減り、日常の社会生活を取り戻したかに見 える2024年春、支援者のみなさまはいかがお過ごしでしょうか?こちらは公私共に大忙しとなっ ており、今回はそのあたりの事情をみなさまにお伝えしようと思います。
まずはこの会報がお手元に届くころには佳境に差し掛かっていると思われる、九五式軽戦車改造ブ ルドーザーの修復費用を募るクラウドファンディングへのご協力のお願いです。詳しくは同封のA4 チラシをご覧頂きたいと存じます。告知チラシは数量に余裕がありますので、お友達に配布したいと か、店頭に置いて頂けるなどありましたら、必要枚数と送り先のお名前、住所、電話番号を事務局ま でお知らせください。前回の会報より募集額が大きくなった理由は、擦り減った履帯ピンの全量交換 と、履帯の広がってしまったピン穴の修正作業が一台分180枚(片側90枚)という数量により高額見 積となったことが大きな理由です。4月26日までの59日間という限られた時間となりますので、目標 1,500万円を目指して、直接のご支援はもちろん、情報拡散へのご協力をお願い致します。
次に、会報19ページに掲載されている九八式6屯牽引車(ロケ)についてです。理事会で検討し た結果、今回は購入を見送ることになりました。限られた予算のなかで、あれも、これも、という訳 にはいかないことが理由です。当時のオリジナルエンジンが載せ替えられ、失われていることも大き な理由ですが、それを差し引いても現地価格700万円は適正な価格だと感じました。今後もこのよう なお話を頂く機会が多くなると想像します。先ほどお知らせした九五式軽戦車改造ブルドーザー修復 費用のクラウドファンディングのネクストゴールは、収蔵品の維持管理に充てるための費用となりま すが、第二目標でも500万円といわず、1000万円、2000万円積み増しをお願い出来れば幸いです。
3月21日(木)10時(米国現地時間)より、テキサス州フレデリックスバーグ市に所在する太平洋 戦争国立博物館にて、同館展示中の九七式中戦車の日本への里帰りへ向けた基礎的な打ち合わせを行 いたいので来訪して欲しいとの要望がありました。これを受けて代表小林、当会の海外渉外担当岸田 芳郎氏、米国協力員ドミニク・カイロ氏と博物館運営財団理事長、同館長らと会談に臨みます。先方 も限られた予算の中で九七式中戦車の管理に限界を感じており、日本へ里帰りして修復されオリジナ ルエンジンで再び動くようになることを望んでくれています。これまで数年間に渡る事前交渉が実を 結ぶように事前準備を万端に整えて、当日に臨みたいと思います。今回の渡航費用(交通費と宿泊費、 除く口銭)はREADYFOR様の継続型クラウドファンディングのマンスリーサポーター様のご支援を 活用させて頂きます。当日の様子は現地から活動報告としてアップさせて頂きますので、吉報をお待 ち下さいませ。
最後になりますが、御殿場市が「防衛技術を含む科学技術情報の発信拠点」の整備費用に昨年度に 続いて調査費を計上しました。これに基づいて令和5年度には設置場所の検討をして、基本構想が進 むものと思われます。我々としては、米国からの九七式中戦車の里帰りを見据えて、なるべく早く準 備館の開設を目指すことになりました。前回の九五式軽戦車里帰りの際に戦車本体は博物館収蔵品と して輸入許可を頂きましたが、搭載戦車砲については輸入許可までで、所持許可は出ないことが判明。 輸入後は常設展示として博物館に収蔵され、広く一般に公開されることが必須なのです。開館まで数 年間掛かると思われる(仮称)防衛技術博物館の開館に間に合うように九七式中戦車の修復作業を行 いながら、その様子を見学して頂ける準備館を急ぎ整えたいと考えております。いずれにせよ、3月2 1日の交渉次第で流れが決まります。次回の会報でみなさまに素晴らしいご報告が出来るように引き 続き頑張ります!
2月4日の御殿場市議会議員選挙に伴い、議員 連盟の新規入会説明会を2月22日に開催しまし た。7名の参加者に対し、市議会議員連盟の概要 と博物館建設推進について理解を深めるとともに 意見交換を行いました。意見交換では、「静岡県 東部地区は博物館(科学館)がなく、来場者の需 要が見込まれる。日本唯一の博物館として防衛技 術を前面に出した方がよい。」等貴重な意見が出 されました。
これに先立ち2月19日、市議会の令和6年度 市長施政方針において、勝又正美市長は、「防衛 技術をはじめとした『科学技術博物館』の検討を 進める。」と表明しました。
今後は、3月に予定されている市議会議員連盟 総会において入会者が正式決定されます。多くの 皆様に入会していただき、博物館建設を推進して 参りたいと存じます。
防衛技術博物館の設置を推進する議員連盟 会長 神野義孝
☝議員連盟新規入会説明会で、議連について説明をする神野 会長(奥左)。総会での入会者増加が期待される。
博物館には不可欠な学芸員。当会にも専属学芸員Kがいますが、1人だけでは成り立ちません。そこで、この先“防 衛技術”を冠する博物館の学芸員を目指す若者が現れることを願い、資格取得のために再び大学生になった社会 人20年目の小高周一郎氏が、現在どのような勉強をしているかを連載でお届けします。
・博物館と学芸員
博物館は社会教育のための機関であり、その在り方を 定めるために博物館法があります。
そして、博物館法第四条では、「博物館に、館長を置く」 そして同条3では「博物館に、専門的職員として学芸員を 置く」となっています。博物館設立には「館長」だけでなく 「学芸員」も必須であるという法律の建付けです。
近年、学芸員は博物館の建物内にとどまらず様々な活 動を行っておりますので、その存在をご存じの方も多いの ではないでしょうか。
ちなみに、現在の博物館法では数値目標は撤廃されて いるので、法律上では博物館1館に対し学芸員は1名い ればよいです。実際に「ひとり学芸員」の小規模な博物館 も多数あります。
館の規模や収蔵・展示資料の傾向によって実務上必要 な学芸員の人数は変わってきます。
文化庁のとりまとめによりますと1館あたり平均して4人 弱の学芸員が所属しているようです。
独立行政法人国立科学博物館では50人以上の学芸員 が活躍しています。さすが日本最大かつ最高の総合博物
館というところですが、大多数の博物館では、予算の締め 付けにより運営上必要最低限の学芸員しか配置されてお らず、永続的な資料の保全や展示の発展といった、博物 館に期待されている社会的責任を果たすのに十分な人 数をそろえているのは一握りの恵まれた博物館です。
ちなみに平成30年度時点で全国の博物館は5738館、 水族館動物園美術館といった施設も博物館の分類に入 ります。
学芸員は国家資格ですので、認定されるにはそれなりの 条件があります。 なお、学芸員資格がないものの、博物 館収蔵資料についての豊かな知識を有した方が博物館 に採用されていることもあります。
次回からはもう少し具体的に学芸員についてお伝えして いければと思います。
文化庁には、学芸員について詳しく知 ることができるサイトがある。博物館と 学芸員は、法律上も実務上も切っても 切れない関係で、今後、防衛技術博物 館を建設するためにも必要な人材であ る。
一度ポナペから日本に帰り、今から10年ほど前、英国に渡った九五式軽戦車の再度の日 本への里帰り交渉は思う様に進まず、交渉相手のオリバー氏からミクロネシア連邦ポナペ島 に残された十数両の九五式軽戦車の内の一台を里帰り交渉すべきとの助言により、ポナペ島 訪問活動と日本国内への情報発信をしている最中にその報せは入りました。そのメールによ れば、戦後GHQ管理下で製造メーカーによりブルドーザーに改造された、更生戦車の生き 残りが北海道の片隅で見つかったとの驚きの内容でした。もしもメールに写真が添付されて いなければ、にわかに信じられなかった報せですが、添付写真には九五式軽戦車の車体を利 用した改造ブルドーザーがくっきり、ハッキリと写っていました。すわ大変と、北海道の知 り合いの伝手をフル活用して持ち主にまで辿り着き、お電話しましたが、以前改造ブルの写 真がネット上で拡散し、一部のマナーをわきまえない「撮り鉄」ならぬ、「撮り戦車ブル」 が所在を特定してアポなし、不法侵入撮影を繰り返すので戦車ブルは隠してしまい、売る気 も無いとの回答でした。
そこから本当に長いようで短い10年が経過し、2022年末にはオリバー氏のご理解とご協力 で英国から九五式軽戦車4335号も帰国を果たしました。その半年後の2023年夏に、日本戦 跡協会の清水代表が北海道の戦車改造ブルドーザーのオーナー様に見学を申し出たところ、 売却したいとのこと。清水代表は、これはNPO法人防衛技術博物館を創る会さんへ連絡し なければと思い、大戦機修復家の中村泰三氏を通じて仲介頂き、御殿場の地へ戦車改造ブル ドーザーをお迎えすることが出来ました。
既にお知らせしたとおり、昨年秋には有識者によるこの改造ブルドーザー修復の方向性を 決める検証会も開催し、前オーナーが最終形態として完成させた昭和50年頃の状態を目標と して修復作業を進めることとなりました。年末年始を挟んで諸所へ作業見積もりを依頼した 結果、修復費用1,500万円を目標として当会にとって四回目となるクラウドファンディング を実施することとなりました。
賛助会員並びにマンスリーサポーター様には重ねてのお願いとなり恐縮ですが、ご支援を お願いしたく存じます。また、このようなプロジェクトに興味をお持ちいただけそうな、ご 友人、お知り合いへの情報拡散へのご協力を改めてお願いする次第です。
て い る 。 状 態 は 良 く な い 。
履 帯 ピ ン は す り 減 っ て だ い ぶ や せ て し ま っ
☝ 状 態 確 認 の た め に 外 さ れ た 履 帯 ピ ン と 履 板 。
☜☟
自衛隊をはじめとする「装軌車両」の履板やスプロケットホイール等の補修 作業を得意とする神奈川県の「南里製作所」様と補修作業の打ち合わ せを行い、修復の見積もりを出していただきました。
打ち合わせの詳細は、 マンスリーサポーター募 集の活動報告よりご 確認いただけます。
QRコードを読み込むと そちらのページを読むこ とができます。
【クラウドファンディングプロジェクト概要】
・運営会社:READYFOR
・プロジェクトタイトル: 戦後復興の生き証人、九五式軽戦車改造ブルドーザーを次世代へ! ・募集期間︰2024年2月27日(火)~4月26日(金) 59日間
・目標金額:1,500万円 ・プロジェクト形式:All or Nothing・通常型
・URL:https://readyfor.jp/projects/type95HA-GOdozer
・資金使途 :九五式軽戦車改造ブルドーザーの修復費および車体の調査費、クラウドファンディングの諸経費 ・リターン例(一部):オリジナルポストカード、特別編集記念DVD(修復の様子を収録) 体験(同乗/操縦) 【クラウドファンディングとは】
インターネット上で支援金を募る仕組み。All or Nothingというルールで、目標金額に達成しなければ集まった 支援金は全て返金になる。支援者は支援額に応じたリターンを受け取ることができる。
READYFORを利用してのクラウドファンディングも4回目。多くの支援者様のお かげですべてのプロジェクトで目標金額を達成することができました。今回も多く の支援が必要となり、改めて支援の方法をお伝えできればと思い、手順を解説させ て頂きます。スマートフォン、パソコンをご準備の上、右のページでご確認くださ い。
なお、ご支援頂くには、メールアドレスが必要になります。まずはご自身のメー ルアドレスをご確認ください。
それでもよくわからない☹という方は、同封したチラシにありますように、申込 書を提出の上、指定の銀行口座へお振込み下さい。申込書が提出されない場合、正 常に受理できなかったり、返礼品がお届けできない場合がございますので、ご注意 ください。
READYFOR特設サイトでは、プロジェクトの詳細や 応援メッセージなど、随時情報更新中!!! 是非こちらからご支援をお願いいたします。
支援の方法がわからない☹という方 こちらの手順通りにスマートフォンを操作すれば、 ご支援して頂くことができます。
お子さんやお孫さんにもお手伝いをお願いして、 レッツ チャレンジ!!
「戦車ブルドーザー レディーフォー」で検索。または左下のQRコードを読み込んでください。
情報を入力し メールアドレスで登録 をクリック
希望するコースにチェックを 入れ、個数を選択し 次に進む をクリック
支払い方法を選択する
はじめて利用する方は 新規登録へ
をクリック
必要情報を入力
リターンお届け先(住所)を入力し
入力内容の確認画面へ
※コンビニ支払いは、ファミリーマート、ローソン、 ミニストップのみ対応です。
支援金額+システム利用料の合計金額が30万円 未満のご支援でご利用いただけます。
入力内容を最終確認し、
支援を確定する をクリック
●選択したコース、個数 ●合計金額 ●支払い方法
●カード情報または口座情報 ●リターンお届け先(住所) を確認し、 アンケートとメール配信 について回答
★クレジットカードの場合 →カード情報を入力
★ 銀行振込の場合 →画面の案内をお読み ください
★コンビニ支払いの場合 →画面の案内をお読み いただき、コンビニの種類 を選択
お手続き完了です あたたかい応援を ありがとうございました!
※「支援履歴」から返金先情報の ご入力をお願いいたします。
今年の3月に退役する74式戦車についての 気になる今後について記事にしました。
文/加藤聡 理事
「74式戦車をチャレンジャー戦車と交換しないか?」何やら突拍子もない話に聞こえますが、 九五式軽戦車を一時保管や日本への里帰りにご協力いただいたイギリスのボービントン戦車博 物館からの提案です。
約半世紀近く日本の防衛任務に就いてきた74式戦車が2024年3月には全て引退することに なっています。用途廃棄後は基本的に解体され溶鉱炉行きとなります。国の資産として定数が 決められており、兵器という特質からもやむを得ない面もあります。しかしただ溶かしてしま うのではなく、引退後も果たせる任務はあります。
ボービントンからの提案は当会が目指す防衛技術博物館の役割のひとつ「戦車による平和外 交」の可能性を示唆しています。すでにヨルダンの王立戦車博物館に61式戦車が貸与、展示さ れている実績もあります。
☝ 当時の河野防衛大臣と、リーナ・アンナーブ 在日ヨルダン・ハシェミット王国特命全権大使。
ヨルダン王立戦車博物館 に61式戦車が展示された ときの産経新聞の記事。
ニュースになったときは、か なり界隈がざわついた。
☝☜
当時の防衛省 Twitter(現X)より。 河野防衛大臣自らヨ ルダン王立戦車博物 館を視察されました。
ロイター通信より転載
☝ベルギーの企業でモスボールされているレオパルトほかの車輛群
軍事分野等におけるモスボール (mothball)とは、使用しなくな った兵器などの機材を劣化を防 ぐ処理をした上で保管すること。 モスボールした機材は、予備と して必要に応じて現役復帰され る他、部品取りや標的機などに 使用される。
(Wikipediaより抜粋) 世界中の美術館や博物館では収蔵品の交換、貸与は普通に行われています。それは軍事博物 館も同じで、ボービントンと繋がれば他の博物館にもネットワーク拡大が期待できます。公立 博物館同士の収蔵品交換であれば日本でも通関のハードルはぐっと下がります。
「戦車による平和外交」には歴史、文化的意義だけでなく、安全保障にも直接寄与すること もできます。「T-55に乗ってみたら74式より『豪華』で驚いた」機甲職種だった退職自衛官が 外国博物館でT-55に乗られた時の率直な感想です。現職当時「T-55は74式より粗末で劣る」と 思って(思い込まされて)いたそうです。防衛省・自衛隊関係者でも外国の戦車を直接触れた ことのある方は限られます。日本で外国製戦車を見学できるようになれば、防衛省・自衛隊や メーカーの関係者が視野を広げ「日本戦車ガラパゴス」から抜け出せる効果も期待できます。
もう一つが民間による引退した74式戦車の予備保管です。これも突拍子もないことに聞こえ ます。現在進行形のロシア・ウクライナ戦争では西側は74式戦車と同期にあたるレオパルト1を 約200両ウクライナに提供することを決めています。生産国ドイツでは2003年に全車退役してい るのに200両もどこから出てきたのかという点に注目です。
外国では退役した兵器の一部は民間に払い下げられモスボール(劣化を防ぐ処理をした上で 保管すること)することがビジネスになっています。ドイツ政府はウクライナに提供するレオ パルト1をラインメタル社(ドイツ)から88両、フレンスブルガー社(ドイツ)から99両、OIP ランドシステムズ社(ベルギー)から30両、ルアグAIG社(スイス)から96両の取得打診をしま した。ルアグAIG社 はスイス政府の方針で直接提供はしませんでしたが、有事に備えて除籍し た戦車を民間でモスボールすることは日本も参考になることです。
74式戦車は873両が生産されましたが、現在残っているのは何両でしょう・・・。
九七式中戦車の履帯と起動輪&誘 導輪を流用した、見るからに高速 機動向きの精悍な足回りが特徴的。
☟
収 ま る フ ロ ン ト 部 分 。
デ フ ァ レ ン シ ャ ル と 操 行 装 置 だ け が
エ ン ジ ン は 後 方 に 配 置 さ れ る た め 、
☝
これまでのブルドーザーのよう な足回りから、戦部品を流用し た近代的なフォルムが際立つ。
日本陸軍が戦前に砲兵機械化に 取り組んだ生き証人だが、残念 ながら日本国内に現存車両は確 認されていない。
物語はいつも一本の電話から始まります・・・ 2023年秋も深まったころ賛助会員N様から「海外の友人か ら日本軍の牽引車を売りたいと話が来たが興味はあるか?」との こと。もちろん興味はあるが車種も状態も判らなければお話は進 まないので、写真を要望したところ送られてきたのはロケ車でし た!?
九八式6屯牽引車は、九七式中戦車の履板や起動輪等を流用し、 重砲の牽引車として開発され、2,000輌弱が生産されました。日 米開戦前の昭和13年(1938年)には、米軍のM5、M4高速ト ラクターと同コンセプトのものを日本でも国産していたのです。 もちろん、牽引能力も生産台数も米軍の半分にも及びませんが、 旧日本軍は決して精神力重視ではなく、機械力も手当しながら部 隊編成を行っていたことを知って頂くためにも将来博物館に収蔵 したい一台であります。
戦後もこの手の車両は機械力として重宝され、国内外で生き 残ったロケ車は使い倒され、スクラップになった・・・と思って いたら豪州で生き残っていたとのこと。邦貨で約700万円という 現地価格は妥当かと思いますが、エンジンがオリジナルから換装 されていることと、現在NPOに資金的余裕がないことから購入を 即答することが出来ませんでした。
「チャンスの神様は前髪しかない」と経営者の間では良く使わ れる諺ですが、今回もあれこれ悩んでいるうちに購入のタイミン グ逸してしまいました。残念ですが仕方ありません。今後は手元 資金として幾ばくかの購入準備金を用意出来ればと思うのですが、 みなさまはどのようにお感じになりますか?可能であれは、2024 年4月26日まで実施中の九五式軽戦車改造ブルドーザー修復費用 を募るクラウドファンディングのネクストゴールとして収蔵品購 入費用プール金をご支援頂ければ幸いです。
☝
定員7名だが、操縦席と助 手席以外は失われている。
Lottie Hasselt-Grant
とはいえ当時の操縦座席が 残っていることは奇跡的。
犬の様な愛嬌のあるフロント部分。丸目の ライトは欠損しているが、日の丸や当時の 塗装が奇跡的に残っている。灯火管制用の カバーを掛けると、ヘッドライトが半分隠 れて、眠たそうな顔つきになり、更に可愛 くなります。
九八式6屯牽引車(ロケ)
自重:6.9トン 全備重量:7.4トン 乗員:7名 全長:4.30m 全幅:2.05m 全高:1.91m エンジン:
いすゞ DD六型 一〇〇式 統制型水冷6気筒ディーゼル 最大速度:24km/h
⑧
う の 昔 に 廃 棄 さ れ た と の
エ ン ジ ン は 残 念 な が ら と
ル ド ー ザ ー と 同 じ 。 純 正
は 、 北 海 道 の ハ 号 改 造 ブ
エ ン ジ ン に 換 装 さ れ た の
軽量化追求はゼロ戦だけではありません。日本 軍戦車の誘導輪を含む各部品は、軽量化のため 他国のそれに比べても、薄くて華奢です。その ため、現存車両の誘導輪は大きな石等を噛み込 んで変形しているモノが多い。
⑨
☜
四 起 と 同 じ 規 格 品 。
は 欠 損 し て い る が 、 く ろ が ね
メ ー タ ー パ ネ ル 内 の メ ー タ ー
回 用 の 四 本 、 チ ハ 車 と 同 形 式 。
こ と 。 ☝ 片 側 五 個 の 転 輪 は 、 本 車
☜
写真は戦後払い下げ となり「共同建設」 でチハドーザーと共 に、西日本各地を走 り回ったロケ車。静 岡県内での朝霧高原 開拓や岳南鉄道の敷 設工事にロケ車改造 ブルドーザーが使用 されたとの口伝も残 る。
*写真提供:丹羽次郎
ル 搭 載 と い う と こ ろ も 珍 ⑪
水 冷 式 の 統 制 型 デ ィ ー ゼ
操 行 レ バ ー は 緩 旋 回 、 信 地 旋
し か っ た 。 ⑫
械 と し て の 完 成 度 も 高 く 、
は 良 か っ た と の こ と 。 機
戦 車 と 同 様 で 、 乗 り 心 地
シ ョ ン 方 式 は 当 時 の 日 本
専 用 の モ ノ 。 サ ス ペ ン
⑥ ⑦
か り 。 ☜
車 用 転 輪 枚 を 寄 贈 頂 い た ば
先 ご ろ 支 援 者 様 を 通 じ て ロ ケ
で チ ハ 車 よ り 回 り 小 さ い 。
上 部 支 持 転 輪 も 本 車 専 用 設 計
Explore the wheel belts
☟ ア ル ケ ッ ト 地 雷 処 理 車 の 輪 履 帯 。
☝レディプーリア(伊)の149カノン
☟ 上 ② の 輪 履 帯 の 中 間 リ ン ク と 木 金 混 成
写真・文/武宮 三三(会員番号:42)
クビンカ戦車博物館の中で、あっと驚くような車両の一つに、アル ケット社の地雷処理車・試作車617がある。もともと輪履帯とはWWⅠの 頃、牽引砲の細い木製車輪の接地圧を下げるための工夫だった。とこ ろが此の3輪のロードローラーでは、1セグメント0.8トンもの重さを持 つ厚い輪履帯を使ったのである。
本来の輪履帯は、ごく少数ながら今も幾つかの施設に保存されている。 そのあらかたを見て回った。
WWⅠが始まる15年前の1899年に、イタリー王国トリノ要塞砲兵旅団 のC.ボナジェンテ大尉が「砲の搭載方法の改良」という標題で英国に 特許を出願し、翌年に受理された。その内容の前半は「大口径で重た い攻城砲が軟弱地で移動や発射する時の為に、砲架の車輪の外周に取 り付ける分節状の無限軌道」に関する文と付図だった。以後、この装 置は「ボナジェンテ履帯」と呼ばれて、幾つもの国で採用された。
「輪履帯」という用語が、昭和6年に陸軍砲工学校刊の「兵器学教程 普通科砲兵用 車両編」の中に載っていた。宗像和広氏が、その内容を 温故知新シリーズ(戦車マガジンVol.15, No.7, P110)で紹介された。
また輪履帯を付けた八九式十五糎加農(昭和4年)の写真も、佐山二郎 氏の著書に載っている。Radgürtel, wheel beltに相応する日本語が 「輪履帯」であり、それは実体を示す良い名称と考えられる。
トリノの国立砲兵歴史博物館が閉鎖されて以降、イタリアで「ボナ ジェンテ履帯」を見るには、東北端の国境近くまで行かねばならない。 トリエステ空港の3km北に、同国最大の軍用墓苑、レディプーリア戦没 者慰霊碑がある。道路を挟んでその真向かいに「聖エリアの丘」が横 たわる。丘の登り口の左右に置かれた2門の砲には、細部まで原型通り の輪履帯が付いている。149 Gカノンと長砲身の149/35カノンの両砲は、 いずれもWWⅠの同国の要塞砲と攻城砲で、口径149.1mm、駐退機がなく 単脚、木製車輪。(写真②③)
フランス北東部のヴェルダン市の南南東、直線距離15kmの地点に、 リュプト=アン=ヴォエヴル(Rupt-en-Woëvre)という名の、小さいコ ミューンがある。WWⅠの際、1914年9月下旬に此処で戦闘があり、一旦 地中に埋められた砲が1987年に掘り出されて、町役場の前に慰霊碑と 並んで展示してある。砲は155 L ド・バンジュ(新形式の尾栓の名 前)と呼ばれる長砲身カノン1877年型の改良型で、輪履帯が付いた砲 としてはこの国に残っている唯一のものである。しかもそれが、博物 館でなく此処にポツンと置いてある。(写真④⑤)
スイスのレマン湖畔のモルジュに、13世紀に作られた城郭がある。 (写真⑥)それが軍事歴史博物館になっていて、WWⅠ時代の砲、約20 門が見られる。輪履帯 ”Cingoli” を巻いた120mm榴弾砲の車輪が展 示してあり、その輪履帯の構造はボナジェンテの初期デザインよりも 単純化され、かつ木製の部分が少なくなっている。(写真⑦)
フィンランドのパロラの戦車博物館に行く途中のハメーンリンナ (ハメ城という意味)市。そこに旧名フィンランド砲兵博物館がある。 同館は、2013年に工兵部隊と通信部隊の機材の展示が追加されて、 フィンランド軍事博物館と改名された。ここのフランス製120mmL砲 (1878年型)は輪履帯付きである。筆者が訪れた時には、輪履帯は取 り外して整備中だった。(写真⑧)
バルト三国のひとつラトヴィアの首都リーガ。石畳の旧市街の一画 に、もと火薬塔だった軍事博物館 (1916~ )がある。(写真⑩)そこ の写真展示の中に「英国のVickers system 6inch榴弾砲 1936. G.」と いうタイトルの1枚があった。巻きつけてある輪履帯は全く見慣れない 形であった。(写真⑪)
⑧
☝ハメーンリンナ砲兵博物館(芬) 120mm L砲1878型(仏)の単純化された 輪履帯(整備中)
⑩
☟ リ ー ガ の 軍 事 博 物 館
☝シューの外面が円周状に丸い。こういうシューは 英国側の資料にも記載がない
☝ハメーンリナ砲兵博物館(芬)にある1877 型107mm砲(ソ)の車輪のアタッチメント。発射 時の砲の後退と復位に対する試案。
⑥ ⑦
ドイツも、大口径の牽引砲に輪履帯を使った。輪履帯付きのクルップ 21cm 臼砲10は、1門だけがオタワのカナダ戦争博物館に保存されている。 短砲身、駐退機付き、単脚の1910年型、重量7.1トン。
輪履帯付きのクルップ 42cm 臼砲「太った(大)ベルタ」の1/5模型 が、パリの軍事博物館にある。短砲身化などによって42.6トンにまで減 量したM-ゲレート(M-デヴァイス)である。
ドイツのバイエルン州のヴァイアーハンマー(Weiherhammer)という 所で、ある会社が 1925以来ロードローラーを作っていた。その2007年 度の広告に「コピッシュ・システム輪履帯式コンパクター(道路締固め 車)」が載っていた。その形が冒頭のAlkettの地雷処理車そっくりであ るが、詳細は不明である。コピッシュ・システムについて知りうる貴重 な機会であったのに、残念としか言いようがない。
皆様からのご寄稿お待ちしております。 ジャンルは問いません。博物館探訪レポートやイベン ト参加の感想など、会報で皆様の博物館への思いを発 信して、博物館への期待を高めましょう。 ✉ tank@k-m-d.co.jp までご連絡ください。
2024年2月末迄 のご支援額 ¥5,122,000 目標達成まで あと¥14,878,000 昨年実施しました九五式軽戦車里帰りの輸送費クラウドファンディングもあり、九五式軽戦 車購入時の借入金への意識が薄くなりつつありますが、まだまだ返済は続きます。ご支援頂く 際は、事務局までご一報ください。度重なるご支援の依頼で大変恐縮ではございますが、一口 5,000円から記念の粗品。10万円以上のご支援者様には、記念小冊子を進呈致しておりますの で、引き続きのご支援をよろしくお願い致します。
マンスリーサポーターになるために 必要なもの
★メールアカウント (READYFORの登録に必要です) ★クレジットカード
上記のクレジットカードがご利用頂けます。
昨年4月からはじまったマンスリーサポー ター制度。現在260名を超える支援者様に よって、NPOの活動を支えて頂いておりま す。本当にありがとうございます。
マンスリーサポーター限定メールマガジン には、賛助会員にもまだ発表していない情報 を掲載しているほか、月イチ配信のため紙の 会報よりも新鮮な情報をお届けできます。
支援は、月額500円、2,000円、 5,000円の3コースからお選びいただけ るほか、1カ月支援後に解約など、通常の寄 付のようにもご利用いただけます。
様々なかたちでのご支援に対応できるマン スリーサポーター制度。この機会に是非ご登 録をお願い致します。
マンスリーサポーターについての詳しい説 明等は、ReadyForのサイトからご確認くださ い。
当会に支援申し込みサイトは下のQRコー ドからお願い致します。
皆様からのご支援お待ちしております。
右のQRコードから サポーター申込ページを ご利用頂けます。
会員の皆様におかれましては、日頃より当会への ご理解・ご協力を頂き、誠にありがとうございます。
令和5年度は、御殿場市で開催されるイベントに 多く参加した1年でした。令和⑤年⑩月⑧日を『ご てんばの日』とするイベントでは、市内の様々な団
体の展示などもありましたが、残念ながら当会には お声がかからず、収蔵品の展示などでお役に立てる と思っていましたが力不足だったようです。次回の 『ごてんばの日』のイベントがあった際はくろがね 四起や九五式軽戦車を多くの市民の皆様にお披露目 できる機会をつくってもらいたいと思いました。
『ごてんばの日』では御殿場を舞台にしたアニメ 『オーバーテイク!』の上映会も開催され、ついに 御殿場もアニメの聖地になるのかと感慨深いものが ありました。12月で終了した『オーバーテイク!』 は、モータースポーツの甲子園と呼ばれる「F4」 をテーマにしたアニメ。近年に類を見ないほど上質 なオリジナル作品で、これほどに丁寧に作られたア ニメがあまり話題にならないのが本当に残念で仕方 がありません。もっと多くの人に観てもらえるよう、 ファンとしては情報発信をしなければならないとい う義務感に駆られています。そう考えると、何をす るにしても情報発信は本当に重要なことだなと改め て思わされました。
夏には『ごてんば未来塾』に参加し、そこでも多 くの市民活動を行っている人とお話しをする機会が ありましたが、皆さん情報発信でお困りの様子でし た。そんな中でチームをつくって課題解決のプロセ スを学び、自分が気がついていなかった御殿場の課 題を発見することもできました。
冬には『御殿場100人ミライ会議』に参加し、御 殿場駅周辺の活性化事業について様々な人の意見を 聞くことができました。
博物館建設にもこのイベントに参加するような多 くの市民の意見が取り入れられる未来が見えた1年 でした。 (事務局:小高)
れ て い る 。
ム ペ ー ジ 。 モ デ ル 地 の 紹 介 な ど が さ
☞ オ ー バ ー テ イ ク ! × 御 殿 場 市 の ホ ー
さ れ 有 意 義 な 時 間 が 過 ご せ ま し た 。
御 殿 場 が 舞 台 と な っ た ア ニ メ の 上 映 会 も 開 催
頂 け た の は 大 き な 収 穫 で し た 。 市 民 会 館 で は
書 館 の 蔵 書 放 出 が あ り 、 演 習 場 関 連 の 資 料 を
☟ 『 ご て ん ば の 日 』 に ち な ん だ イ ベ ン ト で 、 図
マンスリーサポーターがはじまっても、賛助会員にご入会い ただける方もいらっしゃってとても有難い。引き続きのご支
や す い と 感 じ た 。
は 比 較 的 考 慮 さ れ
高 校 生 の 意 見 な ど
て い た 印 象 。
の 高 い 人 が 参 加 し
く り に 対 し て 意 識
イ ベ ン ト 。 ま ち づ
民 参 加 型 の 講 座 と
年 度 に 実 施 し た 市
☟ ☞ 御 殿 場 市 が 令 和 五
☝
ごてんば未来塾の実施報告書。
参加者の様々な意見がみえてくる。
世界中に当たり前にある、防衛装備品を展示する博物館 を日本にも創りたい!そんな思いから活動しています。
我が国が誇る技術産業力の結晶である戦車をはじめとし
た機械は兵器という観点からしか語られず、それを研究、 ましてや保存しようという考えは皆無です。このままでは産 業大国日本の将来を背負う子供たちに、先人たちの偉大 な努力や成果を伝えることは出来ません。
そんな中、使命を終えた機械が次々と溶鉱炉へ送られる 現状。これを一台でも救い出し保存保管していくことで我々 の活動の一部が達成できるのだと考えます。並行して海外 に置き去りにされている旧日本軍の車両里帰り計画も活 動における重要な事業だと考えます。
そのためにまず安全な保管場所の確保が急務となり、そ
れには地元自治体との連携が不可欠です。大型車両を多 数保管する博物館ですから多くの費用が必要となり、ここ
でみなさまにご協力をお願いする次第です。一人でも多く
の方に我々の活動を知っていただき、その思いを具体化さ せるためのご賛同とご援助をお願いいたします。
NPO法人防衛技術博物館を創る会 会報 第19号 Vol.19 2024年3月発行
雅彦
NPO法人防衛技術博物館を創る会 :〒4122-0039 静岡県御殿場市竈717-6(㈱カマド内)
TEL:0550-82-2854 FAX:0550-84-0917
E-mail:tank@k-m-d.co.jp ©NPO
無断転載を禁ず
一般賛助会員 :年会費3,000円 入会金2,000円 団体賛助会員 :年会費一口~ 30,000円 会員になると
会報誌を年2回お届け
会の活動や進捗情報などをお届けします。 みなさまからの貴重な情報も掲載。
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特別展示、限定イベントにご招待 会員向けの限定イベントをご案内します。 収蔵した車両も優先的にご案内します。
郵便振替による 申し込み
全国の郵便局ATMにて 簡単に手続きができます。
マンスリーサポーター制度スタート 2023年4月より、クラウドファンディングサイト READYFOR内で申込み開始。月々500円から できるご支援方法になります。
静岡県御殿場市と小山町の一部をエリアとするコミ ュニティFM[富士山GOGOエフエム]で、当会の 番組『戦車でGO!~ラジオ社長の小部屋~』を 毎週木曜18時15分頃から放送中!
小林代表が濃いミリタリートークを繰り広げつつ、会 の進捗情報をお話しします。
放送は、PC・スマホからご視聴可能です。 ※詳しくは富士山GOGOエフエムHPをご確認 下さい。
NPO法人防衛技術博物館を創る会 代表理事 副代表理事 理事 理事 理事 理事 理事 理事
小林 雅彦 湯山 和行 加藤 聡 日向 昭了 笹川 俊雄 冨田 宏人 小寺 清太 礒部 恭子
理事 理事 監事 監事 顧問 事務局
宮永 忠将 勝間田 芳秀 勝又 親男 池谷美喜夫 吉祥寺怪人 小高 由佳