代謝廻転-細胞から個体、そしてその集合へ-

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代謝廻転

細胞から個体、そしてその集合へ

紙が持つ、可折性、透過性、通気性、暖かみといった特性を最大限に発揮できる建築として、 人間が最もいのちを輝かせる場所である居住空間であり、その集合である【シェアハウス】を、 生物の構成原理に準えて製作した。

この作品はシェアハウス兼ワークスペースであり、人の気配を感じたり、仲間と活動を共に したりする場所を散りばめている。それらは和紙の多様な特性を応用したものである。

交流の活性化や新たな仕事の創造を促すこの建築の中で、人の「いのちが輝く」ことだろう。

WORLD PAPER ARCHITECT AWARD 2022 テーマ「いのちが輝く建築物」 30 選入選 グループコンペ シェアハウス

可折性 温かみ 透過性 通気性 調湿作用

のテーマ / ルール

「いのちが輝く建築物」

無加工の模型写真のみを提出すること  模型の制作には、紙のみを使用すること  配布される越前和紙を一部に使用すること

時間や空間の共有 協力による創造的活動

「人」のいのちが輝く→シェアハウス

「いのちが輝く」とは?

経年変化

「建築」のいのちが輝く→経年変化 / 代謝

和紙の特性は?
代謝
全ての階を貫き支える螺旋状の構造体が、住人の繋がり、いのちの輝きを象徴する。
組織 生物の構成原理 建築の構成原理 器官 個体 建築全体 集合 繊維 細胞 応用 昇降ロールスクリーン

4cm の紙片 縦に半分に折る 横に半分に折る 斜めに折り返す もう一方も同様に 開いて斜めに折る 縦に折る たたんで完成

組織や器官が再生するように、部屋や昇降用ロールスクリーンは居住者の自由に衣替えできる

個室ユニットの上昇により 1 階オープンスペースが拡張され、住民以外の人々も引き込む

3F

2F

1F

三角パーツ ↓ 外皮

『代謝廻転』

三角パーツを取替えることで、 和紙からなる壁の性能を維持

三角パーツを組み替えることで、 環境に合わせて 窓の位置や形状を変更

天窓・洗濯場

トイレ・バス・洗面

ワークスペース

R F 中央部 共有スペース

キッチン・ダイニング イベントスペース

越前和紙の鮮やかな色 和紙の透過性

昇降ロールスクリーン

本棚 収納 1.5 F

個室ユニット

三角パーツ ↓ 家具

個室ユニットを上げると

1 階の共有スペースが広がる

回転 ↓ 昇降

吹き抜けによって最上階から各階の中央共有部に光が落ちる

越前和紙の衣替えによる『代謝廻転』

外皮の代謝 昇降システム

各階共用部へは 個室ユニットで移動 収納 機能

自動昇降機能

ベッド デスク
窓の 変更
1 2 3 4 5 0 m

各階中央に LDK やワーキングスペースを配置し、各個室の昇降を利用して住人が集う。 住人の交代や経年変化に合わせてロールスクリーンや外皮、家具までもが代謝していく。

夜、内部の光が和紙を通過し、 暖かい光となって外部へ溢れ出る。

住む人によって異なる 個室ユニットの和紙の色、 紙の厚みが様々な表情を見せる。 まるで、そこに住む人や建物に 命が宿り、輝いているようである。

ホワイトボードでの案出し  紙の可折性が生む様々な形のスタディ オンラインツールを活用した案出し  模型制作と撮影風景  ロールスクリーンの検討 個室ユニットの検討  コンペ後に制作したオブジェ

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