Polish Culinary Paths, ポーランド料理道

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アルコ ール

ポ ー ラ ン ド の ウ ォ ッ カ

も倒れそうな百姓を手伝い、残りの畑を耕しそして百姓の下で働かせてもら えるよう頼みました。こうして鬼は三年間もの間畑を耕し、種を撒き、そして収 穫をし、百姓はお金を集めることができました。鬼が帰ろうとするその時、鬼 は最後にもう一度悪戯をすることにしました。鬼は百姓の家に行くと、麦と大 きな鍋と水を用意させ、お湯を沸かし、作った湯を何度も移し、あれやこれや と手を加えると、百姓の前に強い香りのする透明な液体が入ったボトルを置き ました。どうやらビールや蜂蜜酒とは全く違う物のようです。百姓はそれを飲 んでみましたが、とても強く、一瞬息ができなくなる程でした。更に飲んでみる と、頭がふらふらになり、すると百姓は少年が本当は鬼であることが見えたの です。鬼は幾つかのボトルを残すと窓から逃げ去りました。翌日百姓は目覚め ると頭が痛く、胃が重く大変苦しく辛い思いをするはめになってしまいました。 · ポーランドのウォッカは、ジャガイモまたは麦の種から作られています。優 れた味のため、外国で高く評価されています。ロックバンドのローリング・ス トーンズは1967年にポーランドで主催されたコンサートの謝礼金の代わりに、 貨車二台分のウォッカをもらったという話があります。 · ウォッカはよく冷やしてから飲みます。飲み方はストレート、オンザロック、 カクテルにしても飲めます。また肉料理、ニシンの料理などによく合います。 · 昔の大邸宅では、花、果物、蜂蜜、香辛料、葉、根、そして琥珀までもを使 いナレフカ nalewka というアルコールを用いたエキスを作っていました。おそ らく14世紀にはもう知られていたようですが、テンサイから砂糖が製造され始 めてから飛躍的に発展していきました。ある地方では、シュラフタの家族に子 供が生まれるとその日にナレフカを作り熟成させ始め、そしてその子供の結 婚式に振舞われました。また結婚を望む若い男性が好きな人の家族からナレ フカが出された場合それは賛成のしるしとされ、反対の場合はチャルナ・ポレ フカ czarna polewka という鶏あるいは鴨の血の混ざったスープが出されま した。 · 強いお酒についての話に戻りましょう。芳しい香りの酒は前菜と一緒に食 卓に出され、普段朝に飲まれていました。飲む容器も大切で、ナレフカは小さ く綺麗なグラスに注がれ愛好家達はカラフを収集したりしていました。ナレフ カは通常冷たくして飲まれていましたが、蜂蜜や香辛料の味がする甘いクル プニク krupnik は例外でした。中口のナレフカは肉料理によく合い、甘口のも のはデザートと一緒に飲みます。ウォッカと違いナレフカは一気に飲まずに少 しずつ味わいます。 · 酒を飲む習慣は、旅中の人々が食事をしたり酒などを飲んだりできたカ ルチマ karczma、あるいはザヤズド zajazd という店に由来しています。この ような店は中世の初期に流行り始め、13 世紀から田舎でも出来始めました。

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