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大阪オフィス マーケットサマリー
2024年第1四半期
賃貸市場では需要が堅調 経済
3月の近畿短観によると、大企業製造業の 業況判断は6ポイントとなり、前年12月時 点から7ポイント悪化した。大企業非製造 業は30ポイントとなり、同5ポイント悪化 した。
需要と供給
第1四半期のネットアブゾープションは 95,000㎡のプラスとなった。業容拡大を動 機とする館内増床や拡張移転、ビルグレー ド向上による移転などテナントの積極的な 動きが散見された。
第1四半期の新規供給は3棟であった。中央 区では御堂筋ダイビル(延床面積20,000 ㎡ ) とアーバンネット御堂筋ビル ( 同 42,000㎡)の2棟が1月に竣工した。北区で はJPタワー大阪(同227,000㎡)の1棟が3 月に竣工した。
第1四半期末時点の空室率は3.1%となり、 前期比では0.6ポイントの上昇、前年同期比 では0.6ポイントの低下となった。


需給と空室率の推移
需要
新規供給 供給予定
空室率
需要、供給、空室率は、2019年から2023年については、年末時点 の数値を参照する。2024年については、当期末時点の数値を参照す る。供給予定は2024年第4四半期末までの数値(推計値)を参照す る。
出所: JLL
既存物件を中心として空室消化が進んだ一 方、新規供給物件の一部が空室を残して竣 工したことから、空室率は上昇した。
賃料と価格
第1四半期末時点での賃料は月額坪あたり 22,620円となり、前期比では0.5%の上昇、 前年同期比では0 8%の下落となった。新規 供給ビルの賃料水準が高額であるために全 体の賃料が押し上げられた。

投資市場も活発な動き
第1四半期末時点の価格は前期比1 0%の上 昇、前年同期比1.6%の下落となった。賃料 の上昇を反映して、価格も上昇した。投資 利回りは横ばいであった。
投資市場
第1四半期の大阪府内のオフィス投資総額 は1,035億円となり、前期比470 9%の増加、 前年同期比116.5%の増加となった。
当四半期の取引事例として、積水ハウス・ リート投資法人による本町ガーデンシティ の譲渡が挙げられる。オフィスビル部分の 譲渡価格は 445 億円 。 鑑定 NOI 利回りは 3 4%となる。譲渡先は非開示。
見通し
Oxford Economicsの3月予測によると、大 阪市の実質GDP成長率は2024年に0 4%、 2025年は0.1%と見込まれる。リスク要因 としては、原材料価格の上昇、人手不足が 内需に与える影響が挙げられる。
賃貸市場では、需要は堅調であるものの、 今後予定されている新規供給は高額帯の賃 料水準のものが多い。賃料負担力の高いテ ナントは限られるため、空室率の上昇は続 くとみられる。また、需給緩和をうけて、 空室を多く抱える物件を中心に賃料調整が 見込まれる。
投資市場では、国内投資家を中心に良質な 物件への投資意欲は高く、売却案件も増加 していることから、更なる流動性の高まり が期待される。
賃料と価格の推移
賃料指数 価格指数
点線部は2024年末までの短期見通しを示している。
指数は2019年第4四半期=100
出所: JLL
プロパティクロック

: JLL, 2024年第1四半期

主要指標

空室率
賃貸市場

投資市場
商業用不動産直接投資総額
大阪オフィス
出所: JLL, 2024年第1四半期
注1:空室率と賃料は、 JLLが設定したオフィスエリア内のAグレー ドオフィスマーケットを参照している。大阪Aグレードオフィスの定 義は下表の通り。
注2: プロパティクロックは、JLLが設定したオフィスエリア内のA グレードオフィスの賃料を参照している。
注3: 投資総額は、大阪府のオフィスセクターの不動産直接投資総額 を参照している。
大阪グレードAオフィスの定義
所在
大阪市5区(北区、中央区、浪速区、西区、淀 川区)においてJLLが指定するオフィスエリア
延床面積 15,000㎡(4,538坪)以上
基準階床面積 600㎡(181坪)以上
竣工年 1990年以降

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