
日本: インベストメントマーケットダイナミクス
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日本: インベストメントマーケットダイナミクス
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借入コスト低下で投資拡大 世界の不動産投資額は、インフレ率低下 及び借入コストの低下により拡大が続い ている。セクター別では物流施設などの 産業不動産は米国関税政策の不確実性等 により様子見が見られる。オフィスは特 にアジア太平洋地域で投資が拡大してい る。
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物価上昇や金利上昇といった環境の変化 が投資家のポートフォリオの見直しや企 業の不動産戦略の変更を促し、不動産売 却の増加につながっている。金融機関の 積極的な融資姿勢を追い風に、国内外の 多様な投資家の堅調な投資需要により不 動産投資市場の活況が続いている。
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日本の投資額は上半期で3兆円超え
第1四半期に続いて大型物件の売買が複数 見られ、上半期で2007年以来の3兆円超え
を記録した。都心のオフィスや住宅ポー トフォリオの大型取引が見られた。世界 都市別ランキングでも東京は第1位となっ た。
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見通し
米国関税政策による不確実性の高まり等 は日本の不動産投資市場への影響は見ら れなかった。直近の関税めぐる動向や国 内企業の対応等を鑑みても影響は限定的 と考えられる。投資機会の増加と堅調な 需要により、2025年の不動産投資額は 2024年を上回り6兆円近くにのぼると予 想される。
(2025年上半期) +21%
世界の投資額の前年同期比 +22%
日本の投資額の前年同期比 34%
国内投資額における海外投資家の投資額割合 1位
東京の世界都市別投資額ランキング 53%
国内投資額におけるオフィスの投資額割合
• 2025年上半期の世界の不動産投資額は米ドル建 てで前年同期比21%増の3,580億ドルとなった。
• アメリカ大陸の取引は前年同期と比べて23%増 加、EMEA(欧州、アフリカ、中東)は25%増加、 アジア太平洋も17%増加となった。借入コスト の低下、借入環境の改善によって成長が続いた。
• アジア太平洋地域では複数の国で大型取引が見 られ好調を維持した。特にクロスボーダー取引 が回復している。韓国、オーストラリア、シン ガポール、香港では借入コスト低下による好影 響が見られたが、投資市場における米国関税政 策の影響及び不確実性が懸念されている。
(10億ドル)
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日本の投資額推移
(10億円)
日本の投資額
• 2025年上半期の日本の不動産投資額は前期比 11%増、前年同期比22%増の3兆1,932億円(米 ドル建てで前年同期比23%増の213億ドル)と なった。
• 第1四半期に東京ガーデンテラス紀尾井町などの 大型オフィスや東急プラザ銀座などの大型商業 施設の取引があったことから、半期としての投 資額も2007年下半期以来の3兆円超えとなった。
出所:JLL
世界の都市別投資額ランキング
• 世界の都市別ランキングでは、東京は2025年上 半期の投資額が160億ドルとなり、第1四半期か ら第1位を維持した。
• 大阪は2025年上半期の投資額が20億ドルで37位 となり、第1四半期の39位よりやや上昇したが、
前年同期の18位と比べて大きく順位を下げた。
都市別投資額
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海外投資家の投資額推移
海外投資家の投資額
• 海外投資家による不動産の購入額を表すインバ ウンド投資額は、 2025年上半期は1兆948億円 となり、前年同期の2,978億円と比べて3.7倍に 増加した。上半期のインバウンド投資額が1兆円 を超えるのは2007年上半期以来である。
• 2025年上半期の国内不動産投資額に占めるイン バウンド投資額の割合は34%となり、上半期と しては2020年の36%に次ぐ高さである。 出所:JLL
1Q 2Q 3Q 4Q 国内投資額に占める割合(%) (10億円)
セクター別投資額割合
• セクター別投資額割合では、オフィスは2025年 上半期の投資額が1兆7,037億円となり、53%を 占めた。前年同期の44%から拡大し、上半期と しては2018年以来の50%超えとなった。
• リテールは前年同期の8%から拡大し、12%と なった。一方、物流施設、ホテル、賃貸住宅は 前年同期から減少し、それぞれ11%、10%、13% となった。
地域別投資額割合
• 地域別投資額割合では、 東京都心5区が上半期 で56%となり、2018年上半期以来の50%超えと なった。 第1四半期に大型オフィス・商業施設 の取引が複数見られたことが影響した。
• 一方、横浜プラザビルや複数の大型物流施設の 取引が見られた千葉・埼玉・神奈川(東京都を除 く東京圏)は、前年同期の8%から拡大し11%と なった。
• 大阪圏は複数の大型オフィスの取引がみられた ものの10%にとどまり、前年同期の21%から大 幅に縮小した。
地域別投資額割合の推移
出所:JLL
注釈:東京都心5区は千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区を、東京圏は東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県を、名古屋圏は愛知県、岐阜県、三重県を、大阪圏は大阪府、兵庫県、京都府、奈良県を、福岡圏は福岡県、佐賀県、長 崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県を指す。
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• 不動産投資利回りは長期的に低下傾向にあった が、世界的な金利上昇ととも2023年以降は横ば いで推移している。
• 2024年の日本の金利上昇以降も不動産投資利回 りは横ばいで推移しているが、今後さらに金利 が上がると、既に2%台前半にある東京Aグレー ドオフィスの利回りは多少の上昇が予想される。
• 物流施設の利回りは、オフィスと比較して高い 利回りであることや国内外の投資家の需要を鑑 みると横ばいで推移すると予想される。
出所:JLL
注釈:東京Aグレードオフィス利回りは東京都心5区のAグレードオフィス、東京圏物流施設利回りは東京圏に所在する大型賃貸物流施設のそれぞれの平均的なNOI利回り(賃料は市場賃料を想定)を指す。
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2025年第2四半期
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