列王記下
第1章
1アハブの死後、モアブはイスラエルに対して反乱を 起こした。
2アハズヤはサマリアにある自分の屋上の部屋の格子 戸から落ちて病気になったので、使者を遣わして言 った。「行って、エクロンの神バアルゼブルに、こ の病気が治るかどうか尋ねなさい。」
3主の使いはティシュベ人エリヤに言った。「立って、 サマリアの王の使者たちを迎えに行き、彼らに言い なさい。『あなたがたがエクロンの神バアルゼブル に尋ねようとしたのは、イスラエルに神がいないか らではないか。
4それゆえ、主はこう言われる。「あなたは、登った その寝台から降りることはできない。必ず死ぬ。」 こうしてエリヤは去って行った。
5使者たちが彼のところに戻って来たとき、彼は彼ら に言った、「なぜ今戻って来たのか。
6彼らは言った、「ひとりの人が私たちを迎えに上っ て来て、こう言いました、『あなたがたをつかわし た王のもとへ戻って言いなさい。主はこう仰せられ る。『あなたがエクロンの神バアルゼブルに尋ねよ うとして人をつかわしたのは、イスラエルに神がい ないからではないか。それゆえ、あなたが登った寝 台から降りることはできず、必ず死ぬであろ う。』」。
7そこでイエスは彼らに言われた、「あなたたちに会 いに上って来て、これらの言葉を告げた者は、どん な人であったか。
8彼らは答えた、「彼は毛深い人で、腰に皮の帯を締 めていました」。彼は言った、「それはティシュベ 人エリヤです」。
9そこで王は五十人の長を部下の五十人と共に王のも とに遣わした。長が王のもとに上って行くと、王は 丘の頂上に座っていたので、王は王に言った。「神 の人よ、王は下って来るようにと命じられまし た。」
10エリヤは五十人の長に答えて言った。「もし私が 神の人であるなら、天から火が下って、あなたとあ なたの五十人を焼き尽くすでしょう。」すると、天 から火が下って、彼と五十人を焼き尽くした。
11王はまた、別の五十人隊の隊長とその五十人を王 のもとに遣わした。隊長は答えて言った。「神の人 よ、王はこう言われました。『急いで下って来なさ い。』
12エリヤは答えて彼らに言った。「もし私が神の人 であるなら、天から火が下って、あなたとあなたの 五十人を焼き尽くすでしょう。」すると、神の火が 天から下って、彼と五十人を焼き尽くした。
13そこで彼は、第三の五十人隊の隊長を、その五十 人隊と共に再び遣わした。第三の五十人隊の隊長は 上って行き、エリヤの前にひざまずいて彼に懇願し、
こう言った。「神の人よ、どうか私の命と、あなた のしもべであるこの五十人の命を、あなたの目に尊 んでください。」
14見よ、天から火が下って来て、先の五十人隊の二 人の隊長と、その五十人隊員たちを焼き尽くした。 それゆえ、今、私の命があなたの目に尊ばれるよう にしてください。
15主の使いはエリヤに言った。「彼と共に下って行 きなさい。彼を恐れてはならない。」そこでエリヤ は立ち上がり、彼と共に王のもとへ下って行った。
16ヨシュアは彼に言った、「主はこう仰せられる。 『あなたはエクロンの神バアルゼブルに尋ねるため に使者を送ったが、イスラエルにはその言葉を尋ね る神がいないからではないか。それゆえ、あなたは 登った寝台から降りることはできず、必ず死ぬであ ろう。』
17こうして彼は、エリヤが語った主の言葉のとおり に死んだ。ユダの王ヨシャパテの子ヨラムの治世の 第二年に、ヨラムが彼に代わって王となった。ヨシ ャパテには息子がなかったからである。
18アハズヤのその他の事績は、イスラエルの王たち の年代記に記されているではないか。
第2章
1主がエリヤを旋風によって天に上げようとしたとき、 エリヤはエリシャとともにギルガルから出発した。
2エリヤはエリシャに言った。「ここにとどまってい なさい。主は私をベテルに遣わされたのです。」エ リシャは彼に言った。「主は生きておられます。あ なたの魂も生きておられます。私はあなたを離れま せん。」こうして彼らはベテルへ下って行った。
3ベテルにいた預言者の子らがエリシャのもとに来て 言った、「主が今日、あなたの主人をあなたの頭か ら取り去られることをご存じですか」。エリシャは 言った、「はい、知っています。黙っていなさい」。
4
エリヤは彼に言った。「エリシャよ、どうかここに とどまっていなさい。主は私をエリコに遣わされた のです。」エリヤは言った。「主は生きておられま す。あなたの魂も生きておられます。私はあなたを 離れません。」こうして彼らはエリコに着いた。
5エリコにいた預言者の子らがエリシャのもとに来て 言った、「主が今日、あなたの主君をあなたの頭か ら取り去られることをご存じですか」。エリシャは 答えた、「はい、知っています。黙っていなさい」。
6
エリヤは彼に言った。「ここにとどまっていなさい。 主は私をヨルダン川に遣わされたのです。」エリヤ は言った。「主は生きておられます。あなたの魂も 生きておられます。私はあなたを離れません。」こ うして二人は進み続けた。
7預言者の子ら五十人が出て行って、遠くに立って見 張っていたが、二人はヨルダン川のほとりに立って いた。
8エリヤは外套を取り、それを包んで水を打つと、水 はあちこちに分かれたので、二人は乾いた地面を渡 って行った。
列王記下
9彼らが渡って行くと、エリヤはエリシャに言った。 「わたしがあなたから取り去られる前に、何をして あげようか、尋ねなさい。」エリシャは言った。 「どうか、あなたの霊の二倍がわたしの上にありま すように。」
10すると彼は言った、「あなたは難しいことを要求 します。しかし、私があなたから取られるとき、あ なたが私を見るなら、そのとおりになります。しか し、見ないなら、そうはなりません。」
11そして彼らがまだ進みながら話していると、見よ、 火の戦車と火の馬が現れて、両者を分けた。そして エリヤは旋風に乗って天に昇った。
12エリシャはそれを見て、「わが父よ、わが父よ、 イスラエルの戦車とその騎兵よ」と叫んだが、彼は もう彼を見ることができず、自分の衣服をつかんで 二つに引き裂いた。
13彼はエリヤの落ちた外套を拾い上げ、引き返して ヨルダン川の岸辺に立った。
14そしてエリシャはエリヤから落ちた外套を取り、 水を打って言った。「エリヤの神、主はどこにいる のか。」彼も水を打つと、水はあちこちに分かれた。 そしてエリシャは渡って行った。
15エリコで見張りをしていた預言者の子らは、彼を 見て、「エリヤの霊がエリシャの上にとどまってい る」と言った。彼らは彼を迎えに行き、地にひれ伏 した。
16彼らは言った。「ごらんなさい。あなたのしもべ たちの中に五十人の力強い男がおります。どうか彼 らを行かせて、あなたの主人を捜させてください。
主の霊が彼を引き上げて、どこかの山か谷に投げ捨 てたとでもいうのでしょうか。」しかし彼は言った。 「人を遣わしてはならない。」
17彼らが彼を困らせるほどしつこく頼んだので、彼 は「人を遣わしてください」と言った。そこで彼ら は五十人の男を遣わしたが、三日間捜したが、見つ からなかった。
18彼らがまた彼のところに来たとき(彼はエリコに とどまっていた)、彼は彼らに言った、「わたしは、 行ってはならないと言ったではないか。
19町の人々はエリシャに言った。「ごらんなさい。 私の主君もご覧のとおり、この町の状況は良いので すが、水がなく、土地は不毛です。」
20そこで彼は言った、「新しい壺を持って来て、そ こに塩を入れなさい」。彼らはそれを彼のところに 持って来た。
21そこで彼は水の源へ出て行き、そこに塩を投げ入 れて言った、「主はこう仰せられる。『わたしはこ の水を清めた。もはやそこからは死も不毛の地もな くなるであろう。』
22こうして、エリシャが語った言葉のとおり、水は 今日まで癒されている。
23そこで彼はそこからベテルへ上って行った。彼が 道を上って行くと、町から子供たちが出てきて彼を あざけり、こう言った。「はげ頭よ、上って行け。 はげ頭よ、上って行け。」
24彼は振り返って彼らを見て、主の名において彼ら を呪った。すると、森から二頭の雌熊が出てきて、 四十二人の子熊を飲み込んだ。
25彼はそこからカルメル山地へ行き、そこからサマ リアへ戻った。
第3章
1アハブの子ヨラムはユダの王ヨシャパテの治世の第 十八年にサマリアでイスラエルを治め始め、十二年 間統治した。
2彼は主の目の前に悪を行ったが、父や母のようでは なかった。父が造ったバアルの像を取り除いたから である。
3しかし彼は、イスラエルに罪を犯させたネバテの子 ヤロブアムの罪に執着し、それから離れなかった。
4モアブの王メシャは羊飼いであり、羊毛とともに、 小羊十万頭と雄羊十万頭をイスラエルの王に納めた。
5しかしアハブが死ぬと、モアブの王はイスラエルの 王に対して反乱を起こした。
6その時、ヨラム王はサマリアから出て、イスラエル の民全員を数えた。
7そこで彼は行って、ユダの王ヨシャパテに人をやっ て言わせた。「モアブの王が私に反抗しました。あ なたは私と共にモアブと戦いに行かれますか。」ヨ シャパテは言った。「私は行きます。私はあなたと 同じであり、私の民はあなたの民と同じであり、私 の馬はあなたの馬と同じです。」
8そこで彼は言った、「われわれはどの道を通って上 って行けばよいか」。彼は答えた、「エドムの荒野 を通る道です」。
9そこでイスラエルの王、ユダの王、エドムの王は出 発し、七日の行程にわたる範囲の水を調達したが、 軍隊とそれに従う家畜のために水がなかった。
10イスラエルの王は言った。「ああ、主はこの三人 の王を呼び集めて、モアブの手に渡そうとしている のだ。」
11しかしヨシャパテは言った。「ここには主の預言 者がいないのか。彼によって主に伺いを立てること ができるのだが。」イスラエルの王の家臣のひとり が答えた。「エリヤの手に水を注いだシャパテの子 エリシャがここにおります。」
12ヨシャパテは言った、「主の言葉は彼にある」。 そこでイスラエルの王とヨシャパテとエドムの王は 彼のもとに下って行った。
13エリシャはイスラエルの王に言った。「わたしと あなたとに何の関係があるのですか。あなたの父の 預言者たち、母の預言者たちのところへ行きなさ い。」イスラエルの王は言った。「いいえ。主はこ の三人の王をモアブの手に渡すために召し集められ たのです。」
14エリシャは言った。「わたしが立っている万軍の 主は生きておられる。もしユダの王ヨシャパテの存 在を顧みなかったなら、わたしはあなたを見たり、 あなたを見たりはしなかっただろう。」
列王記下
15「今、わたしのところに琴を奏する者を連れて来 なさい。」琴を奏する者が琴を奏でると、主の手が 彼に臨んだ。
16彼は言った、「主はこう仰せられる。『この谷に 溝を満たせ。』
17主はこう言われる。「あなたたちは風を見ず、雨 も見ない。しかし、その谷は水で満たされ、あなた たちも、あなたたちの家畜や獣もそれを飲むことが できる。」
18これは主の目には小さな事にすぎない。主はモア ブ人をもあなたの手に引き渡されるであろう。
19そして、あなたたちはすべての堅固な町とすべて のえり抜きの町を撃ち、すべての良い木を切り倒し、 すべての水の井戸を塞ぎ、すべての良い土地を石で 傷つけるであろう。
20朝になって穀物の供え物を捧げると、なんとエド ムの道から水が流れてきて、その地方は水で満たさ れた。
21モアブ人は皆、王たちが自分たちと戦うために上 って来たことを聞くと、武具を着け、上着を着るこ とができる者全員を集め、国境に立ちました。
22彼らは朝早く起き、太陽が水面を照らし、モアブ 人たちは向こう岸の水が血のように赤くなっている のを見た。
23彼らは言った。「これは血だ。王たちは確かに殺 され、互いに殺し合ったのだ。モアブよ、今こそ略 奪に取り掛かろう。」
24イスラエルの陣営に着くと、イスラエル人は立ち 上がってモアブ人を撃ったので、彼らは彼らの前か ら逃げ去った。しかし彼らはモアブ人を彼らの国で 撃ち続けた。
25彼らは町々を破壊し、良い土地には皆、石を投げ て埋め、すべての水の井戸を塞ぎ、良い木をすべて 切り倒した。キルハラセテだけは石を残したが、石 投げをする者たちがそこを巡回して、それを打ち倒 した。
26モアブの王は戦いがあまりにも厳しいのを見て、 剣を抜く者七百人を率いてエドムの王の所まで突撃 しようとしたが、できなかった。
27そこで彼は、自分に代わって王となるはずだった 長男を城壁の上で燔祭としてささげた。イスラエル に対する激しい憤りが起こり、彼らは彼のもとを去 って、自分の国へ帰って行った。
第4章
1さて、預言者の子らの妻のひとりの女がエリシャに 叫んで言った。「あなたのしもべである私の夫は死 にました。あなたは、このしもべが主を畏れ敬う者 であったことをご存じです。債権者が私の二人の息 子を奴隷として連れて行こうとして来ました。」
2エリシャは彼女に言った、「何をしたらよいでしょ うか。家の中には何がありますか。」彼女は答えた、 「あなたのはしためは、油の壺のほかに、家には何 もありません。」
3そこで彼は言った。「行って、近所の人たちから器 を借りなさい。空の器でも借りなさい。少なからぬ 数を借りなさい。」
4あなたが中に入ったら、あなたとあなたの息子たち の前で戸を閉じ、すべての器に注ぎ出し、いっぱい になったものは取っておかなければならない。
5そこで彼女は彼のもとを去り、自分と息子たちの前 で戸を閉めた。息子たちは器を持って彼女のもとに 来たが、彼女はそれを注ぎ出した。
6器がいっぱいになったとき、彼女は息子に言いまし た。「もう一つ器を持ってきてください。」息子は 言いました。「もう器はありません。」こうして油 は残った。
7そこで彼女は神の人のところへ行ってそのことを告 げた。すると彼は言った。「行って油を売り、借金 を返しなさい。残りであなたとあなたの子供たちが 暮らしなさい。」
8ある日、エリシャはシュネムへ行った。そこには立 派な婦人がいて、エリシャにパンを食べるように強 いた。そこでエリシャはそこを通るたびに、そこへ 立ち寄ってパンを食べた。
9彼女は夫に言った。「ごらんなさい。この人はいつ も私たちのところを通る神の聖人であることが私に は分かりました。」
10わたしたちは壁に小さな部屋を造り、そこに寝台 と机と腰掛けと燭台を置きましょう。彼がわたした ちの所に来たら、そこに入ることができるでしょう。
11ある日、彼はそこへ行き、部屋に入ってそこに横 たわった。
12そこで彼は僕ゲハジに、「あのシュネムの女を呼 びなさい」と言った。彼が彼女を呼ぶと、彼女は彼 の前に立った。
13そこでヨセフは彼に言った、「彼女に言いなさい。 『あなたはこのようにあれほど心遣いして、わたし たちのために気を配ってくれた。あなたのために何 をすればよいのか。王か軍の長にあなたのことを申 し入れてもらいたいのか。』」彼女は答えた、「わ たしは自分の民の中に住んでいます。」
14そこで彼は言った、「それでは彼女のために何を すればよいのか」。ゲハジは答えた、「彼女には子 供がおらず、夫も年老いているのです」。
15そこで彼は、「彼女を呼んで来なさい」と言った。 彼が彼女を呼ぶと、彼女は戸口に立った。
16彼は言った。「この季節、人生の時期に合わせて、 あなたは男の子を抱くでしょう。」彼女は言った。 「いいえ、私の主人、神の人よ、はしために偽りを 言わないでください。」
17そしてその女はみごもり、エリシャが彼女に告げ た時期、すなわち月齢に従って男の子を産んだ。
18その子は成長して、ある日、刈る人たちのいる父 親のもとへ出かけた。
19彼は父に言った。「わたしの頭、わたしの頭。」 父は子供に言った。「この子を母のところへ連れて 行きなさい。」
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20そして彼は彼を引き取ってその母のところに連れ て行き、昼まで母の膝の上に座っていたが、その後 死んだ。
21彼女は上がって彼を神の人の寝台に寝かせ、戸を 閉じて出て行った。
22彼女は夫を呼んで言った。「若者一人と、ろば一 頭を私に送ってください。私は神の人のところへ走 って行って戻って来ます。」
23そこで彼は言った。「なぜ今日、彼のところへ行 くのですか。今日は新月でも安息日でもないの に。」彼女は言った。「大丈夫です。」
24そこで彼女はろばに鞍を置き、召使いに言った。 「追い立てて進みなさい。私が命じない限り、馬の 力を緩めてはいけません。」
25そこで彼女はカルメル山の神の人のもとへ行き、 神の人は遠くから彼女を見て、しもべゲハジに言っ た。「見よ、あそこにシュネムの女がいる。
26さあ、走って行って彼女に会い、「あなたはお元 気ですか。あなたの夫はお元気ですか。子供はお元 気ですか」と言いなさい。彼女は「元気です」と答 えた。
27彼女は丘の上で神の人のところまで来ると、彼の 足をつかんだが、ゲハジは彼女を突き落とそうと近 づいた。神の人は言った。「彼女を放っておきなさ い。彼女は心の中で苦しんでいるのです。主はそれ を私に隠して、私に告げなかったのです。」
28そこで彼女は言った。「わたしは主人の息子を欲 したではありませんか。わたしを欺かないでくださ い、と言ったではありませんか。」
29そこで彼はゲハジに言った、「腰に帯を締め、私 の杖を手に取って行きなさい。だれに会っても、あ いさつしてはならない。また、だれかがあなたにあ いさつしても、返事をしてはならない。そして私の 杖をその子の顔の上に置きなさい。」
30すると、その子の母は言った。「主は生きておら れます。あなたの魂も生きておられます。私はあな たを離れません。」彼は立ち上がって、彼女の後を 追った。
31ゲハジは彼らの前を通り過ぎ、杖を子供の顔に置 いたが、声も聞こえなかった。そこでゲハジは再び 子供を迎えに行き、「子供はまだ目覚めていませ ん」と言った。
32エリシャが家に入ってみると、その子は死んで、 寝床の上に横たわっていた。
33そこで彼は中に入り、二人とも戸を閉じて主に祈 った。
34そこで彼は上がって子供の上に横たわり、自分の 口を子供の口に、自分の目を子供の目に、自分の手 を子供の手に重ね、子供の上に体を伸ばした。する と子供の体は温かくなった。
35それから彼は帰ってきて、家の中を行ったり来た り歩き、また上って行ってその子の上に体を伸ばす と、その子は七回くしゃみをして、目を開いた。
36そこで彼はゲハジを呼び、「あのシュネムの女を 呼んで来なさい」と言った。そこで彼は彼女を呼び、
彼女が彼のところに来ると、「あなたの息子を連れ て行きなさい」と言った。
37そこで彼女は中に入り、彼の足もとにひれ伏し、 地に身をかがめて、その子を抱き上げて出て行った。
38エリシャは再びギルガルに帰ってきた。国には飢 饉があり、預言者の子らは彼の前に座っていた。エ リシャは僕に言った、「大きな鍋をつけて、預言者 の子らのために煮物を煮なさい。」
39ある人が野原に野菜を摘みに出かけ、野生のブド ウを見つけ、その野生のひょうたんを膝まで摘み、 帰ってきてそれを細かく裂いて煮物鍋に入れた。彼 らはそれが何であるか知らなかったからである。
40そこで彼らはそれを人々に注ぎ出して食べさせた。 彼らがその煮物を食べているとき、彼らは叫んで言 った。「ああ、神の人よ、この煮物には死が宿って います。」しかし彼らはそれを食べることができな かった。
41しかし彼は言った、「それでは粉を持って来なさ い」。彼はそれを鍋に投げ入れ、「民に注いで食べ させなさい」と言った。鍋には何も害がなかった。
42すると、バアル・シャリシャから人が来て、神の人 のところに初穂のパン、大麦のパン二十個と、殻つ きの穀物一穂を持って来た。彼は言った。「民に与 えて食べさせなさい。」
43すると、その家来は言った。「百人の前にこれを 出せというのか。」家来は再び言った。「民に与え て食べさせなさい。主はこう言われる。『彼らは食 べて、残すであろう。』」
44そこで彼はそれを彼らの前に置き、彼らは主の言 葉のとおりに食べて、残しておいた。
第5章
1スリヤ王の軍勢の長ナアマンは、主が彼によってス リヤに救いを与えられたので、主君に尊敬され、ま た勇敢な人であったが、らい病を患っていた。
2アラム人は部隊に分かれて出かけて行き、イスラエ ルの地から小さな女中を捕虜として連れ去った。彼 女はナアマンの妻に仕えていた。
3彼女は女主人に言った。「ああ、主君がサマリアの 預言者と共におられたら。彼のらい病を治して下さ るでしょうに。」
4ある女がはいって行って、主人に告げて言った、 「イスラエルの地の女奴隷がこう言いました。
5スリヤの王は言った。「行きなさい。イスラエルの 王に手紙を送ろう。」そこで王は銀十タラント、金 六千シケル、着替えの衣服十着を携えて出発した。
6彼はその手紙をイスラエルの王に持って来て言った、 「この手紙があなたのもとに届きましたら、わたし は、わたしのしもべナアマンをあなたのもとに遣わ します。あなたは、彼のらい病を治していただくで しょう。」
7イスラエルの王はその手紙を読むと、衣を引き裂い て言った。「わたしは殺したり生かしたりする神で あろうか。なぜこの人は、らい病にかかっている人
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をいやしてくれと、わたしのところに人を遣わした のか。なぜ彼がわたしに争いを起こそうとしている のか、よく考えてごらん。」
8神の人エリシャは、イスラエルの王が衣服を引き裂 いたと聞いて、王に人をやって言わせた。「なぜ衣 服を引き裂いたのですか。彼を私のところに来させ なさい。そうすれば、イスラエルに預言者がいるこ とが分かるでしょう。」
9そこでナアマンは馬と戦車を連れて来て、エリシャ の家の入口に立った。
10エリシャは使者を彼のもとに遣わして言った。 「ヨルダン川に行って七度身を洗いなさい。そうす れば、あなたの肉は元通りになり、清くなるでしょ う。」
11しかしナアマンは怒って立ち去り、こう言った。 「私は、彼がきっと私のところに出てきて、立ち、 彼の神、主の名を呼び、その場所の上に手を打ち、 らい病人をいやしてくれるだろうと思っていました。
12ダマスコの川アバナとパルパルは、イスラエルの すべての水よりも良いではないか。そこで身を洗っ て清くなることができないだろうか。」そこで彼は 怒って立ち去った。
13すると、家来たちが近寄ってきて、父に言った。
「父上よ、もし預言者があなたに何か大きな事をす るように命じたなら、あなたはそれをなさらなかっ たでしょうか。ましてや、預言者があなたに、『身 を洗って清くなりなさい』と言うよりも、なおさら そうされたのではないでしょうか。
14そこで彼は下って行き、神の人の言葉のとおりに、 ヨルダン川に七度身を浸した。すると、彼の肉は元 どおりになり、幼子の肉のようになり、清くなった。
15そこで彼は仲間全員と共に神の人のもとに戻り、 彼の前に立って言った、「今私は、イスラエルのほ かには全地に神はいないことを知りました。それで 今、どうぞ、しもべから祝福を受け取ってくださ い」。
16しかし彼は言った、「わたしの立っている主は生 きておられる。わたしは何も受け取りません」。そ して、それを受け取るように勧めたが、彼は拒否し た。
17ナアマンは言った。「それでは、ラバ二頭に積め るだけの土をしもべに与えていただけないでしょう か。しもべは今後、他の神々に全焼のいけにえも犠 牲もささげず、主にのみささげます。」
18どうか主がこの事においてしもべをお赦しくださ いますように。私の主人がリンモンの宮に入って礼 拝するとき、主が私の手に寄りかかり、私がリンモ ンの宮で身をかがめるとき、主がこの事においてし もべをお赦しくださいますように。
19そこでイエスは、「安心して行きなさい」と言わ れたので、パウロは少しの間彼から離れて行った。
20しかし、神の人エリシャのしもべゲハジは言った。
21そこでゲハジはナアマンの後を追った。ナアマン はゲハジが走って来るのを見て、戦車から降りて彼 を迎え、「大丈夫ですか」と言った。
22彼は言った、「すべて順調です。主君が私を遣わ して、『今、エフライム山地から預言者の子らの若 者二人が私のところに来ました。彼らに銀タラン トと着替えの衣服二着を与えてください』とおっし ゃいました。
23ナアマンは言った。「満足して二タラントを受け なさい。」彼はナアマンを促し、銀二タラントを二 つの袋に包み、着替えの服二着と合わせて、二人の 僕に持たせた。彼らはそれをナアマンの前に運んだ。
24そして塔に着くと、彼はそれを彼らの手から受け 取り、家の中に置き、その男たちを解放したので、 彼らは去っていった。
25しかし彼は入って行き、主君の前に立った。エリ シャは彼に言った。「ゲハジよ、あなたはどこから 来たのですか。」彼は言った。「しもべはどこにも 行きませんでした。」
26すると彼は言った、「あの人が戦車を降りて、あ なたを迎えに来たとき、わたしの心はあなたと共に いなかったのか。今は金銭や衣服、オリーブ畑、ぶ どう畑、羊、牛、男奴隷、女奴隷を受け取るべき時 なのか。
27それゆえ、ナアマンのらい病は、あなたとあなた の子孫に永遠につきまとうであろう。彼は雪のよう に白いらい病人となって、神の前から出て行った。
第6章
1預言者の子らはエリシャに言った。「今、私たちが あなたと共に住んでいる場所は、私たちにとっては 狭すぎます。
2「どうぞ、ヨルダン川へ行き、そこから各自梁を取 って、そこに住まいを造らせてください。」彼は答 えた。「行きなさい。」
3ある者は言った。「どうぞ、ご満足になり、しもべ たちと共に行ってください。」彼は答えた。「行き ます。」
4そこで彼は彼らと緒に出発し、ヨルダン川に着く と、そこで木を切り出した。
5ところが、ある人が梁を切り倒しているとき、斧の 刃が水の中に落ちてしまった。それでその人は叫ん で言った。「ああ、ご主人様!それは借り物でし た。」
6そこで神の人は、「それはどこに落ちたのか」と尋 ね、その場所を彼に示しました。彼は棒を切り倒し、 そこに投げ入れました。すると鉄は泳ぎ出しました。
7そこで彼は言った、「それを取りなさい」。彼は手 を伸べてそれを取った。
「私の主人は、このアラム人ナアマンが持ってきた ものを受け取らずに、彼を容赦しました。しかし、 主は生きておられます。私は彼を追いかけて、何か を受け取ろうと思います。」
8そこでシリアの王はイスラエルと戦い、家臣たちと 相談して言った。「これこれの場所に私の陣営を置 こう。」
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9そこで神の人はイスラエルの王に人をやって言わせ た。「あなたはそのような場所を通らないように気 をつけなさい。そこにはアラム軍が下って来ている のです。」
10イスラエルの王は、神の人が告げて警告した場所 に人を遣わし、そこで一度や二度、自分の身を救っ た。
11それで、スリヤの王はこの事で心を痛め、家来た ちを呼び寄せて言った。「我々のうちの誰がイスラ エルの王につくのか、あなたたちは私に示してくれ ないのか。」
12家来のひとりが言った。「王様、誰もいません。
イスラエルにいる預言者エリシャが、あなたが寝室 で話しておられる言葉をイスラエルの王に告げてい るのです。」
13そこで彼は言った。「行って、彼がどこにいるか 探りなさい。私が人をやって彼を連れ戻そう。」す ると、彼は「ドタンにいる」と告げられた。
14そこで彼は馬と戦車と大軍をそこへ送った。彼ら は夜のうちにやって来て町を包囲した。
15神の人のしもべが朝早く起きて出て行くと、見よ、 馬と戦車に軍勢が町を囲んでいた。しもべは言った。 「ああ、ご主人様!どうしたらよいでしょうか。」
16そこで彼は答えた。「恐れることはない。我々と 共にいる者は、彼らと共にいる者より多いのだ。」
17エリシャは祈って言った。「主よ、どうか彼の目 を開いて、見えるようにしてください。」主は若者 の目を開かれたので、彼は見ると、山はエリシャの 周りを取り囲む火の馬と戦車で満ちていた。
18彼らがエリシャのところに下って来ると、エリシ ャは主に祈って言った。「どうか、この民を打って、 盲目にしてください。」主はエリシャの言ったとお りに、彼らを打って盲目にされた。
19エリシャは彼らに言った。「これは道ではない。
これは町でもない。私に従って来なさい。あなたが たの捜している人のところへ連れて行こう。」しか し、エリシャは彼らをサマリアへ連れて行った。
20彼らがサマリアに着いたとき、エリシャは言った。
「主よ、この人々の目を開いて、見えるようにして ください。」主は彼らの目を開かれたので、彼らは 見えるようになった。すると、彼らはサマリアの真 ん中にいた。
21イスラエルの王は彼らを見てエリシャに言った、 「父よ、わたしは彼らを撃ちましょうか。わたしは 彼らを撃ちましょうか。」
22彼は答えた、「彼らを打ってはならない。あなた は剣と弓で捕らえた者たちを打とうとするのですか。
彼らの前にパンと水を与えて食べさせ、飲ませ、主 君のもとへ行かせなさい。」
23ヨセフは彼らのためにたくさんの食料を用意し、 彼らが食べ飲み終わると、ヨセフは彼らを送り返し た。彼らは主君のもとへ帰った。こうして、シリア の軍隊は二度とイスラエルの地に侵入することはな かった。
24この後、シリアの王ベネハダドは全軍を集め、進 軍してサマリアを包囲した。
25サマリアには大飢饉が起こった。人々はサマリア を包囲し、ついにはろばの頭つが銀貨八十枚で売 られ、鳩の糞キャブの四分のが銀貨五枚で売ら れるようになった。
26イスラエルの王が城壁の上を通っているとき、 人の女が彼に向かって叫んだ。「王様、わが主君よ、 お助けください。」
27彼は言った、「もし主があなたを助けられないな ら、わたしはどこからあなたを助けることができよ うか。納屋からか、酒ぶねからか。」
28王は彼女に、「どうしたのか」と尋ねた。彼女は 答えた。「あの女は私に、『あなたの息子をくださ い。私たちは今日それを食べ、明日は私の息子を食 べます』と言いました。」
29それで私たちは息子を煮て食べました。そして次 の日、私は彼女に『あなたの息子をください。私た ちはそれを食べます』と言いました。すると彼女は その息子を隠しました。
30王はその女の言葉を聞くと、衣を引き裂き、城壁 の上を通り過ぎた。民が見ると、なんと、彼は身に 粗布をまとっていた。
31そこで彼は言った。「もしシャファトの子エリシ ャの首が、きょう彼の上に立つならば、神はわたし にそのように、またそれ以上の罰を与えてください ますように。」
32エリシャは家に座り、長老たちも彼とともに座っ ていた。王は彼の前から人を遣わしたが、使者が王 のところに来る前に、長老たちに言った。「この人 殺しの息子が、私の首を取ろうと人をつかわしたの を見てください。使者が来たら、戸を閉じて、戸口 で彼を捕まえてください。後ろで主人の足音が聞こ えませんか。」
33彼がまだ彼らと話しているうちに、使者が彼のも とに下って来て言った、「ごらんなさい。これは主 から来る災いです。わたしはこれ以上、主を待つこ とができましょうか」。
第7章
1エリシャは言った、「主の言葉を聞きなさい。主は こう仰せられる、『明日の今ごろ、サマリアの門で 上等の小麦粉一セアが一シェケルで売られ、大麦二 セアが一シェケルで売られるようになる』」。
2すると、王が手を頼りにしていたある領主が神の人 に答えて言った。「主が天に窓を造られたとしても、 このようなことがあり得るでしょうか。」彼は言っ た。「あなたはそれを自分の目で見るであろう。し かし、それを食べることはできない。」
3門の入口に四人のらい病人がいたが、彼らは互いに 言った。「われわれはなぜ死ぬまでここに座ってい なければならないのか。」
4もし私たちが町に入ろうとすれば、町には飢饉があ り、私たちはそこで死ぬでしょう。もしここに留ま
列王記下 っていれば、私たちも死ぬでしょう。さあ、さあ、 アラム軍に突撃しましょう。もし彼らが私たちを生 かしておいてくれるなら、私たちは生き延びます。
もし殺されても、私たちはただ死ぬだけです。
5彼らは夕暮れに起き上がり、アラム人の陣営へ向か った。そしてアラム人の陣営の端に着いたが、そこ には誰もいなかった。
6主はアラムの軍勢に戦車の音と馬の音、大軍の響き を聞かせたので、彼らは互いに言った。「見よ、イ スラエルの王は我々に対してヘテ人の王たちとエジ プト人の王たちを雇って、我々を攻めさせているの だ。」
7そこで彼らは起き上がって夕闇に逃げ、テントや馬 やロバを、陣営をそのままにして逃げ去った。
8そして、このらい病人たちは宿営の端に着くと、 つの天幕に入って食べたり飲んだりし、そこから銀 や金や衣服を運んで行ってそれを隠した。そしてま た戻ってきて、別の天幕に入り、そこからも運んで 行ってそれを隠した。
9そこで彼らは互いに言った、「われわれは大丈夫で はない。今日は良い知らせの日なのに、黙っている のだ。もし朝までとどまっていたら、何か災いがわ れわれに降りかかるだろう。さあ、来て、王家の 人々に告げよう。」
10そこで彼らは来て、町の門番を呼んだ。門番は彼 らに言った、「私たちはアラム人の陣営に着きまし たが、そこには誰もおらず、人の声も聞こえず、た だ馬とロバがつながれており、天幕はそのままでし た。」
11そこで彼は門衛たちを呼び、彼らはそのことを王 宮内に告げた。
12王は夜中に起き上がり、家臣たちに言った。「ア ラム人が我々に何をしたかを、今、あなたたちに見 せよう。彼らは我々が飢えていることを知って、陣 営を出て野原に隠れ、『町から出てきたら、生け捕 りにして町に押し入ろう』と言っているのだ。」
13すると、家来のひとりが答えて言った。「町に残 っている馬五頭を取って、人をやって見させてくだ さい。見よ、彼らは町に残っているイスラエルの群 れ全員と同じ数です。見よ、彼らは滅ぼされたイス ラエルの群れ全員と同じ数です。そして人をやって 見させましょう。」
14そこで彼らは二頭の戦車馬を取り、王はアラム軍 の跡を追わせて、「行って見よ」と言わせた。
15彼らはヨルダン川まで彼らの後を追ったが、道中 はアラム人が慌てて捨てた衣服や器物で満ちていた。 使者たちは戻って王に報告した。
16そこで民は出て行って、アラム人の天幕を略奪し た。主の言葉のとおり、上等の小麦粉セアがシ ェケル、大麦二セアがシェケルで売られた。
17そこで王は、自分がその手に寄りかかっていた領 主を門の守備に任命した。民は門の中でその領主を 踏みつけたので、王が彼のところに下って来たとき に語った神の人の言ったとおり、その領主は死んだ。
18神の人が王に言ったとおりになった。「明日の今 ごろ、サマリアの門で大麦二セアがシェケル、上 等の小麦粉セアがシェケルで売られるであろう。
19するとその主人は神の人に答えて言った。「さあ、 主が天に窓を造られたとしても、そのようなことが あり得ますか。」すると彼は言った。「あなたはそ れを自分の目で見るであろう。しかし、それを食べ ることはできない。」
20そして、その通りになった。民衆が門のところで 彼を踏みつけたので、彼は死んだ。
第8章
1エリシャは、生き返らせた息子を持つ女に言った。 「立って、あなたとあなたの家族は行き、あなたが 滞在できる所に滞在せよ。主が飢饉を呼び起こされ たからである。それは七年間この地に臨むであろ う。」
2そこでその女は立ち上がり、神の人の言葉に従って、 家族と共に出発し、ペリシテ人の地に七年間滞在し た。
3七年が過ぎて、その女はペリシテ人の地から帰って 来て、自分の家と畑のために王に嘆願しに出かけた。
4王は神の人の僕ゲハジに言った、「エリシャが行っ たすべての大きな事を私に話してください」。
5エリシャが死体を生き返らせたことを王に告げてい たとき、エリシャが息子を生き返らせた女が、自分 の家と土地のために王に泣き叫びました。ゲハジは 言いました。「わが主君、王よ、これがその女と、 これがエリシャが生き返らせた彼女の息子です。」
6王が女に尋ねると、彼女は答えた。そこで王は彼女 に役人を立てて言った。「彼女がこの地を去った日 から今日まで、彼女の所有物であったすべてのもの と、畑の産物すべてを返せ。」
7エリシャはダマスコに着いた。アラムの王ベネハダ デは病気であったが、「神の人がここに来た」とい う知らせが彼に届いた。
8王はハザエルに言った。「贈り物を手に持って行き、 神の人に会い、彼を通して主に尋ねて、『この病気 は治るでしょうか』と言いなさい。
9そこでハザエルは彼を迎えに行き、贈り物としてダ マスコのすべての良い物をらくだ四十頭に積んで携 え、彼の前に立って言った。「あなたの息子、シリ アの王ベネハダデが私をあなたのところにつかわし て、『この病気は治るでしょうか』とおっしゃいま した。
10エリシャは彼に言った。「行って彼にこう言いな さい。『あなたはきっと助かるでしょう。しかし主 は私に、彼は必ず死ぬであろうと告げられまし た。』
11彼は顔を固く閉ざし、ついに恥ずかしくなり、神 の人は泣いた。
12ハザエルは言った、「わが主君、なぜ泣いている のですか」。彼は答えた、「あなたがイスラエルの 人々になそうとしている災いを私は知っているから
列王記下 です。あなたは彼らの要塞に火を放ち、若者を剣で 殺し、子供たちを打ち砕き、妊婦を引き裂くでしょ う」。
13ハザエルは言った。「しかし、しもべは犬にすぎ ないのに、どうしてこのような大きなことをなさる のですか。」エリシャは答えた。「主は、あなたが アラムの王となることを私に示されました。」
14そこで彼はエリシャのもとを去り、主君のもとへ 行った。主君は彼に言った、「エリシャはあなたに 何と言ったのですか」。彼は答えた、「彼は、あな たは必ず治るだろうと私に言いました」。
15翌日、彼は布を取り、それを水に浸して彼の顔に 当てたので、彼は死んだ。そしてハザエルが彼に代 わって王となった。
16イスラエル王アハブの子ヨラムの治世第五年に、 ユダの王ヨシャパテの治世中、ユダの王ヨシャパテ の子ヨラムが王として統治し始めた。
17彼は王位に就いたとき三十二歳であり、エルサレ ムで八年間統治した。
18彼はアハブの家と同じようにイスラエルの王たち の道を歩んだ。アハブの娘が彼の妻であったからで ある。そして彼は主の目の前に悪を行った。
19しかし主は、そのしもべダビデのためにユダを滅 ぼそうとはされなかった。主はダビデとその子孫に 永遠の光を与えると約束されたからである。
20彼の時代にエドムはユダの支配から反乱を起こし、 自分たちの上に王を立てた。
21そこでヨラムはすべての戦車を率いてツァイルに 渡り、夜のうちに起きて、彼を包囲していたエドム 人と戦車の長たちを撃ち殺した。民は天幕に逃げ込 んだ。
22しかしエドムはユダの支配から反乱を起こし、今 日に至っています。そしてリブナも同時に反乱を起 こしました。
23ヨラムのその他の事績と、彼が行ったすべての事 は、ユダの王たちの年代記に記されているではない か。
24ヨラムはその先祖たちと共に眠り、ダビデの町に その先祖たちと共に葬られ、その子アハズヤが彼に 代わって王となった。
25イスラエルの王アハブの子ヨラムの治世の第十二 年に、ユダの王ヨラムの子アハズヤが王位に就いた。
26アハズヤは王位に就いたとき二十二歳で、エルサ レムで年王位に就いた。彼の母はイスラエルの王 オムリの娘で、名をアタリヤといった。
27彼はアハブの家の道に歩み、アハブの家が行った ように主の目に悪とされることを行った。彼はアハ ブの家の婿であったからである。
28彼はアハブの子ヨラムと共にラモテ・ギレアデでシ リアの王ハザエルとの戦いに赴いたが、シリア人は ヨラムに傷を負わせた。
第9章
1預言者エリシャは預言者の子らのひとりを呼び寄せ て言った。「腰に帯を締め、この油の入った箱を手 に取って、ラモテ・ギレアデへ行きなさい。
2あなたがそこに着いたら、ニムシの子ヨシャパテの 子エヒウをそこから探し、中に入って、彼を兄弟た ちの中から立たせ、奥の部屋に連れて行きなさい。
3それから油の入った壺を取り、彼の頭に注ぎ、『主 はこう言われる。わたしはあなたに油を注ぎ、イス ラエルの王とした。』と言いなさい。それから戸を 開けて逃げなさい。立ち止まってはならない。
4そこで、その若者、預言者であった若者はラモテ・ ギレアデへ行きました。
5彼が到着すると、軍の長たちが座っていたので、彼 は言った。「将軍よ、あなたに頼みがあります。」 エヒウは言った。「我々のうちの誰に頼むのです か。」彼は言った。「将軍よ、あなたに。」
6そこで彼は起き上がって家に入り、ヨセフの頭に油 を注いで言った。「イスラエルの神、主はこう仰せ られる。『わたしはあなたを主の民、イスラエルの 王として油を注いだ。
7あなたはあなたの主君アハブの家を撃ち破らなけれ ばならない。それは、わたしのしもべである預言者 たちの血と、主のすべてのしもべたちの血を、イゼ ベルの手から復讐するためである。
8アハブの全家は滅びるであろう。わたしは壁に小便 をする者と、イスラエルの中に閉じ込められて残さ れる者をアハブから断つであろう。
9わたしはアハブの家をネバテの子ヤロブアムの家の ようにし、またアヒヤの子バアシャの家のようにす る。
10イズレエルの領地でイゼベルは犬に食べられ、彼 女を葬る者はいない。彼は戸を開けて逃げ去った。
11そこでエヒウは主君の家臣たちのところへ出てき て、一人が彼に尋ねた。「大丈夫か。この気の狂っ た男はなぜあなたのところに来たのか。」エヒウは 彼らに言った。「あなたたちはその男と、その話の 内容を知っている。」
12彼らは言った、「それは偽りです。今、私たちに 話してください」。すると彼は言った、「彼は私に こう言いました、『主はこう仰せられる。わたしは あなたをイスラエルの王に油を注いだ』」。
13そこで彼らは急いで、おのおの自分の衣服を取り、 階段の上でエヒウの下に敷き、ラッパを吹いて「エ ヒウが王である」と言った。
14そこで、ニムシの子ヨシャパテの子エヒウは、ヨ ラムに対して陰謀を企てた。ヨラムは、シリアの王 ハザエルの軍勢を率いて、ラモテ・ギレアデを守って いた。
29ヨラム王は、シリアの王ハザエルと戦った際、ラ マでシリア人に負わされた傷を癒すためにイズレエ ルへ帰った。ユダの王ヨラムの子アハズヤは、アハ ブの子ヨラムが病気だったので、イズレエルへ彼を 見舞いに行った。
15ヨラム王は、スリヤの王ハザエルと戦った際にス リヤ人に負わされた傷を癒すためにイズレエルに戻
列王記下 っていた。)そこでエヒウは言った。「もしそれがあ なたたちの心であるなら、誰も町から出て行って、 それをイズレエルに告げてはならない。」
16そこでエヒウは戦車に乗ってイズレエルへ向かっ た。ヨラムはそこに横たわっていたからである。ユ ダの王アハズヤはヨラムに会いに下って来た。
17その時、イズレエルの塔に立っていた見張りの者 が、エヒウの部隊が来るのを見て、「部隊が見えま す」と言った。ヨラムは言った。「騎兵を率いて、 彼らを出迎え、『平穏ですか』と言わせなさい。」
18そこで、馬に乗った者がエヒウを出迎えて言った。 「王はこう仰せになりました。『平和ですか』」エ ヒウは言った。「あなたは平和と何の関係があるの ですか。私の後ろを回ってください。」すると、番 兵は言った。「使者は彼らのところに来ましたが、 戻ってきません。」
19そこで彼は馬に乗った副官を遣わし、彼らのとこ ろへ行って言った。「王はこう仰せられています。 『平和ですか』」エヒウは答えた。「あなたは平和 と何の関係があるのですか。私の後ろに回りなさ い。」
20番人は言った、「彼は彼らのところまで来たが、 戻って来なかった。その追い立てる様子はニムシの 子エヒウの追い立てる様子のようだ。彼は激しく追 い立てるのだ」。
21ヨラムは言った、「準備せよ」。すると彼の戦車 は準備された。イスラエルの王ヨラムとユダの王ア ハズヤは、それぞれ自分の戦車に乗って出陣し、エ ヒウに向かって進軍し、イズレエル人ナボテの領地 で彼を迎え撃った。
22ヨラムはエヒウを見て、「エヒウよ、平穏なの か」と言った。エヒウは答えた、「あなたの母イゼ ベルの淫行と魔術がこれほど多いのに、何の平穏が あろうか」。
23ヨラムは手を回して逃げ、アハズヤに言った。 「アハズヤよ、裏切りがある。」
24エヒウは力杯に弓を引き、ヨラムの両腕の間を 射抜いた。矢は彼の心臓を貫き、ヨラムは戦車の中 で倒れた。
25するとエヒウは隊長ビドカルに言った。「彼を担 いで、イズレエル人ナボテの畑の所有地に投げ入れ なさい。私とあなたが共に彼の父アハブに従って馬 で進んだとき、主がこの荷を彼に負わせたことを思 い出しなさい。
26主は言われる。「わたしは昨日、ナボテとその子 らの血を確かに見た。わたしはこの土地であなたに 報復する。主は言われる。それゆえ、主の言葉に従 って、彼を捕らえてこの土地に投げ入れよ。」
27ユダの王アハズヤはこれを見て、園の家の道を通 って逃げた。エヒウは彼の後を追い、「彼も戦車に 乗って撃ち殺せ」と言った。彼らはイブレアムの近 くのグルに上る道でそのように言った。アハズヤは メギドに逃げ、そこで死んだ。
28そして彼の家来たちは彼を戦車に乗せてエルサレ ムに運び、ダビデの町にある彼の墓に先祖たちと共 に葬った。
29アハブの子ヨラムの治世の第十年に、アハズヤ がユダの王となった。
30エヒウがイズレエルに来たとき、イゼベルはそれ を聞いて、顔を塗り、頭をなでて窓から外を眺めた。
31エヒウが門から入ると、彼女は言った。「主君を 殺したジムリは平安を得たのですか。」
32彼は顔を上げて窓のほうに言った。「だれがわた しの味方だ。だれだ。」すると、二、三人の宦官が 窓から彼を見ていた。
33そこで彼は言った、「彼女を投げ落とせ」。そこ で彼らは彼女を投げ落とした。彼女の血は壁と馬に 飛び散った。彼は彼女を踏みつけた。
34彼は帰って来て食べたり飲んだりして言った。 「行って、この呪われた女を見なさい。そして葬っ てやりなさい。彼女は王の娘なのです。」
35彼らは彼女を埋葬しに行ったが、彼女の頭蓋骨と 足と手のひら以外は何も見つからなかった。
36そこで彼らは戻って来て、彼に告げた。彼は言っ た、「これは主の言葉である。主がそのしもべティ シュベ人エリヤを通して言われた。『イズレエルの 領地で、犬がイゼベルの肉を食べるであろう。
37イゼベルの死体はイズレエルの領地の畑の面で糞 尿のようになり、人々は「これはイゼベルだ」とは 言わなくなる。
第10章
1アハブにはサマリアに七十人の息子がいた。エヒウ は手紙を書き、サマリアのイズレエルの領主たち、 長老たち、そしてアハブの子供たちを育ててきた 人々に送ってこう言った。
2さて、この手紙があなた方に届きましたら、あなた 方の主君の息子たちがあなた方と共におり、また戦 車や馬、要塞のある町や武具もあなた方と共にある のですから、
3あなたの主君の息子たちの中から最も優秀でふさわ しい者を選び出し、その者を父の王座に就かせ、あ なたの主君の家のために戦いなさい。
4しかし彼らは非常に恐れて言った、「見よ、二人の 王が彼の前に立つことができなかったのに、どうし てわれわれが立つことができようか」。
5そこで、家の管理人、町の管理人、長老たち、子供 たちの養育者たちはエヒウに人をやって言った、 「私たちはあなたのしもべです。あなたが命じられ ることは何でもいたします。私たちは王を立てるつ もりはありません。どうかあなたの目にかなうこと を行ってください」。
6そこで彼は二度目に彼らに手紙を書き送って言った。 「もしあなたがたが私のものとなり、私の言葉に従 うなら、あなたがたの主君の息子たちの首を取って、 明日の今ごろイズレエルまで私のところに来てくだ
列王記下 さい。」さて、王の息子たちは七十人で、彼らを育 てた町の有力者たちと共にいた。
7そして、その手紙が彼らに届くと、彼らは王の息子 たちを捕らえ、七十人を殺し、その首を籠に入れて、 イズレエルに送り返した。
8使者が来て、王の子たちの首を持って来ましたと告 げると、王は言った。「朝まで、門の入口にそれを 二つの山にして積み上げなさい。」
9朝になって、彼は出て行って、立ってすべての民に 言った、「あなたたちは正しい。見よ、私は主君に 逆らって陰謀を企て、彼を殺した。しかし、これら をみな殺したのは誰か。」
10今、主がアハブの家について言われた主の言葉は、 何つ地に落ちないことを知りなさい。主はそのし もべエリヤによって言われたことを成し遂げたから である。
11こうしてエヒウはイズレエルに残っていたアハブ の家の者、すなわち、そのすべての有力者、親族、 祭司たちを殺し、人も残さなかった。
12彼は立って出発し、サマリアに着いた。そして、 途中の羊の毛刈り場にいたとき、
13エヒウはユダの王アハズヤの兄弟たちと会って言 った、「あなたたちはだれですか」。彼らは答えた、 「私たちはアハズヤの兄弟です。王の子供たちと王 妃の子供たちに挨拶するために下って来たのです」。
14そこで彼は言った、「彼らを生け捕りにしろ」。
彼らは彼らを生け捕りにし、毛刈り場の穴で四十二 人を殺した。ヨセフは彼らを人も残さなかった。
15彼がそこから出て行くと、レカブの子ヨナダブが 彼を迎えに来たので、彼に挨拶して言った。「あな たの心は正しいですか。私の心はあなたの心と同じ ですか。」ヨナダブは答えた。「そうです。もしそ うなら、手を貸してください。」ヨナダブは手を貸 し、ヨナダブは彼を馬車に乗せて自分のところへ連 れて行った。
16彼は言った。「私と緒に来て、主に対する私の 熱意を見てください。」そこで彼らは彼を戦車に乗 せた。
17そして彼はサマリアに着くと、主がエリヤに告げ られた言葉のとおり、サマリアに残っていたアハブ を皆殺しにして、彼を滅ぼした。
18そこでエヒウはすべての民を集めて言った。「ア ハブは少しだけバアルに仕えたが、エヒウは大いに 仕えるであろう。」
19それゆえ、今、バアルの預言者、そのしもべ、そ の祭司たちを皆、わたしのもとに呼びなさい。一人 たりとも欠けてはならない。わたしはバアルに大い なる犠牲を捧げるつもりだ。欠けた者は生き残らな い。」しかし、エヒウはバアルの崇拝者たちを滅ぼ すために、巧妙にこれを行なった。
20エヒウは言った、「バアルのために聖会を召集せ よ」。彼らはそれを召集した。
22そこで彼は祭壇長に言った、「バアルを礼拝する すべての者たちのために祭壇を持って来なさい」。 そこで彼は祭壇を彼らに持って来た。
23エヒウはレカブの子ヨナダブと共にバアルの宮に 入り、バアルの礼拝者たちに言った。「調べて、主 のしもべは人もここにはおらず、バアルの礼拝者 だけがいることを確認しなさい。」
24彼らが犠牲や全焼のいけにえをささげるために中 に入ったとき、エヒウは外に八十人の者を配置して 言った、「私があなたたちの手中に引き渡した人々 のうちの人でも、逃がした者は、その人の命で償 わなければならない。」
25燔祭を捧げ終えると、エヒウは侍衛と将軍たちに 言った。「入って彼らを殺せ。人も外に出しては ならない。」彼らは剣の刃で彼らを打ち殺した。侍 衛と将軍たちは彼らを追い出し、バアルの神殿の町 へ向かった。
26彼らはバアルの宮から偶像を取り出し、それを焼 き払った。
27彼らはバアルの像を破壊し、バアルの家を破壊し て、今日までそれを風穴小屋にしている。
28こうしてエヒウはイスラエルからバアルを滅ぼし た。
29しかし、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤ ロブアムの罪から、エヒウは離れず、ベテルとダン にあった金の子牛を追った。
30主はエヒウに言われた、「あなたはわたしの目に 正しいと見えることをよく行い、わたしの心に思っ たことをすべてアハブの家に対して行ったので、あ なたの子孫は四代にわたってイスラエルの王座に座 るであろう。
31しかしエヒウは、イスラエルの神、主の律法を心 から守って歩もうとはせず、イスラエルに罪を犯さ せたヤロブアムの罪から離れなかった。
32そのころ、主はイスラエルを滅ぼし始められた。 ハザエルはイスラエルの全域で彼らを撃った。
33ヨルダン川の東から、ギレアデの全土、ガド人、 ルベン人、マナセ人、アルノン川沿いのアロエルか らギレアデとバシャンまで。
34エヒウのその他の事績と、彼が行ったすべての事、 また彼のすべての武勇は、イスラエルの王たちの年 代記に記されているではないか。
35エヒウは先祖たちと共に眠り、サマリアに葬られ た。そして、その子ヨアハズが彼に代わって王とな った。
36エヒウがサマリアでイスラエルを治めた期間は二 十八年であった。
第11章
1アハズヤの母アタリヤは、自分の息子が死んだのを 見て、立ち上がって王家の子孫を皆殺しにした。
21エヒウはイスラエル全土に使者を遣わした。バア ルを崇拝する者たちは皆やって来たので、来なかっ た者は一人もいなかった。彼らはバアルの宮に入っ たので、バアルの宮は端から端まで満ちた。
2しかし、ヨラム王の娘でアハズヤの妹であるヨシェ バは、アハズヤの子ヨアシュを捕らえ、殺された王 の息子たちの中から盗み出し、彼とその乳母をアタ リヤから寝室に隠したので、ヨアシュは殺されなか った。
3彼は彼女と共に主の宮に六年間隠れていた。こうし てアタルヤは国を治めた。
4第七年、エホヤダは人をやって、百人隊の長たち、 千人隊長たち、近衛兵たちを呼び寄せ、主の宮に連 れて行き、彼らと契約を結び、主の宮で彼らに誓い を立てさせ、王の息子を彼らに見せた。
5そこで彼は彼らに命じて言った、「あなたがたのな すべき事はこれである。安息日に入るあなたがたの うちの三分のは、王宮の番人となるであろう。
6三分のはスルの門に、三分のは番兵の後ろの門 に立つ。こうして、家が破壊されないように監視し なければならない。
7安息日に出て行くあなたたちのうちの二つの分は、 王の周りで主の宮の番をしなさい。
8あなたたちはそれぞれ武器を手にして王の周囲を囲 み、その範囲内に入る者は殺されなければならない。
王が出入りするときは常にあなたたちと共にいなさ い。
9百人隊長たちは、祭司エホヤダが命じたすべてのこ とをそのとおりに行い、おのおの安息日に入るべき 部下と、安息日に出るべき部下を連れて、祭司エホ ヤダのもとに来た。
10祭司は百人隊長たちに、主の宮にあったダビデ王 の槍と盾を与えた。
11そして、衛兵はそれぞれ武器を手に、祭壇と神殿 に沿って、神殿の右の隅から左の隅まで、王の周囲 に立っていた。
12そこで彼は王の息子を連れ出し、王冠をかぶらせ、 証書を与えた。そして彼らは彼を王として油を注ぎ、 手を打って、「王よ万歳」と言った。
13アタリヤは衛兵と民の声を聞いて、主の神殿の民 のところへ行った。
14彼女が見ると、王は慣例どおり柱のそばに立ち、 王のそばには首長たちとラッパ手たちが立ち、国中 の民がみな喜び、ラッパを吹き鳴らしていた。アタ ルヤは衣を引き裂き、「反逆だ、反逆だ」と叫んだ。
15しかし、祭司ヨヤダは百人隊長と軍の長たちに命 じて言った。「彼女を戦場の外へ連れ出し、彼女に 従う者を剣で殺せ。」祭司は「彼女を主の宮で殺し てはならない」と言っていたからである。
16彼らは彼女を捕らえ、彼女は馬が王宮に入る道を 通って行き、そこで殺された。
17ヨヤダは主と王と民との間に契約を結び、彼らが 主の民となることを定めた。また王と民との間にも 契約を結んだ。
18こうして、その国の民は皆バアルの宮に入り、そ れを破壊し、その祭壇と偶像をことごとく打ち砕き、 バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。祭司は主 の宮に役人を任命した。
19そこで彼は百人隊長、将軍、近衛兵、および国中 のすべての民を率いて、王を主の宮から連れ出し、 近衛兵の門を通って王宮に至らせた。そして王は王 座に座した。
20国中の人々は皆喜び、町は静まり返り、人々は王 宮のそばでアタリヤを剣で殺した。
21ヨアシュは王位に就いたとき七歳であった。
第12章
1エヒウの治世の第七年にヨアシュは王となり、エル サレムで四十年間、王位に就いた。彼の母はベエル・ シェバ出身で、名をツィブヤといった。
2ヨアシュは祭司エホヤダの教えに従って、生涯、主 の目にかなうことを行った。
3しかし、高き所は取り除かれず、民は依然として高 き所で犠牲をささげ、香をたいた。
4ヨアシュは祭司たちに言った、「主の宮に携えて来 る奉納物の金、すなわち、すべての者が計算に通る 金、各人が心にかけている金、また、主の宮に携え て来ることを心に思い浮かべる金はすべて、
5祭司たちは、その知り合いの者それぞれにそれを携 えて行き、神殿のどこにでも破れがあればそれを修 理させなさい。
6ところが、ヨアシュ王の治世第二十三年に祭司たち は神殿の破れ目を修復していなかった。
7そこでヨアシュ王は祭司ヨヤダと他の祭司たちを呼 び寄せて言った。「なぜ神殿の破れ目を繕わないの か。それゆえ、もう知り合いから金を受け取らず、 神殿の破れ目を繕うようにしなさい。」
8そして祭司たちは、民から金銭を受け取ることも、 神殿の破損部分を修理することもしないことに同意 した。
9祭司エホヤダは箱を取り、その蓋に穴をあけて、そ れを祭壇の脇、主の宮の入口の右側に置いた。そし て、入口を守る祭司たちは、主の宮に納められるす べての金をその中に入れた。
10箱の中にたくさんの金があるのを見て、王の書記 官と大祭司が来て、袋に入れて主の宮にある金の総 額を報告した。
11そこで彼らはその金を、主の宮の監督をする工事 の監督者たちの手に渡し、彼らはそれを主の宮で働 く大工や建築者に配った。
12また、石工と石切り職人に、主の宮の破れ目を修 理するための木材と切り石を購入させ、また、宮を 修理するために備えられたすべての物の支払いを命 じた。
13しかし、主の宮に納められた金で、銀の鉢、心切 りばさみ、鉢、ラッパ、金の器、銀の器は主の宮の ために造られなかった。
14しかし彼らはそれを工事人たちに渡し、それを使 って主の宮を修理した。
15また彼らは、労働者に与える金をその手に渡した 人々と計算をしなかった。彼らは誠実に仕事をした からである。
列王記下
16罪過の金と罪の代価は主の宮に納められず、祭司 たちのものとなった。
17そこで、シリアの王ハザエルは進軍してガトと戦 い、それを占領した。そしてハザエルはエルサレム へ向かって進軍しようと決意した。
18ユダの王ヨアシュは、ユダの王ヨシャパテ、ヨラ ム、アハジヤの先祖たちが奉納したすべての聖なる 物と、自分自身の聖なる物、および主の宮と王宮の 宝物庫にあったすべての金を取って、スリヤの王ハ ザエルに送り、エルサレムを去った。
19ヨアシュのその他の事績と、彼が行ったすべての 事は、ユダの王たちの年代記に記されているではな いか。
20そこでヨアシュの家臣たちは立ち上がり、陰謀を 企て、シラに下るミロの家でヨアシュを殺した。
21彼の家臣シムアテの子ヨザカルとショメルの子エ ホザバデが彼を撃ち殺したので、彼は死んだ。人々 は彼を先祖たちと共にダビデの町に葬った。そして 彼の子アマツヤが彼に代わって王となった。
第13章
1ユダの王アハズヤの子ヨアシュの治世第二十三年に、 エヒウの子エホアハズがサマリアでイスラエルを治 め始め、十七年間統治した。
2彼は主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯さ せたネバテの子ヤロブアムの罪を繰り返し、それか ら離れなかった。
3主はイスラエルに対して怒りを発し、彼らを生、 スリヤの王ハザエルとハザエルの子ベンハダデの手 に引き渡した。
4エホアハズは主に願い求め、主は彼の願いを聞かれ た。主は、スリヤの王がイスラエルを圧迫している のを見て、その圧迫を承知されたからである。
5(主はイスラエルに救い主を与えられたので、彼ら はアラム人の手から逃れ、イスラエルの人々は以前 のように天幕に住んでいた。
6しかし彼らは、イスラエルに罪を犯させたヤロブア ムの家の罪から離れず、それを歩み続けた。そして サマリアにもアシラ像が残った。
7彼はまた民のうちからエホアハズに五十人の騎兵、 十台の戦車、万人の歩兵しか残さなかった。それ はスリヤの王が彼らを滅ぼし、脱穀によって塵のよ うにしたからである。
8エホアハズのその他の事績と、彼が行ったすべての 事、また彼の武勇は、イスラエルの王たちの年代記 に記されているではないか。
9エホアハズは先祖たちと共に眠り、サマリアに葬ら れた。その子ヨアシュが彼に代わって王となった。
10ユダの王ヨアシュの治世第37年に、エホアハズの 子ヨアシュがサマリアでイスラエルの王となり、16 年間統治した。
11彼は主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯 させたネバテの子ヤロブアムのすべての罪から離れ ず、それに歩み続けた。
12ヨアシュのその他の事績、彼が行ったすべての事、 および彼がユダの王アマツヤと戦った武勲は、イス ラエルの王たちの年代記に記されているではないか。
13ヨアシュは先祖たちと共に眠り、ヤロブアムがそ の王座に座した。ヨアシュはイスラエルの王たちと 共にサマリアに葬られた。
14エリシャは病気にかかり、ついには死んでしまっ た。イスラエルの王ヨアシュは彼のもとに下って来 て、彼の顔に涙を浮かべて言った。「ああ、わが父 よ、わが父よ、イスラエルの戦車とその騎兵たちよ。
15エリシャは彼に言った、「弓と矢を取りなさい」。 そこで彼は弓と矢を取りました。
16そこでエリシャはイスラエルの王に言った、「あ なたの手を弓に当てなさい」。王は弓に当て、エリ シャは自分の手を王の手の上に置いた。
17そこで彼は言った、「東の窓を開けよ」。彼はそ れを開けた。するとエリシャは言った、「放て」。 彼は矢を放った。そして彼は言った、「主の救いの 矢、アリヤからの救いの矢だ。あなたはアフェクに いるアリヤ人を撃ち滅ぼすであろう」。
18彼は言った。「矢を受け取れ。」彼はそれを受け 取った。そしてイスラエルの王に言った。「地に矢 を打ちつけよ。」彼は三度矢を放ち、そこに留まっ た。
19すると神の人は彼に対して怒って言った、「あな たは五度か六度打つべきであった。その時あなたは スリヤを滅ぼしつくしたであろう。しかし今はスリ ヤを三度しか打たないのだ」。
20エリシャは死んで葬られた。そして、年が明ける と、モアブ人の部隊がその地を侵略した。
21ある男を埋葬していたとき、彼らは団の男たち を見つけ、その人をエリシャの墓に投げ込んだ。そ の男は降ろされてエリシャの骨に触れると、生き返 って立ち上がった。
22しかし、シリアの王ハザエルは、エホアハズの生 涯を通じてイスラエルを圧迫した。
23主はアブラハム、イサク、ヤコブとの契約のゆえ に、彼らに恵みを施し、彼らをあわれみ、彼らを顧 み、彼らを滅ぼさず、なおも御前から追い出そうと はされなかった。
24こうしてシリアの王ハザエルは死に、その子ベン ハダドが代わって王となった。
25ヨアハズの子ヨアシュは、ハザエルの子ベネハダ デの手から、父ヨアハズの手から奪い取った町々を 奪い返した。ヨアシュはベネハダデを三度打ち破り、 イスラエルの町々を取り戻した。
第14章
1イスラエルの王エホアハズの子ヨアシュの治世の第 二年に、ユダの王ヨアシュの子アマツヤが王となっ た。
2彼は王位についたとき二十五歳で、エルサレムで二 十九年間、王位にあった。彼の母はエルサレムの出 身で、名をヨアダンといった。
列王記下
3彼は主の目にかなうことを行ったが、父ダビデのよ うではなく、すべてのことにおいて父ヨアシュと同 じように行った。
4しかし、高き所は取り除かれず、民はなお高き所で 犠牲をささげ、香をたいた。
5そして王国が彼の手に確立されるとすぐに、彼は父 王を殺した家来たちを殺した。
6しかし、殺人者の子供たちは殺さなかった。それは、 主がモーセの律法の書に書いてあるとおりである。
そこにはこう命じておられる。「父が子供のゆえに 死刑にされてはならない。また、子供が父のゆえに 死刑にされてはならない。すべての人は自分の罪の ゆえに死刑にされなければならない。」
7彼は塩の谷でエドムの万人を殺し、戦いでセラを 奪い、今日までその名をヨクテエルと呼んでいる。
8そこでアマジヤは、イスラエルの王エヒウの子エホ アハズの子ヨアシュに使者を遣わして言った。「さ あ、われわれは顔を見合わせよう。」
9イスラエルの王ヨアシュはユダの王アマジヤに人を つかわして言わせた、「レバノンのあざみは、レバ ノンの杉に人をつかわして、『あなたの娘を私の息 子の妻に与えなさい』と言わせたところ、レバノン の野獣が通り過ぎて、あざみを踏み倒したので す。」
10あなたは確かにエドムを撃ち破り、あなたの心は 高ぶっている。これを誇りとして家に留まりなさい。
なぜあなたは、あなた自身が、そしてユダがあなた と共に倒れるような災いに手を染めようとするのか。
11しかし、アマツヤは聞き入れなかった。そこでイ スラエルの王ヨアシュは進軍し、ユダの王アマツヤ とユダに属するベテ・シェメシュで顔を合わせた。
12ユダはイスラエルの前に敗れ、皆自分の天幕に逃 げ帰った。
13イスラエルの王ヨアシュは、アハジヤの子ヨアシ ュの子であるユダの王アマジヤをベテ・シェメシュで 捕らえ、エルサレムに帰ってきて、エフライムの門 から隅の門まで四百キュビトにわたってエルサレム の城壁を破壊した。
14彼は主の宮と王宮の宝物庫にあったすべての金、 銀、すべての器物、および人質を奪ってサマリアに 帰った。
15ヨアシュのその他の事績と、その武勇、およびユ ダの王アマツヤと戦ったことは、イスラエルの王た ちの年代記に記されているではないか。
16ヨアシュは先祖たちと共に眠り、イスラエルの王 たちと共にサマリアに葬られ、その子ヤロブアムが 彼に代わって王となった。
17ユダの王ヨアシュの子アマツヤは、イスラエルの 王エホアハズの子ヨアシュの死後、十五年間生きた。
18アマツヤのその他の事績は、ユダの王たちの年代 記に記されているではないか。
19さて、人々はエルサレムで彼に対して陰謀を企て たので、彼はラキシュに逃げたが、彼らはラキシュ に人を送って彼を追わせ、そこで彼を殺した。
20彼らは彼を馬に乗せて運び、彼を先祖たちと共に エルサレムのダビデの町に葬った。
21そしてユダのすべての人々は、16歳であったアザ リヤを父アマツヤの代わりに王とした。
22彼はエラトを建て直し、それをユダに返還した。 その後、王は先祖たちと共に眠った。
23ユダの王ヨアシュの子アマジヤの第十五年に、イ スラエルの王ヨアシュの子ヤロブアムがサマリアで 王となり、四十年にわたって統治した。
24彼は主の目に悪とされることを行ない、イスラエ ルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムのすべての 罪から離れなかった。
25彼はイスラエルの神、主が、そのしもべで、ガテ ヘフェル出身の預言者アミタイの子ヨナを通して言 われた言葉のとおり、ハマテの入り口から平野の海 に至るまで、イスラエルの領土を回復した。
26主はイスラエルの苦難をご覧になった。それは非 常に苦しいものであった。閉じ込められる者も、残 る者も、イスラエルを助ける者もいなかったからで ある。
27主はイスラエルの名を天の下から消し去ろうとは 言われなかったが、ヨアシュの子ヤロブアムの手に よって彼らを救われた。
28ヤロブアムのその他の事績、彼が行ったすべての 事、彼の武勇、彼がどのように戦い、ユダに属して いたダマスコとハマトをイスラエルに取り戻したか は、イスラエルの王たちの年代記に記されているで はないか。
29ヤロブアムはその先祖たち、すなわちイスラエル の王たちと共に眠り、その子ザカリヤが彼に代わっ て王となった。
第15章
1イスラエルの王ヤロブアムの治世の第二十七年に、 ユダの王アマツヤの子アザリヤが王位に就いた。
2彼は王位に就いたとき十六歳で、エルサレムで五十 二年間、王位に就いた。彼の母はエルサレムの出身 で、名をエコリヤといった。
3彼はすべて父アマツヤが行ったように、主の目にか なうことを行った。
4ただし、高き所は取り除かれず、民は依然として高 き所で犠牲をささげ、香をたいた。
5主は王を撃たれたので、王は死ぬ日までらい病にか かり、別荘に住んだ。王の子ヨタムがその宮殿を管 理し、国の民を裁いた。
6アザリヤのその他の事績と、彼が行ったすべての事 は、ユダの王たちの年代記に記されているではない か。
7こうしてアザリヤは先祖たちと共に眠りにつき、ダ ビデの町に先祖たちと共に葬られた。そして、その 子ヨタムが彼に代わって王となった。
8ユダの王アザルヤの治世第三十八年に、ヤロブアム の子ザカリヤはサマリアでイスラエルを六か月間統 治した。
列王記下
9彼は先祖たちが行ったように、主の目に悪とされる ことを行い、イスラエルに罪を犯させたネバテの子 ヤロブアムの罪から離れなかった。
10ヤベシュの子シャルムは彼に対して陰謀を企て、 民の前で彼を打ち殺し、彼に代わって王となった。
11ザカリヤのその他の事績は、イスラエルの王たち の年代記に記されている。
12これは主がエヒウに言われた言葉である。「あな たの子孫はイスラエルの王座に四代まで座するであ ろう。」その通りになった。
13ヤベシュの子シャルムはユダの王ウジヤの治世の 三十九年に王位に就き、サマリアで一か月間統治し た。
14ガディの子メナヘムはティルツァから上ってサマ リアに行き、サマリアでヤベシュの子シャルムを撃 ち殺し、彼に代わって王となった。
15シャルムのその他の事績と彼が企てた陰謀は、イ スラエルの王たちの年代記に記されている。
16そこでメナヘムはティフサとそこに住むすべての 者、およびティルツァからその地域を撃った。彼ら が口を開かなかったので、彼はそれを撃ち、そこに いた身重の女たちをみな引き裂いた。
17ユダの王アザルヤの治世三十九年に、ガディの子 メナヘムがイスラエルの王となり、サマリアで十年 間統治した。
18彼は主の目に悪とされることを行ない、イスラエ ルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの罪を生 離れなかった。
19アッシリアの王プルがその地に攻めてきたとき、 メナヘムはプルに銀千タラントを与え、王国を彼 の手に確立させようとした。
20メナヘムはイスラエルの金、すなわちすべての裕 福な勇士たちから、人当たり銀五十シェケルを徴 収し、アッシリアの王に渡させた。そこでアッシリ アの王は引き返し、その地に留まらなかった。
21メナヘムのその他の事績と、彼が行ったすべての 事は、イスラエルの王たちの年代記に記されている ではないか。
22メナヘムは先祖たちと共に眠り、その子ペカヒヤ が彼に代わって王となった。
23ユダの王アザリヤの第五十年に、メナヘムの子ペ カヒヤがサマリアでイスラエルを治め始め、二年間 統治した。
24彼は主の目に悪とされることを行ない、イスラエ ルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの罪から離 れなかった。
25しかし、レマリヤの子で、彼の部下の隊長であっ たペカは、彼に対して陰謀を企て、サマリアの王宮 で、アルゴブ、アリエ、および五十人のギレアデ人 らと共に彼を撃ち殺し、彼に代わって王となった。
26ペカヒヤのその他の事績、彼が行ったすべての事 は、イスラエルの王たちの年代記に記されている。
27ユダの王アザルヤの治世第五十二年に、レマリヤ の子ペカがサマリアでイスラエルを治め始め、二十 年間統治した。
28彼は主の目に悪とされることを行ない、イスラエ ルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの罪から離 れなかった。
29イスラエルの王ペカの時代に、アッシリアの王テ ィグラト・ピレセルが来て、イヨン、アベル・ベト・マ アカ、ヤノア、ケデシュ、ハツォル、ギレアデ、ガ リラヤ、ナフタリの全土を占領し、彼らを捕虜とし てアッシリアへ連れて行った。
30エラの子ホセアは、レマリヤの子ペカに対して陰 謀を企て、彼を撃ち殺し、ウジヤの子ヨタムの第二 十年に彼に代わって王となった。
31ペカのその他の事績、彼が行ったすべての事は、 イスラエルの王たちの年代記に記されている。
32イスラエルの王レマルヤの子ペカの第二年に、ユ ダの王ウジヤの子ヨタムが王として治め始めた。
33彼は王位に就いたとき二十五歳で、エルサレムで 十六年間、王位にあった。彼の母はザドクの娘で、 名をエルシャといった。
34彼は主の目にかなうことを行ない、すべて父ウジ ヤが行なったとおりに行った。
35しかし、高き所は取り除かれず、民は依然として 高き所で犠牲をささげ、香をたいた。彼は主の宮の より高い門を建てた。
36ヨタムのその他の事績と、彼が行ったすべての事 は、ユダの王たちの年代記に記されているではない か。
37そのころ、主はシリアの王レツィンとレマリヤの 子ペカをユダに攻めさせはじめられた。
38ヨタムは先祖たちと共に眠り、父ダビデの町に先 祖たちと共に葬られ、その子アハズが彼に代わって 王となった。
第16章
1ペカの治世の第十七年に、ユダの王ヨタムの子アハ ズ、レマルヤの子が王位に就いた。
2アハズは王位に就いたとき二十歳で、エルサレムで 十六年間統治したが、父ダビデのように、その神、 主の目にかなうことを行わなかった。
3しかし彼はイスラエルの王たちの道に歩み、主がイ スラエルの人々の前から追い払われた異邦人の忌ま わしい行いに従って、自分の息子に火の中を通らせ た。
4彼は高き所や丘の上、またすべての青木の下で犠牲 をささげ、香をたいた。
5そこで、シリアの王レツィンとイスラエルの王レマ ルヤの子ペカがエルサレムに戦いに上ってきて、ア ハズを包囲したが、打ち勝つことができなかった。
6そのころ、シリアの王レツィンはエラトをシリアに 取り戻し、ユダヤ人をエラトから追い払った。そし てシリア人はエラトに来て、今日までそこに住んで います。
7そこでアハズは使者をアッシリアの王ティグラトピ レセルに遣わして言った。「私はあなたのしもべで あり、あなたの息子です。どうか上って来て、私に
列王記下 立ち向かうスリヤの王とイスラエルの王の手から私 を救ってください。」
8アハズは主の宮と王宮の宝物庫にあった銀と金を取 って、贈り物としてアッシリアの王に送った。
9そしてアッシリアの王は彼の言うことを聞き入れた。
アッシリアの王はダマスコに攻め上ってこれを占領 し、そこの住民を捕虜としてキルに連れて行き、レ ツィンを殺した。
10アハズ王はアッシリアの王ティグラト・ピレセルに 会うためにダマスコに行き、ダマスコにある祭壇を 見た。そしてアハズ王は祭司ウリヤに、その祭壇の 形と設計図、すなわちそのすべての細工を送った。
11祭司ウリヤは、アハズ王がダマスコから送ったす べての物に従って祭壇を築いた。祭司ウリヤは、ア ハズ王がダマスコから来る前にそれを作った。
12王がダマスコから帰って来ると、王は祭壇を見ま した。そして王は祭壇に近づき、その上でいけにえ をささげました。
13彼は全焼の供え物と穀物の供え物を焼き、注ぎの 供え物を注ぎ、和解の供え物の血を祭壇の上に振り かけた。
14また彼は、主の前にあった青銅の祭壇を、神殿の 前から、祭壇と主の神殿の間から移し、祭壇の北側 に置いた。
15アハズ王は祭司ウリヤに命じて言った。「朝の燔 祭と夕の穀物の供え物、王の燔祭と穀物の供え物、 および国中のすべての民の燔祭と穀物の供え物と注 ぎの供え物を、大祭壇の上で焼いて焼きなさい。ま た、燔祭の血と、供え物の血をことごとくその上に 振りかけなさい。青銅の祭壇はわたしが尋問するた めのものとなる。」
16祭司ウリヤはすべてアハズ王の命じたとおりに行 った。
17アハズ王は、その台の縁を切り落とし、洗盤をそ こから取り除き、海をその下にあった青銅の牛の上 から降ろして、石の敷石の上に置いた。
18そして彼らは宮の中に安息日のための隠れ場と、 その外にあった王の入口を主の宮から遠ざけ、アッ シリアの王のために利用した。
19アハズのその他の事績は、ユダの王たちの年代記 に記されているではないか。
20アハズは先祖たちと共に眠り、ダビデの町に先祖 たちと共に葬られ、その子ヒゼキヤが彼に代わって 王となった。
第17章
1ユダの王アハズの治世第12年に、エラの子ホセア がサマリアでイスラエルを9年間統治し始めた。
2彼は主の目に悪とされることを行ったが、彼以前の イスラエルの王たちのようではなかった。
3アッシリアの王シャルマネセルが彼に向かって攻め 上ってきたので、ホセアは彼に仕え、贈り物を贈っ た。
4アッシリアの王はホセアが陰謀を企てていることを 知った。ホセアはエジプトの王ソに使者を送り、毎 年のようにアッシリアの王に贈り物をしていなかっ たからである。そこでアッシリアの王はホセアを閉 じ込め、牢獄につないだ。
5そこでアッシリアの王は全土に進軍し、サマリアに 攻め上って三年間そこを包囲した。
6ホセアの治世の第九年に、アッシリアの王はサマリ アを占領し、イスラエルをアッシリアへ連れ去り、 ハラとゴザン川沿いのハボル、およびメディアの 町々に住まわせた。
7イスラエルの子らは、エジプトの国、エジプトの王 パロの手から彼らを導き上った彼らの神、主に対し て罪を犯し、他の神々を恐れたからである。
8彼らは、主がイスラエルの人々の前から追い払われ た異邦人の掟と、イスラエルの王たちが定めた掟に 従って歩んだ。
9イスラエルの人々は、彼らの神、主に対して正しく ないことをひそかに行い、番人の塔から城壁のある 町に至るまで、すべての町に高き所を築いた。
10彼らはすべての高い丘とすべての青々とした木の 下に、偶像とアシラ像を建てた。
11そこで彼らは、主が彼らの前から追い払われた異 邦人のように、すべての高き所で香をたき、主の怒 りを招く悪事を働いた。
12彼らは偶像を拝んでいたが、主は彼らに、「あな たたちはこのようなことをしてはならない」と言わ れたのである。
13しかし主は、すべての預言者とすべての先見者に よって、イスラエルとユダに対して証言して言われ た、「あなたがたは悪の道から離れ、わたしがあな たがたの先祖に命じ、わたしのしもべである預言者 たちによってあなたがたに伝えたすべての律法に従 って、わたしの戒めと定めを守れ。
14しかし彼らは聞こうとせず、主なる神を信じなか った先祖たちのように、頑なに頑なになった。
15彼らは主の掟と、主が彼らの先祖たちと結ばれた 契約と、主が彼らに不利な証言をしたことを拒み、 むなしいことに従い、むなしい者となり、周囲の異 邦人に従った。主は彼らに、彼らのようにしてはな らないと命じておられたのである。
16彼らは彼らの神、主のすべての戒めを捨て、鋳た 像、すなわち二頭の子牛を造り、アシラ像を造り、 天の万象を拝み、バアルに仕えた。
17彼らは息子、娘に火の中を通らせ、占いや魔術を 行い、主の目に悪とされることを行って主の怒りを 招いた。
18それゆえ、主はイスラエルに対して非常に怒り、 彼らを御前から取り去られた。ユダの部族のほかは、 誰も残らなかった。
19またユダは彼らの神、主の戒めを守らず、イスラ エルが定めた掟に従って歩んだ。
20主はイスラエルのすべての子孫を拒絶し、彼らを 苦しめ、略奪者の手に引き渡し、ついに彼らを御前 から追い払われた。
列王記下
21主はイスラエルをダビデの家から引き裂き、ネバ テの子ヤロブアムを王とした。ヤロブアムはイスラ エルを主の道から引き離し、彼らに大いなる罪を犯 させた。
22イスラエルの人々はヤロブアムが犯したすべての 罪を歩み、それから離れなかった。
23主は、そのすべての僕である預言者たちを通して 言われたとおり、イスラエルを御前から取り去られ ました。こうしてイスラエルは、今日に至るまで、 自分たちの国からアッシリアへ連れ去られてきまし た。
24アッシリアの王はバビロン、クタ、アバ、ハマト、 セファルワイムから人々を連れて来て、イスラエル の人々の代わりにサマリアの町々に住まわせた。彼 らはサマリアを占領し、その町々に住んだ。
25彼らがそこに住み始めたとき、彼らは主を恐れな かった。そのため、主は彼らの中にライオンを送り、 ライオンが彼らのうちの何人かを殺した。
26そこで人々はアッシリアの王に言った、「あなた が移してサマリアの町々に住まわせた諸国の民は、 その地の神の慣習を知らないので、神は彼らの中に ライオンを送りましたが、ライオンは彼らを殺しま した。彼らはその地の神の慣習を知らないからで す」。
27そこでアッシリアの王は命じて言った。「あなた がたがそこから連れてきた祭司のひとりをそこへ連 れて行き、そこに住ませ、その地の神の慣習を彼ら に教えさせなさい。」
28そこで、サマリアから捕え移された祭司の一人が ベテルに来て住み、主を畏れる方法を人々に教えた。
29しかし、それぞれの民族は自分たちの神々を造り、 サマリア人が造った高き所の神殿にそれを置き、そ れぞれの町々に住んだ。
30バビロンの人々はスコテベノトを造り、クトの 人々はネルガルを造り、ハマトの人々はアシマを造 り、
31そしてアビ人はニブハズとタルタクを造り、セフ ァルワイム人は自分たちの子供たちをセファルワイ ムの神々であるアドラメレクとアナメレクに火で焼 いた。
32そこで彼らは主を畏れ、自分たちのうちの最も身 分の低い者を高き所の祭司とし、高き所の宮で彼ら のために犠牲をささげさせた。
33彼らは主を畏れ、そこから捕え移した諸国の民の 慣例に従って、自分たちの神々に仕えた。
34彼らは今日に至るまで昔の慣習に従っている。彼 らは主を恐れず、その定めにも、その法にも従わず、 主がイスラエルと名付けたヤコブの子らに命じた律 法と戒めにも従わない。
35主は彼らと契約を結び、彼らに命じて言われた、 「あなたたちはほかの神々を恐れてはならない。そ れにひれ伏してはならない。それに仕えてはならな い。それに犠牲をささげてはならない。
36しかし、大いなる力と伸ばされた腕とをもって、 あなたたちをエジプトの地から導き上った主を、あ
なたたちは恐れ、拝み、犠牲をささげなければなら ない。
37主があなたがたのために書き記された掟と、規則 と、律法と、戒めを、あなたがたはいつまでも守り 行わなければならない。また、ほかの神々を恐れて はならない。
38わたしがあなたたちと結んだ契約を、あなたたち は忘れてはならない。また、ほかの神々を恐れては ならない。
39しかし、あなたたちの神、主を恐れなければなら ない。そうすれば、主はあなたたちをすべての敵の 手から救い出して下さるであろう。
40しかし彼らは聞き従わず、以前のやり方に従った。
41こうして、これらの国民は主を畏れ、その彫像に、 その子孫に至るまで仕えた。彼らは先祖がそうした ように、今日までそうしている。
第18章
1イスラエルの王エラの子ホセアの治世の第三年に、 ユダの王アハズの子ヒゼキヤが王となった。
2彼は王位に就いたとき二十五歳で、エルサレムで二 十九年間、王位に就きました。彼の母はザカリヤの 娘で、名をアビといったのです。
3彼はすべて父ダビデが行ったように、主の目にかな うことを行った。
4彼は高き所を取り除き、偶像を打ち砕き、アシラ像 を切り倒し、モーセが造った青銅の蛇を打ち砕いた。 その日までイスラエルの人々はそれに香をたいたか らである。彼はそれをネフシュタンと名付けた。
5彼はイスラエルの神、主を信頼した。そのため、彼 の後のユダの王たちのうちにも、また彼以前の王た ちのうちにも、彼のような者は一人もいなかった。
6彼は主に従い、主に従うことを捨てず、主がモセ に命じた戒めを守ったからである。
7主は彼と共におられたので、彼はどこに出て行って も繁栄した。彼はアッシリアの王に反抗し、彼に仕 えなかった。
8彼はペリシテ人を、ガザとその境界に至るまで、番 人の塔から城壁で囲まれた町に至るまで、打ち破っ た。
9ヒゼキヤ王の第四年、すなわちイスラエルの王エラ の子ホセアの第七年に、アッシリアの王シャルマネ セルがサマリアに攻め上ってきて、これを包囲した。
10そして三年が経って彼らはそれを攻め取った。す なわちヒゼキヤ王の第六年、すなわちイスラエルの 王ホセアの第九年にサマリアは攻め取られたのであ る。
11そしてアッシリアの王はイスラエルをアッシリア へ捕らえ、彼らをハラとゴザン川沿いのハボル、お よびメディアの町々に住まわせた。
12彼らは彼らの神、主の声に聞き従わず、主との契 約と、主のしもべモーセが命じたすべてのことに背 き、それを聞かず、行わなかったからである。
列王記下
13ヒゼキヤ王の治世第十四年に、アッシリアの王セ ナケリブがユダのすべての城壁のある町々を攻め攻 め、これを占領した。
14ユダの王ヒゼキヤはラキシュにいるアッシリアの 王に人を遣わして言った。「私は罪を犯しました。 私から立ち去ってください。あなたが私に課すもの は、私が負います。」アッシリアの王はユダの王ヒ ゼキヤに銀三百タラントと金三十タラントを与えた。
15ヒゼキヤは主の宮と王宮の宝物庫にあった銀をこ とごとく彼に与えた。
16そのとき、ヒゼキヤは主の神殿の扉とユダの王ヒ ゼキヤがかぶせた柱から金を切り取り、それをアッ シリアの王に与えた。
17アッシリア王はラキシュからタルタン、ラブサリ ス、ラブシャケを大軍と共にヒゼキヤ王のもとに派 遣し、エルサレムを攻めさせた。彼らはエルサレム に上陸し、布さらし場の道にある上の池の水道のそ ばに立った。
18彼らが王に呼びかけると、宮廷の長官ヒルキヤの 子エリアキム、書記官シェブナ、記録官アサフの子 ヨアが彼らのもとに出てきた。
19ラブシャケは彼らに言った、「ヒゼキヤに告げな さい。『大王、アッシリアの王はこう仰せられてい ます。あなたはいったい何を頼りにしているのか。
20あなたは言う。「私には戦いのための計略と力が ある」と。だが、それは空虚な言葉だ。体誰を頼 りにして、私に反逆するのか。
21今、見よ、あなたは、この傷ついた葦の杖、すな わちエジプトに依り頼んでいる。もし人がそれに寄 りかかれば、それはその人の手に突き刺さり、それ を刺し通すであろう。エジプトの王ファラオも、彼 に依り頼むすべての者に対して、そのようにするの である。
22しかし、あなたがたがわたしに、『われわれは主 を信頼する』と言うならば、それは、ヒゼキヤがあ なたの高き所と祭壇とを取り除き、ユダとエルサレ ムに、『エルサレムにあるこの祭壇の前で礼拝せ よ』と言った主ではないか。
23それゆえ、今、私はあなたに、私の主君であるア ッシリアの王に保証を与えてください。そして、も しあなたが乗り手を付けることができれば、私はあ なたに二千頭の馬を引き渡しましょう。
24それなのに、どうしてあなたは、わたしの主君の 最も小さい家来のひとりの指揮官の顔を無視し、戦 車と騎兵をエジプトに頼るのですか。
25わたしは主の助けなしに、この場所を滅ぼすため に上って来たのでしょうか。主はわたしにこう言わ れました。「この地に攻め上って、これを滅ぼ せ。」
26そこでヒルキヤの子エリアキムとシェブナとヨア はラブシャケに言った。「どうぞ、あなたの家来た ちにアラム語で話してください。私たちはそれが分 かります。城壁の上にいる民の耳元で、ユダヤ人の 言葉で話さないでください。」
27しかし、ラブシャケは彼らに言った。「私の主君 は、これらの言葉をあなたの主君とあなたに伝える ために、私を遣わしたのですか。城壁の上に座って いる人々のところに私を遣わしたのは、彼らもあな たたちと緒に自分たちの糞尿を食らうためではあ りませんか。
28そこでラブシャケは立ち上がり、ユダヤ人の言葉 で大声で叫んで言った。「アッシリアの王、大王の 言葉を聞きなさい。
29王はこう言われる。「ヒゼキヤに欺かれてはなら ない。彼はあなたたちを彼の手から救い出すことは できないだろう。
30また、ヒゼキヤが、『主は必ず我々を救って下さ る。この町はアッシリアの王の手に渡されることは ない』と言って、主を信頼させてはならない。
31ヒゼキヤの言葉に耳を傾けてはならない。アッシ リアの王はこう言う。「贈り物をもって私と契約を 結び、私のところに出て来て、おのおの自分のぶど うの木と、おのおの自分のいちじくの木の実を食べ、 おのおの自分の水ためから水を飲め。
32わたしが来て、あなたたちを、あなたたちの国の ような国、穀物とぶどう酒の国、パンとぶどう畑の 国、オリーブ油と蜜の国へ連れて行くまでは、あな たたちは生きていて、死ぬことはない。ヒゼキヤが、 「主はわれわれを救って下さる」と言ってあなたた ちを説得しても、それに耳を傾けてはならない。
33諸国の神々のうち、どれかつでも、その国土を アッシリアの王の手から救い出した者がいただろう か。
34ハマテの神々、アルパデの神々はどこにいるのか。 セファルワイム、ヘナ、イワの神々はどこにいるの か。彼らはサマリアをわたしの手から救い出したの か。
35諸国の神々のうち、自分の国をわたしの手から救 い出したのはだれか。主がエルサレムをわたしの手 から救い出すとはどういうことか。
36しかし民は黙って、言も彼に答えなかった。王 が「彼に答えてはならない」と命令していたからで ある。
37そこで、宮廷の長であるヒルキヤの子エリアキム、 書記官シェブナ、および記録官アサフの子ヨアは衣 服を裂いてヒゼキヤのもとに来て、ラブシャケの言 葉を告げた。
第19章
1ヒゼキヤ王はこれを聞いて、衣を裂き、荒布を身に まとい、主の宮に入った。
2そこで彼は、宮廷の長官エリアキム、書記官シェブ ナ、および祭司の長老たちに、荒布をまとわせて、 アモツの子預言者イザヤのもとに遣わした。
3彼らは彼に言った、「ヒゼキヤはこう言っています、 『きょうは悩みと叱責と冒涜の日です。子どもたち が産まれようとしていますが、産む力がありません。
列王記下
4主君アッシリヤの王が生ける神を侮辱するために遣 わしたラブシャケのすべての言葉を、あなたの神、 主が聞かれるかもしれない。そして、あなたの神、 主が聞かれた言葉を、戒められるかもしれない。そ れゆえ、残っている者のために祈りなさい。
5そこでヒゼキヤ王の家臣たちはイザヤのもとにやっ て来た。
6イザヤは彼らに言った、「あなたたちは主君にこう 言いなさい。『主はこう仰せられる。アッシリヤの 王の家臣たちがわたしを冒涜した言葉をあなたたち は聞いて恐れてはならない。
7見よ、わたしは彼に打撃を与える。彼はうわさを聞 いて自分の国に帰る。わたしは彼を自分の国で剣に よって倒す。
8そこでラブシャケは戻って来て、アッシリアの王が リブナと戦っているのを見つけた。彼はアッシリア の王がラキシュから出発したことを聞いていたから である。
9エチオピアの王ティルハカが、「見よ、彼はあなた と戦うために出てきた」という知らせを聞いたとき、 彼は再び使者をヒゼキヤに遣わして言った。
10ユダの王ヒゼキヤにこう言いなさい。「あなたが 信頼している神が、『エルサレムはアッシリアの王 の手に渡されないだろう』と言って、あなたを欺い てはならない。
11見よ、あなたは、アッシリアの王たちがすべての 国々に対して行ったこと、すなわち、彼らを完全に 滅ぼしたことを聞いた。それでも、あなたは救われ るだろうか。
12わたしの先祖が滅ぼしたゴザン、ハラン、レゼフ、 およびテラサルにいたエデンの子らを、諸国の神々 は救っただろうか。
13ハマテの王、アルパデの王、セファルワイムの町、 ヘナの王、イワの王はどこにいるのか。
14ヒゼキヤは使者たちの手からその手紙を受け取り、 それを読み、主の宮に上り、それを主の前に広げた。
15ヒゼキヤは主の前に祈って言った、「ケルビムの 間に住まわれるイスラエルの神、主よ。あなたは地 上のすべての王国の中で唯の神です。あなたは天 地を造られました。
16主よ、耳を傾けて聞いてください。主よ、目を開 いて見てください。セナケリブを遣わして、生ける 神をそしらせた言葉をお聞きください。
17主よ、確かにアッシリアの王たちは諸国とその領 土を滅ぼしました。
18彼らは自分たちの神々を火に投げ込んだ。それら は神ではなく、人の手で造った木や石であったから である。それゆえ、彼らはそれを滅ぼしたのだ。
19それゆえ、今、主なる我らの神よ、どうか、彼を 手から救い出し、地のすべての国々に、あなただけ が主なる神であることを知るようにしてください。
20そこでアモツの子イザヤはヒゼキヤに人をやって 言わせた。「イスラエルの神、主はこう仰せられま す。『あなたがアッシリアの王セナケリブに対して 私に祈ったことを、私は聞きました。
21これは主が彼について言われた言葉である。「シ オンの娘である処女はあなたを侮辱し、あなたを嘲 笑した。エルサレムの娘はあなたに向かって頭を振 った。」
22あなたはだれを非難し、だれを冒涜したのか。だ れに向かって声を張り上げ、だれの目を高く上げた のか。イスラエルの聖者に向かって。
23あなたは使者を率いて主を侮辱し、こう言った。 「わたしは多数の戦車を率いて山々の頂、レバノン の奥地まで登り、そこの高い杉と、えり抜きの樅の 木を切り倒し、その領地の宿営地と、カルメル山の 森に入って行く。」
24私は異国の水を掘って飲み、足の裏で包囲された 地のすべての川を干上がらせました。
25あなたは、わたしが昔からこれを行ったこと、わ たしが昔からこれを形造ったことを聞いていないの か。今、わたしはそれを成し遂げ、あなたは城壁で 囲まれた町々を廃墟の山とすることを成し遂げた。
26それゆえ、そこに住む人々は力が弱く、落胆し、 恥じ入った。彼らは野の草、青草、屋根の上の草、 成長する前に枯れてしまった穀物のようであった。
27しかし、わたしはあなたの住まいも、あなたの出 入りも、またわたしに対するあなたの怒りも知って いる。
28わたしに対するあなたの怒りと、あなたの騒ぎが わたしの耳に達したので、わたしはあなたの鼻に鉤 をかけ、あなたの唇に手綱をかけ、あなたをもと来 た道に引き返す。
29そして、これがあなたたちへのしるしとなるであ ろう。あなたたちは今年は自然に育ったものを食べ、 二年目には自然に生えたものを食べ、三年目には種 を蒔き、刈り取り、ぶどう畑を植えてその果実を食 べるであろう。
30そして、ユダの家の残りの者は、再び下に根を張 り、上に実を結ぶであろう。
31エルサレムから残りの民が出て行き、シオンの山 から逃れる者たちも出る。万軍の主の熱心がこれを 行なうのだ。
32それゆえ、主はアッシリアの王についてこう言わ れる。彼はこの町に来ることはなく、そこで矢を放 つこともなく、盾を持ってその前に来ることもなく、 これに向かって土塁を築くこともない。
33彼は来た道で帰り、この町に入ることはない、と 主は言われる。
34わたしはわたし自身のために、またわたしのしも べダビデのために、この町を守って救うであろう。
35その夜、主の使いが出て行って、アッシリア人の 陣営で百八万五千人を撃った。彼らが翌朝早く起き てみると、彼らは皆、死体となっていた。
36こうしてアッシリアの王セナケリブは去って行き、 また戻ってニネベに住んだ。
37彼がその神ニスロクの宮で礼拝していたとき、そ の子アドラメレクとシャルエゼルが剣で彼を打ち殺 し、アルメニアの地に逃げ去った。そして、その子 エサルハドンが彼に代わって王となった。
第20章
1そのころ、ヒゼキヤは病気で死にかけていた。アモ ツの子預言者イザヤが彼のもとに来て言った。「主 はこう仰せられます。『あなたの家を整えなさい。 あなたは死ぬであろう。生き残ることはないであろ う。』」
2そこで彼は顔を壁に向けて主に祈って言った。
3主よ、どうか今、私が真実と清い心をもってあなた の前に歩み、あなたの目にかなうことを行ってきた ことを思い出してください。」ヒゼキヤは激しく泣 いた。
4イザヤが中庭に出る前に、主の言葉が彼に臨んだ。
5引き返して、わたしの民の長ヒゼキヤに告げなさい。 あなたの父ダビデの神、主はこう言われる。「わた しはあなたの祈りを聞いた。わたしはあなたの涙を 見た。見よ、わたしはあなたを癒す。三日目にあな たは主の家に上るであろう。」
6わたしはあなたの寿命を十五年延ばし、あなたとこ の町をアッシリアの王の手から救い出す。そして、 わたし自身のため、またわたしのしもべダビデのた めに、この町を守る。
7そこでイザヤは、「いちじくの塊を取りなさい」 と言った。彼らはそれを取って腫れ物に当てると、 彼は回復した。
8ヒゼキヤはイザヤに言った、「主がわたしを癒して くださり、わたしが三日目に主の家に上るというし るしは何でしょうか。
9イザヤは言った、「主が約束されたことを成就する ということの、主からのしるしがこれである。すな わち、影が十度進むか、それとも十度退くか。」
10ヒゼキヤは答えた。「影が十度下がるのは、小さ な事です。いや、影は十度後ろに引くべきです。」
11預言者イザヤは主に叫んだ。すると主はアハズの 日時計に沈んでいた影を十度戻された。
12そのころ、バビロン王バラダンの子ベロダク・バラ ダンは、ヒゼキヤが病気であると聞いて、ヒゼキヤ に手紙と贈り物を送った。
13ヒゼキヤは彼らの言うことを聞き入れ、銀、金、 香料、貴重な香油など、彼の宝物の倉庫全体と、彼 の武器庫全体、そして彼の宝物庫にあるすべてのも のを彼らに見せた。彼の家の中にも、彼の領土のす べてにも、ヒゼキヤが彼らに見せなかったものは つもなかった。
14そのとき、預言者イザヤはヒゼキヤ王のもとに来 て言った、「この人々は何と言いましたか。どこか らあなたのところに来たのですか」。ヒゼキヤは答 えた、「彼らは遠い国、バビロンから来ました」。
15そこで彼は言った、「彼らはあなたの家で何を見 ましたか」。ヒゼキヤは答えた、「彼らは私の家に あるものをみな見ました。私の宝物庫の中に、彼ら に見せなかったものはつもありません」。
16イザヤはヒゼキヤに言った、「主の言葉を聞きな さい。」
17見よ、あなたの家にあるもの、あなたの先祖が今 日まで蓄えてきたものがすべてバビロンに運び去ら れる日が来る。何も残らないであろう、と主は言わ れる。
18また、あなたが生むあなたの息子たちも連れ去ら れ、バビロン王の宮殿で宦官となるであろう。
19ヒゼキヤはイザヤに言った、「あなたが主の言わ れた言葉は良いことです」。イザヤは言った、「わ たしの時代に平和と真実があれば、それは良いこと ではないでしょうか」。
20ヒゼキヤのその他の事績と、彼のすべての武勲、 また彼が池と水道を造って町に水を引いたことは、 ユダの王たちの年代記に記されているではないか。
21ヒゼキヤは先祖たちと共に眠り、その子マナセが 彼に代わって王となった。
第21章
1マナセは王位に就いたとき十二歳で、エルサレムで 五十五年間、王位にあった。彼の母の名はヘフツィ バといった。
2彼は主がイスラエルの人々の前から追い払われた異 邦人の忌まわしい行いに倣い、主の目に悪とされる ことを行った。
3彼は父ヒゼキヤが破壊した高き所を再建し、イスラ エルの王アハブがしたようにバアルのために祭壇を 築き、アシラ像を造り、天の万象を拝んでこれに仕 えた。
4彼は主の宮に祭壇を築いた。主はそれについて、 「わたしはエルサレムにわたしの名を置く」と言わ れた。
5彼は主の宮の二つの庭に天の万象のために祭壇を築 いた。
6彼は自分の息子に火の中を通らせ、占いをし、呪文 を唱え、霊媒や魔術師と交渉し、主の目の前に悪を 多く行って、主の怒りを買った。
7彼はまた、主がダビデとその子ソロモンに言われた とおり、アシラ像を造って神殿に据えた。「この神 殿と、わたしがイスラエルのすべての部族の中から 選んだエルサレムに、わたしはとこしえにわたしの 名を置く。
8わたしがイスラエルの先祖に与えた地から、わたし は彼らの足を二度と動かさない。ただし、わたしが 彼らに命じたすべてのこと、またわたしのしもべモ ーセが彼らに命じたすべての律法を彼らが守り行な うならば。
9しかし彼らは聞き従わなかった。マナセは彼らを誘 惑して、主がイスラエルの子らの前から滅ぼした諸 国の民よりもさらに悪事を働かせた。
10主はそのしもべである預言者たちによって言われ た、
11ユダの王マナセはこれらの忌まわしい行いをし、 彼より先にいたアモリ人が行ったすべてのことより もさらに悪い行いをし、またユダにも偶像をもって 罪を犯させたからである。
列王記下
12それゆえ、イスラエルの神、主はこう言われる。 「見よ、わたしはエルサレムとユダに災いをもたら す。それを聞く者は皆、両耳が鳴るであろう。」
13わたしはサマリアの測りなわとアハブの家の下げ 振りをエルサレムの上に伸ばし、人が皿を拭いてひ っくり返すようにエルサレムを拭い去る。
14わたしはわたしの相続地の残りを捨て、彼らを敵 の手に渡す。彼らはすべての敵の獲物となり、略奪 される。
15彼らの先祖がエジプトから出てきた日から今日に 至るまで、彼らはわたしの目に悪とされることを行 って、わたしを怒らせてきたからである。
16マナセは、主の目に悪とされることを行ってユダ に罪を犯させた罪のほかにも、エルサレムの端から 端まで、罪のない者の血を大量に流した。
17マナセのその他の事績と、彼が行ったすべての事、 彼が犯した罪は、ユダの王たちの年代記に記されて いるではないか。
18マナセは先祖たちと共に眠り、自分の家の庭、ウ ザの庭に葬られ、その子アモンが彼に代わって王と なった。
19アモンは王位に就いたとき二十二歳で、エルサレ ムで二年間、王位にあった。彼の母はヨトバのハル ズの娘で、名をメシュレメテといった。
20彼は父マナセが行ったように、主の目に悪とされ ることを行った。
21彼は父が歩んだ道をすべて歩み、父が仕えていた 偶像に仕え、それを拝んだ。
22彼は先祖の神、主を捨て、主の道を歩まなかった。
23アモンの家臣たちは彼に対して陰謀を企て、王を その宮殿で殺した。
24そしてその国の民はアモン王に対して陰謀を企て た者たちを皆殺しにし、その子ヨシヤをアモン王に 代わって王とした。
25アモンのその他の事績は、ユダの王たちの年代記 に記されているではないか。
26彼はウザの園にある墓に葬られ、その子ヨシヤが 彼に代わって王となった。
第22章
1ヨシヤは王位に就いたとき八歳で、エルサレムで三 十年の間、王位にあった。彼の母はボスカテのア ダヤの娘で、名をエディダといった。
2彼は主の目にかなうことをなし、父ダビデの道をこ とごとく歩み、右にも左にも曲がらなかった。
3ヨシヤ王の第十八年に、王はメシュラムの子アザル ヤの子である書記官シャファンを主の宮に遣わして 言った。
4大祭司ヒルキヤのもとへ上って行き、主の宮に携え 入れられた銀、すなわち門を守る者たちが民から集 めた銀の合計を数えさせなさい。
5それを主の宮の監督をする工事の者たちの手に渡し、 主の宮の工事の者たちに渡して、宮の破れ目を修理 させなさい。
6大工、建築業者、石工に、家を修理するための木材 や切り石を買うように命じた。
7しかし、彼らは誠実に行動したので、彼らの手に渡 された金銭については計算されなかった。
8そこで大祭司ヒルキヤは書記官シャファンに言った。 「私は主の宮で律法の書を見つけました。」ヒルキ ヤはその書物をシャファンに渡し、シャファンはそ れを読みました。
9書記官シャファンは王のもとに来て、報告を王に伝 えて言った、「しもべたちは家の中にあった金を集 めて、主の宮の監督をする工事の者たちの手に渡し ました。」
10書記官シャファンは王に告げて言った。「祭司ヒ ルキヤが私に書物を渡しました。」シャファンはそ れを王の前で読み上げた。
11王は律法の書の言葉を聞いて、その衣を引き裂い た。
12そこで王は祭司ヒルキヤ、シャファンの子アヒカ ム、ミカヤの子アクボル、書記官シャファン、およ び王の侍臣アサヒヤに命じて言った。
13あなたがたは行って、私のため、この民のため、 ユダ全体のために、この見つかった書物の言葉につ いて主に尋ねなさい。私たちの先祖たちがこの書物 の言葉に聞き従わず、私たちについて書かれている ことをすべて行わなかったために、主の怒りが私た ちに向かって大きく燃えているからです。
14そこで祭司ヒルキヤ、アヒカム、アクボル、シャ ファン、アサヒヤは、衣装室番のシャルムの妻でハ ルハスの子ティクワの子である女預言者フルダのも とへ行き、彼女と話し合った。フルダはエルサレム の大学に住んでいた。
15彼女は彼らに言った、「イスラエルの神、主はこ う仰せられます。『あなたたちを私のところに遣わ した人にこう言いなさい。
16主はこう言われる、「見よ、わたしはこの場所と、 ここに住む人々に災いをもたらす。ユダの王が読ん だ書物の言葉のとおりである。
17彼らはわたしを捨てて、ほかの神々に香をたき、 自分たちの手で作ったすべての物でわたしを怒らせ たので、わたしの怒りはこの場所に向かって燃え上 がり、消えることはないだろう。
18しかし、主に尋ねさせるためにあなたたちをつか わしたユダの王にはこう言いなさい。イスラエルの 神、主はこう言われる、あなたが聞いた言葉につい て。
19わたしがこの所と、ここに住む人々とに対して、 彼らは荒れ地となり、呪われるであろうと言ったの を聞いたとき、あなたは心が痛み、主の前にへりく だり、衣服を裂き、わたしの前で泣いた。わたしも あなたの願いを聞いた、と主は言われる。
20それゆえ、見よ、わたしはあなたをあなたの先祖 のもとに集め、あなたは安らかに墓に集められる。 そして、わたしがこの場所にもたらすすべての災い を、あなたの目は見ることはないだろう。そして彼 らは王にその知らせを伝えた。
第23章
1そこで王は人をつかわして、ユダとエルサレムの長 老たちを皆集めさせた。
2そこで王はユダのすべての人々、エルサレムのすべ ての住民、祭司、預言者、小さい者から大きい者ま ですべての民を伴って主の宮に上り、主の宮にある 契約の書のすべての言葉を彼らに読み聞かせた。
3王は柱のそばに立って、主の前に契約を結び、主に 従い、心を尽くし、精神を尽くして主の戒めと定め とを守り、この書物に記されている契約の言葉を実 行することを誓った。民は皆、その契約を守って立 った。
4王は大祭司ヒルキヤと次席の祭司たち、および門を 守る者たちに命じて、主の宮から、バアルとアシラ 像と天の万象のために造られたすべての器を運び出 させ、それらをエルサレムの外のキデロンの野で焼 き、その灰をベテルに運ばせた。
5そして、ユダの王たちがユダの町々の高き所やエル サレムの周囲の場所で香をたくよう任命していた偶 像礼拝の祭司たち、またバアルや太陽や月や惑星や 天の万象に香をたく者たちを倒した。
6彼は主の宮からアシラ像をエルサレムの外のキデロ ン川に運び出し、キデロン川でそれを焼き、それを 粉々に砕き、その粉を民の子らの墓に撒いた。
7彼はまた主の宮のそばにあった男娼たちの家々を破 壊した。そこでは女たちがアシラ幕のために幕を織 っていた。
8彼はユダの町々から祭司たちを皆連れ出し、祭司た ちが香をたいた高き所をゲバからベエルシェバまで 汚し、町の知事ヨシュアの門の入口にあった門の高 き所を破壊した。それは町の門で人の左側にあった。
9しかし、高き所の祭司たちはエルサレムにある主の 祭壇に上らず、兄弟たちと一緒に種入れぬパンを食 べた。
10そして彼は、ヒンノムの子らの谷にあるトフェト を汚し、誰も自分の息子や娘をモレクの火の中を通 らせないようにした。
11彼はまた、主の宮の入口、郊外の侍従ナタンメレ クの部屋の近くで、ユダの王たちが太陽に捧げた馬 を奪い取り、太陽の戦車を火で焼いた。
12ユダの王たちが造ったアハズの屋上の部屋の頂上 にあった祭壇と、マナセが主の宮の二つの庭に造っ た祭壇を、王は打ち壊し、そこから取り壊して、そ の塵をキデロン川に投げ捨てた。
13イスラエルの王ソロモンがシドン人の憎むべきア シュタロテと、モアブ人の憎むべきケモシュと、ア ンモン人の憎むべきミルコムのために築いたエルサ レムの前、滅びの山の右にあった高き所を王は汚し た。
14そして彼は偶像を打ち砕き、アシラ像を切り倒し、 その場所を人の骨で満たした。
16ヨシヤは振り返って、山にある墓を探り、人をや って墓から骨を取り出して祭壇の上で焼き、祭壇を 汚した。これは、神の人が宣べ伝えた主の言葉のと おりであった。彼はこれらの言葉を宣べ伝えた。
17そこで彼は言った、「私が見ているあれは何とい う名だ」。町の人々は彼に答えた、「それはユダか ら来て、あなたがベテルの祭壇に対して行ったこれ らのことを告げ知らせた神の人の墓です」。
18そして彼は言った、「彼をそのままにしておけ。 だれも彼の骨を動かさないように。」こうして彼ら は彼の骨を、サマリアから出てきた預言者の骨と共 にそのままにしておいた。
19またイスラエルの王たちが主の怒りを起こさせる ために造ったサマリアの町々の高き所の神殿もすべ てヨシヤは取り除き、ベテルで行ったすべてのこと と同様に彼らにも行った。
20彼は祭壇の上で高き所の祭司たちを皆殺しにし、 人々の骨を祭壇の上で焼き、エルサレムに帰って行 った。
21そこで王はすべての民に命じて言った、「この契 約の書に書いてあるとおり、あなたがたの神、主の ために過越の祭りを守りなさい。」
22確かに、イスラエルを裁いた士師たちの時代から、 イスラエルの王たちの時代、ユダの王たちの時代を 通して、このような過越の祭りは執り行われなかっ た。
23ヨシヤ王の治世第十八年に、エルサレムで主のた めにこの過越の祭りが行われた。
24またヨシヤは、ユダの地とエルサレムで見出され た霊媒師、魔術師、偶像、偶像、およびすべての忌 まわしいものを除き去り、祭司ヒルキヤが主の宮で 見つけた書物に記されていた律法の言葉を実行した。
25彼の前には、モーセの律法をすべて守り、心を尽 くし、精神を尽くし、力を尽くして主に立ち返った 王はいなかった。また彼の後にも、彼のような王は 現れなかった。
26それにもかかわらず、主はマナセが主を怒らせた すべての挑発のゆえに、ユダに対して燃え上がった 激しい怒りをやめられなかった。
27主は言われた、「わたしはイスラエルをわたしの 前から移したように、ユダもわたしの前から移し、 わたしが選んだこの町エルサレムと、『わたしの名 をそこに置く』と言ったこの家を捨て去る」。
28ヨシヤのその他の事績と、彼が行ったすべての事 は、ユダの王たちの年代記に記されているではない か。
29彼の時代に、エジプトの王ファラオ・ネコがアッシ リアの王に向かってユーフラテス川に攻め上ったが、 ヨシヤ王もこれに対抗し、メギドで彼を見て殺した。
15また彼は、ベテルにあった祭壇と、イスラエルに 罪を犯させたネバテの子ヤロブアムが造った高き所 とを破壊し、高き所を焼き払い、それを粉々に砕き、 アシラ像をも焼き払った。
30家来たちは、死んだ彼を戦車に乗せてメギドから エルサレムに運び、彼の墓に葬った。そして、国の 民はヨシヤの子エホアハズを迎え、彼に油を注ぎ、 父に代わって王とした。
列王記下
31ヨアハズは王位に就いたとき二十三歳で、エルサ レムで三か月間王位にあった。彼の母はリブナ出身 のエレミヤの娘で、名をハムタルといった。
32彼はすべて先祖たちが行ったように、主の目に悪 とされることを行った。
33ファラオ・ネコは、彼がエルサレムで統治できない ように、ハマトの地のリブラで彼を監禁し、その国 に銀百タラントと金タラントの貢物を課した。
34ファラオ・ネコはヨシヤの子エリアキムを父ヨシヤ に代わって王とし、その名をエホヤキムと改め、エ ホアハズを連れ去った。エホアハズはエジプトに行 き、そこで死んだ。
35エホヤキムは銀と金をファラオに納めたが、ファ ラオの命令に従って、国に税金を課し、国中の人か ら、それぞれその税金に応じて銀と金を徴収し、そ れをファラオ・ネコに納めた。
36エホヤキムは王位に就いたとき二十五歳で、エル サレムで十一年間、王位にあった。彼の母はルマ出 身のペダヤの娘で、名をゼブダといった。
37彼はすべて先祖たちが行ったように、主の目に悪 とされることを行った。
第24章
1彼の時代にバビロンの王ネブカデネザルが攻めてき たが、エホヤキムは三年間彼に仕えていたが、その 後背を向けて彼に反逆した。
2主は、そのしもべである預言者たちによって告げら れた主の言葉のとおり、カルデア人の部隊、アラム 人の部隊、モアブ人の部隊、アンモン人の部隊をユ ダに向けて遣わし、ユダを滅ぼそうとされた。
3確かに、この事は主の命令によってユダに臨んだの であって、マナセが犯したすべての罪のために、彼 らを主の前から消し去るためであった。
4また、彼は罪のない者の血を流した。彼は罪のない 者の血でエルサレムを満たしたが、主はそれを赦さ れなかった。
5エホヤキムのその他の事績と、彼が行ったすべての 事は、ユダの王たちの年代記に記されているではな いか。
6こうしてエホヤキムは先祖たちと共に眠り、その子 エホヤキンが彼に代わって王となった。
7エジプトの王は二度とその国から出てこなかった。
バビロンの王がエジプトの王に属するすべてのもの をエジプトの川からユーフラテス川まで奪い取った からである。
8ヨヤキンは王位に就いたとき十八歳で、エルサレム で三か月間、王位にあった。彼の母はエルサレムの エルナタンの娘で、名をネフシュタといった。
9彼は父が行ったすべてのことと同じく、主の目に悪 とされることを行った。
10そのとき、バビロン王ネブカデネザルの家臣たち がエルサレムに攻め上って来て、その町は包囲され た。
11バビロンの王ネブカデネザルは町に攻め寄せ、家 臣たちはそれを包囲した。
12ユダの王エホヤキンは、その母、家来たち、首長 たち、および役人たちと共にバビロンの王のもとへ 出かけて行った。バビロン王は、その治世の第八年 に彼を捕らえた。
13彼は主の宮のすべての宝物と王宮の宝物をそこか ら運び出し、主が言われたとおり、イスラエルの王 ソロモンが主の宮で造ったすべての金の器を切り裂 いた。
14そして彼はエルサレムのすべてを、すべての首長 たちとすべての勇士たち一万人の捕虜とすべての職 人や鍛冶屋を連れ去った。国の民の最も貧しい者を 除いて、人も残った者はなかった。
15そして彼はエホヤキンをバビロンへ連れ去り、王 の母、王の妻たち、その家臣たち、国の有力者たち を捕虜としてエルサレムからバビロンへ連れて行っ た。
16バビロンの王は、勇士七千人、職人や鍛冶屋千 人、すべて強くて戦いに通じた者たちを捕虜として バビロンに連れて行った。
17バビロン王は彼に代わって父の兄弟マタニヤを王 とし、彼の名をゼデキヤと改めた。
18ゼデキヤは王位に就いたとき二十一歳で、エルサ レムで十年間、王位にあった。彼の母はリブナ出 身のエレミヤの娘で、名をハムタルといった。
19彼はエホヤキムが行ったすべてのことと同様に、 主の目に悪とされることを行った。
20主の怒りによってエルサレムとユダが主の前から 追い払われたとき、ゼデキヤはバビロンの王に対し て反逆した。
第25章
1バビロンの王ネブカデネザルは、その治世の第九年、 十の月、その月の十日に、その全軍勢を率いてエル サレムに攻め入り、これを攻め囲んだ。そして、そ の周囲に砦を築いた。
2そしてその町はゼデキヤ王の第十一年まで包囲され た。
3そして第四の月の九日に、飢饉が町中に広がり、そ の地の民に食物が与えられなくなった。
4そして町は破壊され、戦士たちは皆、夜のうちに王 の庭園のそばにある二つの城壁の間の門を通って逃 げた。(当時カルデア人は町の周囲を包囲してい た。)そして王は平野の方へ向かって進んだ。
5カルデア人の軍勢は王を追跡し、エリコの平野で彼 に追いついたが、王の軍勢は皆散り散りになった。
6そこで彼らは王を捕らえ、リブラにいるバビロンの 王のもとに連れて行き、王に対して判決を下した。
7彼らはゼデキヤの目の前で彼の息子たちを殺し、ゼ デキヤの両目をえぐり出し、青銅の足かせで縛って バビロンへ連れて行った。
列王記下
8バビロン王ネブカデネザル王の治世第十九年、五月 七日に、バビロン王の侍衛長、ネブザラダンがエル サレムに来た。
9彼は主の宮と王宮とエルサレムのすべての家を焼き、 またすべての有力者の家を火で焼き払った。
10そして、侍衛長の率いるカルデア人の全軍はエル サレムの周囲の城壁を破壊した。
11さて、町に残っていた民の残りと、バビロン王の もとに逃げた者たち、および残りの群衆は、侍衛長 ネブザラダンによって連れ去られた。
12しかし侍衛長はその地の貧しい者を、ぶどう栽培 者と農夫として残した。
13カルデア人は主の宮にあった青銅の柱と台座、お よび主の宮にあった青銅の海を打ち砕き、その青銅 をバビロンへ運び去った。
14そして彼らは、なべ、シャベル、心切りばさみ、 スプーン、および彼らが奉仕に用いたすべての青銅 の器を取り去った。
15護衛隊長は、火皿、鉢、金でできた物、銀ででき た物などを持ち去った。
16ソロモンが主の宮のために造った二本の柱、つ の海、および台座、これらすべての器物の青銅の重 さは量り知れなかった。
17一本の柱の高さは十八キュビト、その上の柱頭は 青銅製であった。柱頭の高さは三キュビト、その周 りの飾り細工とザクロもすべて青銅製であった。二 本目の柱にもこれと同様の飾り細工があった。
18そこで侍衛長は祭司長セラヤと次席祭司ゼパニヤ と三人の門衛を連れて行き、
19彼は町から、兵士たちの指揮官である人の将校 と、町にいた王の前にいる五人の兵士、国の民を召 集する軍隊の首席書記官、および町にいた国の民六 十人を連れ出した。
20侍衛長ネブザルアダンはこれらを捕らえ、リブラ にいるバビロン王のもとへ連れて行った。
21バビロン王は彼らを撃ち、ハマテの地リブラで殺 した。こうしてユダは彼らの国から連れ去られた。
22バビロンの王ネブカデネザルは、ユダの地に残っ ていた民に対しても、シャファンの子アヒカムの子 ゲダリヤを統治者に任命した。
23バビロン王がゲダルヤを総督に任命したことを、 軍の長たちとその部下たちが皆聞いて、ネタニヤの 子イシュマエル、カレアの子ヨハナン、ネトファ人 タンフメトの子セラヤ、マアカ人ヤアザヌヤとその 部下たちがミツパのゲダルヤのもとにやって来た。
24ゲダリヤは彼らとその部下たちに誓って言った、 「カルデア人の奴隷となることを恐れてはならない。
その地に住み、バビロンの王に仕えなさい。そうす れば、あなたたちは幸せになるであろう」。
25しかし第七の月に、王家の血統であるエリシャマ の子ネタニヤの子イシュマエルが、十人の部下を率 いて来て、ゲダルヤを撃ち殺し、ミツパで彼と共に いたユダヤ人とカルデア人も殺した。
26そして、すべての民、小さい者から大きな者まで、 また軍の長たちは立ち上がってエジプトに来た。彼 らはカルデア人を恐れていたからである。
27ユダの王エホヤキンが捕囚されて三十七年目の十 二の月二十七日に、バビロンの王エビルメロダクは、 王位に就いたその年に、ユダの王エホヤキンの首を 獄からあげた。
28そして彼は彼に親切に話し、彼の王座をバビロン で彼と共にいた王たちの王座よりも高くした。
29そして獄衣を着替え、生涯、前で絶えずパンを食 べ続けた。
30彼の手当は王から与えられる継続的な手当であり、 彼の生涯を通じて毎日支給された。