行進曲「サリューテイション」 作品について 2004 年 1 月、私が当時楽長を務めていた北九州市消防音楽隊の「第 30 回定期演奏会」 を記念して作曲したコンサート・マーチです。長年にわたり尽力された方々、支援くださっ た方々への敬意と感謝の気持ちを込めて作曲。 作品は、特別な情景やストーリーをイメージしたものではありませんが、作曲に際し私の頭 の中には常に、勇敢かつ心優しき消防隊員の姿がありました。そうした隊員たちへの尊敬の 念もまたこの作品には込められています。 初演は同年 3 月 27 日、八幡市民会館(北九州市)における同演奏会にて。 演奏時間:約 4 分 10 秒 この作品、私がそれまでに作曲した《ブライト・サマー・ミュージック》 (2000 年)、 《イン トラーダ》 (2002 年) 、 《前奏曲「in Just-」 》(2003 年/ゴールデン・ハーツ・パブリケーショ ンズ刊)などの吹奏楽作品で用いた素材や語法とは共通点も多いのですが、より自分の「言 葉」が鮮明になったと思っています。また、この作品がなかったら《メモリアル・マーチ「ニ ケの微笑み」 》 (2007 年/ゴールデン・ハーツ・パブリケーションズ刊)、など後の作品はも っと違うものになっていたかもしれません。 ひとつの節目を迎えた演奏会のために書いた作品が、私自身の創作活動の上で節目になっ た…そうした意味でも私にとって特別な一曲です。 演奏にあたって 今回の出版にあたり、木管楽器を中心にオーケストレーションの手直しをしました(バン ドの編成・人数に合わせて作曲していたこともあり) 。大編成向けのスコアとなっています が、以下のような措置を講ずることで比較的少い人数で演奏することも可能です。 ①オーボエ、バスーン、E♭クラリネット、アルト・クラリネット、ダブル・ベースについ ては省略可能です。 ②フルート、オーボエは、全体のバランスを考慮(の上、音を選択)すれば各1本で演奏可 能です(初演時はフルート、オーボエ各1本でした。) 。その際、オーボエは部分的に「フル ート2」のパートを演奏することが望ましいです。 ③バスーン、ユーフォニアム、バス(テューバ)についても、全体のバランスを考慮(の上、 音を選択)すれば各1本で演奏可能です。 ④ホルンは、和音を考慮の上3本でも演奏可能です。 ⑤トランペット及びトロンボーンについては、3本以上で演奏することが望ましいですが、 2本以下の場合は他の楽器で補うことを認めます(但し、音域を変えないこと) 。