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Y u h i

O h y a n a g i

福 井 県 越 前 市 ( 旧 : 武 生 市 ) に 生 まれ る 。

2 0 1 0 . 0 4       福 井 県 立 武 生 工 業 高 校   都 市・建 築 科   建 築 コ ー ス 入 学 2 0 1 3 . 0 3       同 高 校 卒 業

2 0 1 3 . 0 4       福 井 工 業 大 学   工 学 部   デ ザイン 学 科 入 学 現 在             同 大 学 川 島 研 究 室 所 属


1 . 情 景 を 和 える

2.景の稜線

3.記憶の重層

4.Floatana


時期

3 年後期課題後半

場所

福井県福井市

期間

1ヶ月半

用途

認定こども園


屋外を積極的に活用する。 今回のこども園設計にあたって求められた条件である。


自分の幼少期に立ち返ってみる。 実家の裏が山、眼前に田畑が広がっていた幼少期の自分の生活。 私 に と っ て 、「 屋 外 で 遊 ぶ 」 と い う こ と は さ ほ ど 意 識 を し て い な か っ た 行 為 で あ っ た 。 気づけば山に入り、気づけば田んぼの畦道を歩いていたことを思い出す。 屋外にいくことを意識せずとも、連続的に屋内外が接続されたごちゃ混ぜになり

和えられた

建築を考える。


ランドスケープ、建築両方のスケールの間を考える。 今回の敷地はそこまで大きいものではないため、その扱いは二項が等価であるのではなく、 建築にランドスケープ的な視座を組み込むことはなんなのかと考えた。


アモルフな屋根 , 地形

ヴォリューム

敷地

直線と曲線、有機と無機。 異なる要素を重ね合わせ、空間のズレを作る 意図しないことを意図する、予定調和を超えた空間。


敷地

敷地

足羽川

足羽川

足羽山


福井県福井市照手町に位置する対象敷地。目の前に は足羽川を面し、その奥には足羽山が景色として広 がっている場所です。照手町の閑静な住宅街に近接 した敷地でありながらも前面道路には桜並木が、そ れを挟んで直ぐに大きな足羽川に面した自然豊かな 敷地です

S=1/4000


Diagram

既存公園

保育施設

保育施設 事務室

周辺のコンテクストに沿うようにソーニングを行う。 園児が車通りの激しい道路に出ないように駐車場は東側に設けるなど操作する。

敷地全体を使用し居室を配置。  園児たちが敷地の様々な場所で活動ができることを狙う。


居室間を繋ぐように大きな一枚の屋根をかける。

どろりと屋根が溶け出して敷地と屋根とをつなぐ。

園児たちは居室間を自由に行き交うことができるようになる。

建築が敷地と一体となり、図と地が混濁した姿になる。


A 周りより掘り下げ足羽川の水を引き込むことによって小川を作る。 掘り下げた時に生まれた土を建物にかぶせることによって、

ビオトープ

その土地から生まれたというイメージを想起させる。 また、小川は園児と周囲を切るフェンスの役割を果たす。 小川 ロフトのある部屋 お絵描きコーナー

既存の公園の中で、斜めにカットするように通り抜けられる道をしつらえる。

トイレ

より自然に公園を利用することができ、また園児たちの活動も合間からみることができる。

中庭

長い部屋

縁側のような空間で落ち着いて 時間を過ごすことができる。 縁側コーナー

少し高い部屋では、下が空いているので、 子供達が潜って活動することが可能になる。

園庭 半地下の

ごっこ遊びコーナー

部屋

お絵描きコーナー 少し高い部屋 トイレ 保護者駐車場

トイレ

天井高が 4m ある部屋は上がガラスで抜けており、 上から眺める園児たちと視線を交わすことができる。

0 歳の部屋

B

事務室

樹木の園庭

既存の樹木をそのまま残した。

遊戯室

遊びコーナー

トラック駐車場

調理室

少しだけ暗めの部屋では、 園児がひっそりと過ごしたい気分の時に使われる。

B

天井が高い部屋

仄暗い部屋

読書コーナー

エントランス 風除室

畳の部屋 ロッカー

長く設けられた読書コーナーは一人で見たい時は、小川を眺めながら

A

グループで本を読む時は園庭を見ながらと、使い分けることができる。

園バス駐車場


地面から小川へと緩やかに傾斜がかかり、 いろいろな生態系と触れることができる。

高低差のある空間で みるみられる関係が発生する。

足羽川の水を引き込んだ小川と池が、より園児たちに自然を近付ける。

半分地下に埋まっているので、 普段と違う目線で自然を捉えることができる。 蹴込が広めの階段であり、例えばちょっとした演奏会がある時や 読み聞かせがある時は園児は階段に座ってみることができる。

0歳児は畳の部屋でハイハイして活動できることを想定してある。

事務室、調理室はエントランス、0 歳時の部屋に近づけて配置し すぐに対応できるようになっている。

遊戯室に置いてある釜暖炉は、 園児たちに火について様々なことの教師になる。 また釜を利用しての食育を手伝うこともできる。

配置図兼平面図 S=1/150


いろいろな部屋の種類

仄暗い部屋

畳の部屋

天井が高い部屋

開口が少なく、ぼんやりとした採光で落ち着いて過ごせる部屋。

寝そべったり転がったりする畳の部屋。

天井高が 4m ありトップライトが差し込む部屋。

のんびりと過ごしたい子供達が集まります。

時には家具を片付けてお茶を勉強する場所にもなります。

開放感に溢れた部屋で 上部から子供達は部屋を覗き込み、部屋から子供達は見上げることができる。


床が高い部屋

ロフトがある部屋

埋まった部屋

高床になっている部屋で、子供達は普段とは違う目線の高さを経験する。

大きなロフトがある部屋では、子供達は梯子を登って上から下を見下ろす。

部屋の半分が地下に埋まっている。

また下にある子供しか入れない空間で、隅っこに入って遊ぶことができる。

より大きな視点の違いを経験することができる。

幅広の階段に腰掛けてベンチのように座ることもできれば、 地面と同じアイラインから植物たちをじっくり観察することもできる。


A-A 断面図 S=1/100


B-B 断面図 S=1/100


様々なシーン

自然と触れる

他の人を見ながらぼんやりする。

上から見下ろす、下から見上げる。

小川にいる生き物を観察する。

穴から下を見る。


壁に寄りかかる。

影があるところで一息つく。

はしごで登る。

丘に座っておしゃべりをする。

隅っこに入り込む。


意図の延長線上にある建築 子供たちの手によって、新しい空間性が発露されていく

直線的なグリッドと交錯するアモルフな形態。 その両者に挟まれた­ズレが顕在化した空間­に豊かさを見出す。 自分の意図された空間の先にある、 ごちゃまぜに和えられた空間で偶発的な空間を、 子供達の手によって新しい建築の姿がかたどられていく。


景 の 稜

時期

3 年後期課題前半

場所

福井県福井市

期間

1ヶ月半

用途

美術館


美術館にいくこと 建築を、デザインを学ばなければ、美術館に行くこともなかったのだろうか?何かきっかけがなけ れば私は芸術などに触れることもなく人生を終えていたのだろうか。今現在、美術館に行って芸術 に触れている人たちは何かのきっかけがあったから訪れているだろう。そうでなければ一生美術な どというわかりづらい(とされている)ものに対して接することはないのではないか。 例えば、そこに美術館があったとして一番利用しない人たちは誰か、と調べるとどうやら近隣にい る人たちが一番利用しないと言われている。近くにあっても遠い美術館。敷居の高さや興味の薄さ などがあげられるだろう。より近い美術館の姿とはなんだろうか。


いつも見ているもの、でも気づかないもの 設定された敷地は、公園として今機能している。その敷地に美術館を立てることを考えた際、連続 性を意識して内外や公園と美術館との境界線が曖昧になった姿を考える。 例えば、山には入山するという単語があるかどこからが山なのかという明確な境界は存在してはい ない。建築には扉があり、扉を開けて中に入るが山には扉はない。連続的に山に入っていくという ことだ。公園の中に美術館が立つ時、公園と美術館の関係が連続的であれば調和をもたらすことも できるだろう。


場所は、福井県福井市。4面を道路で囲まれているが、道を 挟 ん だ 先 に は 三 面 に 住 宅 地、そ し て 幼 稚 園 が 存 在 し て い る。 敷地自体は、テニスコートと公園の両機能が併設されており テニスコートが東側、公園が西側に配置されている。道を一 本挟んで向こう側は閑静な住宅街である。


Site 1:1000

住宅地

住宅地

計画敷地

保育園


Plan Diagram

住宅地

駐車場 半屋外の空間

住宅地

公園

大通り

展示空間

市民のための展示室

エントランス カフェ、学習施設

広場

保育園

周辺の状況を読み、南西に保育園があること、三面を住 宅地に囲われていること、もともとは公園という機能が あったことなどをを考慮し、外部のゾーニングを行う。

次に内部のゾーニングを行う。必要とされる機能を、周辺 の敷地と噛み合うように設定した。 例えば、人や車通りが多い東側を企画展示などの空間を 設定し、住宅地の側に市民のための展示室をもうけた。


大きなヴォリュームを、周辺の住宅のスケールに合わ

細分化されたヴォリュームの中に、壁を走らせていく。

せてながら分節、細分化していく。

四方を囲ってしまうのではなく、周囲に向けて伸び広 がっていくような空間を設定する。


A’

1F Plan 1:200

12 12

9

12 5

5

2

3

3

B

77

33

22

2

4 4

110 0

11 11 3

3

2

6 6

8 8

77

2 2

110 0

B’ 1 1

22

6

6

1: エントランスホール 2: 展示室 3: 市民ギャラリー 4: 無料展示室

14

5: パフォーマンススペース

14

6: カフェ 7: トイレ 8: ミュージアムショップ 9: 水盤 10: 光庭

A

113 3

9

11: 中庭 12: 事務室 13: 搬入口 14: 広場


A’

B1 Plan 1:200

22 23

22

21

18

17 20

20

16 17

19 19

21

18

18

B’ 116 5

17 115 4

15: ホール 16: ラウンジ 17: 地下 エントランスホール 18: 機械設備室 19: 駐車場 20: 収蔵庫 21: 梱包修復室 22: 管理室 23: スロープ

A

B


Section Diagram

いつも見ている風景、敷地から見える山々を造形のモチーフとする。

そこにある風景を単純な形態へと抽象化していく。

抽象化した風景を、シルエットとして捉える。 風景をそのまま作るのではなく、隠喩としての風景になる。


美術館で求められる展示室等の大きさをとる。

周辺住宅は木造で勾配屋根の家が多いため、 それらに調和するような形状をとる。

それらを連続的につないでいき立体的な形態が決まった。


A-A Section 1/200


B-B Section 1/200


エントランスから企画展示室、中庭を見る。 中庭を挟んで奥に様々なヴォリュームがあることを記している。 また展示室左横の通路などから屋根のしたで空間が連続的につながっていることを示唆する。


展示室を見る。 展示空間の開口から、奥の展示空間が見え 次につながるという期待感を持たせている。


半屋外展示室を望む 屋根がかかった空間の先に作品がある。 室内でもなく屋外でもなく屋根がかかった 場

で作品と対峙する。


上部の遮光ガラス窓から採光を取り入れた、展示室 2。 大きいながらも、斜めに流れる屋根が住宅のような馴染みやすい雰囲気を醸し出す。


軒を借りる

日本独自の精神である。 軒先は自分の敷地でありながら、周囲に向けて開かれているという考え方だ。 「軒を貸して母屋を取られる」ということわざもある。 転ずれば、屋根が伸び庇が生まれ軒下空間を周囲に解放することにより、 周辺の住民に対して

母屋

となるものを与え、自分たちのものだと思うことを狙う。


場を作ること ­ 屋根をかけること 建築の中身、コンテンツが主導となって作るのではなく、様々な許容性を生み出すために屋根をかける。 機能主義的に作るのではなく、機能を超えた場を生み出すことを考える。例えば土間、広間、縁側などの要素があるがそれらは 土の場所、広い間、端の部分などと状態が名前になっている。用途を限定しない場ということは様々な使い方ができる。 多様性を許容し、そこから現代美術との関連性が生まれることでこの場にしかない作品というものが存在し得る。


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