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友 飛

sample

museum


景 の 稜

時期

3 年後期課題前半

場所

福井県福井市

期間

1ヶ月半

用途

美術館


美術館にいくこと 建築を、デザインを学ばなければ、美術館に行くこともなかったのだろうか?何かきっかけがなけ れば私は芸術などに触れることもなく人生を終えていたのだろうか。今現在、美術館に行って芸術 に触れている人たちは何かのきっかけがあったから訪れているだろう。そうでなければ一生美術な どというわかりづらい(とされている)ものに対して接することはないのではないか。 例えば、そこに美術館があったとして一番利用しない人たちは誰か、と調べるとどうやら近隣にい る人たちが一番利用しないと言われている。近くにあっても遠い美術館。敷居の高さや興味の薄さ などがあげられるだろう。より近い美術館の姿とはなんだろうか。


いつも見ているもの、でも気づかないもの 設定された敷地は、公園として今機能している。その敷地に美術館を立てることを考えた際、連続 性を意識して内外や公園と美術館との境界線が曖昧になった姿を考える。 例えば、山には入山するという単語があるかどこからが山なのかという明確な境界は存在してはい ない。建築には扉があり、扉を開けて中に入るが山には扉はない。連続的に山に入っていくという ことだ。公園の中に美術館が立つ時、公園と美術館の関係が連続的であれば調和をもたらすことも できるだろう。


場所は、福井県福井市。4面を道路で囲まれているが、道を 挟 ん だ 先 に は 三 面 に 住 宅 地、そ し て 幼 稚 園 が 存 在 し て い る。 敷地自体は、テニスコートと公園の両機能が併設されており テニスコートが東側、公園が西側に配置されている。道を一 本挟んで向こう側は閑静な住宅街である。


Site 1:1000

住宅地

住宅地

計画敷地

保育園


Plan Diagram

住宅地

駐車場 半屋外の空間

住宅地

公園

大通り

展示空間

市民のための展示室

エントランス カフェ、学習施設

広場

保育園

周辺の状況を読み、南西に保育園があること、三面を住 宅地に囲われていること、もともとは公園という機能が あったことなどをを考慮し、外部のゾーニングを行う。

次に内部のゾーニングを行う。必要とされる機能を、周辺 の敷地と噛み合うように設定した。 例えば、人や車通りが多い東側を企画展示などの空間を 設定し、住宅地の側に市民のための展示室をもうけた。


大きなヴォリュームを、周辺の住宅のスケールに合わ

細分化されたヴォリュームの中に、壁を走らせていく。

せてながら分節、細分化していく。

四方を囲ってしまうのではなく、周囲に向けて伸び広 がっていくような空間を設定する。


A’

1F Plan 1:200

12 12

9

12 5

5

2

3

3

B

77

33

22

2

4 4

110 0

11 11 3

3

2

6 6

8 8

77

2 2

110 0

B’ 1 1

22

6

6

1: エントランスホール 2: 展示室 3: 市民ギャラリー 4: 無料展示室

14

5: パフォーマンススペース

14

6: カフェ 7: トイレ 8: ミュージアムショップ 9: 水盤 10: 光庭

A

113 3

9

11: 中庭 12: 事務室 13: 搬入口 14: 広場


A’

B1 Plan 1:200

22 23

22

21

18

17 20

20

16 17

19 19

21

18

18

B’ 116 5

17 115 4

15: ホール 16: ラウンジ 17: 地下 エントランスホール 18: 機械設備室 19: 駐車場 20: 収蔵庫 21: 梱包修復室 22: 管理室 23: スロープ

A

B


Section Diagram

いつも見ている風景、敷地から見える山々を造形のモチーフとする。

そこにある風景を単純な形態へと抽象化していく。

抽象化した風景を、シルエットとして捉える。 風景をそのまま作るのではなく、隠喩としての風景になる。


美術館で求められる展示室等の大きさをとる。

周辺住宅は木造で勾配屋根の家が多いため、 それらに調和するような形状をとる。

それらを連続的につないでいき立体的な形態が決まった。


A-A Section 1/200


B-B Section 1/200


エントランスから企画展示室、中庭を見る。 中庭を挟んで奥に様々なヴォリュームがあることを記している。 また展示室左横の通路などから屋根のしたで空間が連続的につながっていることを示唆する。


展示室を見る。 展示空間の開口から、奥の展示空間が見え 次につながるという期待感を持たせている。


半屋外展示室を望む 屋根がかかった空間の先に作品がある。 室内でもなく屋外でもなく屋根がかかった 場

で作品と対峙する。


上部の遮光ガラス窓から採光を取り入れた、展示室 2。 大きいながらも、斜めに流れる屋根が住宅のような馴染みやすい雰囲気を醸し出す。


軒を借りる

日本独自の精神である。 軒先は自分の敷地でありながら、周囲に向けて開かれているという考え方だ。 「軒を貸して母屋を取られる」ということわざもある。 転ずれば、屋根が伸び庇が生まれ軒下空間を周囲に解放することにより、 周辺の住民に対して

母屋

となるものを与え、自分たちのものだと思うことを狙う。


場を作ること ­ 屋根をかけること 建築の中身、コンテンツが主導となって作るのではなく、様々な許容性を生み出すために屋根をかける。 機能主義的に作るのではなく、機能を超えた場を生み出すことを考える。例えば土間、広間、縁側などの要素があるがそれらは 土の場所、広い間、端の部分などと状態が名前になっている。用途を限定しない場ということは様々な使い方ができる。 多様性を許容し、そこから現代美術との関連性が生まれることでこの場にしかない作品というものが存在し得る。


Museum  
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