2015 Architectural Design VI , Kansai University, Urban Design Lab

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Brown to Blue The four stories regarding a waterfront

関西大学 建築設計製図6 −ミズベリング世界会議− Kansai university Department of Architecture , Design and Drafting Ⅵ  −The Mizbering World Conference in Osaka−



課題趣旨                                                  02 動きある風景 ∼兵庫県西宮市における賑わいを生むスポーツの軸の提案∼           片山 湧 郡司 浩和 06 めぐる水・人・まち ∼琵琶湖瀬田川沿いでの内湖の提案∼                 米崎 綾夏 山口 侑香 26 つむぐ水際 ∼菟道における親水空間の提案∼                 倉本 義己 中山 絵理奈 村上 真央 40 山守のつくる風景としての生業 ∼奈良県川上村における林業集落のたたみ方∼     蔡 昂 中田 喜之 村田 裕介 56 ミズベリング 世界会議 MIZBERING IN OSAKA                                  76


関西大学 環境都市工学部 建築学科 4回生 春学期 課題 設計製図6

課題:再生のプロセスを空間化・景観化する建築とランドスケープ  先進国の社会が、第二次産業を中心とした工業化社会から、情報を主たる媒体として発展する脱工業化社会へと変貌する過程において、 大都市とその縁辺部では、かつては一定の社会的役割を果たしながら、現在では使われなくなって放置された土地が目立つようになってきました。 また、中山間地域では林業や農業といった第一次産業の構造的問題によって、地域社会そのものの活力が奪われる町や村が出始めています。 産業棄地と呼ぶことができるであろうこれらの土地では、その履歴ゆえに、汚染物質の存在や徹底した収奪の結果として、 土地に本来備わっているべき自然環境の基盤が極めて脆弱なものとなったり、地域に固有の場所性が失われているケースが多く見られます。 また、そのような低利用地の増加によって都市の活力が失われ、都市の安全性や地域に対する誇りの喪失といった問題も発生しています。

このような観点からこの課題では以下の3つの作業を要求します。 1. 産業棄地と呼ぶにふさわしい実在の土地においてその履歴と周辺条件を調査し、課題とポテンシャルを明らかにする。 2. その場所において自然環境の再生や場所性の回復に貢献するであろう建築とランドスケープのコンセプトとプログラムを提案する。

theme and map

3. そのプログラムを通じて環境が再生されるプロセスを空間的・景観的に表現する。

特に、時間の経過が環境の価値に変換され、 かつ、そのプロセスが建築やランドスケープのあり方に象徴的に表現されるような提案を期待します。

02

製図 6 担当:宮城 俊作 ( 奈良女子大学 )/ 杉浦 榮 (S2 Design and Planning)/ 忽那 裕樹 (E-DESIGN)/ 木下 光 ( 関西大学 )


水 で繋がる 4 つの産業棄地 ① 兵庫県西宮市 環境施設部西部工場 片山 湧  郡司 浩和

② 滋賀県大津市 南郷水産センター 山口 侑香  米崎 綾夏

③ 京都府宇治市 宇治発電所余水路 倉本 義己  中山 絵理奈  村上 真央

④ 奈良県川上村 井光集落 ( 林業 )

蔡 昂  中田 喜之  村田 裕介 スケジュール

日程

内容

04/09

課題説明+昨年の事例紹介

04/16 04/23

敷地を探す 2

05/07

敷地調査・分析に関するエスキス

05/14

敷地を探す 1 講義1(杉浦先生+忽那先生)

敷地調査・分析+コンセプト 講義3(宮城先生)

05/21

エスキス1

05/28

エスキス2

06/04

エスキス3

06/11

中間講評会 1

06/18

エスキス4

06/25

エスキス5

07/02

中間講評会2

07/09

エスキス 6

07/16

プレゼンテーション指導

07/23

最終講評会

10/11

ミズベリング世界会議 学生発表

03


① 兵庫県西宮市 環境施設部西部工場

field

設計製図6 02

② 滋賀県大津市 南郷水産センター


③ 京都府宇治市 宇治発電所余水路

④ 奈良県川上村 井光集落 ( 林業 )

03


西宮 清掃工場

動きある風景

Katayama

Gunji

- 兵庫県西宮市における賑わいを生むスポーツの軸の提案 -

06


07


スポーツが都市計画を新たに担う

西宮 清掃工場

私たちは西宮市が手を付けないままとなっている、旧清掃工場と川を分断し 1kmも続くリニアな堤を産業棄地とし、西宮市に活気や賑わいをもたらすような一つ の「街の軸」を提案する。現在、西宮市は「スポーツ推進計画」という政策でスポーツが人と人・地域と地域との交流を促進し、地域の一体感や活力をつくり、地 域社会の再生に寄与すると考えている。その考えに私たちも賛同し、将来この軸からスポーツが広がり西宮市がスポーツの街と称されるように計画を進める。また 私たちは、 「スポーツは健康のためや競技による勝ち負けだけでなく、自然環境を読み取り、スポーツをする姿自体が 1 つの風景となり、観戦する人もまた盛り上が りを生む風景となる」側面を持っているものと考え、それを存分に表現できる提案とする。

スポーツとは・・・ ・古くは村の祭りや儀式で行われていたもの

自然環境を読み取り、風景となるもの

・勝ち負けや順位を決めるもの plus

concept & research

・健康のために体を動かすもの

08


敷地周辺の環境の移り変わり ・江戸から大正 酒造で栄え、酒蔵が多く見られた。

西宮海岸の酒蔵

・近代 工業化が進み、製鉄所などの工場が増えてきた

川崎製鉄工場

吉原製油工場

・現代 レジャー目的の港ができ、地価の安い工場跡地に集合住宅が増えた

今津港

今津港付近の集合住宅

将来、さらに住宅開発が進み、若い世帯の住民が増えると予想できる。 しかし、西宮北口駅や JR 西宮駅周辺に比べ、海岸線沿いは住民のこと を考えた施設や歩行空間があまり見られず「南北の格差」を感じる。

量販店

集合住宅

戸建住宅

学校

酒造関係

工場

現在の敷地周辺の用途利用

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西部工場(清掃工場)

西宮 清掃工場 現存する西部工場は昭和 42 年に完成し、58 年に改修されており、平成 24 年までは稼働していたが、現在は解体されずに建屋が残ったままの状態となっている。また、この 場所は大正元年から清掃工場として機能し、西宮市では一番古くから稼働しつづけてきた清掃工場である。そのために、何もなかったこの土地にとってはどこからでも見える 清掃工場の煙突は街のシンボルとなった。しかし、その反面、ダイオキシン類などの汚染も無視できなくなり、人があまり寄り付かない場所となってしまった。西宮市の施設 整備課によると、解体にはダイオキシン対策が不可欠で 8 億円以上の費用がかかる可能性があるため、はっきりとした跡地利用が決まらない限り解体には着手できないという。

西宮市 清掃工場年表 年代 明治 43 大正 1 昭和 9

主な出来事 西宮町じんかい収集開始

西部工場

じんかい焼却場建設 室戸台風(浸水家屋3800戸)室戸台風により使用不能

終戦 第二室戸台風

東部工場

東部清掃工場廃止

research

平成

5 阪神淡路大震災

東部総合処理センター

西部総合処理センター

鳴尾村にて鳴尾焼却場建設着工 鳴尾焼却場建設完成 浜松原焼却場着工 浜松原焼却場完成 戦災により上屋根焼失 再開、処理開始 第二室戸台風により使用不能 新鳴尾焼却場着工

じんかい焼却場名称改正 西宮じんかい焼却場 鳴尾焼却場 →西宮市西部清掃工場 →西宮市東部清掃工場 東部清掃工場完成 西部清掃工場の建設に着工 西部清掃工場完成 東部清掃工場改修着工 東部清掃工場改修完了

西部清掃工場改修着工 西部清掃工場改修完成 西部工場に改称

浜松原焼却場

東部清掃工場解体

昭和 22 年の航空写真

東部総合処理センター着工

清掃工場建設前の臨港線(浜松原町)

街のシンボルとなるじんかい焼却場

東部総合処理センター完成

西部総合処理センター着工 西部総合処理センター完成

建設直後の西部清掃工場

西部工場廃止

西宮市環境局発行「平成 25 年度清掃事業概要」より作成 昭和 45 年旧山村ガラス工場の空撮

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「目で見る西宮の 100 年」郷土出版社 より


六湛寺川と東川の堤 六湛寺川と東川の間の堤は、用海地区では「真ん中道」と呼ばれ、北は旧国道から南は今の臨港線まで通じる長い道で あった。しかし、戦後に臨港線および福祉センター筋の開通や堤防改修のために分断され、遊歩道として残った染殿橋 と松原橋用海橋との区間を除いて通行禁止になった。現在、遊歩道区間、立ち入り禁止区間ともに、まったく柵が無い うえに、万一転落した場合にはよじ登ることが出来ない高さがあり、危険である。しかし、舗装を免れた都市に残った 自然の道であり、市役所まで続くこの堤は高いポテンシャルを持っていると私たちは考える。

旧国道 染殿橋

東川 六湛寺川 松原橋 用海橋

酒蔵通 二ツ橋 浜松原橋

市役所まで繋がる堤

二ツ橋で分断される堤

臨港線 秋になると東川堤を南に下った二つ橋の一帯に、大きなハゼの老木 が美しく紅葉する。ホンのわずかな距離であるが西宮にも、こんな に秋をいろどるところがあったのかと思われる風景であった。 『酒都遊観記』より 六湛寺川…市管理の都市下水道

戦前は紅葉の名所であったが、現在はハゼが老木となり、美しく紅葉するという わけにはいかないが、代わりに桜が植えられ、春になるとこの堤に桜並木となる。

東川…県管理の二級河川 今津いまむかし物語「東川堤のはぜ道」より

遊歩道区間 立ち入り禁止区間

http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061451/p10745860c.html

堤周辺の配置図

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西宮市とスポーツ

西宮 清掃工場

西宮市はスポーツが「地域再生」に役に立つと考えている。 スポーツの新たな可能性を見出し、都市に貢献する 我々はスポーツが「風景」となり、賑わいをもたらすと考えている。

本計画では、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利であることを踏まえ、 「ス 西宮市スポーツ推進計画 平成 26 年度 ∼ 平成 35 年度

ポーツの力で西宮を元気に!」を合言葉にして、スポーツ推進施策に取り組む。 平成 25 年度は、文教住宅都市宣言から 50 周年記念の年にあたり、本市は阪神都市圏において、スポーツ・ レクリエーションの分野でも広域的な役割を担いつつ、発展を遂げている。この文教住宅都市のイメージは、 市民に都市のイメージとして、深く定着している。 文教住宅都市として一層魅力あるまちを目指すために、運動・スポーツの機能・役割を活用する必要があ る。運動・スポーツの担う機能・役割として、人と人、地域と地域との交流を促進し、地域の一体感や活力

平成 26 年3月

西 宮 市 教 育 委 員 会

を醸成し、地域社会の再生に寄与することが期待される。 第 1 章 -4 計画の目指すべき姿-より

research

西宮市は昔から「スポーツ・運動」に力を入れ、現在も住民が「スポーツ」を行いやすいように施設や制度を整えていることが分かった。

阪神甲子園球場

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西宮ヨットハーバー

1960 年代の西宮球場と周辺のスポーツ施設

市民運動会の様子(200m徒競争) 「目で見る西宮の 100 年」郷土出版社 より


まとめ ‐ブラウンフィールドの要素と敷地のポテンシャル‐

我々は以下の連続する 2 か所を産業棄地とし、これらを 1 つのリニアな土地と考え計画を進める。

ダイオキシン汚染

跡地利用の未決定と放置

両側を川に挟まれた立地

煙突のシンボル性

莫大な解体費用

ごみ処理場の負のイメージ

ごみ処理場の重厚な構造

長大なスロープ

西部工場

ブラウンフィールド

立ち入り禁止

転落の危険性

立地と特徴的な構造を活かす

臨港エリアから市役所まで続く

舗装を免れた地面

車が進入できないリニアな歩行空間

桜並木

堤 まちの分断

ブラウンフィールド

南北に長く続くリニアな空間を活かす

ダイオキシンによる汚染問題や未決定の跡地利用、多額の解体費用、迷惑施設の負のイメージ、これら 4 つの問題を抱え、放棄されてしまったこの土地は、特徴 的で水に親しみやすい中州のような敷地形態、清掃工場という重厚な構造体、ランドマークやシンボルとなるような煙突や巨大なスロープといった魅力があると 考える。また、六湛寺川と東川の堤は西宮市役所の周辺の中心街まで続く約 1kmの舗装を免れた自然が残るリニアな土地というポテンシャルを秘めているにもか かわらず、柵がなく危険という理由だけで立ち入り禁止となり、街を分断するだけのものとなってしまっている。

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スポーツ施設へと生まれ変わる

西宮 清掃工場

西部工場。役目を終え、 ゴミピット…壁厚があることから水を溜めダイビング施設に

残されたのは清掃工場特有の空間だけ…

灰ピット…施設の中心に位置し、両側を見渡せる観覧スペースに

集じん器・ろ過装置

焼却炉…機械が取り払われた大空間をスカイダイビング施設に

焼却炉 ゴミピット

集じん器・ろ過装置…機械を取り払い、クライミング施設に

灰ピット

断面図(清掃工場)

スポーツは「風景」となり、

西宮市環境局発行「平成 25 年度清掃事業概要」より作成

街に「賑わい」をもたらす。

バンジージャンプ 空中レストラン 観覧スペース

リードクライミング

スカイダイビング スロープスタイル ボルダリング

除染のみ行い、躯体は活かす

ダンス&フラット ダイビング

program

ストリートカフェ

深海バー

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断面図(提案)

西宮市環境施設部施設整備課よりお借りした図面を基に作成


ダイオキシン類の除染 ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾーパラージオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン、 コプラナー PCB を合わせた総称で、以下のような特徴がある。 ・水に溶けにくいが、脂肪分に溶けやすく、体内に蓄積されやすい。 ・非常に毒性が強く、青酸カリの約 1000 倍の毒性がある。 ・発ガン性、環境ホルモンによる内分泌異常等の可能性がある。

<除染工程> 準備

①ダイオキシン濃度測定(空気中、付着物)

①事前調査及び資料サンプリング

②作業場の養生等 作業場より粉塵の飛散が無いように養生

②養生作業(床・壁・開口部・設備養生等)、足場設置 ③セキュリティルームの組立・負圧除じん装置等機材の設置

④除染作業前の写真による記録

⑤粉じん飛散抑制剤の吹付け(湿潤)

除染

⑥高圧水による煙突及びその周囲の除染

③作業場の養生等

④写真による記録

洗浄液が漏れ出さない様に防液堤を設置

⑦粉じん飛散防止剤の散布

⑧除染作業後の写真の記録

⑨養生材・セキュリティルーム・足場及び各機材の撤去

後処理

⑩廃棄物処理(汚泥・汚水の中間処理→最終処分) ⑥除染作業

⑥除染作業

超高圧洗浄機にて、汚染物質を洗い落す

吸集ホースにより洗浄水を回収

⑪除染後検査確認、周辺環境汚染状況調査 「株式会社 パイプ環境サービス(http://www.p-k-s.co.jp/index.html)」のHPより

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横軸 ‐交通の軸‐

西宮 清掃工場

西宮市は市内北部の山地と南部の平野に分かれており、南部で大阪湾に面している。また、大 西宮北口駅 阪、神戸とを結ぶ鉄道や道路が東西方向に発達した結果、南北方向に街が分断されている。

阪急神戸線

名神高速

<地域核の現状> ・阪神・JR西宮駅周辺 … 市役所を中心とするシビック(都市)機能が集積する都市核。

JR東海道線 西宮市役所

・阪急西宮北口駅周辺 …

梅田、神戸まで 15 分と交通の便が非常に良い。商業、芸術文化、

JR西宮駅

阪神西宮駅 阪急今津線

教育などの機能が集積する都市核。

国道 2 号線

阪神高速 ・阪神・阪急今津駅周辺… 飲食店が多い歓楽街であり、にぎわいの地域核。臨港線沿道

阪急今津駅

にはロードサイド店舗が集まる。 阪神今津駅 浜松原町 出在家町

阪急今津線

西宮マリーナ

阪神電鉄本線

阪急神戸線 阪急西宮北口周辺 山手幹線 JR 神戸線

至神戸

国道 2 号 阪神JR西宮駅周辺

神戸マリーナ

至大阪 阪神阪急今津駅周辺

国道 43 号線

阪神本線

国道 43 号

analysis

新西宮ヨットハーバー 大阪湾 交通網のダイヤグラム 敷地周辺の交通網

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縦軸 ‐スポーツの軸‐ 前頁にあるように、西宮の都市構造は横軸が目立つ。そこで、その横軸を突き抜くような縦軸を提案する。

⊡敷地への動線 六湛寺川と東川の堤から敷地へ直接アプローチできるよう、43 号線の下を掘り込む。これにより、西宮市役所まで物理的にも縦軸が繋がる。また、現在使用できなくなって いる敷地剣先エリアの橋は取り払い、船を引き込めるようにする。そうすることで、船を仮泊できるようになり川が両側にあるという敷地の長所を最大限に活かすことができる。 ・工場稼働時の動線

B

倉庫 車庫 清掃工場

車寄せ

アンダーパス B

A

A

・提案動線

スポーツ施設

阪神淡路大震災により、約 90cm のずれが 生じ、使用不可となっている。

⊡アンダーパスと水位変動 六湛寺川と東川の川下には水門があり、水位変動の少ない安定水面となっているが、大雨時には 90cm ほど増水する。提案であるアンダーパスでは人が通ることが出来なくなる。 しかし、このようなアクシデントのおかげで、工場敷地を周回するようなコースが形成され、Xスポーツらしいエキサイティングな使われ方が生まれる。

国道 43 号線

Xスポーツとは… Xスポーツは完璧に整備されたフィールドや空調の効いたアリーナで行われる

六湛寺川

東川 ものではなく、普段は格別に気にとめない空間で行われるものである。例えば、

A-A’断面図(43号線既存断面) カヌースラローム

何気なく上っている階段や下っている斜路はボーダーにとっては、挑みたくな る空間なのかもしれない。また、普段通り過ぎる空地は自分の技を披露するの

国道 43 号線

にちょうどよい空間になるのかもしれない。隠れていた適性がひとたび発見さ 六湛寺川 雨天時の水位 台風時の水位

東川 B-B’断面図(提案アンダーパス)

ウォーターライン

れた空間は、そのスポーツの愛好家たちが寄り集まってくる場所となる。

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スポーツ施設周辺平面図

西宮 清掃工場 講習スペース・倉庫 車寄せ

b カヌー・水上スキー

カヌーポロ

P.18

P.19

スケートパーク(屋外)

P.20

ステージ

カヌースプリント

P.21

b’

スロープスタイル スラックライン

a

a’

ランニング

フラット・スロラーム

0

船着き場

50

100

200[m]

& section plan

a‐a’断面図

ダイビング

スカイダイビング クライミング

スロープスタイル ランニング

18

BMX

スケートボード

インラインスケート

ストリートダンス BMX

カヌー

西宮市環境施設部施設整備課よりお借りした図面より作成


将来、軸を中心に街にスポーツの賑わいが広がる

「スポーツの軸」は西宮市庁舎周辺まで伸び、この軸を中心に街に賑わい や活気が溢れるような風景を将来像とする。新たなスポーツ施設はこの

西宮北口

軸周辺に計画され、そこへはウォーミングアップ兼ねて、この軸を通り 訪れる。日常的にランニングコースにもなり、南北を繋ぐことになる。 また、工場跡地の周りだけでXスポーツが行われるのではなく、街の階段、 空地、スロープなど街全体で行われ、この工場はXスポーツの聖地とされ、 大会やコンクールが行われ、観客の歓声や熱気があふれる。 JR西宮

西宮市役所

< 軸の中核を担うポイント >

阪神西宮

西宮市中央運動公園 推進事業を行うために必要な西宮スポーツセンター及び西 宮市のスポーツ施設の管理運営がなされる。

阪急今津 津門中央公園 野球場が 2 つある公園で、北側には大きな広場があり、

阪神今津

軸からの広がりの第一期整備を想定する

今津総合グラウンド

西宮マリーナ

大阪ガスが所有する施設であり、気軽に使える施設ではな く、会費を払い、指導してもらうというシステムになって いる。将来、軸が広がると市民が気軽に使えるように交渉 を行いやすくなると考える。

神戸マリーナ

甲子園球場

- メッカ -

工場の煙突は「聖地のシンボル」となり、 - メッカ -

堤は「聖地への道」となる。

体育館 公園

体育館

スポーツセンター

ジム・ヨガ等

陸上競技場

公園

テニスコート

スイミング

ゴルフ

スポーツセンター

ジム・ヨガ等

陸上競技場

野球場

テニスコート

スイミング

ゴルフ

クライミング

スポーツ関連施設のプロット(現状)

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スケートパーク

西宮 清掃工場

・ヴァート せり出しが対岸へアピールする場となる

橋の上から観戦する人たち

BMX

スケートボード

最大4mの巨大なハーフパイプ(U 字型に組まれた大きな台)の 中をBMXやスケートボードで往復して、その勢いで台から上空 へ飛び出し、空中で技を披露する競技。

・スラックライン

パドルボートで街を川から見る

スリルあるウォーターライン ベルト状のラインを利用したスポーツの一種で、綱渡りとトラン ポリンを組み合わせたようなスポーツである。テンションを張っ たラインの上でバランスをとりながら、跳ねたり技を決める。水 上で行うウォーターラインと呼ばれる種目もある。

・スロープスタイル

橋の上にも盛り上がりが生まれる 空中技は動きのある風景となる

detail

スロープスタイルは元々雪山の傾斜で行われ、スキーやスノー ボードで傾斜を下りながら手すりや段差を利用し技を決める種目 であった。この種目を工場の大きな斜路を利用し、BMXやスケー

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トボードで行えるように計画する。


スポーツ施設内

雁木は水と親しみを持たせ、観客席ともなる

・スキーュバダイビング

スキューバダイビングを見る人たち

水中に浮かぶ人が外から見ることができ、ひとつの風景とな る。ここでは、深さを 4 段階(2m・4.5m・8m・12m)に設定し、 初心者から上級者までが訓練できるように考えている。また、 現在日本最大級の深さが 8mであるため、日本最大のダイビ ングの訓練施設が誕生することになり、兵庫の須磨や和歌山 の白浜などの外洋でのダイビングに向かう人々の拠点となる。 技を披露できるカフェ 水上散策の出発地点

リニアな広場ではスラロームで盛り上がる

・スカイダイビング

屋根にも賑わいが生まれる

南北に伸びる軸を見下ろすレストラン ウィンドトンネル

空中浮遊を観戦できるデッキ

スカイダイビングは通常飛行機に乗り、上空からダイブし、パ ラシュートで着陸する。しかし、ウィンドトンネルという室内

新しいスポーツのスタート地点

でスカイダイビングを味わうことができる装置がある。この装 置は、トンネル内の空気をいわば強力なファンとして動かすこ とで気流が下からフライトゾーンへと非常に滑らかに入ってい く仕組みにより、人が空中で浮くというを風景を生み出す。

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大階段・ステージ

西宮 清掃工場

・クライミング 大階段では手すりを使った技で盛り上がる

思い思いのBGMが流れるステージ ボルダリング

クライミングには 2 種類あり、ボルダリングは 5mの壁を命綱な しで登る競技で、リードクライミングは十数メートルの壁をいか に高く上れるかを競う。どちらも壁を登る力強さが風景となる。

・ストリートダンス

新たに架ける橋は住宅側に持っていく

ダンスバトルではDJが選曲した曲で、対峙するダンサーが即興 で交互に踊り、どちらがより音に合っていたかジャッジし、勝敗 を決する競技である。観客の盛り上がりも重要なスポーツである。

・ストリート&フラット 都市の風を感じながら、上を目指す この度胸試しも風景となるスポーツである

ステージを囲む観客も風景の一部となる

フラット

ストリート

フラット…舗装された平らな地面を舞台とし、ゆっくりと走行し

detail

ながら、バランスをとりつつ技を連続し披露する。 ストリート…スケートパークや街中にある縁石・手すり・壁など

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の地形や構造物を利用し、技を行う。


ウォータースポーツ

・カヌースプリント

近辺のヨットハーバーから訪れる人たちの停泊場所

日本で行われる大抵の大会では 500m もしくは 200m の直線のタ イムを競うものが一般的である。今回は 200mのみが行われる 護岸を階段状にし、観客席とする

ものとする。エキシビジョンとして 500m・1000mも直線ではな いが行われることにより、大会とは異なる賑わいを生む。

・カヌーポロ

観覧スペースや大会本部となる剣先エリア

ポロカヤックという専用のカヤックに乗って水上で行うハンド ボールとバスケットボールを融合したようなスポーツで、水球 と共に「水上の格闘技」と呼ばれる激しいスポーツでもある。

・ウェイクボード

川下には自然護岸の浜があり、そこまでスポーツに軸は続く 海から訪れる人たちの玄関口となる

競技としては、約 400m のコースを1往復し、選手は2回のパス 中にトリックを行い、印象や組立て、完成度のスタイルポイン トで勝敗を争うものである。水上での滑走やジャンプ、回転は 風景となり、水辺に活気をもたらす。

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スポーツ施設内平面図

模型写真

西宮 清掃工場

取材 スペース

街から切り離された迷惑施設は

カフェ 2 階席

トイレ

トイレ スカイダイビング

会議室

Xスポーツ愛好家のステージへと生まれ変わる。

審査員 控室

スタッフ 控室

更衣室

更衣室

2階

受付

救護室

ピロティ トイレ

機械室

トイレ

休憩

スケートパーク

スペース

水中通路 ストリートカフェ

倉庫 オープンスペース

1階

01

02

03

ポンプ室 深海バー

機械室

04

05

06

B1 階

design

01 敷地先端。船を仮泊できる 04 大階段とクライミング

24

02 雁木。親水性を高め、観客席にもなる

05 せり出したデッキを持つスケートパーク

03 屋上の観覧スペース

06 対岸から見たスポーツ施設

計画面積 : 工場敷地 N

各階平面図 S=1:500

5,517 ㎡ 対岸部 2,540 ㎡

建築面積 : スポーツ施設 1,189 ㎡ 対岸倉庫 320 ㎡

(西宮市環境施設部施設整備課よりお借りした西部工場の図面を基に作成)


厨房室

空中レストラン

川の上からスケートパーク(屋外)を見る 5階

更衣室

観覧席

更衣室

ウィンドトンネルによるスカイダイビング 空中レストラン

4階

ウィンドトンネル スロープスタイル 控えスペース プール サイド

ボルダリング

リード スカイダイビング

クライミング

スロープスタイル 3階

水中通路でのストリートスポーツ(フラット) プール

ストリート(スラローム) 水中通路 パドルボード

車寄せ

カヌー・水上スキー 深海バー

b-b' 断面図 S=1:300

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琵琶湖 南郷水産センター

めぐる水・人・まち

Yamaguchi Yonezaki

∼琵琶湖瀬田川沿いでの内湖の提案∼

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ミズベリング世界会議展示シート

MIZBERING めぐる水・人・まち

SITE 琵琶湖の水が唯一流れ出る瀬田川沿い 南郷水産センター / 滋賀県大津市

∼琵琶湖瀬田川沿いでの内湖の提案∼

DAIGRAM

A DAY MODEL

MONTHLY PROGRAM

人がこの場所で体験できるプログラムの流れとして 2種類を計画する。

この場所での体験できる1年を通してのプログラムをつくる。

■プログラムと対応場所 この場所では敷地全体で水質浄化を行い淡水魚の育成を行う。 またここを訪れた人も、水質浄化や魚の育成をモニタリングできる場所となる。 人のアクセスは徒歩、船、車などあらゆる交通手段を可能にし、北側では水質浄化や植物、淡水魚を見て学び 南側では美しくなった水と触れ合う場所として計画する。

1月から4月にかけてはヨシ刈り、ヨシ焼き、新芽など植物に関するプログラム、4月から10月にかけては田植えや草刈りなど水田でのプログラム、 年間を通しては川遊びや釣り、つかみ取りを体験することができる。

1月

2月

3月

4月

5月

6月

堰板設置

田植え

草刈り

中干し

溝切り

堰板外し

魚道点検 ヨシ刈り−−−−ーー→

●水質浄化 ●人・船・車・自転車・バスの入り口 ●植物、淡水魚について見て学ぶ場所 ●水と触れ合う場所

ヨシ焼き

7月

8月

9月

10 月

稲刈り

田んぼ作り

11 月

12 月 ①② ③

稚魚の流下

ヨシ刈り 川遊び & 釣り & つかみ取り体験

■水系 敷地全体を一つの湖として計画する。 湖の北側には深さ 1.7m の内湖をつくり、水質汚染の原因となる富栄養を貯めて引き上げ、田んぼの肥料とする。 湖の中心は田んぼのための水路をつくり淡水魚の育成空間とする。 湖の護岸には浄化作用を持つ沈水植物を植生する。

④⑤

→水の浄化ミュージアム

新芽が芽吹く

①水門を見学

B. 水上の橋 内湖

橋の上からはこの場所全体を見下ろすことができる

N

②内湖を見学 土嚢

NEW PROGRAM ③ヨシ群生体験 ■既存建物と提案建物 洗堰を管理する国土交通省河川事務所、琵琶湖の学習施設アクア琵琶に 加えて、沈水植物について学べる水中展示室と水面に浮かぶカフェを新しく計画する。

ヨ シ マ コ モ

クロモの植生

駐車場も水に浮かぶ島の一つとなる

ク ロ モ

A. ゆりかご水田 マコモの植生

内湖に溜まった富栄養素を吸収する働きのある

A

水中植物を面状で育成することによって集中的な水質浄化を行う その浄化過程のモニタリング化により

④アクア琵琶で学習

A

クロモの植生

D. 水中展示室 旧洗堰

アクア琵琶と連携しての学習施設の提案 ■ゆりかご水田 琵琶湖の汚染により絶滅危惧種となった淡水魚を生育する場所として ゆりかごとなる水田を4つ計画する。このゆりかご水田では、田んぼの中で魚が産卵し、水路を通って魚が行き来する。

化学肥料 内湖

C. 島状駐車場

河川事務所

A. ゆりかご水田

D. アクア琵琶

⑤水中博物館で学習

D. アクア琵琶・水中展示室

元来の内湖の持つ浄化作用に水中植物の浄化機能を加えたあたらしい人工内湖を提案する。

田んぼ

水中展示室の中からは湖に生育する沈水植物を眺めることができる

琵琶湖

今でも富栄養化による汚染に悩む琵琶湖に対し、唯一琵琶湖から流れ出る瀬田川の南郷洗堰沿いに、 自然護岸のもう一つの人工内湖を含んだ水産センターを作る。

A. ゆりかご水田

この内湖の水量は南郷洗堰により調節され、絶えることなく水を取り込んでいく。 まず深い内湖で富栄養素を沈殿させ、沈殿した汚れを含んだ土を田んぼへと還元していく。

B. 水上の橋

資料館

さらにヨシを中心とした水中植物によって富栄養素を吸収・吸着させる。 モニタリング機能を持つ博物館を通し、人は内湖の浄化作用に触れ、その地で生育された生命を取り込んでいく。

⑥カナダモ群生体験 バイパス水路

BACK GROUND

■全体計画 上で説明した水系、建物、水田がこの土地で行う提案である。

琵琶湖の水産業の衰退について

南郷洗堰について

化学肥料の使用により、取り除かなくなった 内湖に溜まった汚れ (= 余分な栄養 ) を

バス停

琵琶湖の汚染状況について 透明度

琵琶湖の洪水を防ぐために昔から行なわれてきた「瀬田川の浚渫工事」

COD 濃度

ヨシ群生

内湖

C. 島状駐車場

全窒素濃度

A. ゆりかご水田

それによって瀬田川の流れが良くなると、今度は下流の淀川が洪水を起こしやすくなっていた。

再び田んぼに取り入れ富栄養素を再利用する

水面に浮かぶ展示室 ⑦稲刈り体験

全リン濃度

また雨が降らないと琵琶湖の水が少なくなって、逆に水不足になってしまうという問題があった。 この洪水と渇水という相反する 2 つの問題を解決するために設置されたのが洗堰である。 明治 33 年から 41 年にかけて行なわれた淀川改良工事によって建設された洗堰は「南郷洗堰」と呼ばれ

駐輪場

明治 38 年に完成し、昭和 36 年、新洗堰の築造によってその役割を終えた。

田んぼ

琵琶湖

河川事務所

クレソンの植生

洗堰の役割

E. 鑑賞池

・大雨で琵琶湖の水の量が多い時には、たくさんの水を流す

⑧護岸で休息

・雨不足で水の量が少なくなると、無駄な水は流さない ・上流と下流で洪水が起こらないように、水位調節する  →琵琶湖の水の出口である瀬田川の流量を調節し、琵琶湖の水位と下流の水の量を調節している

田んぼに稚魚を放流し、ゆりかごの働きをする

水門

▼洗堰の仕組み

昭和 32 年と比較すると、しじみ、ふな類、ほんもろこの漁獲量が大幅に減少

成長後、魚自ら田んぼの外へ出て行く

越流

ゆりかご水田としての働く

全閉

全開

ドン付

通常時は、上段のゲート のみを動かすことで 洗堰から流れでる

経営体数・就業者数は昭和 50 年代以降、大きく減少

水量の調節をする

SYSTEM OF REMEDIATION

下流で洪水が発生し

淀川の水位が下がると

一時的に両方のゲートを 閉ざすことで堰き止める

琵琶湖の水位が下がる

放水が危険である時は

両方のゲートを 全開にし水を流すと

事務所

越流状態での最大流量を 放流する状態

BEFORE 現状の先端部分

B

B

②水面の道を歩く

E. 鑑賞池

水路からなっている。水門全部を開けるのも全部閉めるのも 30 分しかかからない。しかも、本堰は 2 段式 ゲート、バイパス水路は 3 段式ゲートで、より細かな調節ができるようになった。

水路からつながる池は釣り堀となる

F. 浄化された水辺

渇水時に水位が下がっても正確な

物理的、化学的、生物的に浄化していく

水の量を流せるように本堰の横に バイパス水路を増設した

①沈殿

①ろ過

②吸着

琵琶湖からの流量を調節可能

③分解

淡水部

▲バイパス水路

2008 年では 65 歳以上の漁業就業者が

土壌

全体の約 5割を占め、高齢化の進行が著しい

沈殿スポット

物理的作用

化学的作用 生物的作用

琵琶湖洪水の歴史

土壌を通過することにより、上記の3つの作用により あらゆる方向から浄化する

2012 年:総漁獲量 1,316 トン

流出水

約 8 分の1まで減少 ②脱窒・吸着作用による除去

1917/10/29 湖水位:1.43m 浸水家屋:約 3500 戸

観覧車などの遊具はだんだんと撤去され

浸水日数は 50 日に及んだ。

⑤内湖の泥上げ 再度、内湖へ

堆積した泥の回収を行い 底泥から水中への 栄養塩などの溶出を防ぐ

無酸素状態

多くの模型や展示でわかりやすく 瀬田川と洗堰に関しての説明がされており

琵琶湖周辺の各河川で堤防の決壊被害が発生 1965/09/17 湖水位:1.02m 浸水家屋:13944 戸 浸水面積:3100ha

▲ビワマス

▲ウツセミカジカ

▲ホンモロコ

▲イワトコブナ

▲ゲンゴロウブナ

水産センターの名通りの内湖の浄化設備を

1990/09/15 湖水位:0.7m 浸水家屋:1608 戸 浸水面積:3160ha 1995/05/11 湖水位:0.95m 浸水家屋は 39 戸

湖水を循環させることで 藻類の増殖抑制や水質の均一化により 水質悪化を抑制する

→カビ臭・アオコの発生

▲ニゴロブナ

植生浄化作用を利用して 有機物や栄養塩を除去する

▲アブラヒガイ

▲ワタカ

▲ビワコガタスジシマドジョウ

▲イサザ

▲オオガタスジシマドジョウ

⑥カフェで一服

1972/09/16 湖水位:0.74m 浸水家屋:6995 戸 1982/08/01 湖水位:0.68m 浸水家屋:1221 戸

マコモ

50m

▲ 鮎つかみ取りの様子

1972/07/12 湖水位:0.92m 浸水家屋:755 戸 ▲スゴモロコ

0m

人の流れが少ないのが問題である

浸水日数 10 日に及んだ

ヨシ

停滞

⑤川遊びを体験

隣接する「アクア琵琶」は

1961/10/26 湖水位:0.43m

▼琵琶湖・淀川水系固有種の絶滅危惧種 栄養塩を吸収して増殖した 藻類を採取し除去することで 栄養塩を低減する

⑧植生利用

⑦流動制御

ここでは水、魚、人が巡り、それぞれが共生できる新たなまちとなる。

▲釣り堀

1961/06/26 湖水位:1.1m 浸水家屋:2668 戸 浸水面積:4688.8ha       浸水日水は 15 日に及んだ

内湖 内湖の水より比較的綺麗な 一度一周した水を 再度、内湖へと戻し濃度を薄める

そして人々も水質浄化、淡水魚の育成を見て触れることで より自然環境を学び親しむことのできる場所と計画する。

開放的な水辺空間で魚と親しむ G. FLOATING CAFE

浸水日数は 40 日に及んだ

→脱水・乾燥後肥料へ

またゆりかご水田によって淡水魚の生育環境をつくる。

平日は人も少なく、閑散としている

1959/09/26 湖水位:0.87m 浸水家屋:25736 戸

⑥藻類回収 泥

内湖

N

短期休暇期間には子供連れで賑わうが

1959/08/13 湖水位:1m 浸水家屋:19515 戸 ④希釈

▲瀬田川沿いさんぽ道

今は釣り堀やつかみ取りの施設だけが残っている。

琵琶湖下流では、宇治川左岸堤が決壊し、約 2800ha が浸水

③植生の吸収による除去

水の浄化を行う。

F. 浄化された水辺

1953/09/27 湖水位:1m 浸水面積:約 6000ha ①茎との接触による沈殿効果

④ゆりかご水田を見学

浄化作用を持つ沈水植物、ヨシ・クロモ・マコモ・クレソンの植生により

魚とふれあいながら遊べる魚のテーマパーク施設。

浸水日数は 237 日に及んだ

平成以降は 2,000 トン以下

内湖により富栄養を 貯め、栄養素の引き上げ、

滋賀県漁業協同組合連合会によって作られた。

浸水日数が 140 日に及び、下流の淀川でも各所で堤防が決壊

1896/09/12 湖水位:3.76m 浸水面積:約 14800ha

ヨシ原

この場所に流れ込む総流量は 42516 トン、

流速は秒速 20 センチで流れ、 約1週間で全ての水が入れ替わる浄化計画である。

▲西側通路

南郷水産センターは 1966 年に 「さかなと自然と人間とのかかわり」をテーマに

1885/07/04 湖水位:2.71m 浸水面積:約 11800ha

③植生浄化

南郷水産センターについて

マイナス 1.50m の水位まで

石積みの堤

一時的に滞留することで水中の不要物を 沈殿・除去する

③稚魚の放流を体験

②土壌処理作用

沈殿エリア

①島状の駐車場に車を駐車

浄化され美しくなった水は岬へ向かって流れ出る

瀬田川洗堰は、1961 年 3 月に完成した本堰と、琵琶湖開発事業の一環で平成 4 年 3 月に完成したバイパス

浄化のシステムとして8つの方法を敷地内に取り入れ

H. 水の岬

河川

水田では稚魚の放流や田植えを行う

釣り堀、つかみ取りなどの魚と触れ合える空間の提供

内湖

A. ゆりかご水田

南湖に汚れが集中 ⇒ そのままの水が下流へと流れ出ている

モニタリングできる施設の増設

湖に浮かぶカフェは人々の憩いの場となる

湖岸の浸食崩壊の被害も発生 ▲現在の空き地

H. 水の岬

カフェ平面図 1/100

⑦放水を鑑賞

SECTION 1/300 浄化され、美しくなった水の中にカフェを新たに計画する。

A-A 断面図

カフェは流れ出す水に向かって客席が開かれており、水を眺め、憩うことのできる親水空間をつくる。

琵琶湖について学ぶ 学習施設 アクア琵琶 瀬田川

階段状の護岸で瀬田川と

旧洗堰

旧洗堰を見る

水の中に生える沈水植物を

魚が泳げる水路と産卵と育成のための

浄化作用をもつ沈水植物

見学する展示室

ゆりかご水田

クロモの植生

水中展示室

ヨシ

あぜ道

水路 あぜ道

水田

あぜ道

住宅街

カフェの中からは水が流れ出す風景を見る

広場 クロモ

カフェ断面図 1/100 B-B 断面図

桜の植生 瀬田川

遊歩道

水に浮かぶ島 遊歩道

階段状の護岸による 水辺空間

水遊び・つかみ取り

階段状の護岸

水遊び

桜の遊歩道

土手の遊歩道 大戸川

① ⑤

→淡水魚育成ミュージアム

27


琵琶湖の水質汚染

Back ground 1 透明度

COD 濃度

全窒素濃度

全リン濃度

琵琶湖 南郷水産センター

◀COD、BOD、透明度ともに 琵琶湖の南側は北側よりも状態が悪い。

南湖に汚れが集中 ⇒ そのままの水が下流へと流れ出ている

水産業の衰退

Back ground 2

▲平成以降は 2,000 トン以

▲経営体数・就業者数は昭和 50 年代以降、大きく減少

昭和 29 年の約 8 分の 1 まで減少

▲2008 年では 65 歳以上の漁業就業者が 全体の約 5割を占め、高齢化の進行が著しい

固有種の減少

Back ground 3

Back ground & Site

▼琵琶湖・淀川水系固有種の絶滅危惧種

28

▲スゴモロコ

▲ビワマス

▲ウツセミカジカ

▲ニゴロブナ

▲アブラヒガイ

▲ワタカ

▲ホンモロコ

▲イワトコブナ

▲ビワコガタスジシマドジョウ

▲イサザ

▲ゲンゴロウブナ

▲オオガタスジシマドジョウ

▲現在 12 種類の琵琶湖・淀川水系固有種が絶滅危惧種といわれている。

▲昭和 32 年と比較すると、しじみ、ふな類、ほんもろこの漁獲量が大幅に減少


滋賀県大津市黒津 南郷水産センター

Site

南郷水産センターは 1966 年に 「さかなと自然と人間とのかかわり」をテーマに 滋賀県漁業協同組合連合会によって作られた。 魚とふれあいながら遊べる魚のテーマパーク施設。

▲西側通路

▲正面入り口

観覧車などの遊具はだんだんと撤去され 今は釣り堀やつかみ取りの施設だけが残っている。 短期休暇期間には子供連れで賑わうが 平日は人も少なく、閑散としている

▲瀬田川沿いさんぽ道

▲ 鮎つかみ取りの様子 隣接する「アクア琵琶」は 多くの模型や展示でわかりやすく 瀬田川と洗堰に関しての説明がされており 人の流れが少ないのが問題である

▲河川事務所 N

▲ふれあいコーナーの様子 水産センターの名通りの内湖の浄化設備を モニタリングできる施設の増設

琵琶湖の水が唯一流れ出る瀬田川沿い 南郷水産センター / 滋賀県大津市

▲釣り堀

▲現在の空き地

南郷洗堰について ▼洗堰の仕組み 越流

全閉

全開

ドン付

琵琶湖の洪水を防ぐために昔から行なわれてきた「瀬田川の浚渫工事」 それによって瀬田川の流れが良くなると、今度は下流の淀川が洪水を起こしやすくなっていた。 また雨が降らないと琵琶湖の水が少なくなって、逆に水不足になってしまうという問題があった。 この洪水と渇水という相反する 2 つの問題を解決するために設置されたのが洗堰である。 明治 33 年から 41 年にかけて行なわれた淀川改良工事によって建設された洗堰は「南郷洗堰」と呼ばれ 明治 38 年に完成し、昭和 36 年、新洗堰の築造によってその役割を終えた。 洗堰の役割 ・大雨で琵琶湖の水の量が多い時には、たくさんの水を流す

通常時は、上段のゲート 下流で洪水が発生し のみを動かすことで 放水が危険である時は 洗堰から流れでる 一時的に両方のゲートを 水量の調節をする 閉ざすことで堰き止める

淀川の水位が下がると 両方のゲートを 全開にし水を流すと 琵琶湖の水位が下がる

越流状態での最大流量を 放流する状態

・雨不足で水の量が少なくなると、無駄な水は流さない ・上流と下流で洪水が起こらないように、水位調節する  →琵琶湖の水の出口である瀬田川の流量を調節し、琵琶湖の水位と下流の水の量を調節している。

29


沈水植物の植生

Program1

水中植物を面状で育成することによって 集中的な水質浄化を行う

クロモ

マコモ

ヨシ

琵琶湖 南郷水産センター

内湖に溜まった富栄養素を吸収する働きのある

その浄化過程のモニタリング化により アクア琵琶と連携しての学習施設の提案

内湖の富栄養の利用

Program2 化学肥料

内湖

田んぼ

琵琶湖

田んぼ

琵琶湖

田んぼに稚魚を放流し、ゆりかごの働きをする 成長後、魚自ら田んぼの外へ出て行く

Program and System

ゆりかご水田としての働き

内湖

化学肥料の使用により、取り除かなくなった 内湖に溜まった汚れ (= 余分な栄養 ) を

30

再び田んぼに取り入れ富栄養素を再利用する

釣り堀、つかみ取りなどの 魚と触れ合える空間の提供


8 つの浄化システム

System of remediation ①沈殿

②土壌処理作用

④希釈

石積みの堤

①ろ過

淡水部

沈殿エリア

②吸着

③分解 内湖

土壌 沈殿スポット

物理的作用

一時的に滞留することで水中の不要物を

化学的作用

生物的作用

再度、内湖へ 内湖の水より比較的綺麗な一度一周した水を

沈殿・除去する

再度、内湖へと戻し濃度を薄める

⑤内湖の泥上げ

③植生浄化 ヨシ原

泥 流出水 内湖 ①茎との接触による沈殿効果

②脱窒・吸着作用による除去

③植生の吸収による除去

堆積した泥の回収を行い 底泥から水中への栄養塩などの溶出を防ぐ

⑥藻類回収

⑦流動制御 →脱水・乾燥後肥料へ

⑧植生利用 ヨシ

停滞

マコモ

栄養塩を吸収して増殖した藻類を採取し 除去することで栄養塩を低減する

無酸素状態 →カビ臭・アオコの発生

湖水を循環させることで

植生浄化作用を利用して

藻類の増殖抑制や水質の均一化により

有機物や栄養塩を除去する

水質悪化を抑制する

31


アクティビティと対応場所

Diagram 琵琶湖 南郷水産センター

■機能別プロット この場所では敷地全体で水質浄化を行い淡水魚の育成を行う。 またここを訪れた人も、水質浄化や魚の育成をモニタリングでき る場所となる。 人のアクセスは徒歩、船、車などあらゆる交通手段を可能にする。 敷地北側では水質浄化や植物、淡水魚を見て学び、南側では美し

■水系

くなった水と触れ合う場所とする。

敷地全体を一つの湖として計画する。 湖の北側には深さ 1.7m の内湖をつくり、水質汚染の原因となる富栄養を 貯めて引き上げ、田んぼの肥料とする。 湖の中心は田んぼのための水路をつくり淡水魚の育成空間とする。 ●水質浄化

湖の護岸には浄化作用を持つ沈水植物を植生する。

●人・船・車・自転車・バスの入り口 ●植物、淡水魚について見て学ぶ場所

■既存建物と提案建物

●水と触れ合う場所

洗堰を管理する国土交通省河川事務所、琵琶湖の学習施設アクア琵琶に 加えて、沈水植物について学べる水中展示室と水面に浮かぶカフェを 新しく計画する。

■全体計画

上で説明した水系、建物、水田がこの土地で行う提案である。

Diagram and a day model

■ゆりかご水田

琵琶湖の汚染により絶滅危惧種となった淡水魚を生育する場所として

ゆりかごとなる水田を4つ計画する。このゆりかご水田では、田んぼの 中で魚が産卵し、水路を通って魚が行き来する。

32


淡水魚育成ミュージアム

A day model 1 人がこの場所で体験できるプログラムの流れとして淡水魚育成ミュージアムと水の浄化ミュージアムの2種類を計画する。

①島状の駐車場に車を駐車

②水面の道を歩く

④ゆりかご水田を見学

⑤川遊びを体験

③稚魚の放流を体験

⑥カフェで一服

⑦放水を鑑賞

水の浄化ミュージアム

A day model 2

①水門を見学

②内湖を見学

③ヨシ群生体験

④アクア琵琶で学習

①② ③

⑤水中博物館で学習

⑥カナダモ群生体験

⑦稲刈り体験

⑧護岸で休息

④⑤

33


水中展示室

Plan : Water plants museum 琵琶湖 南郷水産センター

琵琶湖について学べる既存の施設アクア琵琶に併設して 水中展示室を新たに計画する。ここは学習施設として琵琶湖に 生える沈水植物を見て、触れて学ぶことができる。

水中展示室

受付

水面に浮かぶ展示室

水中展示室の中からは湖に生育する 沈水植物を眺めることができる 水上通路

アクア琵琶

Plan

34

10m


カフェ

Plan : Floating cafe

CUSTOMER EYES

浄化され、美しくなった水の中にカフェを新たに計画する。 カフェは流れ出す水に向かって客席が開かれており、

BEFORE 現状の先端部分

水を眺め、憩うことのできる親水空間をつくる。

湖に浮かぶカフェは人々の憩いの場となる

カフェの中からは水が流れ出す風景を見る

テラス席 トイレ

ホール

浄化され美しくなった水は岬へ向かって流れ出る

厨房

← ゆりかご水田 岬 →

35

5m


平面計画・年間計画

Plan

1月から4月にかけてはヨシ刈り、ヨシ焼き、新芽など植物に関するプログラム、 4月から10月にかけては田植えや草刈りなど水田でのプログラム、 年間を通しては川遊びや釣り、つかみ取りを体験することができる。

N

琵琶湖 南郷水産センター

この場所での体験できる1年を通してのプログラムをつくる。

0

25

75 100m

11 月

12 月

MONTHLY PROGRAM 1月

2月

3月

4月 堰板設置 魚道点検

Plan

ヨシ刈り−−−−ーー→

ヨシ焼き

5月

6月

7月

田植え

草刈り

中干し

溝切り

堰板外し

新芽が芽吹く

9月

10 月

稲刈り

田んぼ作り

稚魚の流下 ヨシ刈り

川遊び & 釣り & つかみ取り体験

36

8月

PLAN


駐車場・橋・断面図 2

Plan

この場所に流れ込む総流量は 42516 トン、 流速は秒速 20 センチで流れ、 約1週間で全ての水が入れ替わる浄化計画である。

橋の上からは内湖を見渡すことができる。

内湖に浮かぶ駐車場 琵琶湖について学ぶ

SECTION 1/200

学習施設

階段状の護岸で瀬田川と 瀬田川

旧洗堰

旧洗堰を見る

アクア琵琶

水の中に生える沈水植物を 見学する展示室 水中展示室

0 2

6

10m

ヨシ

37

あぜ道


ゆりかご水田・親水内湖

Plan 琵琶湖 南郷水産センター

琵琶湖に生息している固有絶滅危惧種12種類の新たな生育場所として設けられた 12 この ゆりかご水田。水田の中に稚魚を放流し田んぼの中で生育するゆりかご水田をつくることで、 やがて成長した魚は産卵を繰り返し、漁業の再生と絶滅種の増加を図る

内湖に浮かぶゆりかご水田

釣りを楽しむ親水内湖

SECTION 1/200

水路 あぜ道

Plan

あぜ道

38

0 2

6

10m

魚が泳げる水路と産卵と育成のための

浄化作用をもつ沈水植物

ゆりかご水田

クロモの植生 水田

あぜ道

クロモ

広場

住宅街


水遊び・先端

Plan 内湖により富栄養を 貯め、栄養素の引き上げ、 浄化作用を持つ沈水植物、ヨシ・クロモ・マコモ・クレソンの植生により水の浄化を行う。 またゆりかご水田によって淡水魚の生育環境をつくる。 そして人々も水質浄化、淡水魚の育成を見て触れることでより自然環境を学び親しむことのできる場所と計画する。 ここでは水、魚、人が巡り、それぞれが共生できる新たなまちとなる。

浄化された水が流れ込む遊び場

内湖を通して美しくなった水が出てゆく先端

桜 水遊び・つかみ取り

水に浮かぶ島

階段状の護岸

水遊び

桜の遊歩道

土手の遊歩道

大戸川

39


スイ

サイ

∼菟道における親水空間の提案∼

40


41


01 Concept

山紫水明の自然美をなす宇治川は、琵琶湖を水源とし山 間を縫うように宇治の中心を流れる。豊かな水辺は宇治の 発展大きく貢献するが、同時に水害も招き入れる。だが、人々 はその都度自然と向き合い水を治める技術を手に入れてき た。宇治の成り立ちに置いて、水と人は密接に関わってきた。 しかし、現在宇治には水系から切り離された場所がある。

宇治において、水と人は密接に関わってきた 宇治莵道、余水路 宇治発電所の分岐水路としてこの地域を通り普段は水は流れない 余水路は町から隔てられた存在である

この場所を水辺の空間として再構し、宇治全体つむぐ水系ネットワークを提案する

ここは宇治莵道の余水路。宇治発電所の分岐水路として この地域を分断するように通っているこの水路は、普段は 水は流れておらず周辺の住宅は背を向けるように建ち並び、 町から隔てられた存在となっている。  この場所を水辺の空間として再構築することで、宇治全 体を巻き込んだ水系ネットワークを提案する。

02 Site

京都府宇治市莵道 余水路

余水路には普段、水が流れていない。宇治発電所から余 水路に水が流されるのは、停電などの緊急時か年に一度の 点検の際のみであり、宇治発電所から放水があった場合に 余水路に水が溜まっていると、きちんと排水処理をできな い可能性があるため管理上、雨水を流すことが出来ないか らである。  町は余水路に対して背を向けて建ち、町は余水路によっ て分断されているようである。

余水路

余水路の余水吐け

∼宇治川全体構造∼

琵琶湖

余水路 宇治発電所

宇治発電所

瀬田川石山制水門

宇治川

■関西電力宇治発電所

設計:宇治川電気株式会社 発電開始:大正 2 年 7 月 31 日 発電方式:水路式 認可出力:最大 32,500kW 使用水量:最大 61.22m³/S

宇治発電所

宇治川沿いの発電水路計画

42

HP から引用

宇治川電気株式会社の当初の計画図 図版:宇治市史より引用

余水吐が舟入状の形をしているのは、元々にインクライン計画が存在していたからである。


03 History

■古代 ∼交通の要衝 宇治∼

宇治の水系と町の発展 500

宇治の歴史は古く、宇治川のほとりに集落を形成していた。宇治は交通の要衝であり、 用材が瀬田川から宇治川、そして木津川を溯り大和へと運ばれていった。  また、宇治は『古事記』に記される菟道稚郎子皇子説話の舞台となっており、このこ

646 宇治川渡河点に初めて橋が架けられる。 莵道稚郎子の墓

794 平安京遷都

とから宇治 ( 菟道はウジの古表記 ) はウジと言うようになった地名起源説話を伝える。

■中世 ∼貴族の別業・平等院の創建∼

平安京遷都とともに、宇治は貴族の別業の地として利用されるようになり、藤原氏を

中心として急速に都市化を始める。平等院造営によって宇治川西岸域の多くが境内化し、 宇治橋が下流に移設されとことで県通りが設けられた。はじめて宇治が現代に繋がる都 市形成を始め、その町割が今にも継承されている。

■近世 ∼太閤堤の築堤と茶業の発展∼

1000 1052 藤原頼通が別業を平等院に改める。 1053 平等院阿弥陀堂(鳳凰堂)の建立 宇治上神社の建立

平等院鳳凰堂

13世紀 栂尾高山寺の僧明恵が宇治に茶を伝える。

1600

宇治の近世の幕開けは、豊臣秀吉による太閤堤の築堤である。また、宇治川の水運機

1593 宇治川に太閤堤の築堤

能も大きく変容し、小型船や柴船が人や茶などの物資を大阪や京都へと運搬していた。

1633 江戸幕府がお茶壺道中を確立

宇治川を渡る柴船

1800

宇治の茶摘 ■近代 ∼近代化する宇治と変る宇治川∼

茶摘の様子

鉄道の開設によって舟運は衰退に向かった。また、明治時代以降、宇治川は大きく 付け替えられ、一連の淀川改良工事により琵琶湖の水の流出量が調整されるようにな り、宇治川の水位がたびたび低下し、水運が途絶えることが少なくなかった。宇治発 電所が建設され、発電所の緊急時に水を流すための余水路という新しい水系が生まれ、 また、宇治川上流にダム式の旧志津川発電所や天ヶ瀬ダムができたことで宇治川の原風 景は大きく変った。

豊臣期太閤堤構造

1885 洪水で宇治から伏見間の左岸堤防が三ヶ所決壊 1896 奈良鉄道(現JR奈良線)の施設 淀川改良工事 1913 宇治発電所の建設 京阪宇治駅開通 1917 京阪三室戸駅開通 1924 旧志津川発電所の建設

菟道で発掘された太閤堤

宇治発電所

1950

1951 宇治市が誕生し、人口38,231人となる。 1963 天ヶ瀬ダムの建設

奈良鉄道の宇治停車場

■現在 ∼水系と切り離された場所∼

天ヶ瀬ダム

日本レイヨン宇治工場

宇治は市街化が進み、宇治の発展に貢献してきた宇治発電所の余水路の周辺にも住宅 が建ち並ぶようになったことで、余水路は町から心理的に遠ざけられ暗渠化されて切り

2015

離されてしまった。町は余水路によって分断されているようである。

■提案 ∼宇治を水系で紡ぐ∼  近代にできた余水路という新たな水系によって、分断されている町が、余水路を活用 し繋ぐことで宇治が水と向き合い、共に歩んできたことを印象づける。  宇治発電所の余水路を活用することで、宇治を「水系」という切り口から見つめ直し 再発見することを提案する。

図版・写真:「宇治歴史探訪」、宇治歴史資料館より提供「流域紀行」引用 水系地図:「宇治市史」の地図から引用

等高線

暗渠

開渠

開渠+

建物

開渠+

茶畑+

43

水田


04 Regional vision <現状の問題>  余水路が町を分断するように走り、町に余水 路という暗い空間が存在している。

<操作>

① 余水吐けの部分を調整池として整備し、 余水路に水を流すことが出来るようにする ことで水害時には菟道地区の治水の機能を 果たす

災害時 ( 豪雨 )

余水吐の調整池利用

② 余水路周辺に存在する宇治の水に まつわる歴史的要素を紡ぐことで余 水路を親水空間に変える。

常時 親水空間の創出

<波及効果>

③ 余水路を中心とした私達の提案する親水空間を起点として宇治に個々に 独立するように存在する歴史的要素が紡がれてゆき、宇治が水と共に発展 を遂げてきた宇治として一体感を持って再認識されるようになる。

宇治に点在する水に まつわる歴史的要素

宇治に点在する水に まつわる歴史的要素

余水路を変える。 余水路 余水路

44

水系がネットワーク化され、 宇治の identity が浮き彫りになる。


05 Proposal ①

■水害原因と治水方法

治水計画

■余水吐けの調整池化

①内水被害

原因:宇治菟道地区は低地であり、山側に降る雨水が流れ、溜まるため。 対策:余水路も雨水排水河川として活用し、雨水を排水し続ける。

宇治発電所からの緊急放水と豪雨時の雨水が同時に流れた場合の水量を安全に余水路に流せるように、 余水路の余水吐けの部分の体積を拡大し、調整池化する。

・13.0 ・12.0

・14.0 写真 : 宇治市危機管理課作成ハザードマップより引用

・12.0

・14.0

・11.0

・13.0

雨水 菟道 低地

宇治川

内水被害がおこりやすい

浸水被害

現況の余水吐け

提案の余水吐け

②宇治川からの越水による浸水被害 原因:天ヶ瀬ダムの放流などによる宇治川からの越水のため。 対策:余水路の余水吐けの部分を調整池化することで、雨水を溜める。

菟道 越水 低地

宇治川

越水被害による浸水被害

浸水被害

S=1:1600 豪雨時 雨水の溜まった余水吐け

■提案調整池の治水能力算定

②調整池の治水力の算定

①調整池に溜めることの出来る雨水の体積 調整池では宇治発電所からの緊急放水と豪雨時の雨水を同時に安全に流せ る必要がある。そのため、調整池に溜めることの出来る雨水の体積を求め

るには、調整池の体積から、緊急放水量が調整池を占める体積を引けば良い。

調整池の体積を計算すると、約 60,900 ㎥である。

また、宇治発電所から緊急放水があった場合、現状の余水

吐けに 1.0 ∼ 2.0m の水量が流れ続けることから、緊急放水 量が余水吐けを占める体積を求めると約 20,800 ㎥である。 調整池に溜めることの出来る雨水の体積は調整池の体積か ら緊急放水量の体積を引くと約 40,100 ㎥である。

調整池 約 60,900 ㎥

緊急放水 約 20,800 ㎥

雨水 約 40,100 ㎥

つまり、約 40,100 ㎥の調整池の体積を治水のために 活用することができる。

ハザードマップの赤枠内で示した範囲の住宅地の浸水被害 を調整池を活用することで防ぐ。赤枠内の面積は約 68,500 ㎡ で あ り、調 整 池 に 溜 め る こ と の 出 来 る 雨 水 の 体 積 は 約 40,100 ㎥であることから、赤枠内に積もる雨水の体積が約 40,100 ㎥となる浸水高さを求めると 1.7m である。  つまり、調整池によって赤枠内で示した範囲の住宅地の浸 水を 1.7m 防ぐことが出来る。

◆ハザードマップ

予想した大雨 ( 東海豪雨相当の大雨の 2 倍 ) で河川が氾

濫した時に、浸水が予測される範囲と浸水した時の最大 の水深を示している。

▲宇治市危機管理課作成ハザードマップより引用

45


■新たな排水計画

雨水を流すことができるようになった余水路に新しく排水路を整備する。そのことによって赤枠範囲に降る雨水を余水路に排水する。 余水路は、他の河川や排水路と共にこの地域の雨水処理の役割を担うことができ、地域に貢献する。

余水路 開渠

暗渠 新しく提案する排水路

余水路に雨水を流せるようになる地域 余水路と排水路の交わる部分

・ 11.0

よし

野鳥観測施設

菟 道 古 墳

新しく提案する排水路 <通常> 排水路

地域の小さな川

▲宇治市雨水管理課作成資料のもと作成

段階を踏んで流す

排水路

大きな川

余水路

<宇治莵道周辺> 排水路

大きな川 ( 宇治川 )

一気に大きな川に流れる

46

排水路がいっぱいになり、水が

れて浸水

宇治川

排水路→余水路→宇治川と小さな川 から大きな川へ段階的に雨水を流す。

余水路と排水路の交わる部分

立体交差を解消し、山側から低地へ流れる雨水を余水路を介して宇治川へ排水する。

現在、余水路と雨水排水路の交わる部分は立体 交差しているが、立体交差を解消し、雨水排水 路を余水路に繋ぐことを提案する。 それにより、山側から宇治菟道地区の低地へ流

余水路 排水路

れる雨水を余水路を介して宇治川へ排水する。

立体交差する余水路と排水路

水路の立体交差の解消


06 Proposal②

親水空間の創出

②三室戸寺への参道の緑道化 三室戸の参道に沿って余水路がつくら れたので、水が流れることにより参道

余水路に沿ってエリアごとに親水空間を提案する

に緑道のある余水路を作る。

①空地の農地利用

両側に親水水辺空間を設けることで

②三室戸寺への参道の緑道化

余水路は新たな水辺として

③暗渠部分の開放

る。

④余水吐けを中心とした宇治の歴史をめぐる場 before

町に寄り添う余水路

・ 11.0

よし

野鳥観測施設

菟 道 古 墳

③暗渠部分の開放 蓋をされ町から隠されて いた余水路を開渠化して 親水空間として開けた場 となる。

before

余水路の親水水辺空間

余水路沿いに水辺に対して一部レベルを下げることで 親水空間ができる。

バス停広場

①空地の農地利用 余水路と明星町の間には町開発の際に できた余地空間が存在している。余水 路の水を活用した農地を作り出す。

提案地

余水路

before before

47


06 Proposal 2

親水空間の創出 ④余水吐を中心とした宇治の歴史をめぐる起点の提案

治水対策の要所でもある余水吐を中心として宇治の魅力を歴史的要素を用い新たに空間を提案する。 ここでの中心となる歴史的要素、 余水吐け・太閤堤・莵道古墳・茶畑をメインとして提案地を計画する。

歴史的要素の位置づけ∼水系のしくみ・関係性∼ 近代・近世の宇治川流域変化

近代の茶畑と宅地比率

現代の茶畑と宅地比率

提案後

太閤堤によって土砂が堆積

水はけの良い良質な土地 太閤堤+

近世の宇治川+

近代の宇治川+

河川から陸地になった部分

開渠+

茶畑+

建物+

茶畑+

水田

開渠+

建物+

茶畑

開渠+

計画後の茶畑

建物+

水田

近代の地図を見ると、茶畑、水田が宅地と比較し

近世と近代の地図レイヤーを重ね合わせると、

この地に残された茶畑の面積を拡大し、宇治川

現在は宅地が多く分布し、茶畑が減少、残された

て多く分布していることがわかる。

太閤堤が出来たことによって宇治川に土砂が堆積して陸地化が進み、

の原風景を想起させる空間を作り出す。

部分はわずかとなっている。

茶畑の生育に適した土地が宇治川の近くに形成されたことがわかる。

Program

宇治には様々な水と密接に関連しあう要素が混在している。これらの要素は時代における宇治の水系のなか に確かに存在し、現在の宇治を位置づける要因となっている

▼野鳥観測場から観られる、周りに生息するトリの種類 水鳥(宇治川付近) コサギ

ゴイサギ

山鳥(余水吐け付近) モズ

ホオジロ

→個々の要素を紡ぎ合わせることによって、宇治の水系による歴史を体感できる場所をつくる

1. 野鳥観測施設

ゴイサギ

アオサギ

コガモ

カワウ

2. オープンエアーミュージアム

WC

観測場

視聴覚室

鳥が飛来する親水提案 カワセミ

水系の歴史を追体験する MUSEUM となる

ツバメ

ヒバリ

カイソツ

昔の治水対策=太閤堤

余水吐け

宇治川

古墳

事務室

山鳥(古墳付近)

3. CAFE& 茶摘み体験施設 原風景としての茶畑

ウグイス

1. 野鳥観測施設 ▼ Design diagram

治水対策としての護岸整備 → より水辺に近い親水空間の提案 → 船着場、植生コントロール、野鳥観測 余水路

船着場

宇治川 拡張後の余水路護岸

現状の余水路の拡張

48

野鳥観測施設 1F PLAN S=1:600

∼新たな治水機能とともに身近に野鳥を感じれる場∼

余水路

宇治川

ヤマガラ

動線

余 余水路 水 路 の 軸

現代の治水対策

宇治川

水害の水が町に流れ出さない 周辺環境にある2つの軸を ように土手を作り、堤防と町 取り入れ空間を決定づける を緩やかに繋げる

余水路

宇治川

昔の治水対策 太閤堤

余水路の土手=現代の治水   太閤堤=昔の治水

野鳥観測施設であるここは、

断面ダイヤグラム

土手の中で建築を操作し計画 太閤堤

余水路

野鳥観測場を南北方向に切った断面 土手の中に建築を挿入し、周辺環境との調和を図る。周辺の要素から空間を取り入れ変化を生ませる

することで、野鳥からは見つ かりにくい空間となっている

土手の中に建築を挿入し、周辺環境との調和を図る。 周辺の要素から空間を取り入れ変化を生ませる

新たな空間

地形を少し持ち上げる

↑ ↑

↑ ↑


2. オープンエアーミュージアム

∼歴史を身近に感じれる空間∼

太閤堤を見せる空間として周辺を整備 → オープンエアーミュージアムとして

展示方法 現状そのもの を補強しなが らもガラスで    保護

太閤堤を上か らレプリカで    展示

船着場

3. CAFE& 茶摘み体験施設

野鳥観測施設

∼宇治の原風景の一部でもある茶畑空間∼

オープンエアーミュージアム

CAFE 体験施設 WC

お茶体験施設

茶畑 CAFE 1F PLAN  S=1:600 植生としてヨシが、つばめのねぐらとして利用され、 ヨシ周辺には様々な生物が集まる。

ツバメ

茶園の栽培にも活用する。

サギ

∼伝統茶製法 本ず の全体システム∼ 3月

ヨシ

4月 5月 6月 7月

ヨシ焼き

いいヨシを育てたり、害虫を駆

10 月 11 月 12 月 1月 2月

つばめ

ヨシを感想させ、茶栽培 に日よけとして使われる 渡来 営巣準備を始める。

ヨシ群生

宇治

除するために、ヨシ焼きを行う。 成長期 3 月の終わりに芽を出し、 7 月頃まで成長し続ける。

花期 8 月の終わりまでには穂を出

貝類

よしず編

一番茶 ( 新茶 ) 製造 被覆準備などの

繁殖期

新茶準備をする。

民家の軒下など で子育てを行う。 ヨシ原をねぐらとする

8月 9月

魚類

よしず

▼茶畑 1 年サイクル

平面図 S=1:3000

山鳥

ヨシの生育

余水吐けの親水空間にヨシを生息させることで

お茶CAFE

N

茶摘み体験施設・休憩所 1F PLAN  S=1:600

本ずを使った被覆栽培が行われる。

巣立ちを終えたヒナと親鳥たちは、河川 敷のヨシ原に集まり集団で寝ぐらを形成。

二番茶製造

し、その後小さな花をつける。 ヨシ刈りの季節

小さな黒い種ができ、種ができる と地上部が黄色くなって枯れる。 刈り取られたヨシは

冬越地へ

秋番茶製造

ストック乾燥される。

49


▼計画導線

∼提案地におけるルート骨格∼ ・豊臣が築いた 太閤堤 ・茶摘み体験

・cafe ・茶摘み体験

boat

京阪三室戸 sta.

京阪宇治sta.

bird watching

Remains

提案地

莵道古墳

cafe

京阪三室戸sta.

京 阪 宇 治 sta

オープンエアー museum

茶畑

宇治川を築 いてきた遺跡 を保護・展示

普段ある風景   を守る

・余水吐け ・莵道古墳 ・宇治川

暗渠→開渠

野鳥観測施設

余水路 親水水辺  空間

余水吐けの 護岸の変形

京 阪 三 室 戸 sta.

様々な植生 とともに野鳥 が飛来

茶畑 茶摘み 体験施 open spece

entrance

主要提案地ルート

京阪宇治 sta.

lobby toilet

A-A 断面図 野鳥観測施設 S=1:400

余 水 路

entrance lobby

50

B-B 断面図 余水吐け部分 S=1:600


07 Program

宇治全体の構成

提案部の水系を見直すことにより、宇治全体の水系空間を考えなおす契機とする ここでは、宇治の水の観点から見た観光ルートを提案する。宇治の発展、現在までの時代の軌跡の中で宇治の自然、特に宇治川は欠かせない要素となっている。

▼ 宇治全体構造

▼ Walking Plan

宇治は昔から様々な要素が歴史的、

∼宇治の水系ネットワークのつながり∼

三室戸寺

文化的に存在していた

新たな新ルート

伏見港

しかし、現在は 2 つの世界遺産

余水路 古

き去りにされておりあまり生かされていない。

宇治神社 宇治上神社

鎮守神

県神社

今回の提案部を中心とした、宇治の水系に基づい た観光ルートを再設定することで、より宇治の風景、

宇治発電所

▼年間スケジュール

1月

三室戸寺 季節ごとのお花 スケジュール

2月

3月

既存のルート

4月

土地の価値をあげていく。 5月

ツツジ

6月

7月

ライトアップ あじさい園

シャクナゲ園

8月

11 月

12 月

宇治発電所

対になったルートを

宇治全体の水系が観光においても

野鳥観測施設 太

▼宇治の水系の要素

5 三室戸寺

4 宇治神社

宇治上神社とと もに離宮社とさ れていた。

県神社

平等院建設時 にの鎮守社と 伝えられる県 神社。

朝日焼作陶館

ミュージアム

のルート導線

の ル

古墳

| ト

新しいルート

閤 堤

茶畑

▼ Traffic Plan ∼宇治での交通コントロール∼ 宇治市に来る観光客の約 7 割以上→ 徒歩

京阪三室戸駅

宇治では徒歩を利用して観光される方が

開窯より400有 余年15代の歴 史を重ねる。

余水路に沿って三室 戸寺へと続く参道が 昔からつながってい

提案部メイン

多いので徒歩を優先として考える。 京阪宇治駅

8の字の内側では 人をメインとして

鵜飼

8 宇治発電所

鵜飼期間 6月中旬 7

オープンエアー

8

9月下旬

水の土木遺産として 存在し、ほぼ百年近 い歴史で重みのある 風格を装っている。

宇治発電所

で観光としての派生ができる。

船着場

花見クルージング (桜まつり)

宇治上神社境内の桐原 水は宇治の豊かな地下 水で唯一湧き出ている  七名水が存在しています

平等院

対をなすルートを設定すること

つながることで宇治の要素を紡ぐ

鵜飼

平等院前の阿字池 は昔は宇治川とつ ながっており宇治川 との関わりも強い。

完結していた観光ルート

県神社

宇治上神社 宇治神社

宇治橋より宇治川上流で

宇治橋を介して繋がる

蓮園 ( 蓮酒を楽しむ会 )

2 宇治上神社

宇治橋

紅葉

9 月 10 月

宇治川花火

1 平等院鳳凰堂

宇治橋上流のみで完結している。

8の字ルート    の設定

宇治橋

に頼っており、その他の価値のあるものが置

茶 堤 園

平等院鳳凰堂

対になる

平等院鳳凰堂   宇治上神社

宇治川

∼歩いて宇治の風景を感じる∼

∼屋形船∼

宇治の塔の島付近 に存在する屋形船 は観光の一つとな っている。

宇治橋

8の字ルート    の設定

計画・整備

8の字の外側までで 大型バスや自動車の規制 コントロールをかける

既存の観光ルート JR 宇治駅 大型自動車・大型特殊自動車通行禁止 新しく計画した8の字ルート 新しくできるの観光ルート 既存の観光ルート

51


▼ Cruising Plane

∼既存の十石舟と、新たに平等院前からの船ルートのつながり∼

宇治 発電所余水路

船での春限定観光ルート∼水際めぐり∼

十石船ルート

京阪観月橋

京阪中書島 京阪木幡 JR 木幡

宇治の水系をつなぐ

船シーズン:

∼新たな船ルートの提案∼

多い6月、

桜シーズン 桜の期間…4 月上旬

C 黄檗∼伏見港ルート

十石船とは いコースを巡る観光船

期間限定で宇治発電所に 向けて新たなルートがで

京阪黄檗 JR 黄檗

伏見の酒蔵と水辺が美し

黄檗

きる。

花見クルージング+宇治発電所見学

B 余水路∼黄檗ルート 宇治川全体から伏見まで船

∼伏見十石舟ルート∼

ルートを繋げ、十石船で各々

船は引き船で移動

を巡るルートができる

船のレベル・視点から風景を楽しむ。

余水路

A平等院∼余水路ルート JR 小倉

京阪三室戸

京阪観月橋

京阪中書島 宇

宇治発電所

JR 宇治

D 桜の季節限定   船ルート

07. Program

京阪宇治

平等院鳳凰堂

宇治川下流から宇治を眺める

伏見桃山

歩いている時の視点だけでなく、

52

月に一回 ( 管理人の元 )

9 月以外

伏見港

…船着場

宇治発電所公開

雨や台風の

宇治川右岸から、塔の島を望む

伏見では、舟は現在まち おこしとして行われている 十石舟、三十石舟。 かつて水運でにぎわった伏見の 酒蔵を楽しむことができます。

宇治川より花火を見る

現在の伏見十石舟、三十石舟だ けでなく、宇治川からの舟と一 緒にルートを設けることで、今 はない新しい観光ルートを設定 します。

宇治発電所を見る


5 参道ルート 余水路∼伏見港ルート

・ 11.0

船着場2 よし

野鳥観測施設

菟 道 古 墳

平等院∼余水路ルート

提案敷地

5 2 船着場1

恵心院

導水管

1 3

7 宇治駐車

∼宇治全体計画∼

既存の平等院を中心とした観光ルート 今回の提案部から派生した提案ルート 京阪三室戸駅から参道へのルート

53


08. Image

宇治 発電所余水路

京阪宇治駅から広がる茶畑

昔の原風景を蘇らせる茶畑と京阪宇治駅

土手から望む野鳥観測施設

京阪三室戸駅から余水路に向けての流れ

54


カフェから京阪宇治駅を望む

余水路船着場から宇治川へ

お茶体験施設から望む太閤堤と茶畑

余水路 船着場 55


Sai Nakata Murata

川上村 林業

山守のつくる風景としての生業 ∼奈良県川上村における林業集落のたたみ方∼ 56


集落の気候は昼夜の温度差が激しいのでCLTによる室内環境の向上と CLTによるリノベーション事例として展開していく。  集落内に存在するCLT加工場は集落の下部、広場を挟んで3m下がった 敷地にあるので屋根が集落内から象徴的に見えてシンボルとなる。  集落の入り口にある道の駅はCLTのボリュームによる回遊性が存在し、

村広場

木造軸組みとCLTの組み合わせ方の事例ともなる。

1. 宿泊所平面図 1:200

井光神社

井光神社の参道を設定し、そこに沿うように水路が通り生活の中に棚田、と水路の空間が広がる。 毎年10月に行われる祭りの時は広場から神社までの集落の中心の道で行われる。

1

2

4

5

2. 道の駅平面図 1:100

3

3.CLT加工場平面図 1:200 4. 山守塾 1 平面図 1:200

6

5. 山守塾 2 平面図 1:200 6. 東屋平面図 1:200

08. 集落全体断面図 1:600 自然林

林道

棚田養殖、水資源の利用などで山の水に詳しい山守 養殖を日常的にしながら、農作業も携わる。

人工林 吉野高校森林科学科に実際に林道計画や伐採計画に

棚田養殖

加わってもらい、集落で住民との関わりを持つ

練習場

集落の新しい枠組み

農地

山守による山との関わり方が整ってくる。

CLT 木材加工場

東屋

人工林 男

宿泊所断面図 1:150

東屋周辺断面図 1:150

57


01.設計趣旨 川上村 林業

川上村の林業には「山守」という一子相伝の森林管理制度が存在し、 19 世紀初頭から山林管理者との深い信頼関係を柱に林業は支えられていた。 しかし、現在慢性的な人口減少、後継者不足により山守は数を減り、山を実質的に 管理していない状態を作り出している。計画的に残していた人工林と自然の植生の バランスを壊し林業を生業にしてきたこの村にその風景が消えつつある。  川上村が限界集落、またそれに近づく多数の集落を抱えることなく なりわい の風景を色濃く残す方法を考えるため、私たちは山守制度の新しいあり方と生業を 支える集落のかたちを計画し、川上村を林業集落として畳む方法と 山を自然植生に戻し生物多様性を担保する環境を提案する。

川上の杉たちと山守たち

02.対象敷地 奈良県吉野郡川上村

面積:2 9 6 k ㎡  人口:1643人(2015 年)

川上村は奈良県の南部に位置する吉野林業で有名な木材産地である。 この場所から木材を運び製材所で加工している。 現在、川上村の 65 才以上の割合と平均年齢は奈良県内で 1 位となっている。 また、川上村には働き口がないため、若者や就業者の流出が起きている。

concept and site

昼間の村内就業者は 1/3 以上が村外から来ている。 夜間村内に居住している人数     1,643人のうち 232

不詳

昼間は村外

6

昼間も村内

1,405

58

村内に居住している就業者人数      622人のうち 不詳 164 村外で勤務

6

昼間村内で働いている就業者人数      739人のうち 不詳

村内に勤務

452

6

村外居住

281

村内居住

452

紀伊半島の中間部に位置し山を越えると三重になっている


03. 各集落の役割の設定 川上村は日本で見ても高齢化が特に進んでいる地域である、全体の統計においてどの集落でも人口が極端に減少していっている。 その為、村において重要な役割を担ってきた山に植生している木々は必ずと言っていいほど放置されていくだろう。 なので、私たちが提案していくのは川上村をたたみ、今まで村の生活や日本の木造建築を支えてきた豊かな山々を還していく事である。 そこですべての集落を畳んでいくのではなく、季節に合わせた暮らしや祭、観光の要となっている所、景観保全をしていく所など その集落ごとに役割または今後の展開を与えて山を還す部分と人が集まる場所を絞っていく。 それらは村全体の地形として表れてきている川、地形、大きな集落の位置、山の信仰となっている神社やそこで行われる祭、 学校や公共施設の立地、交通網の幅や距離などを考慮していき 6つに分けて機能を分担していく。

・集落の区分

産業は村の経済的中心的存在になる

行政が中心となって管理する地域

自然植生へと戻していく地域

観光地としての地域

人が集まり、祭りなどが行われる

村や団体が保全をしていく地域

集落は 25 存在し、 区分のされ方は流域や尾根谷筋によって決まっている。

59


03

流域構成(吉野川)

川上村 林業 ダム湖 ( 主流 )

・集落大字集約後

分流

行政中心地

道路構成

人口中心地 経済的中心地 自然植生となる地域 村が管理する地域 がある集落 主要道路

観光の拠点地

副道道路 主要道路の反対側 車が通りにくい道

research

現在の集落位置

川上村の入り口、市役所周辺、 柏木周辺などに人口集約していく

60

集落大字位置

の色の部分が大字の位置。 基本ダム湖周辺に分布しており それより離れた集落には農業を続けている住民が多い。

公共施設の把握

レジャー施設 宿泊施設・休憩所 市役所・小中学校・図書館・美術館


吉野川ダム湖

04. 井光、武木集落(敷地選定)  川上村井光は他の集落より 吉野川から遠い距離に位置し、山の中腹の傾斜の緩やかな土地に

白屋

集落は形成されている。井光の山守は2004 年の時点では 4 人であったが年齢は平均的に 74 歳 と高齢で、一次産業就業者は井光8人、武木3人である。

高原

そして60年後、井光、武木集落の人口予想として住人全体が山守であると捉え、その人口は

人知

約40人ほどがこの集落に居住する。これは川上村全体で見てみると少なくはなく周辺での一次

武木

瀬戸

井光

中奥

井戸

産業は規模は大きくないのでその協力体制を考えれば山守の継承はできるのではないか。

下多古

白川渡 枌尾 流域とほとんど面していないのが川上の集落の特徴

現状配置図

現在の井光は耕作放棄地が多く孤立している民家が数戸存在した。

山は様々な樹齢の樹々が育っており、高樹齢の樹々も多い。

現状としてこの集落には農、林、漁業の名残が強く残っている場所 である。しかし、どれもが廃れてきている。  流域から離れ、林道に囲まれ、片斜面にある集落である事によって 山との関係を築きやすく、日が住宅に対してよく当たるので山と付き 合っていく集落として考えていった。

耕作放棄地

農作地

森林のライン

空き地

民家・その他

61


05. 山守の新たな定義① 川上村 林業

今までの山守の仕事

枝打ち

山の掃除

間伐

林道の整備

山守は林業における山の管理体制の役職である。日常的な活動ではあるがほとんどの人が副業としてやっている事が多い。 山守制度は代々親から子への一子相伝の形でしか受け継がれておらず子が都市部に流れて行ってしまう事で受け継ぐことが出来ない。 それによって山守の減少につながっている。

新たな山守の仕事

枝打ち

山の掃除

間伐

林道の整備

加工業

proposal

山守は林業にとって不可欠な存在であったが、その山守のあり方が現在うまく機能していないと考え、 私たちは山守のあり方に注目し、新しい山守のあり方を定義する。聞き込み調査から林業だけで生活をしていくには限界があるとの事。 一子相伝ではない受け継ぐ形として他産業がともに関係し合い、集落に山守塾という新たな機能を集落に配置し、

62

林業集落として経済的活動の拠点地になるようなハードとソフトのかたちを集落に落とし込んでいく。


06. 山守の新たな定義②

継承されるカタチを考える。 教える形はどうなのか

一子相伝の形は継承されにくい

集落が山守を育てるカタチ

山守が日常の欠かせない存在 それぞれの山守は自分の仕事をする為にまた、 林業の山守の所に薪を取りに行く

林業の山守

山の要素は関係し合っている    他の山守の仕事も自然としていく。

水産業の山守

樹を育てるために地形を把握する。

ヤマメを育てるた為に

林道の整備を率先し、木材エネルギーを確保する

水源地の管理や河川の状況を把握。

農の山守は他の山守に野菜をおすそ分け

農業の山守

山の恵を守るために間伐にも関わる。

63


07. 植林、林道計画 川上村 林業

集落の付近は手が付けやすい 人工林が多い。 井光

山頂付近は針葉樹林

山の中腹からブナ・ミズナラ

林道

proposal

武木

64

コナラ

アカマツ

落葉広葉

常緑針葉

人工林

自然林

N

S=1/15000


植林計画ダイアグラム

集落

このルールのもと植林をしていく

人工林 天然林

人工林

人が入りやすい山の中腹より低高度で林業を続ける ブナ、モミ、

常緑針葉樹 ( トウヒ )

1800

1000

ツガ、トガサワラ

落葉広葉樹 ( ミズナラ・ブナ )

谷線 コナラ

常緑広葉樹 ( コナラ・アカマツ )

木材として利用できる樹種を計画 将来、この地から人の手が離れても 自然遷移し自然林としても育っていけるもの。

土砂の流出を防ぐ雨水のコントロール

尾根線 アカマツ

付近に残る天然林 樹木の性質によって育つ環境は違う

地盤が安定している尾根を使い、 斜面を登る林道を計画する。

林道の切土の山側は木の根の長さである。 1400m に抑える。

谷側は丸太やブロックを組み、 朽ちると同時に植物の根が絡まり馴染んでいく。

CLT ( クロス・ラミネーティッド・ティンバー )  ひき板を並べた層を、板の方向が層ごとに直交するように重ねて接着した大判のパネル  寸法安定性の高さ、厚みのある製品であることから高い断熱、遮音、耐火性を持つ。 工場の流れ   ラミナ仕上げ → 等級選別 → 幅はぎ → 仕組み → 寸法決め → 加工 CLT の部材

CLT 建材の例

65


井光集落と産業の再編  ROADMAP―DIAGRAM 川上村 林業

林業の本格化

林業再生の基盤づくり

H A R D W A R E

公民館の改修

集落の空家改修

山守塾や宿泊所は山守を育てるものとして集落に存在する

山守塾のための教室や宿泊所の計画

井氷鹿の里を CLT 工場、

CLT(Cross-Laminated-Timber)

貯木場へと建て替える

伐採開始

現在の井光

井光集落における棚田の風景と 生活水の確保が集落東側から始まる

山守塾で学んだ知識を実技につなげ

林業を実際の技術として身に付ける場

木材加工の製造

加工業までを担う新しい山守の定義が形に見える場

集落のため池と棚田

林業練習場の活用

新たな建築材の需要を獲得することができる

1年

製材時の端材のエネルギー化 薪ストーブ、かまど、お風呂

現在の山守の技術体系化 伐採計画

roadmap

S O F T W A R E

人工林を残し林業を続ける場所と

林道を整備する為に、

自然林に戻していき村をたたんでいく場所を計画する

まず計画地の木を伐採する。

山守塾

集落の仕組み作りに山守が関わって来る 山守としての基礎を作る。

山・集落への関わり方

他の集落の山守 非血縁関係による山守の継承 他集落の山守や林業家の協力

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植林計画

林道計画

吉野高校森林科学科

実際に林道計画や伐採計画 に加わってもらい、 集落で住民との関わりを持つ

山守を継承するカタチと 井光の林業が本格的に機能し始める 1

と同じ

新たな定住者


林業から生まれる他産業の整備

集落の文化、井光ブランドの活用

東屋

物見櫓

農業の生活空間と集落の広場空間が重なる

集落に新しい視点場を創る 祭事にも利用される

農地の再生

棚田養殖によって守られた集落内で 農業が続けられ、それらは生活の一部となる。

棚田養殖が集落全体に広がる

環濠型の養殖により害獣の被害を減らし、 水産業が生活の一部となる。

井光の直営所

農業や山で採れた山菜・きのこを販売し 内に閉じた集落ではなく外部との関わりを 集落の玄関として村の入口付近に計画する。

10 年

5年

20 年

観光客

農業と山の関わり

水産業と山の関わり

第三次産業の形として観光客は 集落のなりわいの風景や四季の風景を 見に来る。一日だけ訪れるのではなく 泊まりがけで観光するかたち。

山の林業による整備と水源地の保護によって 山では豊かな山菜やキノコ類が取れるようになる。

環濠型の養殖をする水の山守が

井光集落全体を守る風景が出来上がる。

集落の新しい枠組み 山守による山との関わり方が整ってくる。 1

と同じ

水の山守

棚田養殖、水資源の利用などで山の水に詳しい山守 養殖を日常的にしながら、農作業も携わる。

井光集落の歴史、風土の継承 林業集落として賑わいを取り戻す

と同じ

第三次産業の活用 観光としての集落の整備

と同じ

農の山守

農業や山菜取りなどをし山の生態系に詳しい山守

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井光集落全体計画図 1:2000

08.井光集落全体計画図 1/2500 川上村 林業 N

集落の気候は昼夜の温度差が激しいのでCLTによる 室内環境の向上とCLTによるリノベーション事例として展開していく。  集落内に存在するCLT加工場は集落の下部、広場を挟んで

plan

3m下がった敷地にあるので屋根が集落内から象徴的に見えてシンボルとなる。  集落の入り口にある道の駅はCLTのボリュームによる回遊性が存在し、 木造軸組みとCLTの組み合わせ方の事例ともなる。

68


09.集落内建築平面図

CLT加工場平面図 1/200

69


川上村 林業 concept and research

N

1. 宿泊所平面図 1:150 2. 道の駅平面図 1:100 3. 山守塾 1 平面図 1:300 4. 東屋平面図 1:300 70

5. 山守塾 2 平面図 1:300

2

1 3

4

5


N 0

N

0 1

10

0 1 N

10

N

0 1

10

10

71


10. 断面図 1/200 川上村 林業 section abd image

東屋周辺断面図 1/200

10

20

10

20

宿泊所断面図 1/200 72


11. 集落内パース

集落の高台にある山守練習所。 反対側の山が還っていくのを見ながら山守は育つ。

三棟の空き家をコンバージョンした宿泊所。 元々ある石垣をCLTを挿入する事で緩やかに繋ぐ。

人々の憩いの広場となる東屋。 村の中心にある道は人々の交流の場となり始める。

両方の山を対比的に見れる物見櫓。 山が人の手から離れていく時を見守る。

73


12. 集落全体断面図 1/700 川上村 林業 集落の新しい枠組み

山守による山との関わり方が整ってくる。

東屋

CLT 木材加工場

人工林

section

0 74

10

50

100


自然林

棚田養殖、水資源の利用などで山の水に詳しい山守 養殖を日常的にしながら、農作業も携わる。

棚田養殖

吉野高校森林科学科に実際に林道計画や伐採計画に 加わってもらい、集落で住民との関わりを持つ

人工林

林道

練習場 農地

養殖

生活道

製材所

林道

集落

訓練所

人工林

75


ミズベリング 世界会議

ミズベリング 世界会議

MIZUBERING

IN OSAKA

World Conference at DOJIMA RIVER FORUM

2015.10.9 (Fri) 11(Sun)

▽ミズベリング世界会議 IN OSAKA は、

水辺日本一の水都大阪を世界へ発信するとともに、国内外の先進的な取り組みを結集することで、 民間活力を呼び込む手法や枠組みを議論し、水辺を活かした「ミズベ経営の実現」をめざしたものです。 2015 年 10 月 9 日から 11 日まで3日間、大阪の堂島フォーラムで開催されました。

3日目の大学連携・学生発表において 関西を中心とした建築、都市系大学の学生達が「水」「アーバンデザイン」「エリアマネジメント」の テーマを共有、様々な対象地を設定し未来のミズベのあり方を提案しました。 関西大学も大学連携として製図 6 の課題を出展しました。

Progrm

[ 第一部 ] 大学連携・学生発表

<参加大学> 大阪工業大学・大阪市立大学・大阪府立大学 関西大学・京都大学・神戸大学・立命館大学

MIZBRING IN OSAKA

[ 第二部 ] オープニング 基調講演 学生発表 2 作品の発表 まとめ [ 第一部 ] 開会挨拶、壇上者紹介 各賞授与 閉会挨拶 76

大阪堂島フォーラム

会場内の看板


展示・設営 ∼ 展示風景 ∼

∼ 設営の様子 ∼

ミズベリング会場

∼ 各班の展示 ∼

林業班

宇治班&工場班

琵琶湖班

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プレゼンテーション

MIZBRING IN OSAKA

ミズベリング 世界会議 78

宇治班(倉本 中山 村上)

工場班(片山 郡司)

琵琶湖班(山口 米崎)

林業班(蔡 中田 村田)


授賞式 近畿地方整備局長賞

つむぐ水際 ー菟道における親水空間の提案ー

宇治班(倉本 村上 中山)

・余水路の治水上の目的を丁寧に読み解いたうえでの斬新な提案が評価

伊藤香織賞

佳作

動きある風景 ー兵庫県西宮市における賑わいを生むスポーツの軸の提案ー

工場班(片山 郡司)

・スポーツから建築や都市計画にアプローチし、新しい可能性を示した点が評価

めぐる水・人・まち ー琵琶湖瀬田川沿いでの内湖の提案ー

琵琶湖班(山口 米崎)

・内湖による水質浄化を流速まで考え、8つの浄化パターンで行った点が評価

79


ミズベリング 世界会議

MIZBRING IN OSAKA

みんなで記念写真

80



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