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龍谷大学 瀬田キャンパス

農学部 教員紹介

Ryukoku University Seta Campus Faculty of Agriculture Research Focus


文系・理系の枠組みを超えて、理論と  人の「いのち」を育むために欠かすことのできない「食」とそれを支え、人びとの豊かな暮らしに貢献する「農」の二つの観点から、 生命・資源・食料・経済に関わる諸問題に対してそれぞれの役割や意義を体系的に結びつけた教育をおこないます。  農作物を基盤とした「食」の「生産」から「栽培」 「収穫」 「加工」 「流通」に至る一連の流れを「食の循環」として捉え、これらを人文・ 社会・自然科学から考察し、トータル・サイエンスとしての農学による持続可能な社会の実現をめざします。

植物生命科学科 農作物の生命の仕組みを学ぶ 学 位 学位:学士(農学)

進路例

農業関連企業・農業関連団体/

農業従事者/化学メーカー・医薬品メーカー/ 食品・飲料メーカー/公務員/技術職 /

教員(中学・高校理科、高校農業)等

最新の科学技術を駆使した 新しい 「知」 の発見

栽培

「食と農の

植物生命科学科では、最新の科学技術を駆使した新しい

「知」 の発見をもとにして基礎研究の裾野を広げます。 学びのテーマ

● 遺伝 ● 環境エネルギーの持続的維持

身に つく力

● 発酵と醸造 ● 植物保護 ● 環境応答 ● バイオテクノロジー

▶理系型・文系型入試を実施

食料農業 システム学科 「食」 や 「農」 を支える地域と経済の仕組みを学ぶ 学 位 学位:学士(農学)

進路例

農業関連企業・農業関連団体/

農業従事者/食品・飲料メーカー/スーパー・流通/ 商社/金融機関/公務員/教員(高校農業)等

理系と文系、 両方あっておもしろい 食料農業システム学科では、 「食」、 「農」、 「環境」 に関する社会問題

や経済問題について学び、 その解決に貢献する人材を育てます。 学びのテーマ

● 飢餓と飽食 ● 格差と貧困 ● 環境問題 ● 農村社会 ● 食とビジネス ● 食の安心安全 ● 食文化

▶理系型・文系型入試を実施

01

「食」 や 「農」 に関

流通

現実問題に取り組む際に、 社会的正義という


実践をつないだ学びが広がる。 資源生物科学科 農作物を育てる技術を学ぶ 学 位 学位:学士(農学)

進路例

農 業 関 連 企 業・農 業 関 連 団 体 /

農業従事者/化学メーカー・医薬品メーカー/

食品・飲料メーカー/公務員/技術職/

教員 (中学・高校理科、高校農業)等

倫理」教育

収穫

環境に配慮した 作物の栽培技術と倫理 土壌・作物・収穫物などの管理技術や高度な分

析技術、確固たる倫理観を持つ人材を育成し

ます。

学びのテーマ

● 持続可能な作物生産  ● イネ遺伝資源の活用

● 土壌と微生物と作物の関係

・課 題 の 本 質 を 見極める力

▶理系型・文系型入試を実施

・ 「 食 」や「 農 」の 全 体 的・総 合 的 課題をつかむ力

食品栄養学科

・課題解決力

栄養と人の健康を学ぶ

するさまざまな 仏教の思想や倫理観、 観点で学びます。

加工

学 位 学位:学士(農学)

進路例

管理栄養士(公務員・病院・学校・ 保健所・福祉施設等)※/

化学メーカー・医薬品メーカー/ 食品・飲料メーカー/技術職/ 栄養教諭 等

※在学中に管理栄養士国家試験の  受験資格を取得できます。

食べ物の生産から 流通までを理解した 管理栄養士の育成 学びのテーマ

● 健康のための栄養と運動  ● 食の科学

▶理系型入試のみ実施

02


植物生命科学科 Department of Plant Life Science

「食」の基本となる農作物の生命の仕組みを学ぶ。  本学科では、農業の基礎となる農作物の生育や変異の仕組み、すなわち、植物の生理現象や変異と進化、その生 育における外的要因の影響を総合的に理解するために、植物生理学や遺伝学をはじめとする、植物を中心とした生 命科学領域を学びます。また、実験・実習を通じて実際の植物の生理や遺伝現象の観察を行います。さらに、講義 と実験・実習で身につけた知識と技術を活用して、自ら学び研究する演習や卒業研究を行います。

研究分野マッピング 新しい品種を開発する 遠藤 隆 教授

永野 惇 講師

コムギの染色体操作

浅水 恵理香 准教授 植物寄生性線虫と 宿主植物のゲノム 多型解析と応用

DNA

山形 裕士 教授

遺伝子発現調節機構・ 酵素の機能解析

岡田 清孝 教授

植物遺伝子の機能解析

野外における 遺伝子発現予測

中村 千春 教授

核細胞質相互 作用の育種利用

島 純 教授

微生物の 機能解析と応用

染色体・オルガネラ

細胞

作物

農場

奥野 哲郎 教授 植物ウイルスと 病原微生物の 増殖機構

古本 強 教授

植物の温度・ 光環境応答

塩尻 かおり 講師 植物と昆虫の 相互作用

作物の不思議を探る 倫理科目担当:杉岡 孝紀 教授 英語科目担当:垣口 由香 准教授

03


学びのポイントは? 植物の力を科学的に理解できる。

農作物の生育や遺伝の原理を学ぶことができる。

農作物を育成するための最先端の科学技術を知ることができる。 新しい品種の開発について学ぶことができる。

CURRICULUM 1 年生

2 年生

1セメスター

2セメスター

3 年生

3セメスター

4セメスター

5セメスター

4 年生

6セメスター

7 セメスター

8 セメスター

<教養教育科目>(仏教の思想・英語・教養科目) ●

農学概論 ●

食の循環実習Ⅰ

食の循環実習Ⅱ

農学基礎実験B

農学基礎実験A

食と農の倫理 ●

基礎化学実習

植物生命科学実習A

基礎生物学実習

植物生命科学実習B

<食品科学・社会科学の基礎を学ぶ科目> 食の文化論、食と嗜好の科学、食品の安全と法律、身体のしくみと栄養、調理のサイエンス アジア・アフリカの食料と農業、日本の歴史と農業、会社と農家のしくみ、事例に学ぶ食品マーケティング 等

● ● ●

植物生理・生化学Ⅰ 虫と農業 作物学Ⅰ

● ● ● ●

微生物学Ⅰ 植物病理学Ⅰ 昆虫学Ⅰ 植物分子生物学

生物制御学 植物栄養学Ⅰ

植物ゲノム情報学Ⅰ

微生物学Ⅱ 植物病理学Ⅱ

● ●

植物生理・生化学Ⅱ 昆虫学Ⅱ

植物ゲノム情報学Ⅱ 植物分子育種学 分子遺伝学

植物遺伝学

水産学概論 農業気象学

特別研究

植物生理・生化学に関する科目

植物遺伝学に関する科目 ● ●

遺伝学基礎 植物育種学

● ●

生物統計学 植物資源学Ⅰ

● ●

農業全般を知る科目 ● ● ● ●

大学の学びとキャリア

入門ゼミ

森林生態学 農業環境工学 キャンパスの植物 飢饉・救荒論

● ● ●

畜産学概論 土壌学Ⅰ 雑草学Ⅰ

農学部インターンシップA

キャリア形成論

農学部インターンシップB

海外農業体験実習

基礎演習Ⅰ

基礎演習Ⅱ

総合演習Ⅰ

総合演習Ⅱ

総合演習Ⅲ

04


エンドウ タカシ

遠藤 隆

植 物 生 命 科 学 科 教授 農学博士 ■学歴 京都大・院・農学 ■専門 遺伝育種科学

資 源 生 物 科 学 科

■その他 日本遺伝学会会長

染色体を切り刻んでパンコムギの新しい品種を作る  コムギは、イネ、トウモロコシと並ぶ世界三大穀物の一つです。 コムギには幾つかの種類がありますが、 「パン」や「うどん」の原料 になるのをパンコムギ、 「パスタ」原料になるのをマカロニコムギ と言います。パンコムギと野生種を交配して野生種の染色体をパ ンコムギに入れることができます。不思議なことに、ある野生種 の染色体をパンコムギに導入すると、それ自身を含まない配偶子 だけで染色体が切断されるようになります(図1を見てください)。 私は、この野生種染色体を使って、パンコムギの染色体が少しず つ欠失している実験系統(染色体欠失系統と言います)を沢山 作ってきました。  ところで、最近、小麦アレルギーの人が増えています。小麦アレ ルギーの原因(アレルゲン)はいろいろありますが、主要なアレル ゲンはω-5グリアジンです。私が作った染色体欠失系統の中に は、このω-5グリアジン遺伝子が乗っている染色体の末端が欠失 しているものがあります(図2を見てください)。しかし、この系統 は全く実用的ではありません。龍谷大学農学部では、この系統に 日本や世界の実用品種を交配してω-5グリアジンの無い低アレ ルゲン化パンコムギ品種を作る研究をしています。近い将来、小 麦アレルギーの人も小麦食品を心配なく食べられる日が来ること を期待しています。

図1. パンコムギは42本の染色体を持っています。 パンコム ギに野生種の染色体が1本導入されると、配偶子にはパン コムギの21本の染色体だけを持つ配偶子とパンコムギの 染色体に加えて余分の野生種染色体をもつものができま す。不思議なことに、パンコムギの染色体だけを持つ配偶 子に染色体の切断が起こります。

図2.囲みは正常な1B染色体。矢印はアレルゲン遺伝子の ある部分が欠失した1B染色体。

【可能な共同研究分野】小麦アレルギーになり難いパンコムギ品種・食品の開発

シマ ジュン

島 純

食 品 栄 養 学 科 教授 博士(農学)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 東北大・院・農学 ■専門 応用微生物学

小さな生物の力を食品や有用物質の製造に役立てる  微生物は肉眼では見えない微少な生物です。病原菌や食中毒 菌のように、わたしたちの健康に害を及ぼす微生物もいますが、わ たしたちの生活を支えてくれる微生物もいます。パン、ヨーグル ト、お酒、味噌・醤油等は、微生物の力を活用して製造される発酵 食品です。わが国は発酵大国とも呼ばれるように、伝統的に高度 な発酵技術を育ててきました。これらの発酵技術を研究して、発 酵食品をより美味しくし、健康にも良いものにしていきたいと思い ます。そのために、京滋地域に住み着いている微生物を多数収集 して、その能力を明らかにしていきます。  また、生態系の中では、微生物は分解者に位置づけられます。 食品廃棄物等に含まれる有機物を分解するプロセスでも、微生 物の力を有効に利用することで、化成品やバイオ燃料などの有用 物質を生産することができると考えています。このような研究は、 地球温暖化等の環境問題の解決に役立ちします。このように、私 は、微生物の力を上手に引き出して、発効食品製造の効率化と食 品廃棄物等の利用の両面から、人間や環境の役立つ研究をした いと考えています。このような研究を介して、食の循環をより健全 していくことが研究の目標です。

【可能な共同研究分野】発酵食品の製造、食品廃棄物の有効利用など

05

パン作りを支えるパン酵母


スギオカ タカノリ

杉岡 孝紀

■学歴 龍谷大・院・文学

植 物 生 命 科 学 科

教授 博士(文学)

親鸞の仏教思想の現代的な解釈  私の専門領域は「真宗学(しんしゅうがく)」と言います。真宗学は、学問・研究の世界では大きく「哲学・思 想」に分類されます。哲学・思想といっても西洋と東洋のものとがありますが、真宗学は「親鸞の仏教思想」を 研究する学問をいいます。2500年前にインドで誕生したブッダ(B.C.463-383)の教え(仏教)は、中国・チ ベット、そして日本とアジア各地に広がり、さらに今日では欧米にまで伝わっています。その伝播の過程で、仏 教は各地域の在来の文化や宗教・思想を寛容的な態度をもって融合しながら、その場所に特徴的な思想を創 りあげてきました。私の専門はこの仏教思想の中でも、特に龍谷大学の基盤となった浄土真宗の開祖、親鸞 (1173-1262)の仏教思想を研究するものです。親鸞の思想は現代では歴史学・哲学・心理学などさまざまな 領域からも研究が進み、国の内外において数多くの業績が積み上げられています。私はそうした学問からの 研究成果を踏まえつつ、仏教思想の現代的な意義を探究しています。そして現代の私たちが直面する諸課 題、食と環境、人権・差別、生命倫理などの倫理的課題を西洋の論理とは異なる東洋の智慧である仏教の立 場から考え、さらに社会的実践のあり方を模索しています。

フル モト ツヨシ

古本 強

■専門 植物分子・生理科学

 光合成は高校生物の教科書には必ず記載されるほどよく理解 された研究分野です。一方で、わかっているつもりになっているだ けで実は全く分かっていないこともあります。 たとえば、光合成 には、 「光」 ・ 「水」 ・ 「二酸化炭素」が必要ですが、これらはいつも潤 沢にあるわけではありません。雨が降らなければ、水不足なり、乾 燥しすぎれば気孔を閉じるので二酸化炭素不足になります。太陽 光は、雲などの影響でランダムに変動します。こうした環境変動に 対して、植物は「耐える」能力(適応する能力)を発達させています。  私は、これらの環境変動のなかでも、雲の影響について研究し ています。とくに、光の要求性が異なるC3植物とC4植物(図1) の光合成の特徴を比較しながら、実験を進めています。C4光合 成は、高校の生物では「発展」で触れる程度でしょうが、ひどい被害を出す世界 の雑草ベスト10のうちのトップ8つまでがこのC4光合成を行うなど、農業上問 題になる性質です。C4植物では、弱い光から強い光に変化すると、60秒以内に 光量に応じた光合成活性を示します。この「わずか60秒の間に適切に代謝を 調節するメカニズム」について、ほとんどわかっていません。この急に変わる光 量に対して植物がどのように応答しようとしているのかを調べるなかで、スイッ チのように働く新しいタンパク質をみつけました。このタンパク質が壊れている と、適切な活性にまで活性を上昇させられないことがわかりました(図2)。  今は、このスイッチタンパク質の作動する機構を調べています。

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・農学

絶えず変化する太陽光に応答して光合成活性を調節する仕組み

食 品 栄 養 学 科

教授 博士(農学)

資 源 生 物 科 学 科

■専門 印度 哲 学、日本仏 教、親 鸞思想(真宗学)

【可能な共同研究分野】タンパク質相互作用 代謝調節 光合成活性測定

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オカダ キヨタカ

岡田 清孝 植 物 生 命 科 学 科 教授 理学博士 ■学歴 京都大・院・理学

資 源 生 物 科 学 科

■専門 植物分子生物学・分子遺 伝学 ■その他 平成21年(2009年)9月 日 本 植 物 学 会・学 術 賞 「シロイヌナズナを用い た植 物 分 子 遺伝 学 の展 開」/平成 2 2年(2010 年)3月 日本植物生理学 会・学 会 賞「シロイヌナ ズナを用いた植物器官発 生機構の解析」/平成26 年(2014年)9月 日本植 物学会・大賞「植物科学 に対する貢献」

ナカムラ チハ ル

中村 千春 食 品 栄 養 学 科 教授 Ph.D. Agronomy(農学)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

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■学歴 コロラド州立大(米国) ・ 院・農学 ■専門 植物遺伝育種学 ■その他 井植文化賞(科学技術部 門) ( 2005年)、ブルガリ ア農学アカデミー名誉博 士(20 09年)、ノルテ大 学(アスンシオン、パラグ アイ )名 誉 教 授( 2 0 11 年)、神戸大 学 名誉 教 授 (2013年)、兵 庫県 科学 賞( 2 0 14 年 )、J o i n t G e n o m i c C e n t e r, Sofia University( ブル ガリア)名誉評議員など。

植物の遺伝子変化から農作物や樹木の品種改良について考える  私たちが普段食べている様々な農作物は、人類が長い歴史の中で、育て がたく収量の少ない祖先種の中から偶然の遺伝子変異により味や収量な どが良くなったものを選んできた、長い営みの結果です。しかし、現在私達 が直面している地球規模の環境問題、エネルギー問題、食糧問題に対応す るためには、さらに農作物や樹木の品種改良や栽培技術の開発を進める ことが必要です。バイオエネルギーやバイオマスの資源として大量に栽培 が可能で、かつ環境破壊を最小限に抑えるための植物の品種開発や栽培 法の改良が求められています。これらの要請に答えて有効な解決策を見い だすためには、これまでのように偶然の変異を待つだけでは不十分で、植 物科学の成果を用いた研究を迅速に進める必要があります。果実や種子 を実らせる、色や味、香り、アクなど動物にはない物質を作り出す、光の種 類や重力の方向を感じ取って成長のパターンを変える、虫や病害菌に対し て抵抗するなど、植物が持つさまざまな能力はいずれも遺伝子の働きで す。龍谷大学の農学部で学ぶ諸君は、植物と遺伝子のかかわりを学んでほ しい、国際的な視野を広げる中で、遺伝子組み換えなどの問題についても 正しい知識と多様な意見に接して、自分の頭で考え自分の意見を持ってほ しいと願っています。

シロイヌナズナ野生型の花

弁が折れ曲がる突然変異体の花

【可能な共同研究分野】バイオテクノロジーを用いた品種改良

核細胞質相互作用を育種利用する  冠水ストレスは乾燥ストレスとともに世界の穀物生産にとって 深刻な脅威です。研究の目標は、世界三大穀物の一つとして私た ちの食生活を支えているパンコムギを対象に、冠水ストレスに強 く水田転換畑での作付けに適した品種育成の可能性を探ること です。  植物の細胞中にあって光合成の場として働く葉緑体と呼吸を 担うミトコンドリアはどちらも細胞内共生というプロセスを経て 真核細胞の祖先細胞中で核と共に進化してきました。独自のゲノ ムを持つこれら2つの細胞質オルガネラは核との密接な依存関係 を保ちつつ、様々な情報のやりとりを通じて植物体の恒常性維持 に大切な役割を果たしています。  核ゲノムと細胞質ゲノムの対話(クロストーク)がどのような仕 組みを通じて冠水ストレスに対する感受性レベルを決めているの かを解析するための格好な実験系がパンコムギには存在します。 パンコムギの細胞質ゲノムを多様な近縁野生種のそれで置き換 えた核細胞質雑種と呼ばれる貴重な遺伝コレクションです。  具体的には、核細胞質雑種コレクションを活用して、細胞質の 遺伝的多様性や核細胞質ゲノム間クロストークを遺伝子発現の 面から解析し、関与遺伝子群を明らかにしたいと思っています。

【可能な共同研究分野】植物育種 (パンコムギ胚乳タンパク質組成)


アサミズ エリカ

浅水 恵理香

■学歴 筑波大・院・生物科学

カキグ チ ユカ

垣口 由香

■専門 英米・英語圏文学

アングロ・アイリッシュの 「場所」 アングロ・アイリッシュとは?  アングロ・アイリッシュとはアイルランドに移住したイギリス系 移民の子孫のことを言います。彼らはアイルランドにおいて少数 派であるにもかかわらず、長年にわたって政治的・経済的に優位 な特権階級でした。また、信仰するキリスト教の教派も生粋のアイ リッシュとは異なり、この違いがたびたび大きな衝突を引き起こ しました。そのため、アングロ・アイリッシュのアイデンティティ形 成は複雑で困難なものとなり、彼らはどこか根無し草的で、常に 行/生き場のない感覚を持っています。そんなアングロ・アイリッ シュを代表する20世紀の作家、サミュエル・ベケットとエリザベ ス・ボウエンの「場所」について研究しています。 20世紀という時代  どこにも行/生き場のない感覚、場所に上手く適合できない感 覚は、20世紀の時代感覚でもありました。過去に例を見ない科学 技術の発展により世界は小さくなり、人の場所との関わり方は大 きく変わります。また、20世紀は戦争の時代でもあり、二度の世 界大戦は西欧世界が築き上げてきた文明への信頼を打ち砕き、 人間の生きている場所を粉々に破壊しました。文字通り、人は行/ 生き場をなくしたのです。 「場所」の意味を問い直すことで、20世 紀、さらにはその結果としての現在とはどういう時代なのかを考 えています。

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 大阪大・院・文学

トマトとトマトの根に寄生したネコブセンチュウ (赤い色素で染色した)

食 品 栄 養 学 科

准教授 博士(文学)

資 源 生 物 科 学 科

■専門 遺伝育種科学

 ネコブセンチュウは宿主となる植物の根に寄生し、コブを形成 して定着し、そこで産卵して一生を終えます。草木を問わずあらゆ る植物に感染でき、熱帯から寒帯まで広く分布することから、世 界的に農作物に甚大な被害を与えています。農業の現場でネコブ センチュウを安全に制御する方法の確立が重要ですが、そのため にはネコブセンチュウがどのように宿主植物への感染に成功して いるのか、そのメカニズムを知ることが重要です。  植物は、根において土壌中の微生物と共生するシステムをもっ ています。例えば糸状菌であるアーバスキュラー菌根菌は、陸上 植物の多くに共生することができます。また、土壌細菌である根 粒菌は、マメ科植物に共生します。このような共生関係は、植物の 成長に必要な窒素やリンを供給するかわりに、宿主植物から光合 成産物などの炭素源を得る相利的関係です。一方でネコブセン チュウは、宿主植物から養分を搾取するだけの片利的関係を築き ます。植物は、病原微生物から身を守るシステムを持っています。 ネコブセンチュウが感染を成功させるためには、この防御応答シ ステムを抑えるメカニズムを持っていると推測できます。  私は、ネコブセンチュウが持っている「植物をだまして侵入する メカニズム」の解析を進めています。将来的にはそれを応用して、 農業の現場で線虫被害を安全に制御する方法を開発できると考 えています。

植 物 生 命 科 学 科

准教授 博士(生命科学) (東北大 学)

寄生性線虫が植物をだますメカニズム

ダブリン東部の丘から望む風景

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シオジリ カオリ

塩 尻 かおり 植 物 生 命 科 学 科 講師 博士(農学) ■学歴 京都大・院・農学

資 源 生 物 科 学 科

■専門 生態・環境、植物保護学、 昆虫科学 ■その他 日本農学進歩賞・日本応 用動物昆虫学会奨励賞・ 日本生態学会宮地賞・守 田科学奨励賞・京都大学 ちばな賞

植物と昆虫の匂いコミュニケーション 植物と昆虫の匂いコミュニケーション  植物は動けない、声が出せない代わりに、匂いを巧みに操って 身を守ります。その一つに、植物は虫に食べられると、その虫をた べる天敵を呼び寄せて、その虫を撃退します。どのようにして、植 物は天敵を呼び寄せるのでしょう?それは、虫に食べられたときに 匂いを放出するのです。これは、天敵にとってもその匂いを手掛 かりにすることで、餌や寄主となる虫を容易に見つけることができ るのです。つまり、植物と天敵昆虫とが、匂いでコミュニケーショ ンしているのです。 植物同士のコミュニケーション  実は植物同士も匂いでコミュニケーションすることができま す。虫に食べられた植物が出す匂いを健全な植物が受容すると、 虫に対する防衛反応が引きおこります。そして虫からの被害を受 けにくくなります。つまり、植物たちはお互い、匂いによってコミュ ニケーションをとっているのです。 匂いをつかった害虫防除  植物が出す匂いを利用すれば、害虫の天敵を誘引したり、匂い で作物の害虫に対する抵抗性を高めたりすることができるでしょ う。私は、このような植物の匂いをつかって、農薬をできるだけ使 わない農業や、発展途上国で収穫量を増やす技術を開発するこ とができると考えています。

アオムシコマユバチ (寄生蜂)がモンシロチョウの幼虫に寄 生しているシーン。 アオムシコマユバチは植物が虫に食べ られたときに出す匂いに誘引されてやってきます。 隣の植物から情報を得る

虫が近くにいる!! 早く備えなきゃ!

隣の植物からでた匂いを受容して、防衛を開始しはじめます。

【可能な共同研究分野】作物の免疫力をたかめる技術開発

ナガノ アツシ

永野 惇 食 品 栄 養 学 科 講師 博士(理学)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・理学 ■専門 植物分子生物学、情報生 物学 ■その他 著書: 「Photobook 植 物 細 胞 の 知られざる世 界」 「 ゲノム が 拓く 生 態 学」など。平成26年 科学 技 術 分 野 の文 部 科 学 大 臣表彰 若手科学者賞 受 賞

野外における生物の振る舞いを理解し、予測し、制御する  生物が実際に生きている農地や自然生息地などの実 環境では、環境が非常に複雑に変動します。このように 複雑に変動する環境下での生物の応答は、その取り扱 いにくさからこれまで分子生物学では扱われてきませ んでした。しかしながら、生物の真の姿を知り、応用する ためには、実環境下での振る舞いの理解が不可欠で す。そこで我々は主に植物を材料に、実環境で何が起 こっているのかを理解し、予測し、制御することを目指 しています。そのために、独自に多検体化した網羅的計 測手法(主としてゲノミクス、トランスクリプトミクス)、 先端的の情報科学的手法、気象データとの統合解析、 3Dプリンタのようなパーソナルファブリケーションな ど、様々な技術を駆使して取り組んでいます。  もうひとつのテーマとして、驚異的なまでに多様な生 物の姿の解明に、我々の技術を役立てることがありま す。例えば、独自に開発したウイルスの網羅的検出手法を用いて、野生植物内の植物ウイルスの探索を行って います。これまでに、農作物に深刻な被害を与えるウイルスが、野生植物では病気を起こさず植物と共存して いることなどを明らかにしました。また、農作物はもちろん、野生植物や魚類、昆虫、真菌類(キノコ・カビ)に いたるまで、様々な分野の100人以上の専門家との共同研究を通じて、この脅威の多様性の解明に取り組ん でいます。 【可能な共同研究分野】農作物などのゲノム解析、遺伝子発現解析、 これらに関連するデータ解析

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オクノ テツロウ

奥野 哲郎

■学歴 京都大・院・農学

■その他 日本植物病理学会賞 (H20年)

レッドクローバーネクロティックモザイクウイルス粒子とタ バコモザイクウイルス粒子の電子顕微鏡

資 源 生 物 科 学 科

■専門 植物保護科学(植物病理 学、植物ウイルス学)

 ウイルスは地球上のあらゆる生物に存在し、農作物の重要病原 体の一つでもあります。一方、ウイルスは生物進化で重要な役割 を果たしているということも知られています。それでは、ウイルス とは何者なのでしょうか?生物でしょうか、無生物でしょうか?生 物と呼ばれるには、少なくとも、境界膜に囲まれている、境界膜の 内と外で物質やエネルギー交換をして自己を維持する機能を持っ ている、複製して子孫を作れる、ただし、突然変異が可能で親とは 少しは違う子孫を作れるなどの要素を満たす必要があります。一 方、ウイルスは自分に適した生きた細胞では複製して、子孫を残す ことができますが、細胞の外では核酸とタンパク質からなる単な る物質です。定義に従えば、ウイルスは生物とはいえません。ウイ ルスがどのように植物細胞の中で複製して子孫を残すのかを研究 しています。ウイルスは、自身が情報として持つ少数のタンパク質 を用いて細胞タンパク質を自由自在に操り、細胞を自分に都合の よいように改変して増殖しますが、同時に細胞のホメオスタシスを 可能な限り乱さないように努力し、進化してきた生命分子と考え られます。ウイルスが生き残るためには宿主との共存が不可欠で す。人類も平和共存を望むならウイルスから学ぶことも多いかも しれません。

植 物 生 命 科 学 科

教授 農学博士

ウイルスから生命を考える

ジェミニウイルスに感染したヒヨドリバナのモザイク葉の写真

【可能な共同研究分野】農薬開発

ヤマガタ ヒロシ

山形 裕士

■専門 応用生物化学、植物分子 生物学 ■その他 神戸大学名誉教授

バイオテクノロジーへの応用  これらの複雑なメカニズムを解明できればバイオテクノロジー に応用できます。例えば果実に医薬品ペプチドなど有用なタンパ ク質を生産させたり、食べて効くワクチンを蓄積させ食べるだけ で疾病を予防できるトマトを作り出すことも夢ではありません。

実験材料のミニトマト (マイクロトム)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・農学

植物遺伝子のスイッチ機構を探る  植物の遺伝子が働く時期や場所はどのようにして決まっている のでしょうか?植物のタンパク質や酵素には多くの種類がありま すが、それぞれのタンパク質・酵素は特定の時期に特定の器官・ 組織・細胞で作られ働いています。このときおもに植物ホルモン の指令を受けてそれぞれのタンパク質の遺伝子のスイッチがオン になりオフになったりします。一方、光合成に必要な多くのタンパ ク質は植物が光を受けて初めて作られます。乾燥や高塩濃度に曝 されるとそれらに対抗するタンパク質が作られ、病原菌の感染や 昆虫や鳥による食害など様々なストレスに出会ったときは防御タ ンパク質などが合成されます。このようなことができるのは植物 が環境の変化を感じて遺伝子のスイッチをオンオフする高度な仕 組みを持っているからです。私は果実だけで発現するメロンの遺 伝子や紫外線によって発現が強く誘導されるダイズの遺伝子に ついてスイッチ機構を調べています。

食 品 栄 養 学 科

教授 博士(農学)

植物遺伝子のスイッチ機構を探る

光合成を行う緑色のダイズ培養細胞

【可能な共同研究分野】有用タンパク質を発現・蓄積する果実の開発、光独立栄養培養細胞を用いる物質生産

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資源生物科学科 Department of Bioresource Science

「食」の基本となる、農作物を育てる技術を学ぶ。  本学科では、 「食の安全・安心」を支える農作物の生産、すなわち品種育成や作物多様性、土壌などの栽培環境の 保全、農薬や科学肥料などが環境に与える影響などを実証的かつ総合的に理解するために、育種学や作物学をは じめとする、農業に直結する自然科学領域を中心に学びます。また、実験・実習を通じて実際の植物の育成や栽培 を行います。さらに、講義と実験・実習で身につけた知識と技術を活用して、自ら学び研究する演習や卒業研究を行 います。

研究分野マッピング 収量や品質を上げる ウェンダコーン S.K. 講師 果実の香気と 品質向上

佐藤 茂 教授

野菜や切花の 品質向上

植野 洋志 教授

岩堀 英晶 教授 植物保護・ 線虫対策

タンパク質の 機能解明と活用

分子・細胞

畑 信吾 教授

植物微生物共生の 機構解明と利用

樋口 博也 教授 植物保護・ 害虫対策

森泉 美穂子 准教授

大門 弘幸 教授

土壌成分・ 分析と改良

作物

持続的作付体系

農場

人間・環境

米森 敬三 教授 カキの育種と 品質向上

猪谷 富雄 教授

イネの育種素材 収集と開発

三浦 励一 准教授 雑草と農業活動

玉井 鉄宗 助教 植物栄養学と 仏教

環境に優しい農業 教職課程担当:多賀 優 准教授 英語科目担当:佐々木 郁子 講師

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学びのポイントは? 科学に基づく実践的な農業技術を学ぶことができる。

農作物が最大限に生産力を発揮できる環境をつくることができる。

持続可能な農業を支えるバランス感覚を養うことができる。 農業、環境、健康等の広い視野で農学を学ぶことができる。

CURRICULUM 1 年生

1セメスター

2 年生

2セメスター

3セメスター

3 年生

4セメスター

5セメスター

4 年生

7 セメスター

6セメスター

8 セメスター

<教養教育科目>(仏教の思想・英語・教養科目)

食の循環実習Ⅰ ・Ⅱ 作物生産の基礎科学を学ぶ科目 ● ● ● ●

作物学Ⅰ 植物育種学 植物生理・生化学Ⅰ 遺伝学基礎

● ●

植物資源学Ⅰ 生物統計学

● ●

土壌学Ⅰ 植物栄養学Ⅰ

● ● ●

食と農の倫理

農学概論

植物栄養学Ⅱ 植物資源学Ⅱ 植物分子育種学

発酵醸造学Ⅱ 果樹園芸学Ⅱ 雑草学Ⅱ

作物学Ⅱ 土壌学Ⅱ

作物生産・利用の実践科学を学ぶ科目 ●

虫と農業

● ● ● ● ●

花き野菜園芸学Ⅰ 発酵醸造学Ⅰ 収穫後生理学 線虫学Ⅰ 植物病理学Ⅰ

畜産学概論

● ● ●

● ●

花き野菜園芸学Ⅱ 応用昆虫学 線虫学Ⅱ

特別研究

果樹園芸学Ⅰ 生物制御学 雑草学Ⅰ

農業全般を知る科目 ● ● ● ●

森林生態学 農業環境工学 キャンパスの植物 飢饉・救荒論

● ●

水産学概論 農業気象学

食品科学・社会科学の基礎を学ぶ科目 食の文化論、食と嗜好の科学、食品の安全と法律、身体のしくみと栄養、調理のサイエンス アジア・アフリカの食料と農業、日本の歴史と農業、会社と農家のしくみ、事例に学ぶ食品マーケティング 等

実験手技を身につける科目 ●

農学基礎実験A

農学基礎実験B

基礎化学実習 基礎生物学実習

資源生物科学実習A 資源生物科学実習B

基礎演習Ⅰ

基礎演習Ⅱ

キャリア形成論 海外農業体験実習

学問理解を深め、発展させる科目(少人数教育) ●

入門ゼミ

総合演習Ⅰ

総合演習Ⅱ

総合演習Ⅲ

キャリア形成に関する科目 ●

大学の学びとキャリア

● ●

農学部インターンシップA 農学部インターンシップB

緑=必修・履修必修科目

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イワホリ ヒデアキ

岩堀 英晶 植 物 生 命 科 学 科 教授 博士(農学) ■学歴 京都大・院・農学

資 源 生 物 科 学 科

■専門 植物保護科学、生物多様 性・分類

線虫とは?-農業との関わりと生き物としての面白さ-  農業において線虫は一般に悪者(有害線虫)として知られ、多く の作物を加害し、栄養分を横取りすることによって減収させたり 枯らしたりするなど、様々な被害を及ぼします。私は土壌中の有害 線虫、特に植物寄生性線虫による被害や加害様態、および防除 法を中心に研究しています。どのような種類の線虫がどの作物を 加害するのか、そしてその防除対策にはどんな方法があるのかを 調査しています。近年はウリ科やナス科野菜の線虫抵抗性素材 の探索、また、日本の植物防疫上注意すべき国内未発生有害線 虫の簡易検出・同定技術法の研究、およびこれらのデータベース の構築を行っています。  一方で、線虫はきわめて多様で、地球上の様々な環境に適応し て生きています。実は私たちにとても身近な生き物で、その多くは 人間に害をもたらさない存在です。その形態や寄生や生残戦略、 土壌環境における役わりについて学びます。また、人間にとって 有用な線虫や、モデル生物としての線虫について学びます。 線虫はとても小さい生き物ですが、そんな小さな体に神経や消化 管や生殖腺、そしてはるか祖先から受け継がれてきたDNAが収 められています。線虫の種類ごとにその生きざまは異なり、知れば 知るほど興味が尽きません。小さな線虫の体には大きな不思議と ロマンがいっぱい詰まっているのです。

線虫(体長は0.4mmほど)

線虫の被害を受けたニンジン

【可能な共同研究分野】線虫抵抗性育種作物や線虫増殖抑制素材の選抜

ウエノ ヒロシ

植野 洋志 食 品 栄 養 学 科

まともな研究:タンパク質の形は仕事をしやすいように作られている。その秘密を眺めてみよう。  どの部分がどのような働きに参加しているのか、ポケットがたくさんあるんだが、ポケットの役割はなんだ ろう?使う技術は、遺伝子工学、アミノ酸分析、質量分析、表面プラズモン共鳴、各種クロマトグラフィ、結晶 構造解析、コンピューターグラフィクスなど。

教授 Ph . D. B io ch e mist r y (博士(生化学))

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

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タンパク質って何をしているの?

ひねくれた研究:タンパク質をだませないか?  だますことで、薬の開発につながる.味(甘味や塩味)を変えてしまう(低カロリーの甘味料の開発やおい しい減塩食品の開発)。動物の本能を逆手にとって、動物の嫌がるようにする(カラスやシカの忌避剤)。

■学歴 アイオワ州立大学(米国) ・ 院・生化学 ■専門 生化学・応用微生物学 ■その他 ロックフェラー大学助教 授・大 阪 医 科 大 学 助 教 授・京都大学農学部助教 授・奈 良 女 子 大 学 教 授 (附属中等教育学校長併 任)を経て現職。Woods Hole MBL夏期研究員、 ニューヨーク心臓協会奨 励賞受賞、日本農芸化学 会研究企画賞受賞、日本 生物高分子学会会長

ヒスタミン合成酵素の結晶構造解析から得られた活性中心のアミノ酸残基と ビタミンB6補酵素と基質複合体形成の図

遺伝子改変マウスの有郭乳頭の蛍光顕微鏡写真。緑色に光っている部分は、 緑色蛍光タンパク質が発現している。緑色蛍光タンパク質は、GABA合成酵素 が発現する部分に発現するように遺伝的に操作してある。

【可能な共同研究分野】おいしさを保つ減塩食品の開発、低カロリー甘味料の開発、動物の忌避剤の開発


ダイモン ヒロユ キ

大門 弘幸

■学歴 大阪府立大・院・農学 ■専門 作物生産科学

 地球温暖化、干ばつ、洪水、塩類集積など様々な環境ストレス の増大により、今、世界では食糧の安定供給が厳しい状況になっ ています。私たちはそれに対して何ができるでしょうか。私は環境 への負荷を抑えて、化石エネルギーの投入量を少なくした持続的 な作物生産体系の確立を目指し、その基盤となる様々な植物の 特性を明らかにし、それを実際の農業に利用するといった視点で 研究に取り組んでいます。例えば、アズキやラッカセイといったマ メ科植物と根粒菌の共生窒素固定の研究もその一つです。熱帯、 亜熱帯地域の粗放的な農業におけるマメ科作物の栽培は、これ らの地域における農業生産の根幹をなし、一方、日本をはじめと する集約的な農業においても、省資源、環境保全の側面から、マ メ科作物の効率的な導入を検討する必要があります。そのため に、レンゲやクローバのような肥料となる「緑肥」作物の研究や、 穀類とマメ類をともに栽培する「混作」や「輪作」の研究などを進 めています。農作物は1個体で育っているのではなく、必ず集団と して育っていますから、実際の畑での作物のパフォーマンスを個 体群としても評価しなければなりません。一方で,個体群の特性 を詳らかにするためには、その元となる個体や器官や組織や細胞 のこともより詳しく知らなければなりません。つねにフィールドと 実験室の両方で植物の特性を解析しています。

資 源 生 物 科 学 科

■その他 第51回日本作物学会賞

植 物 生 命 科 学 科

教授 農学博士

マメ科作物を利用して環境に優しい農業にアプローチする

【可能な共同研究分野】環境調和型作物生産技術の開発

ハタ シンゴ

畑 信吾

■専門 応用分子細胞生物学、作 物生産科学 ■その他 日本 植物 生 理 学 会 PCP 論文賞(2008年3月)

マメ科植物の根粒

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・理学

 私は長年、植物と微生物との共生機構を研究し、その合理的な 美しさに感嘆してきました。私たち人類は年間1億トン以上の窒素 肥料を使ってイネ科主要穀類の収量を確保し人口を養っています が、肥料の多投は環境に悪影響があるほか、その合成には膨大な エネルギーが費やされています。一方、マメ科作物は、根粒の中に 共生した根粒菌が空気中の窒素ガスをアンモニアに転換するた め、窒素肥料のない土壌でも環境に負担をかけずに成育すること ができます。この分野の進展は著しく、基礎的知見が深まった結 果、イネ科植物に窒素固定根粒を形成させる試みが世界のあちこ ちで行われ始めたようです。私も、及ばずながら独自のアイデアに 基づいて、この動きに参画します。具体的には、少し難しくなりま すが、(1) 根粒菌が根の細胞内に侵入すれば細胞分裂がくり返さ れるようにイネに細工を加え、(2) 根粒内の微好気環境を整える マメ科植物のレグヘモグロビン遺伝子もイネで発現できるように します。次に、イネの根に侵入することが知られているクサネム根 粒菌(Bradyrhizobium sp.)をこの改変イネに接種し、根粒形成 をめざします。これらの試みが成功すれば、将来、窒素肥料を与え なくてもイネ科穀類を育てられる道が拓かれると期待されます。

食 品 栄 養 学 科

教授 理学博士

植物と微生物との共生に魅せられて

イネ根細胞に侵入した菌根菌

【可能な共同研究分野】持続的作物生産など

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ヒグ チ ヒロヤ

樋口 博也 植 物 生 命 科 学 科 教授 博士(農学) ■学歴 三重大・院・農学 ■専門 昆虫生態学、 植物保護学

農作物を加害する害虫にどう対応するのか?

資 源 生 物 科 学 科

 作物や野菜、果樹を栽培する場合、害虫対策は避けては通れな い問題となっています。しかし、防除すべきと考えられる害虫は、 もともとは自然界の片隅で植物を餌として細々と生活をしていた 昆虫なのです。ところが、人間が農耕をはじめ、植物を農作物とし て栽培しはじめたことにより、昆虫は害虫と呼ばれるようになり、 排除すべき、防除すべき対象となりました。  本研究室では、害虫を対象に、その基礎的な生態、生活史、植 物とのかかわり、天敵の働きなどを明らかにするとともに、その害 虫の管理技術や発生予察法についても考えていきます。たとえ ば、ダイズの子実を吸汁加害するイチモンジカメムシは、ダイズが 開花期に達すると成虫がダイズ畑に飛来侵入し、雌成虫はダイズ の葉や茎に卵を産みます。しかし、その卵から孵化してくるカメム シの幼虫は非常に少なく、その孵化率は10%以下であり、卵期の 死亡率が非常に高いことが分かりました。この卵期の最大の死亡 要因は、カメムシの卵に卵を産む蜂、すなわち卵寄生蜂による寄 生であることも明らかになりました。ダイズ畑では、害虫であるカ メムシの個体群密度を、天敵である卵寄生蜂が制御していたので す。さらに、この天敵を積極的に利用できれは、農薬に頼らないカ メムシの新しい管理技術の開発に結びつくと考えられます。

イチモンジカメムシ成虫

イチモンジカメムシの卵に寄生する卵寄生蜂

【可能な共同研究分野】害虫のフェロモンを利用した管理技術の開発

ヨネモリ ケイゾウ

米森 敬三 食 品 栄 養 学 科 教授 農学博士

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・農学 ■専門 園芸科学

甘ガキか渋ガキかを決定する要因を解明する  カキは古くから日本で栽培されてきた果樹です。私はこのカキ の甘渋性に関する研究を大学院の学生時代から続けています。 カキには甘ガキと渋ガキがありますが、果実が小さいときには甘 ガキでも渋ガキでも強い渋味を持っています。この渋味が甘ガキ では果実が生育するに従って、樹上で自然になくなってきます。甘 ガキには、種子がある場合だけ渋味が消失する「不完全甘ガキ」 と、種子があってもなくても渋味が消失する「完全甘ガキ」があり ます。 「不完全甘ガキ」は種子がない場合には渋ガキとなりますの で、商業栽培には「完全甘ガキ」のメリットが大きく、良品質の「完 全甘ガキ」品種が求められています。私はこの「完全甘ガキ」がな ぜ自然に渋味がなくなるのかについて研究し、 「完全甘ガキ」は果 実発育初期に渋味の生成能力を消失した突然変異体であること を示しました。また、この突然変異は日本で出現し、完全甘ガキ形 質は一遺伝子座によって制御されている劣性形質です。しかしな がら、最近、中国の羅田県で新たに発見された中国の「完全甘ガ キ」品種の完全甘ガキ形質は、日本のそれとは異なる遺伝子座に よって制御されている優性形質である可能性を明らかにしまし た。現在、これらの二つのタイプの「完全甘ガキ」形質を制御して いる機構を解明するための研究を進めています。

完全甘ガキ(種子の有無にかかわらず褐斑が少なく、渋味もない)

不完全甘ガキ(種子がないと褐斑ができず、渋味も消失しない)

中国の羅田県の田圃に植栽されている中国の「完全甘ガキ」

【可能な共同研究分野】果樹の新たな品種開発

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イタニ トミオ

猪谷 富雄

■学歴 京都大・院・農学

 私は子供の頃から植物が好きでした。引っ込み思案で友達ができないことや園芸好きだった父の影響か もしれません。熱帯のジャングルで珍しい植物を見つけ、それを日本に持って帰って、皆を驚かせることを夢 見ていました。高校生になって、農家に新しい作物や栽培技術を指導する農業改良普及員になるために農学 部に入ろうと思いました。現在の研究内容は、日本各地や外国のイネ、とくに赤米・黒米・香り米・紫稲など沢 山の変わりもの品種を収集、栽培して、その特徴を調べ、利用面まで含めた内容を論文や本にしています。ま た、ハーブや身の回りの雑草、キャンパスの植物の面白さを追求しています。具体的には、(1) 国内外から収集 してきたイネ800系統を対象に、その形態・生理・生態的特性の調査と理化学的な分析によって、利用面の開 発を目指しています。赤米および紫黒米の色素発現に対する環境の影響やDPPH法・ORAC法による抗酸 化活性を調べ、色素を生かしたパン、めん、酒などの食品開発を行ってきました。(2) イネ、ハーブ、薬用植物、 樹木、雑草など「生まれた土地から動けない植物」が作る、ある種の化学物質(アレロケミカル)が周囲の植物 や微生物の生育に影響する現象すなわちアレロパシー(他感作用)を調べました。依頼のあった小学校で、卒 論生とともに樹木や雑草の葉を集め、種子発芽抑制作用の有無を調べる総合学習の指導もしてきました。

資 源 生 物 科 学 科

■専門 遺伝育種科学、作物生産 科学

植 物 生 命 科 学 科

教授 博士(農学)

イネ在来遺伝資源の多面的評価と植物のアレロパシー

色・形・大きさの異なる玄米

チェリーセージ蒸留水抽出液がタンポポの初期生育に与える影響(左から対照区、100倍、50倍)

【可能な共同研究分野】水稲品種比較、機能性食品の開発

サトウ シゲ ル

佐藤 茂

■専門 園芸科学 ■その他 受賞歴: 園芸学会賞 (2010)、京都府 公立 大 学 法 人 表 彰( 功 績 ) (2010)、京都府知事 特 別表彰(2010)、優 秀研 究者賞(SEAasia 2013) (2013)、優 秀 研究者賞 ( A P S 2014 Sy m p o sium) (2014)

食用ギクの栽培試験(ガラス温室)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 東北大・院・農学

 エチレンは、カーネーションやスィートピーなどの切り花の萎れ を促進する植物ホルモンです。エチレンの生成や作用を阻害する ことにより切り花の観賞期間を延ばすことができます。今まで、 主にカーネーション切り花を材料にして、エチレンの生合成と作用 の研究を続けてきました。この間に、エチレンを生成しない長寿 命カーネーションやエチレ非感受性で葉が黄化しないキクを遺伝 子組換えによって作出することもできました。現在は、カーネー ションを材料にして、蕾の開花と花の老化の仕組みの研究と、花 の観賞期間を延長する技術開発を進めています。 「花(蕾)の開花 を速め、同時に老化を抑制し、しかも本来開花しないで寿命を終 える蕾も咲かせる」薬剤を発見し、この薬剤を「夢の切り花処理剤 」として実用化する研究を行っています。さらに、カーネーションと 野生種ナデシコの交配によって作り出された新品種カーネーショ ンの遺伝子解析やカーネーションの流通時の鮮度保持の実用研 究も行っています。この他に、大津市坂本に平安時代から伝わる 食用ギク「坂本ギク」の栽培技術の検討や、滋賀県内の市や町の シンボルに指定されている「ササユリ(絶滅危惧種)」の増殖など、 地域の課題解決のための研究にも取り組んでいます。

食 品 栄 養 学 科

教授 農学博士

「開花を速め、老化を抑制し、未熟な蕾も咲かせる」夢の切り花処理剤の開発

ササユリ (滋賀県甲賀市)

【可能な共同研究分野】植物生長調節剤・切り花処理剤の開発、野菜や切り花の流通と鮮度保持、ササユリ等希少植物種の増殖

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タガ マサ ル

多賀 優 植 物 生 命 科 学 科 准教授 博士(学校教育学) ■学歴 兵 庫 教育 大・院・学 校 教 育学

資 源 生 物 科 学 科

■専門 教 科 教 育 学 、理 科 教 育 学、岩石・鉱物・鉱床学

子供の理科や自然についての理解の変化  初等・中等教育における理科の授業における生徒の科学的概念の獲得 や変化について興味があり、研究を行っています。まず一つ目は、理科の 授業に伴う児童生徒の理解の変化の研究です。これは学校での理科の 授業を行ったときの科学的概念の変容を明らかにするもので、様々な理 科の授業などでコンセプトマップ法等を用いて概念の変容を調べ、生徒 の科学的な理解の深まり方を明らかにしています。二つ目ですが、コンセ プトマップ等をツールとして用いた指導法の研究も行っています。例えば、 理解の進んだ生徒のコンセプトマップをツールとして用いた授業で、実験 群と統制群に分けて検証すると、生徒の理解を進めるために有効なツー ルであることがわかります。このような描いた人が心理的に身近である と、より効果的であることを利用したツールを開発しました。また、理科の 授業での誤概念をなくすためにコンセプトマップを用いた授業方法の開 発を行うなど、コンセプトマップをツー ルとして活用する授業法を研究してい ます。これ以外に理科の授業用の様々 な教材開発も行っており、例えば現在 は、紫色レーザー光励起の蛍光を用い て、ウランガラス製のレンズ内外を通る 光の道筋を蛍光だけで示す教材を作っ ています。 ウランガラス製のレンズの写真

ウランガラス製レンズに光を通した写真

【可能な共同研究分野】理科の授業法の開発や教材の開発

ミウラ レイイチ

三浦 励一 食 品 栄 養 学 科 准教授 博士(農学)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・農学

雑草と農業の多様な関わり  「雑草」というと何かアカデミックでない言葉のようなイメージがあるかもしれませんが、ここでいう雑草と は田畑などに生えて農業生産の妨げとなるさまざまな植物をさす、れっきとした学術用語です(「日本雑草学 会」という学会もあります!)。農業とは作物の成長を助ける行為ですが、それは裏からみれば、作物以外の 植物(=雑草)を取り除く行為でもあります。もし草取りをまったくしなかったら・・・いや、それはちょっと違い ます。草取りの手をわずかでもゆるめたら・・・田畑がどうなってしまうか、少しでも農業の経験のある者なら ば思い知らされているでしょう。手作業での草取りや除草剤の使用といった直接的な手段のほかにも、農法 (ファーミングシステム)の中では、雑草の勢力を弱めるさまざまな工夫がこらされているものです。そういっ た視点から、農業技術を理解したい。そのためには、作物と雑草の双方の性質を生態学的・遺伝学的に調べ るばかりでなく、地域固有の農法を観察するためにアジア・アフリカの奥地にも出かけるし、現地の植物図鑑 も、古文や漢文で書かれた古い書物も読みあさります。私にとっての農学は、理系も文系もない、総合格闘技 です。

■専門 植物 保 護科 学、生 態・環 境、農 業 技 術史、文化 人 類学・民俗学

イネの苗と、 イネに擬態した雑草 (タイヌビエ) を混ぜてみました。 3本ずつですが、 わかりますか?

【可能な共同研究分野】日本および海外における雑草(種子を含む)の同定

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牛に除草具をひかせる、 インドの伝統的な除草作業


モリイズミ ミホコ

森泉 美穂子

■学歴 北海道大・院・理学 ■専門 土壌学・地球科学

土壌分析と地力の解明  日本では古来より堆肥・下肥を土に投入し、 「地力」を育み作物 を栽培してきました。では、 「地力」とは何でしょうか?作物は土壌 から主として無機態の窒素を吸収し成長します。その窒素は、化 学肥料に含まれている無機態窒素だけではなく、土壌に含まれて いる有機物や堆肥から徐々に分解生成する無機態窒素にも由来 しています。この土壌から供給される窒素を「地力窒素」と言いま す。土壌を分析して、地力窒素の発現量を知り、肥料や堆肥の投 入量を調整することは、作物栽培に大変重要です。一方、 「どのよ うな物質が地力窒素なのか?」という問いに対しては、未だに明 確な答えが得られていません。土壌有機物の解明は、安定した作 物生産を支えるためにとても大切です。

堆肥の土壌埋設試験 (白い遮根シートの中に堆肥が入っている)

資 源 生 物 科 学 科

肥料を科学的に理解しよう  肥料の持つ有効性を科学的に理解し、栽培に役立てる方法を 考えることも重要です。例えば、稲はケイ素(Si)を必要とする作物 ですが、ケイ素を籾殻などに溜め込む性質があります。そのため、 お米を収穫後、籾殻などを水田に返すことで、翌年以降の稲の成 長を助けることができますが、籾殻をそのまま稲に与えるよりも 焼いた籾殻を与えた方が稲のケイ素吸収が促進され、収量を増加 させることができます。

植 物 生 命 科 学 科

准教授 博士(理学)

「地力」 とは何だろうか?

アモルファスSiと有機物が含まれる 400℃加熱籾殻が最も肥料的価値が高い

焼成籾殻灰の色(加熱温度)

【可能な共同研究分野】土壌診断、肥料の評価

ウェンダコーン  S . K .

講師 博士(学術)

 園芸作物である野菜・果物は収穫後も生きています。青果物(野菜・果物)の生き物としての生理的特性を 考え、貯蔵・流通における香気・栄養成分などの品質に関する研究を行っています。主には、果実の追熟に伴 う香気生成経路の解明に関する研究です。野菜の主な香りは、アルデヒドや硫黄化合物などですが果物の 香りの多くはエステルという香気成分です。エステルは果物の細胞内で酸とアルコールを基質としアルコール アシルトランスフェラーゼ(AAT)という酵素によって触媒されて生成されます。今までは、低酸素におけるバ ナナ果実のエステル生成について研究し、酸素の低い状態では、エステルの酸残基の供給が阻害されるこ と、短期間の低酸素下ではAATが影響を受けないことを調査してきました。現在は、トマト果実の香気生成 についても研究を進めています。トマトは‘青臭い’匂いが特徴ですが、その香り成分の多くはアルデヒドで す。この匂いが原因でトマトが苦手な人もいます。実は、トマトもエステルを生成する能力は持っていますが通 常トマトはエステルを生成しません。そこで、私は、トマトが何故エステルを生成しないのかを研究していま す。もし、果物のような甘い香りのトマトがあれば、品質価値もさらに高くなり、トマトが苦手な人にもこの野 菜をおいしく食べられるかもしれません。

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 大 阪 府立 大・院・農 学生 命科学

果実の香気生成について

食 品 栄 養 学 科

Wendakoon S.K.

■専門 収穫後生理学

トマト果実の香気成分測定用サンプル

果物細胞内でのエステル生成経路

AAT : アルコール    アシルトランス    フェラーゼ

【可能な共同研究分野】青果物の貯蔵・輸送における鮮度保持

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サ サ キ イクコ

佐々木 郁子 植 物 生 命 科 学 科 講師 博士(言語文化学) ■学歴 大阪大・院・言語社会 ■専門 英米・英語圏文学

資 源 生 物 科 学 科 タマイ テッシュウ

玉井 鉄宗 食 品 栄 養 学 科 助教 博士(農学)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 神戸大・院・自然科学 ■専門 土壌・植物栄養学 ■その他 浄土 真 宗 本 願 寺 派 教 師 (光遍寺住職)

イギリス文学とエコ  18-19世紀に活躍したイギリスの詩人、ウィリアム・ ワーズワス(1770-1850)の作品について、エコロジー の観点を用いた研究をしています。ワーズワスの故郷 は、イングランド北西部の湖水地方というところで、そ こは日本からも多くの観光客が訪れる風光明媚な地と して知られています。ちなみに、 『ピーターラビットのお はなし』の作者ビアトリクス・ポターが創作活動を行っ た地としても有名です。  ワーズワスは、故郷の自然を題材に多くの作品を書 いたことから、 「 自然詩人」とも呼ばれています。私は ワーズワスの作品から彼の自然観を読み取り、現代に おけるエコ意識とのつながりを捉えなおす研究をして います。このような、文学研究にエコロジーの観点を取 り入れる方法は、環境批評と呼ばれるもので、深刻な 環境破壊に対する危機意識の下で20世紀後半に生ま れました。環境批評家は、作家や作品と環境との関わ りを研究し、同時に、研究を通じて環境への関わり方 を問いなおします。文学研究の方法には様々なものが ありますが、人々が環境にどう関わってきたのかを現代 の私たちに伝え、今後どう関わっていくべきかを問うよ う促してくれる、生きた存在として作品を捉える環境批 評のスタンスに、私は特に魅力を感じています。

作物栽培のウソ?ホント? ウソのようなホントの話  「温故知新」。古い農法の中に現代農業に応用できる要素を見出し研究し ています。例えば、大谷光瑞(1876-1948)の提唱した『立体農法』。畦の間 に深い溝を掘り作物を栽培する農法ですが、当時は無用であるとして全く 相手にされなかった農法でした。しかし、再現してみるとかなりの生育促進 効果のあることが分かりました。その生育促進効果の科学的解析や現代農 業への応用について研究しています。 ホントのようなウソの話  作物は、暖かいところで、水や肥料をたっぷり与えて育てればよく育つ… ウソです。温度、水分、栄養は作物栽培にとって重要な因子であることは間 違いないのですが、単に多ければいいというものではありません。 それらの因子を適切に与えなければ、作物は過剰に生育したり、 病気になったりして、かえって収量の低下を引き起こします。さら に、環境に対しても大きな負荷をかけることにもなります。環境に やさしく、かつ作物の収量を上げるためには、温度や水分、栄養に 対する作物の応答のしくみを解明する必要があり、現在それらの 解明にむけて研究を行っています。

左が立体農法によって栽培したキビ

オオムギの水耕栽培

【可能な共同研究分野】植物培養液、農業資材の商品開発など

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食品栄養学科

Department of Food Science and Human Nutrition

「食」の栄養と人の健康を学ぶ。  本学科では、人の健康を支える上で必要不可欠な「食と栄養」について学びます。また、人々の健全な食生活をサ ポートする管理栄養士の養成課程でもあることから、基礎栄養学をはじめ、生理学、生化学、食品化学などの専門 基礎科目、さらに、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論などの実践的専門科目を 学びます。実験科目を通じて食と栄養の仕組みや食品加工の実際を観察・体験し、学内外での実習を通じて食に携 わる人材としての資質を形成します。最終学年ではそれまでに身につけた知識と技術を活用して、自ら学び研究す る演習や卒業研究を行います。

研究分野マッピング 生活の質を上げる 石原 健吾 准教授

運動・動物モデル・ヒト

伏木 亨 教授 おいしさ

土居 幸雄 教授

山崎 英恵 准教授

栄養素と健康

気分・嗜好

宮崎 由子 教授 疾病予防・食育

朝見 祐也 講師 給食・美味特性

岩川 裕美 准教授 臨床栄養

分子

細胞

食 岡﨑 史子 講師

アレルギー食育

田邊 公一 教授

ヒト

鈴木 公 教授

生活習慣病を予防・改善 する食事と運動

中村 保幸 教授 生活習慣・疫学

微生物・酵母

山﨑 正幸 准教授 タンパク質と 食品・疾患

中村 富予 教授

病気の予防・治療へ

生活習慣病 ガン予防

久保田 優 教授

小児の栄養評価 小児の肥満とやせの疫学

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学びのポイントは? 「農」 を理解した管理栄養士をめざすことができる。

「食」 の栄養と健康に関する正しい知識・技術を修得することができる。 地域社会、福祉・医療現場での実践を通して学びを体験する。

地元の料理人と協力し、地域の食、伝統のおいしさについて学ぶことができる。

CURRICULUM 1 年生

2 年生

1セメスター

2セメスター

3セメスター

3 年生

4セメスター

5セメスター

4 年生

7 セメスター

6セメスター

8 セメスター

<教養教育科目>(仏教の思想・英語・教養科目) ●

基礎生物化学 ●

農学概論

食と農の倫理

有機化学

食の循環実習Ⅰ

分析化学

食の循環実習Ⅱ

<「食」を生み出す「農」について学ぶ科目> 食と嗜好の科学、虫と農業、花と果物の科学、分子からみた生命、事例に学ぶ食品マーケティング 等

管理栄養士に 必要な 専門基礎科目

「社会および環境と健康」を学ぶ科目 ●

健康管理概論

● ●

公衆衛生学Ⅰ 栄養疫学

公衆衛生学Ⅱ

臨床医学概論 解剖生理学実験

生化学実験 臨床病態学 栄養生理学実験

分子栄養学

調理学実習Ⅱ

食品機能論 食品加工学 食品加工学実習

「からだの科学」を学ぶ科目 ●

生化学

解剖生理学

● ●

特別研究

「食べ物と健康」を学ぶ科目 ● ● ●

食品化学 調理学 調理学実習Ⅰ

● ● ●

食品学 食品学実験Ⅰ 食品学実験Ⅱ

● ●

「食の安全」を学ぶ科目 ● ●

微生物学 微生物学実験

● ●

食品衛生学 食品衛生学実験

管理栄養士としての土台づくりのための科目 ●

基礎栄養学

応用栄養学

● ●

基礎栄養学実習 ライフステージ栄養学

● ●

運動生理学 応用栄養学実習

● ●

スポーツ栄養学 栄養評価論

管理栄養士の仕事の実践を学ぶ科目 ●

給食経営管理論Ⅰ

● ● ● ●

栄養教育論Ⅰ 臨床栄養学Ⅰ 給食経営管理論Ⅱ 臨床栄養管理学

● ● ● ● ● ● ●

栄養教育論Ⅱ 栄養教育論実習 臨床栄養学Ⅱ 臨床栄養学実習Ⅰ 公衆栄養学 給食経営管理実習Ⅰ 給食経営管理実習Ⅱ

● ● ● ● ●

栄養カウンセリング論 臨床栄養学Ⅲ 臨床栄養学実習Ⅱ 公衆栄養活動論 公衆栄養学実習

臨床栄養実践論

管理栄養士の働く現場で学ぶ科目 ● ● ● ● ●

臨地実習指導 ● 管理栄養士総合演習 給食経営管理実習(校外) 臨地実習Ⅰ (給食経営管理論) 臨地実習Ⅱ (公衆栄養学) 臨地実習Ⅲ (臨床栄養学)

栄養教諭の働く現場で学ぶ科目 ●

大学の学びとキャリア

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入門ゼミ

農学部インターンシップA

農学部インターンシップB

● ●

基礎演習Ⅰ

キャリア形成論 海外農業体験実習 ●

基礎演習Ⅱ

● ●

学校栄養指導論 学校栄養実践論

総合演習Ⅰ

栄養教育実習指導Ⅰ 栄養教育実習指導Ⅱ

     ●

総合演習Ⅱ

総合演習Ⅲ


スズ キ イサオ

鈴木 公

■学歴 徳島大・院・栄養学 ■その他 管理栄養士

土居 幸雄

■専門 食品科学

 食品中のタンパク質は、栄養素として重要なことは言うまでもありませんが、 食品の物理的性質(テクスチャー;食感)に大きく影響します。皆さんのなかには メレンゲを作ったことのある人もいるでしょう。卵白を泡立てて、お菓子を作る材 料にするあれです。卵白のタンパク質は、激しくかき混ぜて空気を抱き込むと、 泡の表面で変性し、ツノの立つような安定した泡が形成されます。卵白を使わず にメレンゲを作ることは容易ではなく、ボリューム感を持たせる洋菓子などで、 卵白は必須の原材料となっています。ところが、卵アレルギーは、最もよく見られ る食物アレルギーで、卵白を使わない食品の開発が求められています。食物添 加物として用いられる増粘性多糖であるグアーガムは、グアー豆から抽出されま すが、その際に廃棄されるグアーミールに、高い起泡性と泡沫安定性を示すタン パク質(GFA;guar foaming albumin)が存在します。GFAは比較的低分子 のタンパク質で、卵白の10倍の起泡性をもち、同時に、高い泡沫安定性を示しま す。また、GFAは卵白・小麦アレルギー患者の抗血清に対しても交差を示さず、 食品としての安全性も示されました。植物性タンパク質であるGFAを使うと、き め細かなメレンゲが作れ、卵白アレルギーの心配をせずに美味しいお菓子を作 ることができる可能性があります。

GFA

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 イリノイ大学(米国) ・院

食品成分の機能特性を探る

食 品 栄 養 学 科

教授 Ph.D. Nutritional Science(栄養科学博士)

 ヒトは外界から食物(栄養素)を摂取し、消化吸収し、排泄して健康を維持しています。ヒトは栄養素を代 謝(利用)してホメオスターシス(恒常性)を維持しています。厚生労働省は摂取すべき栄養素の量を「日本人 の食事摂取基準」で示しています。この基準の最初に提示されているのがエネルギーです。健康な成人では、 摂取エネルギーと消費エネルギーとのバランスが取れていて、体重には変動がありません。しかし、エネル ギー過剰(エネルギー出納が正)の場合は体重が増加し、体脂肪率が基準値以上になると肥満になり、高血 圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病を招き、心臓血管疾患や脳血管疾患などで死に至る ことになります。従って、生活習慣病予防し改善することが栄養学者として喫緊の課題だと考え、生活習慣 病予防・改善のための栄養と運動に関する研究を行っています。 1.天国の種の抗肥満作用に関する研究 16世紀から香辛料として使用されてきたマニゲットに含まれている6-パラドールの産熱作用は唐辛子のカ プサイシンよりも長く、交感神経刺激は3時間も持続する。マニゲットは脂肪分解酵素(ホルモン感受性リ パーゼ)と脂肪との親和性を高め、体脂肪の分解を促進して、エネルギー代謝を亢進し、熱産生を引き起こす 結果、体脂肪率が減少する。このことは肥満を改善し、生活習慣病の予防と改善につながる。 2.セイプナビ(コエンザイムQ10+カルニチン)の  抗肥満作用に関する研究  筋肉細胞内で脂肪を燃焼する際、カルニチンは筋肉細胞 内において脂肪酸をミトコンドリア内部に運搬する役割を 担っている。ミトコンドリア内での脂肪の分解にはコエンザ イムQ10が不可欠である。これら両成分はエネルギー代謝 を亢進するため、抗肥満作用を有している。 3.勝つための栄養運動生理学に関する研究。  ①胚芽米、②鉄・カルシウム強化乳などは筋肉を強化し、 摂取タイミングによって競技力向上のために有効である。

資 源 生 物 科 学 科

ドイ ユ キオ

植 物 生 命 科 学 科

教授 医学博士

生活習慣病の予防と改善のための栄養と運動

EW

【可能な共同研究分野】食品の機能特性に関する分野

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ナカムラ トミヨ

中村 富予 植 物 生 命 科 学 科 教授 博士(保健学) ■学歴 大阪大・院・保健学 ■専門 食生活学

資 源 生 物 科 学 科

■その他 管理栄養士

生活習慣病・癌を予防する食生活  便秘なので、食物繊維の多いものをいっぱい食べたけれども、 かえって便秘がひどくなった! という経験はありませんか? 食物繊維は、大きく「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2 つに分けられます。これらのとり方により、便通も変わってきま す。しかし、どの野菜、どの組み合わせでとると便秘に効果がある のかについて、詳しく調べた研究はありません。 私は、ずっと大腸がんを予防する食事と運動について研究してき ました。便秘は大腸がんの重要な原因であるとされていましたが、 最近、これを否定する研究がありました。では、便秘をそのままに しておいたほうはよいかというとそうではありません。便秘を放っ ておくとお腹の不快感だけでなく、様々な症状を引き起こします。 また、高齢者の方では、食欲不振から低栄養をきたします。たか が便秘、されど便秘です。 野菜は種類により効能はさまざまです。私は今、便通をよくするに は、野菜をどのような組み合わせでとれば効果があるのかを研究 しています。また、野菜の健康への効果を数値で示したいと考え ています。龍谷大学農学部が立地する、滋賀県にはおいしい近江 野菜があります。近江野菜を使ったおいしくて体に良いレシピ開 発にも取り組みたいと考えています。

野菜類を1日 350g以上食べましょう!

【可能な共同研究分野】生活習慣病・癌を予防する食生活

フシキ トオル

伏木 亨 食 品 栄 養 学 科 教授 農学博士

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

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■学歴 京都大・院・農学 ■専門 農芸化学・栄養化学 ■その他 「味覚と嗜好のサイエン ス [京大人気講義シリー ズ] 」ほか著書多数。日本 香辛料研究会会長、日本 料理アカデミー(会長:村 田吉弘氏)理事。平成24 年 日本農芸化学会賞受 賞。平成25年 飯島食品 科 学 賞 受 賞。平成 26 年 紫綬褒章受賞。

おいしさとは、何でしょうか? おいしさを分析してみよう  ここに、一皿の料理があるとします。わたしは「おいしい」と思っ ても、全く同じものを食べた隣の人は「おいしくない」と言う場合 があります。同じ料理を食べても、こんなに意見が違うということ は、料理自体に原因があるわけではないでしょう。それを食べる人 の脳がどう感じるかが原因のようです。おいしさを分析してみる と、4つの要素で構成されています。生きるための生理欲求、快楽 を求める食(やみつき感)、食べ慣れた食文化、情報がリードする おいしさ(食欲をそそられるキャッチコピー等)。これらの要素を 脳の判断に沿って合わせれば、おいしさの数値化も可能です。 「食」の課題を解決できる  おいしさを自在に操作することができれば、生活の質(QOL: quality of life)に関わる多くの問題が解決できるはずです。 また、画期的な農作物や食品を作ることができるでしょう。おいし さの研究は、 「食」にまつわる多くの課題を解決する手段となるの です。 ネズミがサラダ油獲得のために夢中になってレバーを押す 実験の様子

【可能な共同研究分野】  各種食品の嗜好性、食品のおいしさ、 飲料(日本酒など)のおいしさ、離乳食の改善、 だしのおいしさの開発、NIRSを用いた脳計測など


ミヤ ザ キ ヨシコ

宮崎 由子

■学歴 大阪市立大・院・医学

■その他 管 理 栄 養 士 、栄 養 教 育 論・臨 床 栄 養 学・応 用栄 養学・基礎栄養学等の著 書 多数、2014 年度日本 栄 養 改善 学 会 近 畿 支 部 学術総会会頭を務める。

“健康な食事”の普及活動 私達が暮らす現代社会では、 “健康な生活:生きる力を育てる”と いうスローガンにも関わらず、朝食欠食などによる食生活の乱れ が多く、直ぐにキレル子供・いじめ・ひきこもり・不登校・自殺など 種々の問題行動が多発すると共に、若年女性ではやせの問題や 貧血、高齢者では骨密度の低い人達の割合が増加しており、食と 健康の関わりが充分に浸透しているとは言い難い現状です。そこ で、 「健全な食生活」を見直すための[栄養の指導]に取り組んでい ます。 “癒しの栄養学”に取り組んでみませんか? 成人の約6割はストレスを感じた生活を余儀なくされています。ス トレスは、低栄養状態や生活習慣病の原因となり、この状況に心 理的・社会的なプレッシャーが加わると、うつ状態を招き、種々の 問題行動へとつながり大きな社会問題の原因となっています。ス トレスの発生には、免疫系、自律神経系及びホルモン系が深く関 与していますが、心と身体を健全に保つには、抵抗力 (免疫力) を 維持・増進するという予防手段が重要となります。ストレスによる 免疫力低下が誘因となる疾病を、心と身体の両面からサポートし ながら予防するという「癒しの栄養学」をテーマに研究を推し進 め、栄養教育面から支援しています。

資 源 生 物 科 学 科

■専門 食 生 活 学 、応 用 健 康 科 学、予防 医学、臨 床 心 理 学、実践栄養学

植 物 生 命 科 学 科

教授 博士(医学)

癒しの栄養学 

【可能な共同研究分野】食育、子育て支援、食物アレルギー対策、若年者支援、高齢者支援、認知症予防、糖尿病予防

クボタ マサ ル

久保田 優

食 品 栄 養 学 科

小児にとって適切な栄養とその評価  大きくいって以下の3つのテーマについて研究をしています。

教授 医学博士

■専門 複合領域、生 活 科 学、食 生活学 ■その他 医師(小児科)

(2)小児の栄養評価基準の作成とそれに基づいた各種病態の栄養評価  栄養評価は栄養学の基本です。しかし、小児では成人と比べその 基準値作成は十分でないのが現状です。現在までに、体格指標と してのWaterlow評価及び血清学的指標としての急性期タンパクや 尿酸の小児期の基準値を独自に作成しました。この基準値を用い て、小児がん患者、重症心身障害児や低出生体重児の栄養評価を行 い、これらの病態における栄養療法の意義についても検討しています。

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・医学

(1)小児「肥満」と「やせ」の疫学的研究  小児の肥満は、現在日本を含め世界的な問題です。小児肥満は、成人期の生活習慣病発症の危険因子と 考えられています。しかし、小児肥満の縦断的研究は多くありません。そこで、小児期(新生児期から思春期) の個々人の体格(身長・体重)からBMI(body mass index)を計算しその変化を検討しています。一方、 「や せ」は女児において将来妊娠時に胎児の発育不良や早産をきたす可能性が大きいとされています。 「やせ」に ついても肥満同様の縦断的検討を行い、可能な介入を考えています。

(3)食物アレルギーの実態の調査  食物アレルギーは小児期だけでなく、思春期、さらに高齢者にも 増加傾向にあると言われていますが、その実態は殆ど明らかになっ ていません。そこで、大学生や健康診断を受診した高齢者を対象に アンケート調査(一部、血液検査)を実施しました。その結果、ともに 4%前後に食物アレルギー(疑い)が存在することを明らかにしました。  これらの研究は、多くの国内外の雑誌や学会で発表済みです。

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ナカムラ ヤスユ キ

中村 保幸 植 物 生 命 科 学 科 教授 医学博士 ■学歴 京都大・医学

資 源 生 物 科 学 科

■専門 循 環 器 内 科 学、疫 学・予 防医学 ■その他 医師

イシハラ ケンゴ

石原 健吾

脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患にならないための予防方法  脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患発症を減少させ、壮年期から老年期にかけての死亡や日常生活 における自立機能低下の予防を効果的・効率的に行うことを目的として私達は多数の一般住民に検診と生 活習慣調査を行い、長期間に亘って追跡調査を行うコホート研究を行っています。これまで発表した一部の 研究結果をお示しします。  糖質制限食が有効に肥満解消することが知られていますが、2013年に発表された欧米のデータの総合 解析(メタ解析)結果は糖質制限食が死亡リスクを増やす可能性を示唆しました。日本での糖質摂取のエネ ルギー比率は以前と比べて減って来ているものの55~60%で欧米の45%程度と比べてまだ高いのが現状 であります。比較的軽度の糖質制限食が心血管疾患死亡および総死亡に及ぼす影響について検討しまし た。その結果女性では糖質摂取率を45~ 50%程度に軽度の糖質制限をしていた 群での心血管疾患死亡および総死亡が 糖質制限していなかった群に比べて有意 に低いことが判明しました。したがって少 なくとも女性においては適度の糖質制限 は健康によいことが判明しました。  この他食物に含まれる種々の脂肪やコ レステロールが循環器疾患発症にどのよ うな影響を及ぼすかについても研究して います。

食 品 栄 養 学 科

「ゆりかごから墓場まで」 のスポーツ栄養学  「スポーツ栄養学」を一般人の健康増進、競技者のパフォーマンス向上という両面から研究しています。 ①『食を節制するよりも、適度に運動をして、好きなものを食べて健康を維持したい!』という人を手助けする 研究をしています。その鍵は、日常生活に中強度の運動をうまく取り入れることにあります。中強度の持久的 運動には、心肺機能向上や適度な筋力の増加など、有酸素運動と無酸素運動の両方の健康増進効果があり ます。様々なシチュエーションで生活に取り入れやすい中強度の運動の例として、階段歩行や坂道歩行、自転 車こぎ運動の身体負荷を測定して、健康維持に有効であることを示してきました。

准教授 博士(農学)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・農学 ■専門 応用健康科学 ■その他 日本栄養・食糧学会奨励 賞、日本体力医学会 東 海 支 部 地 方会 研 究 奨 励賞

②『長時間にわたる持久運動のパフォーマンスを向上させたい!』という人を手助けする研究をしています。 マラソン、自転車、トライアスロンなどのパフォー マンスを増加させるためのスポーツドリンクの設 計など、基礎栄養学と運動生理学の知識を活用 した食品素材の評価・開発を食品メーカーと共 同で研究してきました。 ③中高スポーツ選手向けの栄養サポート活動 管理栄養士を目指している有志グループを中高 部活動に派遣して栄養サポートをしてきました。 最新の研究機材や栄養学の視点を持ち込むこと によって管理 栄養士養成 校ならではの栄養サ ポート活動を意識しています。

【可能な共同研究分野】スポーツ栄養学、運動生理学、健康科学、栄養学

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イワカワ ヒロミ

岩川 裕美

■学歴 同志 社 女子大・院・生 活 科学

■その他 管理栄養士・滋賀県栄養 士 会副 会 長 第 7回 味 の 素ファルマ Award 受賞

 患者さんの栄養状態の把握方法にはさまざまあります。ま ず重要なのはスクリーニング(ふるいわけ)です。健常な人と の比較も踏まえ、調査研究(栄養アセスメント)していきます。  健康な人、病気を持った方へのアンケート調査、食事調査な どの結果を踏まえ、管理栄養士として提供できる、問題点の 把握、食生活の改善方法をさがし、食生活上でのアドバイス、 実際の献立作成や調理の実技なども取り入れ科学的根拠に 基づいたフィールドワークとなります。現場に出向き、直接そ の人の声を聴き、自分としてどう考え、判断するのかなど仲間 とともにディスカッションできることを目的としています。  現在では、病院に入院して治療を受ける期間がずいぶん短 くなっています。必要な手術や治療が終われが、家庭で経過 を観察するという方向へと進んでいます。そのなかで、病院か ら家に帰った患者さんが、どのような不安をかかえ、特に食生 活からの面でお話を伺うとりくみを計画しています。そこでの 問題点を明らかにし、病院栄養士の役割と、家での食生活上 の問題点をつないでいきたいと考えています。病気をかかえ て暮らしておられる方の栄養の問題点を明らかし、少しでも 再び入院することを避けることできるようなしくみ作りを考え ています。

資 源 生 物 科 学 科

■専門 臨床栄養

植 物 生 命 科 学 科

准教授 修士(家政学)

病気の方への栄養サポート

【可能な共同研究分野】治療用食品の開発

タナ ベ コウイチ

田邊 公一

食 品 栄 養 学 科

酵母を用いた膜タンパク質の研究 微生物は敵か味方か  微生物は、乳酸発酵やアルコール発酵など、人の暮らしに役立つ一方 で、食中毒や感染症など、人間に危害を及ぼす側面も持ちます。私たち が安全で豊かな食生活を送るためには、微生物の性質を十分に理解し てうまく付き合っていくことが必要です。私は、特殊な環境中での微生 物の振る舞いに興味を持ち、以下のような研究をしています。

准教授 博士(農学)

■専門 細菌学(含真菌学) ■その他 平成23年 真菌症フォー ラム第12回学術 集会奨 励賞 受賞 平成23 年 第 60 回日本 感染症学会東日本地方会 奨励賞 受賞 平成25年 日本医真菌学 会奨励賞 受賞

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・農学

耐性菌が出現する仕組み  微生物を殺す薬(抗菌薬)は、感染症の治療のために用いられます が、突然変異によって薬が効かなくなった耐性菌が出現することがあり ます。これまでの研究で、最終的な強い耐性菌が出現するまでに少しだ け薬が効きにくい、いわば「お試し版」のような菌が出現することがわ かってきました。現在、 「お試し版」と「最終版」の突然変異の場所を詳細 に解析しています。微生物は、段階的に性質を変化させながら、環境変 化に適応しているのかもしれません。 ぬか床の絶妙さ  ぬか漬けのぬか床には複数種類の微生物が含まれており、人間が手 で定期的にかき混ぜるだけで有用な微生物の数が一定に保たれていま す。混ぜない、野菜を漬けない、ヘラで混ぜるなど、まずは色々と条件を 変えてみて微生物数がどのように変化するのかを調べています。 【可能な共同研究分野】酵母を使った医薬品開発、漬物の商品開発など

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ヤマ ザ キ ハ ナエ

山崎 英恵 植 物 生 命 科 学 科 准教授 博士(農学) ■学歴 京都大・院・農学 ■専門 食品科学、栄養化学

資 源 生 物 科 学 科

■その他 管理栄養士

食品や飲料で気分は変わる ~ココロとカラダに響く食~  自律神経は交感神経と副交感神経がバランスを取り合いながら身体の恒常性を保つ働きを担っています。 また、人の精神状態や心理状態とも密接に関係しており、自律神経と気分の状態は相互に作用すると考えら れています。例えば、精神的ストレスを感じると交感神経の活動が活発になったり、逆にリラックスした状態 では副交感神経の活動が優位になります。  ところで、食品や飲料の中には、コーヒーやお茶など、自律神経の活動に影響をおよぼすものがあることが わかっています。気分転換によく飲まれる飲料です。他にも、ガムやチョコレート、清涼飲料水、大人はビール やワインなどのアルコールを飲んだりして気分を変えることもあります。しかしながら、実感としてはわかって いても、それぞれの飲料や食品が実際に人の気分状態をどう変化させ、その時、自律神経の活動がどのよう に変化するのかについて同時に検証し た研究はまだ多くありません。気分は短 い時間にころころと変化するので捉える のがなかなか難しいのです。  私の研究では、気分状態と自律神経 の活動を同時に評価する方法によって、 飲料や食品の気分転換効果を客観的・ 主観的に評価することができるようにし ました。その方法で、ノンアルコール飲 料や、和食に使われているダシ、清涼飲 料水など、さまざまな飲料・食品の効果 がわかってきています。 NIRS測定写真

料理によって異なる気分状態

【可能な共同研究分野】食品による気分状態変化の測定

ヤマサ キ マサ ユ キ

山﨑 正幸 食 品 栄 養 学 科

タンパク質のかたちから紐解く生命の謎  タンパク質はどのような「かたち」をしているでしょうか。また、タンパク質の「かたち」は我々の生命活動、食 品の物性にどのように影響を与えるでしょうか。ミクロな視点でマクロな問題を理解し解決する。それが私の 理想とする研究スタイルです。

准教授 博士(農学)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・農学 ■専門 構造生物化学、生物物理 学、医科学一般

タンパク質が凝集すると病気になる?  欧米で非常に多い遺伝疾患に、アンチトリプシンというタンパク質が凝集することで引き起こされる肝硬 変・肺気腫があります。その凝集体の構造を明らかにし、凝集体の形成を阻害する可能性がある薬剤の設計 を、英国ケンブリッジ大学との共同研究により行いました。 食物アレルギー問題に対する新たな視点を提出する  食物アレルギーの原因もタンパク質にあります。例えば、電磁波というまだまだ謎が多いエネルギーを照 射することにより、その毒性を軽減できないか。アレルギー患者の感受性をアロマセラピーなどにより軽減で きないか。大胆な視点を元に、総合的に食物アレルギーの軽減に挑もうとしています。 古い卵白はなぜ泡立ちにくい?  ご 存知の通り、タンパク質 はL-アミノ酸が連なったもの。 でも、卵を保存すると、卵白の タンパク質であるオボアルブミ ンにはD-アミノ酸が生じるの です。それがオボアルブミンの かたちに影響をあたえ、卵白が 泡立ちにくくなります。 【可能な共同研究分野】タンパク質の機能改変、薬剤デザインなど

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アサミ ユウヤ

朝見 祐也

■学歴 神戸学院大・院・栄養学

■その他 管理栄養士。 日本 栄 養 改善 学 会 評 議 員、日本給食経営管理学 会評議員、日本栄養学教 育学会代議員。

 給食施設は,病院,高齢者施設,学校,保育園,事業所など様々な分野 が存在します。給食施設で提供される食事にはどういった点で高い品質 を求めますか??恐らく多くの人は, 『適切な栄養管理』が行われていて, 『衛生面で安全・安心』で,さらに『おいしい』という点での高い品質を主に 求めると思います。喫食者の求める高品質な食事の提供の実現のために はどうすればいいのかという点に焦点を当てて研究を行っています。具体 的には次のようなテーマで研究を行ってきています。 ・学校給食における日本人の食事摂取基準を用いた栄養管理の試み (小・中学校の児童・生徒の成長・発達等に応じた適正な栄養管理の方法 と給食管理の方法の検討) ・超低塩味噌を用いた適切な栄養管理の試み (日本人の食事摂取基準に示された厳しい食塩摂取目標量に対応するた めの超低塩味噌を用いた栄養管理の検討)

ATPふき取り検査で使用する測定器 (キッコーマンバイオケミファ製)

資 源 生 物 科 学 科

■専門 給食経営管理論,調理科 学

植 物 生 命 科 学 科

講師 博士(栄養学)

給食施設のおいしくて安全・安心な食事の提供のために

・ATPふき取り検査法を用いた給食施設・設備の清掃法開発 (簡便な衛生検査法であるATPふき取り検査法を活用した給食施設・設 備の清掃法の開発) ・穀類伝統食品の美味特性の解析 (蕎麦や黍などの穀類伝統食品の美味特性の物性論的(テクスチャー特 性・破断特性など)な解析)

食品の食感を測定する物性測定器(山電製)

【可能な共同研究分野】給食施設における栄養管理・衛生管理,種々の食品の美味特性の物性論的解析 など

オカザ キ フミコ

岡﨑 史子

■専門 食生活学、食品免疫学 ■その他 管理栄養士、健康運動指 導士

 誰もが「食物アレルギー」を知っていますが、その発症メカニズムはいまだに謎だらけです。私は、近年増加 傾向にある果物・野菜アレルギーの研究を行っています。これまで食物アレルギーは、 「卵アレルギー」 「桃ア レルギー」のように食品レベルで考えられてきましたが、実際にアレルギーを引き起こしているのは食品中の タンパク質です。そこで、アレルゲンをタンパク質レベルで解析していくと、まだ研究途上ではありますが、果 物・野菜アレルギーの特徴が少しずつ見えてきました。 ①生の果物・野菜は食べられないが、加熱していれば食べられる人が多い  →加熱に弱いタンパク質が原因なら前者、加熱に強いタンパク質が原因なら後者? ②複数の果物・野菜で症状がでる人が多い  →植物に共通して存在するタンパク質が原因となっているため、いろいろな果物・野菜で症状がでる? ③花粉症を合併している人が多い  →花粉中のタンパク質と共通したタンパク質が果物・野菜にも存在 するため、花粉症から食物アレルギーにつながっている?  私は管 理 栄 養 士の視点から、 食物アレルギーについての基礎的 な研究結果を、患者さんやその家 族にとって安全・安心でおいしい 食卓につなげたいと考えていま す。現代病の1つである食物アレ ルギーとうまく付き合っていく術 を見つけることが目標です。

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都女子大・院・家政学

食 品 栄 養 学 科

講師 博士(家政学)

管理栄養士の立場から食物アレルギーを攻略する

【可能な共同研究分野】アレルゲン解析、 モノクローナル抗体作製、 ライフステージに応じた食育

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食料農業システム学科 Department of Agri - Food System

「食」 と 「農」 を支える地域と経済の仕組みを学ぶ。  本学科では、 「食」と「農」に関わる自然科学的な知識と「農」の実態に関する確かな認識を前提としつつ、 「食」と 「農」に関わる国内外の社会問題・経済問題に取り組む能力を養うことを目的としています。そのために、農業技術 や食に関わる自然科学的な基礎知識を取得するための講義・実習を一定程度受講した上で、経済学、経営学、会計 学、社会学といった社会科学関連の科目を中心に学びます。また、調査実習等を通じて、農業や食産業の実態把握 に努めます。さらに、講義と実習で得た知識と知見を活用して、自ら学び研究する演習や卒業研究を行います。

研究分野マッピング 香川 文庸 教授

経済

経営管理、情報分析

山口 道利 講師

経営

食のリスクと経済

石田 正昭 教授

非営利・協同セクター

竹歳 一紀 教授

持続可能な経済発展

淡路 和則 教授

技術と経営・環境

宇山 満 准教授

農業政策、意思決定

環境 坂梨 健太 講師

カカオ経済、労働問題

中川 千草 講師

地域づくり、環境保全

渡邊 洋之 講師

環境史、野生生物

野田 公夫 教授 農業史、農政史

落合 雪野 教授

食文化、有用植物

末原 達郎 教授

飢餓、食料不足、アフリカ

社会・文化

中田 裕子 講師

遊牧民の歴史、東西交渉

歴史

キャリア教育担当:佐藤 龍子 教授

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学びのポイントは? 「食」 や 「農」 の社会問題・経済問題に取り組む能力を養える。

「食」 や 「農」 をめぐるビジネスから文化まで、多様な課題について学べる。 グローバルな視点とローカルな視点の両方を身につけることができる。

社会調査、 データ分析能力、 コミュニケーションスキルなどが修得できる。

CURRICULUM 1 年生

2 年生

1セメスター

2セメスター

3セメスター

3 年生

4セメスター

5セメスター

4 年生

6セメスター

7 セメスター

8 セメスター

<教養教育科目>(仏教の思想・英語・教養科目) ● ●

農学概論

食と農の倫理

食の循環実習Ⅰ

食の循環実習Ⅱ

食と農を現場で学ぶ科目

農学部インターンシップA

食料農業システム調査実習

農学部インターンシップB

海外農業体験実習

キャリア形成論

大学の学びとキャリア ●

入門ゼミ

基礎演習Ⅰ

基礎演習Ⅱ

総合演習Ⅰ

総合演習Ⅱ

総合演習Ⅲ

<自然科学の基礎を学ぶ科目> 食と嗜好の科学、食品の安全と法律、身体のしくみと栄養、調理のサイエンス、暮らしの中の食品学 植物病理学Ⅰ、花と果物の科学、昆虫学Ⅰ、微生物学Ⅰ、分子からみた生命 等

特別研究

各地の農業と農業の歴史を学ぶ科目 ● ● ●

日本・京滋の食料と農業 日本の歴史と農業 世界の歴史と農業

● ● ●

欧米の食料と農業 科学史・農学史入門 栽培植物と農耕の起源

アジア・アフリカの食料と農業

基礎統計学 基礎会計学 マクロ経済学

学科教育の基礎となる科目 ●

ミクロ経済学

● ● ●

食料・農業経済学 基礎経営学 基礎社会学

● ●

ビジネス・経営に関わる科目 ●

アグリフードビジネス論 食料流通システム論

農企業経営論 フードビジネスマーケティング論

食と農の安全安心論

● ●

農村コミュニティビジネス論 フードビジネスファイナンス論

国内外の経済に関わる科目 ●

農業政策論

● ● ● ●

地域農業経済論 環境経済学 国際食料需給論 熱帯農業論

● ●

国際農村発展論 国際協力論

農村社会や文化に関わる科目 ●

農村社会学

ソーシャルキャピタル論 比較食文化論 ● 食料人類学 ●

● ● ●

食料環境社会学 地域マネジメント論 比較地域文化論 比較農業論

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アワジ カズノリ

淡路 和則 植 物 生 命 科 学 科 教授 博士(農学) ■学歴 北海道大・院・農学 ■専門 経営・社会農学

食品残さの飼料化と畜産物のマーケティング

資 源 生 物 科 学 科

我が国は、食料の多くを海外に依存する一方で大量の食料を廃 棄しています。こうした食品のロスは、飢餓と飽食、環境、資源、エ ネルギーなどの多方面にわたる深刻な問題となっています。 食品ロスは発生を抑制することが第一に求められます。そこで食 品ロスが発生する実態を把握し、なぜロスが発生するのかを解明 する研究を行っています。そこには、技術的な問題だけではなく、 市場流通の仕組みや商慣習、消費行動などが関係していますの で、社会的経済的分析、心理的分析が必要となります。 次に、食品ロスのなかでも発生が避け難いものは資源として有効 利用することが求められます。資源化のなかでも、畜産物の需要 が伸びる一方で飼料自給率が低い我が国においては、飼料化が 優先的に進められるべきものとしてあげられます。ごく簡単にい えば、ひとが食べなかった部分(食品残さ)を家畜が食べるといこ とになります。  食品残さの飼料利用を進展させるためには、昔の残飯利用の 負のイメージを払拭し、消費者から評価されることが必要となり ます。どのような食品残さをどのように飼料化して利用したら食 味の良い畜産物ができるかが次第に分かってきました。こうした 研究成果を踏まえながら、食品残さの利用による畜産物の高付 加価値化とマーケティングの研究に取り組んでいます。

廃棄された食品

食品残さを飼料化する装置

【可能な共同研究分野】農作業受委託のシステム化、食品リサイクル、 バイオマス利用など

オチアイ ユ キノ

落合 雪野 食 品 栄 養 学 科 教授 博士(農学)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

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■学歴 京都大・院・農学 ■専門 民族植物学、東南アジア 研究 ■その他 編著書『ものとくらしの 植 物 誌』 『 ラオス 農 山 村 地 域研 究』などを出 版。 平成25年度 松下幸之助 花と万博記念奨励賞 受 賞

「食べもの」 と 「着るもの」 をめぐる人と植物のかかわり 食べものと食べ方の多様性をさぐる  東南アジアのタイ、ラオス、ミャンマーなどの人びとは、 水田、焼畑、庭畑などで、穀類やイモ類、野菜などを栽培 したり、森林や道端に生える野生植物を採ってきたりし て、多種多様な食べものを手に入れ、毎日の食事に活かし てきました。それぞれの食の現場でフィールドワークをお こない、食べものとなる植物の種類、それを生み出す生態 環境、加工や調理のあり方、食べ方などについて、情報や 資料を集めます。それをもとに、地域の食文化について考 察します。 染織文化と植物素材  農業によって生産されるのは、食べものだけではありま せん。着るものを構成する糸や布、染料も農産物のひとつ です。例えば、滋賀県では、愛荘町や野洲市を含む湖東一 帯で、室町時代からチョマやタイマを用いた麻布が織ら れてきました。また、草津市や栗東市などでは、江戸時代 から染料植物のアオバナが栽培され、青花紙という特産 物に加工されてきました。青花紙は、友禅染や絞染の下絵 描きに現在でも利用されています。自然素材や手仕事へ の評価が高まる中、農業が支える染織文化や、農業の文 化的価値について、あらためて検討しています。


カガワ ブンヨウ

香川 文庸

■学歴 京都大・院・農学 ■専門 経営・経済農学

これからの社会に求められる農業の担い手像  昔から農産物を作っているのは世帯・家族を土台とした農 家が中心でした。しかし、最近では農業を営む会社が増えて きており、これまで農業に関わりのなかった企業の中にも農 業をはじめるもので出てきています。また、複数の農家が共 同で組織を立ち上げる動きも活発化しています。それでは、 今後の農業は誰がどのように担うべきなのでしょうか?  農産物を効率的かつ大量・安価に作ることは、今も昔も大 切なことですが、最近では環境や社会の持続可能性にも配 慮した農産物生産が求められています。そうした時代におけ る農業の望ましい担い手像とはどのようなものであるのか を研究しています。 農業の担い手が存立・発展するための条件  農業の担い手が農業を継続的に営むためには、 事業計画や経営計画をきっちりと立て、経営計算 や経営分析によって自らの経営を管理する必要が あります。また、農業の担い手を側面からサポート・ 支援するための制度や政策も必要です。そうした 経営戦略・経営管理手法の開発や制度・政策のあ り方に関する研究にも取り組んでいます。

資 源 生 物 科 学 科

■その他 「食・農・環境の新時代」、 「農業経営発展の会計学」 ほか 著 書、論 文多 数。平 成16年 日本農業経済学 会奨励賞。平成25年 地 域 農 林 経 済学 会 特別賞 受賞。

植 物 生 命 科 学 科

教授 博士(農学)

日本の農業は今後、だれがどのように担うべきなのでしょうか?

【可能な共同研究分野】地域農業の維持・活性化方策、農業構造の展望、農家・農企業・生産組織の経営管理と情報開示のあり方など

サトウ リュウコ

佐藤 龍子

■専門 高等教育政策、キャリア 教育、大学教育

 毎日使っているLINEはいつ、できたのでしょうか?!  ほんの数年前です。1990年台後半から、情報技術や 社会は急速に変化してきています。同時に仕事内容も急 激に変化しています。AI(人工知能)やロボットの進展も 目を見張るものがあります。農業分野もITの活用がすす んできています。  一方、非正規雇用者の増加や若者の離職、いわゆるブ ラック企業など若年者の雇用問題も関心を集めていま す。また、地域やコミュニティを大切にした生き方や、若 者を中心に社会貢献と仕事を結び付けた社会起業家も 増えてきています。   こうした中、 「 キャリア教育」は、小中高はもちろん大 学でも行われています。それはなぜでしょうか?就職で なく、なぜキャリア形成というのでしょうか?  変化の激しい時代、私たちはどのように人生やキャリ アをつくっていけばいいのでしょう。 「漂わない」ために 何が必要なのでしょう。 「 解」のない時代に大切なのは 「学び方」を知っていることと柔軟性です。一生学び続 けること=継続学習力と柔軟性があれば、時代を切り 拓いていくことができるはずです。大学教育の「学び」を ベースに、学生のみなさんとともにキャリアを考えてい きたいと思っています。

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 同志 社 大・院・総合政 策 科学

食 品 栄 養 学 科

教授 修士(総合政策科学)

学生の自主性をはぐくむ大学教育とキャリア教育

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スエハラ タツロウ

末原 達郎 植 物 生 命 科 学 科 教授 農学博士 ■学歴 京都大・院・農学

資 源 生 物 科 学 科

■専門 農 学原論、比 較 農 業 論、 アフリカ研究、文化人 類 学

タケトシ カズ キ

竹歳 一紀 食 品 栄 養 学 科 教授 Ph.D. Agricultural & Resource Economics (農業・資源経済学博士)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 カリフォルニア大学バー クレー校(米 国) ・院・農 業・資源経済学 ■専門 農業経済学、経済発展論、 環境政策論

人間と農業の関係を地球規模で考える  私の研究は、理論研究とフィールドワークからできています。  理論研究としては、世界の農業と農学がどのようにできあがってきたかを、地域的、歴史的に検証していま す。特に地球規模での農業の広がりと、それぞれの自然環境がどのように結びついているか、あるいは様々な 社会組織と食料生産がどのように結びついているか、それらが経済のグローバル化の中でどのように変化し ているかを、理論的に検証しています。また、農学という学問が、これら多様な農業からどのように発展して きたのか、今後どのような形で社会に貢献していけるかを考えています。これらは、農学原論という研究領域 に属します。  第二は、理論的な研究の基盤としてのフィールドワークです。私自身は、日本の山村や島嶼部の農村での フィールドワークから研究を始めました。特に、岐阜県、広島県、鳥取県、 沖縄県で集中的な調査を行って、卒業論文や修士論文を書きました。  その後、発展途上国における、農業と経済の関係、農業と社会変化 の研究を行うようになりました。特にアフリカに関しては、コンゴ、タン ザニア、ルワンダ、ケニア、ジンバブエ、南アフリカ、ガーナ、コートジボ ワール、セネガル、カメルーン、モロッコ、チュニジア等の各国で調査を してきました。これらの地域では、自然環境だけではなく、歴史的関係 や経済的関係が、これらの地域の食料生産を規定していることに気づ き、比較農業論や食料人類学の研究となってきました。  私の研究室では、日本の農村や海外の農村に出かけてフィールド調 査を行うことで論文を書いてもらうことを想定しています。学部学生の うちは、海外へ旅行することは薦めますが、卒業研究は日本各地の農村 で行う方が適切だと考えています。また、研究の方法論としては、農村 社会学や文化人類学の方法をとっています。また、完全に理論研究で、 農学の歴史を辿ってみることも可能です。

農山村の持続可能な発展をどう図るか  「経済的条件に劣った地域が、環境を保全しつつ持続的 に発展するには、どうすればよいのか」ということを大きな テーマとして研究してきました。日本では、農山村での高齢 化・過疎化が進み、地域経済の停滞、耕作放棄地の増加、山 林の荒廃といった問題が深刻化しています。農村ツーリズ ムの振興や自然エネルギーの活用などの取組みや施策によ り、農山村の環境保全と活性化をどのように図っていくか が、私の研究テーマの一つです。  また、中国の経済発展と環境問題に関する研究も、ほぼ 20年前から行っています。中国では、農村に立地する工場 による水や大気の汚染問題が深刻化しているほか、貧困農 村地域では、収入を増やそうと無理な耕作や放牧を行い、 これが森林破壊や砂漠化の原因になっています。農村の持 続可能な発展は中国でも大きな課題となっています。  経済の発展とグローバル化は人々の生活にメリットをも たらす一方で、経済条件の劣った国や地域にそのデメリット が集まりがちであり、それは日本や中国でも見られるよう に、食料・農業・環境といったところに問題を発生させます。 国や地域(農山村)の持続可能な発展をミクロの視点から 分析することは、食料・農業・環境問題についてグローバル な視点から分析することにつながっていくと考えています。

貴州農村

石徹白小水力発電

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イシダ マサアキ

石田 正昭

■学歴 東京大・院・農学

■その他 日本協同組合学会会長。 『農協は地域に何ができ るか』ほか 著 書 多 数。昭 和63年日本農業経済学 会賞、平成13年日本尿業 経営学会学術賞、平成25 年JA研究賞受賞。

「食と農」の分野で活躍する日欧の協同組合  食と農は、人間が生きていくために必要な基本的な行為です。 市場経済では、 「わたし作る人、あなた食べる人」と分業すること が奨励されていますが、自分の食べるものは作る段階から関与し たいとする消費者、自分の作ったものは食べる段階まで関与した いとする生産者も増えています。わたしたちの生きている経済社 会はこうした人と人とのつながりを基礎に発展していますが、協 同組合はそのつながりをより深めるために考案された社会的連 帯の組織です。こうしたすぐれた役割をもつ食農分野の協同組合 が今以上に活躍するためためには何が必要なのか、主に日本と ヨーロッパの現場で探求しています。 女性がより一層輝く農業・農村をつくる  農村には「こうしたい」 「こうありたい」と願う女性が活躍できる 条件が都会以上に溢れています。あまり知られていませんが、自 分が自分の生き方を決められるという裁量性の面では、時間的に も領域的にも農村の方がすぐれているのです。そうした「田舎暮ら し」のよさを広く社会に発信するための研究を女性研究者たちと 続けています。

資 源 生 物 科 学 科

■専門 家 族 農 業 論 、地 域 農 業 論、協同組合論

植 物 生 命 科 学 科

教授 農学博士

地域を元気に!ますます高まる 「食と農」 の役割

そば打ち

【可能な共同研究分野】食・農・環境の仕事おこしによる地域再生、農村女性のワークライフバランスに関する国際比較など。

ノダ キミオ

野田 公夫

■専門 日本農業史、比較農業史 ■その他 地域農林経済学会賞 (1990)、日本農業経済 学術賞(2013)

 専門は日本農業の歴史です。  この数十年の間に、日本の農業も農村は大きく様変わりしました。しかし、に もかかわらず、アメリカ・オーストラリアなどの「新開地」とはむろん、日本同様古 い歴史をもつヨーロッパとも、さらには同じ水田農業を営むアジア農村とも異な る、明瞭な「日本らしさ」があります。それは、農業・農村がそれぞれの国/地域 の「自然と人」との長い関わりを刻みつけた「歴史的存在」だからです。私の最大 の関心は、日本農業・農村がつくりあげてきた「個性」の「姿」と「意味」を明らか にすることです。  他方、国内をみると、昨年の東京都で農村地域への移住希望者が1万人を超 えたというニュースに驚かされます。 「 刺激と生きがいに満ちた場」であるはず だった大都会が、今や「異常なストレス社会」にもなってきたことの反映なので しょう。そのことが「生命と文化の基盤」である「農と食および自然に関わる生活 」に大きな価値を見出しつつあるのであり、日本史上初めての動きです。地元住 民に新規参入者が加わることにより「新しい農・農村の姿」が創り出されていけ ば素晴らしいことです。 「地域の歴史」に共通の関心をもつことは、両者の協力関 係をより実りあるものにするでしょう。  このように、歴史を学ぶことは「過去」を知るだけでなく「未来」を豊かに創り あげていくうえで大切なことなのです。

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・農学

食 品 栄 養 学 科

教授 農学博士

日本農業史 -歴史に学びつつ農の未来を考える

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ウヤマ ミツル

宇山 満 植 物 生 命 科 学 科 准教授 農学博士 ■学歴 京都大・院・農学

資 源 生 物 科 学 科

■専門 農 業 経 済 学 、農 業 政 策 学、環 境 経 済学、蚕 糸 業 経済学

意思決定メカニズムをベースに政策研究などを展開  縦糸には、方法論の違い、横糸には、分析対象の違いと いう2つの軸で、研究内容をグループに分けてみます。縦糸 である方法論には、3つのものがあります。第1は、経済理 論的分析中心のもの、第2は、アンケートデータに基づく統 計分析中心のもの、第3は、現地調査及び文献資料に基づ く統計分析中心のものです。一方、横糸の分析対象の違い は、4つのものがあります。第1は、制度・政策そのものを分 析対象として、評価し、方向性を論じているもの、第2は、生 産者や消費者といった経済主体の行動を分析対象とし、 政 策的含意を導こうとしたもの、第3は、養 蚕・蚕糸業を 分析対象としたもの、第4には、環境問題を対象としたもの です。  具体的には、農家の意思決定メカニズムと行動に関する 理論的研究や、農業政策の影響及び社会的効果の評価分 析、消費購買行動からみたフェアートレードの位置づけに 関する研究、蚕糸絹業の動向と国際シルク市場との関連性 に関する研究などがあり、また近年は、中国蚕糸業の立地 移動と農家及び農業関連ビジネスが果たす役割に関する 研究、農産物オーナー制度参加者のニーズと行動を探る研 究、農業・農村の環境価値評価とその政策評価への適用可 能性に関する研究、そして地方における中央卸売市場のも つ役割とその評価に関する研究なども行っています。 繭取引市場(バンガロール)

サカナシ ケンタ

坂梨 健太 食 品 栄 養 学 科 講師 博士(農学)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

35

■学歴 京都大・院・農学 ■専門 農業経済学、アフリカ地 域研究

日焼けしないカカオ畑  アフリカの熱帯地域で調査をしていますと自己紹介する と、 「 そのわりには日焼けしていませんね」という感想をも らいます。 「アフリカ」、そして「熱帯」という言葉のイメージ が強力な日光を思い浮かばせてしまうのかもしれません。 しかし、アマゾンに次ぐ森林面積を誇るアフリカ中部の森 の中は、陰に覆われ、昼間でもひんやりしています。調査地 のカカオ畑の中も大木が残されていて、直射日光を遮って くれます。そのため、目立つような日焼けをすることはあり ません。  カカオ畑に残された木々の実や樹皮は、薬や調味料とし て利用されます。畑に様々な樹木を残す農法はアグロフォ レストリーと呼ばれ、農業発展と森林保全の両立を実現す るものとして注目されています。しかし、そこには抜け落ち ている視点があります。たとえば、人やモノの移動という視 点。農民は、常に同じ場所でカカオをつくり続けるのでしょ うか。町に出て働く人もいるでしょう。また、カカオよりもっ と儲けられる作物を栽培する人もいるでしょう。アグロフォ レストリーの推進は、先進国に暮らす私たちの欲望(カカ オ生産と森林保全の両立)を現地に押しつける危険性があ るとはいえないでしょうか。  このようにアフリカの農業に関する議論を現地調査から 批判的に検討することは、私たちの社会をも見つめ直すこ とのできる重要な作業なのです。


ナカガワ チグ サ

中川 千草

■学歴 関西学院大・院・社会学

ナカタ ユウコ

中田 裕子

■専門 アジア史

 私は、中国におけるシルクロード交易について研究して います。特に興味があるのは、遊牧民とオアシス商人が当 時の交易にどのような影響をあたえたかということです。 用いる史料は、龍谷大学に所蔵されている中央アジアで発 見された出土文書や中国各地に現存している石刻史料な どです。また、モンゴル高原に残された遺跡なども訪れ、実 際に彼らが通過したとされる交易路をたどり、その実態を 解明しようと考えています。  ここで皆さんは、なぜ遊牧民が交易をしていたのだろう と疑問に思うかもしれません。現在の遊牧民は、家畜とと もに草原を移動する遊牧生活をしているイメージが強いか らです。しかし、彼らは古代より馬に乗ることに優れ、強い 武力を有していました。シルクロード商人のボディーガード をしながら、交易活動を行っていたのです。また、彼ら自身 も遊牧民が育てた強い馬を絹と交換するという交易も行 いました。当時、軍隊にとって強い馬が必要だったからです。  私は本学の農学部において、学生の皆さんには専門的な ことだけでなく、様々な分野の学問を学んでもらい、より 広い視野を持ってもらいたいと思っています。私が担当す る歴 史という分 野もその一つです。ぜ ひ 一 緒に学びま しょう。

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 龍谷大・院・文学

シルクロード商人と遊牧民の交易

食 品 栄 養 学 科

講師 修士(文学)

 日本やアフリカの農山漁村を対象とし、自然環境を守る ということと、日常生活を維持・向上させたりすることとの バランスについて、社会学的な視点から研究をおこなって きました。近年の日本では、生業や暮らしの変化によって、 人間と自然とのかかわり方も多様化しています。そこで、失 われた自然とのつながりの見直している地域(三重県熊野 灘沿岸社会)や人と自然とが共生できるまちづくりを目指 す地域(宮崎県綾町)を訪れ、その取り組みのなかで重ねて きた工夫やぶつかる壁について分析しています。  また、アフリカのギニアやセネガルでは、マングローブを 薪として利用することと、それに対する生態系の維持という 観点からのグローバルな批判がぶつかる現場でフィールド ワークをおこなってきました。こうした課題を地元の論理・ 視点から解決する方法を探ることが研究のテーマです。  どのフィールドにも共通することは、生活を組み立てるた めに生み出してきた、その土地ならではの知識と、あらたに 持ち込まれる価値観や情報とが融合したり、反発しあって いるということです。それは、利害関係や個人的な感情と いった生々しさが噴出する場面でもあります。授業を通し て、こうした現場からの学びを学生のみなさんに伝えたい と思っています。

資 源 生 物 科 学 科

■専門 環 境 社 会 学、資 源管理、 地域研究

植 物 生 命 科 学 科

講師 博士(社会学)

資源を守りながら生きて行くための工夫と知恵

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ヤマグ チ ミチトシ

山口 道利 植 物 生 命 科 学 科 講師 博士(農学) ■学歴 京都大・院・農学

資 源 生 物 科 学 科

■専門 経営・経 済農 学、獣 医 経 済疫学 ■その他 地 域 農 林 経 済学 会 個 別 報告 優秀賞(2010年)、 同学 会誌賞(2012年)、 同学 会賞(2015年)、日 本農業経済学会ポス ター賞(2013年)

食品事故にどう対応すればよいのか?  おいしくてバラエティに富む食品を、できるだけ安く提供するという点で、日本の食品流通システムがとて もすぐれたものであることは、みなさん日々の生活のなかで実感しているものと思います。その一方で、食品 事故・スキャンダルは毎年のように発生していて、パニックが生じることも珍しくありません。私が食品事故の 研究に本格的に携わるようになったきっかけは、2004年に国内の養鶏場で発生した鳥インフルエンザでし た。そのうちの一件は、発生を隠そうとしたり、結果として感染が広がってしまったりして、大きな社会問題に なりました。家畜疾病が広がる要因には、ウイルスや宿主、自然環境だけでなく、人の行動や、それをとりまく 経済的環境も含まれます。私は、鮮度や経済性を追求してきた鶏卵流通 のあり方が、一方で疾病拡大にも大きな影響を与えていたのではないか と考え、スムーズな事故処理と付加価値の高い流通とを両立させるよう な取り組みの調査を続けてきました。龍谷大学農学部には畜産系の学科 はありませんが、食品事故・スキャンダルは青果物などその他の食品流 通でも大きな問題です。食品ビジネスを発展させるために、そうしたリス クとどう向き合うべきなのでしょうか。私の研究が発展すれば、食品事故 への対応として何が社会的に取り組むべき部分で、何が企業みずから差 別化の手段として取り組むべき部分であるかが明らかになると考えてい ます。そしてそれらがうまく補完しあって、信頼されるフードシステムが形 成されることが望ましいと私は考えています。

【可能な共同研究分野】食品リスクの経済評価とそのマネジメント

ワタナ ベ ヒロユ キ

渡邊 洋之 食 品 栄 養 学 科 講師 博士(農学)

食 料 農 業 シ ス テ ム 学 科

■学歴 京都大・院・農学 ■専門 環境史、環境社会学

生き物と人間の過去とこれから  イヌやネコは家族のように扱う。一方ウシもブタも食用とする。このような、それぞれの生物種と「日本人」 との今日の関係は、あたりまえのものとされています。しかし、現時点におけるこの関係を、当然視し固定的 に考えてよいものなのでしょうか。  例えば、捕鯨をめぐる報道などでは、 「日本人は欧米の人々と違い古くからクジラを食べてきた」と、しばし ば言われています。しかし実際には、日本では20世紀半ばごろまで、クジラを捕らない・食べない地域があっ たどころか、 捕鯨に反対して暴動を起こしたケースもありました。  また現在の日本では、農業や生態系そして人間に直接被害が及ぶということで、マングースやブルーギルな ど外から持ち込まれた生き物は、駆除するのが基本であり、よってそれらは大変嫌われていると思われます。 しかしこの事例でも実際のところ、1980年代ごろまで、上記の2種もそうなのですが、害虫・害獣駆除や養殖 などに有用と考えられた生き物は、外国から積極的に日本へ導入されていました。  さて今日、生き物と人間の関係には、乱獲だけでなく様々な問題が生じています。そして、現時点における 関係を当然視し「正しい」と考えることは、これらの問題の要因であるこの関係の変化を、見えにくくしまいが ちです。私が行っているの は、このような、生き物と人 間の関係の歴史的変化をあ きらかにして、様々な問題の 解決のヒントを提供してい くことなのです。

【可能な共同研究分野】捕鯨問題や移入種問題などの野生生物問題に対する自然科学的研究を補うべく、それら問題 についての人文・社会科学的知見を提供する。

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植物生命科学科 実験・実習助手 キラ トオル

タケナカ ショウタロウ

ハラタ ケン

修士(工学) ■学歴 山梨大・院・工学 ■専門 農場管理、野菜園芸、栽培技術指導

博士(農学) ■学歴 京都大・院・農学 ■専門 遺伝育種科学、栽培植物起原学

修士(農学) ■学歴 京都府立大・院・生命環境科学 ■専門 植物保護科学

吉良 徹

竹中 祥太朗

ヤマモト リョウヘイ

ヨシヤマ ヨウコ

博士(生命システム科学) ■学歴 県立広島大学・院・総合学術 ■専門 農芸化学(生物有機化学・食品化学)

博士(理学) ■学歴 京都大・院・理学 ■専門 微生物生態学

山本 涼平

原田 賢

吉山 洋子

資源生物科学科 実験・実習助手 ウエノ ヨシヒサ

上野 宜久

博士(農学) ■学歴 京都大・院・農学 ■専門 植物分子・生理科学 ■その他 日本植物形態学会奨励賞 (2010)、盛和スカラーズソサエティー会員

オクムラ マサミ

セオ タクジ

学士(人間科学) ■学歴 神戸女学院大・人間科学 ■専門 環境生物科学

修士(生命システム科学) ■学歴 県立広島大・院・総合学術 ■専門 栽培学

奥村 昌美

セキ ビ

ヨシムラ ダイスケ

修士(学術) ■学歴 奈良女子大・院・人間文化 ■専門 生化学 ■その他 日本生物高分子学会 2012年度大会 審査員特別賞受賞

学士(農学) ■学歴 近畿大・農学 ■専門 作物生産科学 ■その他 土壌医

石 薇

妹尾 拓司

吉村 大輔

食品栄養学科 実験・実習助手 アキヤマ ナオ

イケヤマ ミカ

オカ マイ

学士(家政学) ■学歴 京都女子大・家政学 ■専門 家政・生活学一般 ■その他 管理栄養士

学士(家政学) ■学歴 京都女子大・家政学 ■専門 臨床栄養学 ■その他 管理栄養士

修士(生活科学) ■学歴 大阪市立大・院・生活科学 ■専門 栄養教育学 ■その他 管理栄養士

秋山 奈生

池山 美佳

岡 麻衣

オカ ユウ

タニグチ ヒロカズ

ハタ ヒロミ

修士(生活科学) ■学歴 県立広島女子大・院・生活科学 ■その他 管理栄養士

博士(スポーツ科学) ■学歴 早稲田大・院・スポーツ科学 ■専門 応用健康科学 ■その他 管理栄養士

家政学士 ■学歴 京都女子大・家政学 ■専門 食品学 ■その他 管理栄養士

岡 優

谷口 祐一

畑 ひろみ

フジイ マサミ

マルオ ミワコ

ミヤザキ ユウコ

修士(学術) ■学歴 京都府立大・院・生命環境科学 ■専門 食品科学、食生活学 ■その他 管理栄養士

学士(栄養学) ■学歴 兵庫大・健康科学 ■専門 調理学 ■その他 管理栄養士

学士(家政学) ■学歴 京都女子大・家政学 ■専門 家政・生活学一般 ■その他 管理栄養士

藤井 雅弓

丸尾 美和子

宮﨑 木綿子

ヤノ マユミ

矢野 真友美 学士(栄養学) ■学歴 神戸学院大・栄養学 ■専門 臨床栄養学 ■その他 管理栄養士

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農学部教員一覧 学科

専門分野

食品栄養 学科

家政・生活学一般

植物生命 科学科

遺伝育種科学

サツマイモネコブセンチュウの系統分類と 寄主適合性との関連解析

植物寄生性線虫、サツマイモ、トマト、 SNP、線虫感染

講師

食品栄養 学科

給食経営管理論、調理科学

ATPふき取り検査法を用いた 給食施設・設備の清掃法開発

給食,栄養管理,衛生管理,美味特性,物性

教授

食料農業 システム学科

農業経営学

農業の組織化と担い手の育成

農作業受委託、バイオマス利用、 農業職業教育

実験・実習助手

食品栄養 学科

臨床栄養学

教授

食料農業 システム学科

家族農業論、地域農業論、 協同組合論

准教授

食品栄養 学科

応用健康科学

教授

資源生物 科学科

遺伝育種科学、作物生産科学

作物の色素成分の遺伝的変異と環境の影響

赤米、紫黒米、香り米、他感作用、抗酸化活性

准教授

食品栄養 学科

臨床栄養

在宅患者における栄養療法の問題点

臨床栄養・化学療法・在宅栄養管理・ 多職種協働

教授

資源生物 科学科

植物保護科学、 生物多様性・分類

有害線虫の生理生態と防除法の研究

線虫、検出同定、植物保護、抵抗性育種、防除

教授

資源生物 科学科

生化学・応用微生物学

神経伝達物質GABA合成酵素の 多機能性の研究

GABA,ヒスタミン,減塩,忌避剤,きのこ

実験・実習助手

資源生物 科学科

植物分子・生理科学

ウェンダコーン S. K .

資源生物 科学科

収穫後生理学

果実の香気生成機構に関する研究

青果物、香り、エステル、トマト、 エステル生成酵素

18

ウヤマ ミツル

准教授

食料農業 システム学科

農業経済学、農業政策学、 環境経済学、蚕糸業経済学

農業政策の影響及び社会的効果の評価分析

政策目標と政策手段、意思決定、 市場の失敗、費用と便益

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教授

植物生命 科学科

遺伝育種科学

小麦アレルゲンを欠損した パンコムギ系統の実用化

パンコムギ、染色体、欠失、育種

講師

食品栄養 学科

食生活学、食品免疫学

果物・野菜アレルゲンの解析

食物アレルギー、モノクローナル抗体、食育

教授

植物生命 科学科

植物分子・生理科学

植物の遺伝子変化の解析

植物遺伝子、植物形態形成、遺伝子改変、 植物器官構造

食品栄養 学科

栄養教育学

食品栄養 学科

熊本県立大・院・環境共生学

アキヤマ ナオ

秋 山 奈生

実験・実習助手

アサミズ エリカ

浅 水 恵理香

准教授

アサミ ユウヤ

朝 見 祐也

アワジ カズノリ

淡 路 和則

イケヤマ ミカ

池 山 美佳

イシダ マサアキ

石 田 正昭

イシハラ ケンゴ

石 原 健吾

イタニ トミオ

猪 谷 富雄

イワカワ ヒロミ

岩 川 裕美

イワホリ ヒデアキ

岩 堀 英晶

ウエノ ヒロシ

植 野 洋志

ウエノ ヨシヒサ

上 野 宜久

Wendakoon S.K. 講師 宇山 満

エンドウ タカシ

遠藤 隆

オカザキ フミコ

岡 﨑 史子

オカダ キヨタカ

岡 田 清孝

オカ マイ

岡 麻衣

実験・実習助手

オカ ユウ

岡 優

実験・実習助手

オクノ テツロウ

キーワード

掲載頁

38 08 28 31 38 地域再生と協同組合 「ゆりかごから墓場まで」のスポーツ栄養学

農業協同組合、農村女性、社会的企業、 ミュニティビジネス、ワークライフバランス

34

エネルギー代謝、持久運動、糖質、脂質、 自転車

25 16 26 13 13 38

05 28 07 38 38

植物ウイルスと糸状菌の病原性発現機構

ウイルス、RNA、タンパク質、複製、植物、 病原微生物、農薬

教授

植物生命 科学科

実験・実習助手

資源生物 科学科

環境生物科学

教授

食料農業 システム学科

民族植物学、東南アジア研究

植物利用の文化、 生物多様性と文化多様性

有用植物、生態資源、食文化、農耕文化、 染織文化、東南アジア

31

教授

食料農業 システム学科

経営・経済農学

望ましい農業の担い手像と それを支える仕組みの解明

農業構造 担い手 農業生産組織 経営管理 情報開示

32

准教授

植物生命 科学科

英米・英語圏文学

アングロ・アイリッシュの「場所」

アングロ・アイリッシュ 場所 戦争 20世紀

08

実験・実習助手

植物生命 科学科

農場管理、野菜園芸、 栽培技術指導

教授

食品栄養 学科

複合領域、生活科学、 食生活学

小児の栄養評価

小児、栄養、評価、肥満、尿酸

講師

食料農業 システム学科

農業経済学、 アフリカ地域研究

熱帯アフリカにおける カカオ生産と農民経済

アフリカ、カカオ、貧困、森林破壊、 フィールドワーク

35

資源生物 科学科

英米・英語圏文学

環境文学研究

イギリス文学 ワーズワス 環境批評 環境思想

19

資源生物 科学科

園芸科学

新規切り花処理剤の実用化研究

園芸花き、伝統野菜、ササユリ、食用ギク、 エチレン

16

食料農業 システム学科

高等教育政策、キャリア教育、 大学教育

学生の自主性をはぐくむ 大学教育とキャリア教育

大学、初年次教育、インターンシップ、 高等教育政策

32

シオジリ カオリ

植物生命 科学科

生態・環境、植物保護学、 昆虫科学

植物の誘導反応に関する研究

匂い・植物免疫・害虫制御・相互作用・ コミュニケーション

09

シマ ジュン

植物生命 科学科

応用微生物学

小さな生物の力を食品や 有用物質の製造に役立てる

微生物、発酵、酵母、乳酸菌、環境ストレス

教授

食料農業 システム学科

農学原論、比較農業論、 文化人類学

市場経済化と農業の関係、アフリカ農業の 比較研究、食料人類学の構築

労働交換、土地利用、経済人類学、 食料人類学、焼畑農業

教授

植物生命 科学科

印度哲学、日本仏教、 親鸞思想(真宗学)

親鸞の解釈的研究  

メタファー、象徴、言語、物語、解釈

食品栄養 学科

食生活学

生活習慣病の予防と改善のための栄養と運動

エネルギー代謝、ダイエット、機能性食品、 生活習慣病

資源生物 科学科

栽培学

資源生物 科学科

生化学

奥 野 哲郎

オクムラ マサミ

奥 村 昌美

オチアイ ユキノ

落 合 雪野

カガワ ブンヨウ

香 川 文庸

カキグチ ユカ

垣 口 由香

キラ トオル

吉良 徹

クボタ マサ ル

久 保田 優

サカナシ ケンタ

坂 梨 健太

ササキ イクコ

佐々木 郁子

講師

サトウ シゲル

佐藤 茂

教授

サトウ リュウコ

佐 藤 龍子

教授

塩 尻 かおり 講師 島 純

教授

スエハラ タツロウ

末 原 達郎

スギオカ タカノリ

杉 岡 孝紀

スズキ イサオ

鈴木 公

教授

セオ タクジ

妹 尾 拓司

実験・実習助手

セキ ビ

石 薇

39

植物保護科学 (植物病理学、植物ウイルス学)

研究テーマ

実験・実習助手

10 38

38 24

05 33 06 22 38 38


学科

専門分野

研究テーマ

キーワード

資源生物 科学科

作物生産科学

農作物の作付体系に関する研究

根系発育,水田転換畑,窒素循環, マメ科作物,輪作

資源生物 科学科

教科教育学、 理科教育学、 岩石・鉱物・鉱床学

理科の授業と科学的概念

科学的概念、授業法、理科、地学、概念地図法

食料農業 システム学科

農業経済学、経済発展論、 環境政策論

経済発展と食料・農業・環境問題

経済発展 環境問題 農村経済 中国 グローバル化

植物生命 科学科

遺伝育種科学、 栽培植物起原学

准教授

食品栄養 学科

細菌学(含真菌学)

実験・実習助手

食品栄養 学科

応用健康科学

助教

資源生物 科学科

土壌・植物栄養学

オオムギ幼植物の新規乾燥耐性機構の解明

水耕栽培 オオムギ 乾燥 カリウム 根 

教授

食品栄養 学科

食品科学

食品成分の機能特性を探る

たんぱく質の起泡特性、ビタミンB12、 ビタミンK

講師

食料農業 システム学科

環境社会学、資源管理、 地域研究

資源管理と地域づくりに関する社会学的研究

知の流通・地域資源・地域づくり・環境保全

講師

食料農業 システム学科

アジア史

中央アジアにおけるシルクロード交易

中央アジア、シルクロード、オアシス都市、 遊牧民、シルクロード、商人

36

植物生命 科学科

植物分子生物学、 情報生物学

野外における生物の遺伝子発現解析と それを利用した予測・制御

トランスクリプトーム、ゲノム、統計、気象、 データマイニング

09

教授

植物生命 科学科

植物遺伝育種学

環境ストレスと核細胞質クロストーク

細胞質ゲノム、核ゲノム、核細胞質雑種、 水ストレス感受性、パンコムギ

07

教授

食品栄養 学科

食生活学

生活習慣病・癌を予防する食生活

生活習慣病 癌予防 食生活の評価 ヘルスプロモーション 栄養疫学

23

教授

食品栄養 学科

循環器内科学、疫学・予防医学

循環器疾患の疫学研究

循環器疾患、コホート研究、栄養、生活習慣、 疫学

25

教授

食料農業 システム学科

日本農業史、比較農業史

近代日本における道府県農会の 農業・農村指導

農会 産業組合 農家小組合 農業試験場 篤農家

34

資源生物 科学科

応用分子細胞生物学、 作物生産科学

共生窒素固定根粒着生イネを作成する試み

根粒菌、形質転換イネ、レグヘモグロビン、 根粒形成、植物微生物共生

14

食品栄養 学科

食品学

植物生命 科学科

植物保護科学

教授

資源生物 科学科

昆虫生態学、植物保護学

実験・実習助手

食品栄養 学科

食品科学、食生活学

教授

食品栄養 学科

農芸化学・栄養化学

おいしさのメカニズム解析と客観的評価 方法の構築

おいしさ、客観的評価、やみつき感、 油脂、出汁

23

教授

植物生命 科学科

植物分子・生理科学

C4植物の光合成代謝調節に関する研究

雑草制御、タンパク質活性測定、顕微鏡観察、 環境応答

06

食品栄養 学科

調理学

資源生物 科学科

植物保護科学、生態・環境、農業 技術史、文化人類学・民俗学

食品栄養 学科

家政・生活学一般

食品栄養 学科

食生活学、応用健康科学、予防 医学、臨床心理学、実践栄養学

癒しの栄養学

食育支援、ストレス、乳幼児支援、 若年者支援、高齢者支援

資源生物 科学科

土壌学・地球科学

土壌有機態窒素の実体解明

地力、土壌有機態窒素、土壌、火山噴出物

教授

植物生命 科学科

応用生物化学、 植物分子生物学

植物遺伝子の発現調節機構の解析

遺伝子発現調節、果実、紫外線、転写因子、 シグナル伝達

10

講師

食料農業 システム学科

経営・経済農学、 獣医経済疫学

食品安全問題へのフードシステム論的接近

フードシステム、食品安全、食品流通、 獣医経済疫学

37

准教授

食品栄養 学科

食品科学、栄養化学

抗ストレス・抗疲労に有効な 日本食デザインのための基盤構築

自律神経活動・気分状態・おいしさ・嗜好・ 日本料理

27

准教授

食品栄養 学科

構造生物化学、生物物理学、 医科学一般

タンパク質の凝集と疾患

タンパク質の構造、凝集性疾患、 食物アレルギー、食品物性

27

食品栄養 学科

臨床栄養学

ダイモン ヒロユキ

大門 弘幸

教授

タガ マサ ル

多賀 優

准教授

タケトシ カズキ

竹 歳 一紀

教授

タケナカ ショウタロウ

竹 中 祥太朗

実験・実習助手

タナベ コウイチ

田 邊 公一

タニグチ ヒロカズ

谷 口 祐一

タマイ テッシュウ

玉井 鉄宗

ドイ ユキオ

土 居 幸雄

ナカガワ チグサ

中川 千草 ナカタ ユウコ

中 田 裕子 ナガノ アツシ

永野 惇

講師

ナカムラ チハル

中村 千春 ナカムラ トミヨ

中 村 富予 ナカムラ ヤスユキ

中 村 保幸 ノダ キミオ

野 田 公夫

ハタ シンゴ

畑 信吾

教授

ハタ ヒロミ

畑 ひろみ

実験・実習助手

ハラタ ケン

原田 賢

実験・実習助手

ヒグチ ヒロヤ

樋 口 博也

フジイ マサミ

藤井 雅弓

フシキ トオル

伏木 亨

フルモト ツヨシ

古本 強

マルオ ミワコ

丸 尾 美和子

実験・実習助手

ミウラ レイイチ

三 浦 励一

准教授

ミヤザキ ユウコ

宮 﨑 木綿子

実験・実習助手

ミヤザキ ヨシコ

宮 崎 由子

教授

モリイズミ ミホコ

森 泉 美穂子

准教授

ヤマガタ ヒロシ

山 形 裕士

ヤマグチ ミチトシ

山 口 道利

ヤマザキ ハナエ

山 崎 英恵

ヤマサキ マサユキ

山 﨑 正幸

ヤノ マユミ

矢 野 真友美

実験・実習助手

ヤマモト リョウヘイ

山 本 涼平 吉 村 大輔

吉 山 洋子

17 33

26 38 19 22 36

38 38 農作物の害虫の生態解明と管理技術の開発

昆虫生態、作物保護、害虫管理技術、 カメムシ、天敵

15 38

38 雑草と農業の多様な関わり

雑草、在来品種、農法、農書

17 38 24 18

38

農芸化学 (生物有機化学・食品化学)

資源生物 科学科

作物生産科学

実験・実習助手

植物生命 科学科

微生物生態学

教授

資源生物 科学科

園芸科学

甘ガキか渋ガキかを決定する要因を解明する

カキ、タンニン、渋味、甘渋性、果実成長

講師

食料農業 システム学科

環境史、環境社会学

野生生物をめぐる環境問題に関する 歴史社会学的研究

野生生物、環境問題、歴史、社会学

ワタナベ ヒロユキ

渡 邊 洋之

酵母、真菌、微生物、薬剤耐性、 トランスポーター

実験・実習助手

ヨネモリ ケイゾウ

米 森 敬三

酵母を用いた膜タンパク質の研究

植物生命 科学科

ヨシヤマ ヨウコ

14

38

実験・実習助手

ヨシムラ ダイスケ

掲載頁

38 38 38 15 37

40


関連研究センター 食と農の総合研究所  本研究所は、食と農に関する農学を中心とした複合的・学際的・国際的な研究を推進すると共に、地域社会との連携をも視野に入れた研究を推 進し、これらの分野における学術の向上に寄与するとともに研究成果の社会還元を図ることを目指します。

食と農の総合研究所の研究体制

本研究所の目的達成のため、 次のとおり事業展開いたします。

食と農の総合研究所

1. 農学及びその関連領域に関する研究・調査 2. 紀要及び叢書の刊行

食の嗜好 研究センター

共同研究 プロジェクト

個人研究 プロジェクト

受託研究 プロジェクト

3. 国内外の大学及び研究機関との研究交流 4. 研究会、公開講座、講演会等の開催 5. 地場産業の育成等地域に対する技術協力及び技術指導 6. 公共機関、民間団体、その他学外からの依頼による研究・   調査に関する事業 7. その他研究所の目的を遂行するために必要な事業

食の嗜好研究センター  食と農に関する農学を中心とした複合的・学際的・国際的な研究を推進する目的で2015年4月農学部開設と同時に「食と農の総合研究所」を大 学付置機関として設置しています。当該研究所の付属センターとして「食の嗜好研究センター」を開設し、食の嗜好性に関する研究を行うことを目 的として、本格的に研究活動を開始しました。

研究体制

コンセプト

セ ン タ ー 長 :伏木 亨(龍谷大学農学部教授) 副 セ ン タ ー 長:山崎 英恵(龍谷大学農学部准教授)

「おいしくなくっちゃ!」をコンセプトとし、食の嗜好性に関する研究をおこないます。 センター内には日本料理研究班と食品開発における食嗜好研究班を設置し、活動しています。

兼 任 研 究 員 :石原 健吾(龍谷大学農学部准教授) 山﨑 正幸(龍谷大学農学部准教授) 朝見 祐也(龍谷大学農学部講師)

日本料理研究班 研究概要  日本料理班では、日本料理の発展に資する実験研究 ならびに種々の啓蒙活動をおこなっていきます。  食の嗜好研究センター日本料理班では、日本料理に おけるおいしさや嗜好に関する研究を、大学研究者と 京都の料理人を中心に展開していきます。食の嗜好 研 究センター(ともいき荘)の厨房や、大学の実験室を使 い、料理人と研究者が、料理を構成する様々な事象を テーマに、それらを科学的な視点でもって考え、実験や ディスカッションをおこない、おいしい日本料理創成の ための基盤を構築していくことが大きな目的です。  実は、こうした大学研究者と料理人との取り組みは、 既に2009年より京都で開始されており、本班に所属す る 研 究 者 や 料 理 人のほとんどは 、日本 料 理ラボラト リー研究会(2014年度まで京都大学に本拠)として活 動を行ってきています。日本料理ラボラトリー研究会に 所属する科学的な素養を身につけた料理人が、今後、 食の嗜好研究センター日本料理班の客員研究員として 更なる研究活動を展開することで、おいしさやヒトの嗜 好に絡めた次代の日本料理のあり方についての提案を 示していくことが期待できます。  協力団 体、関連 機 関として、日本 料理ラボラトリー (山崎会長)、日本料理アカデミー(伏木理事)、京料理 の料亭、一般社団法人 日本香辛料研究会事務局(伏 木会長 登記上の事務局)を想定しています。

41

食品開発における食嗜好研究班 研究概要  おいしさの客観的な評価は食に関わる様々な分野で切望されていますが、具体的な手法は確立 されていません。本センターでは、幾つかの食品、食材に関して、おいしさの座標軸を作り上げ、お いしさの客観的な評価を達成します。 想定される食品としては ・日本食の味わいの根幹をなすカツオ昆布出汁について、各海域の昆布、各漁港・生産地の鰹節を 選別し系統的に組み合わせ、最もおいしいと評価できるものを確立します。これには和食料理人 の感性を最大限に活用します。また、共同研究によって香料メーカーの研究所、食品開発メー カーなどの分析技術を活用します。 美味しいと評価されただしについて、その味覚成分・匂い成分を徹底して分析し、おいしさに寄与 する要素を重回帰分析等で抽出し、おいしさの要素とそれによるだしのスコア化(分析値からお いしさを評価できる系)を確立し、今後、グローバル化が進む日本食に関して、日本の基本的な出 汁のおいしさの座標軸を確立します。この研究はすでに開始されています。 ・同様の方法を用いて、特定の食品に対するおいしさのゴールデンスタンダード(最上のおいしさ) を決定し、おいしさを客観的に評価できる系を作ります。具体的な食品や農作物・水産物につい ては協力いただける食品生産者やメーカーとの共同研究によって遂行します。カレールーなどの 食品やブランドの野菜類などが候補に挙がっています。本研究センターでは、専門のメーカーや 生産者との共同研究プロジェクトを複数同時に遂行します。共同研究者には客員研究員として参 加をしていただきます。 ・客観的評価法に至るまでの主観的判定をサポートする目的で、脳近赤外吸収計測による唾液腺 血流量の測定、京都大学で伏木らが開発した、おいしさの要素分解と統合による評価法、を利用 します。  このような手法によって、多くの食材や食品、農業生産物におけるおいしさの評価体系が構築さ れることが期待され、世界でも初めてのおいしさを客観的に評価できる『見える化」できる研究セ ンターとして、食の最大の付加価値であるおいしさを付与できる、社会の要請に応えることのでき る研究組織に発展させたいと考えています。


アクセスマップ 京都・滋賀3つのキャンパスは関西一円から好アクセス。 京都・滋賀の3拠点にあるキャンパスは、大阪・奈良・神戸からも抜群のアクセス環境が魅力です。 自宅からの通学にはもちろん、キャンパス近くのひとり暮らしにも便利。 関西一円の主要スポットへの好アクセスがキャンパスライフをさらに充実させます。

京阪電車 「中書島」駅 龍谷大学瀬田キャンパス

直通バス運行

直通バスなら通学時間が短縮でき、 全員座れて快適通学! !

所要時間

約30 分

瀬田キャンパス(滋賀県大津市) 瀬田

JR琵琶湖線

学園通り

JR東海道 新幹線

国道1号線 京滋バイパス 名神高速道路

JR 線 JR 新幹線

びわこ文化公園都市

瀬田キャンパス

近 畿日本 鉄 道 阪 急電 鉄

駅名

JR「 瀬田」駅 までの乗車時間( 分)

南海 電 鉄 京阪 電 鉄 京都 市 営 地下鉄

JR琵琶湖線「 瀬田 」駅下車、帝産バス 約 8分

京阪本線「中書島」駅下車、京阪バス 約 30分

大 阪 市 営 地下鉄 御 堂 筋 線

駅名に付記した時間は、JR「瀬田 」駅までの 最短乗車時間のめやすを記しております。

阪神電 鉄

乗り換え等にかかる時間は含んでいません。

バス

また、時間帯によって変わることがありますのでご注意ください。

42


www.agr.ryukoku.ac.jp

農学部 瀬田キャンパス

大津市瀬田大江町横谷 1-5 農学部教務課

Tel 077-599-5601 Fax 077-599-5608 agr@ad.ryukoku.ac.jp

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農学部 教員紹介  

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