RADIO TOPE vol.05 “INTO THE OUTSIDE”

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RINGO MUSIC FESTIVAL (KAWARA RECORD) PHOTOGRAPHS BY RINGO MUSIC FESTIVAL

長野県は松本市で毎年開催され、今年で 5 年目を迎える「りんご音楽祭」。 音楽ファンにすっかり浸透したこの野外フェスの主催者であり パーティーハウス「瓦レコード」を運営する古川陽介氏の思いを聞いた。 りんご音楽祭のお話の前に、まずはその母体と

思っていましたから。

て言っている感じがして、勢いで始めました。

なっている瓦レコードについて教えていただけ

僕も、楽しくなかったから瓦レコードを始め

周りからすごく反対されたんですけど、最初

ますか?

たっていうのはありますよ。面白い場所ってい

だったからよく分からなかったんですよね。1

大学の授業で仲良くなった友達と、当時(2004

うか僕が求めるような場所がなくて。りんご音

年目はすごいコケて、2 年目をやるのも大変で

年)よく遊んでいて。誰かの家だと狭いし、ど

楽祭もそうかな。

こか遊びに行くのもお金がかかってしょうがな

した。赤字になったら続けられないし、ペイラ インがすごく高くて。でも、もう意地でやりま

いので、溜まり場を借りようという話になった

松本市の魅力を教えてください。

したよ。だって続けないと意味ないじゃないで

んです。そしたらその授業の教授がこの物件を

まず、空気が良くて、街がきれいなところです

すか。街全体に音楽の文化が根付いたらいいな

紹介してくれて、みんなで借りてここで遊ぶよ

ね。面白い人がやっている個性的な店も多いで

と思っているので、とりあえず生きている間く

うになりました。

すし。松本はこれだけの自然に囲まれた中、こ

らいは続けないと全然話にならないなと。だか

借りてから半年経った頃にレコード屋を始め

の規模で成立しているという点で珍しい街だと

ら続けるのはすごい重要だなと思いますね。

たんですが、色んなイベントに行っているうち

思います。瓦レコードで使っている水も地下水

に、京都メトロで Fantasia ってパーティーに

を井戸から引いていて、そのまま飲めるくらい

出会って。それまではこういうカルチャーって

ですし。東京や名古屋にも 2 時間くらいで行

に足を運ばれていて、その結果としてイベント

若い時だけのものだと思っていたんですけど

けるので、ポジション的にも良いと思います。

や野外フェスが成り立っているなと思います。

られるくらいの衝撃を受けたんです。1 ヶ月後

そんな松本で開催されているりんご音楽祭です

思うんですけど、あれを見て「じゃあ俺もやろ

「一生楽しめるものなんだ」って価値観を変え

瓦の HP 等を見る限り古川さんが意欲的に現場

僕はかなりウェブで情報を公開している方だと

にはイベントをやり始めて、現在の形になって

が、そもそもどういった経緯で始められたので

う」って思ってくれる人が 1 人でも増えたら

いきました。

すか?

良いなと思っているんです。要は、やりたいこ

そうやって自分で遊ぶ場所を作って活動されて いるのは本当に尊敬します。僕も同じ大学に 通っていましたが、何もなくて面白くないなと

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一度僕が瓦から離れた時期があったんですが、

とを本気でやれば、何の知識も人脈もお金もな

東京から松本へ戻った際に、現在りんごの会場

い素人でもできると。まあ、瓦も今年で 9 年

になっているアルプス公園に行ったんです。そ

の時にこの場所が 「ここでパーティーして!」 っ

目だけど形になってきたのは大体 3、4 年目く らいから。それぐらい、努力すればなんとかな


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