PSEvol.4

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JUN-2014 .................................................................... .................

計測器の校正受託 から PSE (電気用品安全法) に関する トータルサポート

PSE お役立ち情報

東洋テック株式会社は、計測器の校正は勿論の事、PSE(電気用品安全法)及びその他の製品安全認証にお いて対象・非対象の調査から申請代行、届出支援、試験の実施/受託、適合相談及びラベル貼付までを One-Stop にてトータルサポート致します。

今回この冊子では、電気用品安全法(PSE)において、施行規則の一部を改正する省令により、平成 24 年 7 月 1 日から施行されて新たに加わったエルイーディーに関する情報を、今年 1 月 1 日に施行された電気 用品安全法の改正技術基準省令(いわゆる性能規定化)と共に纏め皆様に発信するものです。 少しでも皆様のお役にたてれば光栄です。

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電気用品安全法(PSE)の性能規定化について 平成 25 年 7 月 1 日に公布された電気用品安全法の改正技術基準省令により、今年(H26)1 月 1 日より、いわゆる性能規定化が施行されました。これは従来の体系ではカバーしきれなくなっ てきている技術進歩や新製品への対応を可能にするための改正といえます。 現行技術基準と改正後の体系比較

(ポイント) 今までの技術基準省令が性能規定化される事により、従来の電気用品毎の試験方法や判定につ いては記述されなくなり、単に目的や機能的要求に対する記述のみになります。 また、旧省令第 1 項の要求は旧省令 2 項と共に「技術基準の解釈」に移行されますが、現在 も旧省令 1 項及び旧省令 2 項基準は「技術基準の解釈」として残りますので、今すぐ既存製品 における対策が必要という事ではありません。しかしながら、電気用品の大括り化や、最終的に は民間規格の採用等も考えられ、今後は従来の「電気用品名毎に決められた要求を満たしていれ ば安全」という受け身的な発想から、「電気製品は安全であれ」という大前提を基に、基準要求 の枠にとらわれない PSE 法で求められる本質的な安全について、事業者自身が積極的に考えて いく必要があると考えます。

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直管型 LED ランプの取り扱いについて 省令の改正でも分かる通り、近年、照明器具の主流になりつつあるエル・イー・ディー(LED)です が、従来の蛍光灯を用いる照明器具に互換性がある物には注意が必要です。 ご存じの方も多いと思いますが、エンドユーザーが従来の蛍光灯器具(安定器が内蔵されているもの) にエルイーディーランプを装着し事故につながるケースが増えています。 その背景から、平成 24 年6 月 29 日に経済産業省の製品安全課より、「直管型 LED ランプを専用 に使用する灯具に対する技術基準要求について」が発行されました。 http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/chokkan_led_tougu.pdf

では、その省令第 1 項技術基準別表第八 1共通の事項 (2)構造 ラ項とは? ○電気用品の技術上の基準を定める省令(抜粋) (昭和三十七年八月十四日) (通商産業省令第八十五号) 別表第八 令別表第 1 第 6 号から第 9 号まで及び別表第 2 第 7 号から第 11 号までに掲 げる交流用電気機械器具並びに携帯発電機 1 共通の事項

(2) 構造

ラ 器体の一部を取り付け、又は取りはずすものにあつては、次に適合すること。 (イ) 取り付け、又は取りはずしの動作が容易に、確実に、かつ、安全にできること。 (ロ) 電球又は放電管の取換え又は清掃のために開閉する部分の締付けは、容易に、確 実に、かつ、安全にできること。

(ポイント) 使用者(一般の電気工事士を含む。)によって取り付け、又は取りはずすことができるランプは、 安全性が確認できないランプ(安全規格等*1 により安全が確認されていないランプ)を使用した場合、 別表第八1(2) ラに抵触してしまう為、そのランプが使用者によって取り付け、又は取りはずすこと ができない構造にする必要があります。 この場合、当該ランプを LED モジュールと同等とみなし、ランプ部を含めてエル・イー・ディー・ 電灯器具の技術基準を適用して安全性の確認を行う必要がありますので、特にランプ部の設計につい て注意が必要です。 *1

安全規格等とは、現状、日本電球工業会規格 JEL 801 又は JEL 802 に適合するものを用いる専用器具がこれに該当します。

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エル・イー・ディー・電灯器具等と直流電源装置の解釈 平成 24 年 7 月 1 日施行の政省令改正により、新たに電気用品として追加された「エル・イ ー・ディー・電灯器具」ですが、その基本的な考え方としては「※電子発光体が「電気スタン ド」やその他に光源として用いられる時は、該当する電気用品の電気用品名をもって取り扱うこ ととする。 」とあります。しかしながらその製品の構成方法によっては、特定電気用品である 「直流電源装置」と、その負荷となる「LED モジュール(対象外)」になる場合があり、その解 釈には注意が必要です。 ※電子発光体とはLED等を指す。上記趣旨は、光源の種類を問わず、該当する電気用品をもって取り扱うという意味。

容易に取り外せる接続の場合 →AC/DC変換部分の装置のみが特定電気用品「直流電源装置」として規制される。 (外せる LED 部分は非対象の扱いとなる。)※6 面体を覆う外郭を備えているものの場合

容易に取り外せない接続の場合 →LED 部分を含めた全体が特定以外の電気用品として規制される。 (例)電気スタンド、装飾用電灯器具、広告灯、ハンドランプ、庭園灯器具、充電式携帯電灯、 エル・イー・ディー・電灯器具等 *容易に取り外せる接続 or 容易に取り外せない接続とは? 「技術基準別表第八 1共通の事項(2)構造 へ の解釈」を引用して運用します。 「容易に取り外せることができる」とは、ドライバー、スパナー等の工具、保守点検専用の鍵及び硬貨(以下別表第八において これらを「工具」という。)を用いないことをいう。従って、前述に該当しないものは「容易に取り外せない接続」となります。

(ポイント) 大まかな判断としては、電源ユニットと LED モジュール部分が容易にとり外せるか、外せな いか(一体か、一体でないか)によって電気用品名が変わり、電安法上の確認方法やその手続き が変わってきます。特に容易に取り外せない器具の場合、その用途によって電気用品名が変わる ので注意が必要です。 尚、有機ELを用いた光源も、エル・イー・ディー灯用のものとして取り扱う事となっており ます。

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LED のちらつき(フリッカ)の要求事項について 平成 24 年 7 月 1 日施行の政省令改正により「エル・イー・ディー・ランプ」等は、「電気用品」と して政令指定されました。これにより従来の照明器具の安全要求以外にエル・イー・ディー特有の要 求事項が新たに追加されました。 今回はその中で特に解釈が難しい、LED を光源とした照明器具について、特に人体に影響を与える (ちらつきによる体調不良等) 、 一般照明用のものに限定して(広告灯等は除く)新たな技術基準が 追加された内容をご紹介いたします。 そもそも、その要求とは?(以下、技術基準から抜粋) 一般照明用として光源にエル・イー・ディーを使用するものにあつては,光出力は,ちらつき を感じないものであること。 では、その解釈とは?(以下、解釈の抜粋) 次に掲げるものは,「光出力は、ちらつきを感じないもの」とみなす。 (1) 出力に欠落部(光出力のピーク値の5%以下の部分)がなく,繰り返し周波数が 100Hz以上であるもの。 (2) 光出力の繰り返し周波数が500Hz以上であるもの。

どうやって判定(測定)するの? 1.

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ちらつき(フリッカ)を測定する方法は?

光出力を測る方法として、 (方法 1) 色彩応答度検出器+オシロスコープ 直接、光出力を測定する最も一般的な方法です。 (方法 2) 照度計+オシロスコープ 照度計で受けた光出力をオシロスコープを介して測定します。オシロスコープ側の応答速度 を適切にする必要があります。

2.

LED 駆動電流を測る方法として、 (方法 3) 絶縁型オシロスコープ LED モジュールに直列に適当な抵抗を挿入し、絶縁型オシロスコープを用いて電圧を測定し ます。通常のオシロスコープでは筐体が接地(アース)されている為、短絡の恐れがあるの で絶縁型オシロスコープを用います。

(ポイント) 以上のようにちらつき(フリッカ)の測定には適切な機器と的確な判断が必要です。既に市場に出 回っている製品の中にも、これらに適合しない(電安法上、違反となる製品)が多く存在するも のと思われます。製造事業者、輸入事業者の皆様には基準適合義務がありますのでご注意ください。

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弊社では、製品安全無料コンサルティングをはじめ、基本サービス となるガイダンスによる技術基準の解釈及び具体的な設備・試験方 法のご提案、ならびに登録検査機関や民間検査機関による依頼検査 の代行等、お客様のご要望に合わせたきめ細やかなサービスをご提 供させて頂きます。 また、設計段階から製造、輸入、試験、届出及び、計測器の販売並 びに校正にいたるまで、PSE(電安法)に関するサービスをワンス トップでご利用頂けますので、お困りの方は是非ご相談ください。

弊社サイト:http://www.toyotech.co.jp/index.html イプロス(東洋テック)サイト:https://premium.ipros.jp/toyotech/?secure=true

東洋テック株式会社 製品安全グループ safety@toyotech.co.jp

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