Polish Culinary Paths, ポーランド料理道

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野 菜 、豆 、キノコ 、果 物

リ ン ゴ の 花

· リンゴの木は4月と5月に咲き、花は5 枚の花弁を持った薄いピンクの色で 優しい香りがします。花は食用で柔らかい味をしていて、飾りとして使ったり 乾燥したものをフルーツティーにしたりできます。リンゴの葉は、自然療法で は抗炎症や抗菌の煎じ出しに利用されています。もちろんリンゴの果実は最 もよく食べられており、食事の間の健康的な軽食として、あるいはケーキやデ ザート、肉や魚にも加えられたりします。低温殺菌された新鮮なジュースは、 喉の渇きをよく癒し、色々な健康によい性質を持っています。またリンゴは保 存がしやすいため、一年中用いることができます。 · 秋の果物では、西洋梨も人気です。ポーランドの領域では昔から知られ好 まれていました。洋梨はよく畑の近くに植えられ、大きく広がる枝が日陰を作 り、夏の強い太陽から隠れられる場所を作り出していました。 · 家 の そ ばの 洋 梨 の 木 が 一 年 に 二 回 咲くことが あ ると、最 初 にそ の ことを気付いた人に近いうち死が訪れるという凶兆だと思われていまし た。キリスト教 文化の普及により、13 世紀から西洋 梨は人間に対する神 の愛情や 母 親の愛の象徴となりました。洋 梨はドライフルーツにされた り、コンポートが作られたり、デザートに使用されたりしていました。また ケーキの材料だけでなく、肉料理にも用いられていました。19 世紀には蜂 蜜付けの洋 梨のドライフルーツがウォッカの肴に薦められたりしていま した。 · 伝説によると、ウォンツク市の教区司祭は罪を犯した信者にリンゴの木を植 えるように言い付け、セフナ市の司祭はプラムの木を植えさせていました。機 転の利く住民たちは直ぐにプラムを使ってシリヴォヴィツァ śliwowica という 強い酒を造るようになりました。司祭は頭を使い、信者がプラムを全部酒に 使わないよう、燻製にすることを薦めました。こうしてデザート、コンポート、肉、 オートミール、粥などに用いられる美味しく良い香りの燻製プラムを作る習慣 が誕生しました。中でも、シドウォフ市の燻製プラムも珍しい味をしています。 · 生のプラムからはジャムやジュースが作られたり、またデザートやケーキ に使っても美味しいです。ポーランド名物として知られているのはシリフ キ・ヴ・チェコラージェ śliwki w czekoladzie(ドライプラムをチョコレートで コーティングしたもの)です。 · 6月はポーランドでイチゴの月です。現在知られているイチゴはバージニア イチゴとチリイチゴの交雑によって作られました。チリイチゴはチリとペルー に派遣されたフランス人のスパイ、アメデエ・フランソワ・フレジールによって 1714 年にヨーロッパに取り入れられました。 · 特に評価が高い品種はポーランド北部のカシューブ地方のイチゴで、遅く 実をつけサイズは小さいですが、とても甘く良い香りをしています。

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