Page 1

ファンタジア・ワークショップ イメージをかたちに


目 次 イメージをかたちに

4

クリエイティビティを取り入れたアプローチによるブランドの競争力向上

6

ワークショップを戦略的に活用したクリエイティブ・イノベーション

7

企業の資源にファンタジアを 

9

まったく新しいものを生み出すブルーノムナーリの創造のプロセス

10

ファンタジアワークショップの体験からオリジナルメソッドを導く

12

芸術からデザインへ

15

21のドット

21

フロッタージュ

25

緑のカレー

31

ダイレクトプロジェクション

37

ビデオジョーコ

43

ゼログラフィア

49

ムナーリとの対話~体験と理論の関連付け~

55

ファンタジア適用の可能性

59

適用分野におけるデザインアプローチからオリジナル デザインメソッドの開発へ

60

ファンタジア・ワークショップ イメージをかたちに

3


イメージをかたちに

Creativity - クリエイティビティ 単純で世界共通の方法で実現可能だが 以前に存在しなかったもの。 企画設計する手段であるデザインの分野 で活用され、 ひとつの問題のあらゆる側面 を内包する手段。

Bruno Munari

4


日常のありふれたモノから、想像もしなかった発見があったとき、当然と なってしまっていたことが、全く別の関係性をもって世界が見えてくる。 このファンタジアワークショップに参加し、 そんな瞬間に出会ったメンバー の経験をブックとしてまとめました。 企業人が、 まずは一人の人間として社会を感じとり、関係性をつくって いくこと。一人ひとりがそのようなクリエイティブなマインドを持つことで 社会に対する自分、 自らが所属する企業の可能性を広げていくことに つながる。企業がクリエイティビティのインフラをもち、 それがオリジナルの プロダクトに結び付いた時、従来の経済的価値に加え、社会的価値 文化的価値の創造へとつながると考えます。

5


クリエイティビティを取り入れたアプローチによる ブランドの競争力向上 生産性の向上を目的とした オペレーションとしてのデザインから脱却 生産性の向上を目的としたデザインは有形資産を生むための直接的アプローチ。 部門間を調整するオペレーションとしてのデザインから脱却し、企業ブランドとしての 独自性を打ち出すデザインアプローチへ。 ○ 企業と社会のつながり 技術開発のためのマーケティングと、新技術をアピールするためのコミュニケーション戦略。 エンドユーザーの 使用上の問題がユーザーの声すなわちニーズとして企業がソリューション を提供するモノづくりの流れ。 顧客の声に耳を傾けず、 新しいマーケットを 作り出さない マーチャンダイジング

新技術+サービスを 一方的にアピールする コミュニケーション戦略

売れるものづくりのための ソリューション

使用上のサービスや 機能面に対する問題の訴え

○ 有形資産を生む直接的アプローチ マスマーケットを前提として品質・コスト・納期の深化と効率化が高い競争力を生むための直接 的アプローチ。 「いいものさえ作っていれば、 いつか誰かが認めてくれるだろう」 という姿勢。

創造性の向上がブランドの競争力になる これまでの生産性の向上を目的とした直接的アプローチから脱却し、創造性の向上 を目的とした間接的アプローチ。 ○ 無形資産を生む間接的アプローチ 人の感性や組織としての創造性の向上から、 ブランドとしての競争力を生むための間接的 アプローチ。 「企業の思いを正しい人に正しく伝えたい」 という姿勢。

6


ワークショップを戦略的に活用した クリエイティブ・イノベーション 「富士通がいい」 を実現するデザインメソッド ユーザーの消費動向は物的消費から意味的消費へ変化している。 企業がブランドになるためには、 企業と人と社会の関係性をイノベーションし、 ユーザー が本当に 「ほしい!」 と思う、 これまでにない新しいモノやサービスを生むための社会的 文化的・経済的価値を持つデザインメソッドを開発する必要性がある。

ワークショップを戦略的に活用した オリジナルデザインメソッドの開発 ワークショップ活用の有効性 対企業内 ●“社会の風” を感じる本質的な気づきの感性を習得 ● ● ●

子どもの感性を取り戻し、 デザインメソッドを確立 社内クリエイティブコミュニケーションの促進 社内が横断的に参加できるデザインアプローチの習得

対社会 ● ● ●

子どもと大人の新しい関係 ユニバーサルデザインの開発と社会への認知 富士通ブランドアイデンティティの認知

ワークショップ活用により生まれる方向性 企業的価値へ ● ● ●

国や言語を超越し世界に通用するオリジナルメソッドをもつ デザインメソッドを製品開発に戦略的に取り入れる 社員の創造性が企業価値になるブランドの競争力向上へ

文化的価値へ ● ● ●

幅広い分野に適用可能なユニバーサルデザイン キッズデザインの新しい指標をつくる創造性開発へ 子どもも大人も一緒に楽しむインターフェイス・デザインの方向性提示

ワークショップとは 経 験を拡 大 する 見 慣 れた日 常 生 活を他 者 の目で 見る 経 験 から生まれる「 中 立 的な何 か 」という視 点 「講義や一方的な知識伝達のスタイルではなく、参加者自らが参加・体験して共同で 何かを学びあい創り出す、新しい学びと創造のスタイル」 と定義されるアクティビティの総称。

○ 特徴 テーマの主 体 的アプローチによる、 これまでブラックボックス化していた 価 値 創 造の仕 組みを経 験 的に、身 体 的に理 解させてくれる場として、 明確に表現したもの。

○ ワークショップの主なテーマ ■ 課題の発見

■ 部門横断的な問題解決

■ 業務の改善

■ チーム力を高める

■ 新製品企画

■ 部門のビジョンを定める

■ 新しい経営手法の導入促進

■ イベント企画 7


Fantasia - ファンタジア これまでになかった新しいことを考えださせる人間の能力。 実現可能か機能面はどうかは考えなくていい。

Bruno Munari

Bruno Munari - ブルーノ・ムナーリ 1907年ミラノに生まれる。 イタリアが生んだ世界に誇る芸術・デザイン・教育で活躍したマエストロ。 代表作として知られる作品は、 イタリアのデザイン賞の最高峰コンパッソ・ ドーロを受賞した 「Zizi」。 ストッキング素材の照明「フォークランド」。 「ダネーゼ」社の灰皿「クーボ」、 スウォッチ社の「Tempo Libero」 など多数。 ムナーリは 「クリエーター」 としての活動の中で、 「創造力を掌る人間の本能的な能力をコミュニ ケーションによってひき出す方法」 に関する研究をしていました。研究では創造性や視覚言語を 重視したコミュニケーションに関するデザイン・アプローチを研究し、 その研究成果を自身のデザ イン・プロジェクトやワークショップで実践しています。人の創造性を引き出すことを目的に明解な 理論で研究された教育理論は、 「ムナーリ・メソッド」 として広く実践されています。

8


企業の資源にファンタジアを

富士通デザインのブランドアイデンティティ3つの要素 富士通が方向性として掲げる3つの要素と、 デザインコンセプトから、 どのように社会的 文化的・経済的価値を持つ企業のブランドアイデンティティを構築するようなデザイン メソッドをつくっていけるのか。

デザインポリシー

ユニバーサルデザイン

デザインアプローチ

人を中心に考えるデザイン

誰もが参加できる社会

社会に必要とされる創造性

人とI T の やさしい 関 係 デザインの力で先端技術と人を結びつけ、無限の可能性を求めて、できる限り多く の人にとって使いやすいデザインを目指し、デザインを通じて、新しい情報社会の 生活を安心で、快適で、豊かなものに。 誰もが参加できるIT社会を目指し、デザインが市場での競争に勝利することや、 企業の短期的な売り上げに貢献すること以外に社会に対してなしうること。

ファンタジ ア ワ ークショップ の 体 験 ムナーリ・メソッドを通して富士通デザインのデザインメソッドの方向性を導く ●

ムナーリメソッドの体験からデザイン理論を習得

創造性をデザインに反映させる

参加者の デザインアプローチ意識変革

チームデザインと社内クリエイティビティの向上

「 人とI T の やさしい 関 係 」へ

9


まったく新しいものを生み出す ブルーノムナーリの創造のプロセス ムナーリの創造のプロセス 外の世界から、 どのように自身が世界を取り組み、 アウトプットを出すのかというムナーリ が考える創造のプロセス。問題に対するソリューションを作るのではない、 「デザイン」 の考え方。

ファンタジアからオリジナルメソッドへ 富士通オリジナルメソッドを開発するために、戦略的にワークショップを取り入れ、 ムナーリの創造のプロセスのマインドを経験し、 オリジナルメソッド構築へと繋がっていく。

富士通デザインチーム ファンタジア + ムナーリメソッド ワークショップ

富士通 オリジナルメソッドの 方程式

ファンタジアOS オリジナルメソッドを導く方程式 富士通オリジナルメソッドを導く方程式は、 ファンタジアワークショップで習得する 「知のプロセス」 に部門間を超越した富士通クリエイティブチームの総力がかけ合わさる。

知のプロセス

10

オリジナリティの相互作用


ファンタジアワークショップの体験から       オリジナルメソッドを導く オリジナルメソッド クリエイティブチーム ○ 富士通デザイン 部門間を越えた枠組みによるクリエイティブチームの編成 参加名:TAKE1

参加名:YUMI

参加名:KOJI

竹田 恵一 グローバル・デザイン戦略部 デザインディレクター

久鍋 裕美 コーポレートソリューション部

木村耕二 グローバル・デザイン戦略部

参加名:YUKI

参加名:MARK

濱谷 幸代 ユーザー・エクスペリエンスデザイン部

Mark Friesen プロダクトデザイン部

参加名:TAKE2

参加名:SAORI

堀江 武史 ソリューション・デザイン部

加藤 沙織    第一デザイン事業部  デザイン企画開発部

○ Shiodomeitaliaクリエイティブセンター /メタデザイン ムンラブ協会のミキ・デッツァーニとピア・アントニーニの二人をファシリテーターとして迎えた ワークショップ運営チーム

12

ファシリテーター:MIKI

ファシリテーター:PIA

Michella Dezzani

Pia Antonini

MUNLAB

MUNLAB


ファンタジア ムナーリメソッド 7つの体験プロセス

芸術からデザインへ 芸術とデザインのつながり

21のドット 直感とメタ認知

フロッタージュ 日常の素材の発見

緑のカレー 答えのない命題をデザインする

ダイレクトプロジェクション 素材の構成と表現

ビデオジョーコ 感覚機能のインタラクティブ体験

ゼログラフィア ASOBIの模索と展開

13


『陰と陽』 ブルーノ・ムナーリ作 「陰と陽」 は壁にかけられた作品の従来の関係性を否定し、 壁を作品に一体化させている。額縁がなくなれば見る人は、 その人の感性によって様々な解釈が可能になるだろう。 一握りの人のためのアートから万人のためのアートの世界へと 行き着く、 あるいは回帰している作品。

14

これらの絵をうみだす基本となる考えは、 作品を構成するあらゆる要素や形、 表面のどんな部分でも、 前景にも背景にもなりうるということだ。ブルーノ・ムナーリ


芸術からデザインへ 芸術からムナーリへ 2次元から3次元を表現する


芸術を見る・分解する 画家の思考を辿る

表現を探る

芸術家の思考と表現のプロセスを辿るー 何を伝えたくて、 このような 表現になったのか。このワークショップでは、表現を模索するために 粘土を使用します。粘土は、観察からのイメージが、手からそのまま 「かたち」として表現できる素材です。参加者は二人一組となって、 一緒に画家の思考を辿り、 イメージのかたちを模索します。

ワークショップが始まる前、 マネ・セザンヌ・マティス・ピカソ・ブラック・モンドリアン・ブルーノムナーリの 絵画作品から好きな絵を選んでもらいました。二人一組になり、選んだ絵画を粘土で表現します。 突然「絵画を粘土で表現してください。」 と言われ、参加者は戸惑うばかり…。表現の方法を教わる のが目的ではなく、表現を考えるプロセスがこのワークショップでの目的です。それぞれの絵を観察し ながら、表現方法を探っていきます。

まずは絵のカンバス (土台) を作りましょう

え?この絵を粘土で作るわけ? 「絵画をどうやって…」  粘土をのばして土台となるカンバスをつくります。 ピカソの絵は、 ジーっと観ると形が 変化して、 次から次へと新しい表情が見えてきます。

YUMI&YUKIチーム 「ピカソ アヴィニョンの娘たち」

どこかで見たことのある名画。どちらも人を描いているのに、 限りなく平面的、 でも同時に立体的。 どうしてだろう?

TAKE1&SAORIチーム 「マティス ダンス」

マティスの絵は、 「 空」 と 「大地」 そして 「踊る人たち」 を鮮やかな色面で構成しています。絵画のカン バス上の空間構成をよく見ながら、大地に当たる部分を粘土カンバスの上に盛ります。

16


表現の再構築 イメージのかたち

奥行きが見えてくる

平面に構成されている色や形、動きの観察から、絵画のメッセージを 読み解きます。絵画の言語を粘土で表現しながら、 そのイメージがかたち になるとき、今まで見えなかった新たな表現が見えてきます。 2Dから3Dへ

Take1

人の頭から配置していく。このと き、絵の構成を想像しながら形作 ります。

悶えている 形作りながら色面と空間の関係 「踊っている人たちが、 ように見えてきた。楽しく踊って 性を探ります。 ない。」

見れば見るほど 立体的

Yumi

形と形の構成に空間の構造が 見えてくる。

体との後ろにある空間をどうやっ 色々な角度でみると、別の表情が て表現しよう。 現れる。

何が奥にあるのかなあ、立体感をどう出そう? Yuki

2次元の世界を3次元に落とし込むとき、 立体感から人の動きや感情も表現できる。

デザインプロセスと自由な発想

Yumi

創造のプロセスを通じて、 これまで何気なく見ていた絵画作品の空間的な奥行きに潜む視覚言語に関心 を持ちます。目の前の絵を描いた画家も、 かつて同じように視覚言語の模索と展開を行い、表現していま した。 その創造行為とプロセスはデザインと共通するものがあります。

17


ブルーノ・ムナーリの芸 術とデザイン

TAKE1&SAORI作 マティス_ダンス

2Dから3D Take1

19世紀の近代絵画マネから、 ムナーリへの軌跡を辿ってみよう 体験を踏まえて、芸術家が表現の手法として用いた「絵画」 を見直してみる。

マネ

セザンヌ

マティス

ピカソ

実像主義から表現主義へ 近代絵画の始まり

視覚的な緊張感、幾何学的構成

色面での表現、他文化の導入

キュビズムの始まり 異文化美術の混在 画面上で実験= 「デザイン」

18


YUMI&YUKI作 ピカソ_アヴィニョンの娘たち

デザインプロセスと自由な発想 Yumi

ムナーリも初めは芸術家として活動し、 その後デザイナーとして ヴィジュアルコミュニケーションを探究し続けた。

ブラック

モンドリアン

ブルーノ・ムナーリ

ブルーノ・ムナーリ

ブルーノ・ムナーリ

多視点、分解 再構成

自然を分解して水平垂直に近づける

ムナーリのコンポジションの実験。

平面の要素を排除した コンポジション

ピザの箱に収まる照明

○ワークショップ体験から発見するムナーリの理論 芸術家が伝えようとしていた、社会的、哲学的、宗教的メッセージは、 本当に適切な表現で実現されていたか。 ムナーリはデザイン的思考を持って、そうしたメッセージを分かりやすく 伝達するために、絵画ではなく、 より適切な方法で表現して伝える方法を考えていた。 芸術、見る人の感性に依存するのに対して、 デザインは、文化を持って作業を進め、 社会的、文化的メッセージを出来る限り多くの受け手が理解できるように、 視覚言語をもって適切な方法で表現する行為である。

19


フォークランド デザイン:ブルーノ・ムナーリ 伸縮性のあるナイロンをチューブ型のシェードにしたペンダントライト。 シェードの中には金属製の輪が7つ組み込まれている。 直径最大40cm x 165cm、折りたたんだ時の厚みは3cm。 アルミニウムのソケット (別包) から吊り下げる。

20


21のドット 抽象画から考える「なぜ?」 直観とメタ認知の関係性を知る


直感とメタ認知の関係性を知る 融合

連鎖

自分を探る

卓上に広がる沢山のポストカード。カードを一斉にめくると、 そこには 21個のドットが織り成す様々なイメージが…。

「カードの中から、自分の見ている世界に一番近いカードを 1枚だけ選んでください。」Munlab カードの21のドットは、様々なメッセージを 投げかけてくる。 「自分の世界」 「自分と社 会」 「自分と周りの人」…。自分を中心に 様々な関係性を創造し、考えます。

選んだカードの意味を考え、 カードを見ている自分の視点を考察。 「つながり」 「融合」 「連携」 「 伝播 」など、21個のドット が 創り出す様 々なイメージ に、自分の見ている世界=関 係性を投影するプロセス。

カードを構成している線や点の関係 性からSTORYや調和を感じるが、 それぞれの印象は異なる。

” 「知る」とは何か?”を考える。 初めてカードを見たとき、全員がとまどっ ていた。それは見たことのないものだっ たから。いろいろ考え、探っていくこと で、意味を考え、より深く知っていく ことができる。もしかしたらまだここに ステレオタイプから抜け出すヒントが あるのかも。」Yuki 22

あれこれ迷い、考えながら、 イメージの琴線 に引っかかったカードを選び出します。


伝播・調和・つ な が り

周りを知る

選んだカードに見出した、自分の見ている世界観=視点の説明を通し て自分を紹介します。カードの表している意味を考え、 それぞれ発表す ることで、全く知らない視点に出会うことができます。

直線がないこと。 それで、 見た目がや ひとつ特別に好きなものがあるの いろいろなものが繋がっ わらかく見えるし、人々がこんな風に ではなくて、 やさしくなれたらいいなと思いました。 ているのが私です。

It represented the relationship that different topics can overlap and influence each other in unusual ways.

今までの自分の人生において、 幅が広がっていていくのは、人と 人との出会いかと思いました。

テニスが好きで、 これはボールをイメー ジしている。

自分の生きてきた軌跡を表現。 ここにとどまったかと思えば、 あっち に行ったりなど。

常に関係性を感じる習慣クリエイティビティを育てること Take1

21個のドットは、 どのカードにも共通に配置されている。 ドット と多様な線から作り出される各カードから、自分と他者の視点 の関係性を考える。

一見意味のないものに 意味づけをしていく作業= クリエイティビティSaori ○ワークショップ体験から発見するムナーリの理論

あるひとつの「もの」が    別の「もの」になりうると知ること。 変化は、現実の世界で唯一不変のものである。 新しい関係をひとつ知ることが、新しい創造性をひとつ生むことになる。

隠れた関係性を知ることに終わりはなく、 それは同時に無限の創造性を秘めている。 23


Bruno Munari - ブルーノ・ムナーリ 21のドットはムナーリの抽象画シリーズ 21の穴を開けた本の装丁デザイン

24


フロッタージュ 日常世界のテクスチャーの探索 フロッタージュ (frottage) :シュルレアリスムで用いられる技法の1つ。 フランス語の「frotter(こする)」に由来する。 木や石などの凹凸面に紙を置いて上から鉛筆などでこすり、偶然的なイメージや図柄を紙面に 写し取る技法。 このような技法およびこれにより制作された作品をフロッタージュと呼ぶ。


日常世界のテクスチャーの探索 見慣れた日常を再認知する 素材の表情を探る すべての素材は、触って目で見る観念的な 視知覚情報の他に、様々な物理的要素に より形成されています。身の回りにあふれ ている素材を紙の上に写しながら、新たな 素材の表現=テクスチャーを発見します。

「身の回りの素材を探して、紙にクレヨン一色だけを使って こすってみましょう。」Munlab

身の周りにある素材を今までと 異なる視点で探索する。 色、 こする方向、強さに よって紙に浮き出る素 材の表情は変わる。

椅子の背もたれや地面、廊下の壁、 自動販売 機など、面白そうな表面を持った素材を求めて 探し回り、擦り出して実験する。

フロッタージュによって紙に浮きでる素材の意外な表情

見慣れた日常世界を再認知する。

26

今まで目で見ていて知らなかった素材の姿。 “もの” は 「テクスャー」 をもっていることを知る。


バリエーションを探求する 自分のテクスチャーを表現する 複数色のクレヨンと紙を使った、 身の回りにある人口素材のフロッタージュ。 テクスチャーの発見から、 オリジナルのテクスチャーを表現する。

用意するものはタイル各種、格子状の網など、 どれも日常的な人口素材。 それと鉛筆にクレヨン。

鉛筆やクレヨンで人口素材こするうちに、 フロッタージュは素材の構 成=表情を知ることができる行為であることに気付く。 新しいことを考え出すには、自分の知らないことをまず知って、それを 受け入れるところからだ。Yuki

手や動きからテクスチャーは表現できますね。Mark

ひとつのことを広げていくことで、 より深まり、さらに視野が広がる ことがあります。これは、 0歳から 90歳までできる方法です。Yumi 素材と色・行為の制限が 表現のバリエーションを生む それぞれの素材の構成を頭の中で分類しながら、 人口素材や色同士の組み合わせ、下地の変化 などによる新しい表現の試みが出てくる。

とことんやっていくことで幅が広 がっていきます。やりながら関係性 が見えてくる。Take1

探していくプロセスから、色の対比や何かに基づいたものを組み合わせることで違うものが見えることが わかってくる。何かを組み立てた上で、 わかることもある。Saori 27


メタ認知により発見したテクスチャー

28


○ワークショップ体験から発見するムナーリの理論 フロッタージュは、日常的なマテリアルの構成情報を 新しい視点で認識し、平面に表現する手法。 立体素材から紙上への変換実験で生まれる様々な表現は、 マテリアル本体には無い、新しい視覚言語を持ったテクスチャーである。

29


AMERICA AMERICA 装丁デザイン:ブルーノ・ムナーリ 都市に林立するビル郡のイメージを フロッタージュ技法を用いて表現。

30


緑のカレー 答えのない命題をデザインする


答えのない命題をデザイン コンセプトをかたちに 固定概念を捨てる 通常の課題では、解決するべき命題のためにソリューションのデザイン が行われるが、 このプログラムでは、 “緑のカレー”の、 そもそもの“緑” という概念から考え、料理をデザインとして作品を作る。既成概念を 捨てた新しいコンセプトに基づいて、 コンセプトをかたちにする。また、 チームによるクリエイティブプロセスの経験を通して、 チームデザインの あり方を考える。

”緑のカレー”とは何なのか?という命題へ、 既成概念を捨て、チームで戦略を立てる。

まずはコンセプトを固め共 有 。 それから食材を選び、 それをどう 調理して、 ゴールをどういったイメー ジにしていくのかを話し合った。 進めていく中で確認をし合い、 時には新たなアイデアを取り 入れた。Yumi 具の無いカレーで今まで見たことが無い驚きを表現しようと思った。 Take2&Saori

まず、緑のカレーの定義 一般的なカレーは何色 黄色・赤色などある? 緑のカレーのイメージ作り見た目 味、素材感、食感など Take1

食べていて楽しくなるような、 いろんな食感や具材との出会い。 「緑のカレー」の「緑」は自然の多様さや 印象の美しさ楽しさと捉える。Yumi

32


チームでデザインする イメージからかたちへ 料理をデザインとして考える。2人1組になり全3チームが、1時間半をかけ て「緑のカレー」のテーマに対してコンセプトを設定し、 プロセスを構築、 実践し、出来上がったカレーのプレゼンテーション、試食検証までを行う。

戦略を立て、方向性を確認しながら、様々な試行を繰り返し、求めるカレーを探索した。その中で 予期せぬ事象も取り込みながら、 チームでかたちにする創造のプロセス。

Fun to Eat ! (and fun to make!) Yumi & Mark

五感で楽しむグリーンカレー Take2 & Saori

緑のイメージ、 やさしさと新鮮さ。味はマイルド 食感はなめらかさとしゃきしゃき。 Take1 & Saori

通常の概念を忘れ、答えのない命題から考えた創造のプロセスは 3チーム三様のオリジナル・カレーを生み出す。 見せ方を考えて、 カレーを盛り付ける。 それぞれの緑カレーを、 プレゼンテーション。

33


個 人とチームのクリエイティビティを 活 性 化 するデザインアプローチ

○ワークショップ体験から発見するムナーリの理論 全ての結果が出る前に結論付けることは出来ない。 命題の本質を定義することから始め、 実験と検証を行うプロセスが、 本来の デザインのプロセス。そこに多様なデザインアプローチが生まれる可能性がある。

ほかのグループもほぼ同じプロセスを踏んでいながら 出来上がりは全く三者三様。 詳細を詰めていく議論の過程に、 やはりメンバーの個性が組み込まれている。 Take1

同じ限られた素材と同じテーマだったのに 3チームが全く違うカレーを作ったことに驚いた。 (見た目も、触感も、色も) Saori

特に普段との違いは、 いつも作る料理には表現したいことは特になく、 「決められたプロセス」をそのまま辿り、 「明確にイメージされたソリューション」に 向かっていくだけのことが多いのに対し、 このワークショップではソリューションも決めないといけないし、 プロセスも考えないといけない。 こんなにも料理について考えることはなかなか無い。 Yuki

34


正解なんてなかったのだ。 これは、世界に一つしかない、 オンリーワンの私たちだけの   “緑のカレー” なのだと自信を持って言いたい。Yumi

35


緑のカレー昼食会 三色カレー。チームでお昼を頂きながら それぞれのカレーのコンセプト、 出来上がりのソリューションを検証しつつ…。 どれひとつ同じ味のカレーがなく、 しかもおいしい! みんなあっという間に食べてしまいました。

36


ダイレクト ・プロジェクション 素材の構成を知り表現する


素材の構成を知り表現する 目に見えない素材の構成 コンポジション 写真投影用スライドを、いつも とは違う方法で使ってみる。 機械の新しい特性を知ると共に スライド用マウント内にて、素材 を使った表現を試みる。 素材の構成を理解し、限られた 要素の中で、新しい表現方法を 模索する。

身の回りには目に見えないものがたくさんある。 布やプラスチック、 テープ、 セロファンなどの断片 の山から気になる素材を探す。

色・形・特性を考えながらマウントの上で素材のコンポジションを行う。

素材を知るための単純な実験から、異なる素材を組み合わせた コンポジションの複合化、バリエーションを探求し、表現を広げる。 立体的なものをスライドにはさむ 感覚がなかった。マテリアルは、 自然のもののほうがやわらかい 印象。触ったりするのと、 見るものでは違うことがあった。

自分がやってみたものを、 (違う視点から) 投影して大きく見るのがすばらしい。 Take2 38


限られた要素で表現する 機械の新しい規則を理解する スライド映写機を使用し、様々な素材をスライド用マウントを通して 見ることで、新たな素材の表現方法を模索する。投影を行いながら 「機械」のルールを知ることからはじめ、それぞれの素材を、いつも とは異なる方法で知る。

スライドの構成表現を分類して 図鑑化する 「 機械 」のルールに基づいて、素材の図鑑化 を行いながら、色の表現の可能性と、素材の もつ 特 性を生 かした 表 現 の 可 能 性を考え スライドで表 現してみる。表 現を考えたプロ セスを発表する。

  プロセスによってつくられる世界は、 いくつも生まれるということを感じさせられた。Take2 普段、使わない機械を、普段使わない使用方法で   活用するというプロセスが大変興味深かった。Yumi

自分ひとりでは全然できなかっただろう、 と思う。 パートナーやチームが持つナレッジやスキル、興味に感心し、 人は人、 と考えつつも、排除的にするのではなく、 うまく取り入れていくことを心がけた。Yumi 39


制 限から生まれる創 造 性の革 新

無意識に行っていることが、 実を言うと考えられた行動 Take1

最初に予想をしながら作成し、それを映し出すのだが、まず そこで予 想に反したものが 出てきて、その傾向や事例から 学習をする。それをもとに、与えられた条件からバリエーション を増やしていくことができ、 クリエイティビティとはこういうこと なのかなと、体験の中で感じて理解し、身につけていった。Yumi

40


○ワークショップ体験から発見するムナーリの理論 制限から生まれる創造性の革新プロジェクトを進める上で、 素材や技術は多角的に揃っていれば良いというわけではない。 限られた条件下で創造性は深化し、多様な表現を生み出す。 明解な論理と視覚言語を追及するデザイン思考。

モノが豊富にあるより、減ることにより工夫され、 クリエイティブな作品が出来上がるという発見。Take2

プロセスの中に今までにやったことの 無いものを想像しながらやるということ。 Saori

41


42


ビデオジョーコ 素材と感性をインタラクティブに体感


素材と感性をインタラクティブに体感 複合的な知覚 感じるASOBI

知覚体験

ビデオとモニターを使った、素 材 と 感 性 の インタラクティブ な 「ASOBI」。まず、ワークショップ に 取り組む子どもたちの 表 情 、 言 葉 、姿 から、子どもの 感 性を 探る。次に大 人も感 性を使って 素材を探索し、表現へと展開する 知覚体験ワークショップ。 ガラス作業台の上の素材が、 ビデオを通して同時にモニターに映し出される “新しい「機械」” を通して、 様々な素材を知覚し、 自身の感覚を認知します。

手の動きに合わせて変化する素材とモニター。 同時に視覚・触覚・ 聴覚・臭覚の知覚情報をインタラクティブに体験。 「やりたい、やりたい」 「どろどろのべたべた」       「うまそうだなぁ」 「色が色々!面白い!」

夢中で触る子どもたち。 絶えず変化する模様・色・感触、 子どもの中で複合的に知覚している様子。

手と目を通して伝わる感覚とモニター上の表現の関係性 とにかく楽しむ。遊んで触って、 関心を広げ、心行くまで、思いの まま、知るための行 為を続ける 子どもたち。

感覚を使えば使うだけ“知る” ということは、 より複合的になっていく。Munlab

五感とそこから沸き起こる感情は人間の本質かも。Yuki 44


自分自身で思いのままに遊ぶ 子どもと同じ 感じるままを体感 子どもは何に夢中になっていたのだろう。      さぁ、 今度は大人がやってみよう! 今度は大人が情感的なインタラクティブの瞬間を体験。 なにが子どもを夢中にさせていたのか。子どもと同じ遊びの体験を 通して、子どもの感性を辿る。 どういうふうにものを作っていこうということが先行してしまって、 どういうふうにやればいいかプロセスを考えてしまった。 子どもはきっとそんなこと考えないだろう。Take2

理解するために行う。 どのようにやるかを考える。 やってみる。何 か 動きながら コミュニケーションをしてみる。

とにかくやってみる。 とことんやる。みんなでやる。 

子どもと違うことをしようと思ったけど、子ども がやっていることと、自分がやっていることに 変わりが無かった。Yuki 機械の 既成概念を捨てる 新しい表現を繰り返すうちビデオ に対する既成概念を捨て、 ビデオ の新しい機能に気付きます。

子どもだから無我夢中にやるのかと思ったけど、 自分が立ってみたら自分も同じであった。Yumi 45


年 代・国 籍・言 語を超えた ユニバーサルなインターフェース

視覚的要素より、触覚的要素の方が 単純に人の感覚を引き付けるのか? Take1

五感で遊ぶというのは大人にも子どもにも楽しめる。 子どもはやってみてから考える。 大人は考えてからやってみる傾向がある。 Yuki

いざ自分がやってみると考えることを忘れる。没頭してしまう。 Saori

(子どもたちは)好奇心旺盛で 「なぜこれをやるの?」等と疑問など持たず 「とにかくやってみたい」というのが伝わってきた。 純粋な気持ちで先入観なく手を動かしていた。 Yumi

46


○ワークショップ体験から発見するムナーリの理論 子どもも大人もやることは変わらないという事実。 子ども大人、 国や地域も越えたユニバーサルな知覚体験。 「ASOBI」 とは終わりのない「知」の体験を自分自身で思いのままに行うこと。 大人は行うことの意味を見出さないと動かない。 一方、 子どもは知るための行為に興味があり、 「なぜやるの?」ではなく、 視る事で憶え、 行うことで関係性を 「知」 っていきます。 同様に、 これまでの経験したことのない知覚体験を大人に与えると、 大人も子どもと同じように、 自然に触って知ろうとしはじめる。 そこに、 手を動かしながら、 隠れた関係性を知り、 経験から新たな表現や コミュニケーションを生む「ASOBI」の本質があります。

47


さまざまなクリエイティブな活動の中で、視覚言語の領域を 拡大してきたムナーリは、未来の子ども(ファンタジスタ)の ために創造性ある感性を表現できる視覚言語を盛り込んだ さまざまなアプローチでワークショップを開発しました。

木をつくろう:生長する木 細くなる枝 A) 子どもは大人がしていることに大きな好奇心を示す。 B) まず大人が大きな包装紙を一枚取り出し床に引く C) そしてもう一枚を縦半分に破り一枚目の上にVの字にして置く D) これを繰り返しながら大きな木を作りはじめる。 E) ここで子どもに 「誰か手伝ってくれる人!」 と呼びかけると F) 子どもは一斉に動き出す G) 木は見る見る大きくなり、 しまいには体育館いっぱいに細い枝を伸ばす H) 木の表面に何かしてみようー思いついた事を描いてみる I ) 紙を葉の形に切る子、鳥の巣を描く子、 虫や花やリンゴなど、   どれも木の周りで目にするものばかり。子どもは自分の経験から 想像力を目いっぱい 引き出しイメージしたものを紙に描く J) 遊びを通して木の生長の規則だけは全員が共通して学んだ事になる

48


ゼログラフィア 既存のモノを疑う 「ASOBI」の模索と創造の発揮


既存の” もの” を疑い「ASOBI」の模索と創造性を発揮 機械のルールを知る 動きを表現する 日常生活で普段何気なく使っている既存の” もの” を、違う方法で探索 します。今回のワークショップでは、複合コピー機を日常とは違なる方法で ある、 「新たな言語を創造する道具」 として使い、 ASOBIながら表現します。

「機械」の特性を理解し、通常のようにただ複写するのではなく、素材 の動きを表現するためのツールとして利用する。

コピー機で、 そのままコピーしない “ASOBI”ながら表現しよう

通常使用している機械を、 「 ASOBI」 を加えた方法で利用する。人と機械の関係をインタラクティブに 体感する。完成された作品をイメージして、 パフォーマンスのような動きを機械に読み取らせる。

身の回りの素材も違う使い方次第で新たな創造につながる。Take2

様々な素材の構成、配置、動きを加えながら、表現方法について戦略 を立て、実験しながら表現の模索をする。 50


チームの創造シナジー 独創的な表現をする 他者の表現方法から、個々の表現方法を応用していく共同での創造 活動を体験。機械のルールを知ることが新しい遊びと表現の発展に つながる。

同じ素材、同じテーマを与えられた中で、 より面白い進め方を追求できるようになると思う。Saori 既存のデザインモデルを疑い、機械を用いて新しい「ASOBI」 をやってみる。 そこから機械の新たなルール を発見して、楽しみながら創造性を発揮していきます。

動きから生まれる表現をイメージしながら、創作する。チームの 創造性が個々人のコラボレーションによりイメージを超える表現 に開花します。

普段使用している機械でも、遊び方や活用の仕方の 可能性がたくさんあるのだと体感した。Take2

複合機×デジタルカメラ   インタラクティブな新しい 表現への挑戦。

コピー機を活用したワークショップでは、普段使用している機械でも、 遊び方や活用の仕方の可能性がたくさんあるのだと体感した。 Take2

51


「 知る」ための行為を躊躇しない ASOBIのデザインアプローチ

規則性のあるものを崩してみる。 Take2

富士通がもっと面白くなると思う。 同じ素材、同じテーマを与えられた中で、 より面白い進め方を追求できるようになると思う。 Saori

五感で得られる経験から、 単純に「楽しい、面白い」という感情がわき、 そこが共通の出発点になっているのか、 相手の視点をすんなり受け入れることができた。 Yuki

52


○ワークショップ体験から発見するムナーリの理論 ” 本当に独創的な表現は、徹底的に 「ASOBI」を行った後に生まれる” ”新しい 機能の探索と表現の探索の行為がIT機器にファンタジアをもたらす” 複合機本来の機能を忘れ、 違う機能を探索するとき、 隠れたルールを知りたい という好奇心が、 「表現」 と 「発見」のコミュニケーションというかたちで現れます。 「ASOBI」 の行為そのものに、 新しい体験をもたらすIT機器の可能性があります。

53


「黄色ずきんちゃん」 (コライーニ社 1972年出版、2007年復刻版) 作・絵:ブルーノ・ムナーリ 黄色ずきんちゃんは高層ビルの1階に住んでいる都会っ子。 狼が車のなかから 「ねぇ、 ドライブに行かないか?」 と誘惑する…。 大都会を走る車のスピード感をゼログラフィア手法を用いて表現している。

54


ムナーリとの対話 体験からの気づき、理解と適用の可能性


体験と理論の関連付け

ファンタジア・ワークショップ・プログラムの体験を通して、何を理解した のか。ムナーリへの関心から理論そしてそれぞれのフィールドでの適用 の可能性まで、 ムンラブを含めた対話。

参加者それぞれの、富士通デザインでの業務内容紹介を通して、 それぞれのフィールドでムナーリメソッド の何処に関心を持ち、 どんなことに適用していきたいのか、 その方法や方向性についてムンラブの二人と 対話をします。

○「ASOBI」の子ども向けコンテンツ開発の可能性 YUMI 富士通のブランドデザイン 1. Webキッズサイトの企画デザイン 2. 社内向けイントラサイトなど

子ども向けのサイトの中で、自由な発想でコンテンツとして 遊べて、何か作れるものが出来れば…。 今の日本で、Fujitsuデザインから、子ども達の教育を 変えることが出来るものはないか? ある学校の先生は “今の子どもたちは、絵を描きなさいといわれても、何を描いていいのかわから なくなってしまう。” と言う。今の日本の教育が、決められたものを完成させることが多いので、 今回のWSのような自由な発想で表現できることを学校にも取り入れたらいいのにと思った。 今の日本で、富士通デザインから、子ども達の教育を変えることが出来ることはないか?

まず最初に、描くものを決めるのではなく、 影って何? 人と影の関係って?と考えてから行うこと。 子どもはとても論理的で、何ができるのか考えてからやるので、 まず、影って何?について考えることから出来ると思う。

○ ITテクスチャーの可能性   アドバンスデザインへの展開の可能性 MARK アドバンスデザイン 1. これからのIT、変化についてのリサーチ 2. それらを落とし込むメソッド構築

今の子どもは家にいて、ゲームをして遊んでいる。 ITのなかにどのようにテクスチャーを取り入れ、 例えばパソコンの中にTactileコミュニケーションを どうやって作るのか… マテリアルリサーチのメソッドなどに関心がある。 「見れば、知ることができるのか?」 テレビが普及したことで、子ども達は別な意味で 知識を吸収しています。 「見れば、知ることができるのか?」 ムナーリにとって知るということは、 どのように作られているのか、 どのような種類があるのかを知ることだといいます。 56


○ IT機器を使った   インタラクティブな「ASOBI」開発の可能性 SAORI デザイン企画開発 1. 富士通業務パネルインターフェイスデザイン 2. 業務システム改良のためのデザイン

実際に使う人の気持ちや発想を持つことが出来ない。 見た目のストレスを解消するための方法とは? 「複雑にすることは簡単だが、 シンプルにすることはとても難しい」 それを行うことがまさに、 ムナーリ ・メソッド。 作る側の情報量と、使う側の情報量が異なる。 緑のカレーでは、 デザイン開発の長いプロセスを シンプルに表現している。

日常の素材だけでなく、今の子どもが日常触れている 複雑なものを使ってWSが出来ないか? 仮説を立て、子どもたちとやりながら試す。 ビデオジョーコもそのようにして生まれた。 例えば、PCでクリエイティブな方法をとなると、 ある程度技術的なことが必要で、 インタラクティブなことを行うためには、 そこまでの技術が必要。

○ 感性やメタ認知のリサーチ方法の可能性 YUKI ユーザー・エクスペリエンスデザイン 1. ユーザビリティの数値化の研究 2. UIのユーザビリティ評価と改善提案

人が持っている感性をどうやって知ることができるのか。 今まで、機械というものに人間性という要素が 入っていなかったのだと思う。 今は、 その要素が大切で、必要とされている時期なのだろう。 例えば、何が心地よいのか、何が気持ちいいのかを考えれば、 苦しかったことや大変なことをなくす要素になるのではないか。

使いやすくなれば何がいいのか、 「やりやすくなった」などといった 感性的な指標は、 どのようにしたら伝えられるか? 何をみたらいいのか、何をやるのかを設計し、 対象者に的確な質問をします。 観察:どういう点を観察したらいいか? 具体的な目的やテーマに対して、何をみたらいいのか、 何をやるのかを設計し、的確な質問をします。

57


体験と理論の関連付け

○「子どもと大人が一緒に楽しめる   ユニバーサル・インターフェースの開発の可能性 TAKE2 公共系ITソリューションデザイン 1. ハードデザイン大型タッチパネル表示機 (UBWALL) 2. コンテンツ開発など

UBWALLを、 どうしたら子どもたちが遊んでくれるのか? ムナーリ・メソッドでは、子どもが楽しめることは、 大人も楽しむことができると思った。 「動き」にとても興味がある。 MUNLABのサイトでは、 これを実践。 「音」 も加えている。 子どもも大人も楽しめることを考えた。  Munlab Site URL : www.munlab.com

ムンラブのウェブサイ ト (トップページ:写真上) 文字の情報はページタイ トルのみで、 そのほかの情報は絵や記号 の中に隠れている。例えば、 モニター上では表現できない、 テクス チャーを触る感覚は音で表現されています。

コンテンツはシンプルにするように気をつけていますが、 MUNLABのサイトは、 トップページ情報がほとんどありません。 何か意図があってやっているのでしょうか?  わざと空白のページを作ったのは、 情報がないことにびっくりさせるため。 何かを理解するために、違うことを考えることも必要ですね。

○ 製品テクスチャー開発の可能性   子どもから大人まで通じる言語を持った   ユニバーサル・インターフェースのリサーチ TAKE1 グローバルデザイン戦略 1. 富士通海外ビジネス、 デザイン事務所、研究機関 2. リサーチとプロモーション

製品に対して感じる、マテリアルや色の違いとは? 見た目だけでなく、 機能をみて判断することがとても重要。

これからのリサーチとは?人が求めることを知る方法は? 今回のワークショップでもある、子どもから大人まで同じことができることは「 何か?」。 これからそれぞれの仕事で作っていくときに、 その「何か?」 をどのように知ることができるのか? 例えば世界的に使用されている英語を各地で違うニュアンスに 変えるように、 イタリアのバイクのヘルメットを若者がカスタマイズする ように、外側のデザインは重要だけれど、 そのほかの必要な付け足 された機能を知ることも大切。 58


ファンタジア適用の可能性 ムンラブとの対話から見えてきたファンタジアワークショップの適用分野

ITのファンタジアから子どもの創造性を広げる

キッズデザイン デザインが、子ども達の自由な発想と創造の可能性を無限に広げ、未来の ファンタジスタを育てるためのコンテンツやソフトウェア・インターフェースの開発

複合的な視点で多様性を探求し、 豊かな表現を創造する

ファンタジア デザインアプローチ 富士通社員一人ひとりが、 失われた子どもの感性を取り戻し創造的なデザイン 思考を持って、組織内における横断的なクリエイティブコミュニケーションを 生むデザインアプローチ

メタ認知から新たな感性価値を考える

アドバンスデザイン 環境により多様化する人の嗜好や感性を、生活者の視点から捉え、人が 豊かな心を持ってIT生活をおくるためのサービスを考える。そのためのハード ウェアやソフトウェアの将来像を探るアドバンスデザイン

子どもから大人まで一緒に楽しめる

ユニバーサルデザイン 子どもと大人が、使うことの喜びと楽しさを共有し、人とIT社会の新しい関係を 創造するコミュニケーションのデザイン

59


適用分野におけるデザインアプローチから オリジナル デザインメソッドの開発へ オリジナルメソッド開発の背景 ○ 社会的意義 子どもの安心安全に対するニーズが高まる社会背景の中、 キッズデザイン協議会が設立され、 経済産業省が子どもに対するデザイン活動を積極的に推進しています。企業が子ども のためにできることとして、文化的なIT社会発展のために、企業に社会的な役割が求めら れています。

○ 企業的意義 機能やサービスの差別化によるブランドではモノは売れない時代です。 ユーザーのライフ スタイルに新しい価値を与え、誰もが楽しめ、新しい経験を得られるデザインが求められてい ます。子どもの視点からITを考えるユニバーサルデザインのアプローチは、 富士通のオリジナル デザインメソッドとして、社会、個人にとって意味的価値を持ち、文化の壁を越えたグローバル ブランディングへと繋がります。

オリジナルメソッドの開発イメージ メソッド開発の今日的意義は、 これまでのデザインプロセスに変革をもたらし、人と社会のやさしい 関係を実現のためのモノやサービスが企業ブランドとしてグローバルに認知されることです。 メソッド開発に向け、以下の二つの適用分野において、デザインアプローチを体系化し、 オリジナル メソッドの開発を展開していきます。

キッズデザイン ファンタジアITコミュニケーションデザイン デザインが子ども達の自由な発想と創造の可能性を無限に広げ、未来の ファンタジスタを育てる。 そのためのコンテンツやソフトウェア・インターフェース の開発

テクスチャー メタ認知インターフェースデザイン テクスチャーをもつITデザイン開発。 テクスチャーから感じとる情報をリサーチ し、 誰もが共有できるインターフェースとして、 モノから社会まで人を取り巻く 環境のコミュニケーションデザイン

方法と成果、生まれる価値 ○ 方法 プロジェクトチームによる開発 ファンタジア・ワークショップとの関連付けからデザインアプローチの体系化へ

○ 成果 ◇ プロジェクトチームによる社内横断的デザインアプローチの構築 ◇ オリジナルワークショッププログラムを開発 ◇ プロトタイプ製作におけるチームデザインの有効性の検証と社内認知 ◇ 独自のユニバーサルデザインへの取り組みの社会的認知

○ 文化的価値

幅広いデザイン分野へ応用可能な子どもから大人まで使える ユニバーサル・デザイン ○ 文化的価値

持続成長可能であり、高い適応性を持つデザインメソッド 富士通の企業価値ブランドメージの進化 60


キッズデザイン 親と子どものクリエイティブな関係 ITを使った「ASOBI」ソフトプログラムの開発プロジェクト。 無限の創造が生まれる親子のための創造開発プログラム。 親も子どもも未 知 の「 知る」ことへ の 好奇心は一緒。 親と子どもが感情豊かに 「ASOBI」 ながら、本質的な創造性を共に 培いつつ、 クリエイティブな瞬間を共有できる プログラムの開発。

「ASOBI」から創造的なIT社会の構築へ 銀行や、郵便局で、気になるサービスや 情報をUBWALLで 「ASOBI」 ながら収集し たり、親を待っている間に、 「知」 を探索した り、 UBWALLから親子にクリエイティブなコ ミュニケーションが生まれ、子どもが親と出 かけるのが楽しくなるモノとサービス。

大人が子どもと楽しめるIT社会へ_「ASOBI」ネットワークの未来 ITコミュニケーションツールを使って、創造的な 「ASOBI」体験。 ネット上で新しいコミュニケーションの広がりを可能に。 ASOBI アートワークデータベース

携帯サイト

キッズサイト

交換

ゲームソフト

交換

ファンタジア ラボサイト

表現の模索は、 ネット上で他の参加者と一緒に インタラクティブに創造表現を行うことができる。

学校をファンタジア ギャラリーにしよう

街が楽しい「ASOBI」 に変わる

学校やスーパー、 銀行などのコミュニティースペース で作品を公開したり、周りのみんなとファンタジアを 共有したり子どもと大人が街と共に新しい創造 コミュニティを育む。

61


テクスチャー メタ認知インターフェースデザイン 人とITの新しいインターフェイステクスチャーのデザイン ITの技術によりヒトの創造性をもっと豊かにしたい。 家電といえば大概が「つるつる」 である。いつからものにはテクスチャーがなくなったのか? もしかしたら私達は、 ものにテクスチャーを感じることを放棄しているかもしれません。  これからのIT社会において、 タッチレスコミュニケーションが進んだとしたら、感知する 経験から培っていく私達の創造力はますます衰えていくことでしょう。 創造的な経験を生むテクスチャーの必要性。テクスチャーから感じとる情報をリサーチし、 誰もが共有できるインターフェースとして、 テクスチャーをデザインします。

テクスチャーに含まれるいくつかの知覚情報 聴覚的

心理的 触覚的

物質的

熱感的 音楽的

ITはテクスチャーを持てないの? テクスチャーはアイデンティティの表現? 使うほどに愛着を生むテクスチャー。 スタイルとしての形やサービス、 機能の体験以外に、 使うたびに個人の情感を蓄積するテクスチャー 体験のインターフェースをデザイン。 適用分野:IT機器全般、 アドバンスデザイン          

パソコンと人の メタ認知インターフェースのリサーチ。

通常ツールとソフトを使って情報を操作するという制 限された行為の過程に、新しい知覚表現をもつ テクスチャーをリサーチし、GUIやパソコン本体の マテリアルに変換する。 適用分野:キッズサイト、GUI開発 *GUI:Graphical User Interface (グラフィカルユーザインタフェース)

インタラクティブに変化する ITテクスチャー。 定義されたテクスチャー体験ではなく、 子どもと大人 も感じるままにテクスチャーを生み出すITマテリアル のインタラクティブ・インターフェースのデザイン 適用分野:UBWALLなど

62


“保存されるべきものは、 モノではない。 むしろそのやり方であり、 企画を立てる方法であり、 出くわす問題に応じて再びやり直すことを 可能にさせる柔軟な経験値である。” ブルーノ・ムナーリ

63


富士通デザイン株式会社 本社 (川崎オフィス) 〒211- 8588 神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1 富士通川崎工場内 小杉オフィス 〒211- 0011 神奈川県中原区下沼部1812-10 富士通小杉ビル http://jp.fujitsu.com/fdl/

Shiodomeitaliaクリエイティブ・センター 株式会社メタデザイン 〒105-0021 東京都港区東新橋2-18-4 グラディート汐留ロッソ1204 www.metadesign.co.jp


Fujitsu book  
Read more
Read more
Similar to
Popular now
Just for you