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ОRTОアプローチ 社会福祉法人新栄会

対話からかたちづくられる保育と環境


背景 子どもたちは、あらゆるものに興味を持ち自らの力で探求する。 そんな子どもたちのための保育とはどうあるべきなのでしょうか。 ーそもそも子どもたちが不透明な未来の社会に生きるために、  保育園では何を経験し、学ばなければならないのでしょうか? ー変化の激しい現代社会において、 日本の常識や今までの慣習の中だけで、  子どもたちの未来のことが考えられるでしょうか? ー保育の専門家である保育士だけでこれからの施設を  イメージできるでしょうか? ー施設の設計や施工は、子どもたちから遠くにいる大人たちによって、  大人の視点や都合で作られていないでしょうか? このような" 問い " に対するソリューションのために、 そして、社会福祉法人新栄会が蓄積してきた保育の軌跡とノウハウから、 これから求められる保育のあり方と環境の創造のために、 さまざまな対話の経験をデザインしました。 それぞれの専門家、先生といわれている人達の常識の向こう側へ 日本とイタリアの経験の融合から新たなパラダイムへ、 過去・現在・未来、日本・海外、子ども・大人、論理と経験、 さまざまな関係性の中から新たな価値を創造するために ОRTО アプローチの対話が始まりました。


ORTO(オルト) -子ども達の感性と創造性を耕し、       

対話に水をやり、コミュニケーションを通して地域を育てる-

このプロセスを「ОRTО(オルト)」 (イタリア語で「菜園」を意味する言葉 )という自然の中で植物を 育てることと置き換え、今までの「見守る保育」を基盤に進化した、新栄会幼児教育独自の新しい保育と 子どもを取り巻く環境を構築していきます。 ОRTОは、" 新しい保育のあり方 " や、" 方向性 " を示す、社 会 福 祉 法 人 新 栄会が 提唱する、子どもたちを 主体とした児童福祉事業及び乳幼児施設の新しいコンセプトです。 ОRTОにおける “ 新しい保育 ” とは、新栄会の行ってきた「見守る保育」と、 「幼児教育」を融合した方法です。 ОRTОが考える幼児教育とは、従来の先生がすでに体系づけられた知識や概念、慣習となっている経験を 子どもたちに移し変えるのではなく、子どもたちの潜在能力を高め、経験を通じて、 「気づき」「理解」「関連 付ける」という学習方法を学び、 子どもたち自らが探求の道を切り開くように先生が案内役を演じること です。

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背景 ОRTО CONTENTS

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ОRTОアプローチ 子どもたちの姿 幼児期の学習(メタ認知能力) ОRTОアプローチの哲学

対話からかたちづくられる保育と環境

ОRTОアプローチにおける子どもたちの姿 乳幼児施設の国際化

ОRTОから考える新栄会の新しい保育と環境のための

ОRTОがつくりだすコミュニティ

3つのイノベーション

ОRTОにおける養護

3つのイノベーション実践において行われた

ОRTОにおける「幼児教育としての保育」の実践

さまざまな対話

ОRTОアプローチを実践する保育士 新しい保育園としてのОRTО

求められる乳幼児施設へ/法人とデザイナーの対話

新しい施設経営を実現する法人のガバナンスシステムの構築

これからの子どもたちのための保育/保育士とデザイナーの対話 乳幼児施設の役割/日本とイタリアの保育の対話 子どもたちの視点/子どもたちと保育士、デザイナーの対話 これから求められる乳幼児施設/保育と建築・環境の対話、地域との対話 乳幼児施設の空間/日本とイタリアの保育と建築・環境の対話 乳幼児施設としての環境/保育と環境・家具の対話

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ОRTОアプローチがつなぐ未来 成長し続ける ORTO アプローチ イタリアから ORTO プロジェクトへのメッセージ


対話からかたちづくられる保育と環境


対話からかたちづくられる保育と環境

運営から経営へ 三園一体のマネジメント

ОRTОから考える新栄会の新しい保育と環境のための 3つのイノベーション

法人のイノベーション 運営から経営へ

地域のコミュニティ施設

新しい保育のためのマネジメント体制と人材養成

マネジメントシステム構築

子どもたちを中心とした保育の環境を目指し、

日本とイタリアの対話 地域との対話

「運営におけるイノベーション」「子どもの保育におけるイノベーション」 「保育の空間におけるイノベーション」のこれら3つを軸に、

子どもたちの学びを促す大きな五感の実験室としての環境境

学びと創造性を促す保育と環境の実現に取り組みました。 創造性開発 養護と創造性を育む子どもの学び 保護者の支援 取り組みの体系化 保育における価値の蓄積

子ども、空間、関係性 子どもの創造性開発 日伊の対話から 探る創造性を育む保育へ

場所の概念を表す中央部の広場と各フロアーをつなぐスロープ

日伊x多分野の対話から生まれた 子どもの学びのための空間デザイン

多様性を生む仕掛けとしての家具 / 遊具 色と素材と光 複合性を生む環境


対話からかたちづくられる保育と環境

3つのイノベーション実践において行われた さまざまな対話 これからの乳幼児のための保育と環境を求めて、 ゴールや答えは始めから決めずに、対話をスタートしました。

求められる乳幼児施設へ/法人とデザイナーの対話 これからの子どもたちのための保育/保育士とデザイナーの対話 乳幼児施設の役割/日本とイタリアの保育の対話 子どもたちの視点/子どもたちと保育士、デザイナーの対話 これから求められる乳幼児施設/保育と建築・環境の対話、地域との対話 乳幼児施設の空間/日本とイタリアの保育と建築・環境の対話 乳幼児施設としての環境/保育と環境・家具の対話


対話からかたちづくられる保育と環境

新しい施設経営を実現する法人の ガバナンスシステムの構築 運営から経営へ 法人によって、従来それぞれ別々に運営されていた三園を、個別に 運営するのではなく、まずは法人が全施設を経営する方針を策定し、 そのために一つの法人内で従来それぞれ別々に運営されていた統一方針 にて経営するためのガイドラインづくりが行われました。 従来の養護中心の保育に加え、子どもの「創造性」 (学び)を促す新しい 保育に必要とされる人材養成の実施。まずは、 プロジェクトメンバー

求められる乳幼児施設へ 法人とデザイナーの対話

および全職員との勉強会(ОRTО勉強会)が実施されました。

これからの保育と環境の 創造を目指す法人のイノベーション


対話からかたちづくられる保育と環境

従来のの養護を中心とした 安全・安心の「見守る保育」に加えた 子どもの「創造性」を育む学びのアプローチ これからの社会を生きていく子どもたちのための保育とは何か、 そのために 保育士がこれからの保育の在り方を問い直すところから始まりました。 これからの子どもたちに大切な学びとは何なのでしょう?そのとき、親は 子どもとどのように関わっていけばよいのでしょうか、そして先生はどう あるべきでしょうか?施設は何を目指していくべきなのでしょうか? これまでの養護 「安全・安心」 に加え、子どもの学びを育む保育と環境

これからの子どもたちのための保育

づ く り に 向 け て 勉 強 会 を 行 い ま し た。こ れ ま で の 保 育 の み な ら ず、

保育士とデザイナーの対話

から学び、理解したことから、さらに日常の保育にどのように取り入れて

社会問題、教育学に対する認識を深め、さらに国内外の先進的な取り組み いったらよいのか、理論と実践を繰り返しながら、探究しました。

ОRTО(オルト)子どもを主体とした 創造性を育む保育と環境を目指して


対話からかたちづくられる保育と環境

先進的な乳幼児教育を実践する イタリア・レッジョエミリア市の体験から考える これからの乳幼児施設の役割 世 界 的 に 先 進 的 な 乳 幼 児 教 育 を 実 践 し て い る レ ッ ジ ョ・エ ミ リ ア 市 と 新栄会の保育士との間で、日伊の乳幼児教育の現状、問題点や経験など を比較しながら、これから日本で求められる保育について対話を行いました。 保育園は、子ども、先生、親だけでなく、近隣の人が参加し、つくられる コミュニティの拠点であると考えています。

乳幼児施設の役割 イタリアと日本の対話

イ タ リ ア・レ ッ ジ ョ エ ミ リ ア 市 で は 未 来 の 社 会 を つ く る 大 人 で あ る 子 ど も た ち を、自 分 達 が 育 て る と い う 意 識 を も っ て 参 加 し て い ま す。 各園には、アトリエというラボラトリーと芸術の専門家アトリエリスタ が 常 駐 し、言 葉 だ け で な い 子 ど も た ち の 表 現 言 語 か ら 対 話 を 行 う ア プ ロ ー チ が 実 践 さ れ て い ま す。そ ん な イ タ リ ア と の 対 話 か ら、 これからの乳幼児施設の役割を考えました。

コミュニティの拠点、 子どもの潜在的能力、創造性を育む環境へ


対話からかたちづくられる保育と環境

子どもたちにとって 「保育園ってどんな場所?」 子どもたちにとって、保育園ってどんな場所? 子どもたちの考える「保育園」についてワークショップを行い、 そのイメージから新しい保育園のロゴをデザインしました。

「ここが保育園で、お家と友達、公園がつながってるの。」

対話からかたちづくられる保育と環境

「たくさんの実がなっている樹もあるよ。」 「ポストがあるの、友達の家にお手紙届けてくれるんだよ。」 「僕の保育園は街中を歩いて、僕の家まで来るんだよ。」

子どもたちの視点 子どもたちと保育士、デザイナーの対話

子どもたちにとっての保育園は、街や地域、友達、道、海、さまざまな ものがある、その真ん中にありました。

子どもたちにとって保育園は色々な人やものがつながる場所


対話からかたちづくられる保育と環境

これからの日本のモデルとなるべき乳幼児施設を考える 地域に求められる保育園、子どもを主体とした環境づくり 新宿区の保育園民営化に伴い、 社会福祉法人新栄会の三園目となるオルト 保育園の施設開発が行われました。 このプロジェクトは、 一つの基本的な概念に基づいて考えられました。 それは保育と建築との対話であり、それから地域と文化、つまり周囲の 環境との関係です。 その前提となる考え方として、まず子どもの生活環境は、子どもが学び、 子どもの人格を形成するプロセスに影響を与えるとても重要な教育学的

これから求められる乳幼児施設

要素であることがあげられます。

保育と建築、地域との対話

本プロジェクトにおいては、先進的な取り組みを行っているイタリア、

また、これと同時にプロジェクトでは、地域の環境が持つ特性、街や建築

レッジョ・エミリア市における乳幼児施設の現場との対話、また日本国内に

のアイデンティティに耳を傾けながら提案が行われました。

おける多分野の専門家との対話から、これからの日本の子どもたちのため

教育学的な選択が行われながらも、地域との関わりを生み出すような機能

の保育園開発が行われました。

を取り入れ、さらに周囲の環境に合わせて、対話を刻んでいくものでも ありました。

Good Design & Good Solution を目指して


対話からかたちづくられる保育と環境

乳幼児期の子どもための環境  「子ども 、空間、関係性」 本 プ ロ ジ ェ ク ト の ガ イド ラインと な っ た の は、幼 児 期 の 子 ど も の た め の 環 境 に は ど の よ う な 要 素 が 関 係 し、そ れ ら が ど の よ う に 環 境 を 形 成 す る の か と い う こ と に つ い て 行 わ れ た、ミ ラノ の デ ザ イ ン 研 究 機 関 で あ る ド ム ス・ア カ デ ミ ー と、レ ッ ジ ョ・ チ ル ド レ ン に よ る リ サ ー チ プロジェクトです。   このプロジェクトでは、子どもの成長を支えるような豊かで刺激ある 環境が、子どもたちにとって大切であると考えられおり、空間は活動の

乳幼児施設の空間

単なる背景にある存在ではなく、子どもの学びを促し、感覚機能を刺激する 仕掛けとして考えられています。

日本とイタリアの保育と建築環境の対話 子どもたちの学びを促す 大きな五感の実験室としての環境づくり

ミラノのデザイン研究機関ドムス・アカデミーと レッジョ・チルドレンによるリサーチプロジェクト 「子ども、空間、関係性」


関係性の概念を示し、全ての空間のをつなぐ 中心部のとしての広場

さまざまな色彩のタイルによって表現された、子どもたちのもつ色彩の豊かな世界が、 上層部分へむかって変化する、薄く軽い色彩と共に、周りの環境に溶け込む外観

子どもたちが、常に外部と接しながら、一日の時間の移ろいや、 光、四季の変化を感じることの出来るよう、ガラス張りでつくられた空間やバルコニー

食事をコミュニケーションの大切な時間と捉えた、 地域の人を受け入れるための 開かれた空間としてのランチルーム

子どもにさまざまな視点から空間を感じ取る可能性を与え、 動きのある遊びを促す、広場から各フロアーへと導くスロープ

子どもたちが空間に制限されることなく、さまざまな活動を行い、 多様な遊びや、学びのきっかけとなる環境


対話からかたちづくられる保育と環境

KOKUYO コラボレーション 環境における関係性のデザイン 人、もの、空間から生まれる環境における関係性

保 育 士 と 環 境 の 専 門 家 が、対 話の中で、 家 具をデザインする 試 み が 行われました。まずはデザイナーが、大人目線を捨てて、子どもたちの 中に飛び込み、自分達が子どもたちや先生と対話を始めました。一方、 保育士は、日常の経験から新しいかたちをイメージするという試みに 戸惑いながら、デ ザイナーとの実験をくり返し 、子どもたちと、もの、 空間から生まれる環境における関係性のデザインを行いました。

乳幼児施設としての環境 保育と環境・家具の対話

家具は、 もの単体としては成立しません。 子どもたちの園での生活の中で、 時間や環境と共にその用途や関係は変化していきます。 そこに求められるのは、安全・安心に加え子どもの創造性を育む遊びや 学びを促す仕掛けや多様性を生み出す可能性でした。

子どもたちの遊びに多様性を生む仕掛けとしての 家具や遊具を考える


ОRTОアプローチ


ОRTОアプローチ

子どもたちの姿 こ れ ま で の よ う に 変 化 の 少 な い 安 定 し た 社 会 で 重 要 な こ と は、 何かを学び、それを日常生活にうまく応用することでした。 しかし、常に変化している現代社会では、 「学習方法を学ぶ」ことは、 これからの乳幼児のための保育や環境を考える中での、

自分の経験を積み重ねて新しくするための方法を知ることであり、

さまざまな対話や経験、そして新しい乳幼児施設の開発を通じて、

この経験を新しい形に変え、ますます長くなっていく人生において、

ОRTОアプローチのガイドラインがつくられました。

うまく適応させることが重要になってきています。 人間の生き方そのものも、新たな時代を迎えたことを示しています。

「ОRTОアプローチは、 理論構築と実践を重ね成長し続けるデザインアプローチです。 」

そのような人生に向うために、幼児期の子どもたちは、何を学べば 良いのでしょうか?


ОRTОアプローチ

乳幼児期の学習(メタ認知) 「学習方法を学ぶ」  子どものメタ認知能力 子どもは自分の知識や世界観の中に組織化の感覚と均衡の感覚を持ち

「幼児期の教育」

続けたいという欲望を持って生まれてくると考えられています。さらに、

幼児期の子どもたちに必要な " 感性 " 教育とは、このような子どもたちの

子どもは既知の体験に似た体験に遭遇すると、自ら新たな体験を古い体験

メタ認知能力のメカニズムを理解、尊重し、子どもたちの発見、気づき、

に " 同化 " させようとします。ところが、その時ある現実にぶつかったり、

探求、変化を阻害するのではなく、知能のメカニズムが有効に機能する

部分的に以前の体験と異なったりしていると、子どもはそれに " 適応 "

ように導くこととなります。

しようとしたり、それまでの解釈に変化を加えようとするのです。 このことから、学習の動機は 、古い体験と新 しい体 験 との 間に、すでに

「幼児期の子ども」

慣れ親しんでいる理解の方法と、それとは異なりしばしば矛盾する方法

幼児の知能は物事を抽象化する能力がまだ未発達なために、 とても

との間に、バランスをもたらすことになるわけです。

具体的であり、目に見えるものをそのまま素直に信じてしまいます。 幼児の経験と学習の一部は、見えている映像に体 験が結びつくことを

従って、" 学習する " ことは新旧の違いに気がつき、それを飽くことなく

基本としているために、とても学習が容易になるというプラス面と、ある

探求し、変化を柔軟に受け入れようとすることだといえます。

映像が心の中で固定観念になるというマイナス面があります。

ОRTОアプローチの哲学 ОRTОの教育に対する考え方 ОRTОアプローチにおける幼児教育哲学の概念や理論体系は、社会構成 主義に基づいています。学習とは構築行為であり、また、プロセスです。 子どもたちは何かをしながら、また、それについて考えながら学びます。 他の子どもや大人と出会い、交流しながらお互いに学びます。学習には 超えなくてはならない到達点はありません。学習の質とは、子どもたち が学ぶ内容だけではなく、学び方が重要です。私たちが目指す学習とは、 認 識、習 慣 性、感 性、美 的 感 覚、道 徳、愛 情 の そ れ ぞ れ が、分 離 し な い さまざまな関係の中で、さまざまな側面を持ったものです。 子どもが自ら学習すること ОRTОでは大人が知識を詰め込むのではなく、 を重視した環境を大切にしています。人間関係、コミュニケーション、 そして子どもたちの声に耳を傾ける教育法を重視しています。


ОRTОアプローチ

乳幼児施設の国際化 これからの社会において、学校そのものが国際的な役割を持っていく 必要があると考えます。 ОRTОにおいても、 日本における児童福祉、幼児教育の実践の歴史に加え、

ОRTОアプローチにおける子どもたちの姿 子どもたちは、すべてのものに興味を持ち、観察し、 記憶し、関わりを見つけ、意味を与えていきます。 子どもは相手との共感を求めます。 他者の感情と同調していく能力を持っています。  " 子ども " そのイメージは潜在能力を多く持った子どもたち、それを表現 、 れを認めてもらいたいと思っている子どもたちです。 したい子どもたちそ

」 「子どもには、一人の人間としての権利があります。 「子どもは自分の文化を創る事ができます。 」

国際的な教育理論を研究し、実験的に取り入れていきます。

常に国際的な教育理論と実践を重ねて、保育士の先生としての役割、 国際的な乳幼児施設としての役割について考えていきます。 「子どもは自分の文化を創る事ができます。 」


ОRTОアプローチ

ОRTОがつくりだすコミュニティ 人 が 関 わり合って構 成される、人のた め の 市 民 社 会 を 築 くことが で き る の で は な い か。 ОRTО は 社 会 と 相 互 に 成 長 し て い く、 コミュニティを目指します。

子 ど も を 中 心 に、保 護 者、保 育 士、地 域 住 民 な ど の 関 係 性 の 中 で、 市民感覚を磨き、豊かな、未来に向かって発展するコミュニティを 形成します。 コミュニティにおける相互理解の考え方を育み、子どもたちの親を 教育のプロセスに取り込んでいく、巻き込んでいく、参加させる環境を 創ります。

ОRTОにおける養護 保育の目的とされてきた養護 ОRTОでは、 " 守ること " と " 育てること " を有機 的に結 びつけ、 家庭に おける養育環境と変わらない、子どもに信頼と安心感を与える生活環境 を大切にしています。


ОRTОアプローチ

ОRTОにおける「幼児教育としての保育」の実践

ОRTОアプローチを実践する保育士 =ОRTОにおける新しい “ 先生 ” の位置づけ

" 子どもたちの潜在能力を創発させる " " 子どもたちが自分で選んだ道を元気に歩めるように支える "

先生の3つの役割

大人は、子どもたちの活動を過小評価し、子どもたちの気づきのプロセス

ケアワーカーとしての保育 ( 養護の実践 )

からのメッセージを見過ごしがちです。

ソーシャルワーカーとしての助育(保護者への保育指導・相談)

大人は、子どもたちの学んでいる姿を、もっと記録して注意深く見ていく

教育者としての先生(教育学・福祉・心理学・社会学・マネジメントなどの視点の導入)

必要があります。 先生は 子どもたちの制作の中から、彼らの思考過程や認知過程に気づき、 適切な環境を設 定していく必要があります。このために、ОRTОでは

これまでの組織に新たに4つのシステムを導入

ドキュメンテーションという方法を利用します。

養護の実践(保育士の専門性確立のシステム) 幼児教育の実践(教育学専門家の配置)

ОRTОでは、豊かな感性を養い、生涯にわたる学習への意欲や学習態度

芸術教育の実践(芸術教育専門家の配置)

の基礎となる好奇心や探究心を身につける幼児期の " 教育 " を実践し、

安心、安全の実践(施設管理者の配置)

生涯にわたる学ぶ技術の基礎をつくります。

「我々大人の課題は、聞くことから始まる。子どもがどうして月があるの、 と聞いてきた時、あなたはどう思う、と聞き返してほしい。子どもは 独自の心を持っており、その独自の解釈とアイディアが大切である。

重要なのは答えではなく、 大人と子どもが一緒に答えを探す過程である。」

先生と子どもたちとの関係 子どもたちの自立性、社会性を育てる。 子どもたちの感性を育てる。 子どもたち及び保護者と信頼関係を築く。

     レッジョ・チルドレン ペタゴジスタ カルラ・リナルディ  


ОRTОアプローチ

新しい保育園としてのОRTО

新しい施設経営を実現する法人のガバナンスシステムの構築 児童福祉事業の専門組織

ОRTОの空間デザイン 乳幼児施設の空間デザインにおいて大切なことは、場所にアイデンティティ を与えること。乳幼児施設は、子どもたちの潜在能力を伸ばすための環境を 整える必要があります。

事業部制によるマネジメント トップダウンではなく、さまざまな関係性の中でそれぞれの役割からの 意見が持てるように法人としての理念を基に、 各事業部内でマネジメント を行います。

役割分担と責任を明確にした組織体制 従業員一人ひとりの役割とミッションを明確に、責任を持って働くため

乳幼児施設の3つの施設機能

の組織体制を作ります。

地域における子育て支援の拠点 大きな家庭のような環境の実現 子どもの感性教育を実践するための空間

責任ある法人組織とマネジメントシステム 「施設経営」から「法人経営」へ 従業員がそれぞれの施設を経営するという認識ではなく、一つの法人を 経営するという認識を持ちます。

「子どもには幼児期から能動的な知的操作的、身体的能力を発達させる環境が必要です。 学校の “ 形態 ” よりも、むしろ子どもの感性を養ってくれる道具や、 受け取る情報の物理的な密度の方が、人間形成には影響力を持つのかもしれません。」 

「規制と助成」から「自立・自律 と 責任」へ 法人内における規制や助成に縛られるのではなく、従業員一人ひとりが 自立・自律し、責任を持ちます。

                  ドムス・アカデミー/アンドレア・ブランジ


ОRTОアプローチがつなぐ未来


ОRTОアプローチがつなぐ未来

イタリアからのメッセージ このプロジェクトは、複数の関係者のコラボレーションによって誕生し、 そして異なる文化の融合が体現されたものです。ここでは、教育、建築、 マネジメントの要素があげられますが、特に興味深いのは、これほども 違い、それと同時にこれほどに近しい二つの文化、つまりイタリアの 文化と、日本の文化の出会いです。

成長し続けるОRTОアプローチ

私たち二つの国は、事実、想像しているよりも近い状況を迎えており、

乳幼児施設は、子どもたちを包む環境の一部であり、施設は使われながら、

我々は国際競争の中で難局を迎えた経済システムに直面しています。

養護や教育プロジェクト、そして何よりもその質を維持するために学び続け、

このような時期に、オリジナリティがあり、他に類をみないこのような

進化し続けるマネジメントがあってはじめて完成されていく、

保育園を実現する勇気をもつことは、乳幼児の環境に関する文化を変革

持続的に成長し続ける施設であると信じています。

する方向性を示し、また将来を考えることができるということでもあり

日本はイタリアと同様に高齢化の問題を抱え、これからの社会を生きる

ます。そして今日、子どもから考え、未来をイメージする勇気を持つこと

「まずは、子どもたちを観察してみよう。     子どもたちが何を見て、何を発見し、そして何を始めるのか…                       そこから私たちも考えよう」

ができる人は、皆の称賛を受ける価値に値するのではないでしょうか。 そのような意味も含め、私が、このプロジェクト立ち上げのフェーズを サポートすることができたことはとても誇りに思いますし、実現した ものを目にすることができることをとても幸せに感じています。 勇気とイメージする力を持ちわせた全ての人に、心より祝福を贈ります。 レッジョ・エミリア市教育施設長 サンドラ・ピッチニーニ


ОRTОアプローチ 社会福祉法人新栄会

対話からかたちづくられる保育と環境

© 社会福祉法人新栄会、株式会社メタデザイン 企画・デザイン・編集

「環境における関係性のデザイン」 コラボレーションパートナー

2010 年 4 月 1日


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Orto  

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