大阪オフィスマーケットサマリー 2024年第2四半期

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日本リサーチ|

大阪オフィス マーケットサマリー

新規供給相次ぐも、空室率上昇は限定的 経済

需給と空室率の推移

6 月調査の近畿短観によると 、 大企業製造

業の業況判断は 10 ポイントとなり 、 前回 3 月時点から 4 ポイント改善した 。 大企業非 製造業は 33 ポイントとなり 、 同 3 ポイント 改善した。

需要と供給

第 2 四半期のネットアブゾープションは +21,000㎡ となった 。 業容拡大のために人 材確保を強化する企業が多く 、 オフォスス ペースの拡大とともに良質なビルへの底堅 い需要がみられた 。 依然として幅広い業種 での移転がみられるものの 、 製造業 、 情報 通信業 、 卸売業 ・ 小売業の移転が目立った 。

第 2 四半期の新規供給は 2 棟であった 。 大阪 堂島浜タワー ( 北区 、 延床面積は約 67,000 ㎡ ) が 4 月に 、 イノゲート大阪 ( 北区 、 同 約60,000㎡)が6月に竣工した。

第2四半期末時点の空室率は4.1%となり、 前期比では1.0ポイントの上昇、前年同期比 では0.3ポイントの上昇となった。

需要 新規供給 供給予定 空室率

需要、供給、空室率は、2019年から2023年については、年末時点 の数値を参照する。2024年については、当期末時点の数値を参照す る。供給予定は2024年第4四半期末までの数値(推計値)を参照す る。

出所: JLL

2024 年の大阪の新規供給は過去最多であり 、 供給ラッシュが続く中ではあるものの 、 予 想以上に需要が強く空室率の上昇は小幅に とどまっている。

賃料と価格

第 2 四半期末時点での賃料は月額坪あたり 22,684 円となり 、 前期比 0.3% の上昇 、 前年 同期比 0 4%の上昇となった 。 前期に続き 、 新築物件の高い賃料が全体の賃料を押し上 げた。

賃貸市場、投資市場ともに需要は健在も選別が進む

第 2 四半期末時点の価格は前期比 1 0% の上 昇 、 前年同期比でも 1. 0% の上昇となった 。 賃料の上昇を反映して 、 価格も上昇した 。 投資利回りは横ばいであった。

投資市場

第 2 四半期の大阪府内のオフィス投資総額 は 164 億円となり 、 前期比 84 1%の 減少 、 前 年同期比 45.4% の 増加 となった 。 また 、

2024 年上 半期の大阪府内におけるオフィス 投資総額は 1,197 億円となり 、 前年比 102 9%の増加となった。

当四半期に A グレードオフィスビルの取引 はみられなかった。

見通し

Oxford Economics の 6 月予測によると 、 大 阪市の実質 GDP 成長率は 2024 年に 0 6% 、 2025年は0 2%と見込まれる。

賃貸市場では 、企業の設備投資や人材確保 に対する意欲も引き続き旺盛であり 、 オ フィス床の拡張ニーズは堅調である 。しか し、賃料水準が高額な物件や築年数や立地 を含むスペック面で劣後する物件の一部で は、需要の受け皿になれず空室が長期化す るケースもみられる。 年末に向けて大型物 件の供給が続くため、 年末時点では空室率 上昇、賃料下落で着地するだろう。

投資市場では 、賃貸市場の大量供給による 需給バランスの悪化や賃料下落は投資家に 織り込まれており 、堅調な賃貸需要を見込 める好立地の物件や周辺相場よりも継続賃 料が低く抑えられた物件に対する投資家の 取得意欲は非常に高い 。今後も活発な取引 が期待される。 プロパティクロック

指数

2019年 第4四半期 2020年 第4四半期 2021年 第4四半期 2022年 第4四半期 2023年 第4四半期 2024年 第4四半期

賃料指数 価格指数

点線部は2024年末までの短期見通しを示している。

指数は2019年第4四半期=100

出所: JLL

福岡

賃料上昇の 減速 賃料下落の 加速

賃料上昇の 加速 賃料下落の 減速

東京

出所: JLL, 2024年第2四半期

主要指標

空室率

賃貸市場

出所: JLL, 2024年第2四半期

投資市場

商業用不動産直接投資総額 前期比 前年比

大阪オフィス

出所: JLL, 2024年第2四半期

注1 :空室率と賃料は 、 JLL が設定したオフィスエリア内の A グレー ドオフィスマーケットを参照している。大阪Aグレードオフィスの定 義は下表の通り。

注2 : プロパティクロックは 、 JLL が設定したオフィスエリア内の A グレードオフィスの賃料を参照している。 注3: 投資総額は、大阪府のオフィスセクターの不動産直接投資総額 を参照している。

大阪グレードAオフィスの定義

所在 大阪市5区(北区、中央区、浪速区、西区、淀 川区)においてJLLが指定するオフィスエリア

延床面積 15,000㎡(4,538坪)以上

基準階床面積 600㎡(181坪)以上

竣工年 1990年以降

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