国際演劇年鑑2020 ― 世界の舞台芸術を知る (Theatre Yearbook 2020 ― Theatre Abroad)

Page 181

る中でも、国 際 演 劇 協 会日本センター( ITI )マケドニアセンターは演 マケドニアの現 代 演 劇 劇への愛 情と意 地と情 熱から、SNSを使って、 をはじめとする舞 台 芸 術について国 際 的に発 信している。 その内 容 は国 際 演 劇 祭やワークショップへの参 加 者および戯 曲の公 募 、 ネッ トワーク情 報などである。当センターは、現 代の地 域 的・国 際 的プロ ダクションとの交 流および交 流のネットワーク化を目的として、 センター 会員の「 演 劇ショーケース」や演 劇 祭への参 加を促している。2017 年以降、文化省が当センターの国際年会費(*2 )を支出している。

2018 年 以 降 、マケドニアセンターはスコピエのゲーテ・インスティ トゥートと積 極 的な協 力 関 係を確 立し、 「 貧しく小さな豊 かな演 劇( Sirota mala bogata drama )」という教 育プログラムを開 始し 179

た。 これは劇 作 家に向けたもので、優れたドイツの作 家ウルリケ・ジハ ( Urlike Syha)による「 私は誰? 作 家? ( Koj sum jas, avtorot? )」 と題された講 義とクリエイティブ・ワークショップを行った。 ドイツの演 劇は多 様 性に満ちた、 ヨーロッパでもっとも進 歩 的・独 創 的なものの 一つであり、各 世 代のマケドニアの演 劇 人をインスピレーションあふ れるドイツの演 劇 人と結びつけるという創 造 的・教 育 的・協 働 的 挑 戦が有 用であると考えたためである。わが国の現 代 演 劇が深 刻な 危 機に直 面しているため、戯 曲 執 筆のワークショップにまず取りか そして、 これら かった。 このワークショップでは 11の短 編が生まれた。 を電 子 書 籍の形にまとめ、 ウェブサイトなどに掲 載し、多くの演 劇 祭 、 演 劇 関 係の図 書 室 、演 劇ネットワーク、演 劇 関 係の諸 機 関に紹 介 した。 その目的は、マケドニア演 劇の創 造 性をより可 視 化する点に あった。マケドニアセンターは 2019年もこのプロジェクトを継 続し、年 次プログラムに位 置 付けた。 「 貧しく小さな豊かな演 劇( 劇 的にある 世界の舞台芸術を知る

国際演劇年鑑2020


Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.