軍はここから黄河を渡ろ うとしたが、中国軍の激 しい抵抗にあった。この せん せい
戦役では、陝 西 省出身 の多数の少年兵が敵の 捕虜となることを潔しと せず、黄河に身を投げ て死んだという。『中華
『中華士兵』 写真提供:中国国家話劇院
士兵』は、この史実に取 材した作品だった。共 産党系の八路軍ではな く、国民党軍の戦いを扱 っている点が注目される。 演出では、陝西省の地 019
方劇の音楽を使用する など、民族色を強める工 夫があった。 『故園』は、2015 年の 中台接近という政治状 況を明らかに反映してい
『故園』 写真撮影:王雨晨
る。場所は抗戦中の北 平(南京に首都が移ってからの北京の呼称)にある四合院。日本の統 リンウエンシュワン
治に抵抗し、台湾から逃れてきた林文軒は、かつて父親が創建した台 湾会館の再興を志す。最初は日本のスパイではないかと疑いの目で見 ホ ー チャン ク イ
られ、石工の何長貴と対立するが、国軍の負傷兵をかくまうなどするう ちに信頼を得た。日本留学時代の恩師・野田の狡猾な対日協力要請も ワン
断り、林文軒は何長貴と手を携えて、抗戦勝利の日を迎える。脚本は王 ジエン
タンイエ
ジンユンダーグー
ゴーザイシー
倹、演出は唐燁。「京韻大鼓」(北京の語り物)と歌仔戯(台湾の伝統 劇)を登場させるなどして、北京情緒と台湾情緒の融合という難しい課
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国際演劇年鑑2016