ダニエル
第1章
1ユダの王エホヤキムの治世の第三年に、バビロンの 王ネブカデネザルがエルサレムに来り、これを包囲 した。
2主はユダの王エホヤキムに神の宮の器物の部を彼 の手に渡されたので、彼はそれをシナルの地にある 彼の神の宮に運び、その器物を彼の神の宝物庫に納 めた。
3王は宦官の長アシュペナズに、イスラエルの人々、 王の子孫、および首長たちの中から何人かを連れて 来るように命じた。
4彼らは欠点がなく、容姿端麗で、あらゆる知恵に通 じ、知識に優れ、学問を理解し、王宮に立つだけの 能力を備え、カルデア人の学問と言語を教えること ができるような子らであった。
5そして王は彼らに王の食物と王の飲む酒を毎日与え るように命じ、彼らを三年間養い、その期間の終わ りには王の前に立つことができた。
6ユダの子孫の中にはダニエル、ハナニヤ、ミシャエ ル、アザリヤがいた。
7宦官の長は彼らに名を与えた。すなわち、ダニエル にはベルテシャザルという名を与え、ハナニヤには シャデラクという名、ミシャエルにはメシャクとい う名、アザリヤにはアベデネゴという名を与えた。
8しかしダニエルは、王の食物の分け前や王の飲む酒 で身を汚すまいと心に決め、身を汚さないように宦 官の長に願い出た。
9さて、神はダニエルを宦官の長の好意と愛情の中に 導いておられた。
10宦官の長はダニエルに言った。「私は、あなたた ちの食べ物と飲み物を定めた我が主君、王を恐れて いる。なぜ、あなたたちの顔が、あなたたちの同類 の子供たちよりも醜いと見られるのだろうか。それ なのに、あなたたちは、私の首を王に差し出す危険 を冒させるのか。」
11そこでダニエルは、宦官長がダニエル、ハナニヤ、 ミシャエル、アザリヤの上に任命したメルツァルに 言った。
12どうか、あなたのしもべたちを十日間試してくだ さい。そして彼らに私たちに食べる豆と飲む水を与 えてください。
13そのとき、わたしたちの顔と、王の食物を食べる 子供たちの顔とをあなたの前にご覧になってくださ い。そして、あなたがご覧になったとおりに、しも べたちを扱ってください。
14そこで彼はこの件で彼らに同意し、十日間彼らを 試した。
15そして十日が経って、彼らの顔色は、王の食物を 食べたどの子供たちよりも美しく、肉づきも良くな ったように見えた。
16こうしてメルツァルは彼らの食物の分け前と、彼 らが飲むべき酒を取り、彼らに豆を与えた。
17神はこの四人の子供たちに、あらゆる学問と知恵 に関する知識と技能を与えた。ダニエルはあらゆる 幻と夢を理解する力を持っていた。
18さて、王が彼らを連れて来るように言った日が終 ったとき、宦官の長は彼らをネブカデネザルの前に 連れて来た。
19王は彼らと話し合ったが、彼らの中にダニエル、 ハナニヤ、ミシャエル、アザリヤのような者は一人 もいなかった。そこで彼らは王の前に立った。
20王が彼らに知恵と理解力のあらゆる事柄について 尋ねたところ、彼らは国中の魔術師や占星術師のす べてよりも十倍優れていることがわかった。
21そしてダニエルはキュロス王の治世の第年まで その職に就いた。
第2章
1ネブカデネザルの治世の第二年に、ネブカデネザル は夢を見て、心が騒ぎ、眠れなくなった。
2そこで王は、魔術師、占星術師、呪術師、カルデア 人を呼び寄せ、王の夢を解き明かすように命じた。 彼らは来て王の前に立った。
3王は彼らに言った、「わたしは夢を見たが、その夢 を知ろうと心が騒いだ。」
4そのとき、カルデア人はシリヤ語で王に言った。 「王よ、とこしえに生き長らえてください。しもべ たちにその夢をお話しください。わたしたちはその 解き明かしをいたします。」
5王はカルデア人に答えて言った、「そのことはもう わかった。もしあなたがたがその夢とその解き明か しを私に示さないなら、あなたがたは切り裂かれ、 あなたがたの家は糞尿の山となるであろう。」
6しかし、もしあなたがたがその夢とその解き明かし をわたしに示せば、あなたがたはわたしから贈り物 と報酬と大きな名誉を受けるであろう。それゆえ、 その夢とその解き明かしをわたしに示しなさい。
7彼らは再び答えて言った。「王様がその夢を家来た ちにお話しください。そうすれば私たちはその解き 明かしをお伝えしましょう。」
8王は答えて言った。「あなたたちが時間を稼ごうと していることは、私にはよくわかっている。なぜな ら、あなたたちはその物が私からなくなってしまっ たのを見ているからだ。」
9しかし、もしあなたがたがその夢をわたしに知らせ ようとしないなら、あなたがたに対する定めはただ 一つである。あなたがたは時が変わるまで、わたし の前で偽りと不正な言葉を語ろうと準備しているの である。それゆえ、その夢をわたしに話してくださ い。そうすれば、あなたがたがその解釈をわたしに 示すことができることをわたしは知るであろう。
10カルデア人は王の前で答えて言った、「この地上 には王の願いをかなえられる人はいません。それゆ え、このようなことを魔術師、占星術師、カルデア
ダニエル 人に尋ねた王も、主君も、支配者もいないので す。」
11王が要求することはまれであり、肉なる者と共に 住まわれない神々のほかには、王の前にそれを示す ことのできる者はいない。
12このため、王は激怒し、非常に憤慨し、バビロン の賢者を皆殺しにするよう命じた。
13そして賢者を殺すようにという布告が出て、彼ら はダニエルとその仲間を殺すよう求めた。
14そこでダニエルは、バビロンの賢人たちを殺すた めに出陣した王の護衛隊長アリオクに、助言と知恵 をもって答えた。
15彼は王の将軍アリオクに答えて言った。「なぜ王 の勅令はこんなに急いで下されたのですか。」そこ でアリオクはダニエルにそのことを知らせた。
16そこでダニエルは入って行き、時間をくださるよ う王に願い出て、その解釈を王にお見せしたいと頼 んだ。
17そこでダニエルは家に帰り、仲間のハナニヤ、ミ シャエル、アザリヤにこの事を知らせた。
18彼らは、この秘密に関して天の神の慈悲を願い、 ダニエルとその仲間がバビロンの他の賢者と共に滅 びないように願った。
19そのとき、ダニエルは夜の幻の中でその秘密を明 かされた。ダニエルは天の神を祝福した。
20ダニエルは答えて言った。「神の御名はとこしえ にほめたたえられますように。知恵と力は神のもの だからです。
21神は時と季節を変え、王を廃し、王を立て、知者 に知恵を与え、悟りを知る者に知識を与える。
22神は深遠なる秘密を明らかにされる。神は暗闇に あることを知っておられ、光は神とともに宿る。
23わたしの先祖の神よ、わたしに知恵と力とを与え、 わたしたちがあなたに願っていたことを今わたしに 知らせてくださったあなたに、感謝し、あなたをほ めたたえます。あなたは王の計画を今わたしたちに 知らせてくださったからです。
24そこでダニエルは、王がバビロンの知者たちを滅 ぼすよう命じていたアリオクのもとに行き、彼にこ う言った。「バビロンの知者たちを滅ぼしてはなり ません。私を王の前に連れて来てください。私はそ の解き明かしを王にお見せしましょう。」
25そこでアリオクはダニエルを急いで王の前に連れ て来て、こう言った。「ユダの捕虜の中から、王に その解き明かしを知らせてくれる人を見つけまし た。」
26王は答えて、ベルテシャザルという名のダニエル に言った。「あなたは、わたしの見た夢とその解釈 をわたしに知らせることができるか。
27ダニエルは王の前で答えて言った、「王が求めら れた秘密は、賢者、占星術師、呪術師、卜者でさえ 王に示すことができません。
28しかし、天には秘密をあらわす神がおられ、後の 日に起こることをネブカデネザル王に知らされる。
あなたの夢と、床の上で見た幻とは、次のとおりで ある。
29王よ、あなたは床に就いたとき、これから起こる であろうことを心に思い浮かべられました。そして 秘密を明かす者が、これから起こることをあなたに 知らせます。
30しかし、わたしにとってこの秘密が明らかにされ たのは、生きている者の中でわたしが知恵に恵まれ ているからではなく、その解き明かしを王に知らせ る者たちのため、またあなたが心の思いを知れるよ うになるためです。
31王よ、あなたは大きな像をご覧になりました。そ の大きな像は、非常に輝き、あなたの前に立ってい ました。その形は恐ろしかったのです。
32この像の頭は純金、胸と腕は銀、腹と腿は青銅、 33その脚は鉄、その足は部は鉄、部は粘土であ った。
34あなたは、人の手によらずに切り出された石が、 鉄と粘土でできた像の足を打ち砕き、それを粉々に 砕くのを見た。
35すると、鉄、粘土、青銅、銀、金はみな砕け散り、 夏の打ち場のもみ殻のようになり、風に吹き飛ばさ れて、どこにも置き場所がなくなった。そして、像 を撃った石は大きな山となって全地を満たした。
36これがその夢です。私たちはその解釈を王の前に お話ししましょう。
37王よ、あなたは万王の王です。天の神はあなたに 王国と力と勢いと栄光を与えられました。
38神は人の子らが住む所、野の獣、空の鳥をことご とくあなたの手に渡し、そのすべてをあなたに支配 させられました。あなたはこの金の頭です。
39あなたの後に、あなたより劣るもうつの王国が 起こり、また第三の青銅の王国が起こり、それが全 地を支配するでしょう。
40第四の王国は鉄のように強くなる。鉄がすべての ものを砕いて従わせるように、この王国もすべてを 打ち砕き、打ち砕くであろう。
41あなたがその足とつま先を見たとき、その部は 陶器の粘土、部は鉄であったが、王国は分割され るであろう。しかし、あなたが鉄が泥粘土と混ざっ ているのを見たように、そこには鉄の強さが残るで あろう。
42そして、足の指が部は鉄、部は粘土であった ように、王国も部は強く、部は砕けているであ ろう。
43あなたは鉄が泥と混ざっているのをご覧になりま したが、それらは人間の子孫と混ざり合うでしょう。 しかし、鉄が粘土と混ざらないように、それらは互 いに結びつくことはありません。
44これらの王たちの時代に、天の神は永遠に滅びる ことのない王国を立てられます。その王国は他の民 に渡されることなく、これらのすべての王国を打ち 砕き、滅ぼし、永遠に存続します。
45あなたは、石が人手によらずに山から切り出され、 鉄と青銅と粘土と銀と金を打ち砕くのをご覧になり
ダニエル ました。偉大な神は、これから起こることを王に知 らされました。その夢は真実であり、その解釈は確 かです。
46そこでネブカドネザル王はひれ伏してダニエルを 拝み、供え物と香ばしい香りをダニエルに捧げるよ う命じた。
47王はダニエルに答えて言った。「あなたがこの秘 密を明らかにできたことを見ると、あなたの神は 神々の神、王たちの主、秘密を明らかにする者であ ることは確かだ。」
48そこで王はダニエルを偉人として、多くの大きな 贈り物を与え、彼をバビロン全州の統治者とし、ま たバビロンのすべての賢人たちの総督とした。
49そこでダニエルは王に願い出て、王はシャドラク、 メシャク、アベデネゴをバビロン州の事務をつかさ どる役人に任命した。しかしダニエルは王の門に座 していた。
第3章
1ネブカデネザル王は高さ六十キュビト、幅六キュビ トの金の像を造り、バビロン州のドラの平野にそれ を建てた。
2そこでネブカデネザル王は使者を遣わして、首長、 知事、長官、裁判官、財務官、顧問、長官、および 各州のすべての長官たちを集めさせ、ネブカデネザ ル王が立てた像の奉献式に出席させた。
3そこで、首長たち、知事たち、長官たち、裁判官た ち、財務官たち、参議たち、長官たち、および各州 のすべての長官たちは、ネブカデネザル王が立てた 像の奉献式に集まり、ネブカデネザルが立てた像の 前に立った。
4そのとき、使者が大声で叫んだ。「諸民族、諸民族、 諸言語の民よ、あなたたちに命じられた。
5角笛、横笛、立琴、琴、立琴、琴、琴、その他あら ゆる楽器の音を聞くたびに、あなたたちはひれ伏し て、ネブカデネザル王が立てた金の像を拝むように。
6ひれ伏して礼拝しない者は、すぐに火の燃える炉の 中に投げ込まれるであろう。
7そのとき、すべての民が角笛、横笛、立琴、琴、立 琴、あらゆる楽器の音を聞くと、すべての民、諸国、 言語の者がひれ伏して、ネブカデネザル王が立てた 金の像を拝んだ。
8そのとき、あるカルデア人が近づいて来て、ユダヤ 人たちを訴えた。
9彼らはネブカデネザル王に言った。「王よ、永遠に 生き続けてください。」
10王よ、あなたは布告を発されました。角笛、横笛、 立琴、琴、立琴、琴、琴、その他あらゆる楽器の音 を聞く者は皆、ひれ伏して金の像を拝まなければな らない。
11ひれ伏して拝まない者は、火の燃える炉の中に投 げ込まれるであろう。
12王よ、あなたがバビロン州の事務をつかさどらせ たユダヤ人の中には、シャドラク、メシャク、アベ
デネゴがいます。これらの人々はあなたを敬わず、 あなたの神々に仕えず、あなたが立てた金の像を拝 みません。
13そこでネブカデネザルは激怒し、シャドラク、メ シャク、アベデネゴを連れて来るよう命じた。彼ら はこれらの人々を王の前に連れて来た。
14ネブカデネザルは彼らに言った。「シャドラク、 メシャク、アベデネゴよ、あなたがたはわたしの 神々に仕えず、わたしが立てた金の像を拝まないの か。
15そこで、角笛、横笛、立琴、琴、立琴、琴、琴、 その他あらゆる楽器の音が聞こえたら、ひれ伏して 私が造った像を拝むのであれば、結構です。しかし、 拝まないなら、その瞬間に火の燃える炉の中に投げ 込まれます。私の手からあなたたちを救い出す神は 誰でしょうか。
16シャドラク、メシャク、アベデネゴは王に答えて 言った。「ネブカデネザル王よ、私たちはこの件に ついてあなたに答えるつもりはありません。
17もしそうであれば、わたしたちが仕えている神は、 燃える火の炉からわたしたちを救い出すことができ、 また、王よ、あなたの手からもわたしたちを救い出 してくださいます。
18しかし、そうでなくても、王よ、ご承知おきくだ さい。私たちはあなたの神々に仕えず、あなたが立 てた金の像を拝むつもりもありません。
19そのとき、ネブカデネザルは激怒し、シャドラク、 メシャク、アベデネゴに対して顔色を変え、彼らに 炉をいつもより七倍も熱くするように命じた。
20そして彼は、自分の軍隊の中の最も勇敢な者たち に、シャドラク、メシャク、アベデネゴを縛って、 燃え盛る炉に投げ込むように命じた。
21それから、これらの人々は、上着、ズボン、帽子、 その他の衣服を着たまま縛られ、燃える火の炉の中 に投げ込まれました。
22それゆえ、王の命令は急務であり、炉は非常に熱 かったので、その火の炎はシャドラク、メシャク、 アベデネゴを連れて行った人々を殺した。
23そして、シャドラク、メシャク、アベデネゴの三 人は縛られたまま、燃える火の燃える炉の中に倒れ 込んだ。
24するとネブカデネザル王は驚いて、急いで立ち上 がり、大臣たちに言った。「我々は三人を縛って火 の中に投げ込んだではないか。」彼らは答えて王に 言った。「王よ、そのとおりです。」
25イエスは答えて言われた、「見よ、わたしは四人 の人が自由に火の中を歩いているのを見たが、彼ら には何の害もない。そして、第四の者の様子は神の 子のようだ。」
26ネブカデネザルは燃え盛る炉の口に近づき、こう 言った。「いと高き神のしもべたち、シャドラク、 メシャク、アベデネゴよ、出て来なさい。」すると、 シャドラク、メシャク、アベデネゴは火の中から出 てきた。
ダニエル
27首長たち、知事たち、将軍たち、王の顧問たちが 集まって、これらの人々を見たが、彼らの体には火 は効力がなく、髪の毛本も焦げず、着物も変わら ず、火の臭いも移っていなかった。
28そこでネブカデネザルは言った、「シャドラク、 メシャク、アベデネゴの神がほめたたえられますよ うに。神は御使いを遣わして、神を信頼し、王の言 葉を曲げ、自分たちの神以外の神に仕えたり、拝ん だりしないようにと、自分の体を差し出した家来た ちを救い出されました。」
29それゆえ、わたしは布告を出す。シャデラク、メ シャク、アベデネゴの神に対して悪口を言うすべて の民族、国民、言葉の者は切り裂かれ、彼らの家は 糞塚とされる。このような者を救うことのできる神 はほかにいないからである。
30そこで王は、シャドラク、メシャク、アベデネゴ をバビロン州で昇進させた。
第4章
1ネブカデネザル王は、全地に住むすべての民族、諸 国、言葉の民にこう言います。あなたたちに平和が 豊かにありますように。
2私は、いと高き神が私に対して行われたしるしと不 思議とを示すのがよいと考えました。
3彼のしるしはなんと偉大で、彼の不思議はなんと力 強いことか。彼の王国は永遠の王国、その統治は 代々続く。
4我ネブカドネザルは我が家に安らぎ、我が宮殿で栄 えていた。
5私は恐ろしい夢を見ました。床の上の思いや頭の中 の幻が私を悩ませました。
6そこで、わたしは、バビロンの賢者を皆わたしの前 に呼び寄せ、その夢の解釈をわたしに知らせるよう 命令した。
7そのとき、魔術師、占星術師、カルデア人、占い師 たちが来て、わたしは彼らの前でその夢を語ったが、 彼らはその解釈をわたしに知らせなかった。
8しかし最後にダニエルが私の前に来た。彼は私の神 の名にちなんでベルテシャザルと呼ばれ、聖なる 神々の霊が宿っていた。私は彼の前で夢を語った。
9ああ、魔術師の長ベルテシャザルよ、私は聖なる 神々の霊があなたの中に宿り、どんな秘密もあなた を悩ませていないことを知っています。私が見た夢 の幻とその解釈を私に教えてください。
10わたしが床に就いて頭の中で夢を見たとき、見よ、 地の真ん中に本の木があり、その高さは非常に高 かった。
11その木は成長して強くなり、その高さは天にまで 達し、その姿は全地の果てにまで見えた。
12その葉は美しく、その実は豊かで、すべての者に 食物があった。野の獣はその陰で眠り、空の鳥はそ の枝に住み、すべての肉なるものはそれを食べた。
13わたしは床の上で頭の中の幻を見た。見よ、見張 りをする者、聖なる者が天から下って来た。
14彼は大声で叫んでこう言った。「木を切り倒し、 枝を切り落とし、葉を振り落とし、実を散らせ。獣 はその下から逃げ去り、鳥はその枝から逃げ去れ。
15しかし、その根の切り株は、鉄と青銅の帯をかけ て、野の若草の中に地に残しておき、天から降る露 で濡らし、その分を地の草の中の獣と共に与えよ。
16彼の心は人の心とは変えられ、獣の心が与えられ、 七つの時が彼の上に過ぎ去りますように。
17この事は番人たちの定めによるものであり、聖な る者たちの言葉による要求である。それは、いと高 き方が人間の王国を治めておられ、それを御心のま まに与え、また、最も卑しい者をその上に立てられ ることを、生きている者に知らせるためである。
18我、ネブカデネザル王はこの夢を見た。ベルテシ ャザルよ、今、その解き明かしを示せ。我が国の賢 者どもは皆、その解き明かしを私に知らせることは できない。しかし、あなたにはできる。聖なる神々 の霊があなたの内に宿っているからだ。
19その時、ベルテシャザルという名のダニエルは、 時間の間驚き、思い悩んだ。王は言った。「ベル テシャザルよ、その夢とその解き明かしに心を煩わ せるな。」ベルテシャザルは答えた。「わが主よ、 その夢はあなたを憎む者たちに、その解き明かしは あなたの敵に告げられます。」
20あなたが見た木は成長して強くなり、その高さは 天にまで達し、その姿は全地に見えた。
21その葉は美しく、その実は豊かで、すべての人の 食物となり、その下に野の獣が住み、その枝に空の 鳥が住み着いた。
22王よ、あなたは成長し、強くなりました。あなた の偉大さは成長して天にまで達し、あなたの支配権 は地の果てにまで及んでいます。
23王は、見張りをする者、聖なる者が天から下って 来て、「その木を切り倒して滅ぼせ。ただし、その 根の切り株は、鉄と青銅の帯をかけて、野の若草の 中に地に残しておき、天から降る露で濡らしておき、 その受ける分を野の獣と共に置き、七つの時を過ぎ させよ」と言うのを見た。
24王よ、これがその解釈です。これは、我が主君、 王に下された、いと高き方の命令です。
25彼らはあなたを人々から追い払い、あなたは野の 獣と共に住み、彼らはあなたに牛のように草を食べ させ、彼らはあなたを天から降る露で濡らすであろ う。そして七つの時があなたの上に過ぎ去り、つい にあなたは、いと高き方が人の王国を支配して、そ れを御心に適う者に与えることを知るであろう。
26そして、彼らは木の根の切り株を残すように命じ たが、あなたは天が支配していることを知った後、 あなたの王国は確実にあなたに与えられるであろう。
27それゆえ、王よ、どうか私の勧めを受け入れて、 正義をもってあなたの罪を断ち、貧しい人々に慈悲 を施してあなたの咎を捨ててください。そうすれば、 あなたの平安が長く続くでしょう。
28このすべてはネブカドネザル王に起こった。
ダニエル
29十二か月が経って、彼はバビロン王国の宮殿を歩 き回った。
30王は言った。「これは、わたしが自分の力の限り を尽くし、王国の宮殿として、またわたしの威厳の 誉れのために建てた大いなるバビロンではないか。
31この言葉が王の口にあるうちに、天から声が下っ て言った。「ネブカデネザル王よ、あなたに告げま す。王国はあなたを離れました。」
32彼らはあなたを人々から追い出し、あなたは野の 獣とともに住み、牛のように草を食べさせられる。 七つの時があなたの上に過ぎ去り、ついにあなたは、 いと高き方が人の王国を治めて、それを御心に適う 者に与えられることを知るであろう。
33その同じ時に、その事がネブカデネザルに成就し た。彼は人々から追い出され、牛のように草を食べ、 その体は天から降る露に濡れ、ついには髪は鷲の羽 のように、爪は鳥の爪のようになった。
34そしてその日々の終わりに、我ネブカデネザルは 目を天に上げ、我の悟りが戻り、私はいと高き方を 祝福し、永遠に生きておられる方を賛美し、尊敬し た。その主権は永遠の主権であり、その王国は代々 続く。
35そして、地に住むすべての者は無価値なものとみ なされ、天の軍勢と地に住む者の中で、彼は御自分 の意志に従って行われる。誰も彼の手を止めること はできず、彼に「あなたは何をしているのか」と言 うこともできない。
36それと同時に、わたしの理性は戻り、わたしの王 国の栄光のために、わたしの名誉と輝きも戻り、わ たしの顧問や君主たちがわたしを尋ね求めた。そし て、わたしは王国で安定し、優れた威厳がわたしに 加えられた。
37今、私ネブカドネザルは、天の王を賛美し、称え、 尊敬する。その行いはすべて真実であり、その道は 公正である。そして、高慢に歩む者を卑しめること もできる。
第5章
1ベルシャザル王は千人の大臣たちのために盛大な宴 会を催し、千人の前で酒を飲んだ。
2ベルシャザルは、酒を味見しながら、父ネブカデネ ザルがエルサレムの神殿から持ち出した金や銀の器 を持って来るように命じた。王とその大臣たち、妻 たち、側室たちが、そこで酒を飲むためであった。
3そこで彼らはエルサレムの神殿から取り出された金 の器を携えて来た。そして王とその大臣たち、王の 妻たち、側室たちはそれで酒を飲んだ。
4彼らは酒を飲み、金、銀、青銅、鉄、木、石の神々 を讃美した。
5すると、すぐに、ひとりの人の手の指が現れて、燭 台に向かい、王宮の壁の漆喰に何かを書き始めた。
王はその書いた手の跡を見た。
6すると王の顔色が変わり、その思いが彼を悩ませた ので、その腰の関節は緩み、その膝は互いに打ち合 った。
7王は大声で占星術師、カルデア人、占い師たちを呼 び寄せるよう命じた。そして王はバビロンの賢者た ちに言った。「この文字を読み、その解釈を私に示 す者は、緋色の衣を着せられ、首に金の鎖をかけら れ、王国の第三の支配者となる。」
8そのとき、王の知者たちが皆やって来たが、彼らは その文字を読むことができず、その解釈を王に知ら せることができなかった。
9そのとき、ベルシャザル王は非常に動揺し、その顔 つきは変わり、その大臣たちも驚いた。
10さて、王妃は王とその家臣たちの言葉を聞いて宴 会場に入り、こう言った。「王よ、とこしえに生き 長らえてください。あなたは思い煩ったり、顔色を 変えたりしないでください。
11あなたの王国には、聖なる神々の霊を宿した人が います。あなたの父の時代には、神々の知恵のよう な光と理解と知恵が彼の中に見出されました。あな たの父ネブカデネザル王、すなわちあなたの父であ る王は、彼を魔術師、占星術師、カルデア人、占い 師の長に任命されました。
12王がベルテシャザルと名づけたダニエルには、優 れた霊と知識と理解力、夢を解き明かす力、難解な 判決を解き明かす力、疑念を解く力が備わっていた。 今、ダニエルを召して、その解釈を示させよう。
13そこでダニエルは王の前に連れ出された。王はダ ニエルに言った。「あなたは、父王がユダヤから連 れ出したユダの捕囚民の人、ダニエルか。
14わたしはあなたについて聞いています。あなたの 中には神々の霊が宿っており、あなたの中には光と 理解と優れた知恵が備わっていると。
15そこで今、賢者や占星術師たちが私の前に呼ばれ、 この文字を読んでその解釈を私に知らせようとした が、彼らはその解釈を示すことができなかった。
16そして私はあなたについて、あなたが解釈をする ことができ、疑問を解消することができると聞いて います。今、あなたがその文字を読み、その解釈を 私に知らせることができれば、あなたは緋色の衣を 着せられ、首に金の鎖をかけられ、王国で第三の支 配者となるでしょう。
17そこでダニエルは王の前で答えて言った、「あな たの贈り物はあなた自身にし、報酬は他の人に与え なさい。しかし私はその文字を王に読み上げ、その 解釈を王にお知らせしましょう」。
18王よ、いと高き神はあなたの父ネブカデネザルに 王国と威厳と栄光と誉れを与えられました。
19そして、神が彼に与えた威厳のために、あらゆる 民、諸国、言語の者が彼の前に震え、恐れた。神は だれを殺そうとし、だれを生かしておこうとし、だ れを高め、だれを倒そうとしたのか。
20しかし、彼の心が高ぶり、思いがかたくなになっ たので、彼は王位から退けられ、栄光は奪われた。
21そして彼は人の子らから追い出され、その心は獣 のようになり、野ろばと共に住み、野ろばは牛のよ うに彼に草を食わせ、彼のからだは天から降る露に 濡れていた。ついに彼は、いと高き神が人の王国を 統治し、神がその上に御心のままに人を任命するこ とを知った。
22ベルシャザルよ、あなたは彼の子であるが、これ らすべてを知りながら、心をへりくだらせなかった。
23それなのに、あなたは天の主に逆らって高ぶり、 その宮の器物をあなたの前に運び入れ、あなたも、 あなたの主人たちも、あなたの妻やそばめたちも、 それらで酒を飲み、見ることも聞くことも知ること もない銀、金、青銅、鉄、木、石の神々をほめたた えた。あなたの息がその手に握られ、あなたのすべ ての道がその手に握られている神を、あなたはあが めなかった。
24そのとき、彼からその手が送られ、この文字が書 き記された。
25そして、その文字はこう記されていた。「メネ、 メネ、テケル、ウパルシン」。
26この事の解釈はこうである。メネ;神はあなたの 王国を数えて、それを成し遂げられた。
27テケル;あなたは天秤で量られ、不足であることが 分かりました。
28ペレス:あなたの王国は分割され、メディア人とペ ルシャ人に与えられます。
29そこでベルシャザルは命じて、ダニエルに緋色の 衣を着せ、金の鎖を彼の首にかけさせ、彼について 布告を出し、彼が王国の第三の支配者となるように した。
30その夜、カルデア人の王ベルシャザルは殺された。
31そして、メディア人ダリウスがおよそ七十二歳で 王国を取った。
第6章
1ダリウスは王国全体に百二十人の君主を立てること を良しとした。
2そして、これら三人の長官を監督した。ダニエルは その長官の長であった。これは、長官たちが彼らに 報告し、王に損害が及ばないようにするためであっ た。
3ダニエルは、優れた霊が彼の中にあったので、長官 や長官たちよりも優れていたので、王は彼を全王国 の管理者にしようと考えた。
4そこで、長官たちや長官たちは、王国に関してダニ エルに不利な口実を見つけようとしたが、何の口実 も欠点も見つけることができなかった。ダニエルは 忠実な人物であったので、何の誤りも欠点も見いだ されなかったからである。
5そこで、これらの人々は言った。「我々は、ダニエ ルという人物に対して、その神の律法に関してのみ、 不利な証拠を見つけることができるだろう。」
6そこでこれらの長官と長官たちは王のもとに集まり、 こう言った。「ダリウス王よ、永遠に生き続けてく ださい。」
7王国のすべての長官、知事、首長、顧問、将軍たち は協議して、王の法令を制定し、堅く定める布告を 発しました。それは、王よ、あなた以外の神または 人に30日間願い事をする者は、ライオンの穴に投げ 込まれるというものです。
8王よ、今、この布告を制定し、その文書に署名して、 決して変わることのないメディア人とペルシャ人の 法律に従ってください。
9そこでダリウス王はその文書と布告に署名した。
10ダニエルは、その文書に署名がなされたことを知 ると、自分の家に入り、自分の部屋の窓をエルサレ ムの方向に開け放ち、以前と同じように、日に三 度ひざまずいて祈り、神の前に感謝をささげた。
11そこでこれらの人々は集まり、ダニエルが神の前 に祈り、嘆願しているのを見つけた。
12そこで彼らは近寄ってきて、王の勅令について王 の前に訴えた。「王よ、あなたは勅令に署名してお られるではありませんか。三十日以内に、あなた以 外の神や人に願い事をする者は、みな獅子の穴に投 げ込まれると。」王は答えた。「それは真実です。 メディア人とペルシャ人の法律に定められており、 それは変わることはありません。」
13そこで彼らは王の前で答えて言った、「王よ、ユ ダの捕囚から帰ってきたダニエルは、あなたをも、 あなたが署名された勅令も顧みず、日に三度も祈 願をしています。
14王はこれらの言葉を聞いて、非常に憤慨し、ダニ エルを救い出そうと心に決め、日が沈むまでダニエ ルを救い出そうと努力した。
15そこでこれらの人々は王のもとに集まり、王に言 った。「王よ、メディア人とペルシャ人の法律では、 王が定めた布告や法律は変更できないことになって います。
16そこで王は命じ、ダニエルを連れ出し、獅子の穴 に投げ入れさせた。王はダニエルに言った。「あな たが常に仕えているあなたの神は、あなたを救い出 すであろう。」
17そして、石が運ばれてきて、穴の入り口に置かれ た。そして、王は自分の印と、大臣たちの印で、そ れを封印した。ダニエルに関する計画が変更されな いようにするためであった。
18そこで王は宮殿に行き、断食して夜を過ごした。 また楽器を前に持ってくることもなかったため、王 は眠れなかった。
19そこで王は朝早く起きて、急いでライオンの穴へ 行きました。
20そして、穴に着くと、ダニエルに向かって悲しげ な声で叫んだ。王はダニエルに言った。「生ける神 のしもべダニエルよ、あなたがいつも仕えているあ なたの神は、あなたをライオンから救い出すことが できるか。
ダニエル
21そこでダニエルは王に言った。「王よ、永遠に生 き続けてください。」
22私の神は御使いを遣わして、ライオンの口を閉じ させ、彼らが私に危害を加えないようにされました。 私は神の前に清廉であることが認められ、また王よ、 あなたの前にも私は何の危害も加えませんでした。
23王はダニエルのために大いに喜び、ダニエルを穴 から連れ出すように命じました。ダニエルは穴から 連れ出されましたが、何の害もありませんでした。 彼は自分の神を信じていたからです。
24そこで王は命じて、ダニエルを訴えた者たちを引 っぱって来させ、彼らとその子供たち、妻たちをラ イオンの穴に投げ込ませた。ライオンは彼らを打ち 負かし、彼らが穴の底に着くたびに、彼らの骨をこ とごとく砕いた。
25そこでダリウス王は、全地に住むすべての民族、 国民、言葉の民にこう書き送った。「あなたたちの 上に平和が豊かにありますように。」
26わたしは布告する。わたしの王国のすべての領土 において、人々はダニエルの神の前に震え、恐れな ければならない。なぜなら、彼は生ける神であり、 永遠に変わらぬ神であり、その王国は滅びることが なく、その統治は終わりまで続くからである。
27彼は救って救い出し、天と地でしるしと不思議を 行い、ダニエルをライオンの力から救い出した。
28こうしてダニエルはダリウスの治世とペルシャ人 キュロスの治世に栄えた。
第7章
1バビロン王ベルシャザルの治世の元年に、ダニエル は床の上で夢と頭の中の幻を見ました。そして、そ の夢を書き記し、その一部始終を語りました。
2ダニエルは言った、「わたしは夜の幻の中で、天の 四方の風が大海の上で激しく吹き荒れるのを見 た。」
3そして、四つの大きな獣が海から上がってきた。そ れぞれが異なっていた。
4第一のものは獅子のようで、鷲の翼を持っていた。 私が見ていると、その翼はむしり取られ、地から引 き上げられ、人間のように足で立たされ、人の心が 与えられた。
5すると、別の獣、第二の獣が現れ、熊に似ていて、 片側から起き上がり、その口の歯の間には三本の肋 骨があった。そして、人々はそれにこう言った、 「立ち上がって、多くの肉を食らえ。」
6この後、わたしはまた、豹のような獣を見た。その 背には鳥の四つの翼があり、その獣にも四つの頭が あり、それには主権が与えられた。
7この後、私は夜の幻の中で、第四の獣を見た。それ は恐ろしく、恐ろしく、非常に強く、大きな鉄の歯 を持っていた。それは食べ物を食い尽くし、打ち砕 き、残りを足で踏みつけた。それはそれより前にい たすべての獣とは異なっており、十本の角を持って いた。
8私は角を調べた。すると、見よ、その中にもう一つ の小さな角が生え出た。その角の前には、最初の角 のうち三つが根こそぎ抜かれていた。そして見よ、 その角には人の目のような目と、大きなことを語る 口があった。
9わたしは、王座が倒されるまで見ていた。老いたる 者が座しておられた。その衣は雪のように白く、そ の頭髪は純毛のようであった。その王座は燃える炎 のようであり、その車輪は燃える火のようであった。
10火の流れが流れ出て彼の前から流れ出た。千の千 の者が彼に仕え、一万の万が彼の前に立った。裁き が定められ、書物が開かれた。
11そのとき、わたしは角笛が語る大いなる言葉の声 を聞き、獣が殺され、その体が滅ぼされ、燃える火 に渡されるまで見ていた。
12残りの獣たちに関しては、その支配権は奪われま したが、その命はしばらくの間、延ばされました。
13わたしは夜の幻の中で、見よ、人の子のような者 が天の雲に乗って来て、年を経た者のもとに来た。 そして、彼らは彼をその前に近づけた。
14そして彼には主権と栄光と王国が与えられ、あら ゆる民族、国民、言語の者が彼に仕えるようになり ました。彼の主権は永遠の主権であって、滅びるこ とがなく、彼の王国は滅びることがありません。
15わたしダニエルは、わたしの心と体の中で悲しみ、 わたしの頭の中の幻がわたしを悩ませました。
16わたしは、そばに立っていた彼らのうちのひとり に近づいて、このすべてのことの真相を尋ねた。す ると彼はわたしに話し、その事の解釈をわたしに知 らせてくれた。
17これらの四つの大きな獣は、地から起こる四人の 王である。
18しかし、いと高き方の聖徒たちは王国を取り、永 遠に、まことに永遠にその王国を所有するであろう。
19そのとき、わたしは第四の獣の真実を知りたいと 思った。それはほかのすべての獣とは違っていて、 非常に恐ろしく、その歯は鉄、その爪は青銅で、食 べ物を食い、打ち砕き、残ったものを足で踏みつけ るのである。
20また、その頭にあった十本の角と、もう一つの角 が伸びて、その角の前に三本が倒れた。また、その 角には目があり、非常に大きなことを語る口があり、 その目つきは他の角よりも強健であった。
21わたしは見ていると、その角が聖徒たちと戦い、 彼らに勝利した。
22年を経た者が来て、いと高き方の聖徒たちに裁き が下され、聖徒たちが王国を所有する時が来た。
23神はこう言われました。「第四の獣は、地上の第 四の王国です。それはすべての王国とは異なり、全 地を食い尽くし、踏みつけ、打ち砕きます。
24そして、この王国から出る十本の角は、十人の王 のことである。そして、彼らの後に別の王が起る。 彼は最初の王とは異なっており、三人の王を征服す るであろう。
25彼は、いと高き者に対して大言壮語を語り、いと 高き者の聖徒たちを疲れさせ、時と律法を変えよう と企てるであろう。そして、彼らは、時と時と時と を分ける時まで、彼の手に渡されるであろう。
26しかし、裁きが下され、彼らは彼の支配権を奪い、 それを最後まで滅ぼし尽くすであろう。
27そして、全天の下の王国と統治権と王国の偉大さ は、いと高き方の聖徒の民に与えられる。その王国 は永遠の王国であり、すべての領土は彼に仕え、従 うであろう。
28ここまでが事の終わりです。ダニエルよ、わたし は思い悩んで心を乱し、心の中で顔色が変わりまし たが、この事を心に留めておきました。
第8章
1ベルシャザル王の治世の第三年に、わたし、ダニエ ルに、最初にわたしに現れた幻の後に、つの幻が 現れた。
2わたしは夢の中で見た。わたしが見ると、わたしは エラム州にあるシュシャンの宮殿にいた。またわた しは夢の中で見たが、わたしはウライ川のほとりに いた。
3そこでわたしは目を上げて見ていると、見よ、川の 向こうに、二本の角のある雄羊が立っていた。その 二つの角は高く、方が他方よりも高く、高い方の 角が最後に伸びた。
4私は、雄羊が西、北、南へと突き進むのを見た。そ の前に立ちはだかる獣はおらず、その手から救い出 すことのできる獣もいなかった。しかし、雄羊は自 分の意志に従って行動し、大いなる者となった。
5そして私が考えていると、見よ、頭の雄やぎが全 地の面を西からやって来たが、地面に触れなかった。 そのやぎの目の間には目立つ角があった。
6そして彼は、私が川の前に立っているのを見た二本 の角のある雄羊のところに来て、その激しい力でそ の雄羊に向かって走りました。
7そして私は彼が雄羊に近づくのを見たが、彼はこれ に対して怒りに燃え、雄羊を打ってその二つの角を 折った。雄羊には彼の前に立つ力もなく、彼は雄羊 を地に投げ倒して踏みつけた。雄羊を彼の手から救 い出せる者は誰もいなかった。
8それゆえ、雄やぎは非常に大きくなり、強くなった とき、その大きな角は折れ、天の四方の風に向かっ て四つの大きな角が伸びた。
9そして、その角のつから小さな角が出て、南の方 へ、東の方へ、美しい地の方へ、非常に大きくなっ ていった。
10そしてそれは大きくなり、天の万象にまで及び、 万象と星の一部を地に投げ落とし、その上を踏みつ けた。
11まことに、彼は軍勢の長にさえ自らを高め、彼に よって日ごとのいけにえは取り去られ、彼の聖所の 場所は破壊された。
12そして、罪過のゆえに常供のいけにえに対抗する 軍勢が彼に与えられ、その軍勢は真理を地に打ち倒 し、それを実行に移して繁栄した。
13そのとき、わたしは、ひとりの聖徒が話している のを聞いた。そして、別の聖徒が、話しているその 聖徒に言った。「日々のいけにえと荒廃の罪に関す る幻は、いつまで続くのですか。聖所と万象が踏み にじられるのですか。」
14彼はわたしに言った、「二千三百日までである。 その時聖所は清められるであろう」。
15そして、私、ダニエルがその幻を見て、その意味 を尋ね求めていたとき、見よ、人の姿のような者が 私の前に立っていた。
16そして、私はウライ川の両岸の間で人の声が呼ぶ のを聞いた。それは、「ガブリエルよ、この人にこ の幻を理解させてください」と言っている。
17そこで彼は私の立っている所に近づいた。彼が来 たとき、私は恐れてひれ伏した。しかし彼は私に言 った、「人の子よ、悟りなさい。終わりの時にその 幻が現れるのだ。」
18彼が私に話しかけているとき、私は地面にうつ伏 せになって深い眠りに陥っていたが、彼は私に触れ て、私を起こした。
19そして彼は言った、「見よ、わたしは憤りの終り に何が起こるかをあなたに知らせよう。定められた 時に終わりが来るからだ。」
20あなたが見たあの二本の角のある雄羊は、メディ アとペルシャの王たちです。
21そして、この荒々しいやぎはギリシャの王であり、 その目の間にある大きな角は第の王である。
22今、それが打ち砕かれると、四つの国がそれのた めに立ち上がったが、国の中から四つの王国が立ち 上がるであろう。しかし、それは彼の支配下にはな い。
23そして彼らの王国の終わりの時、罪人たちが満ち 足りたとき、厳しい顔つきと暗い判決を理解する王 が立ち上がるであろう。
24彼の力は強大であるが、それは彼自身の力による のではない。彼は驚くべき破壊力と繁栄を誇示し、 力ある者と聖なる民を滅ぼすであろう。
25彼はまた、その計略によって、その手の中に策略 を栄えさせ、その心の中では高ぶって、平和によっ て多くの者を滅ぼすであろう。彼はまた、君主の君 主に敵対して立ち上がるであろうが、人の手によっ て打ち砕かれるであろう。
26夕べと朝の夢は真実である。それゆえ、その夢を 秘めておくがよい。それは多くの日数にわたって続 くであろう。
27そして、わたしダニエルは衰弱し、数日間病気に なりました。その後、わたしは起き上がって王の務 めを果たしました。わたしはその幻に驚きましたが、 だれもそれを理解しませんでした。
ダニエル 第9章
1メディア人の子孫であるアハシュエロスの子ダリウ スがカルデア人の王国の王となった第一年に、
2ダニエルは、その治世の第一年に、主の言葉が預言 者エレミヤに臨んだことを書物によって知り、エル サレムの荒廃が七十年続くであろうという年数を理 解した。
3そして私は主なる神に顔を向け、断食と荒布と灰を かぶって、祈りと願いによって神を求めました。
4そこで私は私の神、主に祈り、告白して言った、 「主なる神よ、あなたはご自分を愛し、その戒めを 守る者には契約を守り、慈しみを施される、大いな る恐るべき神です。
5私たちは罪を犯し、不義を行い、悪事を働き、あな たの戒めとあなたの定めから離れて背きました。
6また、私たちはあなたのしもべである預言者たちに 聞き従いませんでした。彼らはあなたの名によって、 私たちの王たち、私たちの君たち、私たちの先祖た ち、そしてこの国のすべての民に語りました。
7主よ、正義はあなたのものですが、わたしたちは今 日のように顔が曇っています。ユダの人々、エルサ レムの住民、およびあなたが追い払われたすべての 国々にいるイスラエルのすべての人々、近い者も遠 い者も、あなたに対して犯した罪のゆえに、彼らは そうしています。
8主よ、わたしたちと、わたしたちの王たち、わたし たちの君たち、わたしたちの先祖たちの面目は汚さ れました。わたしたちがあなたに対して罪を犯した からです。
9たとえ私たちが主に背いたとしても、私たちの神で ある主には、慈しみと赦しがある。
10また、私たちは私たちの神、主の御声に聞き従わ ず、主がそのしもべである預言者たちを通して私た ちの前に定められた律法に従って歩んでいませんで した。
11まことに、イスラエルは皆、あなたの律法を破り、 あなたの声に従わずに、離れていきました。それゆ え、神のしもべモーセの律法に記されている呪いと 誓いが、私たちに注がれました。私たちが神に対し て罪を犯したからです。
12そして神は、わたしたちと、わたしたちを裁いた 裁判官たちに対して言われたその言葉を成就し、わ たしたちに大いなる災いを下されました。エルサレ ムになされたようなことは、天の下にかつてなかっ たのです。
13モセの律法に書いてあるとおり、このすべての 災いが私たちに降りかかったのです。しかし私たち は、私たちの罪悪から離れ、あなたの真実を知るこ とができるように、私たちの神、主の前に祈りを捧 げませんでした。
14それゆえ、主は災いを待ち構えて、それをわれわ れに下された。われわれの神、主は、なされるすべ てのわざにおいて正しいからである。われわれは主 の声に聞き従わなかった。
15そして今、私たちの神、主よ。あなたは力強い御 手をもってあなたの民をエジプトの地から導き出し、 今日のように名声を得られましたが、私たちは罪を 犯し、悪事を働いてしまいました。
16主よ、どうかあなたのすべての正義にしたがって、 あなたの怒りと憤りをあなたの町エルサレム、あな たの聖なる山から遠ざけてください。私たちの罪と 私たちの先祖の咎のゆえに、エルサレムとあなたの 民は私たちの周囲のすべての者の恥辱となっている からです。
17それゆえ、われらの神よ、今、あなたのしもべの 祈りと願いを聞き、主のゆえに、あなたの荒れ果て た聖所にあなたの御顔を輝かせてください。
18わが神よ、耳を傾けて聞いてください。目を開い て、わたしたちの荒廃と、あなたの名によって呼ば れる町とを見てください。わたしたちがあなたの前 に祈りをささげるのは、わたしたちの義のためでは なく、あなたの大いなる恵みのためです。
19主よ、聞いてください。主よ、お赦しください。 主よ、聞いて、行ってください。わが神よ、あなた 自身のために、延ばさないでください。あなたの町、 あなたの民は、あなたの名によって呼ばれているか らです。
20わたしが語り、祈り、わたしの罪とわたしの民イ スラエルの罪を告白し、わたしの神の聖なる山のた めに、わたしの神、主の前に願いを捧げていたとき、
21まことに、わたしが祈りを唱えながら話している と、わたしが初めに夢で見ていた人ガブリエルが、 夕べの供え物を捧げるころ、急いで飛んで来てわた しに触れた。
22そして彼は私に告げて、私と話して言った、「ダ ニエルよ、私はあなたに知恵と理解力を与えるため に来たのです。
23あなたの祈りの初めにこの命令が出ました、そし て、私はあなたにそれを示すために来ました。あな たは大いに愛されているからです。それゆえ、この 事を理解し、この幻をよく考えなさい。
24あなたの民とあなたの聖なる都には七十週が定め られている。それは、背きを終わらせ、罪を終わら せ、不義を償い、永遠の正義をもたらし、幻と預言 を封じ、いと聖なるものに油を注ぐためである。
25それゆえ、エルサレムを再建し建て直せという命 令が出てから、君主メシアの到来までに七週と六十 二週あることを知り、また悟りなさい。困難な時代 に、街路や城壁が再建されるであろう。
26そして七十二週の後、メシアは断たれるが、それ は彼自身のためではない。そして来たるべき君主の 民が町と聖所を滅ぼすであろう。その終わりは洪水 で起こり、戦争の終わりまで荒廃が定められている。
27そして彼は週間の間、多くの人々と契約を結び、 その週の半ばに、犠牲と供え物をやめさせ、忌まわ しいものを蔓延させて、終末の時までそこを荒廃さ せ、定められたものが荒廃した所に注がれるであろ う。
ダニエル 第10章
1ペルシア王クロスの治世の第三年に、ベルテシャザ ルという名をもつダニエルに一つの事が啓示された。 その事は真実であったが、定められた時は長かった。 ダニエルはその事を理解し、その幻の意味を悟った。
2そのころ、われダニエルは三週間喪に服していた。
3三週間が満ちるまで、私はおいしいパンを食べず、 肉もぶどう酒も口にせず、身に油を塗ることもしま せんでした。
4第一の月の二十四日に、わたしはヒデケルという大 川のほとりにいた。
5そこでわたしは目を上げて見ていると、亜麻布を着 て、ウファズの純金の帯を腰に締めている人がいた。
6彼の体は緑柱石のようであり、その顔は稲妻のよう であり、その目は燃えるともしびのようであり、そ の腕と足は磨かれた青銅のような色であり、その言 葉の声は群衆の声のようであった。
7そして、私ダニエルだけがその幻を見た。私といっ しょにいた人々はその幻を見なかった。彼らは大き な震えに襲われ、逃げて身を隠した。
8それで、わたしはひとり残され、この大いなる幻を 見たが、わたしには力が残っていなかった。わたし の美しさはわたしの中で朽ち果て、わたしは力を失 っていたからである。
9しかし、わたしは彼の言葉の声を聞いた。そして、 彼の言葉の声を聞いたとき、わたしは顔を地面に向 けて深い眠りに陥った。
10すると、見よ、つの手がわたしに触れ、わたし をひざまずかせ、両手のひらを地面につけさせた。
11そして彼は私に言った。「ああ、大いに愛された ダニエルよ、私があなたに語る言葉をよく理解し、 立ちなさい。私は今、あなたのために遣わされたの だ。」彼が私にこの言葉を語ったとき、私は震えな がら立っていた。
12すると彼はわたしに言った、「ダニエルよ、恐れ ることはない。あなたが心を定めて悟ろうとし、あ なたの神の前に自分を戒めようとした最初の日から、 あなたの言葉は聞かれていた。だから、私はあなた の言葉のために来たのだ。」
13しかしペルシャ王国の君主は、21日間私に抵抗 しました。しかし、首長のひとりミカエルが私を助 けに来ました。私はペルシャの王たちと共にそこに 留まりました。
14今、私は、末日にあなたの民に何が起こるかをあ なたに理解させるために来たのです。この幻はまだ 多くの日数の先のことです。
15彼が私にこのような言葉を語ったとき、私は顔を 地に伏せ、何も言えなくなりました。
16そして、見よ、人の子らのひな形のような者が私 の唇に触れた。そこで私は口を開いて話し、私の前 に立っている者に言った。「ああ、私の主よ、この 幻によって私の悲しみは私に臨み、私はもう力も残 っていません。
17どうしてこの主君の僕が、この主君と話すことが できましょうか。わたしには、もう力もなくなり、 息も残っていません。
18すると、人の姿の者が再び現れて私に触れ、私を 力づけた。
19そして言われた、「ああ、大いに愛されている人 よ、恐れるな。あなたに平安あれ。強くあれ。まこ とに、強くあれ。」彼が私に語られたとき、私は力 づけられ、「わが主よ、語らせてください。あなた は私を強くしてくださいました」と言った。
20そこで彼は言った、「わたしがなぜあなたのとこ ろに来たかご存じですか。今わたしはペルシャの君 と戦うために帰って来ます。わたしが出て行くと、 見よ、ギリシャの君がやって来ます。」
21しかし、わたしは真理の聖書に書いてあることを あなたに示そう。これらのことに関してわたしと共 にいる者は、あなたの君ミカエル以外にはいない。
第11章
1また、メディア人ダリウスの治世の第一年に、私も 彼を強め、力づけるために立ち上がりました。
2さて、今、わたしはあなたに真実を告げよう。見よ、 ペルシャにはまだ三人の王が立つ。四人目の王は彼 らすべてよりもはるかに富み、その力と富によって、 ギリシアの国にすべての敵を扇動するであろう。
3そして、力強い王が立ち上がり、大いなる権力をも って治め、自分の意志どおりに事を運ぶであろう。
4そして彼が立ち上がると、彼の王国は破られ、天の 四方に分割される。彼の子孫に分配されるのではな く、彼が支配していた領土に応じて分配されるので はない。彼の王国は彼ら以外の者にも引き抜かれる からである。
5南の王とその君たちのひとりは強くなり、彼よりも 強くなり、主権を持ち、その主権は大きなものとな る。
6そして、年月の終わりに、彼らは結びつく。南の王 の娘が北の王のもとに来て、和議を結ぶからである。 しかし、彼女は腕力を保つことができず、王もその 腕も立つことができず、彼女は引き渡され、彼女を 連れてきた者も、彼女を生んだ者も、この時代に彼 女を強くした者も引き渡される。
7しかし、彼女の根から本の枝が立ち上がり、その 子孫が軍隊を率いて北の王の要塞に攻め入り、彼ら を攻めて勝利を得るであろう。
8また、彼らの神々や首長たち、銀や金の貴重な器物 も捕虜としてエジプトに連れ去るであろう。彼は北 の王よりも長く存続するであろう。
9こうして南の王は自分の王国に帰って、自分の国に 帰るであろう。
10しかし、彼の息子たちは奮い立ち、大軍を集める。 そして、必ずやって来て、溢れ出て通り抜ける。そ して、彼は戻ってきて奮い立ち、彼の要塞にまで至 る。
ダニエル
11南の王は激怒して出てきて、北の王と戦うであろ う。彼は大軍勢を率いるであろうが、その大軍勢は 彼の手に渡されるであろう。
12そして、彼が群衆を滅ぼすとき、彼の心は高ぶり、 幾万もの者を倒すであろう。しかし、それによって 彼は強くなることはないであろう。
13北の王は戻って来て、以前よりも大きな軍勢を率 いて、数年経ってから必ず大軍と多くの財宝を携え て来るであろう。
14そのころには、多くの者が南の王に敵対して立ち 上がり、またあなたの民の略奪者たちもその夢を実 現しようと奮闘するが、彼らは倒れるであろう。
15北の王は来て、要塞を築き、堅固な町々を攻め落 とす。南の軍隊も、その選ばれた民も、抵抗できず、 抵抗する力もない。
16しかし、彼に攻め来る者は、自分の思いのままに 事を運び、その前に立ちはだかる者はいない。彼は 栄光の地に立つが、その地は彼の手によって滅ぼさ れる。
17彼はまた、全王国の力と、彼と共にいる正しい者 たちを率いて、入ろうと決意し、このようにする。
彼は女の娘を与えて、彼女を堕落させる。しかし、 彼女は彼の側に立つことも、彼の味方になることも ない。
18その後、彼は顔を島々に向け、多くの島々を占領 する。しかし、君主は自分自身のために、自分が受 けた非難をやめさせる。自分自身が非難を受けるこ となく、非難を自分に向けさせる。
19そのとき、彼は自分の国の砦に顔を向けるが、つ まずいて倒れ、見つからなくなる。
20そのとき、王国の栄光の中で、彼の領地から税金 を徴収する者が立ち上がる。しかし、怒りによって でもなく、戦いによってでもなく、彼は数日のうち に滅ぼされる。
21彼の地位に卑しい者が立つであろう。その者に王 国の栄誉は与えられず、彼は平和的に侵入し、へつ らって王国を手に入れるであろう。
22彼らは洪水の腕をもって彼の前から押し流され、 打ち砕かれるであろう。契約の君主もまたそうであ る。
23そして、彼と結んだ同盟の後、彼は欺瞞を行なう であろう。なぜなら、彼は立ち上がって、少数の民 を率いて強くなるからである。
24彼はその州の最も肥沃な地域にまで平和に侵入し、 その先祖たちも、その先祖の先祖たちもしなかった ことを行い、彼らの間に略奪品や分捕り物や財宝を 散らす。そして、しばらくの間、要塞に対してその 計画を企てる。
25彼は大軍を率いて南の王に対してその力と勇気を 奮い立たせる。南の王も非常に大きく強い軍隊を率 いて戦うが、彼は耐えられない。人々が彼に対して 陰謀を企てるからである。
26まことに、彼の食物を食べる者たちは彼を滅ぼし、 彼の軍勢は溢れ、多くの者が殺されて倒れるであろ う。
27そして、この両王は悪事を企てようとし、同じ食 卓で偽りを語るであろう。しかし、それは栄えるこ とはない。終わりは定められた時に来るからである。
28そのとき、彼は多くの富を携えて自分の国に帰る。 そして、彼の心は聖なる契約に逆らうであろう。そ して、彼は功績をあげて、自分の国に帰るであろう。
29定められた時が来ると、彼は帰ってきて南の方へ 来る。しかしそれは先のことや後のことのようにな ることはない。
30キティムの船が彼に攻め寄せるからである。それ ゆえ、彼は悲しみ、引き返し、聖なる契約に対して 憤慨する。彼はそうするであろう。彼は引き返し、 聖なる契約を捨てる者たちと密談するであろう。
31そして、武器が彼の側に立って、力の聖所を汚し、 毎日の犠牲を奪い、荒廃させる忌まわしいものを置 くであろう。
32契約に反して悪事を働く者たちは、へつらいによ って滅ぼされる。しかし、神を知る民は強くなり、 功績をあげる。
33民の中の悟りのある者は、多くの人を教えるであ ろう。しかし彼らは、剣と炎と捕囚と略奪によって、 長い間倒れるであろう。
34今、彼らが倒れるとき、少しの助けで彼らは助け られるであろう。しかし、多くの者は彼らにへつら って付き従うであろう。
35彼らのうちの思慮深い者たちは倒れるであろう。 それは、終わりの時まで彼らを試み、清め、白くす るためである。それは、まだ定められた時だからで ある。
36そして王は自分の意志に従って事を行い、あらゆ る神よりも自らを高め、自らを高く掲げ、神々の神 に対して驚くべきことを語り、怒りが成就するまで 繁栄するであろう。定められたことは成就されるか らである。
37彼は先祖の神を顧みず、女たちの欲望を顧みず、 またどんな神にも顧みず、すべてのものの上に自分 を誇示する。
38しかし、彼はその地位において、力の神を敬い、 その先祖たちが知らなかった神を、金、銀、宝石、 そして美しい物で敬うであろう。
39彼は異国の神を最も堅固な要塞でこのように行い、 その神を認めて栄光を増し、その神に多くの人々を 支配させ、利益のために地を分割する。
40終わりの時に、南の王は彼を攻めるであろう。北 の王は、戦車、騎兵、多くの船を率いて、旋風のよ うに彼に襲いかかるであろう。彼は諸国に侵入し、 溢れかえって渡っていくであろう。
41彼は栄光の地にも入り、多くの国々は滅ぼされる。 しかし、エドム、モアブ、アンモン人の首長たちは 彼の手から逃れるであろう。
42彼は諸国にもその手を伸ばし、エジプトの国も逃 れることはできない。
43しかし、彼は金や銀の財宝とエジプトのすべての 貴重な品々を支配するであろう。リビア人とエチオ ピア人も彼の足跡をたどるであろう。
44しかし、東と北からの知らせが彼を悩ませるであ ろう。それゆえ、彼は多くの者を滅ぼし、完全に滅 ぼすために、大いなる怒りをもって出て行くであろ う。
45彼は海の間に、栄光に満ちた聖なる山に宮殿の幕 屋を建てる。しかし、彼は終わりを迎え、誰も彼を 助ける者はいない。
第12章
1そのとき、あなたの民の子らを代表する大君ミカエ ルが立ち上がる。そして、国が始まって以来、その 時までかつてなかったような苦難の時が来る。その とき、あなたの民、すなわち、この書に名が記され ている者は皆救われる。
2そして、地のちりに眠っている者のうち多くの者が 目覚める。ある者は永遠の命に、ある者は恥と永遠 の軽蔑に目覚める。
3賢い人たちは大空の輝きのように輝き、多くの人を 義に導く人たちは永遠に星のようになる。
4しかし、ダニエルよ、あなたはこれらの言葉を秘し、 この書を終りの時まで封印しておけ。多くの人が行 き来し、知識が増すであろう。
5そこで、私ダニエルが見ると、見よ、ほかの二人が 立っていた。人は川岸のこちら側に、他の人は 川岸の向こう側に立っていた。
6すると、川の水の上にいた亜麻布を着ている人に、 ある人が言った。「これらの不思議はいつまで続く のでしょうか。
7そして、私は、川の水の上にいた亜麻布を着ている 人が、右の手と左の手を天に上げ、永遠に生きる者 にかけて誓うのを聞いた。それは、ひとときと、二 時と、半時の間である。彼が聖なる民の力を散らし 終えたとき、これらすべてのことが成し遂げられる。
8わたしは聞いたが、理解できなかった。そこでわた しは言った。「主よ、これらの事の結末はどうなる のでしょうか。」
9そして彼は言った、「ダニエルよ、行きなさい。こ れらの言葉は終りの時まで秘められ、封じられてい るのだ。」
10多くの者が清められ、白くされ、試される。しか し、悪人は悪事を行う。悪人のうちひとりも悟らな い。しかし、賢い者は悟る。
11そして、常供のいけにえが取り去られ、荒廃をも たらす忌まわしいものが設置される時から、千二百 九十日が経過する。
12待ち続けて千三百三十五日に達する人は幸いであ る。
13しかし、あなたは終わりが来るまであなたの道を 進みなさい。あなたは休み、終わりの日にあなたの 定められた位置に立つであろう。