やすみのデザイン - 飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析 -

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やすみのデザイン - 飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析 An Analysis of Respite Space on Restaurant Industry

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013


第1部 本編


0


第 0 章      はじめに 0. はじめに


第 0 章 はじめに

やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

0. はじめに

自営業で飲食店を営む母と、大型の小売店で店員をする父の間に生ま れ、兄も家電量販店の店員となって、わたしの家族は接客業をする人ばか りだった。  就職活動を始めるとき、絶対に接客業はやらない、と決めていた。いら いらしている家族を見て育っていて、自分はああはなるまい、といつの間 にか思うようになっていた。  卒業論文のテーマを探しているとき、接客業の空間について調べてみる と、接客業従業者のための研究を見つけることはできなかった。  わたしがいつも見てきた家族の姿を、職場の空間改善から変えることが できないだろうか。いつも笑顔で接客をする人々のために、安らげる空間 を提案したいと研究を始めた。

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

0. はじめに


目次


やすみのデザイン ―飲食業における新しいオフの提案―

目次

第 1 部:本編 第0章

はじめに

第1章

研究背景

1-1. 日本の労働人口

1 1

1-1-1. 平成 22 年度の労働人口と産業内訳  1-1-2. 産業別労働人口の推移

3

1-2. 休憩に関する法規

4

1-2-1. 労働時間と生産高  1-2-2. 休憩時間と労働基準法第 34 条

5

1-2-3. 休憩室と事務所衛生基準法

6

1-2-4. 休憩時間の解釈上の限界と立法課題

7

1-3.「休む」とは

9

1-3-1. 漢字の成り立ち  1-3-2. 日本と欧米諸国との「休む」ことの違い

10

1-4. 飲食店に対するイメージ

11

1-4-1. 飲食店基礎データ  1-4-2. 人気企業ランキング

13

1-5. 既往研究との位置づけ

15

第2章

研究概要

2-1. 用語の定義 2-2. 研究目的 2-3. 研究の流れ

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16 16 17 18


やすみのデザイン ―飲食業における新しいオフの提案―

第3章

目次

接客業における休憩の実態調査

3-1. 調査目的 3-2. 調査概要 3-3. 調査方法  3-3-1. 調査方法  3-3-2. アンケート内容 3-4. 調査結果  3-4-1. 調査結果一覧  3-4-2. 調査対象の分類 3-5. 分析  3-5-1. 仕事をしていて癒される時・疲れる時  3-5-2. 勤務体系で満足する点・不満な点  3-5-3. 休憩場所  3-5-4. 休憩満足度 3-6. 考察 3-7. まとめ

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20 20 21 22 23 25 27

29 32 35 36 40 41


やすみのデザイン ―飲食業における新しいオフの提案―

第4章

飲食業における休憩空間の実態調査

4-1. 調査目的 4-2. 調査概要 4-3. 調査方法  4-3-1. 調査方法  4-3-2. 聞き取り調査内容  4-3-3. アンケート内容 4-4. 調査結果  4-4-1. 聞き取り調査結果  4-4-2. アンケート調査結果  4-4-3. 店舗別調査結果 4-5. 分析  4-5-1. 分析 1. 休憩場所別  4-5-2. 分析 2. 休憩場所広さ別  4-5-3. 分析 3. 通勤時間別  4-5-4. 分析 4. 休憩時間別  4-5-5. 分析 5. 同時休憩人数別  4-5-6. 分析 6. 休憩中の行動別 4-6. 考察 4-7. まとめ

第5章

42 42 43 44 45 47

49 56 63 77 79 81 82 83 85 87 88

まとめと展望

5-1. まとめ 5-2. 展望

第6章

目次

89 89 90

おわりに

6-1. 参考文献 6-2. 謝辞

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91 91 94


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目次

第2部 資料編 第1章

飲食業における休憩空間の実態調査・資料

1-1. 第 4 章アンケート結果生データ 1-2. 第 4 章調査結果店舗別まとめ

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1 1 8


1


第 1 章      研究背景 1-1. 日本の労働人口  1-1-1. 平成 22 年度の労働人口と産業内訳  1-1-2. 産業別労働人口の推移 1-2. 休憩に関する法規  1-2-1. 労働時間と生産高  1-2-2. 休憩時間と労働基準法第 34 条  1-2-3. 休憩室と事務所衛生基準法  1-2-4. 休憩時間の解釈上の限界と立法課題 1-3.「休む」とは  1-3-1. 漢字の成り立ち  1-3-2. 日本と欧米諸国との「休む」ことの違い 1-4. 飲食店に対するイメージ  1-4-1. 飲食店基礎データ  1-4-2. 人気企業ランキング 1-5. 既往研究との位置づけ


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 1 章 研究背景

1-1. 日本の労働人口 1-1-1. 平成 22 年度の労働人口と産業内訳  統計局の労働力調査 *1 によると、平成 22 年度の全国の労働人口は *1 「統計局ホームページ」 『 労 働 力 調 査  長 期 時 系 列 デ ー タ 』http://www. stat.go.jp/data/roudou/ longtime/03roudou.htm 2013 年 10 月 23 日閲覧

6298 万人である。産業別の業種内訳は以下の通りとなっている。 表 1-1. 平成 22 年度産業種別就業者数 産業分類 人数(万人) 農業・林業 237 魚業 18 鉱業・採石業・砂利採取業 3 建設業 504 製造業 1060 電気・ガス・熱供給・水道業 34 運輸業・郵便業 352 卸売業・小売業 1062 教育・学習支援業 289 医療・福祉 656 宿泊業・飲食サービス業 386 生活関連サービス業・娯楽業 240 複合サービス事業 45 サービス業 456

図 1-1. 平成 22 年度産業種別就業者数

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1-1. 日本の労働人口 1-1-1. 平成 22 年度の労働人口と産業内訳

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第 1 章 研究背景

15 の産業種別 *2 のうち、宿泊業・飲食サービス業(ホテル・飲食店等)、 *2 「総務省・統計局ホームペー ジ」『日本標準産業分類  (平成 19 年 11 月改定)』 http://www.stat. go.jp/index/seido/ sangyo/19index.htm

生活関連サービス業・娯楽業(美容師、旅行代理店、遊園地従業員等)、 複合サービス事業(郵便局、農業組合等)、サービス業(ごみ収集業、職 業紹介業等)の4つの従業者数を合計すると 1127 万人となる。すなわち、 日本における労働人口の約 17.9%が、接客などの労働に従事していると いうことになる。

2013 年 11 月 1 日閲覧 鉱業・採石業・砂利採取業 0%

0%

農業・林業 その他

魚業

建設業

4%

15%

8%

サービス業 複合サービス事業 1%

製造業

7%

17%

生活関連サービス業・娯楽業

平成22年度

4%

総労働人口6298万人 電気・ガス・熱供給・水道業

宿泊業・飲食サービス業

0% 運輸業・郵便業

6%

6% 医療・福祉 10%

教育・学習支援業 5%

卸売業・小売業 17%

図 1-2. 平成 22 年度産業種別就業者数

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1-1. 日本の労働人口 1-1-1. 平成 22 年度の労働人口と産業内訳

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第 1 章 研究背景

1-1-2. 産業別労働人口の推移

*3 第一次産業∼第三次産業の

日本の労働人口の第一次産業・第二次産業・第三次産業 *3 の推移 *4 をグ ラフにまとめたものが以下である。

詳しい分類に関しては、以 下を参照のこと

(万人)

「統計局ホームページ」『労

7000

働・就業の状態に関する用

6000

語』 http://www.stat.go.jp/ data/kokusei/2010/ users-g/word4.htm

2013 年 10 月 31 日閲覧 *4 「統計局ホームページ」『産 業(3 部門)別就業者数の

5256

6136

6222

3642 (59%)

4048 (65%)

6037

5575

5000 4403 4000

3599

3000

1067 (30%)

2000

784 (21%)

1000

1748 (49%)

1684 (38%)

1950

3091 (55%)

4133 (68%)

第三次産業 第二次産業 第一次産業

1280 (29%) 1439 (33%)

0

推移(1950 年∼ 2005 年)

2451 (47%)

1960

1790 (34%) 1015 (19%) 1970

1874 (34%)

2055 (34%)

610 (11%)

439 (7%)

1980

1990

1857 (30%)

1607 (27%)

317 (5%) 2000

297 (5%) 2005

図 1-3. 平成 22 年度産業種別就業者数

産 業(3 部 門 ) 別 就 業 者 の割合の推移(1950 年∼ 2005 年)』 http://www.stat.go.jp/ data/kokusei/2010/ kouhou/useful/u18.htm 2013 年 10 月 31 日閲覧

日本の産業における第一次産業の就業者数・割合は年々減少している。 1950 年に全体の 49% であったものが、1980 年には 11%、2005 年には 5% まで下がっている。一方で第三次産業は、1950 年に 30% だったが、 1980 年には 55%、2005 年には 68% まで上がっている。つまり、戦後は 農業や製造業が中心であったが、現在はサービス業の割合が高まってきて いると言える。

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1-1. 日本の労働人口 1-1-2. 産業別労働人口の推移

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第 1 章 研究背景

1-2. 休憩に関する法規 1-2-1. 労働時間と生産高  長時間の労働は、疲労を通じて労働者の疾病や災害事故・欠勤率等に明 *5 財団法人労働科学研究所 『労働時間・休憩・交替制』 労 働 科 学 研 究 所 出 版 部、 1963 年 *6 「日経ビジネスオンライ ン」 『 韓 国 夏 休 み 事 情:3

瞭な影響を与える。労働時間の短縮は却って生産性を高めるというデータ は半世紀以上前に明らかになっている *5。  OECD(経済協力開発機構)が発表した 2010 年度の統計によると、ド イツ人は年間 1430 時間しか働かないが、それより約 800 時間長く働く 韓国人(年間労働時間 2256 時間)に比べると労働生産性は 2 倍 *6 である。 このことからも、長時間の労働は優れた労働生産性に繋がるとは考えにく い。

泊 4 日がせいぜい』http:// business.nikkeibp.co.jp/ article/ 2013 年 10 月 20 日閲覧

従って、労働時間の短縮や休憩時間の導入により、労働者の負担を少な くし、労働生産性を高めることが可能になると推察される。

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1-2. 休憩に関する法規 1-2-1. 労働時間と生産高

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第 1 章 研究背景

1-2-2. 休憩時間と労働基準法第 34 条  1947 年に定められた労働基準法第 34 条には、「使用者は、労働時間が *7 『グルメキャリー首都圏』 「フードサービス業界の労 務相談」 h t t p : / / w w w . gourmetcaree-tokyo.com/ contents/qa/1771.html 2013 年 10 月 30 日閲覧

6 時間を超える場合は 45 分以上、8 時間を超える場合は 1 時間以上の休 憩を、労働者に与えなければならない。」とある。  休憩時間には、 「労働時間の途中に与えること」「自由に利用させること」 「一斉に与えること」という 3 原則があるが、運送業、商店、病院、保育所、 飲食店、遊技場等特定の事業では適用が除外される。一斉に休憩を取るこ とが出来ない事業では、上記の法律が守られているか確認することが難し い。また、休憩時間を法規に則り取ることができたとしても、適切なタイ ミングでない場合 *7 もある。  労働基準法第 34 条があるものの、全ての労働者が一様の質の休憩を取 ることが出来るとは言えない状況である。

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1-2. 休憩に関する法規 1-2-2. 休憩時感と労働基準法第 34 条

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第 1 章 研究背景

1-2-3. 休憩室と事務所衛生基準法  1972 年に定められた事務所衛生基準法は、事務所 *8 について適用する *8 建築基準法第二条第一号に 掲げる建築物【土地に定着 する工作物のうち、屋根及 び柱若しくは壁を有するも の(これに類する構造のも のを含む。) 、これに附随す る門若しくは塀、観覧のた

ものである。事務所における環境管理や作業環境について、清掃について などが定められており、特に「第四章 休養」では、休憩設備などに関す る規定が明示されている。  第二十一条(休養室等)では、「事業者は、常時五十人以上又は常時女 性三十人以上の労働者を使用するときは、労働者が床することのできる休 養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。 」

めの工作物又は地下若しく

とある。後述の『1-4-1. 飲食店基礎データ』の数字から推定すると、飲食

は高架の工作物内に設ける

店 1 店舗当たりの平均従業員数は約 7 人となる。即ち、一般的な飲食店

事務所、店舗、興行場、倉 庫その他これらに類する施 設(鉄道及び軌道の線路敷

においては休養室を設けることは義務ではない、と推察される。その結果、 飲食店には様々な休憩空間が存在していると考えられる。

地内の運転保安に関する施 設並びに跨線橋、プラット ホームの上家、貯蔵層その 他これらに類する施設を除 く。 )をいい、建築設備を 含むものとする。】又はそ の一部で、事務作業(カー ド せ ん 孔 機、 タ イ プ ラ イ ターその他事務用機器を使 用 し て 行 う 作 業 を 含 む。) に従事する労働者が主とし て使用するものをいう。

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1-2. 労働に関する法規 1-2-3. 休憩室と事務所衛生基準法

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第 1 章 研究背景

1-2-4. 休憩時間の解釈上の限界と立法課題  日本における労働時間や休憩、休日、休暇などに関する問題の焦点は、 *9 青木宗也先生還暦記念論文 集刊行委員会『青木宗也先 生還暦記念論文集 労働基 準法の課題と展望』日本評 論社、1984 年

主に時間短縮・週休二日制の2つであった。国際的にも、自由時間の増大 による労働者生活の質的向上を目指す風潮が強い。  しかし、見直しが検討されてきている労働時間制の中で、休憩時間につ いてはあまり論じられていない。「1-1-2. 産業別労働人口の推移」で述べ た第三次産業に従事する労働者の増大の他、パートタイマーの増加や交代 労働制の一層の拡大に伴い、休憩時間に関する問題が生じてきている。  「青木宗也先生還暦記念論文集 労働基準法の課題と展望」*9 において、 金子征史は『休憩時間の解釈論上の限界と立法課題』として、217 ペー ジ 6 行目から 272 ページ 14 行目において、以下のように述べている。

(前略) 「労基法は一日の労働時間を八時間、一週間のそれを四八時間以内とする 『八時間労働制の原則』(労基法三二条一項)を定めた。ところが、一日も しくは一週の総労働時間の規制をしただけでは必ずしも十分に労働者の健 康を守り、余暇時間を確保することにならない。 たとえば労働者が一日の総労働時間八時間を継続して労働するとなれば、 疲労が蓄積され、肉体的にも精神的にも負担が増大するであろうし、また 労働者が長時間継続して労働する間には当然に食事の時間も必要になるで あろうし、その他人間らしい生活のためにゆとりをもった時間も必要にな るであろうことを想起すればよい。とりわけ、合理化・技術革新が進み労 働密度の濃度がたかまった職場においては、労働者の肉体的・精神的負担 は計りしれないほど増大するが、その結果として労働災害や職業病が多発 化していくことになる状況を想定すればよいであろう。」 (中略) 「そこで、継続した一日の労働時間の途中に人間らしい生活の実現に見合っ たゆとりのある時間を設けることが必要となる。それが休憩時間にほかな らないのであり、わが国労基法においても、その三四条にこうした目的の もとに休憩時間に関する定めをおいているのである。」 (中略) 「休憩に関する制度趣旨は、まず第一に、継続した長時間労働による肉体的・ 精神的疲労を回復させて労働災害や職業病の発生を予防し、もって労働者 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

1-2. 休憩に関する法規 1-2-4. 休憩時間の解釈論上の限界と立法課題

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やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 1 章 研究背景

の健康を具体的に確保するとともに、第二に、労働者にとってひとつの生 *10 「エクスペディアジャパン」 『日本人は休みベタ?有給 休暇国際比較調査 2012』

活の場でもある職場において社会的生活や文化的生活が十分にはたしうる 時間的ゆとりを具体的に確保するという、この二点に求められなければな らない。」

http://www.expedia. co.jp/corporate/holidaydeprivation2012.aspx 2013 年 11 月 1 日閲覧

30 年前に書かれた論文においても、 「合理化・技術革新が進み労働密度 が高まり、労働者の負担は肉体的にも精神的にも増大する」と予測されて いる。しかし、 「1-2-2. 休憩時間と労働基準法第 34 条」でも述べたように、 法律で定められていても、効果的に休憩を取る環境まで整えられていると は言いにくい。  更に、エクスペディアジャパンがまとめた日本人の有給取得率の国際比 較 *10 によると、世界的にみても日本の有給休暇の取得水準がかなり低い ということが分かる。 35 30 25 20 15

30日

30日

30日

30日 30日 25日 (100%)(100%) 28日 (95%) 25日 (100%)

28日 21日 20日 20日 (71%) (95%)

10 5 0

有給日数

20日 14日 14日 13日 12日 15日 14日 10日 10日 (75%) (100%) 13日 (93%) 10日 10日 (83%) (100%) 7日 5日 (100%) (38%)

有給取得日数 (括弧内は取得率)

図 1-4. 有給取得率国際比較

有給休暇をすべて取得しない理由として最も多く挙げられたものが『経済 的な余裕が無いため』、次いで『同僚から否定的な見方をされるため』と ある。特に、『同僚から否定的な見方をされるため』と答えた人の割合を 国際比較すると、インドと共に日本が第 1 位(17%)となっている。  技術革新のスピードが速い現在において、労働者の負担はますます増え ることが予想されている。それにも関わらず、日本では休憩や休暇を効果 的に取ることが出来ないという現状があると推察される。 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

1-2. 休憩に関する法規 1-2-4. 休憩時間の解釈論上の限界と立法課題

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第 1 章 研究背景

1-3.「休む」とは 1-3-1. 漢字の成り立ち  「下村式・小学漢字学習辞典」*11 によると、『人が大きな木に守られて、 *11 下村昇『下村式・小学漢字

しばらく休むことから「やすむ」の意味になった』とある。

学 習 辞 典 』 偕 成 社、2011 年 *12 鎌田正・米山寅太郎『新漢 語 林 』 大 修 館 書 店、2004 年

図 1-5.「休」の成り立ち

また、 「新漢語林」*12 によると、 『人が木により、憩うの意味を表す。また、 転じて、心身の安息の意味から、さいわいの意味をも表す。』とある。「12-4. 休憩時間の解釈論上の限界と立法課題」で述べた問題点から見ても、 日本の労働環境において「休む」ということが元の意味にある「心身の安 息」には繋がっていないと考えられる。

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1-3.「休む」とは 1-3-1. 漢字の成り立ち

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第 1 章 研究背景

1-3-2. 日本と欧米諸国との「休む」ことの違い  総合研究開発機構による「休憩の経済的・社会的役割」*13 によると、キ *13 総合研究開発機構『休暇の 経済・社会的役割』総合研 究開発機構、1992 年

リスト教圏においては、安息日の考え方から日曜休日が 6 世紀ごろから 順守されるようになった、とある。それは産業革命以後も続いていった。  一方で日本には安息日に類する伝統は存在しなかった。江戸時代までは 休養日(農業関連のもの等)や祭礼日があり、キリスト教圏と同程度の非 労働日があったという。しかし、産業革命以後は明治政府の定めた 8 日 の祝祭日と盆正月以外の休日はほぼ失われた。そのため都市労働者の多く は第二次世界大戦まで、月 1 ∼ 2 日の定休日があるのみであった。そういっ た労働時間に対する意識の低さが、労働時間規制の普及の遅れに繋がった と考えられている。  現在もドイツをはじめとする欧米諸国に比べ、日本の労働時間は長い水 準となっており、「1-2-4. 休憩時間の解釈論上の限界と立法課題」でも述 べたように有給休暇の消化率もかなり低いものとなっている。  欧米諸国における労働時間規制や休日・休暇の制度化は、児童や女子を 過酷な産業労働から守ることから始まり、一貫して勤労者の肉体的・精神 的健康を確保することを目的としてきた。現在においても年次有給休暇は、 レジャーのためというよりも仕事から離れて休養する、という考えである。 一方で、日本では勤勉性を最も重んじており、休むことは不真面目なこと と捉えられている。  休憩や休暇に関する整備があまり進んでいない原因は、このような思想 も背景にあると考えられる。

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1-3.「休む」とは 1-3-2. 日本と欧米諸国との「休む」ことの違い

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第 1 章 研究背景

1-4. 飲食店に対するイメージ 1-4-1. 飲食店基礎データ  総務省「経済センサス・活動調査」(平成 24 年)*14 によれば、我が国 *14 「総務省統計局」『平成 24 年経済センサス』 http://www.stat.go.jp/

における飲食店の数は 60 万 8828 店、働く人の数は 416 万 430 人となっ ている *15*16。この数値は、日本の全事業所数の 11.2%、全従業者の 7.5%

を占めるということになる。

data/e-census/2012/ kakuho/gaiyo.htm

飲食業

2013 年 10 月 23 日閲覧

7.5% *15

全従業者数

本社事務所等「管理・補助 的経済活動を行う事業所」

416万430人

を除外した値

(平成24年)

*16 ここからキャバレーやナイ トクラブ等の夜行性・遊興 系飲食店を除くと、50 万 8780 店、381 万 6477 人 となる。 *17 「総務省統計局」『平成 18 年 事 業 者・ 企 業 統 計 調 査』http://www.stat.go.jp/ data/jigyou/2006/index. htm 2013 年 10 月 23 日閲覧

図 1-6. 全事業所数のうち 飲食店が占める割合

図 1-7. 全従業者数のうち 飲食業が占める割合

飲食店・従業者数の推移 *17 をみると、飲食店の数は平成 3 年・平成 18 年・

平成 21 年・平成 24 年の調査の度に減少している。従業者数は平成 21 年 まで増加していたが、平成 24 年に初めて減少した。

店舗数について具体的に数値を見ると、平成 3 年に約 84 万 6000 店あっ

たものが、平成 18 年には 72 万 4295 店、更に平成 21 年では 67 万 468 店、 平成 24 年には 60 万 8828 店と減少し続けている。この数字から、今後も 飲食店数の減少は継続しているということが推察される。

図 1-8. 飲食業事業所数の変化

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1-4. 飲食店に対するイメージ 1-4-1. 飲食店基礎データ

16


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 1 章 研究背景

なお、同じ飲食業でも、増減の傾向については、形態別に異なる。平成 3 年と平成 16 年の事業所統計のデータを比べると、居酒屋など「酒場・ ビアホール」は約 10%店舗数が増加している。一方で「喫茶店」は同じ 期間に 30%以上減少し、平成 18 年の調査でも減少傾向にある。更に細 かく見ると、大手チェーン店は増加傾向にあることから、個人経営の喫茶 店などが大きく減少していることが推察される。喫茶店と同様の変化は、 他にすし店においても見られる。  また、飲食業従業者数について具体的にみると、平成 3 年には約 386 万人であったのが、平成 18 年には約 412 万人、平成 21 年では約 436 万人と更に増加している。平成 24 年では上述の通り約 416 万人と減少 している。

図 1-9. 飲食業事業所数の変化

平成 3 年から平成 21 年までの飲食店の店舗数の減少と従業者数の増加 からは、零細な小規模店が減少し、一店舗当たり従業員の多い大型の店が 増加しているという大きな流れがあったと考えられる。日本の総人口の減 少などに伴い、現在はその流れは落ち着き始めたものと推察される。

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1-4. 飲食店に対するイメージ 1-4-1. 飲食店基礎データ

17


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第 1 章 研究背景

1-4-2. 人気企業ランキング  日本経済新聞社が、2012 年 12 月から 2013 年 1 月下旬に行った人気 *18 「日経就職ナビ 2014」『人 気企業ランキング』 https://job.nikkei. co.jp/2014/open/ enterprise/ninki/ 2013 年 10 月 24 日閲覧

企業ランキング *18 の結果は以下である。 表 1-2.2014 年卒人気企業ランキング 順位 会社名 業種 1位 日本生命保険 金融 2位 東京海上日動火災保険 金融 3位 第一生命保険 金融 4位 三菱東京 UFJ 銀行 金融 5位 三井住友海上火災保険 金融 6位 三菱 UFJ 信託銀行 金融 7 位 みずほフィナンシャルグループ 金融 8位 三井住友銀行 金融 9位 三井住友信託銀行 金融 10 位 明治安田生命保険 金融 11 位 ANA グループ 運輸 12 位 大日本印刷 印刷 13 位 損保ジャパン・ニッホン興亜損保 金融 14 位 東日本旅客鉄道 運輸 15 位 サントリーホールディングス 飲料メーカー 16 位 日本郵政グループ 金融その他 17 位 住友生命保険 金融 18 位 電通 広告 19 位 JTB グループ 旅行 20 位 三菱商事 商社

ランキングを見ると、保険会社・銀行などの金融系企業が多くランクイ ンしている一方、小売業や飲食業など、接客を主とする企業は 20 位以内 には見受けられない。調査を行った日本経済新聞社によると、就職観とし て社会に貢献できる仕事が最重視されている、ということであった。志望 理由として挙げられたものの上位 3 つは、仕事の面白さ・規模・社風となっ ている。特に最近は、安定志向が高まっており、処遇の良い企業や有名企 業に人気が集中している。

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1-4. 飲食業に対するイメージ 1-4-2. 人気企業ランキング

18


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第 1 章 研究背景

また、就職活動をする学生の中では「飲食業界はブラック *19」と *19 ブラック(企業)とは、こ こでは以下のように定義す る。 ①労働法やその他の法令に 抵触し、またはその可能性 があるグレーゾーンな条件 での労働を、意図的・恣意 的に従業員に強いている企

れるなど、不人気な傾向がある。2012 年、「企業の個別の事例や、それ ら企業を生み出す背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働け る環境をつくること」を目指した「ブラック企業大賞 *20 企画委員会」が、 作家や弁護士、大学教授などにより設立された。2013 年は、 「ブラック 企業大賞」に大手居酒屋チェーンの「ワタミフードサービス」が選ばれた。  その他各賞は【表 1-3】のようになっている。また、ノミネートされた 8 社は【表 1-4】のようになっている。

業、②パワーハラスメント などの暴力的強制を常套手 段として従業員に強いる体 質を持つ企業や法人(学校

2012 年はノミネートされた 10 社のうち 3 社が飲食業であり、2012 年のブラック企業大賞も「ワタミフードサービス」であった。

法人、社会福祉法人、官公

表 1-3. ブラック企業大賞 2013 大賞・各賞

庁や公営企業、医療機関な ども含む)。 参考:「ブラック企業大賞」 『ブラック企業大賞とは』 http://blackcorpaward. blogspot.jp/p/blog-page. html

賞名 ブラック企業大賞 業界賞 特別賞 教育的指導賞 一般投票賞

2013 年 10 月 24 日閲覧 *20 「ブラック企業大賞」 http://blackcorpaward. blogspot.jp/ 2013 年 10 月 24 日閲覧

企業名 業種 ワタミフードサービス株式会社 飲食 クロスカンパニー株式会社 アパレル 国立大学法人東北大学 教育 株式会社ベネッセコーポレーション 教育・出版 ワタミフードサービス株式会社 飲食

表 1-4. ブラック企業大賞 2013 ノミネート企業 企業名

業種 飲食

ワタミフードサービス クロスカンパニー ベネッセコーポレーション

ノミネート理由 2008 年、入社 2 ヶ月の女性社員(当時 26 歳)

が過労により自殺 アパレル 2009 年、入社 1 年目の女性社員が過労・ストレ スで死亡 教育・出版 2009 年、実質的に退職勧奨の場となる部署を新

サン・チャレンジ 王将フードサービス 西濃運輸 東急ハンズ 国立大学法人東北大学

飲食 飲食

設 2010 年、男性店長(当時 24 歳)が首吊り自殺 2013 年、男性社員(当時 25 歳)が長時間労働

運送

で鬱病を発病し休職を余儀なくされる 2010 年、男性社員(当時 23 歳)が過労による

小売店

鬱病から自殺 2004 年、男性社員(当時 30 歳)が長時間労働

教育

と精神的ストレスにより突然死。 2007 年、薬学部助手の男性(当時 24 歳)が過 労により投身自殺。同年、 工学部準教授の男性 (当 時 24 歳)が自殺

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1-4. 飲食業に対するイメージ 1-4-2. 人気企業ランキング

19


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第 1 章 研究背景

1-5. 既往研究との位置づけ

●休憩室に関する研究 *21 吉岡陽介、川瀬貴晴、宗方 淳「休憩室での短時間の高 照度光照射が生体リズムに 与える影響」2009 年 http://ci.nii.ac.jp/ naid/110007981433 2013 年 10 月 18 日閲覧

吉岡らは、『休憩室での短時間の高照度光照射が生体リズムに与える影 *21 響』 にて、午前中に休憩室で、短時間でも高照度の光を浴びることにより、

翌日以降にストレス対処のためのホルモンの分泌が増加と眠りを誘発する ホルモンの増加がおこることを明らかにしている。この実験では、オフィ スにおける労働を想定した実験を行っており、接客業などオフィス以外で 働く人々に応用できるものではない。

*22 張暁丹、大井尚行、高橋浩 伸「飲食店における外観デ ザインと「入りやすさ」に

●接客業の空間に関する研究  張らは、『飲食店における外観デザインと「入りやすさ」に関する研究

関する研究 昼間と夜間を

昼間と夜間を総合した評価構造』*22 にて、飲食店における「入りやすさ」

総合した評価構造」2009

は、外観から中の様子がわかることや、看板が外に出ていることなどが判

年 http://ci.nii.ac.jp/ naid/110007980136 2013 年 10 月 16 日閲覧 *23 南さや香、伊藤俊介「商品 としてみた飲食店の内部 空 間 に 関 す る 研 究: 居 酒 屋チェーンにおける空間 デザインの時系列的分析」 2005 年 http://ci.nii.ac.jp/

断基準に影響することを明らかにしている。この研究は、飲食店の外観に ついてのみを客側の視点で行っており、接客業に従業する人々のための空 間については述べられていない。  南らは、『商品としてみた飲食店の内部空間に関する研究:居酒屋チェー ンにおける空間デザインの時系列的分析』*23 にて、居酒屋においては家 庭的ではあるが、必ずしも家庭にはないものを使用したインテリアにより 「家」をイメージさせることで空間を商品化しているということを明らか にした。この研究では飲食店の内装について言及されているが、接客空間 のみを扱うものであり、従業員のための空間について述べたものではない。

naid/110007078457 2013 年 10 月 16 日閲覧

田村らは、『ホテルの料飲・宴会場 *24

*24

ホテルの宴会場

りの空間構成と従業員数との関係』

りのサービス動線は短い方が良く、また厨房や配膳を

田村正、千葉政継「ホテル

中心とした平面構成とすることが従業員側に評価が高いということを明ら

の料飲・宴会場

かにした。この研究では平面の配置のみに注目しており、従業員のための

りの空間

構成と従業員数との関係」 2006 年

休憩空間には言及していない。

http://ci.nii.ac.jp/ naid/110004836868 2013 年 10 月 24 日閲覧

これらのように、休憩空間や接客業の空間に関する研究は数が少なく、 また接客業従業者の視点に立って考えられたものは更に数が少ない。

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1-5. 既往研究との位置づけ

20


2


第 2 章      研究概要 2-1. 用語の定義 2-2. 研究目的 2-3. 研究の流れ


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 2 章 研究概要

2-1. 用語の定義

休憩空間 / オフスペース:  勤務時間中に設けられた「休憩時間」を過ごす空間のことを指す。 バックヤード:  従業員のみ立ち入ることが出来る、店舗の裏側を指す。例として、倉庫  や休憩室、事務室などが挙げられる。 オン:  仕事・アルバイトのため、気を張り詰めている状態を指す。仕事場に来  るまでの通勤中などもオン状態に含まれる。特に、オン状態でいる時間  を「オン時間」と呼ぶ。 オフ:  仕事・アルバイトの休憩時間中など、オン状態に挟まれた、気を緩めて  いる状態を指す。特に、オフ状態でいる時間を「オフ時間」と呼ぶ。

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2-1. 用語の定義

21


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第 2 章 研究概要

2-2. 研究目的

本研究は、飲食店のスタッフに与えられるオフ時間の環境と使われ方  を調査することで、満足度の高い休憩の取り方を明らかにし、最適なオフ のかたちを見つけることを目的とする。

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2-2. 研究目的

22


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第 2 章 研究概要

2-3. 研究の流れ

本研究は以下のような流れで行う。 第 3 章「接客業における休憩の実態調査」 目的      :接客業従業者の休憩の満足度と業務上のストレッサーを明ら       かにする 調査対象      :業種・従業員人数・休憩場所・休憩満足度等 方法      :紙によるアンケート(可能な場合は聞き取り)      ↓ 第 4 章「飲食業における休憩空間の実態調査」      :休憩満足度に影響する要素の発見 目的      :飲食店の休憩空間の間取り・休憩中の行動等 調査対象      :早稲田大学周辺を中心とした飲食店 13 店舗 場所      :業務内容に関する聞き取り、休憩空間の実測、休憩中の行動 方法       に対する紙のアンケート調査

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2-3. 研究の流れ

23


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第 2 章 研究概要

次に、より具体的な研究の流れを説明するためにフローチャートを作成 する。

基礎研究 オフィス空間の研究

日本の労働に関するデータ

接客業に関するデータ

研究し尽くされた分野である

オフィス以外で働く人も多い

劣悪な労働環境である

第 3 章 接客業における休憩の実態調査 休憩満足度と業務上のストレッサーの傾向を明らかにする

↓ 分析 1 休憩満足度を業種別に分析

調査対象の決定

↓ 第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調査 飲食店の休憩場所や休憩中の行動、休憩満足度を明らかにする

分析 2 休憩満足度に影響する要素の分析

休憩満足度に影響する要素の特定

結果 休憩として最適なオフのかたち明らかにする

展望 新しいオフの提案

図 2-1. 研究フロー hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

2-3. 研究の流れ

24


3


第 3 章      接客業における休憩の実態調査 3-1. 調査目的 3-2. 調査概要 3-3. 調査方法  3-3-1. 調査方法  3-3-2. アンケート内容 3-4. 調査結果  3-4-1. 調査結果一覧  3-4-2. 調査対象の分類 3-5. 分析  3-5-1. 仕事をしていて癒される時・疲れる時  3-5-2. 勤務体系で満足する点・不満な点  3-5-3. 休憩場所  3-5-4. 休憩満足度 3-6. 考察 3-7. まとめ


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-1. 調査目的

接客業 *1 従業者の休憩満足度の調査から業務上のストレッサーを明らか *1 ここでいう「接客業」とは、 統計局による日本標準産業

にし、「第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調査」における調査内容 を決定する。

分類における ・大分類 I 小売業 ・大分類 M 宿泊業・飲食  サービス業 ・大分類 N 生活関連サー  ビス業,娯楽業 ・大分類 O 教育,学習支  援業 を指す。

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3-1. 調査目的

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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-2. 調査概要

接客業従業者を対象に、働く上でのストレッサーを明らかにすることを 目的としたアンケート調査と、休憩場所に関する調査を行う。

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3-2. 調査概要

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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-3. 調査方法 3-3-1. 調査方法 調査日時: 2013 年 7 月 14 日∼ 7 月 20 日 調査方法: 店舗の基本情報(従業員数、営業時間他)と休憩場所・休憩満足度等に関 するアンケート調査(可能な場合は直接聞き取りを行う) 回答者: 接客業従業者(アルバイトを含む)

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3-3. 調査方法 3-3-1. 調査方法

27


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-3-2. アンケート内容  アンケートにおける調査項目は以下である。

接客業における働き方と空間の関係について(仮) 差支えの無い範囲で構いませんので、以下の質問にお答えください。 質問1)業種について教えて下さい 小売業(        )・サービス業(        ) その他(        ) 質問2)いつごろから営業しているのか教えて下さい   約  年前より 質問3)店舗の改装など行っていましたらいつごろか教えて下さい   約  年前(改装理由:                )    改装理由例:設備の更新時期であったため、古く使いにくくなった    ため など 質問4)営業時間・定休日について教えて下さい 営業時間:  時  分∼  時  分まで 定休日: 質問5)働いている方について教えて下さい 正社員      人 アルバイト     人 その他(手伝いなど)  人 質問6)接客業をしていて、疲れる時・癒される時などありましたら教え て下さい  ・疲れる時(             )例:クレーム対応、棚卸  ・癒される時(            )例:お勧め商品が売れた時

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3-3. 調査方法 3-3-2. アンケート内容

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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

質問7)休憩について教えて下さい ・休憩はどこで取りますか? 休憩室・自宅(店舗より 分程度) ・飲食店・その他(         ) ・十分に休憩は取れていますか? 十分取れている(肉体的・精神的・両方)/ 不十分である(肉体的・精神的・ 両方) 質問8)勤務体系について、満足する点・不満な点などありましたら教え て下さい 満足する点(               )例:家から職場まで近い 不満な点(                )例:休みが取りづらい

ありがとうございました。

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3-3. 調査方法 3-3-2. アンケート内容

29


第 3 章 接客業における休憩の実態調査

やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

3-4. 調査結果 3-4-1. 調査結果一覧

*2 「総務省・統計局ホームペー ジ」『日本標準産業分類

表 3-1. 調査協力店舗・日本標準産業分類による分類

今回の調査で得た回答は以下【表 3-3】∼【表 3-5】の通りである。  本調査における調査協力店を、日本標準産業分類

*2

中分類 57 58 60 76 78 82

に従って中分類番号

にて分類すると右の【表 3-1】となる。

(平成 19 年 11 月改定)』 http://www.stat. go.jp/index/seido/ sangyo/19index.htm 2013 年 10 月 25 日閲覧

しかし、これらの分類は一般的ではなくイメージが難しい。また、本調 査では個人経営の店舗とチェーン店など、経営形態の違いにも着目するた

中分類項目名 織物・衣服・身の回り品小売業 飲食料品小売業 その他小売業 飲食店 洗濯・理容・美容・浴場業 学習塾

件数 3 4 1 5 2 4

めに、分類を右の【表 3-2】のように改める。  以降は【表 3-2】の分類に従って店舗の種類を分類する。

表 3-2. 本研究における接客業の分類 分類 個人商店 小売チェーン店 飲食店 サービス業 学習塾

説明 小売業のうち、個人で経営する店舗 小売業のうち、企業が経営しチェーン店として展開している店舗 日本標準産業分類 76 に同じ 日本標準産業分類 78 に同じ 日本標準産業分類 82 に同じ

表 3-3. 調査結果 1 番号

訪問日時

業種

分類

回答者

1 2 3 4 5

2013.7.14 2013.7.14 2013.7.14 2013.7.14 2013.7.14

青果店 ふとん店 洋菓子店 服屋 クリーニング店

個人商店 個人商店 個人商店 個人商店 サービス業

社員 社員 社員 社員 アルバイト

6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

2013.7.14 靴店 個人商店 2013.7.14 美容室 サービス業 2013.7.15 ドラッグストア 小売チェーン店 2013.7.16 学習塾 学習塾 2013.7.16 飲食店 飲食店 2013.7.20 学習塾 学習塾 2013.7.20 居酒屋 飲食店 2013.7.20 コンビニエンスストア 小売チェーン店 2013.7.20 学習塾 学習塾 2013.7.20 学習塾 学習塾 2013.7.20 ファストフード店 飲食店 2013.7.20 飲食店 飲食店 2013.7.20 飲食店 飲食店 2013.7.21 コンビニエンスストア 小売チェーン店

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社員 社員 社員 アルバイト アルバイト アルバイト アルバイト アルバイト アルバイト アルバイト アルバイト アルバイト 社員 アルバイト

開店時期 開店備考 1940 1952 1958 1960 不明

1960 2005 1998 2009 2012 1996 2011 2008 不明 1993 不明 1993 1981 1998

移転 およそ およそ

およそ およそ およそ

改装時期 不明 2002 1978 1978 不明

1994 なし なし なし なし 2012 なし 無回答 無回答 無回答 無回答 無回答 1990 2009

改装理由

老朽化、地下鉄工事の影響で傾いたため 1980 火事 世代交代による形態変化 店長の交代 2006 老朽化

生徒数の増加

老朽化 設備入れ替え

営業時間

営業時間数

定休日

9:30 ∼ 20:00 9:00 ∼ 19:00 10:00 ∼ 20:00 10:00 ∼ 20:00 8:00 ∼ 19:00

10.5 10 10 10 11

不定休 火曜日 火曜日(不定休) 水曜日 水曜日

10:30 ∼ 20:00 10:00 ∼ 18:30 10:00 ∼ 20:00 14:00 ∼ 21:30 10:00 ∼ 23:00 10:00 ∼ 20:30 17:00 ∼ 23:30 6:00 ∼ 23:00 10:00 ∼ 23:00 11:00 ∼ 22:00 7:00 ∼ 23:00 6:45 ∼ 24:00 8:00 ∼ 20:00 0:00 ∼ 24:00

9.5 8.5 10 7.5 13 10.5 6.5 17 13 11 16 17.25 12 24

火曜日 なし なし 日曜日 なし 水曜日、土曜日、日曜日 日曜日 なし 土曜日、日曜日 無回答 なし なし なし なし

従業員数 正社員 アルバイト 手伝いその他 合計 2 3 2 2 0

2 1 2 1 7 1 1 2 1 2 3 0 2 2

0 0 0 0 5

0 2 6 13 20 5 8 20 2 12 15 10 4 16

0 0 0 0 0

0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 2 0

2 3 2 2 5

2 3 8 15 27 6 9 22 4 14 18 10 8 18

3-4. 調査結果 3-4-1. 調査結果一覧

30


第 3 章 接客業における休憩の実態調査

やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

表 3-4. 調査結果 2 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

分類

接客業をしていて癒されるとき

接客業をしていて疲れるとき

個人商店 忙しいとき 個人商店 定年退職がない 個人商店 無回答 個人商店 「買って良かった」と言ってもらえたとき サービス業 地元の常連さんと話をしているとき 個人商店 「買って良かった」と言ってもらえたとき サービス業 サービスを喜んでいただけたとき 小売チェーン店 ありがとうと言ってもらえたとき、売り上げ達成 学習塾 生徒が教えたことを理解してくれたとき 飲食店 お客様と打ち解けられたとき 学習塾 生徒が教えたことを理解してくれたとき 飲食店 料理長がまかないを作ってくれたとき、仕事がないとき、お客様が少ないとき 小売チェーン店 お客様がいい人のとき 学習塾 生徒が喜んだとき 学習塾 生徒の成績が伸びたとき 飲食店 無回答 飲食店 常連さんと話をしているとき 飲食店 お客様に喜ばれたとき 小売チェーン店 子供の相手をするとき

暇なとき 暇なとき 無回答 長くお客様がいるとき シーズンごとの繁忙期 暇なとき 休憩も取れず仕事をしているとき クレーム対応をしているとき、売り場の変更時 生徒が理解をしてくれないとき お客様が多いとき、お客様の回転が速いとき、クレーム対応をしているとき 仕事が無いとき、クレーム対応をしているとき クレーム対応をしているとき、オーダーミス、想定外の事態にあったとき クレーム対応をしているとき、開店準備をしているとき 常時 クレーム対応をしているとき お客様の態度が悪いとき 他のアルバイトに嫌味を言われたとき 暇なとき、迷惑なお客様がいるとき 立ち作業を長時間しているとき、長期間の連続勤務のとき

休憩場所 自宅 自宅 店舗 自宅 なし 自宅 休憩室 休憩室 店舗 通路、ロッカールーム 店舗 休憩室 飲食店 無回答 休憩室 休憩室 休憩室 自宅 休憩室

休憩満足度 肉体的 精神的 無回答 無回答 十分 十分 無回答 無回答 無回答 無回答 無回答 無回答 無回答 不十分 不十分 不十分 十分 十分 無回答 不十分 不十分 十分 十分 十分 無回答 不十分 十分 十分 不十分 不十分 不十分 不十分 不十分 不十分 十分 十分 不十分 不十分 不十分 無回答

表 3-5. 調査結果 3 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

分類 個人商店 個人商店 個人商店 個人商店 サービス業 個人商店 サービス業 小売チェーン店 学習塾 飲食店 学習塾 飲食店 小売チェーン店 学習塾 学習塾 飲食店 飲食店 飲食店 小売チェーン店

勤務体系で満足する点 無回答 無回答 気楽な点 自宅兼店舗のため、自宅から店舗まで近い点 無回答 対人の仕事なので、話をするのが面白い点 家から店舗が近い点 他店に比べ営業時間が短い点 家から店舗が近い点 シフトに入りやすい点、お酒の試飲ができる点、まかないが美味しい点 室内環境が良い点 休みがとりやすい点 駅中で通勤に便利な点 家から店舗が近い点 家から店舗が近い点 店の雰囲気が良い点 従業員の人間関係がドライな点 自分のやりたいことやメニュー、企画などを取り入れられる点 家から店舗が近い点、シフトの融通が利く点、ルーチンワークな点

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勤務体系で不満点 休みが定まっていない点 勤務時間が長い点 衛生面の管理が厳しい点 自分の時間と仕事の時間の境目がない点 無回答 立ち仕事である点 休みが取りづらい点 連休が取りづらい点 サービス残業がある点 休憩時間が短く、休憩室に行くのが億劫な点 無回答 忙しすぎると休憩が取りづらくまかないが食べられない点、従業員の人数が少ない点 朝早い勤務な点 残業代が出ない点 休みが少ない点 シフトを無理やり入れられる点、狭い点 まとまったマニュアルがない点 休みが取りづらい点 誰もシフトに入らない場合、1 人で長時間シフトというしわ寄せがくる点

3-4. 調査結果 3-4-1. 調査結果一覧

31


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-4-2 調査対象の分類 ●店舗内訳   店舗種別による内訳は以下の通りである。 サービス業

表 3-6. 店舗の内訳

チェーン店

分類 件数 個人商店 5 飲食店 5 塾 4 小売チェーン店 3 サービス業チェーン店 2

11%

個人商店 26%

21%

飲食店

小売チェーン店 16%

26%

図 3-1. 調査協力店 店舗種別割合

商店街の個人商店から、塾講師まで幅広い業種から回答を得た。

●アンケート回答者内訳   回答の内訳は以下の通りである。    ・社員

8 名

・アルバイト 11 名

社員 アルバイト

42%

58%

図 3-2. アンケート回答者の内訳

本調査では、アルバイトからの回答のほうがやや多くなった。

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3-4. 調査結果 3-4-2. 調査対象の分類

32


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

●従業員人数  従業員の人数は、2 人の店舗から 27 人の店舗まで、小∼中規模の店 舗のみとなった。 10

表 3-7. 従業員人数別 店舗数

6 ∼ 10 人 11 ∼ 15 人

店舗数 8

16 人∼

5 2 4

店舗数

従業員人数 2∼5人

8

8

6

5

4

4

2

2 0 2∼5人

6∼10人

11∼15人

16人∼

従業員数

図 3-3. 従業員人数別 店舗数

全従業員数が 10 人以下の店舗が 13 件と半数以上であった。

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3-4. 調査結果 3-4-2. 調査対象の分類

33


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-5. 分析 3-5-1. 仕事をしていて癒される時・疲れる時  主な調査項目 6 つについて分析を行う。6 つとは、接客業をしていて癒 される時、接客業をしていて疲れる時、休憩場所、休憩満足度、勤務体系 で満足する点、勤務体系で不満な点である。

●仕事をしていて癒される時  「仕事をしていて癒される時」の回答を大きく3つに分類した。それは、 『仕事そのもの』『顧客関連』『従業員関連』である。  それら各回答の割合をグラフ化したものが以下である。 従業員関連 5% 仕事その もの 20%

顧客関連 75%

図 3-4.「仕事をしていて癒される時」内訳

回答の内訳は以下の通りである。 ・顧客関連 15 件  (お客様に喜ばれたとき 7 件、お客様と打ち解けたとき 4 件、お  客様との会話 2 件、その他 2 件) ・仕事そのもの 4 件  (忙しい時 1 件、定年退職がない 1 件、お客様が少ないとき 1 件、  売り上げ達成 1 件) ・従業員関連 1 件  (料理長がお菓子を作ってくれたとき)

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3-5. 分析 3-5-1. 仕事をしていて癒される時・疲れる時

34


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

『顧客関連』に癒しを感じる、という回答が 75% と多かった。仕事とし て顧客と接すること自体がそのまま癒し(楽しみ)になっていると推察さ れる。

●仕事をしていて疲れる時  「仕事をしていて疲れる時」の回答も「仕事をしていて癒される時」 と同様に大きく3つに分類した。  それら各回答の割合をグラフ化したものが以下である。 従業員関連 4%

仕事そのもの 顧客関連

46%

50%

図 3-5.「仕事をしていて疲れる時」内訳

回答の内訳は以下の通りである。 ・仕事そのもの 14 件  (暇な時 5 件、忙しい時 2 件、長時間の勤務 2 件、売り場の変  更 1 件、長期間の連続勤務 1 件、オーダーミス 1 件、 開店準備  1 件、想定外の事態 1 件、) ・顧客関連 12 件  (クレーム対応 6 件、お客様が多いとき 3 件、感じの悪いお客様  がいたとき 3 件) ・従業員関連 1 件  (アルバイト間での確執)

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3-5. 分析 3-5-1. 仕事をしていて癒される時・疲れる時

35


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

『仕事そのものについて』と同程度に、『顧客関連』に疲れを感じてい るという結果になった。  『仕事そのものについて』の回答を詳しく見ると、「暇なとき」という 回答が 5 件と最も多く、「忙しいとき」の 2 件を上回った。「暇なとき に疲れを感じる」という回答のうち 4 件(80%)は社員が回答していた。 更に、その店舗の全ては住宅街の中の小規模な商店街内の店舗であった。 このことから立地によって仕事の忙しさ(客の入り)には大きく差があ り、感じる疲れの種類が全く異なることが推察される。  疲れを感じる時として上げられた上記の回答を、肉体的疲労と精神疲 労に分類すると、以下のような割合になる。 表 3-8. 疲れの分類 分類

肉体的疲労 精神的疲労 忙しいとき 暇なとき 長時間の勤務 オーダーミス 想定外の事態 仕事そのもの 売り場の変更 長期間の連続勤務 開店準備 クレーム対応 顧客関連 お客様が多いとき 感じの悪いお客様がいたとき 従業員関連 アルバイト間での確執

肉体的疲労 26% 精神的疲労 74%

図 3-6. 感じる疲れの種類別 割合

疲れの原因の 74% は精神的な疲労という結果となった。このことか ら、接客業従業者の休憩を考える上で、肉体的疲労を癒すことよりも精 神的疲労を癒すことが必要になると考えられる。  特に、「仕事をしていて癒される時」として『顧客関連』が多く挙げ られていることから、業務時間外には『仕事そのもの』の疲れを癒すこ とが望ましいと推察される。

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3-5. 分析 3-5-1. 仕事をしていて癒される時・疲れる時

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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-5-2. 勤務体系で満足する点・不満な点 ●勤務体系で満足する点  「勤務体系で満足する点」として上げられた回答を5つに分類した。 勤務地について、勤務時間について、仕事内容について、職場環境につ いて、従業員の人間関係について、である。  それらの回答数をグラフにしたものが以下である。

7 6 5 4 3 2 1 0

7

4

4

4

1

勤務地につ 勤務時間に 仕事内容に 職場環境に

人数

いて

ついて

ついて

ついて

7

4

4

4

従業員の人 間関係につ いて 1

図 3-7.「勤務体系で満足する点」内訳

「勤務体系回答で満足する点」の回答の内訳は以下の通りである。 ・勤務地について 7 件  (家から近い 6 件、駅中で便利 1 件) ・勤務時間について 4 件  (シフトの調整がきく 3 件、他店に比べ営業時間が短い 1 件) ・仕事内容について 4 件  (気楽 2 件、自分の好きな企画が提案できる 1 件、対人の仕事な  ので面白い 1 件) ・職場環境について 4 件  (まかないがおいしい 2 件、件室内環境がよい 1 件、雰囲気がよ  い 1 件)

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3-5. 分析 3-5-2. 勤務体系で満足する点・不満な点

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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

・従業員の人間関係について 1 件  (人間関係がドライ)

仕事自体よりも、勤務地が家から近いことなどの勤務条件に満足して いるという意見が多かった。特に、アルバイトは勤務時間の融通がきく ことや、職場環境に注目していることがわかった。  また、『仕事内容について』を選んだ人の 75% は社員であった。

●勤務体系で不満な点   「勤務体系で不満な点」として上げられた回答は、「勤務体系で満足 する点」での 5 つの分類のうち 3 つに分けられた。勤務時間について、 仕事内容について、職場環境について、である。  それらの回答数をグラフにしたものが以下である。 16 14 12 10 8 6 4 2 0

人数

15

3 1

0

勤務地に

勤務時間

仕事内容

職場環境

ついて

について

について

について

0

15

3

1

0

従業員の 人間関係 について 0

図 3-8.「勤務体系で不満な点」内訳

回答の内訳は以下の通りである。 ・勤務時間について 15 件  (休みがとりづらい・不定期 5 件、無理にシフトに入れられる 2 件、   長時間のシフト 2 件、休憩がとりづらい 2 件、サービス残業があ  る 2 件、朝が早い 1 件、自分の時間と仕事の時間の境目が無い 1 件)

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3-5. 分析 3-5-2. 勤務体系で満足する点・不満な点

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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

・仕事内容について 3 件  (衛生管理が厳しい 1 件、マニュアルがない 1 件、立ち仕事でつ  らい 1 件) ・職場環境について 1 件  (せまい)

勤務体系で不満な点として、勤務時間に関するものが目立った。決まっ た休みが少ないこと、シフト制で働くアルバイトが多いことが要因と考 えられる。

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3-5. 分析 3-5-2. 勤務体系で満足する点・不満な点

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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-5-3. 休憩場所  「休憩をどこで取るか」という項目に対する結果は以下である。 8 7

7

6

5

人数

5 4

3

3 2

1

1 0

回答数

休憩室

自宅

店舗

通路

7

5

3

1

1

ロッカー ルーム 1

1

1

1

飲食店

なし

無回答

1

1

1

図 3-9.「休憩場所」内訳

『休憩室』との回答が最も多かった。接客業は常に人前に出ている仕事 のため、バックヤードで休憩することが多いものと推察される。回答者の 内訳は、飲食店が 3 件、小売チェーン店が 2 件、サービス業が 1 件、学 習塾が 1 件であった。  次いで『自宅』が多かった。内訳は個人商店が 4 件、飲食店が 1 件であっ た。これらの店舗は全て、同じ商店街内の店舗であった。  3 番目に多い回答は『店舗』であった。内訳は学習塾が 2 件、個人商店 が1件であった。  その他、そもそも休憩時間を取らないようにシフトを組んでいるという 店舗もみられた。

以上のことから、業種・経営形態によって休憩場所には一定の傾向が見 られるということが推察される。

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3-5. 分析 3-5-3. 休憩場所

40


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-5-4. 休憩満足度   『休憩は十分取れているか』という質問に関する回答の全体の結果は以 下である。なお、棒グラフ内の数字は回答者の人数を表す。 表 3-9. 休憩の満足度 十分取れている 無回答 不十分である

肉体的休憩 精神的休憩 5人 8人 7人 5人 7人 6人

100% 6

7

80% 60%

不十分である

5

無回答

7

40%

十分である

20%

8

5

0% 肉体的休憩満足度 精神的休憩満足度

図 3-10. 休憩満足度

肉体的な休憩満足度を見ると、『十分取れている』という人よりも『不 十分である』と答える人が多いという結果になった。  精神的な休憩満足度を見ると、『不十分である』という人よりも『十分 取れている』という人の方が多いという結果になった。  なお、肉体的な休憩または精神的な休憩のどちらかにのみ回答したため にもう一方で無回答となっている場合も多くあった。  この結果を、店舗の規模(従業員の人数)別に見ると次項の図のように なる。なお、この分類は「3-4-2. 調査対象の分類 従業員人数」と同じ分 類である。参考のため【表 3-7. 従業員人数別店舗数】を再掲する。 【再掲】表 3-7. 従業員人数別店舗数 従業員人数 2∼5人

店舗数 8

16 人∼

4

6 ∼ 10 人 11 ∼ 15 人

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5 2

3-5. 分析 3-5-4. 休憩満足度

41


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

100% 80%

2

1

60% 40%

3

1

不十分 無回答

5

十分 3

20% 0%

2

0 1

1 2∼5人

1

6∼10人

0 11∼15人

16人∼

図 3-11. 店舗規模別 肉体的休憩満足度の割合

100% 80%

25 2

20 1

25 1

0

25 1

60% 50 4 40%

不十分

100 2

無回答

80 4

十分 50 2

20% 25 2 0%

0 2∼5人

6∼10人

11∼15人

16人∼

図 3-12. 店舗規模別 精神的休憩満足度の割合

【図 3-11】を見ると、肉体的な休憩の満足度が不十分と答える人の割 合が、店舗規模が大きくなるほど多くなることがわかる。規模の大きい店 舗ほど、忙しく肉体的な負担が大きいものと推察される。  一方で、【図 3-12】からは、11 ∼ 15 人以外の 3 つの店舗規模では精 神的な休憩の満足度が不十分と答える人はおよそ同じ割合となっている。

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3-5. 分析 3-5-4. 休憩満足度

42


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

また、店舗種類別に休憩の満足度を見ると以下のようになる。参考のた め表 3-6 を再掲する。なお、棒グラフ内の数字は回答者の人数を表す。 【再掲】表 3-6. 店舗の内訳 分類 件数 個人商店 5 飲食店 5 塾 4 小売チェーン店 3 サービス業チェーン店 2

100%

0 1

80% 60%

4

40%

0

1

2 0

2

20% 0%

3

1

1 1

1

2

不十分 無回答 十分

0

図 3-13. 店舗種類別 肉体的休憩満足度の割合 100%

0

1

80% 60%

3

4

40%

2

20% 0%

0

1

1 3 不十分

0 2

1

0

無回答

1

十分

0

図 3-14. 店舗種類別 精神的休憩満足度の割合

肉体的な休憩満足度と精神的な休憩満足度は店舗種別ごとににほぼ同じ hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

3-5. 分析 3-5-4. 休憩満足度

43


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

割合を示した。このことから、業種ごとに休憩そのものの満足度には似た 傾向があることが推察できる。  本調査からは、接客業の中でも小売チェーン店は比較的休憩に満足して おり、飲食店や学習塾は満足な休憩が取れていないという傾向がみられた。

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3-5. 分析 3-5-4. 休憩満足度

44


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-6. 考察

接客業をしていて疲れることとして精神的な疲労を挙げる人が 7 割を 超えた。また、店舗の立地によって、「忙しい時に疲れを感じる」という 意見と「暇なときに疲れを感じる」という意見に分かれることが分かった。  勤務体系で満足する点としては、勤務地が家から近いという回答が最も 多かった。一方で、勤務体系で不満な点として勤務時間に関する回答が突 出して多かった。これらから、接客業従業者にとって、仕事における拘束 時間の長さは重要な要素であるということが推察できる。  休憩場所を見ると、業種別・経営形態別に傾向があることがわかった。 もっとも一般的な休憩場所は『休憩室』であり、ほぼ全ての業種で見られ た。個人商店は、自宅と店舗が近いことが多く、休憩場所も自宅がほとん どであった。勤務時間の自由度が比較的高い個人商店では、自宅に戻って の休憩が可能であると考えられる。学習塾では、そのまま教室内で休むと いう意見が多かった。短い休み時間が授業ごとに繰り返されるため、あえ て休憩室に行かずにそのまま教室で休むことが多いものと推察される。以 上のように、休憩場所は業務内容や休憩時間の長さに影響されるものと考 えられる。  回答者全体の休憩の満足度をみると、肉体的には不満である人がやや多 く、一方で精神的には満足している人が多かった。  店舗規模別に休憩の満足度を見ると、規模が大きくなるほど肉体的な満 足度は低くなっていく傾向にあった。  店舗種類別に休憩の満足度を見ると、肉体的な満足度と精神的な満足度 の回答割合は業種ごとにほぼ一定になっていた。このことから、接客業の 中でも業種によって異なる傾向が見られる、ということが推察される。

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3-6. 考察

45


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第 3 章 接客業における休憩の実態調査

3-7. まとめ

今回の調査によって、接客業従業者の業務上のストレッサーは仕事その ものについてと顧客関連、拘束時間の長さであるということが明らかに なった。また、感じる疲労の種類としては、肉体的な疲労よりも精神的な 疲労の方が多く見られた。  ストレッサーの内容を細かく見ると業種や店舗の規模、立地などによっ て異なる傾向がみられた。このことから、接客業従業者の求める「オフ」 はそれらの要因により変化すると推察される。  従って、本調査は業種や立地を限定して行うことで、より適切な「オフ」 を見つけることに繋がると考え、今回の調査で休憩の満足度が低く、従業 員規模も大きい飲食業を調査対象とする。

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3-7. まとめ

46


4


第 4 章      飲食業における休憩空間の実態調査 4-1. 調査目的 4-2. 調査概要 4-3. 調査方法  4-3-1. 調査方法  4-3-2. 聞き取り調査内容  4-3-3. アンケート内容 4-4. 調査結果  4-4-1. 聞き取り調査結果  4-4-2. アンケート調査結果  4-4-3. 店舗別調査結果 4-5. 分析  4-5-1. 分析 1. 休憩場所別  4-5-2. 分析 2. 休憩室広さ別  4-5-3. 分析 3. 通勤時間別  4-5-4. 分析 4. 休憩時間別  4-5-5. 分析 5. 同時休憩人数別  4-5-6. 分析 6. 休憩中の行動別 4-6. 考察 4-7. まとめ


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-1. 調査目的

飲食業の休憩空間とその使われ方の調査から、休憩の満足度に影響する 要素を明らかにし、飲食業従業者にとってより適切な休憩のかたちを見つ ける。

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4-1. 調査目的

47


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-2. 調査概要

複数の飲食店に対して、業務内容に関する聞き取り調査、バックヤード の間取り調査、従業員に対する休憩時間中の行動に関するアンケート調査 を行う。

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4-2. 調査概要

48


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-3. 調査方法 4-3-1. 調査方法 調査日時: 2013 年 9 月 11 日∼ 10 月 12 日 調査方法: ・店舗責任者等からの、店舗の基本情報(従業員数、業務内容他)の聞き  取り ・店舗のバックヤードの間取り調査 ・従業員向けに、紙による勤務・休憩内容(平均勤務時間、休憩中の行動他)  のアンケート調査 調査場所: 早稲田大学周辺を中心とした飲食店数店舗 回答者: 店舗責任者、従業員(アルバイト含む)

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4-3. 調査方法 4-3-1. 調査方法

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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-3-2. 聞き取り調査内容  聞き取り調査における調査項目は以下の通りである。

飲食業における休憩と空間の関係について 店舗名: 質問1)営業時間・定休日について教えて下さい  営業時間:  時  分∼  時  分まで  定休日: 質問2)働いている方について教えて下さい  正社員      人  アルバイト     人 質問3)業務内容について教えて下さい  (                            ) 質問4)休憩場所はどこか教えて下さい  休憩室 / 店舗 / 飲食店 / 自宅 (店舗より  分程度)/ その他 (    ) 質問5)休憩時間内に従業員の方がしなければならないことがありました     ら、教えて下さい   食事 / 事務作業 / その他(          )/ 特になし

質問6)働いていて、楽しい・癒される時、また疲れを感じる時について、     ありましたら教えて下さい  ・楽しい・癒される時(        )例:お客様との会話  ・疲れを感じる時(           )例:ピーク後

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4-3. 調査方法 4-3-2. 聞き取り調査内容

50


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

質問7)休憩は十分に取れていると感じますか?特に不十分な場合、どの     ような疲れを感じますか?  十分取れている(肉体的・精神的・両方)/  不十分である(肉体的・精神的・両方)  また、どんな疲れを休憩で癒せたら良いと思いますか?    (肉体的 / 精神的 / その他:       )

質問8)休憩場所に関して注意していることはありますか?  (                    )例:清掃の当番を決める 質問9)店舗の間取りについて教えて下さい (従業員の休憩室についてもお書き下さい。ご自宅などで休憩される場合 はその旨お書きいただければ結構です) わかる範囲で寸法を入れていただけると助かります。フリーハンドで問題 ありません。  間取り例)

ありがとうございました。 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-3. 調査方法 4-3-2. 聞き取り調査内容

51


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-3-3. アンケート内容  アンケートにおける調査項目は以下の通りである。

休憩時間中の空間利用調査 差支えの無い範囲で構いませんので、以下の質問にお答えください。 ※お答えいただいた情報は卒業論文の執筆のためだけに使用し、執筆後は 責任を持って破棄致します。 質問1)性別と年齢を教えて下さい  性別:男性 / 女性  年齢:10 代 / 20 代 / 30 代 / 40 代 / 50 代 / 60 代 質問2)仕事 / アルバイトを始めてどのくらいか、また主な業務を教えて     下さい  仕事 / アルバイト歴:  年  ヶ月  主な業務   : レジ / ホール / キッチン / 品出し /           その他(              ) 質問3)店舗までの通勤時間(徒歩・電車などの時間の合計)と、主に働     いている時間帯を教えて下さい  通勤時間:自宅 / 学校 / その他(     ) から    分   ※店舗に来る際にどこから来ることが多いか、丸を付けて下さい  働いている時間帯:朝∼昼 / 昼∼夕方 / 夕方∼夜 / 夜∼深夜 /           深夜∼朝 質問4)勤務時間と休憩時間が、平均どのくらいか、また同時に休憩する     人数を教えて下さい  勤務時間平均   時間  休憩時間平均   分(同時に休憩する人数:自分含め  人)

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4-3. 調査方法 4-3-3. アンケート内容

52


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

質問5)休憩時間中どんなことをして過ごすか教えて下さい  携帯電話・スマートフォンを使う ( * ) / 食事を取る / 眠る /  他の従業員と話す / その他(             )  ( * ) 携帯電話・スマートフォンを使うと答えた方へ、     具体的に何をするのか教えて下さい   メール・LINE / SNS / ゲーム / サイトの閲覧 / その他(   ) 質問6)休憩中の主な体勢を教えてください  座る( イス / ソファ / その他:     )/ 立ったまま / 横になる /  その他(           ) 質問7)休憩中の服装について教えてください  制服のまま / 制服に上着を羽織る / 私服に着替える / 裸足になる /  その他(           ) 質問 8)休憩は十分に取れていると感じますか?(特に不十分な場合、ど     のような疲れがありますか?)  十分取れている( 肉体的・精神的・両方 )/  不十分である( 肉体的・精神的・両方 ) 質問 9)どのように休憩を取ることが理想ですか?また、それはなぜです     か?休憩場所についての要望や、休憩時間中にどんな疲れを癒し     たいかなど、自由にお書き下さい。 (                             )

ありがとうございました。

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4-3. 調査方法 4-3-3. アンケート内容

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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-4. 調査結果 4-4-1. 聞き取り調査結果 ●調査協力店数 *1 「総務省・統計局ホームペー

調査協力店 13 店舗(内間取り調査協力 12 店舗)

ジ」『日本標準産業分類  (平成 19 年 11 月改定)』 http://www.stat. go.jp/index/seido/ sangyo/19index.htm 『大分類 M 宿泊業,飲食 サービス業 説明及び内容

●店舗内訳  ・店舗種類別  本調査における調査協力店舗を、日本標準産業分類 *1 に従って分 類すると、以下の分類となる。

例示』 http://www.stat.go.jp/ index/seido/sangyo/ pdf/19san3m.pdf 2013 年 10 月 25 日閲覧

表 4-1. 調査協力店舗・日本標準産業分類による分類

細分類番号 7611 7629 7641 7671 7691

細分類項目名 店舗数 食堂、レストラン(専門料理店を除く) 1 その他の専門料理店 2 すし店 1 喫茶店 7 ハンバーガー店 2

しかし、これらの分類は一般的では無くイメージが難しい。また、 本調査では外食チェーンの店舗と個人経営の店舗での違いにも着目 するために、分類を以下のように改める。 表 4-2. 本研究における飲食店の分類 店舗分類 喫茶店

対象店舗 主として飲料や簡易な食事を提供する飲食店 全国に店舗をもつチェーン店であり、ハン

ファストフード店

バーガーなど待たずに食べられる簡単な食品 を扱う飲食店 全国に店舗をもつチェーン店のうち、主食と

ファミリーレストラン なる料理を提供し、店舗での食事を主とする 洋食レストラン

飲食店 主食となる料理(洋食)を提供し、店舗での 食事を主とする飲食店

以降は上述の分類に従って店舗の種類を分類する。

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4-4. 調査結果 4-4-1. 聞き取り調査結果

54


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

店舗種類で分類したものが以下である。なお、本調査では、喫茶 店は個人経営の店舗のみであった。 洋食レストラン, 1

表 4-3. 調査協力店舗 店舗種類別 ファミリーレス

店舗分類 店舗数 喫茶店(個人経営) 7 ファストフード店 3 ファミリーレストラン 2 洋食レストラン 1

トラン, 2 喫茶店(個人経 ファストフード

営), 7

店, 3

図 4-1. 調査協力店舗 店舗種類別割合

個人経営の喫茶店が最も多く、全体の半分以上を占めている。

・店舗規模別  店舗の規模として、本調査では客席の数に着目し以下のように分 類した。 (店舗)

6 5 4

表 4-4. 調査協力店舗 店舗規模別 客席数 店舗数 100 席以上 2 51 席∼ 100 席 2 31 席∼ 50 席 5 30 席以下 4

3 2 1

5 4 2

2

0

図 4-2. 調査協力店舗 店舗規模別

客席数は 31 ∼ 50 席のものが最も多く、次いで 30 席以下と、 小∼中規模の店舗が多い。最も少ない席数の店舗は 20 席、最も多 い店舗は 260 席であった。一店舗あたりの平均は 73.6 席(中央値 37 席)であった。 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-1. 聞き取り調査結果

55


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

表 4-5. 調査協力店舗 従業員人数別 従業員数 店舗数 ∼ 10 人 5 11 人∼ 20 人 4 21 人∼ 30 人 1 31 人∼ 40 人 1 41 人∼ 2

店舗数

また、従業員の人数により店舗を分類すると以下のようになる。 6 5 4 3 2 1 0

5 4 2 1

1

従業員数

図 4-3. 調査協力店舗 従業員人数別

従業員数が 10 人までの小規模な店舗が最も多かった。最も従業 員数の少ない店舗は 6 人、最も多い店舗は 72 人であった。一店舗 あたりの従業員数の平均人数は 22.1 人(中央値 14 人)であった。  また、調査店舗 13 店舗での全従業員数は 287 人であった。う ち社員人数は 36 人 (12.5%)、アルバイト人数は 251 人 (87.5%) で あった。

社員人数, 36人(12.5%) 全従業員数 287人 アルバイト人数, 251人(87.5%) 図 4-4. 調査協力店舗 従業員の雇用形態割合

アルバイトの人数が社員に比べ非常に多くなっている。

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4-4. 調査結果 4-4-1. 聞き取り調査結果

56


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

・休憩場所別  休憩場所は、本調査の範囲内では3つのタイプがあった。それは、 土足のまま休憩室を利用するタイプ、靴を脱いで休憩室を利用する タイプ、客席の空いているところで休憩するタイプである。  それらを、「土足休憩室」「裸足休憩室」「客席休憩」と分類した。

表 4-6. 調査協力店舗 休憩場所別 休憩場所分類 店舗数 土足休憩室 3 裸足休憩室 3 客席休憩 7

図 4-5. 調査協力店舗 休憩場所別割合

客席休憩が半数以上を占める結果となった。なお、客席休憩はす べて喫茶店(個人経営)であった。

●休憩中にしなければならないこと   「休憩中にしなければならないこと」として挙げられた項目は以下の 通りである。 twitterの 更新

表 4-7. 休憩中にしなければならないこと 回答 回答数 特になし 8 食事 7 事務作業 3 twitter の更新 2

10% 事務作業 15%

特になし 40%

食事 35%

図 4-6. 休憩中にしなければならないことの割合

基本的には多くの店舗で特にやらなければならないことは無かった。 『事務作業』や『twitter の更新』と答えた店舗はすべて喫茶店(個人経営) であった。 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-1. 聞き取り調査結果

57


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

●休憩場所について注意していること   「休憩場所について注意していること」として挙げられた回答は以 下の通りである。 表 4-8. 休憩場所について注意していること 休憩場所について注意していること 回答数 特になし 4 できるだけ綺麗に使う 3 全員で掃除をする 2 アルバイトが(時給付きで)掃除をする 2 (客席休憩のため)人目に気をつける 1 掲示物をこまめに張り替える 1 無回答 2

『特に無し』という回答が最も多く、次いで『できるだけ綺麗に使う』 というあまり強制力のない回答が続いた。本調査では休憩場所につい て特に注意を払っていない店舗が半分以上に上るという結果になっ た。

●バックヤード情報 ・バックヤード用途  休憩や更衣などに使われるバックヤードについて、どのような用 途で使われているのかを調査した結果が以下である。

7.7%

貯水槽

46.2%

事務作業

53.9%

休憩

84.6%

更衣 倉庫

92.3% 0

回答数

2

4

6

8

10

12

倉庫

更衣

休憩

事務作業

貯水槽

12

11

7

6

1

図 4-7. バックヤード用途

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-1. 聞き取り調査結果

58


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

バックヤードの用途としては、倉庫が最も多く、今回の調査店舗 の 92.3% が倉庫として利用していた。次いで更衣の使用が 84.6%、 休憩のためにバックヤードを利用する店舗は全体の 53.9% であっ た。  バックヤードの実態としては、屋根裏で荷物を置くのみ、という 店舗から、パーティションで事務スペースと休憩スペースが分けら れたバックヤードまで、実に様々であった。

・バックヤード推定面積と休憩可能面積  可能な範囲でバックヤードを採寸し、面積の推定を行った。また、 休憩場所としてバックヤードを利用している店舗に関しては、バッ クヤードのうち休憩可能と思われる面積(物が置かれていない面積) を推定した。 無回答

表 4-9. バックヤード推定面積別 店舗数 バックヤード面積 件数 割合 (%) 0㎡ 5 38.5% ∼ 5㎡ 2 15.4% ∼ 10㎡ 1 7.7% ∼ 20㎡ 2 15.4% 20㎡以上 2 15.4% 無回答 1 7.7%

8% 20㎡以上

0㎡

15%

39%

∼20㎡ 15% ∼5㎡ 15%

∼10㎡ 8%

図 4-8. バックヤード面積別 店舗数割合 表 4-10. 休憩可能面積推定別 店舗数 休憩可能面積 件数 割合 (%) 0㎡ 5 38.5% ∼ 1.5㎡ 3 23.1% ∼ 5.0㎡ 1 7.7% ∼ 10.0㎡ 2 15.4% 10㎡以上 1 7.7% 無回答 1 7.7%

無回答 10㎡以上 8% 8% 0㎡

∼10.0㎡

38%

15% ∼5.0㎡ 8%

∼1.5㎡ 23%

図 4-9. 休憩可能面積別 店舗数割合 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-1. 聞き取り調査結果

59


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

どちらの項目でも最も多かったのは『面積 0㎡』で全体の 3 分の 1 以上の割合を占めた。  休憩可能面積では、1.5㎡以下の店舗が 0㎡に次いで二番目に多 い結果となった。

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-1. 聞き取り調査結果

60


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-4-2. アンケート調査結果 ●アンケート回答者数  102 人

●回答者内訳  ・性別  回答者 102 人のうち、男性が 38 人、女性が 60 人、無回答が 4 人であった。

図 4-10. アンケート回答者の男女比(人)

アンケートの回答者は女性が多かった。

・年代  回答者を年代別に分けたものが以下である。

図 4-11. アンケート回答者の年代別人数

20 代が最も多く、次いで 10 代、30 代、40 代以上と続いた。 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-2. アンケート調査結果

61


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

●勤務暦  勤務暦で回答者を分類すると、以下のようになる。 表 4-11. アンケート回答者の勤務暦別人数 人数 25 7 18 3 11 11 7 5 8 6 1

30 25 人数(人)

勤務暦 1 ∼ 6 ヶ月 7 ヶ月∼ 1 年 1 年 1 ヶ月∼ 1 年 6 ヶ月 1 年 7 ヶ月∼ 2 年 2 年 1 ヶ月∼ 2 年 6 ヶ月 2 年 7 ヶ月∼ 3 年 3 年∼ 4 年 4 年∼ 5 年 5 年∼ 10 年 10 年以上 無回答

25

20

18

15 10 5

11

11

7

7 3

8 5

6 1

0

図 4-12. アンケート回答者の勤務暦別人数

勤務暦 1 年 6 ヶ月以下が 51 人と、全体の半分を占める結果になった。 また、勤務暦の最長は 23 年、最短は 1 ヶ月であり、平均勤務暦は 3 年 2 ヶ 月(中央値 1 年 6 ヶ月)であった。

●通勤時間  通勤時間で回答者を分類すると、以下のようになる。

表 4-12. アンケート回答者の通勤時間別人数 通勤時間 人数 5 分以下 25 6 ∼ 15 分 21 16 ∼ 30 分 17 31 ∼ 60 分 13 61 分以上 9 無回答 17

61分以上 11% 31∼60分 15% 16∼30分 20%

5分以下 29% 6∼15分 25%

図 4-13. アンケート回答者の通勤時間別人数 割合

通勤時間は 15 分以下が全体の 34% と 3 分の 1 を占めた。また、通勤 時間の最長は 120 分、最短は 0 分であり、平均通勤時間は 25.1 分(中央 値 15 分)であった。 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-2. アンケート調査結果

62


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

●勤務時間帯 *2 肉体的・精神的な休憩満足

主に勤務している時間帯で回答者を分類すると、以下のようになる。

度はそれぞれ、

60

『十分取れている」 :5 点 「不十分である」:-5 点 「無回答」 :0 点 とし、それを人数で割った 平均値とする。 休憩満足度の平均値を求め たい母体の全員が休憩が十 分と感じている場合は5、 全員が不十分と感じている

表 4-13. アンケート回答者の

50

勤務時間帯別人数

40 30 20

17

10

1

0 朝∼昼

昼∼夕方

夕方∼夜

夜∼深夜

深夜∼朝

図 4-14. アンケート回答者の勤務時間帯別人数

以降、「休憩満足度」は特 均点を指す。

48

38

勤務時間帯 回答者数 朝∼昼 38 昼∼夕方 45 夕方∼夜 48 夜∼深夜 17 深夜∼朝 1

場合はー5となる。 に断りが無い限り、この平

45

夕方から夜にかけて勤務している人が最も多く、次いで昼∼夕方が多 かった。

●休憩満足度  休憩の満足度の回答を、肉体的・精神的別に集計したものが以下である。 100% 90% 80%

表 4-14. アンケート回答者の

70%

休憩満足度別 回答者数と平均点 肉体的休憩満足度 十分 無回答 不十分 平均点 60 人 15 人 27 人 1.6 精神的休憩満足度 十分 無回答 不十分 平均点 62 人 23 人 17 人 2.2

*2

60%

26.5% 14.7%

16.7% 22.5%

50% 40% 30% 20% 10%

不十分 58.8%

60.8%

無回答 十分

0%

図 4-15. アンケート回答者の休憩満足度別 人数割合

※肉体的休憩満足度平均点 ={(+5*60 人 )+(0*15 人 )+(-5*27 人 )}/102=1.6  精神的休憩満足度平均点 ={(+5*62 人 )+(0*23 人 )+(-5*17 人 )}/102=2.2 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-2. アンケート調査結果

63


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

肉体的・精神的どちらも約 6 割の人が十分休憩できていると回答した。 休憩満足度の平均点からも、精神的休憩満足度よりも肉体的休憩満足度の ほうが低いことがわかった。

●勤務時間  アンケート回答者を勤務時間の長さ別に分類すると以下のようになる。

8時間以上

表 4-15. アンケート回答者の 勤務時間別人数 勤務時間 人数 3 時間以下 12 3 ∼ 6 時間 59 6 ∼ 8 時間 13 8 時間以上 17

17%

3時間以下 12%

6∼8時間 13%

3∼6時間 58%

図 4-16. アンケート回答者の勤務時間別 人数割合

3 ∼ 6 時間勤務する、という人が約 6 割となった。また、最長勤務時 間は 15 時間 30 分、最短は 3 時間、平均勤務時間は 6.0 時間(中央値 5 時間)であった。

●休憩時間  アンケート回答者を休憩時間の長さ別に分類すると以下のようになる。

表 4-16. アンケート回答者の 休憩時間別人数 休憩時間 人数 0分 18 ∼ 15 分 10 16 ∼ 30 分 41 31 ∼ 45 分 5 46 ∼ 60 分 20 61 分∼ 2 無回答 6

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

61分∼

無回答

2%

6%

46∼60分 19%

0分 18% ∼15分 10%

31∼45分

16∼30分

5%

40%

図 4-17. アンケート回答者の休憩時間別 人数割合

4-4. 調査結果 4-4-2. アンケート調査結果

64


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

休憩時間として最も多いものは 16 ∼ 30 分であった。休憩時間 0 分と 答えた人は、勤務時間が 3 時間以下の人がほとんどであったが、一部長 時間の勤務にも関わらず休憩を取れていない人もいた。休憩時間の最長は 120 分、最短は 0 分、平均は 31 分(中央値 30 分)であった。

●同時休憩人数  休憩時に同時に休憩を取る人数で分類したものが以下である。 40 35 30

表 4-17. アンケート回答者の同時休憩人数 同時休憩人数 回答数 1人 34 ∼2人 16 3 人以上 10

34人

25 20 15

16人

10

10人

5 0 1人 (自分のみ)

同時に 1∼2人

同時に 3人以上

図 4-18. アンケート回答者の同時休憩人数

同時休憩人数 1 人、つまり自分1人で休憩を取る、という回答が最も 多かった。なお、同時に3人以上休憩するという店舗は、ファミリーレス トラン2店舗のみだった。

●休憩中の行動  休憩中にどのような行動を取っているかを複数回答可で集計したものが 以下である。 表 4-18. アンケート回答者の休憩中の行動 行動 回答数 携帯電話を使う 72 食事を取る 77 眠る 13 他の従業員と会話する 33 その他 11

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-2. アンケート調査結果

65


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

90 80 70 60 50

72人 (71%)

77人 (75%)

40 30

33人 (32%)

20 10

13人 (13%)

0

11人 (11%)

図 4-19. アンケート回答者の休憩中の行動(括弧内は全回答者数に対する割合)

『携帯電話を使う』『食事を取る』という 2 つが他に比べかなり多い結 果となった。『その他』に含まれる回答としては、「読書」「勉強」「喫煙」 などがあった。  特に、『携帯電話を使う』と答えた人に対して、具体的に何をしている のかを調査した結果が以下である。

60

表 4-19. 携帯電話の使用内容 携帯電話の使用内容 回答数 メール・LINE 52 SNS 34 ゲーム 10 サイトの閲覧 20 その他 4

50

52人 (72%)

40 34人 (47%)

30 20

20人 (28%)

10

10人 (14%)

0 メール・LINE

SNS

ゲーム

4人 (6%) サイトの閲覧

その他

図 4-20. 携帯電話の使用内容 (括弧内は携帯使用者に対する割合)

『メール・LINE』と回答した人が最も多く、次いで『SNS』、 『サイトの閲覧』 という結果になった。スマートフォンの利用も多いとみられる。

●理想の休憩  理想の休憩として得た回答を、12 種類に分類した。その分類と、それ ぞれの回答数を次項【表 4-20】【図 4-21】に示す。 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-2. アンケート調査結果

66


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

表 4-20. 理想の休憩 理想の休憩 回答数 食事関連 11 眠りたい 9 会話がしたい 7 仕事場から離れたい 7 ゆっくりと休みたい 6 ソファなどに座って休みたい 6 1 人で休みたい 6 静かな場所で休みたい 6 休憩場所を綺麗にしてほしい 5 肉体的な疲れを癒したい 5 不満はない・満足している 15 その他 15

16 14 12 10 8 6 4 2 0

15 11

9

7

7

6

6

6

6

5

15

5

図 4-21. 理想の休憩

理想の休憩として最も多く挙げられたものは『食事関連』である。これ には、「美味しいまかないを食べれて満足している」「ゆっくり食事を取り たい」などの意見が含まれる。3番目に多い『仕事場から離れたい』とい う意見は、客席休憩の店舗で多かった。『その他』に含まれる意見としては、 「喫煙したい」「もっと広いところで休憩したい」などの意見があった。

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-2. アンケート調査結果

67


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-4-3. 店舗別調査結果  「4-4-1. 聞き取り調査結果」「4-4-2. アンケート調査結果」において収集 *3 「第 2 部 資料編」『1-1. 第 4 章アンケート結果生デー タ』を除く

した全てのデータと、それを店舗ごとにまとめたものは、 「第 2 部 資料編」 にそれぞれまとめてある。以降、①∼⑬の番号は資料編にて割り振られた 店舗の番号を指す *3。  本章ではそれらのデータのうち、以下の項目のみを店舗別にまとめて掲 載する。

●店舗基本情報  ●聞き取り調査   ・休憩場所   ・休憩時間内にしなければならないこと   ・休憩場所について注意していること   ・休憩に関する備考  ●バックヤード情報  ●従業員アンケート   ・回答者情報(人数、性別、年齢)   ・勤務暦   ・通勤時間長さ   ・勤務時間帯   ・休憩満足度   ・勤務時間長さ   ・休憩時間長さ   ・同時に休憩する人数   ・休憩中の行動   ・理想の休憩

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4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

68


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

①喫茶店(個人経営) ●店舗基本情報 場所

東京メトロ早稲田駅周辺

営業時間

11 時 30 分∼ 23 時 00 分

定休日

日曜・祝日

客席数

31 席

休憩満足度

従業員数

6 名(社員 1 名、アルバイト 5 名)

業務内容

無回答

平均予算

1000 ∼ 1999 円

アルコール

●聞き取り調査

休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 2 × 5 点 10 肉体的 無回答 0 ×0点 0 5.0 1.6 不十分 0 × (-5) 点 0 十分 2 × 5 点 10 精神的 無回答 0 ×0点 0 5.0 2.2 不十分 0 × (-5) 点 0

肉体的満足度

5.0

平均 1.6

-5

-4

-3

-2

-1

0

1

2

3

4

平均 2.2

5

5.0

精神的満足度

(点)

あり

休憩場所

客席

休憩時間内にしなければならないこと

勤務時間   : 平均 4.5 時間(最長 6 時間、最短 3 時間)

なし(食事) 無回答

休憩場所について注意していること

休憩時間   : 平均 0 分(最長 0 分、最短 0 分) 同時に休憩する人数: 平均 0 名

●バックヤード情報    用 途

更衣、荷物置き、倉庫

バックヤード推定面積

約 2.5㎡

うち休憩可能面積

約 0㎡(0%)

休憩中の行動

*「携帯電話を使う」内容内訳

(人)

5

サイトの閲覧 その他0% 0%

4 3

●従業員アンケート 回答者数 :2 : 名

(人)

40%

1

0

0

0

0 SNS

2

2

男性,, 1

メール・LINE

20%

2

1

4 3

女性, 1

ゲーム

2

(人)5

40%

1 0 人数

0

0

10代

20代

30代

40代以上

0

2

0

0

理想の休憩

勤務歴 : 通勤時間 :平均 1 分(最長 1 分、最短 1 分) 勤務時間帯

0

(人) 4

3 (人) 5

2

4

1

3

0

2

0

0

1

0

0

1

0

0

0

0

0

0

2

1 0

0

朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

0

0

0

夕∼夜

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

69


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

②喫茶店(個人経営) ●店舗基本情報 場所

休憩満足度

高田馬場駅周辺 11 時 00 分∼ 23 時 30 分

営業時間 定休日

第三日曜日

客席数

37 席

休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 2 × 5 点 10 肉体的 無回答 1 ×0点 0 3.3 1.6 不十分 0 × (-5) 点 0 十分 2 × 5 点 10 精神的 無回答 1 ×0点 0 3.3 2.2 不十分 0 × (-5) 点 0

6 名(社員 3 名、アルバイト 3 名)

従業員数 業務内容

キッチンもホールすべて行う

平均予算

1000 ∼ 1999 円

肉体的満足度

3.3

平均 1.6

-5

-4

-3

-2

-1

0

1

2

3

平均 2.2

4

5

3.3

精神的満足度

(点)

あり

アルコール

●聞き取り調査

休憩場所

客席

休憩時間内にしなければならないこと

勤務時間   : 平均 7.3 時間(最長 14 時間、最短 4 時間)

特になし(食事) 掃除は全員で。休憩場所は時に応じて(混雑時に外出して休

休憩場所について注意していること

憩するとフォローに回れないが、席を占めてしまう)

休憩時間   : 平均 25 分(最長 30 分、最短 15 分) 同時に休憩する人数: 平均 1.0 名

●バックヤード情報    用 途

更衣、荷物置き、倉庫

バックヤード推定面積

約 1.7㎡

うち休憩可能面積

約 0㎡(0%)

休憩中の行動

(人)

*「携帯電話を使う」内容内訳

4

その他0%

5

3

●従業員アンケート 回答者数 :3 人

(人)

サイト の閲覧

3

14%

0

0

3

0

0

SNS 29%

1

女 ,2 女性

0 人数

0

0

0

10代

20代

30代

40代以上

0

3

0

0

理想の休憩

勤務歴 : 勤務時間帯

43%

14%

2

通勤時間

メール・LINE

ゲーム

1

4 3

男性 , 1

3

2

(人)5

平均 20 分(最長 30 分、最短 15 分)

(人) 4

3 (人)5

2

4

1

3

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

1

1

0

3

2

2

1 0

0 朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

夕∼夜

0

0

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

70


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

③喫茶店(個人経営) ●店舗基本情報 場所

東京メトロ早稲田駅周辺

営業時間

11 時 00 分∼ 24 時 00 分

定休日

要問い合わせ

客席数

50 席(立食時 100 名)

休憩満足度 休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 1 ×5点 5 肉体的 無回答 0 ×0点 0 -2.5 1.6 不十分 3 × (-5) 点 -15 十分 1 ×5点 5 精神的 無回答 0 ×0点 0 -2.5 2.2 不十分 3 × (-5) 点 -15

15 名(社員 4 名、アルバイト 11 名)※系列 1 店舗との合計人数

従業員数 業務内容

バーカウンター・キッチン・ホール

平均予算

1000 ∼ 1999 円

肉体的満足度

-2.5

-5

-4

-3

-2

平均 1.6

-1

0

1

2

3

4

5

平均 2.2

-2.5

精神的満足度

(点)

あり

アルコール

●聞き取り調査

休憩場所

客席

休憩時間内にしなければならないこと

勤務時間   : 平均 11.1 時間(最長 15.5 時間、最短 5 時間)

食事、事務作業 できるだけ綺麗に使うよう心がける

休憩場所について注意していること

休憩時間   : 平均 34 分(最長 60 分、最短 15 分) 同時に休憩する人数: 平均 1.0 名

●バックヤード情報    用 途

更衣、荷物置き場(貯水室)

バックヤード推定面積

不明

うち休憩可能面積

0㎡(0%)

休憩中の行動

*「携帯電話を使う」内容内訳

(人)

5 4

●従業員アンケート

3

:4 名 回答者数 :

(人)

無回答, 1

(人)5

2

4

1

3

0 2

2

男性, 2

サイト の閲覧 22%

2 1

0

メール・LINE 45%

0 SNS

2

33%

1

女性, 1

0 人数

0

0

10代

20代

30代

40代以上

0

2

2

0

理想の休憩

勤 務 歴 :平均 3 年 10 ヶ月(最長 9 年、最短 11 ヶ月) 通勤時間 :平均 33 分(最長 80 分、最短 5 分) 勤務時間帯

その他0%

4

(人) 4

3 (人)5

2

4

1

4

0

3

3

0

0

0

1

0

0

0

0

0

1

0

0

3

2

2

1 0

0 朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

夕∼夜

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

71


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

④喫茶店(個人経営) ●店舗基本情報 場所

東京メトロ早稲田駅周辺

営業時間

11 時 00 分∼ 24 時 00 分

定休日

日曜・祝日

客席数

20 席

休憩満足度

従業員数

7 名(社員 3 名、アルバイト 4 名)

業務内容

ホール・キッチンをシフト制にて交代で行う

平均予算

2000 ∼ 2999 円

アルコール

●聞き取り調査

休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 4 × 5 点 20 肉体的 無回答 1 ×0点 0 2.5 1.6 不十分 1 × (-5) 点 -5 十分 4 × 5 点 20 精神的 無回答 1 ×0点 0 2.5 2.2 不十分 1 × (-5) 点 -5

肉体的満足度

2.5

平均 1.6

-5

-4

-3

-2

-1

0

1

2

3

平均 2.2

4

5

2.5

精神的満足度

(点)

あり

休憩場所

客席

休憩時間内にしなければならないこと

勤務時間   : 平均 7.3 時間(最長 12 時間、最短 4 時間)

食事、事務作業(店長以上) 特になし

休憩場所について注意していること

休憩時間   : 平均 35 分(最長 60 分、最短 0 分) 同時に休憩する人数: 平均 1.0 名

●バックヤード情報    用 途

荷物置き、倉庫

バックヤード推定面積

不明(屋根裏)

うち休憩可能面積

約 0㎡(0%)

休憩中の行動

(人)

*「携帯電話を使う」内容内訳

7 6

●従業員アンケート (人)

(人)5

3

4

1

2

3

女性, 3

2

男性, 3

人数

50% SNS 12%

1 0 10代

20代

30代

40代以上

2

3

1

0

理想の休憩

勤 務 歴 :5 年 8 ヶ月(最長 20 年、最短 1 ヶ月) 通勤時間 :平均 16 分(最長 25 分、最短 5 分) 勤務時間帯

メール・LINE

38%

0

2

1 0

サイトの閲覧

2

0

0

3

その他0%

0%

5

4

回答者数 :6 : 名

ゲーム

6

5

(人) 4

3 (人) 5

2

5

4

1

3

0

3

3

3

2 0

2 0

0

0

0

1

0

0

1

0

2

1 0

0 朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

夕∼夜

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

72


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

⑤喫茶店(個人経営) ●店舗基本情報 場所

東京メトロ早稲田駅周辺

営業時間

11 時 00 分∼ 23 時 00 分

定休日

日曜・祝日

客席数

26 席

休憩満足度

従業員数

9 名(社員 2 名、アルバイト 7 名)

業務内容

キッチンもホールもすべて行う

平均予算

1000 ∼ 1999 円

アルコール

●聞き取り調査

休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 2 × 5 点 10 肉体的 無回答 0 ×0点 0 0.0 1.6 不十分 2 × (-5) 点 -10 十分 2 × 5 点 10 精神的 無回答 1 ×0点 0 1.3 2.2 不十分 1 × (-5) 点 -5

肉体的満足度

0.0

-5

-4

-3

-2

-1

0

平均 1.6

1

2

3

平均 2.2

4

5

1.3

精神的満足度

(点)

あり

休憩場所

客席

休憩時間内にしなければならないこと

勤務時間   : 平均 7.8 時間(最長 13 時間、最短 3 時間)

twitter の更新 全員で整理整頓を。コミュニケーションをとり、綺麗に使う

休憩場所について注意していること

休憩時間   : 平均 20 分(最長 30 分、最短 0 分) 同時に休憩する人数: 平均 1.0 名

●バックヤード情報    用 途

更衣、荷物置き、倉庫?

バックヤード推定面積

無回答

うち休憩可能面積

無回答

休憩中の行動

*「携帯電話を使う」内容内訳

(人)

5 4

4

3

●従業員アンケート 回答者数 :

2

(人) (人)

2

1

4

ゲーム

1

0

3

3

2

0%

0

0%

人数

25%

0

0 10代

20代

30代

40代以上

0

3

1

0

理想の休憩

勤務歴 : 通勤時間 :平均 31 分(最長 60 分、最短 5 分) 勤務時間帯

50% SNS

1

1 0

メール・LINE

サイトの閲覧

2

女性, 4

その他20%

(人) 4

3 (人)5

2

4

1

3

0

2 1

0

0

1

0

0

0

0

1

0

1

3

2

2

2

2

1 0

0 朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

夕∼夜

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

73


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

⑥喫茶店(個人経営) ●店舗基本情報 場所

休憩満足度

池袋駅周辺 11 時 00 分∼ 22 時 00 分

営業時間 定休日

なし

客席数

26 席(立食時 40 名)

休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 1 ×5点 5 肉体的 無回答 3 ×0点 0 0.0 1.6 不十分 1 × (-5) 点 -5 十分 1 ×5点 5 精神的 無回答 3 ×0点 0 0.0 2.2 不十分 1 × (-5) 点 -5

7 名(社員 2 名、アルバイト 5 名)

従業員数 業務内容

キッチン・レジで分かれている。週ごとにシフトを交代

平均予算

999 ∼ 1999 円

肉体的満足度

0.0

-5

-4

-3

-2

-1

0

平均 1.6

1

0.0

2

3

4

5

平均 2.2

精神的満足度

(点)

あり

アルコール

●聞き取り調査

休憩場所

客席

休憩時間内にしなければならないこと

勤務時間   : 平均 6.2 時間(最長 11 時間、最短 3 時間)

食事、事務作業、twitter の更新 休憩場所が客席なので、持ち込んだものは食べない。満席時

休憩場所について注意していること

はキッチンの奥で休む。

休憩時間   : 平均 1 分(最長 5 分、最短 0 分) 同時に休憩する人数: 平均 1.0 名

●バックヤード情報    用 途

荷物置き、倉庫(屋根裏)

バックヤード推定面積

不明

うち休憩可能面積

約 0㎡(0%)

休憩中の行動 (人)

*「携帯電話を使う」内容内訳

4

ゲーム その他0% メール・LINE

5

0%

3

●従業員アンケート 回答者数 :

2

(人)5 (人)

3

女性, 2

1

0

3

0

0

1 0 人数

サイトの閲覧 100% 1

1 0

10代

20代

30代

40代以上

1

3

1

0

理想の休憩

勤 務 歴 :平均 1 年 1 ヶ月(最長 4 年、最短 4 ヶ月) 通勤時間 : 勤務時間帯

0%

0

2

男性, 3

SNS

2

1

4

0%

(人) 4

3 (人)6

2

5

1

5

4

0

3

0

0

0

0

1

0

1

0

0

0

1

0

3

2

2

1 0 朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

夕∼夜

0

0

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

74


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

⑦喫茶店(個人経営) ●店舗基本情報 場所

東京メトロ早稲田駅周辺

営業時間

10 時 30 分∼ 23 時 00 分

定休日

日曜・祝日

客席数

36 席

休憩満足度 休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 0 ×5点 0 肉体的 無回答 2 ×0点 0 -2.5 1.6 不十分 2 × (-5) 点 -10 十分 0 ×5点 0 精神的 無回答 4 ×0点 0 0.0 2.2 不十分 0 × (-5) 点 0

13 名(社員 3 名、アルバイト 10 名)

従業員数 業務内容

キッチンもホールも全て行う。発注は手が空いたときに行う

平均予算

∼ 999 円

アルコール

●聞き取り調査

肉体的満足度

-2.5

-5

-4

-3

-2

平均 1.6

-1

0

1

2

3

4

5

平均 2.2

0.0

精神的満足度

(点)

あり

休憩場所

客席、土足休憩室(店舗奥)

休憩時間内にしなければならないこと

特になし

休憩場所について注意していること

特になし

勤務時間   : 平均 6.3 時間(最長 12 時間、最短 3 時間)   休憩時間   : 平均 23 分(最長 60 分、最短 0 分) 同時に休憩する人数: 平均 1.0 名

●バックヤード情報    用 途

更衣、休憩、事務作業、倉庫

バックヤード推定面積

約 3.0㎡

うち休憩可能面積

約 1.4㎡(46.7%)

休憩中の行動

*「携帯電話を使う」内容内訳

(人)

5 4

●従業員アンケート :4 名 回答者数 :

4

1 0 人数

2

17%

2 1

0

メール・LINE

1

SNS

50%

33%

2

2

男性, 2

ゲーム

1

3

1

1 0

10代

20代

30代

40代以上

1

2

1

0

理想の休憩

勤務歴 : 通勤時間 :平均 58 分(最長 80 分、最短 35 分) 勤務時間帯

0%

3

2

(人)5 (人)

女性, 2

サイトの閲覧 その他0%

3

(人) 4

3 (人)5

2

4

1

3

0 3

2

0

0

0

1

0

0

1

0

0

0

0

1

3

2

1

1 0

0 朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

夕∼夜

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

75


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

⑧ファストフード店(チェーン店) ●店舗基本情報 場所

東京メトロ早稲田駅周辺

営業時間

6 時 30 分∼ 24 時 00 分

休憩満足度

定休日

なし

客席数

60 席(禁煙 40 席、喫煙 20 席)

従業員数

18 名(社員 3 名、アルバイト 15 名)

業務内容

キッチン・レジで分かれている。交代あり

平均予算

∼ 999 円

休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 9 × 5 点 45 肉体的 無回答 0 ×0点 0 5.0 1.6 不十分 0 × (-5) 点 0 十分 8 × 5 点 40 精神的 無回答 1 ×0点 0 4.4 2.2 不十分 0 × (-5) 点 0

肉体的満足度

5.0

平均 1.6

-5

-4

-3

-2

-1

0

1

2

3

平均 2.2

4

5

4.4

精神的満足度(点)

なし

アルコール

●聞き取り調査

休憩場所

土足休憩室(店舗奥)

休憩時間内にしなければならないこと

勤務時間   : 平均 4.8 時間(最長 6 時間、最短 4 時間)

食事

休憩場所について注意していること

休憩時間   : 平均 30 分(最長 30 分、最短 30 分)

特になし

同時に休憩する人数: 平均 1.0 名

●バックヤード情報    用 途

休憩、更衣、事務作業、倉庫

バックヤード推定面積

約 15.6㎡

うち休憩可能面積

約 1.4㎡(9.0%)

休憩中の行動 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0

●従業員アンケート 回答者数 :9 : 名

(人)6 (人)

5

5 4 3

男性, 4

3

9

9

その他0%

サイトの閲覧

0

人数

5%

SNS 26%

1 0 10代

20代

30代

40代以上

3

5

1

0

理想の休憩

勤 務 歴 :平均 4 年 7 ヶ月(最長 23 年、最短 5 ヶ月) 通勤時間 :平均 11 分 ( 最長 25 分、最短 3 分 )

(人) 4

3 (人) 8

3

2

7

37%

2

0

ゲーム

1 0

メール・LINE

32%

2

女性, 5

勤務時間帯

*「携帯電話を使う」内容内訳

(人)

7

2

1

6

0

5

0

1

0

0

0

0

1

1

1

0

4 3

3

3

2 1

1

0

0 朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

夕∼夜

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

76


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

⑨ファストフード店(チェーン店) ●店舗基本情報 場所

休憩満足度

東京メトロ早稲田駅周辺 24 時間営業

営業時間 定休日

なし

客席数

140 席

従業員数

約 72 名(社員 2 名、アルバイト約 70 名)

業務内容

キッチン・レジで分かれている

平均予算

∼ 999 円

休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 17 × 5 点 80 肉体的 無回答 1 ×0点 0 4.2 1.6 不十分 1 × (-5) 点 -10 十分 16 × 5 点 85 精神的 無回答 3 ×0点 0 4.2 2.2 不十分 0 × (-5) 点 0

肉体的満足度

4.2

平均 1.6

-5

-4

-3

-2

-1

0

1

2

3

4

平均 2.2

5

4.2

精神的満足度 (点)

なし

アルコール

●聞き取り調査

休憩場所

裸足休憩室(店舗奥)

休憩時間内にしなければならないこと

勤務時間   : 平均 5.1 時間(最長 7 時間、最短 3 時間)

なし 掃除は時給付きでしっかりやってもらう。食べ物など持ち込

休憩場所について注意していること

んだものの処理はきちんとする。

休憩時間   : 平均 30 分(最長 60 分、最短 0 分) 同時に休憩する人数: 平均 1.4 名

●バックヤード情報    用 途

休憩、更衣、事務作業、更衣

バックヤード推定面積

約 39.1㎡

うち休憩可能面積

約 14.3㎡(36.6%)

休憩中の行動 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0

●従業員アンケート

: 名 回答者数 :19

14 (人)

無回答, 1

(人)

男性,

12

12 10

2

*「携帯電話を使う」内容内訳

(人)

8

16

16

その他0% サイトの閲覧 ゲーム 10% 7%

9 2

0

メール・LINE

SNS

50%

33%

6 4

女性, 16

3

3

2 0 人数

1 10代

20代

30代

40代以上

3

12

3

1

理想の休憩

勤務歴 : 通勤時間 :平均 26 分(最長 70 分、最短 5 分) 勤務時間帯

(人) 4

3 (人) 12

2 11

10 8

4 3

3 2

1 0

8

0

0

0

0

0

1

1

1

7

6 4 2 0 朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

夕∼夜

1

1

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

77


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

⑩ファストフード店(チェーン店) ●店舗基本情報 場所

東京メトロ早稲田駅周辺

営業時間

11 時 00 分∼ 23 時 00 分

定休日

なし

客席数

31 席

休憩満足度 休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 7 × 5 点 35 肉体的 無回答 2 ×0点 0 1.2 1.6 不十分 4 × (-5) 点 -20 十分 6 × 5 点 30 精神的 無回答 4 ×0点 0 1.2 2.2 不十分 3 × (-5) 点 -15

約 22 名(社員 1 名、アルバイト約 21 名)

従業員数 業務内容

キッチンもホールも全て行う

平均予算

∼ 999 円

肉体的満足度

1.2

-5

-4

-3

-2

-1

0

平均 1.6

1

2

3

4

5

平均 2.2

1.2

精神的満足度

(点)

あり

アルコール

●聞き取り調査

休憩場所

土足休憩室(店舗奥)

休憩時間内にしなければならないこと

勤務時間   : 平均 5.4 時間(最長 8 時間、最短 3 時間)

なし 店長として、掃除の他、掲示物をこまめに張り替えて新しい

休憩場所について注意していること

ものを出しておく。

休憩時間   : 平均 29 分(最長 60 分、最短 0 分) 同時に休憩する人数: 平均 1.1 名

●バックヤード情報    用 途

休憩、更衣、事務作業、倉庫

バックヤード推定面積

約 4.7㎡

うち休憩可能面積

約 1.3㎡(27.7%)

休憩中の行動

(人)

10

10

8

●従業員アンケート

回答者数 :13 : 名

6

(人)6 (人)

5

5 4

4

男性, 5

6

4 2

2

0

2

2

女性, 8

人数

メール・LINE

21%

22%

SNS

14% ゲーム

2

10代

20代

30代

40代以上

2

4

1

5

理想の休憩

6 年 0 ヶ月(最長 20 年 0 ヶ月、最短 3 ヶ月) 勤 務 歴 :平均 : 27 分(最長 120 分、最短 5 分) 通勤時間 :平均 :

(人) 5

5

4 (人) 9

22%

21%

1

1 0

その他

サイトの閲覧

3 2

勤務時間帯

*「携帯電話を使う」内容内訳

12

3

8

2

8

7

1

6

0

6

5

2 1

1

1

0

0

0

1

0

0

0

5

4 3 2

2

1

0

0 朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

夕∼夜

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

78


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

⑪ファミリーレストラン(チェーン店) ●店舗基本情報 場所

休憩満足度

都営三田線志村坂上駅周辺 10 時 30 分∼ 23 時 00 分

営業時間 定休日

なし

客席数

90 席 約 54 名(社員 4 名、アルバイト約 50 名)

従業員数 業務内容

キッチン(仕込み、ホール手伝い) ・ホール(レジ、接客、片付け、開店・閉店準備)

平均予算

1000 円∼ 1999 円

アルコール

●聞き取り調査

休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 5 × 5 点 25 肉体的 無回答 2 ×0点 0 -1.3 1.6 不十分 9 × (-5) 点 -45 十分 9 × 5 点 45 精神的 無回答 1 ×0点 0 0.9 2.2 不十分 6 × (-5) 点 -30

肉体的満足度

-1.3

-5

-4

-3

-2

-1

平均 1.6

0

1

0.9

2

3

4

5

平均 2.2

精神的満足度

(点)

あり

休憩場所

裸足休憩室(店舗奥)

休憩時間内にしなければならないこと 休憩場所について注意していること

勤務時間   : 平均 6.2 時間(最長 10 時間、最短 3 時間)

特になし 無回答

休憩時間   : 平均 35 分(最長 60 分、最短 0 分) 同時に休憩する人数: 平均 2.8 名

●バックヤード情報    用 途

休憩、更衣、事務作業、倉庫

バックヤード推定面積

約 25㎡

うち休憩可能面積

約 6.9㎡(27.6%)

休憩中の行動

(人)

*「携帯電話を使う」内容内訳

12 10

●従業員アンケート

回答者数 :16 : 名

(人)9 (人)

8

11

10

8

10

6 4

8

7

6

6

(無回答)

4

2

1

0

5

女性, 8

男性, 8

4 3

2

2 1 0 人数

0 10代

20代

30代

40代以上

8

6

2

0

勤 務 歴 :平均 1 年 6 ヶ月(最長 2 年 9 ヶ月、最短 1 ヶ月) : 通勤時間 :無回答 : 勤務時間帯

理想の休憩    (人) 4

3 2 1 0

3

3 2

3

3

3

2

2 0

1

0

0

(無回答)

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

79


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

⑫ファミリーレストラン(チェーン店) ●店舗基本情報 場所

東京メトロ早稲田駅周辺

営業時間

11 時 00 分∼ 2 時 00 分

定休日

なし

客席数

260 席

従業員数

休憩満足度

40 名(社員 4 名、アルバイト 36 名)

業務内容

キッチン・ホールで分かれている

平均予算

∼ 999 円

アルコール

●聞き取り調査

休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 7 × 5 点 35 肉体的 無回答 1 ×0点 0 1.8 1.6 不十分 3 × (-5) 点 -15 十分 9 × 5 点 45 精神的 無回答 1 ×0点 0 3.6 2.2 不十分 1 × (-5) 点 -5

肉体的満足度

1.8

-5

-4

-3

-2

-1

平均 1.6

0

1

2

3

平均 2.2

4

5

3.6

精神的満足度

(点)

あり

休憩場所

土足休憩室(店舗奥)

休憩時間内にしなければならないこと 休憩場所について注意していること

勤務時間   : 平均 6 時間(最長 9 時間、最短 4 時間)

なし アルバイトに掃除をしてもらう

休憩時間   : 平均 54.5 分(最長 120 分、最短 0 分) 同時に休憩する人数: 平均 2.3 名

●バックヤード情報    用 途

休憩、更衣、事務作業、倉庫

バックヤード推定面積

約 19.6㎡

うち休憩可能面積

約 7.9㎡(40.3%)

休憩中の行動

*「携帯電話を使う」内容内訳

(人) 9 8

8

7

●従業員アンケート

0%

5

回答者数 :11 : 名

4

(人)8 (人)

7

7

3

18% メール・ SNS

0

LINE

55%

27%

3 1

1

人数

サイトの閲覧

0%

2

1

2 0

ゲーム

4

2

5 4

4

3

6

0 10代

20代

30代

40代以上

3

7

0

1

理想の休憩

4 年 3 ヶ月(最長 13 年、最短 4 ヶ月) 勤 務 歴 :平均 : 14 分(最長 60 分、最短 1 分) 通勤時間 :平均 : 勤務時間帯

その他

7

6

(人) 4

3 (人) 7

2

6

1

6

5

0

4 3 2

2

2

2 0

1

1

1

0

0

0

1

1

3 2

2

1 0

0 朝∼昼

hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

昼∼夕

夕∼夜

夜∼深夜

深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

80


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

⑬洋食レストラン ●店舗基本情報 場所

東京メトロ早稲田駅周辺

営業時間

10 時 00 分∼ 20 時 00 分

定休日

日曜日

客席数

50 席

従業員数

無回答

平均予算

1000 ∼ 1999 円

●聞き取り調査

休憩満足度 人数 配点 得点 平均点 全体平均 十分 3 × 5 点 15 肉体的 無回答 2 ×0点 0 1.7 1.6 不十分 1 × (-5) 点 -5 十分 2 × 5 点 10 精神的 無回答 3 ×0点 0 0.8 2.2 不十分 1 × (-5) 点 -5

14 名(社員 4 名、アルバイト 10 名)

業務内容 アルコール

休憩満足度 肉体的満足度

1.7

-5

-4

-3

-2

平均 1.6

-1

0

1

0.8

2

3

4

5

平均 2.2

精神的満足度

(点)

あり

休憩場所

裸足休憩室(店舗ビル3階)

休憩時間内にしなければならないこと

勤務時間   : 平均 5.8 時間(最長 12 時間、最短 4 時間)

特になし(食事) 特になし(汚くなったら掃除をする)

休憩場所について注意していること

休憩時間   : 平均 21 分(最長 60 分、最短 0 分) 同時に休憩する人数: 平均 2.0 名

●バックヤード情報    用 途

休憩、更衣、倉庫

バックヤード推定面積

約 8.9㎡

うち休憩可能面積

約 3.2㎡(36.0%)

休憩中の行動

*「携帯電話を使う」内容内訳

(人)

5 4 3

●従業員アンケート 回答者数 :6 : 名

5 (人)

(人)

男性, 1

サイトの閲覧

4

0%

3

2

5

ゲーム 17%

2

1

4

1

0

3

その他 0%

0

メール・LINE

SNS

50%

33%

2 1

女性, 5

0 人数

1 0

0

10代

20代

30代

40代以上

1

5

0

0

理想の休憩

勤 務 歴 :平均 : 3 年 1 ヶ月(最長 7 年、最短 2 ヶ月) 通勤時間 :平均 28 分(最長 75 分、最短 0 分) : 勤務時間帯

(人) 4 3

(人) 6

2

5

1

5

4

0

4

3

2 1

0

1

0

0

0

0

0

0

1

0

3

2 1

1

0 朝∼昼

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昼∼夕

夕∼夜

夜∼深夜

0 深夜∼朝

4-4. 調査結果 4-4-3. 店舗別調査結果

81


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-5. 分析 4-5-1. 分析 1. 休憩場所別  「4-4-1. 聞き取り調査結果」で分類した 3 つの休憩場所別に、休憩の満 足度を比較すると以下のようになった。 表 4-21 休憩場所別 休憩満足度 主な休憩場所 土足休憩室 裸足休憩室 客席休憩 全体平均

回答者

勤務時間

休憩時間

人数 ( 人 ) 平均(時間)平均(分) 33 5.4 40 41 5.7 31 28 7.3 22 102 6.0 31

休憩満足度(平均) 肉体的 精神的 2.4 1.7 0.5 1.6

2.9 2.4 1.1 2.2

3.5 2.9

3 2.5

2.4

2

2.4

2.2

1.7 1.5

1.5

肉体的休憩満足度

1.6

精神的休憩満足度 1.1

1 0.5

0.5 0 土足休憩室

裸足休憩室

客席休憩

全体平均

図 4-22. 休憩場所別 休憩満足度

3 つの休憩場所でみると、 『土足休憩室』が最も休憩の満足度が高く、 『裸 足休憩室』、『客席休憩』の順に満足度は下がっていった。回答者全体の平 均から見ても、『客席休憩』休憩満足度が顕著に低いことが伺える。勤務 時間と休憩時間の観点から見ると、勤務時間の長さは平均より長く、休憩 時間は短いという結果になった。今回、『客席休憩』の店舗は喫茶店(個 人経営)のみであり、経営形態の違いが雇用環境に影響を与えていること が推察される。

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4-5. 分析 4-5-1. 分析 1. 休憩場所別

82


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

『土足休憩室』『裸足休憩室』の2つは、勤務時間や休憩時間に差はある ものの、肉体的満足度で 1.5 倍程度の差がみられた。ここで、 「休憩中の 体勢」を休憩場所別に示すと以下のようになる。

35

31

30

人数

25 20

22 16

13

15

10

10 5 0

0 イスに座る

0

床に座る

0

0

ソファに座る

0

0

3

立ったまま

0

3

0

横になる

0

1

0

その他

裸足休憩室

31

0

0

0

0

0

客席休憩

16

13

10

0

3

1

土足休憩室

22

0

0

3

0

0

図 4-23. 休憩場所別 休憩中の体勢

『裸足休憩室』が最も体勢に違いがみられた。『土足休憩室』で全員が「イ スに座る」と回答したことと対照的である。休憩満足度と体勢の違いから、 靴を脱いで自由な体勢でくつろぐよりも、土足で座ったまま休憩すること が、仕事の間の休憩を過ごす空間としては望ましいものと考えられる。

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4-5. 分析 4-5-1. 休憩場所別分析

83


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-5-2. 分析 2. 休憩場所広さ別  調査店舗のバックヤードにおける休憩可能な面積を推定し、面積の大き い順に並べると以下のような順番になる。 表 4-22. バックヤードにおける休憩可能面積と休憩満足度 順位 店舗 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 8位 8位 8位 8位

店舗種類

回答者 バックヤード 休憩可能 休憩満足度 (平均) 人数 面積(㎡) 面積(㎡) 肉体的 精神的

番号 ⑨ ファストフード店 ⑫ ファミリーレストラン ⑪ ファミリーレストラン ⑬ 洋食レストラン (個人経営) ⑧ ファストフード店 ⑦ 喫茶店(個人経営) ⑩ ファストフード店 ① ② ③ ④ ⑥

喫茶店(個人経営) 喫茶店(個人経営) 喫茶店(個人経営) 喫茶店(個人経営) 喫茶店(個人経営)

19 11 16 6 9 4 13

39.1 19.6 25 8.9 15.6 3 4.7

14.3 7.9 6.9 3.2 1.4 1.4 1.3

4.2 1.8 -1.3 1.7 5 -2.5 1.2

4.2 3.6 0.9 0.8 4.4 0 1.2

2 3 4 6 5

2.5 1.7 0 0 0

0 0 0 0 0

5 3.3 -2.5 2.5 0

5 3.3 -2.5 2.5 0

次項【図 4-24】、【図 4-25】にて休憩可能面積と休憩満足度の散布図を 示すが、休憩場所の広さと休憩の満足度にはあまり関連性は見られなかっ た。  特に、バックヤードに休憩可能面積がない 5 店舗は、全て喫茶店であ り回答者数にも大きな差がないにも関わらず、休憩満足度には大きな違い が現れている。  これらにより、休憩の満足度は休憩場所の広さよりも他の要因が影響し ていると推察される。

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4-5. 分析 4-5-2. 分析 2. 休憩場所広さ別

84


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

休憩満足度 高 5

5

5 4.2

4 3.3

3

2.5

2

1.2

1 0

1.8

1.7

休憩可能 面積(㎡) 16

0

-1 0 -2

2 -2.5

-3

4

6

-1.3

8

10

12

14

ファストフード ファミリーレストラン 洋食レストラン 喫茶店

-2.5

-4 -5 休憩満足度 低

図 4-24. バックヤードにおける休憩可能面積と肉体的休憩満足度

休憩満足度 高 5

5

4 3 2

2.5 1.2 0

-1 0 -2 -3

4.2

3.6

3.3

1 0

4.4

0.9

0.8

休憩可能 面積(㎡)

0 2

4

6

8

10

12

14

16

-2.5

-4 -5 休憩満足度 低

図 4-25. バックヤードにおける休憩可能面積と精神的休憩満足度

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4-5. 分析 4-5-2. 分析 2. 休憩場所広さ別

85


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-5-3. 分析 3. 通勤時間別  通勤時間の長さごとに分類し、休憩の満足度を比べたものが以下である。 表 4-23. 通勤時間別 休憩満足度 通勤時間 (分) ∼5 6 ∼ 15 16 ∼ 30 31 ∼ 60 61 ∼ 全体平均

回答者

勤務時間

休憩時間 休憩満足度(平均) 人数(人)平均(時間)平均(分) 肉体的 精神的 25 4.9 27 3.6 3.4 21 6.2 39 2.1 2.1 17 7.1 30 1.8 2.7 13 6.6 32 0.4 1.5 9 6.1 27 1.7 2.2 102 6.0 31 1.6 2.2

5

4

3.6

3.4

3

2.6 2.3

2.2 2

1.7

1.9

1.8

肉体的休憩満足度 精神的休憩満足度

1.9 1.6 1.2

1

0.6

0 ∼5分

6∼15分

16∼30分

31∼60分

61分∼

全体平均

図 4-26. 通勤時間別・休憩満足

通勤時間の長さ毎に多少の振れ幅はあったが、概ね通勤時間が長くなる ほど休憩の満足度は下がっていく傾向にあった。このことから、通勤時間 中からオン時間は始まっており、通勤時間が長いほど良質な休憩が求めら れると推測される。

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4-5. 分析 4-5-3. 分析 3. 通勤時間別

86


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-5-4. 分析 4. 休憩時間別  休憩時間の長さを 15 分毎に分け集計し、短い順に並べたものが以下で ある。 表 4-24. 休憩時間長さ別 休憩満足度 休憩時間

回答者 勤務時間 休憩満足度(平均) (分) 人数(人)平均(時間) 肉体的 精神的 0 18 3.6 1.4 1.7 0 ∼ 15 10 6.2 2.0 3.5 16 ∼ 30 41 6.0 2.7 2.7 31 ∼ 45 5 6.7 -3.0 0.0 45 ∼ 60 20 8.2 0.5 1.8 61 ∼ 2 8.5 0.0 0.0 ( 全体 )31 102 6.0 1.6 2.2

4.0

3.5 2.72.7

3.0 2.0

1.4

1.7

2.0

2.2

1.8

1.0

1.6

0.5 0.0

0.0 0分

0∼15分 16∼30分 31∼45分 45∼60分

0.00.0

肉体的休憩満足度

61分∼ 全体平均

精神的休憩満足度

-1.0 -2.0 -3.0

-3.0

-4.0

図 4-27. 休憩時間長さ別 休憩満足度

休憩時間の長さは、労働基準法により定められているため、休憩時間が 長いほど勤務時間も長くなる。休憩満足度を見ると、休憩時間が 31 分を 超えると、肉体的にも精神的にも格段に低くなっている。このことから、 休憩時間が 30 分程度で収まるような範囲で働くことで、最も休憩の効果 が現れるものと推測される。

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4-5. 分析 4-5-4. 分析 4. 休憩時間別

87


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-5-5. 分析 5. 同時休憩人数別  同時に休憩に入る人数と休憩満足度の関係の分析を行った。 表 4-25. 同時休憩人数別・休憩満足度 同時休憩

回答者

勤務時間

休憩時間 休憩満足度(平均) 精神的 人数(人) 人数(人)平均(時間)平均(分) 肉体的 3 人以上 2人 1人 全体平均

10 16 34 102

6.8 5.9 7.0 6.0

51 38 34 31

-2.0 3.1 2.1 1.6

0.5 3.1 2.2 2.2

4.0 3.1 3.1 3.0 2.1 2.2 2.0

1.6

1.0 0.0

2.2

0.5

肉体的休憩満足度 精神的休憩満足度

同時に 3人以上

同時に 2人

自分1人

全体平均

-1.0 -2.0

-2.0

-3.0

図 4-28. 同時休憩人数別 休憩満足度

休憩の満足度は、『2 人』で休憩するが最も高くなった。アンケート回 答者全体の平均と比べても、肉体的・精神的どちらの休憩満足度も高かっ た。 「4-5-2. 分析 2. 休憩場所別」で述べたように、他の従業員の人目があり、 くつろぎ過ぎない方が効果的な休憩を取れるものと推察される。  勤務時間がほぼ等しい『3 人以上』での休憩と『1 人』での休憩を比べ ると、どちらの休憩満足度も『3 人以上』の方が大幅に低かった。休憩時 間の長さは『3 人以上』の方が平均で 27 分ほど長かったということからも、 同時に休憩する人数が多すぎる状況は望ましくないと推察される。  なお、「同時に休憩する人数が 3 人以上」という回答は、⑪・⑫の 2 店 舗で見られた。⑪は客席数 90 席、⑫は 260 席のファミリーレストラン

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4-5. 分析 4-5-5. 分析 5. 同時休憩人数別

88


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

である。バックヤード面積はそれぞれ 25.0㎡と 19.6㎡、休憩可能面積は それぞれ 6.9㎡と 7.9㎡となっており、全体では 2 番目と 3 番目に広い。バッ クヤードのある店舗に関して、1 人当たりの休憩可能面積が広い順に並べ ると以下のようになる。 表 4-26.1 人当たり休憩可能面積と休憩満足度 順位 1位 2位 3位 4位 5位 6位

店舗

休憩可能 同時休憩人数 1 人あたり 休憩満足度 (平均) 店舗種類 番号 面積(㎡) 平均(人) 面積(㎡) 肉体的 精神的 ⑨ ファストフード店 14.3 1.2 12.2 4.2 4.2 ⑫ ファミリーレストラン 7.9 2.3 3.5 1.8 3.6 ⑪ ファミリーレストラン 6.9 2.5 2.8 -1.3 0.9 ⑩ ファストフード店 1.3 0.8 1.6 1.2 1.2 ⑬ 洋食レストラン (個人経営) 3.2 2.0 1.6 1.7 0.8 ⑧ ファストフード店 1.4 1.0 1.4 5.0 4.4

⑪・⑫どちらの店舗も、1 人あたりの休憩可能面積は確保されている。 6 位の「⑧ファストフード店」の 2 倍以上の広さがあるにも関わらず⑪も ⑫も休憩満足度は⑧を超えていない。  ここからも、同時休憩人数が多い店舗で面積を広くすれば良い、という ものではないということが推察される。3人以上同時に休憩する店舗で休 憩満足度を高めるためには、パーティションなどの遮

物を用い、ある程

度自由に仕切ることを可能にするなど考えられる。

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4-5. 分析 4-5-5. 分析 5. 同時休憩人数別

89


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-5-6. 分析 6. 休憩中の行動別  休憩中の行動と休憩満足度の関係を調べるため、『肉体的に十分』『肉体 的に不十分』『精神的に十分』『精神的に不十分』の回答者がそれぞれどの ような行動をしているのかをまとめたものが以下である。 表 4-27. 休憩満足度別 休憩中の行動 休憩中の行動 他の従業員 食事を取る 眠る (人) 使う と会話する 十分 60 45 (75%) 52 (87%) 4 (7%) 19 (32%) 肉体的 不十分 27 20 (74%) 18 (67%) 8 (30%) 13 (48%) 十分 62 47 (76%) 53 (86%) 5 (8%) 22 (36%) 精神的 不十分 17 12 (7%) 12 (71%) 4 (24%) 6 (35%) ※()内の数字は、その行動をしている回答者の割合を示す 休憩満足度

100 (%) 90 75 76 80 70 74 71 60 50 40 30 20 10 0

回答者数

87

携帯電話を

その他 7 (12%) 4 (15%) 7 (11%) 2 (12%)

86

67

71 3248 7

30

36 35

8 24

肉体的に十分 12

11

15

12

肉体的に不十分 精神的に十分 精神的に不十分

図 4-29. 休憩満足度別 休憩中の行動

『肉体的に十分』と答えた回答者は、『肉体的に不十分』と答えた回答者 よりも「食事を取る」人数が 20%ほど高い結果となった。これは、『精神 的に十分』と『精神的に不十分』を比較しても同様の結果になっている。 このことから、休憩中に食事を取ることが休憩の満足度を向上させるとい うことが推察される。  また、 「眠る」と回答した人の割合は、肉体的・精神的どちらも『不十分』 の人が多かった。休憩が不十分だと考える人のために、快適に眠ることの できる休憩空間を作ることで全体の休憩満足度の向上に繋げることができ hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-5. 調査結果 4-5-6 分析 6. 休憩中の行動別

90


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

ると考えられる。  さらに、「携帯電話を使う」という回答に対して、具体的に何をしてい るのかをまとめたものが以下である。 表 4-28. 休憩満足度別 携帯電話使用内容 回答者数 メール・

休憩満足度

SNS

(人) LINE 十分 45 34 (76%) 25 (56%) 肉体的 不十分 20 12 (60%) 8 (40%) 十分 47 33 (70%) 24 (51%) 精神的 不十分 12 7 (58%) 5 (42%)

ゲーム 6 (13%) 3 (15%) 6 (13%) 2 (17%)

サイトの

その他 閲覧 9 (20%) 2 (4%) 8 (40%) 2 (10%) 9 (20%) 1 (2%) 7 (58%) 1 (18%)

100 (%) 90 80

76

70 60 50 40 30

70 56

60

58

51

40

20

58

42 13

10

15

0

13

肉体的に十分 肉体的に不十分

40 20 21

17

精神的に十分 4

精神的に不十分 10 2 8

図 4-30. 休憩満足度別 携帯電話使用内容

肉体的にも精神的にも、休憩が十分取れているという回答者は「メール・ LINE」 「SNS」をしている割合が休憩が不十分な回答者より高かった。逆に、 「ゲーム」「サイトの閲覧」をしているという回答割合は、肉体的にも精神 的にも休憩が不十分な回答者の方が多かった。  これらのことから、休憩中は積極的にバイトの外の友人などと交流を図 る方が休憩が効果的に休憩を取ることができると推測できる。 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

4-5. 調査結果 4-5-6 分析 6. 休憩中の行動別

91


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第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-6. 考察

休憩場所は、土足休憩室が最も適していることがわかった。自由な体勢 で休憩できるよりも、イスに座って土足のまま休憩を取る方が、特に肉体 的な休憩満足度が高いことが分かった。

本調査の結果から、休憩の満足度と休憩場所の広さには関係はないとい うことが推察できる。  通勤時間は短いほど肉体的な休憩満足度が高くなることが分かった。こ れは、通勤の時間中もオン時間が始まっており、結果疲れが溜まりやすい と考えられる。よって、なるべく通勤時間が短いところで働く方が良いと 考えられる。

休憩時間の長さは、30 分を超えると肉体的にも精神的にも休憩の満足 度が大きく下がることが分かった。飲食業で働く際は、休憩時間が 30 分 以内になるような勤務時間で働くと良いと推察される。  同時に休憩する人数は、3 人以上になると、休憩時間が長くても休憩満

足度が低くなることが分かった。3 人以上同時に休憩する店舗では、パー

ティションを用いて空間を仕切るなどの対策で、より効果的な休憩を取る ことが出来ると考えられる。

休憩中の行動は、食事を取ることが肉体的にも精神的にも休憩の満足度 を高めるということが推察できた。  一方で休憩が不十分だと感じている人は、休憩時間中に眠る人の割合が 高くなっていた。そのため、眠りやすい環境を整えることも、休憩の満足 度を高めることに繋がると考えられる。  また、休憩中に携帯電話を使う内訳として、『メール・LINE』や『SNS』 など、バイトの外の友人などと交流を図る人の方が、休憩の満足度が肉体 的にも精神的にも高くなっていた。一方で、休憩が不十分だと感じている 人は『ゲーム』や『サイトの閲覧』をする割合が高かった。

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4-6. 考察

92


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調

4-7. まとめ

本調査で休憩の満足度に影響を及ぼしている要素は 5 つあった。それは、 休憩場所、同時休憩人数、休憩時間、通勤時間、そして休憩中の行動であ る。休憩場所の広さは休憩の満足度には直結しないということがわかった。  今回の調査から導かれた、飲食業従業者にとって適切な休憩のかたちと しては、以下の5つが挙げられる。  ・土足の休憩室  ・休憩時間は 30 分以下

・同時に休憩する人数が 2 人以下  ・休憩中に食事を取る  ・メール・LINE や SNS などで外部との交流を図る

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4-7. まとめ

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第 5 章      まとめと展望 5-1. まとめ 5-2. 展望


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 5 章 まとめと展望

5-1. まとめ

本研究の目的は、飲食店におけるオフ時間の使われ方の実態を調査する ことで、満足度の高い休み方を明らかにし、休憩として最適なオフのかた ちを見つけることであった。  「第 3 章 接客業における休憩の実態調査」で行ったアンケート調査に より、接客業従業者の業務上のストレッサーが『仕事そのものについて』 『顧客関連』 『拘束時間の長さ』であるということが明らかになった。また、 感じる疲労の種類としては、肉体的な疲労よりも精神的な疲労のほうが回 答として多く挙げられた。  第 3 章の調査では、業種や立地によりストレッサーの内容が異なる傾 向が見られたため、 「第 4 章 飲食業における休憩空間の実態調査」では、 業種を飲食業に、立地を早稲田周辺に絞って調査を行った。  第 4 章の調査により、休憩の満足度に影響を及ぼしている要素を 5 つ 発見した。それは、 『休憩場所』、 『同時休憩人数』、 『休憩時間』、 『通勤時間』、 そして『休憩中の行動』である。休憩場所の広さは休憩の満足度には直結 しないということがわかった。  今回の調査から導かれた、飲食業従業者にとって適切な休憩のかたちと しては、以下の5つが挙げられる。  ・土足の休憩室  ・同時に休憩する人数が 2 人以下  ・休憩時間は 30 分以下  ・休憩中に食事を取る  ・メール・LINE や SNS などで外部との交流を図る  本研究の目的であった、満足度の高い休み方を明らかにし、休憩として 最適なオフのかたちを見つけることは達成された。

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5-1. まとめ

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第 5 章 まとめと展望

5-2. 展望

本研究によって導かれた良い休憩空間の条件は、莫大な費用や面積が必 *1 「IRORIO(イロリオ)」『カ ラダに疲労をチェックする タトゥーを開発?』 http://irorio.jp/ maruko/20130729/70849 2013 年 11 月 3 日閲覧

要なものでは無かった。例えば、休憩空間を、少し食事を取りやすい空間 にすることや、パーティションを用意することなどで、飲食店で働く方々 の休憩を少しでも満足の行くものにできる。これがもし、もっと他の業種 や、そもそも働くことに限らず住まいなどにも同じことを言えたなら、1 ㎡当たりで地価が決まる、容積に価値を置く考え方すらも変わって、設計 も大きく変わるかも知れない。  また、 「オフ時間中に SNS などを使い外部と交流することが休憩の満足 度に繋がる」という結果は、新しいパーソナルスペースを生み出す可能性 を持っている。いままでのパーソナルスペースは、2 人の人間の距離で 3 つに分類されていた。密接距離(0 ∼ 45cm:ごく親しい人に許される空 間)、個体距離(45 ∼ 120cm:相手の表情が読み取れる空間)、社会距離 (120cm ∼ 350cm:相手に手は届きづらいが、容易に会話ができる空間) である。しかし、本研究から、インターネット上など仮想空間が新たなパー ソナルスペースの要素になる可能性があることがわかった。歴史的に、 「休 む」ということが不真面目なことと捉えられる日本で、効果的に休むため にはより一層この分野での研究は進められるべきである。

本研究では、早稲田周辺という学生街の、飲食店のみに調査の対象を絞っ て、アンケートにて調査を行った。これが、オフィス街や、飲食店でも居 酒屋などであればまた違った傾向が見られることが予想される。また、肉 体的な疲労度などは個人の感覚に依るものであり、アンケート調査では限 界がある。  しかし現在、肌に塗布することで、疲れの原因である乳酸値の上昇を測 ることの出来るタトゥー *1 が開発されるなどしている。将来的には、より 正確なデータを取ることができるようになるだろう。

まだまだ本研究は発展途上にある。接客業はたくさんあるし、学生街や オフィス街、商店街では違った顔がみられるだろう。資料編のデータを参 考に、誰かが今後更なる発見をしてくれることを期待する。 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

5-2. 展望

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第 6 章      おわりに 6-1. 参考文献 6-2. 謝辞


やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

第 6 章 おわりに

6-1. 参考文献

●参考文献 1) 財団法人労働科学研究所『労働時間・休憩・交替制』労働科学研究所 出版部、1963 年 2) 青木宗也先生還暦記念論文集刊行委員会『青木宗也先生還暦記念論文 集 労働基準法の課題と展望』日本評論社、1984 年 3) 下村昇『下村式・小学漢字学習辞典』偕成社、2011 年 4) 鎌田正・米山寅太郎『新漢語林』大修館書店、2004 年 5) 総合研究開発機構『休暇の経済・社会的役割』総合研究開発機構、 1992 年

●参考論文 1) 吉岡陽介、川瀬貴晴、宗方淳「休憩室での短時間の高照度光照射が生 体リズムに与える影響」2009 年 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007981433 2013 年 10 月 18 日閲覧 2) 張暁丹、大井尚行、高橋浩伸「飲食店における外観デザインと『入り やすさ』に関する研究 昼間と夜間を総合した評価構造」2009 年 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007980136 2013 年 10 月 16 日閲覧 3) 南さや香、伊藤俊介「商品としてみた飲食店の内部空間に関する研究: 居酒屋チェーンにおける空間デザインの時系列的分析」2005 年 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007078457 2013 年 10 月 16 日閲覧

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6-1. 参考文献

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やすみのデザイン ー飲食業におけるスタッフのオフスペースの分析ー

4) 田村正、千葉政継「ホテルの料飲・宴会場

第 6 章 おわりに

りの空間構成と従業員数

との関係」2006 年 http://ci.nii.ac.jp/naid/110004836868 2013 年 10 月 24 日閲覧

●参考電子文献 1)「統計局ホームページ」『労働力調査 長期時系列データ』 http://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/03roudou.htm 2013 年 10 月 23 日閲覧 2)「総務省・統計局ホームページ」『日本標準産業分類 (平成 19 年 11 月改定)』 http://www.stat.go.jp/index/seido/sangyo/19index.htm 2013 年 11 月 1 日閲覧 3)「統計局ホームページ」『労働・就業の状態に関する用語』 http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/users-g/word4.htm 2013 年 10 月 31 日閲覧 4)「統計局ホームページ」『産業(3 部門)別就業者数の推移(1950 年∼ 2005 年)産業(3 部門)別就業者の割合の推移(1950 年∼ 2005 年)』 http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/kouhou/useful/u18.htm 2013 年 10 月 31 日閲覧 5)「日経ビジネスオンライン」『韓国夏休み事情:3 泊 4 日がせいぜい』 http://business.nikkeibp.co.jp/article/ 2013 年 10 月 20 日閲覧 6)『グルメキャリー首都圏』「フードサービス業界の労務相談」 http://www.gourmetcaree-tokyo.com/contents/qa/1771.html hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

6-1. 参考文献

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第 6 章 おわりに

2013 年 10 月 30 日閲覧 7)「エクスペディアジャパン」『日本人は休みベタ?有給休暇国際比較調 査 2012』 http://www.expedia.co.jp/corporate/holiday-deprivation2012.aspx 2013 年 11 月 1 日閲覧 8)「総務省統計局」『平成 24 年経済センサス』 http://www.stat.go.jp/data/e-census/2012/kakuho/gaiyo.htm 2013 年 10 月 23 日閲覧 9)「日経就職ナビ 2014」『人気企業ランキング』 https://job.nikkei.co.jp/2014/open/enterprise/ninki/ 2013 年 10 月 24 日閲覧 10)「ブラック企業大賞」 http://blackcorpaward.blogspot.jp/ 2013 年 10 月 24 日閲覧 11)「総務省・統計局ホームページ」『大分類 M 宿泊業,飲食サービス 業 説明及び内容例示』 http://www.stat.go.jp/index/seido/sangyo/pdf/19san3m.pdf 2013 年 10 月 25 日閲覧 12)「IRORIO(イロリオ)」 『カラダに疲労をチェックするタトゥーを開発?』 http://irorio.jp/maruko/20130729/70849 2013 年 11 月 3 日閲覧

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6-1. 参考文献

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第 6 章 おわりに

6-2. 謝辞

なんとか卒業論文の形になり、謝辞を書けることをとてもうれしく思い ます。文章を短くまとめるのが下手なのとテンション上がっているので、 だらだら長く書かせてもらいます。

最初のお礼は、わたしのような人を研究室に入れてくださった仁史先生 へ。周りがみんなすごいひとばかりで、刺激に溢れる充実した研究室生活 を送れたのは、仁史先生のお陰です。今度石垣島に絶対行きます!  わたしの研究を面白いと言ってくださった中村先生、美味しいお菓子を 沢山差し入れてくださった林田先生、いつも的確なご意見を下さった小林 先生、お世話になりました!ありがとうございました!  次に、わたしの全く知らない世界な様々なことから英語タイトルをつけ るまで様々なことを教えてくださった菊地さん、ご自身も忙しいにも関わ らずいつも笑顔でアンケート分析などを教えてくださった馬淵さん、あり がとうございました!  そして、5 月くらいからずっと卒論指導をして下さった伊永さん、本当 にお世話になりました!何から何まで頼りっぱなしでしたし、何より卒論 でひいひい言っているわたしよりずっと忙しそうにしていた印象がありま す・・・みっちーと一緒にのんびり出かけたりしてください。お幸せに!  のんさん、可愛くて癒されまくりでした、ありがとうございました!良 爾さん、来年は 1 位とって美味しいものを食べに連れて行ってください!  そして一緒に頑張った研究室のみんなへ。愛彩ちゃん、名美映師匠、か いこ姐さん、麻美ちゃん、佐藤くん、立野くん、陳くん、トム君、ひろぽ ん、藍ちゃん、柳瀬くん、みんなのお陰で卒論を楽しく書くことができま した、ありがとう! 特に最後の 2 週間は、みんなとずっと研究室で一緒にいられて本当に楽 しかったです。マイペースなやつで、扱いづらかったかとは思うけど、わ たしは一緒にいられてとても良かったです!!卒論を書き終えちゃうのが ちょっと寂しいくらい。いや書き終わったのは嬉しいけど笑

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6-2. 謝辞

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第 6 章 おわりに

そして何より、調査に協力して下さった皆様に心よりお礼申し上げます。 プレ調査のアンケートに答えてくれた研究室やサークルのみんな、ありが とう!研究に関係ない話をすることで、癒されたりリフレッシュできて有 難かったです。特におにーさん、差し入れまでもらって本当にお世話にな りました・・・!  そして本調査で一銭にもならないのにお話を聞かせてくださってアン ケートを書いてくださった、 くら寿司セブンタウン小豆沢店のみなさま(よっしー取次ぎ本当にありが とう!)、 高田牧舎のみなさま、 カフェムルシエラゴのみなさま、 サイゼリヤ 西早稲田店のみなさま、 もぐら食堂のみなさま、 Le Cafe RETRO のみなさま、 QUNE のみなさま、 norari:kurari のみなさま、 モスバーガー 早稲田店のみなさま(バニラシェイクご馳走様でした!)、 うるとらカフェ池袋のみなさま、 マクドナルド 早稲田駅前店のみなさま、 天丼てん屋 早稲田店のみなさま、 うるとらカフェのみなさま(紅茶ご馳走様でした!)、 本当にお世話になりました!!あなた方のような親切な方がいなかったら わたしは卒論を書けませんでした。今度は必ずお客として行きます!!後 世に渡って店が栄えまくることをささやかながら祈っております。とりあ えずこの論文を読んだあなたは上記の店舗に積極的に足を運んでくださ い。呪いのメールレベルで友達に拡散しまくって早稲田の食べ物やさんと あの親切さを味わってください。泣きそうになるくらいみんな良い人たち です。  そして、この論文を読んでくださった皆様に最後にお礼を申し上げてし めさせていただきたいと思います。こんなだらだらした論文を読んでいた だけて光栄の極みです。抱きしめたい。ありがとうございましたー!!! 2013 年 11 月 5 日 宮島英里 hitoshi watanabe lab. waseda univ. bachelor's thesis 2013

6-2. 謝辞

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