建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

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U 1409

早稲田大学創造理工学部建築学科卒業論文 指導教授 渡辺仁史

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

Expression of architecture by onomatopoeia based on the spaces element

若山 麻衣

Department of Architecture, School of Science and Engineering, Waseda University


建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

Expression of architecture by onomatopoeia based on the spaces element


建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

本編

HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV. 2014


建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

1 はじめに

1.1 はじめに 1.2 もくじ

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

1. はじめに

1.1 はじめに

<雰囲気>を、うまく言葉にできない。

2年生の住宅課題の時も、 「えっと、 、土が積もった、重たい感じの壁で、、(そうなんだけど!)」

3年生の美術館課題の時も、 「こう、エネルギーが地面から突き出た感じで、、、(うーん、何か足りない!) 」

自分が頭の中で想像している <雰囲気>を うまく言葉にできなくて 伝えられないし 伝えきれないことが ずっと続いていた。

どうすれば<雰囲気>を伝えられるだろう。 どうすれば満足に伝えられるだろう。

そんな思いから この研究は始まりました。

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

1. はじめに

1.2 目次 本編 1. はじめに  1.1 はじめに

1

1.2 目次

2

2. 研究背景  2.1 雰囲気を伝えるためには

4

2.1.1 雰囲気とは

4

2.1.2 相手に雰囲気を伝える

5

2.1.3 建築家に雰囲気を伝える

8

2.2 オノマトペについて

9

2.2.1 オノマトペとは

9

2.2.2 オノマトペの性質

10

2.2.3 日本とオノマトペ

13

2.2.4 オノマトペの使用頻度

15

2.2.5 性質を生かした活用事例

16

2.3 オノマトペで雰囲気を伝える

19

3. 研究概要  3.1 研究目的

20

3.2 研究フロー

21

3.3 既往研究

22

3.3.1 オノマトペの性質に関する研究

22

3.3.2 専門分野でのオノマトペの研究

25

3.4 本研究の位置づけ

27

4. 実験概要  4.1 基礎調査

29

4.1.1 調査概要

29

4.1.2 調査方法

30

4.1.3 調査結果

31

4.1.4 考察

33

4.2 オノマトペの抽出調査

34

4.2.1 調査概要

34

4.2.2 調査方法

35

4.2.3 調査結果

36

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2


建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

1. はじめに

5. 分析考察  5.1 視野による分類

47

5.1.1 視野の定義

47

5.1.2 分類方法

49

5.1.3 結果と考察

50

5.2 要素による分類

52

5.2.1 要素の定義

52

5.2.2 分類方法

53

5.2.3 結果と考察

54

5.3 オノマトペ要素分布チャート

57

5.4 各オノマトペの特性の分析

63

5.4.1 ゆったり

64

5.4.2 すっきり

66

5.4.3 たっぷり

68

5.4.4 のびのび

70

5.4.5 ぐるり

72

5.5 オノマトペの特性の比較

74

5.5.1 細部における比較

75

5.5.2 内部における比較

77

5.5.3 外部における比較

79

5.5.4 配置における比較

81

5.5.5 総合比較

83

6. まとめ  6.1 結論

85

6.2 課題と展望

86

7. おわりに  7.1 謝辞

87

7.2 参考文献

88

別冊 オノマトペ要素分布チャート

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

2 研究背景

2.1 雰囲気を伝えるためには 2.11 雰囲気とは 2.1.2 相手に雰囲気を伝える 2.1.3 建築家に雰囲気を伝える 2.2 オノマトペについて 2.2.1 オノマトペとは 2.2.2 オノマトペの性質 2.2.3 日本とオノマトペ 2.2.4 オノマトペの使用頻度 2.2.5 性質を生かした活用事例 2.3 オノマトペで雰囲気を伝える

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2. 研究背景

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2.1 雰囲気を伝えるためには 2.1.1 雰囲気とは

*1

<雰囲気>とは、岩波国語辞典*1によると以下のように説明されている。

西尾実 (2011) 『岩波国語辞 典 』 第 7 版新版、株式会社岩波 書店

ふんいき【雰囲気】その場を満たしている一般的な気分・空気。(p.1332)

本研究では、<雰囲気>を、人が作り出す「気分・空気」ではなく、建築や空間が 作り出す「気分・空気」と定義し、研究を進める。図 2.1.1-1 に建築や空間が作り 出す雰囲気のイメージを示す。

(a) 空間の雰囲気のイメージ

(b) 建築の雰囲気のイメージ

図 2.1.1-1 建築や空間が作り出す雰囲気のイメージ

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2. 研究背景

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2.1.2 相手に雰囲気を伝える

本研究では建築や空間の雰囲気を伝える場面を想定する。図 2.1.2-1 に建築や空 間の雰囲気を満足に伝えられないイメージを示す。建築や空間の雰囲気を伝える場 面において、相手に雰囲気を満足に伝えられない状況を示す例として、自分の経験 を2つ示す。

感覚

図 2.1.2-1 建築や空間の雰囲気を満足に伝えられないイメージ

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2. 研究背景

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

■旅先で見た物を相手に伝える

*2

*2

町田ひろ子アカデミー (2012)『ラクラク突破 のインテリアコーディ ネーター合格テキス ト』インパクト出版会、 p.77)

つまり、説明の際に、体験した空間の要素が不足していたり、写真・絵でも表現で きなかったりしたためにその空間の雰囲気を満足に伝えられず、自分の中で消化不 十分に終わってしまったのである。

図 2.1.2-2 教科書のパンテオン内部の写真

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2. 研究背景

■自分が創造したものを相手に伝える

つまり、自分の頭の中には創造した空間があり、その空間の要素を説明したものの その空間の雰囲気を満足に説明できず、ここも自分の中で消化不十分に終わってし まったのである。

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2. 研究背景

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2.1.3 建築家に雰囲気を伝える

建築や空間の雰囲気を伝える場面の例の一つとして、クライアントと建築家の打 ち合わせがある。設計において、クライアントが建築家に自分の頭の中で創造して いる物をうまく伝えられるように促すことは最も重要と言っても過言ではない。ク ライアントは想像した住宅や展示場の雰囲気を満足に伝えられていないために、頭 の中で創造していた物と完成した物との差異が生まれる可能性があるからである。 設計会社各社のホームページを閲覧すると、クライアントとのイメージ共有を重大 事項として謳っている会社が多いことが分かる。図 2.1.3-1 に設計各社のホームペー ジ画面を示す。 注1 『大松建設株式会社』 http://www.daishoukensetsu.co.jp/ (2014 年 10 月 18 日 閲覧 ) 注2 『IFA 住宅設計室』 http://www.ifainc.jp/ (2014 年 10 月 18 日 閲覧)

(a) 大松建設株式会社注1

(b)IFA 住宅設計室注2

(c)FIT 建築設計事務所注3

(d) 株式会社オームラ設計注4

注3 『FIT 建築設計事務所』 http://www.fit-arch. com/ (2014 年 10 月 18 日 閲覧) 注4 『株式会社オ ー ム ラ 設 計』 http://omura-sekkei. co.jp/ (2014 年 10 月 18 日 閲覧)

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図 2.1.3-1 設計各社のホームページ画面

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2. 研究背景

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

2.2 オノマトペについて 2.2.1 オノマトペとは

オノマトペとは、岩波国語辞典*1によると以下の言葉を指す。 オノマトペ 自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音(おん)で象徴的に表した語。 音象徴語。擬音語・擬声語・擬態語など。(p.185)

また、擬声語・擬音語・擬態語とはそれぞれ以下の言葉を指す。 *1 西尾実 (2011) 『岩波国語辞 典 』 第 7 版新版、株式会社岩波 書店

ぎせいご【擬声語】  自然現象の音にまねて作った語。例、がたぴし・こけっこっこー。 (p.329) ぎおん - ご【擬音語】→ぎせいご(擬声語) 。(p.317)

ぎたい - ご【擬態語】  物事の状態・身ぶりを、それらしく表した語。例、にこにこ・べっ たり。(p.331)

つまり、オノマトペとは擬声語・擬態語を総称した言葉であり、 「自然界の音・声、 物事の状態や動きなど」を表現する言葉である。

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2. 研究背景

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

2.2.2 オノマトペの性質

オノマトペには「表現力が強い」 「自分で作ることができる」という2つの性質が ある。これらの2つの性質について、以下に示す。

■表現力が強い *3

小野* 3 は、オノマトペの表現の強さを以下の例を挙げて説明している。

小 野 正 弘 (2007)『 日 本語オノマト ペ 辞 典 』

オノマトペは、通常の言葉をいくつ並べても、そのニュアンスを正確に伝えることが難

株式会社小学館

しい。たとえば、 「すっかり」 という言葉が使えないと仮定してみよう。つまり、 たとえば、 「どうもすっかり遅くなってすみません」と言えなくなるのである。これを「どうも完 全に遅くなってすみません」と言おうとすると、まず第一にすわりが悪く、また、 「完 全に」でも申し訳ない気持ちが伝わらなくはないが、どこか客観的な判定を他人事のよ うにしている感じで、 「すっかり」の持つ、 「自分でも申し訳ないと、ずっと気にしてい たのですが、実は、途中で捨て猫をみつけてしまって、あ、いや、すぐに何とかなると 思っていたんですけど、そうもいかなくて……あっと気がついたら、もうこんなに遅く なっていて……」などという、そこに来るまでの当人の行動や心の動きが見えてこない。 「すっかり」が含む物語を終えるには、千以上の言葉を必要とする。 (中略)この通常の 言葉では言い尽くせないことを、ずばりと言うことができるところに、オノマトペの強 い表現力と尽きぬ魅力がある。(pp.3-4)

つまり、オノマトペは「通常の言葉では言い尽くせないことを、ずばりと言う事が できる」「強い表現力」があり、一つの言葉から様々な要素を想起させられる性質を 持っている。図 2.2.2-1 に一つの言葉から様々な要素が想起させられるイメージを 示す。

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2. 研究背景

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

雰囲気

感覚

感情

オノマトペ

図 2.2.2-1 一つの言葉から様々な要素が想起させられるイメージ

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2. 研究背景

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

■自分で作ることができる  オノマトペはもともと、 「名前を造ること」という意味がある。オノマトペの語源 はフランス語の "onomatopee" であり、英語だと "onomatopoeia" とつづる。 *4 相 賀 徹 夫 (1974)『 小 学館ランダムハウス英 和辞典 第3巻』株式 会社小学館

『小学館ランダムハウス英和辞典』* 4 では "onomatopoeia" を以下のように説明し ている。 on・o・mat・o・poe・ia 1擬声[語形成] :その対象物が発するまたは対象物を連想 される音をまねて造語すること。(p.269)

つまり自分が表現したいものを自分で造った言葉がオノマトペであり、自分で感じ たものを適切に表現する言葉が無い場合に生まれる言葉なのである。

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2. 研究背景

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2.2.3 日本とオノマトペ

日本とオノマトペには深いつながりがある。その理由を以下に2つ示す。

■オノマトペの数  オノマトペは海外でも見られるが、特に日本ではその数は圧倒的に多い。未来新 聞* 5 では以下のように説明している。

*5 「 『オノマトペ』世界 標 準 化、 日 本 語 が 有力候補に」 『未来 新 聞 』http://www. miraishimbun.jp/ article/9e014e9a-

日本はオノマトペが豊富と言われているが、その数は 4800 種類以上で、他言語の5 倍以上となる。動詞の種類が細かく分類されている、英語やフランス語などに対し、日 本語は動詞や副詞の種類が少なく、それを補うためにオノマトペが発達したのではない かと推測される。

0cc5-4451-bf6788d2e887c1cd (2014 年 10 月 18 日 閲覧)

オノマトペは新聞や雑誌など、様々な媒体に使用されるが、特に多いのが漫画である。 日本で漫画が発達したのはオノマトペの量が豊富だったからと言っても過言ではな い。図 2.2.3-1 に漫画でのオノマトペの使用例を示す。

(a)『名探偵コナン

*6 青 山 剛 昌 (2001)『 名 探偵コナン

』株式会

社小学館、p.136

』* 6

(b)『銀の匙 Silver Spoon ①』* 7

図 2.2.3-1 漫画でのオノマトペの使用例

*7 荒 川 弘 (2011)『 銀 の 匙 Silver Spoon ① 』 株式会社小学館、p.54

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2. 研究背景

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■オノマトペの最古の使用例  日本でははるか昔から使用されており、古くからなじみのある言葉なのである。 *8

桜井* 8 は以下のように説明している。

桜 井 順 (2010)『 オ ノ マトピアー擬音語大国 にっぽん考』株式会社 岩波書店

「古事記」

注5

には、そのほか大きな魚をサワサワと釣りあげるその重みで竿がトヲヲト

ヲヲになる、とか、路をスクスクと進む、風で木の葉がサヤサヤと鳴る、などの表現が みられる。(p.181)

注5 古事記 日本現存最古の歴史書

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2. 研究背景

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2.2.4 オノマトペの使用頻度

近 年 で は オ ノ マ ト ペ の 使 用 が 増 加 傾 向 に あ る。 そ の 原 因 と し て、twitter や facebook などの SNS の発達が考えられる。オノマトペは1つの言葉で様々な情報 を感覚的に表現することができ、かつ自分で作ることができるため、リアルタイム に字数制限のかかった SNS での投稿には最適であると言える。オノマトペがさらに 身近な言葉として日常的に使用されていることがわかる。図 2.2.4-1 に twitter のオ ノマトペの使用ランキングを掲載しているオノマトペラボ注6のホーム画面を示す。

注6

図 2.2.4-1 オノマトペラボ

「オノマトペラボ」 h

t

t

p

:

/

/

onomatopelabo.jp/ (2014 年 10 月 21 日 閲覧) オノマトペラボで は、 あ る 一 日 に つ き、 twitter に お い て 最 も 使用が多かったオノマ トペをランキングで発 表されている。

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2. 研究背景

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2.2.5 性質を生かした活用事例

オノマトペの性質を生かし有効に活用されている事例を以下に3つ示す。 ■医療現場おける活用例* 9

*9 「NHK ク ロ ー ズ ア ッ プ現代」 『 ぱみゅぱ みゅ

じぇじぇじぇ

滋賀医科大学付属病院では、患者とのコミュニケーションとして、オノマトペに よるカウンセリングを行っている。患者から発せられる症状を表すオノマトペは病 気のヒントになるというだけではないという。

∼「 オ ノ マ ト ペ 大 増 殖 の 謎 」 ∼』(2013 年 6 月 11 日 放 送 ) http://www.nhk. or.jp/gendai/kiroku/

オノマトペによるカウンセリングは、医者が患者をより深く理解するだけでなく、患者 自身が、自分の症状に正面から向き合う力を与える効果があることも分かってきました。 女性患者「頭の中が むにょむにょ するときがあって…。 」この女性は、それまで漠

detail02_3362_5.

然と感じていた言葉にできない不安を、 むにょむにょ という具体的な単語に置き換

html

えて語るうちに、その不安に慣れ、コントロールできるようになってきたといいます。

図 2.2.5-1 に女性患者の様子を示す。この女性患者は「それまで漠然と感じていた 言葉にできない」不安を、オノマトペで表現したことで症状を「コントロール」で きるようになってきたということから、オノマトペが<自分の言葉で表現する>の に有効であると考えられる。

図 2.2.5-1 女性患者の様子

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2. 研究背景

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

■スポーツ指導現場における活用例* 9

*9 「NHK ク ロ ー ズ ア ッ プ現代」 『 ぱみゅぱ みゅ

福島大学陸上部ではスポーツ指導現場において選手にオノマトペを用いて指導を 行っている。川本和久監督は以下のようにインタビューに応えている。

じぇじぇじぇ

∼「 オ ノ マ ト ペ 大 増 殖 の 謎 」 ∼』(2013 年 6 月 11 日 放 送 ) http://www.nhk.

「少し膝の屈伸も使いなさいという意味で、 ぐい を言ってみました。 」 「 ぐい を使 わずに言うと、どういう言葉になりますか?」 「いいか、足首を曲げて、膝を下に向けて、 そして今度は自分の重心を前に行った時に、逆の膝を引き上げて、それもな地面と水平

or.jp/gendai/kiroku/

になるように、っていうのを、いろいろ言わなきゃいけないんです。 」 (中略) 「選手た

detail02_3362_5.

ちというのは、コンピューターみたいに命令してあげたら、ここのボタンを押したらこ

html

ういう形が出ますよ、というわけではないので、やっぱりオノマトペで新しく感覚を作っ てあげたほうが早いですね。 ポン とか ピュン とかいう擬態語を使ってあげたら、 脳の中に神経回路ができるので、そこを手がかりに、どんどんどんどん自分の中で運動 のイメージが広がってきますね。 」

図 2.2.5-2 にスポーツ指導の様子を示す。川本の、選手に「新しい感覚を作」るため にオノマトペを使用し、またオノマトペを使用することで選手の「中で運動のイメー ジが広がって」いくという供述から、オノマトペが<自分が受ける感覚をそのまま にして伝える>のに有効であると考えられる。

図 2.2.5-2 スポーツ指導の様子

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2. 研究背景

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

■製品開発現場における活用例* 9

*9 「NHK ク ロ ー ズ ア ッ プ現代」 『 ぱみゅぱ みゅ

品開発のヒントとして用いた。

じぇじぇじぇ

∼「 オ ノ マ ト ペ 大 増 殖 の 謎 」 ∼』(2013 年 6 月 11 日 放 送 ) http://www.nhk. or.jp/gendai/kiroku/ detail02_3362_5. html

大手自動車部品メーカーは電気通信大学で行われているオノマトペの研究を新製

このメーカーが開発に力を注いでいるのは、見た目が金属に見えるプラスチック素材だ といいます。 (中略)ところが、これまで15種類の試作品を作ったものの、どうして も金属に見えるものが作れないというのが悩みでした。大学側が提案したのは、オノマ トペを指標にした評価実験でした。被験者には両方とも金属だと伝え、直感的に浮かん だ感覚をオノマトペで表現してもらいます。 (中略)本物の金属に対しては ザラザラ という回答が多かったのに対し、メーカーが作ったサンプルには ツルツル という言 葉が数多く飛び出したのです。金属に近づけようと、表面を滑らかに仕上げていたこと が、逆に金属に見えない原因になっていたことが分かりました。カルソニックカンセイ グローバルテクノロジー本部荒井和夫さん「なかなか物理的に測ることができないよう な差がですね、オノマトペを使うと、区別できるようになった。新しいツールが1つ手 に入った気がします。 」

図 2.2.5-3 に金属評価実験の様子を示す。この評価実験から、オノマトペが<物理 的に測ることができない差を区別する>のに有効であると考えられる。

図 2.2.5-3 金属評価実験の様子

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2. 研究背景

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

2.3 オノマトペで雰囲気を伝える

図 2.1.2-1 に建築や空間をオノマトペで伝えるイメージを示す。2.2 より、オノマ トペは建築や空間の雰囲気を伝える場面でも有効に活用できるのではないかと考え る。その理由として以下に 2 つ示す。

・オノマトペは表現力が強いため、ある空間の雰囲気を伝えたい時でもその空間の要 素をくまなく表してくれる可能性があるとと考えられる。 ・オノマトペは自分で作る事ができるため、ある空間の雰囲気を伝えたい時でも、そ の空間の要素を説明する言葉が見つからない場合自分で作ったオノマトペを使う事 で満足に伝えられるのではないかと考えられる。    ゆえに、オノマトペは建築や空間の雰囲気を伝える場面でも有効に活用できる可 能性を示すため、建築や空間を表現するオノマトペの特性について研究する。

オノマトペ

図 2.1.2-1 建築や空間の雰囲気をオノマトペで伝えるイメージ

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

3 研究概要

3.1 研究目的 3.2 研究フロー 3.3 既往研究 3.3.1 オノマトペの性質に関する研究 3.3.2 専門分野でのオノマトペの研究 3.4 本研究の位置づけ

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

3. 研究概要

3.1 研究目的

建築に関するオノマトペを抽出し、雰囲気を伝える言葉として有効かどうか、オ ノマトペの特性を探ることを目的とする。

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3. 研究概要

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

3.2 研究フロー

図 3.2-1 に、本研究の研究フローを示す。

基礎調査 建築や空間の雰囲気を伝える場面におけるオノマト ペ使用の現状ヒアリング調査

調査方法の検討

オノマトペの抽出調査 住宅雑誌による、一般的に使用されているオノマト ペの抽出調査

分析 オノマトペが説明する言葉によってオノマトペを分類

考察 図 3.2-1 研究フロー

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

3. 研究概要

3.2 既往研究 3.3.1 オノマトペの性質に関する研究

オノマトペは一つの言葉から様々な要素を想起させられる性質を持っている。オ ノマトペの性質に関する研究を以下に示す。

■オノマトペと色 * 10 牧野暁世 (2012)

牧野* 10 は、 各オノマトペによる連想色は、 同じカテゴリ内において同一色相で明度・ 彩度の異なるものが多く選択されることを明らかにした。

「オノマトペ に よ る 色 彩印象」 『 金 城 学 院 大 学 論 集』人文科学 編 9(1)、

牧野ら* 11 は、オノマトペに対応した画像を色ありと色なし印象評定を行い、オノ マトペによって、色ありと色なしで評価の差が見られるものと見られないものがあ

pp.133-142

ることを明らかにした。

* 11

平田ら* 12 は、オノマトペの音と色の関係を調査し、有声子音と黒色、無声子音と

牧 野 暁 世、 高 橋 晋 也 (2011) 「空模様画像 の 色 お よ

白色との間に感覚間一致が見られ、また、音を文字として呈示した場合でも同じ結 果が現れることを明らかにした。

び形態とオノマトペ表 現との関係」 『日本色彩学会誌』 35(Spplement)、 pp.120-121 * 12 平田佐智子、喜多伸一

(2010) 「 オ ノ マ ト ペ・ 音 韻 象 徴はコミュニケーショ ンに貢献するか」 『電子情報通 信 学 会 技 術研究報告』ヒューマ ンコミュニケーショ ン 基 礎 109(457)、 pp.25-26

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3. 研究概要

■オノマトペと刺激 * 13 早川智彦、松井茂、渡 邉涼司 (2010) 「オノマトペ を 利 用 し た触り心地の分類手 法」 『日本バーチ ャ ル リ ア リティ学会論文誌』

早川ら* 13 は、触覚オノマトペから連想される大きさ感、摩擦感、粘性感、を5段 階の主観評価の結果を用い、オノマトペの音で分類する事で新しい触想図を構築し た。  江頭ら* 14 は、音声刺激と触覚刺激を用いた時、オノマトペと理性語の言葉の意味 と触感の差を比較し、オノマトペ音声の認知過程は理性語音声の認知過程よりも触 覚刺激の影響を受けることを明らかにした。

15(3)、pp.487-490 * 14 江頭優佳、本井碧、崔 多美、 [マツ]本吏子、 高 倉 潤 也、 西 村 貫 孝、 綿貫茂喜 (2014) 「触覚刺激が オ ノ マ ト ペ音声の認知過程に及 ぼす影響」 『日本生理人類学会誌』 19(2)、pp.69-75

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

3. 研究概要

■オノマトペと感情 * 15 内 田 ゆ ず、 荒 木 健 治、 米山涼 (2011) 「ブログ記事 か ら 抽 出 した用例文に基づくオ ノマトペの感情分析」 『情報科学技 術 フ ォ ー ラ ム 講 演 論 文 集 』

内田ら* 15 は、ブログ記事からオノマトペとオノマトペの周辺文脈に表れる感情情 報を抽出し、オノマトペから受ける感情印象と書き手の感情との整合性を明らかに した。  高橋ら* 16 は、非言語コミュニケーションが伝える情報(感性)とは何かという観 点から、オノマトペから得られる感性を調査し、その結果を用いて非言語コミュニ ケーションの特徴空間を作成した。

10(2)、pp.273-279 * 16 高 橋 康 介、 三 橋 秀 男、

北中ら* 17 は、アンケートにおける評価尺度として、形容詞に変わる、オノマトペ を用いた新しい評価尺度を提案した。

則 枝 真、 仙 洞 田 充、 村 田 一 仁、 渡 邉 克 巳 (2009) 「非言語コミ ュ ニ ケ ー ションが伝える感性: オノマトペによる心理 学的検討」 『電子情報通 信 学 会 技 術報告』ヒューマンコ ミュニケーション基礎 109(224)、pp.11-16 * 17 北 中 祐 樹、 竹 内 和 広 (2010) 「印象調査ア ン ケ ー ト のためのオノマトペ表 現による評価尺度の拡 張」 『電子情報通 信 学 会 技 術研究報告』思考と言 語 110(313)、pp.1-6

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

3. 研究概要

3.3.2 専門分野でのオノマトペの研究

オノマトペはその性質を有効に利用するために、様々な専門分野において研究が行 われている。専門分野におけるオノマトペの既往研究を以下に示す。

* 18 上 田 祐 也、 清 水 祐 一

■医療分野  上田ら* 18 は、ユーザが自身の痛みや症状を表現するオノマトペを入力すると、各

郎、坂口明、坂本真樹

評価尺度に対して痛みの量と質の特徴を定量的に提示する、患者と医師間のコミュ

(2013)

ニケーション支援システムを構築した。

「オノマトペ で 表 さ れ る痛みの可視化」 『日本バーチ ャ ル リ ア リティ学会論文誌』 18(4)、pp.455-463 * 19

■スポーツ分野  藤野* 19 は、中学生にアンケートを実施し、スポーツオノマトペがどのようなイメー ジとして捉えられているかを明らかにした。

藤野良孝 (2011) 「中学校で使 用 さ れ て いるスポーツオノマト ペのイメージに関する 実態調査」 『情報学研究 : 朝日大学 経営学部電子計算機室 年報』20、pp.27-34

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3. 研究概要

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

* 20 秋田剛、辻村壮平、佐 野 奈 緒 子、 古 賀 誉 章 (2013) 「画像上に記 載 す る オ ノマトペによる環境の 表現と伝達の有効性に 関する研究」 『学術講演梗概集』 2013( 環 境 工 学 I)、 pp.75-78 * 21 篠崎智弘、佐野奈緒子、 古賀誉章、秋田剛、辻 村壮平 (2012) 「オノマトペ 表 現 が 想

■建築分野  秋田ら* 20 は、画像上にオノマトペを記載する手法が、実空間での環境の状態とそ れに対する感覚を表現出来ること、および他者との間での感覚の共有やその第三者 への伝達に関する有効性について検証し、明るさ感・喧騒感については、実空間体 験を共有・伝達が可能であることを明らかにした。  篠崎ら* 21 は、オノマトペ表現により想起した環境・状態を分類し、快・不快情動 に着目することで、 「体感の物理的特徴を伝達できる語」と「体感とそれに伴う情動 を伝達できる語」の2種を得た。  今枝ら* 22 は、新建築から得られた設計者の言説におけるオノマトペを言語学から 音象徴的に捉え分類し、更にオノマトペが説明する言葉(主体)をもとに表 3.3.2-1 に示す建築の要素の分類をすることで、設計者が使用するオノマトペが何を表現し ているのか(主体特性)を明らかにした。

起させる快・不快情動 に関する研究」 『学術講演梗概集』 2012( 環 境 工 学 I)、

表 3.3.2-1 主体の分類

pp.75-76 * 22 今 枝 良 輔、 北 川 啓 介 (2012) 「建築物の言 語 描 写 に おけるオノマトペの主 体特性」 『東海支部研究報告集』 (50)、pp585-588

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

3. 研究概要

3.4 本研究の位置づけ

図 3.4-1 に本研究の位置づけを示す。

* 22 今 枝 良 輔、 北 川 啓 介 (2012) 「建築物の言 語 描 写 に

建築分野において、建築や空間の雰囲気を伝える場面でオノマトペが示す要素を 明らかにする研究として、今枝ら* 22 による「建築物の言語描写におけるオノマトペ からみる主体特性」が挙げられる。しかし、この研究で言及されているオノマトペ は建築家が使用したもののみである。

おけるオノマトペの主 体特性」 『東海支部研究報告集』 (50)、pp585-588

そこで、本研究では、建築に従事しているか否かに関わらず、一般的に使用され るオノマトペについて着目し、研究を進めることとする。

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

4 実験概要

4.1 基礎調査 4.1.1 調査概要 4.1.2 調査方法 4.1.3 調査結果 4.1.4 考察 4.2 オノマトペの抽出調査 4.2.1 調査概要 4.2.2 調査方法 4.2.3 調査結果

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

4. 実験概要

4.1 基礎調査 4.1.1 調査概要

■調査目的  建築や空間の雰囲気を伝える場面において、どれだけオノマトペがその性質を生 かして有効的に使用されているか、実態を確認することを目的とする。

■調査概要  伝えることを最も意識的に行っている場面は、クライアントが建築家に要望を伝 える場面だと考え、建築の専門家にオノマトペ使用の実態を聞き、オノマトペの抽 出調査に向けての基礎調査とする。

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

4. 実験概要

4.1.2 調査方法

■調査日  Y さん:2014 年 8 月 6 日  I さん:2014 年 9 月 1 日

■調査対象  建築に携わる専門家 2 名(建築家 1 名、デザイナー 1 名)

■調査方法  自由回答によるヒアリング調査

□質問内容  以下に、クライアントが建築家に雰囲気を伝える場面でのオノマトペ使用に関す る5つの質問項目を示す。 (1) 職業を教えてください。 (2) 仕事の中で、コミュニケーションをとるクライアントはどのような人ですか。 (3) 仕事の中で、クライアントとのイメージの共有の仕方で困ったことはありますか。 (4) クライアントとのイメージ共有の中で、オノマトペを使用すること、または使用 されたことはありますか。 (5)(4) でオノマトペの使用があったならば、どのようなオノマトペが使用されてい ましたか。

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

4. 実験概要

4.1.3 調査結果

2 名の回答結果を以下に示す。

■ Y さん(建築家・男性・60 代) (1) 建築家。構造設計を専門にしており、意匠設計を担当したこともある。主に郵便 局の設計を行っていた。事務所経営者。工事監理など。 (2) 郵便局の設計を行っていた頃は、その郵便局の担当者がクライアントであった。 郵便局のシステムや機能は詳しいが、デザインに関してはあまり詳しくなかった。 (3) 郵便局側からは欲しい機能や動線や面積を指定されるだけで、デザインは建築士 に一任されていた。郵便局の内観や外観のイメージを指定されることは無く、プラ ンチェックの際も、使いやすさや機能を確認されるだけで、クライアントはデザイ ンを重視しなかった。デザインが任されていたため、イメージの共有の仕方で困っ たことは無い。 (4) そもそもオノマトペというものが何かわからない。自分たちの年代でオノマトペ 自体をあまり使わない。設計の話し合いで擬態語や擬声語を使用することは無かっ た。 (5)(4でオノマトペを使用しないとの事だったので無回答)

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

4. 実験概要

■ I さん(デザイナー・男性・30 代) (1) デザイナー。カフェやイベント、洋服屋の内装デザインといった仕事が多い。建 物の形など、外枠をデザインする仕事は今まではやったことがない。仕事のうち、 90% 以上はクライアントとの意見交換を行う。 (2) デザインを知らない人から、雑誌やネットで調べてよく知っている人など様々。 (3) オノマトペではないが、あるクライアントさんとの会話の中で、そのクライアン トさん自信の言葉を連呼されて、全然その言葉が意味することがわからなかったこ とはある。 (4) 意識はしていないけれど多分使っているのかもしれない。例えば、クライアント さんが「ざらっとした○○」と言えば、 「そのざらっとってどういうことですか?」 とそのオノマトペを掘り下げてイメージがわかるまでやりとりをすると思う。 (5)(具体的なオノマトペは挙げられず、無回答)

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

4. 実験概要

4.1.4 考察

ヒアリング調査により得られた回答を受け、考察を以下に 3 つ述べる。

・オノマトペの使用頻度が年代に寄って異なり、高齢であるほどオノマトペの使用頻 度が低くなると考えられる。 ・クライアントが建築家に要望を伝える場面でも、建築や空間の雰囲気を伝えるかど うかはクライアントの要望によって左右される。建築や空間の雰囲気を伝えるのは クライアントが空間に対するこだわりがある時に見られると考えられる。 ・クライアントがオノマトペを使っても、そのオノマトペがどのような意図で発され ているかをまた聞き返しており、またオノマトペの使用の意識も低いため、意識し てオノマトペの特性を有効的に使用していないと考えられる。

以上により、建築や空間の雰囲気を伝える場面において、オノマトペの性質を生か して有効的に活用されるためには、各オノマトペがどのような建築の要素を表現す るのか、建築に関するオノマトペの特性を調査し明らかにする必要があることが確 認出来た。そこで、住宅雑誌による建築に関するオノマトペの抽出を本調査とする。

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

4. 実験概要

4.2 オノマトペの抽出調査 4.2.1 調査概要

■調査目的  建築に関するオノマトペを抽出し、一般的にどのようなオノマトペが使用されて いるかを明らかにすることを目的とする。

■調査概要  一般的に使用されている建築に関するオノマトペを抽出するため、図書館や書店 などに所蔵され、誰もが閲覧出来る住宅雑誌を抽出材料として選択した。

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4. 実験概要

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

4.2.2 調査方法

■調査日  2014 年9月 25 日∼ 10 月 15 日

■調査対象  住宅雑誌 20 冊(住まいの設計 10 冊、MODERNLIVING 8冊、チルチンびと 2 冊)

■調査方法  住宅雑誌によるオノマトペ抽出調査

□抽出ルール  以下に、雑誌からオノマトペを抽出する際のルールを3つ示す。 (1) オノマトペは、ある住宅を紹介する記事から抽出し、家具や素材等の特集や宣伝 記事からは抽出しないこと。 (2) 抽出するオノマトペはカタカナであればひらがなに変換し、語尾に<∼とした> <∼と>があれば、その語尾は取ること。 (例1)すっきりとした → すっきり (例2)ササッと    → ささっ

(3) オノマトペが説明する言葉も抽出すること。 (例 ) キッチンの背面には床から天井まで、たっぷりの収納が用意されている。 オノマトペ→たっぷり 説明する言葉→収納

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

4. 実験概要

4.2.3 調査結果

調査結果、445 個のオノマトペが抽出された。  抽出された本文、オノマトペ、オノマトペが説明する言葉の一覧を以下に示す。

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4. 実験概要

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4. 実験概要

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4. 実験概要

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4. 実験概要

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

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4. 実験概要

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5 分析考察

5.1 視野による分類 5.1.1 視野の定義 5.1.2 分類方法 5.1.3 結果と考察 5.2 要素による分類 5.2.1 要素の定義 5.2.2 分類方法 5.2.3 結果と考察 5.3 オノマトペの分布 5.4 各オノマトペの特性の分析 5.4.1 ゆったり 5.4.2 すっきり 5.4.3 たっぷり 5.4.4 のびのび 5.4.5 ぐるり 5.5 オノマトペの特性の比較 5.5.1 細部における比較 5.5.2 内部における比較 5.5.3 外部における比較 5.5.4 配置における比較 5.5.5 総合比較

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.1 視点による分類 5.1.1 視点の定義

オノマトペを住宅における視点で分類する。これにより、オノマトペが使用され ている住宅の視点を明らかにする。  住宅内の視点を< a: 細部(ディテール)>< b: 内部(内観パース)>< c: 外部(外 観パース)>< d: 配置 (配置図) >の4つとする。図 5.1.1-1 に視点による分類を示す。

図 5.1.1-1 視点による分類

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

■4つの視点の定義  図 5.1.1-2 に視点による分類イメージを示す。以下に、4つの視点の定義を示す。

< a: 細部(ディテール)>  人が触れられる範囲。家具や建具の表面や形、人の手先の動きなどを指す。 < b: 内部(内観パース)>  住宅の内側の範囲。家具や建具の配置、空気、人の全身の動きや行動などを指す。 < c: 外部(外観パース)>  住宅の外側の範囲。住宅を外から見た時の形や空気などを指す。 < d: 配置(配置図)>  住宅と住宅の外部の範囲。住宅を俯瞰で見た時の配置や景観を指す。

b

a

c d

図 5.1.1-2 視点による分類イメージ

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.1.2 分類方法

抽出した本文の文脈から、そのオノマトペが使用されている視点を判断する。以 下にその例を示す。 (例 ) キッチンの背面には床から天井まで、たっぷりの収納が用意されている。 オノマトペ→たっぷり 説明する言葉→収納 視野→ a: 細部(ディテール)

この場合、収納は人が触れられる範囲であり、<たっぷり>は収納の容量を指す ので、<たっぷり>が使用されている視点は< a: 細部 ( ディテール)>となる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.1.3 結果と考察

オノマトペを4つの視点に分類した結果のグラフを以下に示す。  図 5.1.3-1 は4つの視点におけるオノマトペの個数を表し、図 5.1.3-2 はオノマト ペの種類数を表す。

300 250 200 150 100 50 0 a:細部

b:内部

c:外部

d:配置

図 5.1.3-1 オノマトペの個数

35 30 25 20 15 10 5 0 a:細部

b:内部

c:外部

d:配置

図 5.1.3-2 オノマトペの種類数

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5. 分析考察

結果と考察を以下に示す。

■図 5.1.3-1 について  内部を表すオノマトペの個数が最も多いことがわかる。これにより、住宅の内部 では普通の言葉では伝えにくいと考えられる。

■図 5.1.3-2 について  内部を表すオノマトペの種類が最も多いことがわかる。しかし、図 5.1.3-1 での 細部を表すオノマトペの個数と内部を表すオノマトペの個数を考慮すると、細部の 方が内部よりも個数に対する種類の割合が多いことがわかる。よって、住宅の細部 では頻繁に多くの種類のオノマトペが使用されていると考えられる。

■外部と配置を表すオノマトペ個数について  2つの図を通して、外部と配置を表すオノマトペの個数が極端に少ないのは、住 宅雑誌において、外の視点で住宅を紹介する記述が少なかったからである。その理 由としては、住宅の内の視点は生活に直接関係するからであると考えられる。その ため、細部や内部に関する記述に偏ってしまってい、結果、外部と配置を表すオノ マトペの個数も自ずと極端に少なくなるのではないかと考えられる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.2 要素による分類 5.2.1 要素の定義

オノマトペを更に 10 種類の住宅の要素に分類する。これにより、 <詳細(ディテー ル)><内部(内観パース)><外部(外観パース)><配置(配置図)>のそれ ぞれにおいて、住宅のどの要素を示すオノマトペが多いのかを明らかにする。  3.3.2 で述べた今枝らの建築の要素の分類(p.25、表 3.3.2-1)を参考に、本研究 で用いる表 5.2.1-1 に建築の要素の分類を示す。建築の要素は 10 種類あり、その 10 種類の要素は大きく分けると<住宅に関する要素><人に関する要素><環境に 関する要素>の3つになる。

表 5.2.1-1 建築の要素の分類

(a) 住宅に関する要素

(b) 人に関する要素

(c) 環境に関する要素

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.2.2 分類方法

オノマトペが説明する言葉を表 5.2.1-1 を見て、どの要素にあたるか判断する。

(例 ) キッチンの背面には床から天井まで、たっぷりの収納が用意されている。 オノマトペ→たっぷり 説明する言葉→収納 要素→空間

この場合、表 5.2.1-1 より、<収納>が 10 種類の要素のうち、<空間>の中に入 ることがわかる。よって、<たっぷり>が説明する要素は<空間>となる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.2.3 結果と考察

オノマトペを 10 種類の要素で更に分類した結果のグラフを以下に示す。  図 5.2.3-1 は、 < a: 細部(ディテール)>< b: 内部(内観パース)>< c: 外部(外 観パース)>< d: 配置(配置図)>のそれぞれで、オノマトペが説明する要素 10 種類におけるオノマトペ個数を算出し、その割合を比較したものである。要素 10 種 類のうち、A ∼ E は<住宅に関する要素>、F ∼ H は<人に関する要素>、I,J は< 環境に関する要素>を示している。

A:形状

a:細部

9

B:度合

8

D:構成

79

c:外部

E:空間

F:操作

56

b:内部 1 11

62

0

20%

30%

H:振舞

I:自然

13

3

22

50%

7

59

4

60%

70%

0

80%

3 1 0

0 16

1

0

40%

J:環境

23

8

8

10%

G:動作

18

9

5

d:配置 0

0%

C:状態

1

1

90%

1 0

0

1

100%

図 5.2.3-1 オノマトペ個数割合比較

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5. 分析考察

結果と考察を以下に示す。

■3つの分類による視点から  <住宅に関する要素><人に関する要素><環境に関する要素>の3つの分類に よる視点で見ると、全体的に<住宅に関する要素>が多いことがわかる。住宅その ものにおいて普通の言葉では表現しづらい頻度が特に多いと考えられる。

■要素 10 種類の分類による視点から <形状>  外部において急激に使用されている割合が多くなっている。外部では形状を説明 するオノマトペの使用頻度が高いことがわかる。その理由としては、住宅の外観に おいて、形状に関する情報のやりとりが多いからであると考えられる。 <度合>  細部と内部において使用されているが、全体的に割合が少ない。度合を説明する オノマトペの使用頻度が低いことがわかる。   <状態>  他の要素と比べて割合変化が少ない。どの視点でも状態を説明するオノマトペの 使用頻度は一定であることがわかる。 <構成>  細部と内部と外部において使用されているが、全体的に割合が少ない。構成を説 明するオノマトペの使用頻度が低いことがわかる。 <空間>  内部と配置において使用されている割合が比較的多い。内部と配置では空間を説 明するオノマトペ頻度が高い傾向があることがわかる。 <操作>  細部において急激に使用されている割合が多くなっている。細部では操作を説明 するオノマトペの使用頻度が高いことがわかる。その理由としては、住宅の細部に おいて、人が手で物を動かす行為(操作)が多いからであると考えられる。

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5. 分析考察

<動作>  内部において急激に使用されている割合が多くなっている。内部では動作を説明 するオノマトペの使用頻度が高いことがわかる。その理由としては、住宅の内部に おいて、人が自ら動く行為(動作)が多いからであると考えられる。 <振舞>  内部において急激に使用されている割合が多くなっている。内部では振舞を説明 するオノマトペの使用頻度が高いがわかる。その理由としては、 住宅の内部において、 人の日常的な行為(振舞)が多いからであると考えられる。 <自然>  細部において使用されているが、全体的に割合が少ない。自然を説明するオノマ トペの使用頻度が低いことがわかる。 <環境>  内部と配置において使用されているが、全体的に割合が少ない。環境を説明する オノマトペの使用頻度が低いことがわかる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.3 オノマトペ要素分布チャート

5.1 及び 5.2 の結果とオノマトペの抽出個数をまとめ、4つの視点別にオノマトペ の個数分布を表したオノマトペ要素分布チャートを作成した。図 5.3-2 ∼ 5 にそれ ぞれ細部、内部、外部、配置のオノマト要素分布チャート示す。  図 5.3-1 にその例を示し、分布チャートの見方を以下に示す。 ■建築の要素の配置  5.2.1 で定義した建築の要素を横軸に表している。左から<住宅に関する要素>< 人に関する要素><環境に関する要素>の順に配置し、更に、それらの要素の中で 右に行くほど大きな範囲の要素になるよう配置している。 ■チャートの濃淡  抽出された個数を示す。個数が少ないほど薄く、多いほど濃く表現している。 ■オノマトペの字色  有彩色の字色は、4つの視点において重なって検出されたオノマトペを示す。

large

small

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

large

small

操 作

動 作

振 舞

small

自 然

large

環 境

すっきり

住宅に関する要素

人に関する要素

環境に関する要素

図 5.3-1 オノマトペ要素分布チャート例

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

■細部

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

すっきり たっぷり ゆったり すっぽり さっ ぴったり ざらり くっきり ごちゃごちゃ びっしり しっとり どっしり うっすら ごろごろ きっちり ぐっ ざっくり ずらり ふわっ ほんのり ひんやり ぎっしり くしゃくしゃっ ぐるっ ささっ すっ ほっ べちゃべちゃ

図 5.3-2 細部のオノマトペ要素分布チャート HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV. 2014

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

■内部

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

ゆったり すっきり のびのび たっぷり ぐるり ほっ ぽっかり ざっくり わくわく ぐるぐる しっくり しっとり ひっそり ぐるっ うっそう しっかり ごちゃごちゃ じめじめ わいわい うきうき すくすく ぽかぽか きっちり さらり さんさん ぽつん ゆうゆう がらん ほっこり のんびり ゆっくり ひんやり ほわっ

図 5.3-3 内部のオノマトペ要素分布チャート HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV. 2014

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

■外部

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

すっきり どっしり ゆったり ひっそり ぐっ そっ ちょこん

図 5.3-4 外部のオノマトペ要素分布チャート HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV. 2014

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

■配置

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

ゆったり ぴったり ひっそり ぎっしり ぽっかり のびのび

図 5.3-5 配置のオノマトペ要素分布チャート HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV. 2014

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5. 分析考察

結果と考察を以下に示す。

■オノマトペと4つの視点について  4つの視点のチャートに表示されているオノマトペの字の色を見ると、有彩色の オノマトペが多いことがわかる。あるオノマトペが4つの視点にまたがっていると いうことは、異なる視点で共通する、普通の言葉では表現出来ないものがあるとい うことである。従って、4つの視点のチャートを重ね合わせることで、そのオノマ トペ自体が表現する要素の範囲、つまりオノマトペの特性がわかると考えられる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.4 各オノマトペの特性の分析

オノマトペの抽出調査において、図 5.4-1 に各オノマトペの抽出個数を示す。  抽出個数が多かったオノマトペ 5 種類(ゆったり・すっきり・たっぷり・のびのび・ ぐるり)の特性の考察を次項より示す。

ゆったり すっきり たっぷり のびのび ぐるり ほっ ぴったり ひっそり どっしり ぽっかり すっぽり しっとり ざっくり さっ わくわく ごちゃごちゃ ぐるっ ぐるぐる しっくり ざらり くっきり ぐっ わいわい ゆっくり ぽかぽか ひんやり びっしり すくすく じめじめ しっかり ごろごろ きっちり ぎっしり うっそう うっすら うきうき ゆらゆら ゆうゆう ほんのり ほわっ ぽつん ほっこり べちゃべちゃ ふわっ ぶすっ ひょっこり はっきり のんびり ちょこん そっ ずらり ずぼっ すっ さんさん ざわざわ さらり ささっ さくっ くしゃくしゃっ がらん 0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

55

60

65

70

75

80

85

90

95 100 105 110 115 120

図 5.4.1-1 各オノマトペ抽出個数

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.4.1 ゆったり

<ゆったり>は全体で 110 個得られた。  図 5.4.1-1 に4つの視点におけるゆったりの分布を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

細部 内部 外部 配置 図 5.4.1-1 4つの視点におけるゆったりの分布    結果と考察を以下に示す。   ■4つの視点から  最も抽出されたのは内部であり、内部の視点において特に使用されるオノマトペ であることがわかる。 ■内部の視点から  度合、状態、構成、空間の4種類の要素が検出され、住宅に関するものを表現す るために使用されることが多い。その中でも空間の要素を表現するために使用され ることが多いことがわかる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

図 5.4.1-2 に総合したゆったりの分布を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

総合 図 5.4.1-2 総合したゆったりの分布

結果と考察を以下に示す。

■総合した視点から  ゆったりは幅広い要素を表現することがわかる。住宅に関する要素、人に関する 要素、環境に関する要素ごとに見ると、いずれも右に行くほど濃く表示されている。 要素はそれぞれ、右に行くほど大きな範囲の要素になるよう配置しているため、ゆっ たりは大きな範囲の要素を表すオノマトペであると考えられる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.4.2 すっきり

<すっきり>は全体で 96 個得られた。  図 5.4.2-1 に4つの視点におけるすっきりの分布を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

細部 内部 外部 配置 図 5.4.2-1 4つの視点におけるすっきりの分布      結果と考察を以下に示す。   ■4つの視点から  最も抽出されたのは細部であり、細部の視点において特に使用されるオノマトペ であることがわかる。 ■細部の視点から  細部のうち、形状、状態、構成、空間の4種類の要素が抽出され、住宅に関する ものを表現するために使用されることが多い。その中でも状態の要素を表現するた めに使用されることが多いことがわかる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

図 5.4.2-2 に総合したすっきりの分布を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

総合 図 5.4.2-2 総合したすっきりの分布

結果と考察を以下に示す。

■総合した視点から  すっきりは主に空間に関する要素を表現することがわかる。特に状態の要素が多 く抽出されている。しかし、空間に関する要素において、他の要素の抽出数に対し、 度合の要素は全く抽出されていない。すっきりは空間に関する要素を表すが、度合 の要素は適さないオノマトペであると考えられる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.4.3 たっぷり

<たっぷり>は全体で 55 個得られた。  図 5.4.3-1 に 4 つの視点におけるたっぷりの分布を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

細部 内部 外部 配置 図 5.4.3-1 4つの視点におけるたっぷりの分布    結果と考察を以下に示す。   ■4つの視点から  最も多く抽出されたのは細部と内部であり、この2つの視野において特に使用さ れるオノマトペであることがわかる。 ■細部と内部の視点から  細部も内部も住宅に関する要素において多く抽出されている。しかし、細部に関 しては度合、状態、構成、空間の4種類の要素が抽出され、内部に関しては状態の みの要素が抽出された。視点によって表現する要素範囲が異なることがわかる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

図 5.4.3-2 に総合したゆったりの分布を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

総合 図 5.4.3-2 総合したたっぷりの分布

結果と考察を以下に示す。

■視点の総合から  たっぷりは人に関する要素などに関わらず、度合・状態・空間・操作・環境に特 化して表現することがわかる。特に状態の要素が多く抽出されている。たっぷりは この5つの要素を表すオノマトペであると考えられる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.4.4 のびのび

<のびのび>は全体で 38 個得られた。  図 5.4.4-1 に 4 つの視点におけるのびのびの分布を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

細部 内部 外部 配置 図 5.4.4-1 4つの視点におけるのびのびの分布    結果と考察を以下に示す。   ■4つの視点から  最も多く抽出されたのは内部であり、内部の視点において特に使用されるオノマ トペであることがわかる。 ■内部の視点から  人に関するオノマトペが全体的に最も多く抽出され、特に振舞の要素が最も多く 抽出されている。振舞の要素を表現するために使用されていることが多いことがわ かる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

図 5.4.4-2 に総合したのびのびの分布を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

総合 図 5.4.4-2 総合したのびのびの分布

結果と考察を以下に示す。

■視点の総合から  のびのびは人に関する要素を多く表現することがわかる。特に振舞や動作といっ た大きな範囲を表現することがわかる。のびのびは人に関する要素を表し、特に大 きな範囲の動作や振舞を表現するオノマトペであると考えられる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.4.5 ぐるり

<ぐるり>は全体で 12 個得られた。  図 5.4.5-1 に4つの視点におけるぐるりの分布を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

細部 内部 外部 配置 図 5.4.5-1 4つの視点におけるぐるりの分布    結果と考察を以下に示す。   ■4つの視点から  抽出されたのは内部のみであり、内部の視点において特に使用されるオノマトペ であることがわかる。 ■内部の視点から  内部のうち、状態、動作の4種類の要素が検出された。人に関する要素などに関 わらず、この2つの要素を表現するために使用されていることが多いことがわかる。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

図 5.4.5-2 に総合したぐるりの分布を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

総合 図 5.4.5-2 総合したぐるりの分布

結果と考察を以下に示す。

■視点の総合から  ぐるりは状態、動作の2つの要素を表現することがわかる。他の要素は抽出され ていないため、ぐるりは状態、動作のこの2つの要素を特に表すオノマトペである と考えられる。

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5. 分析考察

5.5 オノマトペの特性の比較

5.4 で考察した 5 種類のオノマトペの特性を比較する。比較をすることでオノマ トペによって表現する範囲が異なり、そのオノマトペが持つ特性が明確になる。次 項より、細部、内部、外部、配置、総合におけるオノマトペの比較を示す。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.5.1 細部における比較

図 5.5.1-1 に細部におけるオノマトペの比較を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

ゆったり すっきり

たっぷり のびのび ぐるり

図 5.5.1-1 細部におけるオノマトペの比較

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5. 分析考察

結果と考察を以下に示す。 ■細部の比較から  他のオノマトペとの違いが明らかになり、5つのオノマトペの特性が更に明らか になった。比較したことにより強調された各オノマトペの特性を以下に示す。 <ゆったり>  他のオノマトペよりも[動作]を表す頻度が高い。 <すっきり>  他のオノマトペよりも[状態]を表す頻度が高い。 <たっぷり>  他のオノマトペよりも[度合]や[空間]を表す頻度が高い。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.5.2 内部における比較

図 5.5.2-1 に内部におけるオノマトペの比較を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

ゆったり すっきり

たっぷり のびのび ぐるり

図 5.5.2-1 内部におけるオノマトペの比較

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5. 分析考察

結果と考察を以下に示す。 ■内部の比較から  他のオノマトペとの違いが明らかになり、5つのオノマトペの特性が更に明らか になった。比較したことにより強調された各オノマトペの特性を以下に示す。 <ゆったり>  他のオノマトペよりも[度合]を表す頻度が高い。 <すっきり>  他のオノマトペよりも[形状]を表す傾向がある。 <たっぷり>  他のオノマトペよりも[状態]と[環境]を表す頻度が高い。 <のびのび>  他のオノマトペよりも[振舞]を表す傾向がある。 <ぐるり>  他のオノマトペよりも[動作]を表す頻度が高い。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.5.3 外部における比較

図 5.5.3-1 に外部におけるオノマトペの比較を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

ゆったり すっきり

たっぷり のびのび ぐるり

図 5.5.3-1 外部におけるオノマトペの比較

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5. 分析考察

結果と考察を以下に示す。

■外部の比較から  他のオノマトペとの違いが明らかになり、5つのオノマトペの特性が更に明らか になった。比較したことにより強調された各オノマトペの特性を以下に示す。 <ゆったり>  他のオノマトペよりも[構成]を表す傾向がある。 <すっきり>  他のオノマトペよりも[形状]と[空間]と操作を表す傾向がある。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.5.4 配置における比較

図 5.5.4-1 に配置におけるオノマトペの比較を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

ゆったり すっきり

たっぷり のびのび ぐるり

図 5.5.4-1 配置におけるオノマトペの比較

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5. 分析考察

結果と考察を以下に示す。

■配置の比較から  他のオノマトペとの違いが明らかになり、5つのオノマトペの特性が更に明らか になった。比較したことにより強調された各オノマトペの特性を以下に示す。 <ゆったり>  他のオノマトペよりも[状態]と[空間]と[環境]を表す傾向がある。 <のびのび>  他のオノマトペよりも[振舞]を表す傾向がある。

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5. 分析考察

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5.5.5 総合比較

図 5.5.5-1 に4つの視点(細部、内部、外部、配置)を総合したオノマトペの比 較を示す。

形 状

度 合

状 態

構 成

空 間

操 作

動 作

振 舞

自 然

環 境

ゆったり すっきり たっぷり のびのび ぐるり

図 5.5.5-1 総合したオノマトペの比較

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

5. 分析考察

結果と考察を以下に示す。

■総合の比較から  他のオノマトペとの違いが明らかになり、5つのオノマトペの特性が更に明らか になった。比較したことにより強調された各オノマトペの特性を以下に示す。 <ゆったり>  他のオノマトペよりも幅広い要素を表現し、また、大きな範囲の要素を表す傾向 がある。 <すっきり>  たっぷりと表す要素の範囲が似ているが、すっきりは[形状]の要素を表すこと がたっぷりとの違いであることがわかった。 <たっぷり>  すっきりと表す要素の範囲が似ているが、たっぷりは[度合]と[環境]の要素 を表すことがたっぷりとの違いであることがわかった。 <のびのび>  他のオノマトペよりも[振舞]の要素を表す傾向がある。 <ぐるり>  他のオノマトペよりも[動作]の要素を表す傾向がある。

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

6 まとめ

6.1 結論 6.2 課題と展望

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

6. まとめ

6.1 結論

本研究では、建築に関するオノマトペが雰囲気を伝える言葉として有効かどうか オノマトペの特性を探ることを目的として、住宅雑誌からオノマトペを抽出し、4 つの視点から各オノマトペが表す建築の要素を検討した。以下に本研究で明らかに なった点を示す。

・細部、内部、外部、配置の4つの視野において、使用されるオノマトペの頻度や種 類が異なることがわかった。 ・細部、内部、外部、配置の4つの視野において、オノマトペによって表される建築 の要素が異なり、それぞれに傾向があることがわかった。 ・各オノマトペにおいて、細部、内部、外部、配置の4つの視野ごとに、表す建築の 要素が明らかになった。 ・オノマトペの比較により、各オノマトペが持つ特性が強調された。  以上のことから、建築や空間の雰囲気を伝える場でも、オノマトペが雰囲気を有 効に伝えられる可能性が見られた。

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

6. まとめ

6.2 課題と展望

■課題  本研究は建築に関するオノマトペの特性をオノマトペが説明する言葉をもとに明 注7 『一般財団法人住ま いづくりナビセン タ

ー』http://www.

sumanavi.info/

らかにするまでであり、建築や空間の雰囲気を伝える場面において、実際にオノマ トペが有効かどうかの検討は出来ていない。今後、建築や空間の雰囲気を伝える場 面においてオノマトペを使用する実験を行い、その実験結果と、本研究で得られた 要素関係性との比較検討を行う必要がある。

(2014 年 10 月 21 日 閲覧) このサイトでは、クラ イアントが建築士に住 宅のイメージを伝え

■展望  現在、クライアントが建築家に自分の頭の中で創造している物をうまく伝える方 法として、建築家に画像を提示する方法がある。この方法を薦めるサイト注 7 や、画

るポイントとして「イ

像収集の手助けをしてくれるサイト注 8 もある。画像を提示するだけでなく、会話の

メージファイルをつく

中でオノマトペを積極的に使用することで、より満足に雰囲気が伝わるのではない

る」 「実物を見て話す」 「打ち合わせ の と き に すること」の3つに分 けて説明している。

だろうか。  また、本研究での4つの視野におけるオノマトペの分布を用いて、各オノマトペ の要素分布チャートを作成した。このチャートは建築家が有効的に利用出来るので はないかと考える。例えば、ゆったりの特性自体を知りたいときは4枚を重ねて調 べることも可能であり、建物の内側全般を指すゆったりの要素を知りたいときは細 部のシートと内部のシートを重ねて調べることも可能である。また、他のオノマト

注8 『Tagle 住

https://tagle.jp/ (2014 年 10 月 21 日

ペとの比較もでき、どの要素が表されているのかを知る事が出来る。つまり、クラ イアントが発したオノマトペがどこの要素を表現しているのかがわかることで、設 計に役立てられるのではないかと考える。

閲覧) このサイトでは、注文 住宅、キッチン、洗面、

バスルームの4つのカ テゴリーに建築実例写 真 が 5000 枚 収 蔵 さ れている。特に注文住 宅に関しては、住宅の デザインとキーワード を選択肢から選ぶこと で、その2つを兼ねた 画像をピックアップす るシステムになってい る。

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建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

7 おわりに

7.1 謝辞 7.2 参考文献

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7. おわりに

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

林田先生

仁史先生

美味しいぱりぱりのお煎

いつもにこにこの笑顔で

餅の差し入れをありがと

相談にのって下さり、あ りがとうございました!

うございました!

小林先生

良三先生

いつもずばっと的確なア

心がほっこりするような

ドバイスを下さりありが

コメントをいつもありが

とうございました!

とうございました!

りょうじさん ぱっとひらめくアイデア

植村さん

にいつも尊敬しています!

いつも暖かくそっと見守 っていて下さり、ありが

のぞみさん

まぶちさん

とうございました!

いつもじっくり一緒に

いつもにっこりお話して 下さってありがとうござ

考えて下さってありが

伊永さん

います!

とうございます!

いつも堂々はきはき

いっしーさん

していて尊敬しています!

ずばりと的確なご指導 ありがとうございました!

小野山さん

7.1 謝辞

さらりと英語でお話さ れているのを尊敬して

あいささん

います!

デザインセンスにいつも

ちんさん

うっとりしています♡

毎日ムキムキをキープ

オノマトペ

なみえさん ささっと描いた絵も

されているのに尊敬です!

素敵で見入ってしまいます♡

あさみさん おっとりした雰囲気が 素敵です♡

こみねさん きちんとしている姿に 尊敬です!

佐藤さん

とむさん すらすらとお話 される姿に尊敬

じっくり考える姿に

ぱぱっと素敵な

尊敬です!

料理を作れることに 尊敬です!

です!

とばり

ゆいこ ふらふらと雑貨屋めぐりしよう!

に引き込まれます∼ さち わいわい盛り上がる会話 がいつも超楽しい! HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV. 2014

のんびりした感じに

キャラめっちゃ好き

ゆるぎ

助けてくれてありがとう!

のほほんとしたしゃべり方

きょくさん

だぶだぶの靴下∼ 困った時にすっと

わだめ

柳瀬さん

癒されます♡ あっくん どんと構えたプレゼン ほんと尊敬!!

さく しっかり頑張り屋で 尊敬する!! みほ もりもりご飯食べ行こう!

いけちゃん たまにしんみりするの見て おとなだなあと! 87


7. おわりに

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

7.2 参考文献

*1

西尾実 (2011) 『岩波国語辞典』 、第7版新版、株式会社岩波書店

*2

町田ひろ子アカデミー (2012) 『ラクラク突破のインテリアコーディネーター合格テキスト』、インパ クト出版会、p.77

*3

小野正弘 (2007) 『日本語オノマトペ辞典』 、株式会社小学館

*4

相賀徹夫 (1974) 『小学館ランダムハウス英和辞典 第3巻』 、株式会社小学館

*5

「 『オノマトペ』世界標準化、日本語が有力候補に」 『未来新聞』 http://www.miraishimbun.jp/article/9e014e9a-0cc5-4451bf67-88d2e887c1cd (2014 年 10 月 18 日閲覧 )

*6

青山剛昌 (2001) 『名探偵コナン

*7

』 、株式会社小学館、p.136

荒川弘 (2011) 『銀の匙 Silver Spoon ①』 、株式会社小学館、p.54

*8

桜井順 (2010) 『オノマトピア - 擬音語大国にっぽん考』 、株式会社岩波書店

*9

「 ぱみゅぱみゅ

じぇじぇじぇ ∼ 「オノマトペ大増殖の謎」 ∼」 (2013

年 6 月 11 日放送) 『NHK クローズアップ現代』 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3362_5.html (2014 年 10 月 18 日閲覧 )

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7. おわりに

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

*10

牧野暁世 (2012) 「オノマトペによる色彩印象」 『金城学院大学論集』 、人文科学編 9(1)、pp.133-142

*11

牧野暁世、高橋晋也 (2011) 「空模様画像の色および形態とオノマトペ表現との関係」 『日本色彩学会誌』 、35(Spplement)、pp.120-121

*12

平田佐和子、喜多伸一 (2010) 「オノマトペ・音韻象徴はコミュニケーションに貢献するか」 『電子情報通信学会技術研究報告』、ヒューマンコミュニケーション基 礎 109(457)、pp.25-26

*13

早川智彦、松井茂、渡邉涼司 (2010) 「オノマトペを利用した触り心地の分類手法」 『日本バーチャルリアリティ学会論文誌』 、15(3)、pp.487-490

*14

江頭優佳、本井碧、崔多美、 [マツ]本吏子、高倉潤也、西村貫孝、 綿貫茂喜 (2014) 「触覚刺激がオノマトペ音声の認知過程に及ぼす影響」 『日本生理人類学会誌』 、19(2)、pp.69-75

*15

内田ゆず、荒木健治、米山涼 (2011) 「ブログ記事から抽出した用例文に基づくオノマトペの感情分析」 『情報科学技術フォーラム講演論文集』 、10(2)、pp.273-279

*16

高橋康介、三橋秀男、則枝真、仙洞田充、村田一仁、渡邉克巳 (2009) 「非言語コミュニケーションが伝える感性:オノマトペによる心理学 的検討」 『電子情報通信学会技術報告』、ヒューマンコミュニケーション基礎 109(224)、pp.11-16

*17

北中祐樹、竹内和広 (2010) 「印象調査アンケートのためのオノマトペ表現による評価尺度の拡張」 『電子情報通信学会技術研究報告』 、思考と言語 110(313)、pp.1-6

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7. おわりに

建築空間の要素からみたオノマトペによる表現

*18

上田祐也、清水祐一郎、坂口明、坂本真樹 (2013) 「オノマトペで表される痛みの可視化」 『日本バーチャルリアリティ学会論文誌』 、18(4)、pp.455-463

*19

藤野良孝 (2011) 「中学校で使用されているスポーツオノマトペのイメージに関する実 態調査」 『情報学研究 : 朝日大学経営学部電子計算機室年報』 、20、pp.27-34

*20

秋田剛、辻村壮平、佐野奈緒子、古賀誉章 (2013) 「画像上に記載するオノマトペによる環境の表現と伝達の有効性に関 する研究」 『学術講演梗概集』 、2013( 環境工学 I) 、pp.75-78

*21

篠崎智弘、佐野奈緒子、古賀誉章、秋田剛、辻村壮平 (2012) 「オノマトペ表現が想起させる快・不快情動に関する研究」 『学術講演梗概集』 、2012( 環境工学 I) 、pp.75-76

*22

今枝良輔、北川啓介 (2012) 「建築物の言語描写におけるオノマトペの主体特性」 『東海支部研究報告集』(50)、pp585-588

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