ブドウ畑について
2月は前年よりも気温が低かったものの、シャトー・カンテュ スの冬は穏やかでした。
春は夜間の気温が低い状態が続い たことから、湿度が高くなりました。
高湿は5月まで続き、6月 は多雨でしたが、
花付きへの影響はなく急速に開花が進み、 見事な花房を付けました。熱帯のような気象条件の中、葡萄 樹は順調に成長を続け、福梢などの新梢も極めて良好に生 育しました。
効率的に葡萄畑の健康を守るために、栽培チー ムは即座に行動できるように十分に準備し、頻繁な剪定や 畝の間の雑草除去などのグリーンワークを迅速にこなしまし た。 特にこの年は、枝の風通しを良くするために朝日が当た る側の摘葉を徐々に行う作業を、ほぼすべての区画で実施し ました。
毎年行う、からまった枝をほぐす作業も、特に2023年 においては重要でした。
ヴェレゾン(成熟に伴う果実の色の 変化)が安定的に進むように、グリーンハーベストと呼ばれ る間引きを積極的に行いました。
夏は比較的涼しく始まった ものの、その後急激に気温が上昇し、暑く乾燥した晩夏へと 続いたことから、果実の凝縮度、成熟度とも非常に良好でし た。
2023年は予測と迅速な対応が求められる年でした。栽培チームの努力の結果、凝縮感とフレッシ ュさを併せ持ち、バランスの良さが印象的なヴィンテージとなりました。
収穫について
9月12日~10月3日
収穫は9月12日にメルローの若木から始まりました。
収穫の開始時期は果実の試食によって判断されました。
細心 の注意を払って行われるこの試食は、カンテュスの今年の区画選定においても重要な役割を果たしました。 シャト
ー・カンテュスの3種のワインはそれぞれ専用の発酵室で醸造されています。各極小区画で収穫された葡萄の果実 はポテンシャルに応じて振り分けられ、適切な発酵室に送られました。
栽培法の調整と栽培チームの粘り強い努力 が実を結び、質の高い収穫となりました。果汁を絞った瞬間に、バランスの取れた香りから瑞々しさを感じさせる香 りまで、多元的な素晴らしいアロマが立ち昇りました。特に北側の敷地の果実は、繊細さと優雅さが際立つ仕上が りとなりました。
シャトー・カンテュス
深紅の美しい色合いを持つワイン。トップノーズには力強い香りが現れます。ス ワリングすると、ほのかにウッディな赤と黒の果実の香りが複雑に混ざり合い、 魅力を醸し出します。カンテュスの最初の一口は豊潤さと同時にタイトさも感 じられます。
風味豊かなワインであり、タンニンが豊富に含まれていることでさ まざまな味わいを引き出すことができます。
ブレンド
78.3% メルロー、21.7% カベルネ・フラン アルコール度数 15度(暫定)
新バレル 38.1%
ル・ドラゴン・ド・カンテュス
深みのある大胆な赤い色合い。トップノーズは控えめですが魅力的です。スワリ ングすると、深み、理想的な果実の成熟度、新鮮さも感じることができます。最初 の一口はなめらかでまろやかな舌触り。果実味に溢れ豊かな風味があります。
熟成しても果実味と新鮮さは失われません。口当たりが良くなめらかで、フィニ ッシュには心地よい風味と新鮮さが残ります。タンニンが消え、風味が残ります。 このドラゴンはまさに最高のワインです。
ブレンド
71.6% メルロー、28.4% カベルネ・フラン アルコール度数 14.1度(暫定)
新バレル 25.3%