アクティベート ・ リーフ No.813
待たなければならない時に 築 紫 裕 子
い
つになったらコロナが収束するか見当がつかず、 いろいろなことが延期になり、計画が立てられな い状況にあって、悶々とした気分になっている人も多い のではないでしょうか。私は仕事においても、私生活に おいても、早め早めに計画を立てるのが好きな性格で、 計画を立てることでビジョンややる気を得ていたので、 なかなか新型コロナ収束の見通しがつかない今の状況 は、正直言って面白くないものでした。 あれもしたいしこれもしたいと、やりたいことは沢山 あるのですが、呼吸器に持病があり、今は人混みを避け たほうがいいので、やりたいことの多くは、新型コロナ が収束してからでないとむずかしそうです。待つのが苦 手な私にとって、これは本当に忍耐が試されました。 こんな時、どうしたらいいんだろう・・・そう考えて いると、待つことが当たり前のいくつかの状況が頭に浮 かびました。その一つは、 サーフィンです。私はサーフィ ンはしませんが、サーフィンが大好きな知り合いがいる ので、サーフィンの様子を見たり聞いたりしたことがあ りました。 サーフィンと言えば、次々とやってくる大きな波に乗 る豪快なシーンが目に浮かびますが、実際には、いつも 波に乗っているわけではなく、待ち時間がすごく長いの です。もちろん天候によってだいぶ違いますが、私が何 度も目にしたサーファーの様子は、ちょうどよい波が来 るまで、サーフボードの上に腹ばいになってずっと待っ ている姿でした。 なかなか波が来なくて待ちくたびれることもあるで しょうが、それでもサーフィンをやめたりはしません。 また、待っている間も、ただボードに腹ばいになって
ボーっとしているわけではありません。遠くからやって 来る波の様子を見ながら、波に乗りやすい位置まで手で 漕いでボードを移動させ、ボードの上に立つ絶好のタイ ミングを見計らっているのです。 また、悪天候などの理由で、せっかくの休日でもサー フィンができない日には、自宅で身体を鍛えたり、近所 でスケートボードをしたりして訓練をする人もいます。 そういう人は、 「あーあ、サーフィンできなくてつまら ないなぁ」などとボヤく替わりに、できるようになった 時のために備えるのです。 そんな姿が目に浮かんだ途端、 「そうだ、私も、ただ つまらなそうにコロナが収束するのを待っているので はなく、今の内にできることをして収束した時に備えよ う」と思えてきました。コロナが落ち着いた時にしたい ことを実行するためには、もっと自分の健康を改善し、 体力をつけておかなければ、と気づいたのです。また、 今できる雑用や仕事を終わらせておくなら、時が来た 時に、やりたいことに集中できて、思う存分楽しめる ことでしょう。そう考えたら、待つ時間も、ただつま らない時間ではなくなり、ビジョンが湧き、ワクワクし てきました。 考えてみたら、 「待つ」というのは人生の常です。天 気が良くなるまで待つ、病気が良くなるまで待つ、子ど もが大きくなるまで待つ、仕事が一段落するまで待つ、 パートナーが帰ってくるまで待つなど、数え上げたら切 りがありません。待っている間に何をするか、どんな気 持ちで過ごすかで、私たちの幸せ度はだいぶ違ってくる ことでしょう。 まず、 「待つことは人生の常」と心得ているだけでも、 気持ちが肯定的になります。そして、待たなければなら ない状況は、いつでもやってくると認識していれば、待っ ている間にできることを前もって考えておくこともできま す。さらに、待っている間にしたことが役に立って、 「待っ た甲斐があった!」と思えるなら最高です。 たとえば、天候や体調が悪くて大好きなガーデニング ができない時でも、家の中でゆっくりガーデニングにつ いての本を読んで、必要な知識を身につけておくなら、 いざできる時が来た時にすみやかに作業ができます。 ガーデニングには、土を耕す、種を蒔く、苗を植え替え る、肥料を施すなど、様々な作業がありますが、それぞ