アクティベート ・ リーフ No.763
過去との決別
築紫 裕子
くの人が、何か過去の出来事が原因で、いつ
多
までもそれに縛られて生きているのではない
でしょうか。映画やドラマでも、過去に捕らわれて、
が、いつの間にか、私の人生に暗い影を落としてい たのです。
なかなか前進できないで苦労している人の話がよく
それで、過去と決別することについて考えていた
多くのカウンセラーが、過去と決別することの大
決別するとは、「バイバイすること」、つまり、いら
出てきます。
切さについて語りますが、過去との決別というと、 何か大きな出来事についてだけのような印象を受け
るので、あまり普段の生活に当てはめて考えない人 もいることでしょう。
でもよく考えてみると、私たちの多くは、昨日の ちょっとした失敗や、最近誰かから言われた傷つく 言葉などを引きずって、心を重くしたままでいるこ とがよくあるのではないでしょうか。そういう小さ な過去に決別することも、私たちが過去から自由に
なって幸せな毎日を送るために欠かせないことで す。でも、それを実践するのは、言うほどに簡単で
はありません。なぜなら、どうやって過去と決別し たらいいのかが分からないからです。
私も自分の心の中を覗いてみたら、もう思い出し
たくないし、決別したいと思っているものの、なか なかそれができずにいる事柄がたくさんあることに
気づきました。そして、それらの過去の瞬間の記憶
ら、急に面白いことを発見しました。簡単に言えば、 ないものとして流してしまうことです。日本語では、
「もうそのことは水に流そう」という表現がありま
すが、水に流すと聞いて一番最初に私の頭に浮かん
だのは、トイレで流されるウンチの光景でした。そ れ に た と え て み る と、 過去と決別するのがど れほど大切なことかが
理解できました。また、 トイレに流せばいいん
だと考えたら、何かと てもシンプルなことに
思え、むしろ楽しいこ とに感じられたので
す。だって、自分の排泄物をいつまでもとっておき たい人なんていないでしょう?
肉体的な面について考えてみると、実は私たちは
毎日、すでに自動的にいろいろな「過去」と決別し