オヴニー・パリの新聞
毎月1日発行
Gratuit






と呼 ばれ、
に触
機会をひろく
に提供するという理念のもと、 無料で利用できる美術館が 育ま れてきた。今も無料 の施設 が 多 いのだが、住人にはアートを〈見 る〉だけではなく、〈やってみる〉 機会も多く与えられるという。多く のアーティストが活動し、発表の 場 や 活動を支える体制が 整って いる町の 美術館に行ったら、感 性が芽生えて、表現したいことが 形になってくれるかも、と期待(だ け)はふくらむ。コンテンポラリー・ アートは苦手という人も、郊外 の 産業遺産や、まだまだ広がり続け る大首都圏グラン パリの開発の 現場を見るのも、発見 のあるい い散歩になるかもしれない。(六)









































Ivry-sur-Seine
Le CREDAC
文化政策手厚いイヴリー市の、人気の現代アートセンター。

デュ・パスキエとシャルパンの作品が調和する。© le Crédac – ph Marc Domage © Adagp, Paris, 2026

米本社の工場をモデルに造ったので、古い 工場と比較して「アメリカの建物」とも呼 ばれる。
パリの郊外へ、
Ivry-sur-Seine
パリの郊外へ、 息づくアートを見にいこう。
Galerie Fernand Léger
43年間パブリック・アートを考えてきた 市立アートセンター。
ギャラリー・フェルナン・レジェは、 この「イヴリーの星 Les Étoiles d'Ivry」の建物の地下にある。
「Manufacture des Œillets」と書かれた大 きなレンガの建物。イヴリー 市のアートセンター(所蔵品 がないので「センター」)の建 物は、靴ひもを通す穴につけ る金具の工場だった。工場が米大手靴メーカーの傘下 に入ったため、1913年にマサチューセッツ州本社工場 をモデルに、建物をガラスで覆い、一日中自然光が入 る、「デイライト・ファクトリー」が建てられた。見晴らし も良好だ。「イヴリーは、市民ひとりあたりの文化施設 の数が多く、アートセンターは2つありどちらも無料。 100年前からずっと共産党の政策のもと培われた文化 です」とキュレーターのジュリア・ルクレールさん。この 棟より前、1870年頃に建てられた古い工場は、現在 劇場になっていてカフェもあるが、公演日のみ営業。


イヴリーを訪れる者を驚かせる、「レゼトワール・ディヴリー(イヴリー の星)」の建物。ジャン・ルノディとルネ・ガウーストがイヴリー再開発 (1969〜75)で建てたフランスのブルータリズム建築だ。この足元に、 43年の歴史を誇る市立アートセンター「ギャラリー・フェルナン・レジェ」 がある。〈公共空間におけるアーティストと作品〉を研究の軸とし、パブ リック・アートに関する講演会やトリエナーレも開催。現代アート展示室、 子どもから大人まで5クラスの市民向けワークショップなど総面積は 1000㎡! ワークショップに通う市民が作るジャーナルはレイアウトも すてき! 開催中の展覧会「アンディアーモ(イタリア語で「行こ う!」)」(3/22まで)は、デザイナーでアーティストでも あるピエール・シャルパンとナタリー・デュ・パスキエの2 人展。長年の友人だが展覧会のコラボは初めて。デュ・ パスキエはイタリアのデザイナー集団「メンフィス」に参 加しミラノで活動していたが、87年から絵画に専念して いる。シャルパンは日本でも個展を開いた著名デザイ ナーだ。デュ・パスキエは油彩の具象画、シャルパンは家 具とデッサンを展示している。カラフルな2人の作品に は、どこか落ち着いて懐かしい60年代の雰囲気がある。
◉ La Manufacture des Œillets - Centre d'art contemporain d'Ivry (Crédac):1 place Pierre Gosnat 94200 Ivry-sur-Seine
Tél : 01.4960.25 06 https://credac.fr M °Mairie d'Ivry駅(7号線終点)から徒歩8 分。
RER C 線 Ivry-sur-Seine駅から徒歩10 分。月火祭日休。水~金 :14h-18h. 土日14h-19h 入場無料。
Fondation Francès Clichy
コレクターの視点が強く表れた作品群。

◉ Galerie Fernand Léger: 93 avenue Georges Gosnat 94200 Ivry-sur-Seine Tél : 01.4960.2549 https://fernandleger.ivry94.fr 火~土 14h-19h 。入場無料。Stéphane Vigny展は3/21(土)まで。
Centre Tignous Montreuil
アーティストとモントルイユ市民が、 アートを介して交流する場。
(左の作品)ロバート・グ リコロフ作「Deposizione」 (2007)。北イタリアのア スベスト産地で、人体へ の害を知る工場主が利益 を優先し2千人もの被害 者を出したことがテーマ。 (右奥の作品)マルタン・ ル=シュヴァリエ作「NS」 (2007)。サルコジ大統領 就任の年、アートフェア FIACで発表された。

「アートは、それによって人がふるえ、意識を目覚めさせ、 視点を変えさせるときにアートたると考えています。なので不 快感を与えたり、今日の美の規範にそぐわないものでも展示 します」。エルヴェさんは33年前に広告代理店Okóを設立し、 エステルさんはキュレーターで芸術賞の審査員なども務める。 ふたりは2009年にフランセス財団を設立し、共に気に入っ た作品のみを蒐集してきた。世界50ヵ国、260人の作品900点から企 画展のために作品を選んで社屋3フロアに配置し見学者を招き入れる。財 団としての使命は、「今、生きている芸術家の作品を買い、創作を続ける支 援をすること。今日の作品を蒐集することは、それらを通じて今の時代を 語ることであり、また、今日の世界のあ りさまを体現した作品を未来へ残し思 考をうながすことだからです」。今の展 示のテーマは「すべて政治!」。「政治、 戦争、植民地活動、病気…見たいもの より、見たくないもののほうが多いかも しれません。でも衝撃が人を思考へと導 きます。作品には意図がある。討論を 引きおこすような作品が好きなのです」。
エルヴェ(左)& エステル・フランセスさん。





◉ Fondation Francès : 21 rue Georges Boisseau 92110 Clichy M Saint-Ouen(14号線)駅から徒歩5分。 “ Tout est politique !(すべて政治!)“ 展(4/11まで) 見学はサイトから予約(無料):木~土11h-19h 。 祭日休館。
mediation@fondationfrances.com www.fondationfrances.com Senlisの展示室でも同テーマで4/11まで展示中。

現在レジデンス中の、セリア・コエットさん。アトリエに来訪者が来ている。
2013年の創立時はモントルイユ市立の現代美術館「116(サンセーズ)」だったが、市内 在住の風刺画家ティニュスが2015年にシャルリー・エブド襲撃事件で殺害されてから、ティ ニュスの名に改称した。年4回、企画展を開く。現在は、「記憶喪失 AMNESIA」をテーマ にした6人のグループ展を開催中(4/11まで)。ビデオ、セリグラフィー、インスタレーション などで、〈見たことがあるようでない場所〉を表す。モントルイユの土地と人々をテーマに、毎年 1人、アーティストのレジデンスを実施する。現在は、地域で働く人々の休息をテーマにした セリア・コエットさん。館内にある彼女のアトリエのスペース半分を3月26日まで毎木曜 12 :30〜15 :30に開放し、来た人に飲み物やお菓子を出し、 読書や絵を描くことでゆったりとした時間を過ごしてもらう。そ こから醸し出されたものの集大成が、5月の展覧会で公開される。

◉ Centre Tignous d ’art contemporain 116 rue de Paris 93100 Montreuil M Robespierre Tél:01.7189.2800 日月休、水木:14h-18h、金:14h-21h、土:14h-19h 。無料。 https://centretignousdartcontemporain.fr



































Romainville
FRAC Île-de-France -Les Réserves
Fondation Fiminco
FRAC - イル・ド・フランス地域圏現代アート基金美術館
FRAC - イル・ド・フランス地域圏現代アート基金美術館

1800点以上の所蔵品の置き場に困っていたイル・ド・ フランス地域圏現代アート基金が、2021年、ロマンヴィ ルののガラス張り3階建ての建物に移転した。「レ・レゼ ルヴ(収蔵庫)」と呼ばれるが展示空間もあり、パリ19区の 「FRAC ル・プラトー」と連携して展覧会を行う。今回もそ の2ヵ所で、キュレーター集団”ビュロー”が企画した「ボ ナール症候群」がテーマの展覧会を開催中だ(7/18まで)。
画家ピエール・ボナールは、美術館に展示された自作に描 き加えているところを監視人に止められたという。この逸 話から「ボナール症候群」という言葉ができた。作品を直し たい作者と、作品を保護する義務がある美術館。しかし、 美術家は誰もがボナールのような欲求を強く持っている。
フィマンコ財団

ジャン=リュック・ブラン氏が、展示された自分の作品 に筆を加えている。
ジャン=リュック・ブラン氏が、展示された自分の作品 に筆を加えている。

キュレーター集団 「ビュロー」のメンバー。
相反する両者の意図について考えさせるのが目的なので、 展示するアーティストはボナールのように振る舞うのも自由 だ。完成後、油絵に保護用ニスを一度も使ったことがない というジャン=リュック・ブランが、会場で自作の肖像画に 手を入れるのを見られるかもしれない。
◉ Frac Île-de-France - Les Réserves : 43 rue de la Commune de Paris 93230 Romainville Tél:01.7621.1333 https://fraciledefrance.com 水~土:14h-19h(月一回、日曜開館)入場無料。
M Bobigny-Pantin-Raymond Queneauから徒歩10 分。
パンタン、ボビニーに隣接するロマンヴィ ルの端の地域で、不動産業のフィマンコ・グ ループの財団が、「FAST(Fiminco Art Studio)文化地区」を作り大規模な文化事業 を進めている。製薬会社があった場所で、複 数のアートギャラリー、FRACとフィマンコ財 団、アートスクールなどがコの字形に建っている。財団では、現代美術の特別展、 アーティストブックの展示販売、スペクタクルなどがあるが、特筆すべきはアーティ ストレジデンスが充実していることだ。個人のアトリエの他、共同で使える版画、 デジタル技術、テキスタイル、セラミックのアトリエがあり、新しい技術に挑戦した いアーティストは手ほどきをしてもらえる。同時に複数のアーティストがレジデンス に入る。滞在設備も整っており、世界中から応募がある。レジデンスの終わりの 展覧会は一般公開する。1日限りの催しもあるので、 ニュースレターやサイトでこまめにチェックするといい だろう。
ロマンヴィルにはかつて公共馬車の馬屋があった(現在はアウトレット モールPaddock)。獣医ガストン・ルッセルがそこの馬から血清をとり、 貧血や結核の薬を開発し工場を作ったのがはじまり。その後は化学薬 品工場となった。
◉ Fondation Fiminco
Tél:01.8375.9475 www.fondationfiminco.com

住所、行き方はFracに同じ。入場無料。アトリエ見学は展覧会開催時の火~土:14h-18h
Vitry-sur-Seine
Vitry-sur-Seine
国内唯一、フランス現代アートに 特化したコレクション。
国内唯一、フランス現代アートに 特化したコレクション。

◉ Musée d ’art contemporain du Val-de-Marne : Place de la Libération 94400 Vitry-sur-Seine Tél:01.4391.6420 www.macval.fr
火~日 11h-18h 。入場無料。
M °Porte de Choisy(7号線)からトラムT9で MAC VAL 駅下車すぐ。
または M °Liberté(8号線)から バス180 番 (Villejuif 行き)、Hôtel de Ville - Roger Derry 下車徒歩5分。
270人のアトリエが集まった、 国際的アーティスト コミューン。
MAC VALは「ヴァル・ド・マルヌ県現代美術館」の略。
MAC VALは「ヴァル・ド・マルヌ県現代美術館」の略。
2005年に県の主導で設立された。1950年以降のフ ランス現代美術の作品を集めた国内唯一の美術館。 2500点を所蔵している。長方形の建物は正面と庭園 側に入り口があり、風が通るようなゆったりした空間を 作り出している。常設展と企画展があり、常設展も定 期的に作品が入れ替わる。創立20周年を記念して、「理 想的なジャンル」と題した展覧会を所蔵作品で構成して 開催中(2027年3月まで)。歴史画、風景画などアカ デミックな絵画で区分されていた5つのジャンルを現代 美術の視点から捉え直すものだ。特別展はアルノー・ラ ベル=ロジューのキッチュで政治的なコラージュなどの 「わかるでしょう!」展(4/21まで)と、ファビエンヌ・ガ ストン=ドレフュスの刺繍のようなタッチの版画シリーズ 「あなたは流行の何かをわめき立てる」展(8/20まで)。 外国人アーティストを対象としたレジデンスも備えている。
2005年に県の主導で設立された。1950年以降のフ ランス現代美術の作品を集めた国内唯一の美術館。 2500点を所蔵している。長方形の建物は正面と庭園 側に入り口があり、風が通るようなゆったりした空間を 作り出している。常設展と企画展があり、常設展も定 期的に作品が入れ替わる。創立20周年を記念して、「理 想的なジャンル」と題した展覧会を所蔵作品で構成して 開催中(2027年3月まで)。歴史画、風景画などアカ デミックな絵画で区分されていた5つのジャンルを現代 美術の視点から捉え直すものだ。特別展はアルノー・ラ ベル=ロジューのキッチュで政治的なコラージュなどの 「わかるでしょう!」展(4/21まで)と、ファビエンヌ・ガ ストン=ドレフュスの刺繍のようなタッチの版画シリーズ 「あなたは流行の何かをわめき立てる」展(8/20まで)。 外国人アーティストを対象としたレジデンスも備えている。


庭や広いテラスのあるカフェも人気。
前菜+主菜/主菜+デザートで23€。

モンマルトルの丘が見えるアトリエをシェアする、 リューク・ジャムスさんとティボー・リュカさん。

蝋、木、鉄などさまざ まな素材を扱って大小 作品を創るマティルド・ アルブイさんの作品は、 現在le 19Mで展示さ れている。(4/26まで)
◉ 4 rue du Sucre Bât. 270, 93300 Aubervilliers https://poush.fr
M °Aimé Césaire(12号線)から徒歩10 分。 Gare du Nord(始発)からバス35番でParc du Millénaire下車。
















オーベルヴィリエにある「POUSH」は、 書類審査で選抜した270人の様々な国籍 のアーティストにアトリエを貸し、活動を 支援するNPOだ。2020年にクリシーで 活動を始め、その後オーベルヴィリエの 元香水工場の建物に。今年、衣料品など の問屋街の中にある2棟の建物に移転し た。アトリエだけで、滞在設備はない。 セーヌ・サンドニ県の協力を得て、この地 域での芸術活動を国際的に広げ、東京、 北九州でも展覧会を開いた。パリのシャイ ヨ劇場やシャネルが創設した高度な手工芸 (メチエ・ダール)に特化したギャラリー 「le19M」、パリで開催されるアート・バー ゼルのような国際アートフェアなどでも POUSHのアーティストの作品を紹介して いる。一般公開はしていないが、アートフェ ア開催中は予約制で見学できる。



眼下にひろがる赤いレン ガの倉庫街。 サン・ドニ運河に近い オーベルヴィリエの街に はまだ現役の工場も多 い。倉庫街の先に見え るのが、シャネルのギャ ラリー le19M。歩いて 5分ほど。




























【展覧会】Magdalena Abakanowicz - La trame de l’existence マグダレーナ・アバカノヴィッチ 存在の横糸。

ポーランドが誇る世界的なファイバー アー ティストで彫刻家、画家のマグダレーナ・ア バカノヴィッチ(1930-2017) の 作品 には、 ブールデル美術館の特別展会場に収まり切 れないスケールの大きさがある。東欧の伝統 的なテキスタイル技術をもとに、タピスリー やテキスタイルの概念を越える巨大な彫刻を 作り上げた。会場にはそれがところ狭しと並 ぶ。「 アバカン・オレンジ」と名付けられた 作品では、地面の割れ目にも女性の性器にも 見える赤い織物の上から、生命の糸のような
【シネマ】3月のパリ・映画祭情報
別の形の織物が垂れ下がっている。サイザル
麻などの天然繊維からは今でも素材の匂い がし、生きているかのようだ。アバカノヴィッ チの作品は沈黙していない。ジュートの布を
張り合わせた人型の殻が何体も並んでいる。 頭がない人が立っている「群衆」や、頭がな
く脚が切れた人間の背中だけが並ぶ「背中」
には、特定できない人々が 呪文のように同 じ言葉を吐き続けているような不気味さがあ る。人間性が抑圧された全体主義のもとで、 生が中身のない塊になってしまうことを表して いるのではないだろうか。アバカノヴィッチの 作品は性的であり、政治的だ。生と死の匂 いもする。死んだ蠅のデッサン、胴体の中に 色々なものが詰まっている絵からもそれが感 じられる。ビデオを見ると、作品が生贄のよ うに竿に乗せられて砂漠の中に置かれるシー ンがある。人間の原始の儀式みたいだと思っ た。なぜか、パゾリーニを思い出した。(羽) 4/12 まで

Musée Bourdelle: 18 rue Antoine-Bourdelle 15e
火~日10h-18h、月休。10 € / 12 €

南京虫騒ぎで、約1ヵ月上映室を閉ざしたシネ マテーク フランセーズ。1月上旬に再開し、今 は虫も駆除され安心して映画が見られるように。
3月11日から15日まで開催の《第13回シネマテー ク映画祭》は、映画史が見落としやすい80年代
に頂点を極めた米映画人に注目。今年
は『愛と青春の旅だち』『愛と追憶の日々』
に出演した俳優デブラ ウィンガーと、
『ウォー ゲーム』『ブルーサンダー』の
監督ジョン バダムが登場。また、日本
からは「角川スタジオ50周年」と題し、
市川崑監督『犬神家の一族』、相米慎
二監督『セーラー服と機関銃』など6本
の 角川作品 を 紹介。開幕上映 は、
『 ウォー・ゲーム』とカラックスの短編
『Sans titre』。修復作品も満載でドライ ヤーの『あるじ』、成瀬の『銀座化粧』
などが鑑賞できる。
3月21日から28日までは、ドキュメンタリーの最
前線を切りひらく《第48回 Cinéma du réel》。ポ ンピドゥ センターが改修中につき、L'Arlequin やLa Clefなど、会場は 5ヵ所に分散。国際部門 とフランス部門があるコンペは ベルリン映画祭

restaurant
学生さんたちに独占させておくにはもったいない フランス南西部料理のビストロ。
イアン・ボストリッジ のCD「Songs From Our Ancestors」には 『Flow my tears』など ダウランドの曲が5曲 おさめられている。 (Naxos/28€前後)
ジョン・ダウランドというイギリスの作曲家を知っ ていますか?シェークスピアと同時代の1563年に 生まれ1626年に亡くなったというから、ルネサンス 音楽からバロック音楽への過渡期を生きたことにな る。自身がリュートの名人で、リュートの伴奏つき の歌曲で知られている。『悲しみよ、とどまれ』、『私 の愛しい人が泣くのを見た』、『静かな夜から』など、 この時代の、つつましく、ひとひたと心を満たして いくような哀れがある。とにかく、欧州中で愛唱さ れていたという『流れよ、わが涙 Flow my tears』 *を聴いてみよう。「あなたの泉から涙が流れおちる …」。ダウランドは、この曲のテーマをもとにヴィオ ラ・ダ・ガンバだけのアンサンブルのために、『ラク リメ、あるいは七つの涙 』**を書いている。ゆっく りめのテンポで歌われる優雅なポリフォニーのとり こになってしまう。パリでダウランドを聴く機会はま れだけれど、現代を代表するテナー歌手、イアン・ ボストリッジ、リュート奏者のエリザベス・ケニー、 フレットワーク・コンソートで、ダウランドの歌曲や 室内楽曲を聴くことができる。(真)
Ian Bostridge “Dowland” 14日20h30
tenorfretwork/ *www.youtube.com/watch?v=LQIc9faWfJc Ensemble Musica Ficta による演奏。 ** www.youtube.com/watch?v=qXfxY4QmENU ジョルディ・サヴァールによる名盤。
で紹介されたアノー チャ スウィチャー ゴーンポン 監督、

フレデリック・ワイズマン
©
音楽は 石橋英子 の 『Narrative』、セバ スチャン ブラメス フーバー『London』などの話題作が。学生審査 員が 選 ぶアマチュア作品 を 集 めた「Première fenêtre」、毎晩19h30から監督を招き討論会付き 上映を組む「Front(s)populaire(s)」など意義 深い企画も光る。先日、ドキュメンタリー界の巨 匠フレデリック ワイズマンが逝去したが、彼は 1973年にジャン ルーシュ、ヨリス イヴェンスと ともに本映画祭の発足を支援。期間中はオマー ジュ企画はあるのだろうか。(瑞)
www.cinematheque.fr/cycle/festival-de-lacinematheque-13e-edition-1550.html www.cinemadureel.org/
Chez papa

生ハム、鴨のコンフィと砂肝、鴨の脂で揚げたジャガイモの入っ たボリューミーなサラダで昔っから有名なシェ パパは、パリと郊 外 に10軒ある南西部料理 の 名店だ。ビールの安さにも定
生ハム、鴨のコンフィと砂肝、鴨の脂で揚げたジャガイモの入っ たボリューミーなサラダで昔っから有名なシェ パパは、
外 に10軒ある南西部料理 の 名店だ。ビールの安さにも定 評があり、テラスでは、12時 から24時 までのハッピーア ワーの間、1リットル(!)の大 ジョッキのビール(7.50€)を

評があり、テラスでは、12時 から24時 までのハッピーア ワーの間、1リットル(!)の大 ジョッキのビール(7.50€)を 片手におしゃべりに花を咲か せている若者を多く見かける。 私が足繁く通うのは、モン パルナス大通りに面するヴァ ヴァン店なのだが、特筆すべ きは日替わりランチ。選択の 幅が広く、前菜+メイン、メイ ン+デザートで15.90€ 、3品 だと18.90€。盛りがよくて、生野菜とポテトの両方が添えてあっ たりとバランスも良いので、日替わりのメイン(12.90€)1皿にワ インを1杯(3.50-7€)つけるのが気に入っている。 日替わり料理に気になるものが見

Salade Landaise これにフォ アグラと鴨の胸肉を加えた La salade de Maman (22.60€)もおすすめ。





















夕方、テラスは連日満員だが、食事を するなら、店内にテーブル席があるので ご心配なく。
夕方、テラスは連日満員だが、食事を するなら、店内にテーブル席があるので ご心配なく。
片手におしゃべりに花を咲か せている若者を多く見かける。 私が足繁く通うのは、モン パルナス大通りに面するヴァ ヴァン店なのだが、特筆すべ きは日替わりランチ。選択の 幅が広く、前菜+メイン、メイ ン+デザートで15.90€ 、3品 だと18.90€。盛りがよくて、生野菜とポテトの両方が添えてあっ たりとバランスも良いので、日替わりのメイン(12.90€)1皿にワ インを1杯(3.50-7€)つけるのが気に入っている。 日替わり料理に気になるものが見つ からない時は、前述のガッツリ系のサ ラダから1品選 ぶか
増)が食べられるのが嬉しい。例えば日替わりから友人はペッパー ソース添えのステーキ(冒頭写真)、私 はランド地方風サラダ (17.40€。上の写真)を選んだ。ワインはマディランの赤をグラス (4.60€)で。隣のテーブルでは、1リットルの大ジョッキを片手に、 XLステーキ(25.50€)と豪快を絵に描いたような風景。(里)
でも日替わり(1€ 増)が食べられるのが嬉しい。例えば日替わりから友人はペッパー ソース添えのステーキ(冒頭写真)、私 はランド地方風サラダ (17.40€。上の写真)を選んだ。ワインはマディランの赤をグラス (4.60€)で。隣のテーブルでは、1リットルの大ジョッキを片手に、 XLステーキ(25.50€)と豪快を絵に描いたような風景。(里)
Chez Papa : 138 boulevard du Montparnasse 14e 01.4322.4485 無休 8h-02h 。M °Vavin / Port Royal




































































Filet mignon à l’orange
Filet mignon à l’orange
オレンジ風味のフィレ・ミニョンは、思ったより安上がりなごちそうだ!
オレンジ風味のフィレ・ミニョンは、思ったより安上がりなごちそうだ!

4人分:豚のフィレ・ミニョン1本、油、バター大さじ1杯、塩、 コショウ
たれ:オレンジジュース600cc、しょう油大さじ1,2杯、ショ ウガ親指大、シナモン1本、八角1個、ハチミツ小さじ1杯、 ビネガー大さじ2杯、オレンジの皮1個分、塩、コショウ
ナモン、八角、ハチミツ、ビネガーも加える。さらにオレン ジ1個分の皮を、苦みのある内側の白いところをペティナイ フでそぎとって除いてから、細いせん切りにして加える。中 弱火にかけ、半分くらいになるまで煮つめる。ここで味見を して、必要なら塩少々を加える。ボウルにフィレ・ミニョン をとり、オレンジ風味のたれを注いで混ぜ合わせ、1時間 ほどおいておく。








い季節に出まわるオレンジは、その色、その香り、そ
の味わいが食卓を明るくしてくれる。オレンジならでは
の甘酸っぱさを生かして豚のフィレ・ミニョンと組み合
わせたレシピは、ずいぶん前に紹介したことがあるが、今回の レシピで、おいしさ倍増です!
い季節に出まわるオレンジは、その色、その香り、そ の味わいが食卓を明るくしてくれる。オレンジならでは の甘酸っぱさを生かして豚のフィレ・ミニョンと組み合 わせたレシピは、ずいぶん前に紹介したことがあるが、今回の レシピで、おいしさ倍増です!
豚肉とは思えない柔らかさをもったフィレ ミニョンは、キロ
豚肉とは思えない柔らかさをもったフィレ ミニョンは、キロ
25ユーロ前後で、1本600グラム前後ある。表面にある余分な脂 を切りとり、半分に切る。
25ユーロ前後で、1本600グラム前後ある。表面にある余分な脂
を切りとり、半分に切る。 次はオレンジ風味のたれを準備する。鍋にオレンジジュース
をとり、コショウをひき入れ、しょう油、おろしたショウガ、シ
次はオレンジ風味のたれを準備する。鍋にオレンジジュース をとり、コショウをひき入れ、しょう油、おろしたショウガ、シ
30分 でフランス料理 ④

鶏の胸肉blanc de pouletは火の通りが早 いので、この連載にうってつけだ。そこで、し ばらく前に書いたシーザーサラダの復習です。
胸肉を一人当たり100グラム前後買ってくる。
まず卵をゆでて冷ましておく。ロメーヌやバ タヴィアなどのサラダ菜適量を冷水で洗って水 気を切り、小さく切り分け、サラダボウルにとる。
シーザーサラダのドレッシングはアンチョビー
ココット鍋に油をとって中強火にかけ、熱くなったら、た れをふきとった肉を入れ、まんべんなく焼き色をつけたい。 たれを、シナモンや八角ごとそそぎ、バターも加え、再沸騰 したらふたをして弱火におとし、途中で2,3度、肉をひっ くり返しながら、30分ほど煮込んでいく。 30分たったらふたをとり、中強火にし、肉を転がしながら、 煮汁がとろりとするまで煮つめていけば、オレンジの風味が凝縮 したようなうまさ!少し甘すぎるかなと思ったら、レモンのしぼり 汁少々を加えるといい。必要なら塩、コショウする。 付け合わせは、自家製のマッシュポテトしかない。肉を煮て いる間つくっておいて、直前に電子レンジで温め直すようにすれば、 あわてなくてすむだろう。肉を1センチ半ほどの厚さに切り、熱々 のマッシュポテト、オレンジを添え、オレンジ風味のソースをか ける。あまりのおいしさに息をのむ。ワインはボルドーやコット デュ ローヌのようなこくのある赤がほしい。(真)
Filet mignon en croûte

の風味が大切だ。アンチョビーペーストcrème d ’anchoisを小さじ1 杯ボウルにとる。卵黄 1 個、 マスタード小さじ1 杯、細かくみじんに切ったニ ンニク2 片も加えて混ぜ合わせる。泡立て器 で混ぜ合わせつつオリーブ油半カップを少量 ずつ加え、軽いマヨネーズのようなドレッシング にする。レモンのしぼり汁大さじ2 杯、粉末パ ルメザン大さじ2 杯を混ぜ入れ、コショウで味を ととのえる。アンチョビーの塩気があるので、 塩を加える必要はない。
サラダ菜にドレッシング適量を加えて混ぜ合 わせ、各人の皿にとる。鶏の胸肉をたてに切 り分け、塩、コショウ、パプリカ粉も振って数 分いため、サラダ菜にのせる。ゆで卵を二つ に切って添える。写真に見えるクルトン(パン の小片を油で揚げたもの)は、Tipiak 印のニ ンニク風味。(真)
*調理時間は30 分。


パーティーの卓上に出したりすると 見ばえもいいし、大受けする一品。ま ずフィレ・ミニョン全体にハチミツとマ スタードを刷毛でぬって塩、コショウ し、市販の折り込みパイ生地pâte feuilletéeの真ん中におき、両端も おおうようにしながら、すき間ができ ないようにしっかりと包む。これをクッ キングシートをしいた天板にのせ、つ やが出るように水少々で溶いた卵黄を まんべんなくぬり、斜に2センチ間隔 の浅い切れめを入れ、ところどころに 小さな穴をあけ、160度で熱くなって いるオーブンに入れる。40分から45 分焼いて表面にきれいな焼き色がつ いたら完成。

















































極右学生死亡事件

Libération 2/18付「逆境のLFI」
2月12日、リヨンで極右と極左の両グ ループの衝突が起こり、極右の学生(23) が頭などを強打されて14日に死亡した。
容疑者のなかに「服従しないフランス」
党(LFI)議員の関係者がいたことから、
市町村議会選への思惑もあってLFIに
非難が集中している。
包装ゼロの売場が アンテルマルシェにも




















































































































































































