yu uchikura_portfolio2020

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BIOGRAPH

YU UCHIKURA

EDU CAT I ON

U n i ve r s i t y o f To k yo

APR 2014 - MAY 2019

D e pa r t m e nt of A rc hi tect u re, Keng o Ku m a L a b.

U n i ve r s i t y o f I l l i n o i s a t U rb a n a - C h a m p a ign

AUG 2016 - MAY 2017

D e pa r t m e nt of A rc hi tect u re ( exc h a ng e )

i .s c ho o l

APR 2018 - MAR 2019

I nnovat i on Ed uc at i on P ro g ra m , c l a s s o f 2019

U n i ve r s i t y o f To k yo

APR 2019 -

G S I I - E D I , Mi l e s Pe nn i ng to n L a b. / D L X D es i g n L a b.

E X PE R I E N C E

S am bu i c hi Ar c hi te c t s

MAY 2017 - JUL 2017

d e si g n i nte r nshi p

N IK K E N S E K K E I

AUG 2018

d e si g n i nte r nshi p

Ke ng o Ku m a an d A s s oc ia te s

FEB 2018 - APR 2018

d e si g n i nte r nshi p

AnyP ro j e c t s

JUL 2019 - SEP 2019

d e si g n i nte r nshi p

S K IL L

A do be C C

Ps , Ai, Id, Xd, Pr

C o m pu te r M o de l i ng

Rhinoceros , AutoCAD, V -ray

P rotot ypi ng

3D Printer, Laser Cut ter

02


CONTENTS

Re: INFRASTRUCTURE

04

ARCHITECTURE DESIGN

CV as a NODE

10

CV DESIGN

HETEROTOPIA

16

ARCHITECTURE DESIGN

FOOD+CLINIC

22

SERVICE DESIGN

MISCELLANEOUS WORKs EDITORIAL DESIGN PRODUCT DESIGN PROTOT YPING

03

28


PROJECT 01

Re: INFRASTRUCTURE

SHINTOMI- CHO, TOK YO HOTEL COMPLEX 2018

OV ERV I E W R ESE ARC H D ES IGN

東 京 ・ 新 富 町 の 真 ん 中 に 、1 960 年 の 都 市 計 画 決 定 に よ り 造 成 さ れ て 以 後、 一度も使われなかったトンネルが存在する。 1964 年 の 東 京 五 輪 に 際 し て 造 成 さ れ た こ れ ら の 道 路 網 は 老 朽 化 が 進 行 し、 2020 年 の 東 京 五 輪 を 前 に 大 き な 転 換 期 を 迎 え て い る。 ト ン ネ ル は 依 然 と し て 車 な ど の 乗 り 物 を 通 す『 管 』 に 過 ぎ な い の か。2 度 目 の オ リ ン ピ ッ ク 開催を機に、21 世紀的なインフラストラクチャーの在り方を模索した。 『地中に埋まったトンネル』を、『全長約 60 0 m のコンクリート・チューブ』 と し て 再 解 釈 す る こ と で、 一 年 を 通 し て 15~ 20 ℃ 前 後 の 空 気 を 創 り 出 す 環 境 装 置 へ と 転 換 さ せ る。 チ ュ ー ブ 上 部 に は、 季 節 風 を 利 用 し た 空 気 循 環 型の建築を設計することで、熱交換されたチューブ内部の適温空気が吸い 上げられ、建築内部の自然換気が行われる。 周 辺 の 銀 座・ 築 地 エ リ ア に 滞 在 す る 全 て の 人 々 が 恩 恵 を 享 受 で き る よ う な 滞在空間を作り、日本の近代化のシンボルである都心環状線を、よりヒュー マンな 21 世紀的インフラストラクチャーとして転生させる。

04


EXTERIOR

COMPUTER GRAPHIC


PROJECT 01

H I S TOR I C AN ALYSI S

公園。(左図赤部分) かつて川が流れていた場所が埋め 立 て ら れ、1960 年 の 都 市 計 画 に よ っ て、 現 在 の 首 都 高 速 道 路 に 接 続するトンネルバイパスが造成さ れた。(左図白点線) 約 60 年経つ今でも、一度も使われ

E

ることのないまま、全長約 600 メー

SIT

敷地周辺及び、敷地地中に存在するトンネルの

歴史に関するリサーチ

敷 地 は 東 京・ 新 富 町 に あ る 築 地 川

トルものトンネルが地中に埋まっ ていたことが分かった。

OV ERV IE W R E SE A R C H 1960 年 高 度 経 済 成 長 期 に 造 成 さ

D ES IGN

れ、 無 用 の 長 物 と な っ て し ま っ た 「車のためのトンネル」を、現代に 生きる我々はどのように解釈すれ ばよいのだろうか。 人とインフラストラクチャーの 21 世紀的な関り方を模索した。

06


Re: INFRASTRUCTURE

T HER M AL AN ALYSIS

地中約 10M の深さに埋ったトンネル内の

空気温度に関するリサーチ

コンクリートを介した地中との熱 交 換 に よ っ て、 年 中 を 通 じ て 約 15 ℃ ~20 ℃ に 保 た れ る こ と が 分 かった。 冬:5℃(外気 ) → 20℃(トンネル内) 夏:30℃ ( 外気 ) → 15℃(トンネル内)

Feb

Mar

Apr

May

Jun

Jul

Aug

Sep

Oct

Nov

Dec

W I N D A N A LYS I S

敷地上空 10M を吹く風に関するリサーチ

(出典:気象庁ホームページ 2018 年観測データより)

Jan

気象庁の観測データを基に風配図 を作成したところ、10~3 月にかけ て は 北 部 か ら、4~9 月 に か け て は 南 部 か ら、 一 年 を 通 し て 南 北 方 向 に風が吹くことが分かった。

07


PROJECT 01

SPAC E D E SI G N

トンネル内の「空気」と、それを活用するための「風」に

着目したホテル全体の空間設計

30℃

15℃ SUMMER

5℃

OV ERV IE W

15℃ WINTER

R ESE ARC H D E SI GN

南北方向に吹き抜ける季節風を利 用 し て、 屋 根 形 状 に よ っ て 頭 頂 部 に 負 圧 を 生 み 出 し、 建 築 内 部 の 空 気を吸い上げる機構を設計した。 チューブ内部と建築内部を換気ダ ク ト で 繋 ぐ こ と で、 チ ュ ー ブ 内 の

water collection

空気が引き上げられ自然換気が行 われる。 滞在ユニットは人数に応じた 3 タ イ プ を 設 計 す る。 換 気 シ ス テ ム の コ ア と な る 煙 突 空 間 は、 半 屋 外 空 間として建築内部と外部を緩やか に接続している。 滞在する人々が日常生活の中で無 意 識 の う ち に『 風 』 と 戯 れ る。 無 意 識 下 に 存 在 し、 人 間 の ち ょ っ と した行動を変えてしまうような「ゆ る さ 」 こ そ が、 2 1 世 紀 的 な イ ン フラストラクチャーの在り方なの ではないか。

tunnel effect

08


Re: INFRASTRUCTURE

X1

X2

X3

X4

X1

Y1

Y1

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Y2

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X6

X1

Y1

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Y3

Y3

Y4

Y4

Y4

Y5

0

1

3

6

10m

Type A

Type B

Type C

Area : 27m2(inside) + 9m2(terrace)

Area : 47m2(inside) + 16m2(terrace)

Area : 84m2(inside) + 24m2(terrace)

Number of Unit : 8 units

Number of Unit : 10 units

Number of Unit : 4 units

Target : 1~2 people

Target : 2~5 people

Target : 5~7 people

09

X2

X3

X4

X5


PROJECT 02

CV as a NODE

F U K U M I C O R P. CV DESIGN 2020

OV ERV I E W R ESE ARC H D ES IGN

1948 年 に 富 山 で 創 業 し た 福 見 産 業 株 式 会 社。2 0 1 8 年 に 創 業 7 0 年 の 節 目 を迎え、新しいコーポレートヴィジュアルのデザインを行った。 先 代 に よ っ て 富 山 で 創 業 さ れ た 会 社 の 歴 史 を 引 き 継 ぎ な が ら、2020 年 以 降 の 海 外 進 出 や 新 た に 掲 げ ら れ た 経 営 理 念・ 行 動 指 針 を 投 影 す る。 歴 史 を 継 承 し な が ら 未 来 を 示 し、 長 い 年 月 の 中 で 会 社 の 象 徴 と な る よ う な ロ ゴ デ ザインが求められた。 ロゴ形態にはゴシック・ボールド基調の現代的なモチーフを用いることで、 デ ザ イ ン の 刷 新 を 行 っ た。 一 方 で、 エ レ メ ン ト の 構 成 原 理 に は 旧 ロ ゴ の ア ナロジーを利用することで、先代より受け継がれてきたレガシーを継承す ることを試みた。 「 構 成 原 理 」 と 「 形 態 」 を ロ ゴ の 持 つ 二 面 性 と し て 解 釈 す る こ と に よ っ て、 「 歴 史 の 継 承 」 と 「 未 来 へ の 革 新 」 と い う、 共 存 す る 二 つ の 想 い を 結 晶 化 した。

10


CV DESIGN MANUAL

I L L U S T R AT I O N


PROJECT 02

C OR P OR AT E H I S TORY

1948 年に創業されて以来、70 年以上もの歴史を持つ

福見産業株式会社の会社沿革

梱包資材の販売会社として創業

創業者は富山県にルーツを持つ 1948

1950

1960

大阪支店を開設

1970

OV ERV IE W

1980

R E SE A R C H

1990

株式会社フクミとして分社独立 梱包事業をコア事業として行う

株式会社フクミを設立 本社を港区六本木に分社設立

D ES IGN

1994

医薬品販売業を取得

医薬品事業開始

東京支店を埼玉県戸田市に設立

2000

キョクトウ株式会社と業務提携

2010

キョクトウ株式会社を関連会社化 北陸支店を富山県富山市に開設

インドネシアにPT. FUKUMI INDONESIAを設立 福威國際有限公司(台湾)へ出資 J.T.GRAVURE(タイ) と業務提携

2020

12

海外進出に向けて、社名変更及び 2020

株式会社FUKUMIに社名変更

CI・CV 変更を行う


CV as a NODE

C OR P OR AT E V I SI ON

会社全体のビジョン

「経営理念」と「行動指針」として、6 年前に言語化された

経営理念

言 葉 と し て 結 晶 化 さ れ た「 経 営 理 念 」 と「 行 動 指 針 」 を ダ イ ア グ ラ ムを用いて表現することで、ビジョ

‟ お客様の喜びが私たちの喜びになる”

ンを非言語の形に落とし込んだ。

消費者の喜び

このダイアグラムをきっかけにし て、ロゴデザインを構成していく。

顧客の喜び

協力企業

顧客・消費者

私たちの喜び 私たち

会社の仲間

行動指針 ‟ 信頼づくり、みんなが主役”

CV a s a N O D E

コーポレートアイデンティティ:

会社の「歴史」と「未来」を繋ぐ結節点

CV PA S T

F U T UR E

海外進出

先代への感謝と敬意

社 長、 社 員 の 方 々 と の デ ィ ス カ ッ ションを重ねるうちに、 「創業者である先代への感謝」 「現在の事業の発展」

梱包・包装事業

「海外への進出」

行動指針

「行動指針と経営理念」 という4つの大きな軸を言語化す る こ と が で き た。 こ れ ま で、 そ し てこれからの会社を象徴する存在

医薬品事業

13

経営理念

と し て、 こ れ ら の 要 素 を 紡 い で い くようなナラティブが求められた。


PROJECT 02

正方形と円形をベースとしたシン プルな幾何学を元に全体を構成し た。差し色にはコーポレートカラー の 緑 か ら、『100 年・200 年 続 く 企 業になるように』という思いを込 め、 日 本 の 伝 統 色 で あ る 千 歳 緑 を 用いた。

OV ERV IE W

【千歳緑】 DIC / 379s 4 色 / C76 M41 Y100 K38 RGB / R51 G87 B25

E LE M E N T S

D E SI GN

複合的に重なり合うことでロゴマークを形成する

8 つの構成要素

R ESE ARC H

01.

04

07.

02.

05.

08.

03.

06.

09.

01 :「ふ」 02 :「く」 03 :「み」 04 : 包装事業を表すリボン 05 : 医薬品事業を表す包み紙 06 : 富山県の立山連峰 07 : 行動指針のダイアグラム 08 : 経営理念のダイアグラム 09 : 最終デザイン

14


CV as a NODE

PR ODU C T S

CV 変更に伴って作成した、名刺・封筒・紙袋などの

ヴィジュアル周辺プロダクト

CV のデザインコードに則り、シン プ ル さ の 中 に、「 伝 統 」 や「 信 頼 」 を象徴するような緊張感のあるデ ザインを目指した。 これらのプロダクトが使用される 中 で、 新 ロ ゴ が「 歴 史 と 未 来 」 そ し て「 個 人 と 会 社 」 を 繋 ぐ シ ン ボ ルとして、永く愛されることを願っ ている。

15


PROJECT 03

HETEROTOPIA

K ABUKI- CHO, TOK YO COMMERCIAL COMPLEX 2019

OV ERV I E W R ESE ARC H D ES IGN

眠 ら ぬ 街 、 歌 舞 伎 町 。 こ の 町 は 職 業、 年 齢、 人 種 を 問 わ ず 、 人 々 の あ ら ゆ る欲望を飲み込むことで日本を代表する歓楽街として成長してきた。 そ ん な 町 に 商 業 施 設 が で き た 。 そ こ で は 毎 日 多 く の 人 が 行 き 交 い、 蠢 い て い る。 で も 何 か が 足 り て い な い。 歌 舞 伎 町 の 町 中 で 感 じ る 違 和 感。 風 俗 店 と 隣 り 合 う 公 共 施 設、 昼 間 も 薄 暗 い 路 地、 賑 わ い を 溜 め 込 む ス ト リ ー ト 。 小綺麗なビルの中で小綺麗な行為が再生産されている。そんなビルに置か れた怪獣は、消費主義が生み出したフォリーでしかない。 商業開発によるジェントリフィケーションに対抗するため、歌舞伎町の持 つ 空 間 的 ア ナ ロ ジ ー を 用 い 、 建 築 の 中 で 商 業 施 設 を 再 構 成 す る。 消 費 欲 求 のままに建築内部を回遊すると、無意識のうちに歌舞伎町のアナロジー空 間 に と ら わ れ て し ま う。 気 が 付 く と、 商 業 施 設 ま で も が 歌 舞 伎 町 の 一 部 と なっているのである。 商 業 開 発 へ の 迎 合 か、 歌 舞 伎 町 へ の 迎 合 か。 全 て を 飲 み 込 む 歌 舞 伎 町 の 怪 獣こそが、この町のシンボルにふさわしい。

16


SECTION PERSPECTIVE

COMPUTER GRAPHIC


PROJECT 03

SI T E AN ALYSI S

宝ビルのある区画。1957 年に歌舞 伎町発の劇場としてオープンした コマ劇場があった場所でもある。 歌 舞 伎 町 は 約 100M 四 方 の エ リ ア を指す。(左図白部分) 本敷地はセントラルロードとシネ シ テ ィ 広 場 に 面 し た、 歌 舞 伎 町 の 中心地に存在する。(左図赤部分)

SIT

E

敷地周辺及び、歌舞伎町エリア全体の街としての

歴史に関するリサーチ

敷 地 は 東 京・ 歌 舞 伎 町 に あ る 現 東

OV ERV IE W R E SE A R C H

左図:セントラルロード 右図:シネシティ広場

D ES IGN

H IS TOR IC AN ALYSI S

歌舞伎町エリアの街としての変遷の歴史に関するリサーチ

1957 - 2020

18


HETEROTOPIA

B U I LDI N G T YP OLO GY

歌舞伎町を表象する雑居ビルの、空間構成に関する

建築的リサーチ

歌舞伎町に存在する雑居ビルにお い て、 路 面 か ら ダ イ レ ク ト に ア ク セスできる地上部分には飲食店や 小売店が入り(青色部分)、エレベー タや階段を使ってアクセスする二 階以上の密閉空間には風俗営業店 などが入っている。(赤色部分) 『街に対して地上レベルで開き、上 空レベルで閉じる』空間構成のア ナロジーを発見した。

雑居ビルを上下に引き伸ばすこと によって、その空間構成アナロジー を ス ケ ー ル ア ッ プ さ せ る。 足 元 に はエレベーターコアや柱のみが残 り、 上 層 部 に は 大 き な 内 部 空 間 が 生まれる。 足元のオープンな商業空間から上 層部のクローズドな劇場空間まで、 多様なプログラムを同一建築内に グラデーショナルに共存させるこ とを試みた。

劇 場、 赤 線、 ホ ス ト ク ラ ブ、 暴 力 団 事 務 所、 風 俗 産 業、 ア ミ ュ ー ズ メントシティ ... 歌舞伎町は戦後か ら現在まで、わずか 50 年余りの年 月の間で多くの衣替えを行ってき た。 お よ そ 100m 四 方 の エ リ ア 内 で、 『雑居ビル』というたったひとつの ビ ル デ ィ ン グ タ イ プ が、 あ ら ゆ る 人 間 の、 あ ら ゆ る 欲 望 を 満 た す 受 け皿になっている。

19


PROJECT 03

C ON T I N U OU S PL AN S

地上 10M~120M まで、連続的に変化する連続平面図

(黒塗り部分は構造壁)

60M , 120M

50M , 110M

OV ERV IE W 40M , 100M

R ESE ARC H D E SI GN

30M , 90M

地上付近では柱とエレベーターコ アのみが表出する典型的商業施設 の平面図が現れる。 20M , 80M レベルが上がるに従って柱が太く な っ て い き、 あ る と こ ろ で 柱 内 部 に空間が生まれ図と地の反転が起 こる。 頂上付近には大きな内部空間が表 出 し、 オ ー プ ン な 商 業 施 設 か ら ク ローズドな劇場空間までがグラ デーショナルに共存している様子 が分かる。

10M , 70M

20


HETEROTOPIA

AR C H DI AG R AM

連続変化する曲線によって構成されたアーチ状の形態

に関するダイアグラム

敷地周辺に存在する「セントラルロード」「シネシティ広場」に

構造壁が xy 方向にカテナリー曲線を描くことで上層部の荷重を

対してメインの大型アーチを設け、人々の賑わいを引き込む。

効率的に受け流し、柱の少ない空間構成を可能にした。

『街に対して地上レベルで開き、上 空レベルで閉じる』- 雑居ビルの空 間構成アナロジーを大規模建築に 応 用 す る こ と で、 全 て の 機 能 を 飲 み 込 む「 歌 舞 伎 町 ら し い 」 商 業 施 設が立ち現れた。 地上レベルからの商業化の波に迎 合 さ れ る の か、 上 空 レ ベ ル か ら の 歌舞伎町らしさに迎合されるのか。 こ の 建 築 そ の も の が、 歌 舞 伎 町 に 潜む自己矛盾を表象している。

21


PROJECT 04

FOOD+CLINIC

ELECTRICS MANUFACTURER SERVICE DESIGN (CONCEPT) 2019

OV ERV I E W R ESE ARC H D ES IGN

2030 年 に は、 約 800 万 人 の 高 齢 者 が 孤 食 状 態 に な る と 予 想 さ れ て い る 。 孤食は栄養バランスの偏りを引き起こすだけでなく、コミュニケーション 不足から活力全体を低下させる原因にもなっている。 5- 10 年 後 の 社 会 で は 、 セ ン シ ン グ デ バ イ ス が 普 及 し、 人 々 の 健 康 デ ー タ は簡単に計測され管理されるようになっている。またモビリティ技術の発 達によって高齢者の移動の負担も大幅に軽減されることが予想される。 「 f o o d + cl i n i c」 は そ の よ う な 未 来 社 会 に お い て、 ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト に 併 設 さ れ た 店 舗 を 用 い、 高 齢 者 一 人 一 人 の 健 康 状 態 に 合 わ せ た 最 適 な 食 事 を 提 供 す る こ と を 通 し て、 地 域 の コ ミ ュ ニ テ ィ を 形 成 す る「 町 の 健 康 食 堂 」 となる。 町全体が連携しながら高齢者の食生活をサポートすることで、慣れ親しん だ町に住む一人暮らし高齢者にとってなくてはならない存在となる。

22


SERVICE OVERVIEW

I L L U S T R AT I O N


PROJECT 04

I D E AT I ON PR O C E S S

本プロジェクトにおけるアイデア創出のためのプロセス

「Weak Singals」と呼ばれる技術的、 も し く は 社 会・ 文 化 的 な 未 来 の 兆

Possible

し と な る 出 来 事 を 収 集 し、 ブ ラ ン ドが提供したい価値と照らし合わ

Plausible

せ る こ と で、 未 来 の 機 会 領 域 を 形

O PP OR T U NI T Y AR E A

W E AK SI GN ALs

成していく。

(未来の機会領域)

( 想 定 外 社 会変化)

Preferable

PPPP 図 に 重 ね た ベ ク ト ル 図 を 想 Present

t = 時間

Probable

BENE FICI AL T ER R I TORY (ブランド・ビジョン)

定 す る と、Weak Signals を 用 い る こ と で ア イ デ ア の 斜 度 を 高 め、 「Preferable」 な 未 来 を 描 き 出 す こ とが分かる。 参考:A diagram of potential futures(PPPP)

O PP O R T U N I T Y A R E A

R E SE A R C H D ES IGN

本プロジェクトにおいて、リサーチによって形成された

未来の機会領域

OV ERV IE W

・Effortless Transport ・Sensing Everywhere ・Sustainable Living の三つの領域の中で、 特 に「 一 人 暮 ら し 高 齢 者 の 食 文 化 をサポートする」という未来の機 EFFORTLESS TRANSPORT

SENSING EVERY WHERE

S U S TA I N A B L E L I V I N G

セン シ ング デ バ イス

自動運転の普及

コミュニ ティ 高齢者 地域密着

?

人生100年時代

会 領 域 を 設 定 し、 ア イ デ ア の 軸 と した。

栄養不足 孤食 センシング

“ 誰 かと一 緒 に 食 べるご 飯 が 一 番 美 味し い ” 性格 ・穏 や か で 、ど ん なタイプ の 人 でも合 わ せら れ る ・安くても利 便 性 の い いもの を 選 び た い ・一 人 の 時 は あ まり贅 沢 はしな い 趣 味・興 味 ・本 を 読 む こと、散 歩 ・ガ ー デ ニング

時 山 ミチ

年 齢:7 8 歳 性 別:女 性 職 業:専 業 主 婦 年 収:2 0 0 万 円 住 所:東 京 都 清 瀬 市 家 族 構 成:一 人 暮 らし

普段の生活 ・近 所 の 地 域 センター で 行 わ れ て いる 体 操 に 週 2 回 行って いる ・月 に 2 回 ほ ど 、友 人 と外 食 に 行く

ゴール ・孫 が 年 に3回 遊 び に 来るの が 楽し み ・健 康 な 状 態 で 長 生 きした い

行動モデルのペルソナを設定する こ と で、 サ ー ビ ス に 関 連 し た ユ ー ザー心理に対する考察を行った。

現 状 に対 する不 満 ・料 理 は 好 きだ けど 、体 が 痛 いし 一 人 だと作る 気 に は ならな い ・友 人 と会う予 定 は 定 期 的 に あるけど 、基 本 的 に 一 人 で 過 ご す 時 間 が 多く、少し 寂しい

こ の モ デ ル を 基 に、 サ ー ビ ス を 設 計 し、 属 性 の 近 い 仮 想 ユ ー ザ ー に インタビューを行った。

24


い る こ と で、 各 ポ イ ン ト ご と の 体

験 の 解 像 度 を あ げ、 こ の サ ー ビ ス

体 験 の キ ー ポ イ ン ト や 問 題 点 等、

検討すべき事項を洗い出した。

ユ ー ザ ー イ ン タ ビ ュ ー で は、 こ の

マップを用いてサービスの説明を

行 い、 ど の シ ー ン に ユ ー ザ ー の 障

壁があるかを明らかにした。

25

WEB

WEB

アクセス チェック

受付

ポイント還元等の特典

• 紹介制度の設置

• webサイト(HP)

しいことをするのは気が進ま

• MaaSの の活用

交通機関との連携

• コミュニティバス等の公共

コミュニケーション

生体データ収集

App

注文・会計

・注文

• 専用app

の中から食べたいものを選択

を使った料理が提示され、そ

• 自分の健康状態にあった食材

注文

• 簡易センシングキットの導

• センシングデバイス

は少し面倒

• いちいちセンシングするの

セリングの有無

• 健康状態に依ってカウン

• 時間制:人が集まる仕組

を設計する

処方箋発行

カウンセリング

センシング

診断

• センシングデバイスで

• 日々の動線上にサービス

• 実店舗

• 移動が面倒くさい・大変

ない

• 家から出るのが億劫だし、新

• 実店舗に来店

人的対応

リピート客

受付

他人事感が否めない

の店舗を確認

• webサイトでサービス内容・近く

検索

WEB

来店

• 家族にすすめられても、

Food Clinicを知る

• 家族のすすめで

新規顧客

発見

自分で選びたい

• 味の濃さ、テイストなどは

買い物

やりがいの設計

• 買い物は自分でやる!→

買い物

受け 取 り

導入

食事

を楽しむ

• 他の利用者とともに食事

コミュニケーション

食事

• 空間的に工夫する

な人が参加する

• テーブルマネージャのよう

を取るのは...

• 知らない人といきなり食事

• ARグ グラス等、調理補助技術の

集まる

• 様々な年齢/職種の人が

• 地域ボランティア制度

• 地域ボランティア

• 料理を受け取る

• 食材を渡す

食材渡す

地域ボランティア

調理

かない

設計

健康データ管 理

App

スで定期的に健康チェック

• 専用のセンシングデバイ

交流

帰宅

で継続利用を促す

• Meal planを設定すること

• 継続利用割引を設定

• 家に帰ってきたら結局続

• 地域を巻き込んだイベント

ベントに参加

• 食後のネットワーキングイ

チャット

イベント

交流

SNS

チャット

に連絡可能なSNS

• アプリで体調管理、手軽

• 専用app

• ウェアラブルデバイス

Clinicへ送信する

• 日常の健康データをFood

継続

C U S TOMER J OU R N E Y M AP

ユーザーがサービスを利用する中で生じる

体験に関連したチェックポイントのマッピング

カスタマージャーニーマップを用

Customer Journey Map ver.05

FOOD+CLINIC


PROJECT 04

SERV I C E OV ERV I E W

沿道沿いのスーパーに併設された際の Food+Clinic の

サービス全体像とその流れ

④食材を購入

⑤食材を渡す&料理を受け取る

③料理&食材を選択

⑥一緒にご飯を楽しむ

②生体データを同期(取得)

OV ERV IE W

① MaaS による移動

S TA K E H O LD E R M AP

Food+Clinic を介した、地域とクライアント会社との

D E SI GN

エコシステムを表したステークホルダーマップ

R ESE ARC H

地域ボランティア

地 域コミュニティ

生体データの二次利用

スーパー割引利用証等 社会貢献機会

独り暮らし高齢 者

お手伝い

利用料&生体データ

消費者データ

サービス

サービス向 上

本社

Food +Clinic

場所

集客力&定着度

消費データの二次利用

提携スーパー

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FOOD+CLINIC

U SECASE SCEN AR IO

東京郊外で独り暮らしをしているミチさんを主人公にした、

food+clini のサービスを利用するシナリオ

主人公のミチさんは東京郊外で独 り暮らしをする 83 歳。 Food+Clinic の サ ー ビ ス を 利 用 す る う ち に、 地 元 の 知 り 合 い が み る みる増えていった。 今 で は Food+Clinic に 通 う こ と が 毎 週 の 日 課 と な り、 ご 飯 を 食 べ な がらみんなとおしゃべりすること が最近の楽しみだ。

27


MISCELLANEOUS WORKs

MISCELLANEOUS WORKs

EDITORIAL DESIGN PRODUCT DESIGN PROTOTYPING

2019 - 2020

28


MISCELLANEOUS WORKs

EDI TOR I AL D E S G I N これから大学に入学する人たちへ向けて、OB・OG の方々の これまでの選択、苦悩をインタビュー形式でまとめた本。 コンセプトデザイン、エディトリアルデザインを行った。

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MISCELLANEOUS WORKs

PR ODU C T D E S G I N 10 年後の未来、生体データの漏洩がきっかけとなり、クラウド への信頼が大きく揺らいだ。人々は自身のプライベートなデー タを指輪のように肌身に着けて持ち運ぶようになる。

30


MISCELLANEOUS WORKs

PR OTOT YPIN G 海洋マイクロプラスチックサンプラーのプロトタイプ。 安価な市販部品を組み合わせ、研究者が誰でもアクセス可能 な未来を描いた。

31



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