和光中学校学校案内パンフレット

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08 和光中学校での「出会い」と「学び」

10 和光学園のはじまり

11 校長・副校長の挨拶

12 和光中学校教育目標

14 生徒会・自治活動

16 教科紹介

36 クラブ活動

37 生徒の 1 日

38 和光中学校の一年

40 秋田学習旅行

42 和光祭

43 集中ホームルーム

44 3 年生卒業演劇

45 15 歳の主張発表会・卒業式

46 生徒のことば

48 卒業生のことば

50 キャンパスマップ

52 親和会・保護者のことば

53 Q & A・アクセス

54 和光高校の教育方針

中学校・高等学校 校長 橋本 暁

はしもと あきら

「自分」が変わる 「仲間」と変わる

10 代の6年間というのは心身ともに大きく変わる時期 です。経験によって人間は変わるとして、一人でできるこ とと誰かと共にでなくては出来ないことがあります。「誰 かと共に」ということで、みなさんが思い浮かべるのは何 でしょうか?和光中学校には生徒会自治活動を土台とす る、運動会や文化祭、学習旅行、演劇祭などの様々な行事 があります。「誰かと共に」やるのですから、自分の思い 通りにはいきません。他人とぶつかることもあるでしょう。 そこで、新たに気づかされることがあったり、何とか折り 合いをつけていくことを学ぶのだと思います。

和光では「共に学ぶ」ということを大切にしています。

自分とは違う感じ方や意見、異なる解き方、個性の発揮さ れた作品に触れることで、発見できることがあります。あ るいは自分の思い込みに気づかされるかもしれません。仲 間と共に学ぶ中で、あなたの学びは豊かになり、物事を見 る視点が多層的になっていくはずです。

人間は、基本的には他者と関わって生きていくのだ、と 私たちは考えています。何でも自分でやって生きていくこ とは、なかなか難しいのです。それなら、誰かと一緒にや れれば、それで十分ではないでしょうか。人と関わりなが ら、自分が成長できる場が様々に用意されている学校、そ れが和光なのです。

1933 年(昭和 8 年)11 月 10 日、成城学園を母体として、教職 員 7 名、児童 33 名の小さな私立小学校が誕生しました。校舎もな く校名すらありませんでした。

「和光」という名の私立小学校が正式に出発するのは、翌 34 年 4 月からでしたが、戦時中のファシズム支配のもとでは自由な私学 の発展する余地はなく、命を長らえるのに必死な状態でした。

沿革

1933.11.10 成城学園を母体として新学園出発。

校長 吉田慶助(36年 校長 谷口武)

1934.4 和光小学校開校

1945.4 長野県更級郡信田村に学童疎開

12 篠原雅雄校長のもとで学園再開

1947.4 和光中学校開校

1950.4 コア・カリキュラム連盟

園長 石山侑平、校長 海後勝雄、

顧問 梅根悟 就任

和光高等学校開校

1951.7 館山水泳合宿開始

1952.4 園長 海後勝雄、校長 春田正治 就任

和光が人間教育を旗印にして戦後教育の中で注目を浴びるのは、 1950 年(昭和 25 年)に日本生活教育連盟の実験学校になり、その つながりで春田正治を校長に迎えてからです。幼稚園、小学校、中 学校、高等学校の上に 66 年には梅根悟を学長に迎えて和光大学を 建設し、総合学園の仲間入りをしました。いまや児童・生徒、学生 総数は 5,000 名をこえ、教職員も専任者が 300 名をこえています。

1966.4 和光大学開学、学長 梅根悟 就任 1968.3 校長 丸木政臣 就任 1969.4 和光高等学校 金井校舎に移転 和光鶴川幼稚園開園 1976.9 秋田学習旅行 1977.4 中学校、高等学校、町田市真光寺の 新校舎へ移転 1991.4 園長 丸木政臣、校長 葛西菊太郎 就任 1992.4 和光鶴川小学校開校 1994.10 和光学園松本研修センター竣工

2005.4 校長 両角憲二 就任

2013.11 「和光学園八十年史」刊行

2014.8 特別教育棟新築

2015.4 校長 松山尚寿 就任

2019.4 校長 橋本暁 就任

中学校 副校長 亀山 俊平

かめやま しゅんぺい

「対話」を活かして学び合える学校

和光中学校は、物事を自分の頭で考え、発信し、言葉を 交わし合い、自分とは違う考え方や文化を受け止め合う応 答関係の中で成長していける学校づくりを、生徒・保護者 と共に進めてきました。

多感で悩みながらも大きく成長する中学3年間を、多様 な出会いと発見の積み重ねによって、自己肯定感が形成さ れ自分のことが好きになれる時期にしてほしいと願ってい ます。 和光学園のはじまり「自由な学園を護る」という強い決意

1953.4 和光幼稚園開園

1995.3 校長 森下一期 就任 1997.12 和光中学高等学校 特別教室棟新築 2002.4 新体育館、新プール竣工

「なぜ?」と問いを立て、「どうしてだろう」と考える自 由を大切にし、学習・行事・自治的活動の全領域において「対 話」することを活かして学び合えるのが和光中学校です。  クラス、学年、全校での話し合いや交流、学校や保護者 との協議が盛んに行われる日々の中で、生徒は互いに憧れ

を持ち、自分たちが主役であるのだと、楽しく安心できる 学校づくりに参加しています。全校生徒が集まって話し合 う生徒総会では、学年などに関係なく、堂々と意見が言え る関係性が大切にされています。和光は、そんな「当たり 前のことのできる学校」です。

和光中学校教育目標

「共に生きる教育」

和光中学校は「共に生きる教育」を目標として います。

「共に生きる」とは、平和と民主主義を大切に しながら、他者と共に生きることです。

私たちは誰もが自らの幸福を追求するために存 在し、その権利を持っています。この権利がすべ

ての人に保障される社会の実現こそが、私たちに とって切実な到達目標です。

そのためには、戦争・暴力・貧困・抑圧・差別 などのない社会が不可欠となります。そしてその 社会は、他の「誰か」から与えられるものではな く、自らが主体者となって、同様に幸福追求権を もつ他者と共につくるものであると考えます。

和光中学校は三つの柱を設けて「共に生きる教 育」を目指します。

自己表現と他者理解を 大切にする教育

相手に思いを届け、言葉を交わし合うことを大切にし、自分の考えを発信していくこと。

同時に、自分とは違う考え方や文化を尊重し、そうした他者を受け止め共に生きていくこと。 その二つを、和光の学びの土台とします。

自己肯定感を育む

全面発達の教育

一面的な価値観からの評価ではなく、あらゆる可能 性を伸ばしながら、将来しなやかに生きていくため の、様々な学びのある教育を目指します。

ひとりひとりを尊重し、「自分が自分であって大丈夫」 と思える、そんな「ありのままの自分」を大切にで きる生徒を育てます。

権利行使の主体を育てる教育

人生の主体者として、自分と他者の権利を 大切にできる生徒を育てます。

そのためには物事を科学的に検証し、 話し合いで解決していく力が必要になります。

世界に目を向け、誰もが自分らしく 生きられる社会をどのようにつくっていくのか、 授業や自治活動を通して日々学んでいきます。

言葉は「人をつなぐもの」であり、「固有 の存在を示すもの」

言葉は、自己と他者を結び、他者に働き かける自己を創り出すものとして、全ての 学びの根幹にあります。

国語科では、豊かな言葉で表現された作 品世界を、仲間と共に探求する中で、自己 の感性や思想を能動的に表現できる力と、 自他の存在を対象化できる力の獲得を目指 します。

そして根拠に基づいて意見を述べ、論点 を捉えて柔軟に議論することができるよう な論理的な思考を育てたいと思います。

「表現と応答」の中で価値ある自分を見い だす授業

「言葉の多義性・象徴性を学び、美しく 豊かな日本語の使い手になる」ことを目指 し、授業では言葉の様々な機能・特性・仕 組みを学年ごとに発展させながら繰り返し 学びます。

自分の考えや思いは沢山の異なる意見や 想いの中にあって、それがどんなに未熟で あっても尊重され、応答してもらえる価値 のあるものだと実感できれば、人は自分の 思いを丁寧に伝えようとします。

ですから、和光中学校の国語の授業では 人をつなぐ言葉

「自分の言葉で表現すること」と、「他者の 言葉とその向こうにある思いを受けとめ、 応答すること」を大切にします。

また単元の終わりには、「批評文」「意見 文」の執筆や、絵・写真など他の表現と合 わせた作品の創作などを行い、交流し合う 機会を設けます。

1 年生では「ぼかし絵」を背景にした自 由テーマの詩、2 年生では「学校と私」が テーマの「1 枚の写真と短歌」、3 年生で は自分の主張を「意見広告ポスター」と いう形で表現します。

仲間に学びながら自分自身と向かい合う  例えば小説を読む単元では、まず自分自 身の問いを持ちながら読みます。班やクラ スでの話し合いを通して他者の言葉を聞き とると初めの問いが深まり発展していきま す。3 年生では自分たち自身で学びの道筋 を作っていくような授業をめざします。こ の表現と応答の繰り返しにより、個人の読 みが次第に深まり、言葉が生まれていきま す。最後に根拠を示しながらまとめた自分 の解釈は、自分にしか書けない一つの作品 となるのです。

国語の授業の魅力は、問 いに対して自分ひとりで 考えるのではなく、班員 やクラスメイトの意見を 聞いて「こんな考え方が あるのか」という新たな 発見ができることです。 “唯一の答え”がない国 語では、クラスの人数分 の“正解”から多くを学 んでいます。   濱田

VOICE

心を揺さぶられるような授業を

1 年生では「地理」分野、2 年生では「歴 史」分野、そして 3 年生では現在につな がる近現代史や国際情勢、現代日本の諸課 題などの「公民」分野を扱います。

和光中学校では、これらの分野はすべ て“今の自分たちが生きている現代社会や 「現在」のさまざまな事象を理解し、読み 解くことにつながっている。”と考え、分 野を超えたタイムリーな社会的事象を扱う こともしています。

2024 年度の社会科でとりあげたテーマ には、「2024 年問題(物流・労働環境)」、「現 在のガザ(パレスチナをめぐる国際情勢・ 宗教・歴史)」、「ノーベル平和賞(平和・ 核廃絶・国連)」、「能登半島沖地震(災害・ 防災)」、「トランプ大統領就任」(価値観に よる分断・欧州とアメリカの溝)などがあ ります。

これらのテーマが示しているように、現 代社会には広く共有し解決すべき課題が数 多く存在しています。

その中から私たち人類が「共に生きる」

ために大切な 5 つの視点(平和、人権、文化、 環境、経済)からタイムリーなできごとを 取り上げることもしながら、深く掘り下げ た授業を展開し、授業後の休み時間や家庭 で「ふと、話題に上がるような授業」を目 指します。

今までは気にも留めなかった出来事や、 なんとなく気になっていた出来事を、深く 学ぶ授業を通して、ニュースなどに対する

関心が高まることにも期待しています。

さまざまな人が共に生きているこの世界 で現在おこっていることを知り、心を揺さ ぶられ、自分の頭で深く考えた生徒は、「自 ら学ぶこと」を始めます。

授業で学んだことを誰かに伝えたり、“な ぜ?”“どうして?”と自分自身で探究を 進めたり、他者との意見交流を求め、新た な視点を獲得しようとします。

和光中学の社会科では、インプットした 知識をただアウトプットする、いわゆる暗 記教科として学ぶことや、各分野をバラバ ラに学ぶことでは身につかない、「自ら学 ぶ力(=生きた学びの力)」をつけていく ことを目指します。

●ひとつの事柄に対して深く学習すること で、生徒が自分自身の生き方を問い直し、 自分なりの視点を持てるように。

●新たなる疑問をみつけ、種々の事がらを 関連付けて多角的に分析し、科学的な検 証を行い、判断する力を持てるように。

●平和や人権を尊重し、学級や社会におい ても「共に生きる」ことの大切さを理解 し、社会を構成する一員となれるように。

●身の回りの小さな社会から、ときには世 界に目を向け、誰もが自分らしく生きら れる社会を実現するための行動(アク ション)ができるように。

これからも、生徒に「問い」を投げかけ 続けようと考えています。

和光の社会は、黒板や教科書に書いてあることを ノートに写すのではなく、先生が生徒に問いかけ て授業を進めます。私にはそれがとても新鮮で、 最初こそ「面倒くさいな」と思っていたけれどだ んだんと授業が楽しくなってきました。  西垣

理科は、次の 4 つを目標としています。

1 . 科学的な自然観を養う

2. 自然科学を考える元となる「事実・法則・概念」を体系的・系統的に学ぶ

3. 実験と観察から探究心と真理を求める心を養う

4. 自分で疑問を見つけ、探究し、科学的で合理的な解決方法を導き出す

教科観

理科の実験や観察をしているとき、生徒 たちはいきいきとしています。未知なるも のへの憧れ・好奇心、驚き・発見、人生の 喜びがそこに存在しています。それだけで なく、お互いの協力や感想と意見交流があ るからこそ、みんなで共に学ぶことの大切 さに気づかされます。自分にない視点・発想、 同じ物事を見ても違う感じ方、なぜそうな るのか本当に不思議です。でも、そう感じ

たところにはきっと、理由があるのです。 全ての物事には理由があります。空に向 かって投げたものが地面に落ちるのも、枯 れたように見えた木が春に葉をつけ花を咲 かせることにも、友達が怒ることも、自分 の心がウキウキすることにも、全てのこと にはそうなる理由があります。もちろん、 上手く説明できない物事も世の中にはたく さんあります。しかしそれは、「今はまだ 上手く説明できない」だけで、いつかきっ

と、きちんと説明できる時が来ます。それ まで「どうしてなのか」疑問をずっと持ち 続けて理由を説明しようと考え続ける人が いて、世の中の「わからない」ことが少し ずつ「わかる」ようになりました。

授業の特徴

「自然科学」という分野の「なぜだろう、 どうしてだろう」という疑問を持ち考える 方法を学びます。人間は大昔から、わから ないことをわかろうと考え続けてきまし た。これを探究心といいます。探究心があ るからこそ色々調べて実験し、新しいこと を発見してきました。今はわかっているこ とでもじっくりと観察し、実際に観察した り実験してみると、やっぱりワクワクして、

発見の感動を味わえます。

和光中学校では「問い」を大事にしてい ます。自分は疑問に思わなくても、クラス の誰かが出した疑問を自分のこととして捉 え、どうすれば納得のいく説明ができるか を一緒に考え、自分の心で感じて思考して ほしいと思っています。

具体的な学習内容

化学を基本に生物・地学・物理分野を学 習します。世界は原子・分子でできていて、 それがエネルギーを持ち集まり、生物の体 をつくり地球環境を成立させていることを、 理科の分野にとらわれず、全ての繋がりを 意識して学習します。実験や観察を多く行 い、実際に体験することも重視しています。

先生がユーモラスだから 授業中に退屈せず、授業 外でも十分に質問できる 環境が私を理科好きにし てくれました。下校時間 になるのと私の気が済む の、どちらが先かという くらいギリギリまで先生 を質問攻めするのが当た り前なテスト期間が本当 に楽しいです。 森山

地球上の物事にはすべて理由があり、その現象を自分の言葉で説明できるように、理論や理屈、法則性を学ぶのが「理科」であると考えます。

英語を窓に世界に出会う、自分に出会う

私たちは言葉を通して「世界」を捉え、 他者と繋がり、自分を見つめることができ ます。言葉とは人の営みであり歴史であり、 土地や風土によって生じるその多彩さは人 類そのものの多様性を表しています。外 国語学習は自分とは異なる「世界」との出 会いです。異質なものと出会ったとき、は じめて人は自分の「世界」を意識し、自己 への問いを持ちます。また、慣れ親しんだ 言語とは別の言葉で自分を表現できること は、他者との関わり方を豊かにします。

和光中学校の英語科では、外国語学習を 通して多様な価値観に触れ、自らの言葉や 想像力、そして他者との繋がりを豊かにし、

民主的で平和な世界を構築する人を育てる ことを目指しています。

「自律した学習者」になる

言葉の学習は生涯にわたって行われる ものです。英語科の授業では、自ら学び続 ける「自律した学習者」となるために、言 語の学び方を身につけてほしいと考えて います。

学びを自分のものにするためには、まず 「なぜ」「どうして」を耕すことが必要です。

理屈抜きの繰り返しによって言葉を覚えた 幼い頃とは異なり、抽象的な思考が発達す る中学生は、母語との違いを手掛かりにし

て論理的に言語学習に向き合える世代で す。例えば文法を学ぶとき、仕組みを教わっ て反復練習をするだけではもったいないと 考えます。長い時間をかけて編纂された辞 書を片手に、その文法の表す「理屈」や「つ くり」に着目し、参考書を調べながらそれ ぞれに納得のいく文法レポートを作成しま す。その学びは、英語の原書を読んだり、 自分の考えを英作文にまとめたり、英語圏 出身の専任教員とコミュニケーションをと る中で実践的に深められます。

自ら学び続けることは、必ずしも独りで 学ぶことを意味しません。授業の中では、 クラスメイトの一言から何かに気づき、自

分とは違う発想の誰かの疑問から思考が深 まる経験を大切にしています。和光中学校 が掲げる「共に生きる」を授業を通してど う実現するのか、生徒たちと共に模索して います。

和光の英語では単に文の作 り方を習うのではなく、な ぜそうなるのかを考えま す。新しい文法を習う度に レポートを書き、資料を読 みながらその文法を理解し ていきます。そうすると、 その言葉を話す人の思考も 感じられ、言語を学ぶおも しろさが味わえます。 東

「ことばレポート」作品。(左下)

わかる・できる・わかち伝える

保健

保健科は「自分の生活を豊かに、幸せに する」ために学ぶことを大切にしています。

これからの自分の人生を生きていくうえで 必要な知識を身につけ、正しく行動できる ような授業を展開しています。特に、性の 学習では時間をかけており、思春期の体の 変化のみならず、心の変化、社会との関わ りに焦点を当て、男女共修で学んでいます。

具体的な学習内容は初めに、人間の生活 に関わることや体や心の変化、健康と生 活の関係に関する学びです。例えば、人間 が生きていくうえで水や食事、運動、休養 は欠かせないものです。これらを正しく取

り入れるためにはどのように行動したら いいのかをみんなで考えます。その後、性 の学習では自分の体や異性の体の仕組み について学び、お互いの体について理解を 深めます。思春期でホルモンバランスも変 わり、気持ちも不安定になりやすい中学生 段階では、性についての正しい知識が必要 です。情報があふれているこの現代の世界 で、正しい知識の習得の仕方を身につけて いきます。

体育

体育科は「わかる・できる・わかち伝え る」を大切にしています。

和光中学校では、運動が苦手な子も活躍 する場があります。なぜなら、「どうした らできるようになるか?」を考える体育の 授業だからです。体だけでなく頭も使う授 業を大切にしています。グループ学習を多 く取り入れ、みんなで協力し合いながら授 業を進めていきます。

例えば水泳の授業では、体を浮かすため にはどうすればいいのか?進むためには? 呼吸は?と考えながら水泳理論を学びま す。そしてその理論を自分の体で実践し検

証して、試行錯誤しながら、最終的には四 つの泳法を身につけます。また、自分たち が習得した理論を互いに教え合い、自分だ けができるのではなく、自分の周りの人も できるように考え行動し、共に学びを深め ていきます。

50m走を科学する「陸上」、技の理合と 不思議を考える「柔道」、空間構成を考え た集団演劇「みかぐら」、空間とチームを 意識したゲームづくり「バスケットボール」 等を3年間の中で学習していきます。

体育は、仲間同士でコ ミュニケーションがたく さん取れる教科です。バ スケットボールの必勝法 をみんなで考えたり、各 班で構成を考えたみかぐ らを披露したり…と、誰 もが楽しくコミュニケー ションをしながら体を動 かしています。  松崎 人間がつくりあげてきたスポーツという運動文化をさらに創造的に発展させていく力をつける「体育」です。

仲間と繋がっていく楽しさと出会う

和光中学校の音楽科の授業では、「音に 意味を探すこと」と「音で思いを伝え合う こと」という二つの柱を立て、生徒たちの 音楽的な感性を育んでいます。

音に意味を探す  音楽は単なる音の集まりではありませ ん。それぞれの音符には、作曲家の想い や、その曲が生まれた背景、そして聴く人 それぞれの心に響く様々な意味が込められ て います。授業では、楽譜を読み解き、 作曲家の意図を考えたり、最新の作曲ソフ トを使って実際に楽譜を書きながら少しず つ楽譜を読み解く力を養います。モーツァ ルトの有名な「きらきら星変奏曲」を取り 上げ、モチーフと変奏の関係を一緒に考え たり、歌の歌詞に込められたメッセージを 読み解いたりする活動を通して、音楽の奥 深さを探求していきます。

音で思いを伝え合う

音楽は、言葉では表現できないような心 の動きを伝えることができる、素晴らしい 文化です。和光中学校には合唱で思いを伝 える文化が過去の先輩たちから伝統として 引き継がれています。入学式、卒業式、秋 田学習旅行など、節目となる行事で自分達

の思いを込めた「歌」を届け受け止め合い ます。新入生をお祝いする気持ち、三年間 過ごした仲間と別れ旅立って行く切なさ、 新しい出逢いへのワクワク、秋田でお世話 になった方々への感謝や離れがたい寂しさ など、多感な 10 代の抱く様々な思いを込 めて、時には涙を流しながら歌います。器 楽アンサンブル発表の授業では、各自の パートの役割を理解しつつ音楽の流れを作 り上げる楽しさを仲間と分かち合います。

3 年生の芸術選択ではギターアンサンブル の授業もあります。

なぜ音楽の授業が大切なのか  音楽の授業を通して、生徒たちは以下の 力を養います。

●共感力 : 様々な音楽に触れることで、他 人の気持ちに共感し、音によって伝え合 う・分かち合う力を養います。

●創造力 : 楽曲制作や演奏を通して、音楽 の諸要素の働きを理解し、自分の伝えた いことを音で表現する力を養います。

●表現力 : 歌や演奏を通して、表現し相手 に伝える力を養います。

和光中学校の音楽の授業では、生徒たち が音楽を通して、自分自身と向き合い、世 界を広げることを目指しています。

音楽の授業では歴史や実技など様々なこと を学びますが、一番の魅力は合唱だと思い ます。指揮をする先生が私たちの気持ちを 盛り上げてくれて、何度も練習していくう ちにだんだんとみんなの声がそろっていく 様子がとても気持ちいいです。   西山

3年生の芸術選択は「ギター」と「オルゴール」から選び学ぶことができます。

VOICE

世の中の技術を観てみよう

和光中学校の技術の授業  技術の授業は、「何かをつくって終わり」 ではありません。

ものづくりの学習では、既存の製品を 参考にしつつ、自分なりにデザインし直 し、作品をつくりあげていきます。例えば、 低融合金を流し込む鋳造を行ったり、旋 盤を使ってキーホルダー金具を作ったり します。

電気(エネルギー)の学習では発電から 電気の消費まで(つくってから、使われる まで)を学びます。また、世界各国の発電 方法を比べ、私たちはどのような方法でエ ネルギーを利用していくべきかを考えてい

きます。

食生活と農業の学習では畑づくり、種ま きから収穫・脱穀・製粉を全て自分たちで 行い、パンやうどんを作る小麦の授業を実 施しています。更に、秋田学習旅行と結ん で食の社会的問題について考えます。

その他に、コンピューターの基本操作 や、情報社会を賢く生きるための情報モラ ル、プログラミングや近年の発展が著しい AIの仕組みについて学んでいきます。

技術の授業で目指していること

現代の豊かな生活は、様々な技術によっ て支えられています。一方で、製品の仕組 みを理解したり、製品や食物の背景にある 労働を見つめる経験は年々乏しくなってき ています。

技術では、体験的な授業を通して「ワク ワクした」「難しかったけど楽しかった」 という想いを生徒にもってもらいたいと考 えています。その想いを出発点にして技術 を学び、改めて自分の生活を捉えなおし、 今まで観えなかった身の回りの技術が観え るようになる生徒の姿を期待しています。

更に一歩進んで、生徒には、技術が進歩

して便利な生活になっている一方で地球 温暖化に直面しているこの地球の危機を どう乗り越えて行くのか等、技術の在り方 を人々の選択によってどのようにしてい くのか考えられる人になってほしい。そん な願いをもって技術の授業に取り組んで います。

技術では物作りや電気の仕 組み、農業について学びま す。キーホルダー作りはデ ザインから金属加工まで全 て自分で行うので、個性が 出せます。農業の学習で小 麦を育てながら農家の問題 について考えたことが、秋 田学習旅行での学びとつな がりました。    古井

鋳造(ちゅうぞう)と旋盤(せんばん)加工による作品、「キーホルダー」。(左上)

自分の生き方を考える 学び続ける

日常生活の中に潜む現代的社会課題を テーマとして取り上げます。自分たちの生 活は、どんな想いや人の営みでつくられあ るのか。そこにはどんな課題を見ることが できるのか。和光中学校の総合学習は、ど んなことも「他人ごと」ではなく、「自分 ごと」として捉えこれからを生きていくた めに、新聞や多様な文献にあたり、当事者

1 年生のテーマ

から直接お話を聞く機会、そして現地に赴 き実際に体験して学ぶことを大切にしてい ます。

和光中学校では、一人で進める探求では なく、自分なりの意見を持ち、それを発信 し合い、受け止め合う応答関係の中で、共 同・協同作業を通してテーマに対する多様 な視点を共有することを目指します。

マイノリティ・LGBTQ+・障がいについて考える

私たちは自分と他者と「共に生きる」ことを目指します。その土台となるのが、 一人ひとりの「ちがい」を認め合うことです。自分とは異なる考え方や生き 方と出会うことで、「自分らしさ」を発見し、誰かの思いに寄り添うことや、 小さな声に耳を傾け目には見えないことを想像する大切さを学んでいきます。

私たちは、学びを通して基本的人権を尊び、誰もが尊重され大切にされる社 会の実現を目指すことができると考えています。

情報社会を賢く生きていくために必要な事を考える インターネットは SNS の誹謗中傷など様々なトラブルも内包しています。 安全に利用できるリテラシーを獲得し、賢い使い手になる学習をします。

クラス演劇をつくり上げる

1 年生は和光祭で「クラス演劇」を発表します。初めてクラスで取り組む一 大イベント。クラスで話し合いながら脚本を選び、全員が大切な役職につき ます。脚本の解釈で意見が分かれたり照明や音響の演出で話し合いが白熱す ることもありますが、それも大事な時間です。仲間の新しい一面に触れなが らクラス一丸となって創り上げる演劇はみんなの誇りにもなります。

食と農から世界を見つめる

自分が口にしているものはどこで、誰が、どのように作り、どんな経路を辿ってきたのだろうか。食品添加物 はどのように使われていて、私たちの身体への影響やその利点はどこにあるのかなど、私たちが直面する食の 問題は様々にあります。専門家をお呼びして実験や調理を通して学習を深めたり、レポートにまとめて発表し、 自分たちの生活を捉えなおす時間を大切にしています。食料生産や食料自給率について、また農業問題などの 社会的課題を生徒同士の討論なども含めて多面的に学んでいきます。

秋田学習旅行で「働く」ことの意味を考える

「働く」は「はた(傍)をらく(楽)にする」と言われますが、5 泊 6 日の秋田学習旅行での農家とわらび座員と の出会いからその根源的な意味を問い直していきます。

3 年生のテーマ 『これからの生き方を考える』

自分を見つめ直し、今後の人生を自分らしく考えていくために、講演や映画鑑賞、人との対談から「生きる」を 深め、まとめレポートを完成させます。

15 歳の主張

中学 3 年間の集大成として、授業、行事、総合学習の学びの中で考えてきたことから主張を作文にまとめ、『15 歳の主張発表会』を行います。この会は 4 クラスの合同三役会と教員が一緒に運営してつくられます。前半は 代表に選ばれた生徒達の作文が読み上げられます。後半は有志による発表会です。バンド演奏にダンスパフォー マンス、オリジナルの映像作品やジャグリングを披露する生徒が次々と舞台に登場し、会場は温かな笑顔と拍 手につつまれます。

総合学習では、出会いと発見を通し て(今後の人生の基盤となる)新た な自分を見つけられます。例えば、 秋田で誇りを持って農業に向き合う 農家さんとの出会いから、食の大切 さ、働くことの楽しさを学んだこと で、「いただきます」にこめる気持 ちが大きく変わりました。  里崎

2 年生のテーマ
VOICE

自分の好きと出会い 仲間と出会う

和光中学校の生活をのぞいてみよう!

クラブ活動 生徒の 1 日

和光中学校のクラブ活動は、「好きなもの同士」 が集まった民主的な集まりです。活動内容や練習 メニューは生徒が自分たちで調べたり相談し合い ながら決めていきます。活動は月・木・金曜日の 3 日間です。月に 1 回クラブ長が集まるクラブ長 会では、お互いの活動を報告し合い、クラブの課 題を相談したりクラブ運営について話し合いま す。クラブ長会として学校への要望をまとめるこ ともあります。クラブの他に「図書委員会」があ ります。

サッカー部/女子テニス部/男子テニス部 女子バスケットボール部/男子バスケットボール部

バレーボール部/野球部/卓球部/水泳部/ダンス部 【運動系クラブ】

吹奏楽部/技術部/美術部/ジャムセッション研究部 演劇部 【文科系クラブ】

朝の会 15 分休み 3 時間目

三役が朝の会を担当します。

出席を確認し連絡事項をクラスに伝えます。

生徒会と学校が協議してつくられた 15 分休み。

食堂で軽食を買って教室で食べることもできます。

昼休み

生徒会の生活委員会が運営する 体育館開放があります。

そうじ・帰りの会 クラブ活動

活動終了

最終下校

三役が帰りの会を担当します。

クラブ日:月・木・金

班長会/三役会/三役班長会/合同三役会/生活委員会/文化委員 会/選挙管理委員会/拡大委員長会/クラブ長会/実行委員会/ 代議員会/係会/執行委員会/二者連絡協議会/三者連絡協議会

入学式

一部は学校、二部は生徒会が主催する二部構成の入学式。受付から教室 での準備などは全て在校生がリードし、新入生と一緒に式をつくります。

館山水泳合宿

千葉県館山市の北条海岸 で遠泳に挑戦します。

秋田学習旅行

「生きる・食べる・働く」を 学ぶ5泊6日の学習旅行です。

和光祭

教科学習作品展示、1年生学級演劇発 表、総合学習発表と、一人ひとりの学 びの成果を交流します。

執行委員選挙

選挙管理委員会が立会演説 会を運営し、全校投票で次 年度の執行委員を選挙で決 めます。

2 年生集中 ホームルーム 『わたしの主張』発表会 とクラスの話し合いを一 日かけて行います。

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新入生歓迎

オリエンテーション

運動会

生徒会オリエンテーション・

クラブオリエンテーション

新入生歓迎

館山水泳合宿総務・ 班長選挙 生徒総会

期末試験

館山水泳合宿

オリエンテーション運動会

新入生が安心して学校生活を始められるように在 校生で話し合いを重ねて準備します。3年生は全 員で全校をリードします。学年に捉われない交流 文化が縦割りによって生まれます。初めて出会う 人と一緒に取り組む経験を通して、「共に何かをつ くる楽しさを」と感じることも大切にしています。

代議員会

秋田学習旅行

新入生に向けて、執行委員会が中心となり生徒 会自治活動とは何かを伝えます。権利とは、自 由とは、大切にしたいことについてなど、3月 総会で在校生が決議した年間方針に基づいて話 します。クラブ紹介は個性豊かです。

生徒総会

全校生徒で議題を決め 討議します。

和光祭 和光教育研究集会

3年生卒業演劇

同じクラスで2年間共に学んできた仲 間とつくり上げる、学びの集大成となる 演劇発表です。

期末試験

生徒総会

執行委員選挙

3 年生

入学式中間試験中間試験期末試験

小学校合唱交流会

議長団選挙

2 年生集中ホームルーム

卒業式

一部は学校主催の「卒業証書授与式」、二 部は生徒会主催の「旅立ちを祝う会」。言 葉と想いを乗せ、和光の文化である合唱と いうかたちで届け合います。

15 歳の主張発表会

授業、行事、総合学習の三領域の学 習で一人ひとりが考えてきたことを まとめた『15歳の主張』発表会を 行います。有志の楽器演奏や作品発 表も会場を盛り上げます。

生徒総会

新年度の生徒会方針を話し 合い議決する総会です。

3 年生

演劇祭卒業公演

15 歳の主張発表会

卒業式

生徒総会

和光中学校の卒業証書

ザンビアで生産されている、フェ アトレードのバナナペーパーを卒 業証書に使います。学校に通えな い子どもたちの支援につながる取 り組みです。

「秋田で人と文化と労働力と出会い、生き方を考える」

「かーさん、とーさん、また帰って

くるからね!」秋田学習旅行の最終日、 生徒たちは別れを惜しみます。

秋田学習旅行を始めて 45 年以上が 経ちます。「生きる・働く・食べる」。

二年生は生きる上での大きな問いに向 き合う学習旅行となります。総合学習 をはじめ、国語科、音楽科、社会科に 技術など、各教科学習が繋がり、生徒 たちは生涯大切にしたい「出会い」を 経験します。

秋田学習旅行実行委員会は連日会議 を開き、学年総会などを経て、学年全 員で、この 5 泊 6 日の秋田学習旅行

を充実させるために準備をします。

一日目は、わらび座のミュージカル を観劇し、作品の世界に触れると共に 表現者としての座員の方たちと出会い ます。二日目は座員の方々から「わら び座ソーラン節」や三宅島太鼓を教わ り、ステージで発表します。生徒達は 本気で何かに打ち込む大人と出会い、 全力で表現する楽しさを味わいます。

三日目からは班ごとに農家で農作業 に取り組みます。農家の方と一緒に働 くことを通して、働く手応えや仕事の 厳しさ、人の温かさに触れ、生き方を 考えます。

最終日の前夜は『お別れ感謝の会』 です。生徒たちは想いを語り合い、歌 詞に想いを乗せて合唱曲を届けます。 みんなの声が一つになる大切な時間 です。

学校に戻ると、『秋田を伝える会』 を企画し、学習旅行の成果を伝えます。

和光祭では、農家のみなさんが秋田か ら駆けつけてくださり、『秋田を伝え 合う会』を一緒につくり上げます。生 徒も卒業生も農家の方々との再会を喜 び合います。

生徒の感想文

里崎さん

秋田の出会いの中で 学んだことは大 きく二 つある。

一つ目は “ はたらく ” について。農家 さんの作業はとても大変で、帰りは毎日 くたびれていた。そんな 私 たちに 農家

の輝子さんは 「よく頑張ったね、ありが

とう」と声をかけてくれた。疲れて汗で ベトベト、それでもその疲れを心地よい

と感じられた。 言葉では 表し難 い 不思

議な気持ち。

「 誰かを幸 せにできるとしたら、きっと

それが 一番幸 せなこと」 入学式で 聞い

た言葉のように、この気持ちになれたの は 「ありがとう」 の一言 で 「 私たちが

輝子さんの役に 立 てた 」「 幸 せにでき

た」と思えたからだ。

出発前に 先生 から聞 いた 働くという

言葉の意味、“ 傍の人を楽にすること ”。

私は誰かを幸せにできること、楽にでき

ること、そこに働くことの楽しさを見出す ことができた。

二つ目は食と農業について。 農業は 自然の影響を大きく受ける。事前学習で は、 気候の変化にも対応しなければい

けないことや、 農業就業人口の減少で

農家さんの高齢化 が 進 んでいることを

学んだ。 現に、 輝子さんには後継者が おらず、 継いでくれる人を探すと言って

いた。けれど、こんな大変な職業に進 んで 就く若者はいるのか。 収入の安定 する会社勤めの方が 良 いのではと考え てしまう。それでも、農家さんが 「おい

しい 食材を 届けたい 」と手塩にかけて 作った 食材は 本当においしい。そのお

いしさを 知ってしまったから、そんな 食 材を 食 べたい、日本の農業 は 大切だ、 そう思う。だから、自分の体を作る食べ 物のこと、農業のことをきちんと自分事と して考えなければと思った。そして私は 食卓に並ぶ 食材一つひとつに農家さん の努力がたくさん 詰まっていることを 忘 れずに、 農家さんへの感謝を 伝えるた めに 心を 込めて 「 いただきます 」 を 言 いたい。

秋田学習旅行 は 毎日が 出会 いと発 見、 学びに満ち、 充実していた。 和光 中学校だからこそできた、私たちの想像 を 超える素敵な 出会 いと貴重な 経験 が 凝縮されていた。生い立ちも暮らしも環 境も違う私たちが 出会 い、 違 いを 受け 止め合いながら新たな発見を得て、 共 に学び、生活したこの日々は私のこれか らの根幹を支える基盤となるだろう。

和光中学校で育まれた文化の発表

1 年生は学級演劇、2 年生は秋田学習旅行 発表、3 年生は総合学習発表です。教科学習 の成果を交流する作品展示、そして生徒会企 画の各クラブ発表や有志発表会を通して、新 しい自分や仲間との出会いがあります。この 「文化」の創造過程で、さらに豊かな自分づ くり・仲間づくり・集団づくりを目指します。

集中ホームルーム 1

2 年生の 3 学期には「集中ホームルーム」を実施 します。三役が中心となり、時間をかけて自分たち の課題を分析し、クラスで話し合う議題を準備しま す。集中ホームルームの日は一日かけて自分たちの 課題と向き合い、どうすれば解決できるのかを話し 合い、より良い関係性をつくることを目指します。

また、これまでの学習や体験を通して考えた『わ たしの主張』作文を聞き合い交流する日でもありま す。各々の視点から語られる世界への眼差しは、そ れぞれの視座へと繋がります。

中学 3 年間で生徒たちはありのままの自分を見つ けて認め、「自分と共に生きる」ことを知り、自分 とは異なる他者、つまり「あなたと共に生きる」こ

とと出逢い、「まだ見ぬ誰か・なにかと共に生きる」 ことを模索し学んでいきます。自己と他者の理解を 深める人間理解の場を経て、2 年生は最高学年にな る意識を高め、次年度の準備を始めます。

螺旋状に変化する私たちは 「わたし」「あなた」「わたしたち」へと広がりを見せて、 それは「学級」「学年」「生徒会」「世界」を どのようにつくっていくのかという問いを 応答関係の中で考える存在だと考えています。

『わたしの主張』作文より

演劇祭は脚本選定から始まります。登場人 物の心情や置かれた状況を想像し脚本を読 み解くことは、自分たちの社会に眼を開 き、他者への共感力と想像力を学ぶ場とな ります。一緒の教室で過ごす中で見つけて きた互いの個性を認め合い、選挙で演出、 大道具、小道具、照明、音響、キャストを 選びます。一人ひとりが必要とされる演劇 づくりは、平和と民主主義を大切にする私 たちの生き方を模索する総合芸術であると 考えます。上演後には全校生徒から感想文 が届けられます。

秋田学習旅行で学んだことを『秋田を伝え る会』と『秋田学習旅行報告会』で伝え合 います。実行委員会が中心となり、学年代 表の作文発表と学年合唱を披露し、報告を まとめます。有志が披露するわらび座ソー ラン節と三宅島太鼓の発表は力強く胸を打 ちます。クラスの発表会は、自分たちの農 家さんの紹介や、農作業を体験して考えた ことや感じたことを発表し聞き合います。 作業の合間を縫って、農家のみなさんも駆 けつけてくださる特別な時間です。

自分自身の人生を考えていくために、「生 きること」「働くこと」を中心に学んだ学 習の成果を発表します。身近な大人にイン タビューをしたり、専門家の方にお話を 伺ったりすると、中学生には想像もつかな いような人生の歩み方や世界と出会うこと があります。

僕 は、 暗闇 が 苦手だ。そんなこと人 類共通で、 変に隠そうともしてこなかっ たのだが、それをバカにして嘲笑う連中 がいる。暗闇なんて自分だって怖いだろ うに。 暗闇に 不安を 感じるのは、 人間 の生存本能であり、 進化の過程で 得た 能力だ。 僕らの先祖はこの能力に何度 も助けられてきたにも関わらず、それを 侮辱するとは。と憤りを感じた僕は、 友 人にこのことを 「 暗闇 が 怖 い 僕をバカ にする、それはすなわち我々人類の足跡 を侮辱することだ!」とわかりやすく要約 し、 熱弁したところ、 見事にスルーされ たのでこの話はもうしないことにした。 しかしながらスルーされたのは、 彼 のスマホにとても魅力的なものが表示さ れていたからであって、 基本的に 生身

の人間が先ほどの話をしっかり聞いたら 概 ね 同意 すると思っているのだ。 例え ば、 ホラーコンテンツ全般で 使 われる 大きい音を急に出したり、物陰から急に 飛び 出してみたりと予測できないことで 驚かせる、所謂ジャンプスケアを受ける

と、とっさにうずくまったりしてしまうもの

だが、そんな滑稽な姿は 連中からすれ

ば格好の餌食であり、やれビビりだとか、 男らしくないだとか、ここぞとばかりにチ クチク言葉を 投げてくる。 彼らはこのう ずくまるというポーズの有用性を 知らな いのだろう。 みてくれが 滑稽だというこ

とには 同意 せざるを 得ないが。 重要な のはその実用性である。

てほしいと思うもの。あの太陽であって も、 人間が 招いた地球温暖化のせいで 夏場は暑さにかこつけて八つ当たりされ ているのをよく見かける。また、 夏場で なくとも、 太陽 がそこにあるのは 当たり 前だと思っている節があると思う。 太陽 がなければ、地球はずっと暗闇になるっ ていうのに。おそろしい。  色々と脱線してしまったが、 暗闇を恐 れるのは 合理的な 感情であり、 最初に 「 暗闇への恐怖をバカにすることは、 人 類の足跡を侮辱することだ」と言って友 人にスルーされたが、 今度は 「 暗闇へ の恐怖をバカにすることは、人間の生き 様を侮辱することである」と改める。な ので、 人間 は、 人間らしく積極的に 暗 闇を恐れる方が身のためだと僕は思う。 「暗闇の見かた」 深澤さん

暗闇の話とは少しズレてしまったけれ ど、そもそも物事への評価は、正当であっ

卒業を間近に控える 3 年生による演劇祭卒業公演は、3 年 間の学校生活の集大成です。60 分を超える大舞台は約 1 カ 月の時間をかけて創られます。点として存在していた日々の 学びが繋がって線となり、育まれてきたクラスと学年の歴史 が交わる重層的な議論が舞台を成功へと導きます。対話を通 して困難を乗り越え完成した演劇は、下級生に涙と笑いと共 に届けられて文化となるのです。

本番まで

脚本選定委員会を選出し、図書館の「演劇専用本棚」か ら脚本を探したり、演劇脚本を扱う公立図書館に赴いた り、インターネットでシナリオを探して読み合い選定しま す。自分たちのクラスは演劇を通してどんなことを訴えた いのか、何を問い、どのように伝えたいのか。脚本に描か れるテーマを探り、クラス全員で物語の解釈を進めていき ます。登場人物の置かれた心情を考え想像することでま た、教科学習で学んできた知識が連なり合い、脚本読みを 深めます。

クラスが劇団となる…

一人一つ役割を担当します。演劇ではクラス内選挙とオー ディションにより、役職が決まります…総演出、音響演出、 照明演出、大道具・小道具演出、キャスト演出、音響担当、 照明担当、大道具担当、小道具担当、キャスト。それぞれ の立場で真剣に取り組みます。期末試験が終わると特別時 間割が組まれ、演劇練習と準備が本格的に進められます。 各セクションの打ち合わせ、会議、準備が進められ、演出 同士の話し合いと連携が必須となります。放課後には練習 だけでなく様々な会議が行われる和光中学校。どの教室も 会議室としていっぱいとなるのが風物詩です。

自分がいて、自分以外の人がいて、共に生き・ 共に学び、思いを伝え合うことを大切にしてきた 和光中学校での生活。その中で考えてきたことを 自分の言葉で紡ぐ主張や技を披露します。15 歳 の今にしかできない主張を交流すること、そして 自分の特技を発表し、共に笑い・共に感動する発 表会をつくります。

和光中学校の卒業式は二部構成です。第一部 は、学校主催による「卒業証書授与式」、第二部は、 生徒会主催による「旅立ちを祝う会」です。生 徒会は開催目的から内容までを自分たちで考え、 1 月の代議員会で決議して準備します。

第一部は、体育館中央の特設舞台を 3 年生、1 2 年生、保護者が囲む中で一人ひとりに卒業証書 が手渡されます。第二部では、在校生と先生か らの応援の言葉や合唱のプレゼントがあります。 卒業生は『15 歳の主張』の代表作品を通して、 和光中学校で考えたこと、学んだこと、発信し たいことを届けます。そして最後は合唱のお返 し。3 年間で様々な学びを積み重ねる中で育まれ た自分たちの思いを歌詞に乗せて、気持ちを込 めて歌います。

仲間と学んだ生き方

演出家 大谷賢治郎 「和光中学校とわたし」

僕は幼稚園から高校まで和光学園で過ご し、その後アメリカ・サンフランシスコに 演劇を学ぶために留学。帰国後さまざまな 紆余曲折を経て、現在は演劇の演出をする 傍ら、高校や大学で演劇を教えたり、子ど もたちのための自己表現ワークショップな どを開催したりしています。こうして自分 の遍歴を振り返ってみると、確実に僕の人 生は和光の教育の影響により形成されてき たのだなと今では本当にありがたく思って います。

和光中学では文化祭、秋田学習旅行、そ して演劇祭と本当に多くの行事を行なった

ことを 40 年近く経った今でもはっきり覚え ています。どの行事にも(そしてこれは教 育方針にもつながることですが)共通して 重んじられていたのは自主性でした。何を するにしても自分たちで考え、自分たちで 行動する。例えば、僕が明らかに最も影響 を受けたと言える演劇祭を例にすると、時 折先生の助言は受けながらも(そう、指示 ではなく助言でした!)脚本選び、キャス ティング、スタッフの人選と構成、そして 音響や照明、舞台美術や衣装も含めた演出 もすべて生徒たちが行いました。それぞれ が責任を背負うこと、それぞれに耳を傾け ること、自分の意見を発言すること、自分 を表現すること、そして僕の場合は特にこ れらすべての要素を含めた総合芸術という ものを通して自分の芸術性を磨くことなど、 (僕の時代は)全学年・全クラス・全員参加 の行事で学びました。こうした自主性、も しくは自立の精神は現在の僕の実感も踏ま えつつ、きっと和光で学ぶ生徒たちが将来 社会に生きる時に大いに役立つと思います。

先述のように僕は高校卒業後、アメリカ に演劇を学ぶために留学しました。そして 演劇と英語という最強のコミュニケーショ ンツールを学ぶことが出来ました。そのお かげで、僕は 2011 年から 2021 年までの 10 年間国際児童青少年演劇協会の仕事に 携わり、最後の 4 年間は同協会の世界理 事を務めました。留学の課題でも協会の仕 事でも、基本的には自らが発信しないと成 立しない意見交換や交流の連続でした。演 劇をやっていると尚更ですが、自己主張が できること、そして他者に耳を傾けるこ と。それは国際交流において必須です。僕 自身、和光の教育を受けたことにより、広 い世界に目を向け、そしてその広い世界を 体験することができたと言っても過言では ありません。

現在、大学で教え、若者と接する中でよ く口にするのが「指示待ち症候群」という 造語です。入学してくる多くの学生が指示

「日本一めんどくさい中学校」

清水さくら 卒業生

私の通っていた幼稚園の園長先生が「日 本一めんどくさい幼稚園」という本を書い た。和光中学校も「日本一めんどくさい中 学校」だと思う。 3 年間和光にいて、特に めんどくさいと思うことが 2 つある。

1 つ目は、話し合いがとにかく多いこと だ。和光では、授業はもちろん、個人の問 題も学年の問題も生徒が話し合う。問題解 決のための話し合いは、すべてが 1+1=2 のように、明確な答えがあるわけではない。 だからダラダラ話し合うこともあった。

和光のめんどくさいところ、 2 つ目は和 光が「自由すぎる」というところだ。ルー ルに縛られるのは嫌いだが、自由すぎる と、逆に自分でやるべきことを考えなくて はいけなかった。私はそれができていな かったことに気づいた。

和光はめんどくさいことだらけだ。しか し、そんな和光だからこそ得られたものが

ある。

それは、たくさん話し合っていろんな視 点から考えることの大切さだ。誰かが意見 を出して、それに反応し、お互いが意見を 交わすことで自分の知らなかった意見を聞 くことができる。それによってみんなが納 得の行く結果に近づくようになる。

また、私は和光に入って自分と向き合う ようになった。 2 年生のときの総合学習な どを通して、私は自分に自信を持つ人にな りたいと思った。

和光に入って、学力だけでなく人生をよ りよくするための思考力を身につけること ができた。私は「日本一めんどくさい中学 校」に入学できてよかったと思っている。

和光中学校卒業、和光高校入学。

を待つ傾向にあります。それはおそらくそ れまでの教育が「指示される」ものだった からかもしれません。これからの社会、指 示を待たずとも自ら思考し、自ら行動する 人こそが「生きる」力を手にしていくのだ と思います。これこそ「和光教育の賜物」 と僕自身も自負しております。

演出家。1972 年東京都出身。1987 年和光中学校卒業。 サンフランシスコ州立大学芸術学部演劇学科卒。児童劇 から人形劇、古典から現代劇、市民劇から国際的コラボ レーションまで様々な形態の舞台芸術を演出する。2017 年から 2021 年まで約4年間、アシテジ国際児童青少年 演劇協会の世界理事を務め、国際的な児童青少年のため の舞台芸術の発展のために力を注ぐ。また東京国立博物 館の演劇的ガイドツアー、国内外での演劇ワークショッ プなど演劇を応用した活動も精力的に行なう。現在、桐 朋学園芸術短期大学特任准教授、東京藝術大学非常勤講 師、東京都立芸術総合高等学校特別専門講師を務める。

「問いから生まれる時間」

和光中学英語科教員・研究部長

後藤 恵

幼稚園から高校まで和光学園で過ごしま した。縁あって和光中学校の教員となり、 周りの人たち、家族や同僚、地域の友人た ちの力を借りながら、現在仕事と子育てを しています。

思春期の生徒たちとの生活は、もどかし くて、恥ずかしくて、とんがった、でも瑞々 しい感性との出会いの日々です。彼らを通 して、ふとした瞬間にかつての自分や仲間 の存在が蘇る、そんな懐かしくも新しい出 会いに満ちています。

中学生の私は「なぜ少数民族の言語では なく英語を学んでいるのか」といったこと を本気で悩み考えていました。英語という ことばを学ぶことが、小さな言語の存在を 危うくさせてはいないか…自分の無意識・ 無自覚な選択や判断が、誰かの暮らしや存 在を傷つけてはいないか、という不安や恐

れを抱き始め、それらがこだまして、出口 のみえないトンネルのなかで鳴り響いてい る、そんな感覚を抱いていました。

振り返れば、それは様々な学びが自分の 中で繋がり始めていた、ということなのか もしれません。自分の中にある様々な問い を存分に考えられた和光での学びの時間 は、私の原点です。そしてそこにはいつも 共に考えられる仲間の存在があったように 思います。

和光学園で育ててもらった、ということ が今、子どもを育てる親となって、また生 徒保護者と向き合う教師となって、ありが たいことだったと感謝しています。ひとり の人格ある人間として、心から信頼できる 大人や仲間に大切にしてもらったというこ とが、自身の基盤となっていると思うから です。そして自分が享受してきたことをど うにか返していきたいと願い、もがく日々 です。

幼稚園から高校までを和光で過ごす。2019 年より和光 中学校教諭。

食堂

キャンパスマップ

朝の会前・15 分休

み・昼休み・放課

後には、ジュース

やパン専用の自動 販売機で自由に飲

食することができ ます。昼休みには、

秋田学習旅行でお世話になった農家さんの育てた秋田米 を使用した定食や麺類などの多彩なメニューから安全で 美味しい食事をとることができます。座席数も多く、天 気の良い日には外の席を利用できます。

豊かな蔵書がある図書館 中高が一緒に利用する図書館は、様々な知的好奇心が広 がる圧倒的な質と量の本があります。和光の授業では、 調べ学習・探究学習が各教科であるために本、新聞、雑 誌など学びに沿った幅広い資料が豊富にあり、読み比べ て考えを深めることができます。また 1 2 年で「図書 の授業」があります。参考文献の明記の仕方、レポート の書き方など、書物から学習を深める勉強をします。

司書教諭の声

体験を重ねて自ら選ぶ力を。本は自分自 身の手で開くことによって奥深い、様々 な世界に出会うことができるものです。

本を探し、選び、読み、考える体験を重 ねることによって、自分自身が必要とす る資料を自ら選ぶ力が育つように、全力 でサポートしています。

1 体育館 第 2 体育館

特別棟

理科室

コンピューター室

技術室(金工室、木工室)

コンピューター教室

コンピューター室には、1 人 1 台 の iMac が完備されています。

コンピューター室には専任の先生 が常駐しているので、コンピュー タースキルが習得できます。

調理室

被服室

理科室 調理室

防災対策

中高合同で防災訓練を行っています。身体的なハンディを抱え る生徒も一緒に安全に避難するための設備も、毎回の訓練で使 用しています。 Wi-Fi

校内は全館 Wi-Fi を完備しています。生徒は学校指定のノート パソコンを使い、どの教室でも授業の課題や生徒会自治活動の 作業に取り組むことができます。

テニスコート

和光高 校の教 育方 針

和光高 校は 40 人を 1クラスとし、1学年 6 クラス。

3 年間クラス替えがありません。共学で様々な生徒がいます。

一人ひとりが自分と仲間の個性と価値に気づく学校生 活を送れるように、

3 つのポリシーを大切にし、教育方 針としています。

POLICY 1

POLICY 2 POLICY 3

必修選択「 A 」

POLICY

日本 文学 研究 農と地域 基地問題研究 戦 争と史跡 日本 古代 史研究 労 働と福祉

科学技 術と生活 絵画Ⅰ 版画Ⅰ

ものづくりと音 ·ひととことば ·動物と人 間社 会

戦 争と史跡

一 人ひとりの個性・能力をじゅうぶんに伸ばし 、 自主的で創造的な力をつけることをめざしています 。

さまざまな自治的活動を通じて 、 民主的な人格を養うことをめざしています 。

世界の平和と発展のために、歴史をきりひらいてい く 知性と行動力を育てることをめざしています 。

化学 日本史

国語 HR

数学 物理

必修選 択「 A 」は全員が選択する必修選択 枠で、す べての講座が 授業計 画のなかに「フィールドワーク」 を含んでおり、教 室の 外での学習を重視しています。

秋には、講座ごとに3 泊 4日の研究旅 行に出かけます。

北は北海道 、南は沖縄など、行き先はさまざまです。

必修選 択「 A 」はフィールドワークを重視

必修選 択「 A 」では、授業のテーマを深めるために、調 査、実習 、見学に出かけます。教 室の 外へ出て、現地の 人や場所に接し、より深く学習するためのものです。

動物と人間社 会

「動 物と人間社 会」では、動 物と人間が関 わっていることを題材に話し合いをしたり レポートを書いたりしています。1,2学 期の 大きなテーマは動 物園・水族 館にいる動物ですが、ペットのことや動物カフェな どの身 近な話題 についても考えました。研究旅 行では動物園 や水族館に行ったり、水族館のバックヤードを見せてもらったり 地引網をしたり貴 重な体験ができました。研 究旅 行で得たことを 生かして、課題である自分が思う理 想の 動物 園・水族館 像を 考え、全員がプレゼンしました。授業では 意見交 流が盛んで、 いろんな意見が聞けるので自分の視点も増えて楽しい講座です。

6 月には、井の 頭自 然文化 園へフィールドワークに 行き、ヤマネコのトレーニング見学をしました。

研究旅 行では、福岡 県・山口 県の 動物 園・水族 館に行き、動物 園・水族 館の 役 割や、動物福祉のこと、展示 方法につ いてなどを学びました。

「魚をとって食べる」という動物 と人間の関わりを考えるために、 地引 網を体験し、とれた魚をさば いて、全員でいただきました。

2 学期 末は、理想の「動物を展示する施

現代史

入門古文 数学研究

物理 A

スポーツ研究

デザインⅠ

口語英語Ⅰ 甲 中国語Ⅰ

韓国語・朝鮮語Ⅰ 英文解釈Ⅰ

英文解 釈Ⅰ ひととことば

「自由選択 C 」とは  文 系・理系の枠にとらわれず、幅広い分野にわたって設定された講座 のなかから、自 分の 興味・関心に応じて自由な組み 合わせで選択しま す。実習や作業を軸とする授業、研 究と討論を軸とする授業、制作を する授業など必修授 業とは違った様々な 内容・形 態の 授業を、少人 数で受講できま す。いろいろな経験のなかで、進路につい て具体 的に考えていけるようになります。

私はたくさんある選択授業の 中から、興味のあっ た授業を選びました。多文 化共生 やアイデンティ ティに興 味があり、将来は多文化環境 に身を置き、

自分の持つ世界を広げたいと考えています。  外国人と日 本文化 は、フィールドワークやグループワークを通じ、見て 聞 いて話し合う中で、他者と共に生きていくということについて学びます。自分 の持つ問題意識とは?から始まり、様々な問題が錯綜する新大久保 のこ れからを当事者と共に考え、最終 的に自分 のアイデンティティとはというと ころに着地しました。様々な文化 が入り混じる観光 地、新大久 保で、イン タビューしたり当事 者になって考える中で、新大久保 の難しさを実感し、 多文化共生に大切なことは何か、価値観の違う人とどのように向き合って いくのか、ということを考えさせられました。これは、グローバル化が 進む国際 社会を生きていく上で、重要な要素になるのではないかと感じています。  また、私はこの授業を受講する中で自分の将 来像を考えるようにな りました。多文化環 境に身を置き、固定観念 に捉われない広い 視野と 柔軟な 思考を身につけたいと考えるようになり、進路を考える際のポイ ントにもなりました。和光高校の豊富な選択授業 のおかげで、自分 の 興味を追求し、将来に希望を持つことができました。

3 年特別講 座

3 年の 3 学期は正 規の 授業 がなく、その代わりに自分たちで 学びたい内 容の 講座を立ち上 げ、担 当の 先生に自分たちで 依頼し、自主的に学習や趣味 を深めています。 秋 あき ば 葉 まどかさん

2 02 4 年度の 選択講座一 覧

自由選択 C1 自由選択 C2

ことばと世界

論説文

現 代の 世界

微積分*

着彩実技

中国語Ⅱ

韓国語・朝鮮語Ⅱ 被服Ⅱ甲

古文*

数学ⅡB 演習

化学 B

立体表現

写真表現( S )

英文解釈Ⅱ甲

翻訳小説を読む

メディア論

地域研究

化学 A

演劇Ⅰ

書Ⅱ

声楽Ⅰ

工芸Ⅰ

素描Ⅰ

食物Ⅰ「リンゴの皮むきテスト」

卒業 後の自分の 進路について考える機会、それが「 職業的 選択 科目」です。自分がどのような職に就くのか、どのような働き方が 向いているのか、この授業を通して学びま す。講師に、プロの写真家や映 画監督を迎え、 現場で実際に使われている技 術の 一部を学 ぶ講座もあります。

私は、保育・教育 (s)という講座を選択しました。 この講座では映像資料やグループ活動、フィール ドワークを通して「 子どもにとって信じられる大人 とはどのような存在か、また、そうあるために親や保育者はなにを大事にす るべきなのか」ということについて深く考えました。印象的な授業は、学 校の近辺をみんなで手をつないで散策したお散歩の授業です。公園で鉄 棒をしたり、だるまさんが転んだをしたり、今ぐらいの歳になると、お散歩は 単なる運動で、身長も伸び見える景色はいつも同じです。でも、子どもにとっ てお散歩は単なる運動ではなく、目線が低く私たちと見える景色が違う のです。草花や昆虫との距離が近く、土の匂いや目に入るもの つ一つ が新たな発見となります。この体験を通して、お散歩だって立派な遠足 であり、自分の足元にこそ注目することが大事なのだと思いました。  また、保育の現場も体験しました。そこで感じたことは、大勢の子どもを みるのは大変だということです。それぞれ違う環境で生まれ育ち、性格も 好き嫌いも注意を向けるところも、世界観も体調も違います。そんな子 どもたちに全く同じ対応をすることは適 切ではなく、それは制服や校則 の 問題にもつながってくるのではないかと考えました。保育・教育の世界に は、これといった正解や答えというものはなく、だからこそ子どもと同じ目線 で考えることの大切さを学ぶことができました。

和光高 校の 英語は、相手を知りたい、そして、自分のことを伝えたいという 思いを育てる授業だと思います。三年特別講 座「 English Co nversat io n 」 では、自分の身の周りの事柄を話し合い質問しあったり、英 語で話しながら散 歩したりと、楽しみながら英語を学べるような授業をアイデアを出しあって作っ ています。相手を知るためにはどう質問すればいいのか、自分のことを伝える にはどう言うのか。「正しい英語」でなくてもコミュニケーションに挑戦できる チャンスがたくさんある授業です。

口語英語ⅡB 自由選択 C3

日本語と論理 社会思 想 化学 C

版画Ⅱ 被服Ⅱ乙 プログラミング演習 地学 B 時事英 語 自由選択 C4

C5

C6

昔話と絵本を読む 漢文 日本史Ⅱ* 物理C 生物B 絵画Ⅱ 工芸Ⅱ 口語英語Ⅱ

生徒会

自分たちの事は自分たちの手で

和光高 校では、12 名の 執行 委員が 執行機 関として 生徒会活 動をリードしています。  各クラスから選出された 2 名の 中央 委員が、要求やクラブ承認などにつ いて話し 合い、議長 団が年 3 回の 生徒総 会と中央 委員 会の 議事運 営を行います。クラブ活動

では、クラブ 長会 議が開かれ、三役が中心になり、クラブ予算や、新歓オリエンテーション につ いて話し合います。

生徒会活 動と組織 図

委員 長

「自分たちで作る」とは「 知り合うこと」

執行委員会は、生徒会活動の原案を提案しています。その原案はクラスのHRで話し合われ、個人やクラスから修正案が出されます。修 正案は、原 案に対してより良くしていきたい、という気持ちから出されるものだと思うので、原案をつくる立場ではありますが、修正案が出されることは嬉しい です。そして、原案と修正案について生徒総会で議論され、可決されます。

今年度初めての生徒総会では、年間方針の中でも、体育祭の特別ルールについての議論が印象的でした。体育祭の一種目をハンディキャップを持つ 人もそうでない人も楽しめる競技にしよう、という修正案提案者の考えと、すでにある特別ルールの浸透が課題であるという原案提案者の考え。生徒 総会が 。

原案に修正案が出されたことで、議論が深まり、一人の意見は、全校を巻き込むような大きな議論に繋がっていくことが、実感できた生徒総会となり ました。

私は、原案をつくるうえで、まずは執行委員会の12人の中で、たとえその意見を持つのが一人だったとしても、言ってみよう!と思えるような会議 づくりを心がけています。そしてその先には、全校生徒が興味を持ってもらいやすい、意見を出しやすい環境ができると思います。

一部の意見のみですっきりと終わるのではなく、問いが残るような話し合いが、和光高校ではできると思います!これからもそんな学校を、執行委 員長という立場から作っていきたいです。

生徒総会

学校生 活や行事 については 生徒会執行 委 員会から出される「 方針 案」を元に、生徒が意見 を交わしながら決定していきます。全学 年が集 まって意見交 換をする場を「 生徒総 会」と呼び、 1年 間の活 動方 針、体育祭、文化 祭について議 論し、内容を審議します。どんな学校を作りたい か、行事では何が大事か、自分たちの意見を出 し、皆で耳を傾け、議論し、最後に採決します。

生徒会役員の引き継ぎ

1年 間の 達成 感と学校づくりへ の尽きない思いをこめて、旧執 行 委員から新執行委員へ仕事内容に ついて引き継ぎます。ここから新 体制での生徒会活動がスタートです。

進路指 導

ひとり一人に寄り添い、 将来の生き方を考えていく、 3 年間を見据えた 進路指 導

本校の 進路指 導では、単に学校選びだけに留まらず、個性を 尊重し、本人が自分の 進路をいかに主体的に考えていけるか、を 第一に考えます。状況に応じて、担任や 教科担当 教員、進路 指 導教諭とじっくりと時間をかけて話し合い、一緒になって進路を 探っていけるようサポートしていきます。また、生徒 全員に配布する 「 進路通 信」、数々の 進路 行事や学 年行 事を通して、情 報収 集 の場や自 分の 生き方を考えるためのヒントとなるような機会を提 供していきます。

2 、3 年次では必修授 業と並んで、多くの「 選択授 業」がありま す。幅広い学問分野に分かれている選 択授 業は、進路における 可能 性を探り、きっかけをつくる意味においても密接に絡んでくる ものと言えます。実際に、選択授 業の 中から関心のある分野を 見出し進路につなげた卒業生も多く、その 結果和光 生の 進路 先 は実に多様です。一人ひとりに寄り添い、将 来の 生き方を考えて いく3 年間を見据えた進路指 導を大切にしています。

進路 指 導部 長 氷 見 康 太郎

「原案を作成した生徒」と「修正 案を提案した生徒」、そして司会役の 「 議長 団の 生徒」の三者による会。

生徒総 会での議論に備え、互いの 意図を確認し、議題を整理する場です。

体育祭・文化体育祭実行委員

各クラスから2名ずつ選出され、すべての 運営を行います。目標、ルールなどの制作 から始まり、運営、総括までたずさわります。 多くの時間をかけ行事を成 功へ 導きます。

各学 年における進 路指 導目標

1. 将来への展望を広げていくため、日々の学習や 学校生 活の 定着を 図り、足場を固める

2. 授業や行事において幅広い生き方や 考え 方に触れることにより、 自分自身を知り、進路選択 およ びその後の人生における視野を 広げる

3. 大学進 学のみにこだわることなく、進路に関する様々な情 報・機会 を提供する

1. 多 様な 他者や学びと出会うことで自己理解を深め、生き方や 職業 観を深めていく

2. 必修に加え、選 択授 業が自らの進路といかに関わるかを考える

3. 様々な受験制度を知る。またそれに対応できるよう、きちんと した生 活・学習 習慣を身に付ける

1. ひとり一 人の 生徒に寄り添った、実践的・具体 的なサポートを行う

2. 受験方 法やルール、手続き方法などを具体 的に説明し、理解させる。 教員も共通理 解する

3. 個人、三者面 談などを丁寧に行い、生徒本 人や家 庭の 信頼を得ら れる指導を実施する。本 人の意思を尊重し、慎重に学校 選びをする。 決定 後に考えがぐらつかないよう注意する

1年生の進路行 事「卒業 生と語る会」

「語る会」の感想 辻 杏 菜さん

好きなことを仕事にしているのがすごいと思った。 嫌だなと思っても続けていく自信が自分にはないから、 本当に好きなんだなと感じた。子どもの頃から触れて きたものだとより知識を深められそうだし、そのための勉強だったら、続けられそうだなと 思ったから、そういうものを仕事にするのも面白い。進路が決まっていなくても、選択 授業は自分の 好きな授業を取ってもいいんだなと思った。

和 光で 文化部 長をしたことが役に立ったと聞くと執行委員、議長団に入ることも 視野に入れてみてもいいんだなと思った。コミュ力、知識はあっても困らないと思った。 好きなことができる環境には感謝した方がいいなと改めてわかった。

〔 2023 年度 卒業 生と語る会 来校卒業 生の職業 〕 生徒自らが、社会人となっている卒業 生と話をすることで、 進路選 択 について考え、職業 についての理解を深める良い 機会となっています。 保育士 看護師 旅行・観光( JT B ) YouTube r( 元俳優 ) スクールソーシャルワーカー (江戸川区教育 委員会) 専門学校職員 学習塾事務 首都圏ユニオンスタッフ

小学 校教員 美容 師 ミュージシャン ウエディングプランナー アートディクレター(博報堂) 空間デザイン 音響・サウンドプログラマー アニメーション作家/ 映像クリエータ

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